JPH0832706A - ビル群遠隔管理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既設の監視センタ装置を利用して異常検出情
報の受信や処理を代行してもらうことにより、監視対象
が小規模な場合に高価な装置を新たに設置しなくとも各
ビルの設備機器の遠隔管理が行え、且つ監視拠点が要員
不在状態のときにも遠隔管理に支障をきたさない、ビル
群遠隔管理装置を提供する。 【構成】 特定ビル群に関する情報が監視センタ装置１
０から配信される末端監視装置２０，３０を設置して、
これらの末端監視装置に要員不在通報用の一時不在スイ
ッチ２５，３５を設け、且つ監視センター装置１０に、
要員不在の末端監視装置へ配信すべき情報の送り先を切
り替える連絡先切替装置１９を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数のビルの設備機器
を効率的に遠隔管理するために用いられるビル群遠隔管
理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、複数のビルの空調設備やエレ
ベータ等の設備機器を遠隔管理するため、各ビルにそれ
ぞれ設備機器の異常を検出する端末装置を設置するとと
もに、これらの端末装置と電話回線を介して接続した監
視センタ装置を所定の監視拠点に設置し、各端末装置か
ら通報された情報を監視センタ装置で処理して適切な対
応が行えるようにしたビル群遠隔管理装置が知られてい
る。

【０００３】すなわち、上記端末装置は、当該ビルの設
備機器を常時電気的にチェックしており、異常が発生し
た場合には電話回線を介して、当該ビルのビルコードや
異常内容等をデータ信号化した異常検出情報を上記監視
センタ装置に送信する。この監視センタ装置には予め、
各ビルに関するビル名や設備機器名等のデータベースが
記憶されているので、端末装置から異常検出情報が通報
されると、監視センタ装置はそのデータ信号をデータベ
ースを検索しつつ読み取り、通報してきたビル名やその
所在地、異常が検出された設備機器名、通報日時、異常
内容、対応方法等の必要データを表示装置や印字装置に
出力する。そのため、監視センタ装置の設置されている
監視拠点に待機している対応要員は、通報された異常に
関する必要データを表示装置等を見て確認したうえで、
故障箇所を修理するため現場へ出動したり、あるいは現
場近くの営業所に連絡して出動を要請するなどして、迅
速な対応を図り、質の高い設備管理が行えるようになっ
ている。

【０００４】なお、この種のビル群遠隔管理装置の従来
技術は、例えば特開昭６１−１２１５５１号公報に記載
されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したビ
ル群遠隔管理装置の最大の利点は、ある程度広い地域を
カバーする監視拠点に監視センタ装置を設置して適所に
対応要員を分散させておくことにより、各ビルにそれぞ
れ設備機器の異常に対応しうる管理人や警備員等を常駐
させる必要がなくなるということにあり、特に監視対象
のビル数が１００以上と大規模な場合には、かかるビル
群遠隔管理装置を採用すれば人件費が極端に少なくなる
ため、設備管理に要する費用を大幅に低減することがで
きる。

【０００６】だがその一方で、かかるビル群遠隔管理装
置の中枢部である監視センタ装置には、各ビルの設備機
器が正常に稼動しているか否かを常時連続して監視でき
る高信頼性が要求されるため、電源バックアップや２重
系構成等の障害回避策を組み込まねばならず、必然的に
監視センタ装置自体は大型で高価な装置にならざるを得
ない。それゆえ、監視対象のビル数が１０〜１００程度
と小規模な場合、各ビルの常駐要員が不要になって人件
費が低減されたとしても、高価な監視センタ装置を設置
すればほとんど採算が取れないことが多く、これが、常
駐要員の確保が困難になっているにも拘らず遠隔管理体
制に移行できない大きな理由と考えられている。

【０００７】また、監視拠点には本来、対応要員が常時
待機していなければならないが、監視対象が小規模であ
ると、多くの要員を待機させておくわけにもいかないの
で、対応要員の緊急出動時などに監視拠点を一時的に要
員不在状態にしなければならぬことがあり、その場合、
何らかの対策を講じておかないと遠隔管理に支障をきた
すこととなる。

【０００８】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、監視対象が小規模な場合に高価な
装置を新たに設置しなくとも各ビルの設備機器の遠隔管
理が行え、且つ監視拠点が要員不在状態のときにも遠隔
管理に支障をきたさない、ビル群遠隔管理装置を提供す
ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、既
設の監視センタ装置を利用し、この監視センタ装置が設
置されている地点とは異なる監視拠点に、監視対象とな
るビル群の設備機器に関する情報が上記監視センタ装置
から配信される末端監視装置を設置するとともに、この
末端監視装置に要員不在状態であることを上記監視セン
ター装置へ通報するための不在連絡手段を設け、且つ上
記監視センター装置に、上記不在連絡手段を介して要員
不在を通報している上記末端監視装置へ配信すべき情報
の送り先を切り替える連絡先切替手段を設けることによ
って達成される。

【００１０】

【作用】例えば他社管理のビル群の端末装置と接続され
ている既設の監視センタ装置が利用できれば、この監視
センタ装置の監視対象に若干数のビル群を追加して異常
検出情報の受信および処理を代行してもらい、且つ上記
追加ビル群の監視拠点に設置した末端監視装置へ該監視
センタ装置から代行処理済みの情報（通報された異常に
関する必要データ）を配信してもらうことにより、若干
数のビル群の設備機器の遠隔管理を高価な装置を新たに
設置する必要のない低コストにて行うことができる。そ
して、末端監視装置が対応要員の緊急出動などにより要
員不在状態となっているときには、その情報を不在連絡
手段を介して監視センタ装置の連絡先切替手段に通報す
ることにより、当該末端監視装置に配信すべき情報を対
応要員のいる他所へ送ることができるので、代行出動が
可能となり、遠隔管理に支障をきたさない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明によるビル群遠隔管理装置の一
実施例を、図１のブロック図に基づいて説明する。

【００１２】同図において、符号１０は大規模ビル群Ａ
を管理しているビル管理会社１Ａの監視センタ装置で、
この監視センタ装置１０は大規模ビル群Ａから離れた地
点に設置してあり、大規模ビル群Ａの各ビル内に設置さ
れている端末装置２ａと該監視センタ装置１０とは通信
回線３ａを介して接続されている。また、符号２０は小
規模ビル群Ｂを管理しているビル管理会社１Ｂの末端監
視装置で、この末端監視装置２０は小規模ビル群Ｂの設
備機器の異常を監視するためのものであるが、小規模ビ
ル群Ｂの各ビル内に設置されている端末装置２ｂは通信
回線３ｂを介して上記監視センタ装置１０に接続されて
いる。さらにまた、符号３０は他の小規模ビル群Ｃを管
理しているビル管理会社１Ｃの末端監視装置で、この末
端監視装置３０は小規模ビル群Ｃの設備機器の異常を監
視するためのものであるが、小規模ビル群Ｃの各ビル内
に設置されている端末装置２ｃは通信回線３ｃを介して
上記監視センタ装置１０に接続されている。なお、監視
センタ装置１０と末端監視装置２０，３０はすべて異な
る地点（監視拠点）に設置されている。

【００１３】まず、ビル管理会社１Ａの監視センタ装置
１０の構成について説明すると、この監視センタ装置１
０は、通信回線３ａを介して各端末装置２ａとの通信を
行う複数の通信装置１１ａや、通信回線３ｂを介して各
端末装置２ｂとの通信を行う通信装置１１ｂや、通信回
線３ｃを介して各端末装置２ｃとの通信を行う通信装置
１１ｃや、通信装置１１ａに送信されてきた異常検出情
報を編集処理する処理装置１２や、通信装置１１ｂ，１
１ｃに送信されてきた異常検出情報を編集処理する処理
装置１６や、大規模ビル群Ａおよび小規模ビル群Ｂ，Ｃ
の各ビルに関するデータベースが記憶されている記憶装
置１３や、処理装置１２，１６にて編集処理された処理
済みデータを表示するとともに種々の入力操作が可能な
監視操作装置１４や、該処理済みデータ等を印字する印
字装置１５や、小規模ビル群Ｂの設備機器の異常に関す
る処理済みデータを通信回線４ｂを介して末端監視装置
２０の通信装置に配信する配信装置１７ｂや、小規模ビ
ル群Ｃの設備機器の異常に関する処理済みデータを通信
回線４ｃを介して末端監視装置３０の通信装置に配信す
る配信装置１７ｃや、小規模ビル群Ｂ，Ｃの設備機器の
異常に関する処理済みデータをそれぞれ末端監視装置２
０，３０のファクシミリに送るファクシミリ１８や、末
端監視装置２０，３０から後述する不在情報が通報され
ているときに配信すべき上記処理済みデータの送り先を
切り替える連絡先切替装置１９等により構成されてい
る。

【００１４】一方、ビル管理会社１Ｂの末端監視装置２
０は、通信回線４ｂを介して監視センタ装置１０の配信
装置１７ｂから情報を受信する通信装置２１や、この受
信情報を表示するとともに入力操作が可能な表示操作卓
２２や、該受信情報等を印字する印字装置２３や、監視
センタ装置１０のファクシミリ１８からの情報を受信す
るファクシミリ２４や、要員が不在であるという情報を
監視センター装置１０へ通報するための一時不在スイッ
チ２５等により構成されている。同様に、ビル管理会社
１Ｃの末端監視装置３０は、通信回線４ｃを介して監視
センタ装置１０の配信装置１７ｃから情報を受信する通
信装置３１や、この受信情報を表示するとともに入力操
作が可能な表示操作卓３２や、該受信情報等を印字する
印字装置３３や、ファクシミリ２０からの情報を受信す
るファクシミリ３４や、不在情報を監視センター装置１
０へ通報するための一時不在スイッチ３５等により構成
されている。

【００１５】なお、ビル管理会社１Ａの監視センタ装置
１０が設置されている監視拠点には大規模ビル群Ａへの
出動が可能な対応要員が待機しており、また、ビル管理
会社１Ｂ，１Ｃの末端監視装置２０，３０が設置されて
いる監視拠点にはそれぞれ、小規模ビル群Ｂ，Ｃへの出
動が可能な対応要員が待機している。

【００１６】次に、本実施例の動作について説明する。

【００１７】いま、ビル群Ａのうちのあるビルの設備機
器に異常が発生し、当該ビル内の端末装置２ａがこの異
常を検知すると、該端末装置２ａは、当該ビルのビルコ
ードや異常が発生した設備機器コード、異常内容を示す
状態コード等をデータ信号化して異常検出情報を作成
し、この検出情報を通信回線３ａを介して監視センタ装
置１０の通信装置１１ａに送信する。監視センタ装置１
０の記憶装置１３には予め、ビル群Ａ，Ｂ，Ｃの各ビル
に関するビル名や所在地、設備機器名等のデータベース
が記憶されており、端末装置２ａから通信装置１１ａへ
異常検出情報が通報されると、処理装置１２が、この異
常検出情報のデータ信号を記憶装置１３のデータベース
を検索しつつ読み取って、通報してきたビル名やその所
在地、異常が検出された設備機器名、通報日時、異常内
容、対応方法等の必要データを編集処理し、その結果を
監視操作装置１４および印字装置１５に出力する。した
がって、この監視拠点に待機している対応要員は、ビル
群Ａのうちのあるビルの設備機器に発生した異常に関す
る処理済みデータを、監視操作装置１４の表示情報や印
字装置１５の印字情報を見て瞬時に確認することがで
き、そのため現場地図や機器配置図、交換部品、工具等
を携帯して、現場へ直ちに出向くことができる。

【００１８】なお、現場に到着した対応要員は、異常が
通報された設備機器の状況を確認したうえで、必要があ
れば部品交換などの対策を講じる。また、現場に到着し
てみると異常が通報された設備機器が正常に稼動してい
ることもあるが、その場合にも一過性の誤動作なのか潜
在的な不具合がないのかなどを調査する。そして、現場
から監視拠点に帰着した対応要員は、現場への到着時刻
や復旧時刻、故障原因や対応内容等の結果報告を監視操
作装置１４を用いて入力する。こうして入力された情報
は、異常履歴情報として記憶装置１３に書き込まれて保
持される。

【００１９】一方、ビル群Ｂのうちのあるビルの設備機
器に異常が発生したことが当該ビルの端末装置２ｂにて
検知されると、該端末装置２ｂは、当該ビルのビルコー
ドや異常が発生した設備機器コード、異常内容を示す状
態コード等をデータ信号化して異常検出情報を作成し、
この検出情報を通信回線３ｂを介して監視センタ装置１
０の通信装置１１ｂに送信する。そして、通信装置１１
ｂを経由して異常検出情報が通報される処理装置１６
が、該検出情報のデータ信号を記憶装置１３のデータベ
ースを検索しつつ読み取って、通報してきたビル名やそ
の所在地、異常が検出された設備機器名、通報日時、異
常内容、対応方法等の必要データを編集処理し、この処
理済みデータは配信装置１７ｂから通信回線４ｂを介し
て末端監視装置２０の通信装置２１に送信される。

【００２０】末端監視装置２０の通信装置２１に送信さ
れた上記処理済みデータは表示操作卓２２に送られるの
で、この表示操作卓２２は警報ブザーを鳴動させて異常
発生を報知しつつ該データを表示し、また、該データは
印字装置２３にも送られて印字される。したがって、こ
の末端監視装置２０が設置されている監視拠点に待機し
ている対応要員は、ビル群Ｂのうちのどのビルのどの設
備機器にどんな異常が発生し、どんな対応が必要なのか
といったデータを、表示操作卓２２の表示情報や印字装
置２３の印字情報を見て瞬時に確認でき、そのため現場
地図や機器配置図、交換部品、工具等を携帯して現場へ
急行し、異常が通報された設備機器の状況確認や故障箇
所の修理といった対策を迅速に講じることができる。そ
して、現場から監視拠点に帰着した対応要員は、現場へ
の到着時刻や復旧時刻、故障原因や対応内容等の結果報
告を表示操作卓２２を用いて入力し、こうして表示操作
卓２２に保持された異常履歴情報は、配信装置１７ｂが
一定時間ごとに実行する末端監視装置２０への情報問い
合わせ時に、通信装置２１および通信回線４ｂを介して
該配信装置１７ｂへ送信され、処理装置１６にて編集処
理された後に記憶装置１３に書き込まれて保持される。

【００２１】同様に、ビル群Ｃのうちのあるビルの設備
機器に異常が発生したことが当該ビルの設備機器２ｃに
て検知されると、該端末装置２ｃは通信回線３ｃを介し
て異常検出情報を監視センタ装置１０の通信装置１１ｃ
に送信し、この異常検出情報を処理装置１６が編集処理
して得られたデータが、配信装置１７ｃから通信回線４
ｃを介して末端監視装置３０の通信装置３１に送信され
て、表示操作卓３２に表示されたり印字装置３３にて印
字されるので、対応要員は該データを見て必要な情報を
瞬時に確認し、現場へ急行して迅速な対応を図ることが
できる。また、帰着後に結果報告を表示操作卓３２に入
力しておくことにより、異常履歴情報を監視センタ装置
１０の記憶装置１３に書き込んで保持させることができ
る。

【００２２】なお、本実施例では、処理装置１６にて編
集処理されたビル群Ｂ，Ｃの設備機器の異常に関する必
要データが、配信装置１７ｂ，１７ｃを経由して末端監
視装置２０，３０に送信されるだけでなく、ファクシミ
リ２０を経由して、末端監視装置２０，３０のファクシ
ミリ２４，３４にも送信されるようになっている。

【００２３】次に、末端監視装置が要員不在状態となっ
た場合の動作について説明する。

【００２４】いま、ビル群Ｂの設備機器に異常が多発し
て対応要員が出払い、末端監視装置２０を一時的に要員
不在状態にしなければならぬ事態が発生したとする。そ
の場合、対応要員は監視拠点を離れる前に、末端監視装
置２０の一時不在スイッチ２５を操作して不在通報モー
ドに設定しておく。これにより、末端監視装置２０が要
員不在状態であるという情報が通信回線４ｂを介して監
視センタ装置１０に通報され、この通報を受けた連絡先
切替装置１９が、ビル群Ｂの設備管理をビル管理会社１
Ａにて一時的に代行できるように連絡先の変更を行う。
すなわち、末端監視装置２０からの不在情報を受信した
連絡先切替装置１９は、その後にビル群Ｂの各端末装置
２ｂから通報されてくる異常検出情報の処理済みデータ
を、配信装置１７ｂへ送る代わりに監視操作装置１４お
よび印字装置１５へ送るという切替操作を行い、その結
果、ビル群Ｂの設備機器に発生した異常に関する必要デ
ータが、監視操作装置１４に表示されるとともに印字装
置１５にて印字されるようになって、本来はビル群Ａの
異常に備えている対応要員による代行出動が可能とな
る。

【００２５】そして、末端監視装置２０の設置されてい
る監視拠点に対応要員が帰着したなら、一時不在スイッ
チ２５を操作して平常モードに戻すことにより、末端監
視装置２０の要員不在状態が解除されたという情報が通
信回線４ｂを介して監視センタ装置１０に通報され、こ
の通報を受けた連絡先切替装置１９は、その後にビル群
Ｂの各端末装置２ｂから通報されてくる異常検出情報の
処理済みデータを、監視操作装置１４や印字装置１５へ
送る代わりに配信装置１７ｂへ送るという切替操作を行
い、その結果、該データが本来の監視拠点である末端監
視装置２０へ配信されるという通常の形態に復帰する。

【００２６】なお、ビル群Ｃを監視している末端監視装
置３０が要員不在状態となるときにも、一時不在スイッ
チ３５を操作して不在情報を監視センタ装置１０に通報
しておくことにより、連絡先切替装置１９の切替操作が
行われて代行出動が可能となる。

【００２７】また、ビル管理会社１Ａで出動対応の代行
を実施中に発生した故障については、末端監視装置２
０，３０で入力するのと同様に、現場への到着時刻や復
旧時刻、故障原因や対応内容等の結果報告を監視操作装
置１４を用いて入力する。この異常履歴情報は、配信装
置１７ｂ，１７ｃが一定時間ごとに実行する末端監視装
置２０，３０への情報問い合わせ時に、通信回線４ｂ，
４ｃを介して通信装置２１，３１へ送信され、末端監視
装置２０，３０で出動対応の代行時におけるビル管理会
社１Ａの対応内容を確認することができる。

【００２８】このように本実施例では、大規模ビル群Ａ
の監視拠点に設置されている既設の監視センタ装置１０
の監視対象に小規模ビル群Ｂ，Ｃを追加して、これらビ
ル群Ｂ，Ｃの各端末装置２ｂ，２ｃから通報される異常
検出情報の受信および処理が該監視センタ装置１０にて
代行されるようになっており、且つ、かかる代行処理済
みの情報（通報された異常に関する必要データ）が、該
監視センタ装置１０からビル群Ｂ，Ｃの各監視拠点に設
置した末端監視装置２０，３０へそれぞれ配信されるよ
うになっているので、これら末端監視装置２０，３０に
は高度なデータ処理能力や大容量の記憶保持能力が要求
されず、よって監視センタ装置１０に通信装置１１ｂ，
１１ｃや配信装置１７ｂ，１７ｃ等の若干の装置を付設
しさえすれば、小規模ビル群Ｂ，Ｃの監視拠点には小型
で安価な末端監視装置２０，３０を設置するだけで、こ
れらビル群Ｂ，Ｃの遠隔管理が行える。

【００２９】そして、本実施例では、末端監視装置２
０，３０にそれぞれ、要員不在状態であることを監視セ
ンター装置１０へ通報できる一時不在スイッチ２５，３
５が設けてあり、この監視センター装置１０は末端監視
装置２０もしくは３０から不在情報が通報されると、当
該末端監視装置へ配信すべき情報を連絡先切替装置１９
の切替操作により自身の監視操作装置１４や印字装置１
５へ送るようになっているので、小規模ビル群Ｂあるい
は小規模ビル群Ｃに異常が多発するなどして監視拠点が
要員不在になったとしても、本来は大規模ビル群Ａの異
常に備えている対応要員に代行出動してもらうことがで
きて、遠隔管理に何ら支障をきたす心配がない。

【００３０】また、本実施例にあっては、監視センタ装
置１０に設けたビル群Ａ用の通信装置１１ａとビル群Ｂ
用の通信装置１１ｂとビル群Ｃ用の通信装置１１ｃとが
互いに独立に機能し、各通信装置１１ａ，１１ｂ，１１
ｃがそれぞれ、特定ビル群の端末装置２ａまたは２ｂま
たは２ｃから送られてくる情報のみを受信するようにな
っているので、特定のビル群の端末装置から頻繁に異常
検出情報が通報されてきても他のビル群からの通報に支
障をきたす虞がない。しかも、本実施例では、監視セン
タ装置１０に、末端監視装置２０と３０に対して情報を
個別に配信する配信装置１７ｂと１７ｃが設けてあるの
で、末端監視装置２０，３０のいずれか一方に対して頻
繁に情報が配信されても他方の末端監視装置への配信に
支障をきたす虞がない。

【００３１】さらにまた、本実施例では、監視センタ装
置１０の配信装置１７ｂ，１７ｃから末端監視装置２
０，３０へ配信された情報が何らかのトラブルで受信さ
れなかったとしても、同様の情報がファクシミリ１８か
らファクシミリ２４，３４へ送られるようになっている
ので、高信頼性が確保されている。

【００３２】なお、上記実施例では、末端監視装置２
０，３０の表示操作卓２２，３２に入力した異常履歴情
報が一定時間ごとに監視センタ装置１０へ送信されるよ
うにしてあるが、入力した異常履歴情報が直ちに監視セ
ンタ装置１０へ送信されるようにしたり、あるいは異常
履歴情報は監視センタ装置１０へ送信せず、表示操作卓
２２，３２に保持されるようにしても良い。

【００３３】また、上記実施例では、２台の末端監視装
置を監視センタ装置と接続した場合について例示してい
るが、監視センタ装置と接続する末端監視装置は１台で
あっても３台以上であっても良い。

【００３４】また、上記実施例では、末端監視装置から
監視センタ装置へ不在情報が通報されたときに、当該末
端監視装置へ配信すべき情報の送り先が監視センタ装置
自身となっているが、この情報を他の末端監視装置へ送
って代行出動を要請するようにしても良い。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によるビル
群遠隔管理装置は、既設の監視センタ装置の監視対象に
若干数のビル群を追加して異常検出情報の受信および処
理を代行してもらい、且つ上記追加ビル群の監視拠点に
設置した末端監視装置へ該監視センタ装置から代行処理
済みの情報を配信してもらうことによって、高価な装置
を新たに設置することなく上記追加ビル群の設備機器の
遠隔管理が行えるというものであり、しかも、末端監視
装置が対応要員の緊急出動などにより要員不在状態とな
っているときには、監視センタ装置が当該末端監視装置
へ配信すべき情報を対応要員のいる他所へ送って代行出
動が行えるようになっている。また、監視センタ装置が
出動処理データを当該末端監視装置へ配信し、情報の確
認ができるようになっており、その結果、小規模ビル群
に対する質の高い遠隔管理が低コストにて行えるという
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【符号の説明】 １Ａ，１Ｂ，１Ｃ ビル管理会社 ２ａ，２ｂ，２ｃ 端末装置 ３ａ，３ｂ，３ｃ，４ｂ，４ｃ 通信回線 １０ 監視センタ装置 １１ａ，１１ｂ，１１ｃ，２１，３１ 通信装置 １２，１６ 処理装置 １３ 記憶装置 １４ 監視操作装置 １５，２３，３３ 印字装置 １７ｂ，１７ｃ 配信装置 １８，２４，３４ ファクシミリ １９ 連絡先切替装置 ２０，３０ 末端監視装置 ２２，３２ 表示操作卓 ２５，３５ 一時不在スイッチ Ａ 大規模ビル群 Ｂ，Ｃ 小規模ビル群

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 亨 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 吉岡 靖 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のビルにそれぞれ当該ビルの設備機
   器の異常を検出する端末装置を設置し、且つ、これら複
   数のビルから離れた地点に、各ビルの上記端末装置から
   異常検出情報が通報されるとともに各ビルに関するデー
   タベースが記憶されていて、このデータベースと上記異
   常検出情報とに基づいて所要の処理を行う監視センタ装
   置を設置して、ビル群の設備機器の遠隔管理に用いられ
   る装置において、 上記監視センタ装置が設置されている地点とは異なる監
   視拠点に、特定ビル群の設備機器に関する情報が上記監
   視センタ装置から配信される末端監視装置を設置すると
   ともに、この末端監視装置に要員不在状態であることを
   上記監視センター装置へ通報するための不在連絡手段を
   設け、且つ上記監視センター装置に、上記不在連絡手段
   を介して要員不在を通報している上記末端監視装置へ配
   信すべき情報の送り先を切り替える連絡先切替手段を設
   けたことを特徴とするビル群遠隔管理装置。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、上記監視セン
   タ装置に、上記末端監視装置が監視する各ビルの端末装
   置から送られてくる情報のみを受信する特定ビル群専用
   の通信手段を設けたことを特徴とするビル群遠隔管理装
   置。
3. 【請求項３】 請求項１の記載において、連絡先切替手
   段により出動対応を上記監視センタ装置で行った場合、
   対応処理データを該当の末端監視装置に送信する通信手
   段を設けたことを特徴とするビル群遠隔管理装置。