JPH08326485A - プレキャストコンクリート体の継手構造およびプレキャストコンクリート体ならびに調芯ピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セグメント等のプレキャストコンクリート体
どうしを連結するための有効な継手構造を提供する。 【構成】 接続すべき一方の端面Ｓｂには継手板１３お
よびボルトボックス１４を設け、他方の端面Ｓａにはイ
ンサート継手１１をその先端を突出させることなく埋設
しておき、それらをボルト１５により締結して双方のセ
グメント（プレキャストコンクリート体）Ｓどうしを接
続する。双方の端面には対の調芯凹部をそれぞれ対応す
る位置に形成しておき、一方の調芯凹部に調芯ピンの基
端部を固着してその先端部を突出させておき、その先端
部を他方の調芯凹部に挿入することで調芯を行う。調芯
凹部はいずれも円錐形状とし、調芯ピンの基端部を円錐
形状、先端部を円錐台形状とする。調芯ピンの固着は接
着により行う。接着面を非平滑面とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セグメント等のプレキ
ャストコンクリート体どうしを接続するための継手構造
およびそれに用いるプレキャストコンクリート体ならび
に調芯ピンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より土木、建築工事の分野において
は種々のプレキャストコンクリート製品が広く用いられ
ている。その代表的なものとしてトンネル覆工用のセグ
メントがあるが、それ以外にもたとえばボックスカルバ
ート、擁壁ブロック、Ｕ字溝ブロック、床版、壁版、梁
材、柱材等の用途に用いられるものがあり、その形態も
用途に応じて版状、ブロック状、棒状、桝状、箱状等の
多岐にわたっている。ここではそれらを総称してプレキ
ャストコンクリート体と称している。

【０００３】そのようなプレキャストコンクリート体は
所定の規格に基づいて予め製作されたものどうしを順次
接続して組み立てられることになるが、それらの接続は
図６に示すような形態でなされることが通常である。図
６はプレキャストコンクリート体の一例としてのセグメ
ントＡどうしを接続する場合の継手構造の最も一般的な
例であって、各セグメントＡの接続端面にそれぞれ継手
板１を設けるとともにその背部を切り欠いた形態でボル
トボックス２を設けておき、接続すべき双方のセグメン
トＡ，Ａの継手板１，１どうしを突き合わせてそれらに
ボルト３を挿通し、ナット４により締結するようにした
ものである。

【０００４】上記従来の継手構造では、１箇所の継手に
２つのボルトボックス２，２が必要であるので全体とし
て多数のボルトボックス２が必要となり、したがってこ
のセグメントＡを製作するための手間、費用がかさむの
みならず、セグメントＡに埋め込む鉄筋をボルトボック
ス２の位置を避けて配筋しなければならない、継手部分
の剛性が必ずしも充分ではなくリングの変形が大きくな
って止水性が低下する懸念がある、締結の際にナット４
が空周りして作業性が良くない、締結後にボルトボック
ス２を埋め戻す場合には作業箇所が多い、といった不具
合があり、このためボルトボックス２の所要箇所数をで
きるだけ低減させたいという要請がある。また、上記従
来の継手構造による場合には、セグメントＡどうしの調
芯つまり双方の相対的な位置合わせは別途作業員が行わ
ねばならず、その作業も面倒であった。

【０００５】このため、たとえば図７に示すような構造
も提案されている。これは、一方の端面にのみ上記のよ
うな継手板１およびボルトボックス２を設けるととも
に、他方の端面にはボルトボックスを省略してインサー
ト継手５を埋め込んだセグメントＢを用いるものであ
る。そして、インサート継手５の先端部５ａを端面から
わずかに突出させておくとともに、継手板１にはインサ
ート継手５の先端部５ａが挿入し得る調芯孔１ａを形成
しておき、インサート継手５の先端部５ａを調芯孔１ａ
に挿入することで調芯を行い、かつ、ワッシャ６を介し
てボルト７をインサート継手５に螺子込むことで双方の
セグメントＢ，Ｂを締結するようにしたものである。

【０００６】このような構造によれば、従前の構造に比
してボルトボックス２を半減させることができ、したが
ってボルトボックス２を省略した部分では鉄筋を端面近
くまで配筋することが可能となるし、継手剛性が高めら
れてリング変形を低減させることができ、その結果、接
続部の目開きが小さくなって止水性も向上し、締結の際
にナット４が空周りすることもないので作業性が改善さ
れる、という利点がある。さらに、インサート継手５の
先端部５ａを調芯孔１ａに挿入することで調芯を行うよ
うにしたことにより、従前のように作業員による調芯作
業を別途行う必要がなくなるし、締結作業を簡略化する
ことができ、したがってセグメント組み立ての一層の自
動化を図ることが可能なものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インサ
ート継手５を用いる図７に示した構造においても次のよ
うな問題を残しており、必ずしも充分に満足すべきもの
ではない。すなわち、インサート継手５を用いる上記構
造ではボルト７の頭部の寸法と同等の調芯孔１ａを継手
板１に形成しておかなければならず、このためボルト７
を締結した際にワッシャ６が変形してしまって充分な締
結力が確保できない懸念がある。また、インサート継手
５の先端部５ａを端面から突出させているために、この
セグメントＢを組み付けるに際してインサート継手５の
先端部５ａが他方のセグメントＢに接触して傷をつけて
しまう懸念がある。また、調芯孔１ａに挿入されるイン
サート継手５の先端部５ａの突出寸法はわずか数ｍｍ程
度でしかないので、剪断力が充分に伝達されることも期
待できない。

【０００８】以上のことはトンネル覆工用のセグメント
のみならず他のプレキャストコンクリート体どうしを連
結する場合全般に共通することであり、このためプレキ
ャストコンクリート体どうしを連結するための有効な手
段の開発が要望されていた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記事情に鑑み、本発明
に係る継手構造は、セグメント等のプレキャストコンク
リート体の端面どうしを突き合わせて相互に接続するた
めの継手構造であって、接続すべき一方の端面にはボル
トの挿通孔が形成された継手板をその表面が前記端面と
面一となるように設けて、その背部にボルトボックスを
形成しておくとともに、他方の端面には前記ボルトが螺
子込まれるインサート継手をその先端が該端面と面一と
なるように埋設しておき、前記継手板の挿通孔に挿通さ
せた前記ボルトを前記インサート継手に対して螺子込む
ことで双方のプレキャストコンクリート体を締結するよ
うにし、かつ、双方の端面には、対の調芯凹部をそれぞ
れ対応する位置に形成しておくとともに、一方の調芯凹
部には調芯ピンの基端部を固着して該調芯ピンの先端部
を突出させておき、該調芯ピンの先端部が他方の調芯凹
部に挿入されたときに双方のプレキャストコンクリート
体の調芯がなされて前記挿通孔と前記インサート継手の
位置が合致するようにしたことを特徴とする。この場
合、前記対の調芯凹部をいずれも円錐形状に形成してお
き、該調芯凹部の一方に対して固着される前記調芯ピン
の基端部を該調芯凹部の形状に合致する円錐形状とする
とともに他方の調芯凹部に挿入される該調芯ピンの先端
部をその先端面が平坦面とされた円錐台形状とすること
が好適である。また、前記調芯凹部に対する前記調芯ピ
ンの基端部の固着を接着により行うことが好適である。

【００１０】また、本発明に係るプレキャストコンクリ
ート体は、上記の継手構造により互いに接続されるもの
であって、同一形状の他のプレキャストコンクリート体
に対して突き合される端面に、ボルトの挿通孔が形成さ
れた継手板がその表面が前記端面と面一となるように設
けられているとともに、その背部にボルトボックスが形
成され、前記端面と対向位置にあってさらに他の同一形
状のプレキャストコンクリート体に対して突き合される
他の端面には、前記ボルトが螺子込まれるインサート継
手がその先端が該端面と面一となるように埋設され、か
つ、前記端面の双方には、調芯ピンの基端部が固着され
る調芯凹部と、該調芯ピンの先端部が挿入される調芯凹
部とが、それぞれ同一形状の他のプレキャストコンクリ
ート体の端面が付き合わせられたときに互いに対向する
位置に形成されていることを特徴とする。この場合、前
記調芯凹部をいずれも円錐形状に形成することが好適で
ある。

【００１１】さらに、本発明に係る調芯ピンは、調芯凹
部が円錐形状とされた上記のプレキャストコンクリート
体どうしを接続する際に用いるものであって、一方のプ
レキャストコンクリート体の調芯凹部に固着される基端
部が円錐形状をなすとともに、他方のプレキャストコン
クリート体の調芯凹部に挿入される先端部はその先端面
が平坦とされた円錐台形状をなすことを特徴とする。こ
の場合、前記調芯ピンの基端部を前記調芯凹部内に接着
により固着するものとし、かつ、その接着面には接着材
が充填される凹凸あるいは溝が形成された非平滑面とす
ることが好適である。

【００１２】

【作用】本発明は、接続するために突き合わせられる双
方の端面の一方にのみボルトボックスおよび継手板を設
け、他方の端面にはインサート継手を埋設しておき、そ
れら継手板とインサート継手とをボルトにより締結する
ことで相互に接続する。ただし、本発明におけるインサ
ート継手および継手板は単に締結機能を有するのみで調
芯機能を持つものではなく、インサート継手の先端部は
突出させることなくプレキャストコンクリート体の端面
と面一としておき、かつ、継手板にはボルト挿通孔を設
けるのみでインサート継手の先端部を挿入するための調
芯孔は設けない。そして、双方のプレキャストコンクリ
ート体の調芯は、双方の端面に形成した調芯凹部内に調
芯ピンを介在させることで行う。すなわち、一方の端面
に形成した調芯凹部に調芯ピンの基端部を固着し、その
調芯ピンの先端部を他方の調芯ピンに挿入することで調
芯を行い、そのときにインサート継手と継手板のボルト
挿通孔の位置を自ずと合致するようにしておく。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本実施例はトンネル覆工用のセグメントの接続に
適用したもので、図１はセグメントどうしの締結部分を
示す図、図２は調芯部分を示す図、図３はセグメントの
全体形状を示す図、図４は調芯ピンを示す図である。

【００１４】まず、図３を参照して本実施例のセグメン
トＳについて説明する。このセグメントＳはトンネル内
面の形状に対応して湾曲しているものであって、トンネ
ル周方向に接続されて１リングを構成するとともに、そ
れらのリングが軸方向に多数接続されてトンネルの全面
を覆工するためのものである。図３（ａ）に示すように
このセグメントＳの周方向端面にはそれぞれ上述の継手
板１およびボルトボックス２が設けられていて、周方向
の接続はそれらにより図６に示した従来一般の継手構造
により行うようにされている。そして、このセグメント
Ｓの軸方向の接続が本実施例の構造により行われるよう
にされている。

【００１５】すなわち、このセグメントＳには、軸方向
の両端面Ｓａ，Ｓｂのうち図３（ｂ）に示す一方の端面
Ｓａにはインサート継手１１が埋め込まれているととも
に、同図（ｃ）に示す他方の端面Ｓｂにはボルト挿通孔
１２が形成されている継手板１３が取り付けられてその
背部にはボルトボックス１４が設けられている。そし
て、このセグメントＳは図１に示すように端面Ｓａ，Ｓ
ｂどうしを突き合わせられて、一方の端面Ｓａに設けら
れているインサート継手１１と、他方の端面Ｓｂに設け
られている継手板１３どうしがボルト１５により締結さ
れて互いに接続されるものである。なお、上記のセグメ
ントＳは、通常は端面Ｓａが切羽側を向き、端面Ｓｂが
坑口側を向くように配置されるものであり、したがっ
て、先に組み立てられたセグメントＳの端面Ｓａに対し
て新たなセグメントＳの端面Ｓｂが突き合わせられて互
いに接続されることになるのが通常である。

【００１６】ところで、本実施例においては、インサー
ト継手１１と継手板１３とは単に締結機能を有するもの
であって、図７に示した従来のもののように調芯機能を
有するものではない。すなわち、本実施例においては、
図１に示すようにインサート継手１１の先端は端面Ｓａ
と面一となっていて従来のように突出してはおらず、ま
た、継手板１３の表面も端面Ｓｂと面一であってこれに
はインサート継手１１に螺子込まれるボルト１５が挿通
するだけの挿通孔１２が形成されているのみで従来のよ
うな調芯孔１ａは設けられておらず、インサート継手１
１の先端を継手板１３の表面に直接的に突き合わせた状
態で締結するようになっている。

【００１７】そして、本実施例ではセグメントＳの端面
Ｓａ，Ｓｂに調芯凹部１６，１７を形成しておき、そこ
に調芯ピン１８を介在させることで調芯を行うようにし
ている。すなわち、図３に示すように、セグメントＳの
両端面Ｓａ，Ｓｂには、上記インサート継手１１および
継手板１３の近傍に位置して、図２に示すような円錐形
状とされた調芯凹部１６，１７がそれぞれ形成されてい
る。それら調芯凹部１６，１７の位置は同一形状のセグ
メントＳ，Ｓが適正に組み付けられると双方のセグメン
トＳ，Ｓの調芯凹部１６，１７が自ずと対向する位置に
形成されており、一方の調芯凹部１７に予め固着してお
いた調芯ピン１８を他方の調芯凹部１６に挿入すること
で双方のセグメントＳ，Ｓの調芯がなされるようになっ
ている。

【００１８】調芯ピン１８は鋳造あるいは鍛造等により
製作された鋼製のもので、図４に示すように基端部１８
ａが調芯凹部１７の形状に合致する円錐形状をなすとと
もに、先端部１８ｂはその先端面１８ｃが平坦面とされ
た円錐台形状をなすものとされ、先端面１８ｃの周縁部
には丸みが付けられたものとされている。

【００１９】その調芯ピン１８の寸法は適宜設定すれば
良いが、たとえば先端部１８ｂの高さ寸法（端面Ｓａか
らの突出寸法）を基端部１８ａの高さ寸法（端面Ｓａへ
の埋め込み寸法）の半分程度として、突出寸法が過大と
ならないようにし、かつ軽量化を図ることが良い。ま
た、この調芯ピン１８の基端部１８ａの調芯凹部１７に
対する固着は接着により行うことが好適であり、その場
合、接着力を確保するため接着面を粗面としたり凹凸や
溝を放射状あるいは螺旋状に形成しておく等により、接
着面を非平滑面としておくことが好ましい。なお、調芯
ピン１８の固着は必ずしも接着によることはなく、たと
えば調芯ピン１８を調芯凹部１７に対して打込み、螺子
込み、嵌合等により固着することも可能である。また、
調芯ピン１８の固着はたとえばセグメントＳを製作する
際に同時に行ったり、あるいはセグメントＳを組み付け
るに際してその直前に行う等、工程に応じて適宜のタイ
ミングで行えば良い。また、セグメントＳに対する調芯
ピン１８の取り付け位置や本数は適宜設定すれば良い
が、少なくとも１つのセグメントＳに対して２本の調芯
ピン１８を取り付けることで充分な調芯を行い得る。

【００２０】上記の構造によれば、インサート継手１１
と継手板１３とをボルト１５により締結するようにした
ことにより、図６に示した継手板１，１どうしを締結す
る従来一般の構造に比してボルトボックス２を半減させ
ることができ、したがって、その場合に比較してセグメ
ント製作の手間、費用が削減でき、セグメントに埋め込
む鉄筋の位置の制約が少なくなり、継手部分の剛性が高
められてリングの変形を抑制でき、その結果、止水性を
向上させることができ、また、締結の際にナットが空周
りするようなことがないので作業性が改善され、ボルト
ボックス２を埋め戻す場合にも作業箇所が少なくて済む
という利点がある。

【００２１】また、インサート継手１１と継手板１３と
には締結機能を持たせるのみとして、図７に示した従来
の構造のように継手板１に大きな調芯孔１ａを設けるも
のではないので、その場合には懸念されるワッシャ６の
変形を防止できて充分な締結力を確保できるし、インサ
ート継手１１の先端部が端面Ｓａより突出するものでも
ないのでセグメントＳを組み付けるに際して傷を付けて
しまうようなこともない。

【００２２】そして、上記実施例では、インサート継手
１１および継手板１３とは別に、調芯凹部１６，１７お
よび調芯ピン１８によって調芯を行うようにしたので、
セグメントＳどうしの調芯を支障なく行うことができ、
その調芯ピン１８により剪断力が充分に伝達されるので
充分な剪断補強効果も期待できる。

【００２３】特に、本実施例では、調芯凹部１７に調芯
ピン１８を固着して取り付けるようにしたので、調芯凹
部１７に対する調芯ピン１８の取り付けのタイミングや
その取付位置、数等は工程に対応して任意に選択でき
る。また、調芯凹部１６，１７を円錐形状とするととも
にそこに固着される調芯ピン１８の基端部１８ａも円錐
形状としてそれらを接着するようにし、しかも接着面を
粗面あるいは凹凸、溝を形成した非平滑面とすることに
より、調芯ピン１８をきわめて簡単にかつ充分な強度で
接着することができる。

【００２４】さらに、本実施例における調芯ピン１８
は、その先端部１８ｂが円錐台形状とされ、その先端部
１８ｂを円錐形状の調芯凹部１６に挿入するようにして
いるので、セグメントＳを組み付けるに際してそれら双
方の円錐面によるテーパ作用によってセグメントＳ，Ｓ
どうしの調芯が容易にかつ自ずと行い得るものであり、
しかも、調芯ピン１８の先端面１８ｃが平坦面とされて
いるとともに先端面１８ｃの周縁部に丸みを付けている
ので、この調芯ピン１８によってセグメントＳを傷つけ
る懸念もない。なお、調芯ピン１８を調芯凹部１７に対
して固着する際しては適宜のハンドリング装置を用いれ
ば良いが、例えば図５に示すように調芯ピン１８の先端
面１８ｃに螺子孔１８ｄを形成しておき、その螺子孔１
８ｄに螺子棒を螺子込むことで調芯ピン１８をハンドリ
ングするような装置を用意し、それを用いて調芯ピン１
８の取り付けを行うことが考えられる。

【００２５】以上で本発明をセグメントに適用した場合
の実施例を説明したが、本発明はセグメントのみならず
各種用途、種々の形態のプレキャストコンクリート体全
般に広く適用できることは当然であり、また適宜の設計
的な変更を自由に行い得ることは言うまでもない。

【００２６】

【発明の効果】以上で説明したように、本発明の継手構
造は、インサート継手と継手板とを締結するので、継手
板どうしを締結する従来一般の構造に比してボルトボッ
クスを半減させることができるとともに充分な締結力を
確保できるものであることはもとより、調芯凹部に固着
した調芯ピンにより調芯を行うようにしたので調芯を支
障なく行い得る。また、本発明のプレキャストコンクリ
ート体は、互いに対向位置にある双方の端面に調芯凹部
を設けてそこに調芯ピンを固着するようにしているの
で、上記構造により確実かつ容易に接続することができ
るものであり、上記構造が適用されるものとして好適で
ある。さらに、本発明の調芯ピンは、基端部が円錐形状
とされるとともに先端部が円錐台形状とされ、その基端
部が円錐形状の調芯凹部に固着されるとともに先端部が
円錐形状の調芯凹部に挿入されるものであるので、プレ
キャストコンクリート体に容易に取り付けることができ
るとともにプレキャストコンクリート体に傷を付けるこ
ともなく、上記構造に適用して好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の継手構造の実施例を示すもので、ボル
ト締結部分を示す断面図である。

【図２】同継手構造における調芯部分を示すもので、
（ａ）は断面図、（ｂ）は正面図である。

【図３】本発明のプレキャストコンクリート体の実施例
であるセグメントを示すもので、（ａ）は平面図、
（ｂ），（ｃ）はそれぞれ側面図である。

【図４】本発明の調芯ピンの実施例を示す斜視図であ
る。

【図５】調芯ピンの他の実施例を示す斜視図である。

【図６】従来一般のセグメントの継手構造を示す断面図
である。

【図７】従来のセグメントの継手構造の他の例を示す断
面図である。

【符号の説明】

Ｓ セグメント（プレキャストコンクリート体） Ｓａ，Ｓｂ 端面 １１ インサート継手 １２ 挿通孔 １３ 継手板 １４ ボルトボックス １５ ボルト １６，１７ 調芯凹部 １８ 調芯ピン １８ａ 基端部 １８ｂ 先端部 １８ｃ 先端面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 英樹 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 川口 博行 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 鈴木 栄治 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 阿部 昌明 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セグメント等のプレキャストコンクリー
   ト体の端面どうしを突き合わせて相互に接続するための
   継手構造であって、 接続すべき一方の端面にはボルトの挿通孔が形成された
   継手板をその表面が前記端面と面一となるように設け
   て、その背部にボルトボックスを形成しておくととも
   に、 他方の端面には前記ボルトが螺子込まれるインサート継
   手をその先端が該端面と面一となるように埋設してお
   き、 前記継手板の挿通孔に挿通させた前記ボルトを前記イン
   サート継手に対して螺子込むことで双方のプレキャスト
   コンクリート体を締結するようにし、 かつ、双方の端面には、対の調芯凹部をそれぞれ対応す
   る位置に形成しておくとともに、一方の調芯凹部には調
   芯ピンの基端部を固着して該調芯ピンの先端部を突出さ
   せておき、該調芯ピンの先端部が他方の調芯凹部に挿入
   されたときに双方のプレキャストコンクリート体の調芯
   がなされて前記挿通孔と前記インサート継手の位置が合
   致するようにしたことを特徴とするプレキャストコンク
   リート体の継手構造。
2. 【請求項２】 請求項１記載の継手構造であって、 前記対の調芯凹部はいずれも円錐形状に形成され、該調
   芯凹部の一方に対して固着される前記調芯ピンの基端部
   は該調芯凹部の形状に合致する円錐形状をなすととも
   に、他方の調芯凹部に挿入される該調芯ピンの先端部は
   その先端面が平坦面とされた円錐台形状をなすことを特
   徴とするプレキャストコンクリート体の継手構造。
3. 【請求項３】 請求項２記載の継手構造であって、 前記調芯凹部に対する前記調芯ピンの基端部の固着を接
   着により行うことを特徴とするプレキャストコンクリー
   ト体の継手構造。
4. 【請求項４】 請求項１，２または３記載の継手構造に
   より接続されるプレキャストコンクリート体であって、 同一形状の他のプレキャストコンクリート体に対して突
   き合される端面に、ボルトの挿通孔が形成された継手板
   がその表面が前記端面と面一となるように設けられてい
   るとともに、その背部にボルトボックスが形成され、 前記端面と対向位置にあってさらに他の同一形状のプレ
   キャストコンクリート体に対して突き合される他の端面
   には、前記ボルトが螺子込まれるインサート継手がその
   先端が該端面と面一となるように埋設され、 かつ、前記端面の双方には、調芯ピンの基端部が固着さ
   れる調芯凹部と、該調芯ピンの先端部が挿入される調芯
   凹部とが、それぞれ同一形状の他のプレキャストコンク
   リート体の端面が付き合わせられたときに互いに対向す
   る位置に形成されていることを特徴とするプレキャスト
   コンクリート体。
5. 【請求項５】 請求項４記載のプレキャストコンクリー
   ト体であって、 前記調芯凹部はいずれも円錐形状に形成されていること
   を特徴とするプレキャストコンクリート体。
6. 【請求項６】 請求項５記載のプレキャストコンクリー
   ト体どうしを接続する際に用いる調芯ピンであって、 一方のプレキャストコンクリート体の調芯凹部に固着さ
   れる基端部が円錐形状をなすとともに、他方のプレキャ
   ストコンクリート体の調芯凹部に挿入される先端部はそ
   の先端面が平坦面とされた円錐台形状をなすことを特徴
   とする調芯ピン。
7. 【請求項７】 請求項６記載の調芯ピンであって、 前記調芯ピンの基端部は前記調芯凹部内に接着により固
   着されるものとし、かつ、その接着面には接着材が充填
   される凹凸あるいは溝が形成された非平滑面とされてい
   ることを特徴とする調芯ピン。