JPH08324400A - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ制御装置

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JPH08324400A
JPH08324400A JP13643595A JP13643595A JPH08324400A JP H08324400 A JPH08324400 A JP H08324400A JP 13643595 A JP13643595 A JP 13643595A JP 13643595 A JP13643595 A JP 13643595A JP H08324400 A JPH08324400 A JP H08324400A
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JP
Japan
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pressure
ball
wheel cylinder
step piston
diameter portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13643595A
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English (en)
Inventor
Kenji Takeda
武田  憲司
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧配管内やホイールシリンダ内に発生する
脈動圧を低減するABS制御装置を提供すること。 【構成】 ABS作動時は、増圧弁3がマスタシリンダ
1とホイールシリンダ5を遮断し、減圧弁6によりホイ
ールシリンダ5の圧力を減圧した後ホイールシリンダ5
の圧力を増圧するために、減圧弁6がホイールシリンダ
5とリザーバ7を遮断し、増圧弁3がマスタシリンダ
1、ホイールシリンダ5間で導通、遮断を繰り返してホ
イールシリンダ5の圧力を増圧する時、差圧制御弁2が
ホイールシリンダ圧室21の圧力PW に対してコントロ
ール圧室22の圧力PC が常にある一定の値、例えば2
0bar 、未満だけ高くなるよう制御することにより、配
管内等の脈動圧を異音発生の原因にならないように抑え
る事が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脈動圧の発生を低減す
ることができるアンチロックブレーキ制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にアンチロックブレーキ制御装置
(以下、「ABS制御装置」と称する。)において、ホ
イールシリンダの圧力を制御する場合、減圧弁を駆動し
てホイールシリンダの圧力を減圧し、また、増圧弁を駆
動してホイールシリンダの圧力を増圧し、これら減圧・
増圧作用を繰返すことにより適正な圧力制御の実現を図
っている。この増圧制御期間においては、マスタシリン
ダとホイールシリンダとの間を増圧弁を使用して遮断・
連通を繰返すことにより、実質的には緩やかな勾配で圧
力を増圧させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記期間にお
いては、図6に示すように、従来のABS制御装置(試
験条件:マスタシリンダ圧力100bar 、増圧弁の連通
/遮断時間8/52msec)は、増圧弁が遮断状態から連
通状態に移行したとき、及び連通状態から遮断状態に移
行したときに油圧管路に脈動圧が発生する。該脈動圧は
ABS制御装置の制御中における異音発生の原因とな
り、自動車の快適性が損なわれてしまうという問題があ
った。
【0004】これに対して、脈動圧を低減させようとす
るABS制御装置が特表平5−507665号公報に記
載されている。該ABS制御装置は、ホイールシリンダ
への流体の流れを、該流体の流れによって発生する差圧
を利用した制御ピストンにて制御しようとするものであ
る。換言すれば、該制御ピストンがストローク移動を行
ない、流量制御を実施するのは、制御ピストン内に流体
が流れているときだけであるため、流体が流れている増
圧弁の連通状態から流れが停止する遮断状態へ移行する
際の脈動圧は低減することが可能であるものの、逆に、
遮断状態から連通状態へと移行する際は、流体が流れて
いない遮断状態にて制御ピストンが通路を最大通路断面
に維持しているため脈動圧を低減させることはできな
い。
【0005】そこで、本発明は、増圧制御弁の上流側の
圧力が下流側の圧力に対して一定値未満の圧力だけ高く
なるように制御する差圧制御弁を使用することにより、
脈動圧の発生を低減することができるアンチロックブレ
ーキ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ホイールシリンダを増圧制御する増圧制
御弁と、増圧を行なう油圧源とを有するアンチロックブ
レーキ制御装置において、上記増圧制御弁と油圧源との
間に、上記増圧制御弁の下流側の圧力であるホイールシ
リンダ圧力に対して、上記増圧制御弁の上流側圧力が一
定値未満の圧力だけ高くなるように制御する差圧制御弁
を設けたことを特徴とするものである。
【0007】また、上記差圧制御弁は、ホイールシリン
ダの圧力が導びかれているホイールシリンダ圧室と上記
増圧制御弁の上流側の圧力が導びかれているコントロー
ル圧室との二室の圧力により作用力を受ける段差ピスト
ン装置を有し、上記コントロール圧室の圧力がホイール
シリンダ圧室の圧力よりも少なくとも一定値以上高い時
に、上記段差ピストン装置が移動して、上記油圧源とコ
ントロール圧室とを連通状態から遮断状態へと導びくよ
うにしている。
【0008】そして、上記段差ピストン装置は、小径部
と大径部とを有し且つ軸方向に小径連通孔と大径連通孔
とが穿設された段差ピストンと、ボール保持部に固定さ
れたボールと、通常時、上記段差ピストンを、大径部側
へと付勢し、且つ上記ボールと上記小連通孔とを所定間
隙を有して対峙させるスプリングとからなる。また、上
記段差ピストン装置は、小径部と大径部とを有し且つ軸
方向に大径連通孔と端部が封鎖された小径連通孔とが、
また、上記小径部に横連通孔が穿設された段差ピストン
と、通常時、上記段差ピストンを大径部側へと付勢する
第1のスプリングと、ボールストッパとボールとの間に
配置され、通常時、該ボールストッパに設けたシート部
と上記ボールとを所定間隙を有して対峙させる第2のス
プリングとから構成することもできる。さらに、上記段
差ピストン装置は、小径部と大径部とを有する段差ピス
トンと、該段差ピストンの大径部端部に設けられたピン
部と、上記段差ピストンの大径部側に配置され中央部に
連通開口を有し且つ該連通開口を上記ピン部が遊嵌する
ピストンストッパと、該ピストンストッパの上記段差ピ
ストンの大径部側とは反対側面に設けられたシート部
と、上記ピストンストッパと第1のプラグとの間に形成
された圧力室に配置されたボールと、該ボールを上記シ
ート部側に付勢する第2のスプリングと、通常時、上記
段差ピストンを大径部側に付勢し且つ上記ピン部により
上記ボールを上記シート部から離座させて該ボールと該
シート部とを所定間隙を有して対峙させている第1のス
プリングとから構成することもできる。
【0009】
【作用】制御対象である車輪がロックまたはロック傾向
にあると判断されると、アンチロックブレーキ制御装置
は、増圧制御弁を遮断状態に作動させ、また、減圧弁を
リザーバと連通状態にするため、ホイールシリンダ内の
圧力は減圧される。そのため、上記増圧制御弁の上流側
の圧力が導びかれているコントロール圧室の圧力が、ホ
イールシリンダ内の圧力が導びかれているホイールシリ
ンダ圧室の圧力よりも一定値以上高くなり、差圧制御弁
内に配置された段差ピストン装置が移動して油圧源とコ
ントロール圧室との間を連通状態から遮断状態に導び
く。従って、配管路内やホイールシリンダ内に発生する
脈動圧を低減すべく、コントロール圧室の圧力がホイー
ルシリンダ圧室の圧力に対して一定値未満だけ高い圧力
になるまで差圧制御弁は閉弁状態となる。
【0010】その後、車輪速度がロックまたはロック傾
向から回復すると、ホイールシリンダ内の圧力は増圧制
御されるが、該増圧制御期間内においては、マスタシリ
ンダとホイールシリンダとの間を増圧制御弁を使用して
連通・遮断を繰返すことにより実質的には緩やかな勾配
で圧力を増圧させている。そして、上記増圧制御期間
中、段差ピストン装置は、コントロール圧室の圧力とホ
イールシリンダ圧室の圧力差に応答して差圧制御弁内を
左右に頻繁に移動してマスタシリンダとコントロール室
との間の連通・遮断を繰返し、差圧制御弁は、コントロ
ール圧室の圧力がホイールシリンダ圧室の圧力に対して
常に一定値未満の圧力だけ高くなるように作動する。従
って、油圧管路内やホイールシリンダ内に発生する脈動
圧力を低減することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の第1実施例を示す油圧回
路図であり、マスタシリンダ1と、ホイールシリンダ5
を増圧制御する増圧制御弁(以下「増圧弁」と称す
る。)3との間には差圧制御弁2が設けられている。増
圧弁3の下流側にはホイールシリンダ5と減圧弁6とが
並列接続されている。また、ホイールシリンダ5と減圧
弁6とは差圧制御弁2とも連通している。7はホイール
シリンダ5の圧力を減圧する際、ホイールシリンダ5か
ら排出された油を溜めるためのリザーバであり、該リザ
ーバ7に滞溜した油はポンプ部8によりマスタシリンダ
1側に圧送される。また、上記増圧弁3と減圧弁6は制
御装置100により制御されるようになっている。
【0012】次に、本発明の第1実施例に適用される差
圧制御弁2について図1を参照して、詳細に説明する。
ハウジング11内には、小径部と大径部とを有する段差
ピストン12が摺動自在に嵌挿されており、該段差ピス
トン12の軸線方向には小径連通孔13及び大径連通孔
15とが互いに連通するように穿設され、また、段差ピ
ストン12の大径部には横連通孔16が穿設されてい
る。さらに、ハウジング11内には、段差ピストン12
の小径部側に位置し、第1のポート17を介してマスタ
シリンダ1と連通するマスタシリンダ圧室18が、そし
て、第2のポート20を介して増圧弁3の下流側、ホイ
ールシリンダ5及び減圧弁6と連通するホイールシリン
ダ圧室21が、また、ハウジング内周壁と段差ピストン
12の大径部外周との間にはコントロール圧室22が夫
々設置されている。上記ホイールシリンダ圧室21内に
は段差ピストン12を常時大径部側(図において右側)
に付勢するスプリング23が配設されている。また、上
記マスタシリンダ圧室18内には、先端にボール24が
ろう付けされたボール保持部25が設けられてハウジン
グ1に固定されており、上記ボール24は段差ピストン
12の小径連通孔13と所定の間隙を介して対峙してお
り、通常はマスタシリンダ圧室18とコントロール圧室
21とは連通している。さらに、該段差ピストン12が
スプリング23の付勢力に抗して小径部側(図において
左側)に移動したとき、上記ボール24は小径連通孔1
3を封鎖してコントロール圧室22とマスタシリンダ1
とを遮断するようになっている。そして、小径部と大径
部とを有し且つ軸方向に小径連通孔と大径連通孔とが穿
設された段差ピストン12と、ボール保持部に固定され
たボール24と、通常時、上記段差ピストンを、大径部
側へと付勢し、且つ上記ボールと上記小連通孔13とを
所定間隙を有して対峙させるスプリング23とにより段
差ピストン装置は構成される。また、上記コントロール
圧室22内には、第3のポート26を有するピストンス
トッパ27が設けられてハウジング1に固定されてい
る。従って、コントロール室22は横連通孔16、大径
連通孔15、第3のポート26を介して増圧弁3の上流
側と連通している。28,29はシールリングであり、
各室間を封止している。尚、30はシールリングストッ
パであり、ハウジング1に固定されている。
【0013】次に、図1に示した実施例の作動を説明す
る。図2は、図1に示された差圧制御弁の一部欠截拡大
断面図である。まず、図2において、段差ピストン12
が小径部側(図において左側)に移動する際(本実施例
においては移動量は0.2mm〜0.5mm程度)、ボール
24に当接した状態でのシール径をD1 、段差ピストン
12の小径部の径をD2 、及び大径部の径をD3 とし、
また、マスタシリンダ圧室18の圧力をPM 、ホイール
シリンダ圧室21の圧力をPW 、及びコントロール圧室
22の圧力をPC 、スプリング23の付勢力をFとする
と、 F+π/4・(D2 2−D1 2)・PM +π/4・(D3 2−D2 2)・PW >π/4 ・(D3 2−D1 2)・PC …(1) が成立するとき、段差ピストン12はボール24とは離
れた開弁状態となる。ここでD1 ≒D2 であることを勘
案すると上記(1)式は、 F+π/4・(D3 2−D2 2)・PW >π/4・(D3 2−D2 2)・PC …(2) となり、ここでk=π/4・(D3 2−D2 2)とおくと、 F/k+PW >PC …(3) となり、上記(3)式の条件で段差ピストン12は開弁
状態となる。該条件において、ブレーキを作動させない
状態では図1における増圧弁3は連通状態であり、各室
の圧力はPM =PC =PW =0となり上記(3)式を充
足するため上記差圧制御弁2は、図1に示すように、開
弁状態にある。また、通常のブレーキ作動時においても
各室の圧力はPM =PC =PW であり、差圧制御弁2
は、同様にして、開弁状態となりマスタシリンダ1によ
り発生したブレーキ圧力は、そのままホイールシリンダ
5に作用して通常のブレーキ作用を得ることができる。
【0014】更に、本実施例のABS制御装置の作動に
ついて述べることとする。制御対象である車輪がロック
またはロック傾向にあると判断されると、制御装置10
0は、増圧弁3を遮断状態に作動させ、また、減圧弁6
を連通状態に作動させるため、ホイールシリンダ5内の
油は減圧弁6を介してリザーバ7に流出し、ホイールシ
リンダ5内の圧力PW は減圧される。その結果、上記
(3)式は成立しなくなり、段差ピストン12はスプリ
ング23の付勢力に抗して小径部側(図において左側)
に移動して小径連通孔13はボール24により封鎖され
るため、差圧制御弁2は、圧力PC とPW が上記(3)
式を成立させる圧力となるまで、閉弁状態となる。その
後、車輪速度がロックまたはロック傾向から回復する
と、ホイールシリンダ5内の圧力は増圧制御されるが、
該増圧制御期間においては、前述したように、一般に、
減圧弁によりホイールシリンダ5とリザーバ7を遮断
し、マスタシリンダ1とホイールシリンダ5との間を増
圧弁3を使用して連通・遮断を繰返すことにより、実質
的には緩やかな勾配で圧力を増圧させている。増圧弁3
が連通すると、PC =PW となって上記(3)式が成立
し、段差ピストン12はスプリング23の付勢力により
大径部側(図において右側)に移動し小径部はボール2
4から離座するため、これまで閉弁状態にあった差圧制
御弁2が開弁する。そこで、マスタシリンダ圧室18の
圧力PM がコントロール圧室22の圧力PC に印加され
てくる。そして、上記(3)式の条件が成立しなくなる
とき、即ち、 F/k+PW =PC となった時点において差圧制御弁2は再度閉弁状態とな
る。換言すると、コントロール圧室22の圧力PC はホ
イールシリンダ圧室21の圧力PW より少なくともF/
k(本実施例においては20bar に設定されている)以
上高い圧力に制御されたとき上記差圧制御弁2は閉弁状
態に移行する。このことは、増圧期間制御中において
は、増圧弁3の上流側圧力であるコントロール圧室22
の圧力PCが増圧弁3の下流側圧力であるホイールシリ
ンダ圧室21の圧力PW に対して常に一定値、例えば2
0bar 、未満の圧力だけ高くなるように差圧制御弁2に
より制御されることを意味する。即ち、車輪速度がロッ
クまたはロック傾向から回復すると、ホイールシリンダ
5内の圧力は増圧制御されるが、該増圧制御期間におい
ては、前述したように、一般的に、減圧弁によりホイー
ルシリンダ5とリザーバ7を遮断し、マスタシリンダ1
とホイールシリンダ5との間を増圧弁5を使用して連通
・遮断を繰返すことにより、実質的には緩やかな勾配で
圧力を増圧させている。そして、上記増圧制御期間中、
段差ピストン12は、圧力PC とPW との差圧に応答し
て上記差圧制御弁2内を図において左右に頻繁に移動し
てマスタシリンダ1とコントロール圧室22との間の連
通・遮断を繰返し、差圧制御弁2はコントロール圧室2
2の圧力PC がホイールシリンダ圧室21の圧力PW
対して常に一定値、例えば20bar 、未満の圧力だけ高
くなるように、即ち、上記(3)式が常に成立するよう
に作動するのである。
【0015】図3は、上記差圧制御弁2を使用した増圧
制御期間中、増圧弁3が遮断状態から連通状態に移行し
たとき、及び連通状態から遮断状態に移行したときに油
圧管路やホイールシリンダ5内に発生する圧力波形を示
したものである。試験条件は、マスタシリンダ圧力PM
=100bar 、増圧弁3の連通/遮断時間を8msec/5
2msecとし図6に示される従来のABS制御装置の試験
条件と同一条件となっている。図3の圧力波形による
と、差圧制御弁を使用していない図6に示される圧力波
形に比べて、脈動圧力幅が約1/3にも低減しているこ
とを理解することができるであろう。即ち、本発明のA
BS制御装置は上記差圧制御弁2を適用して、コントロ
ール圧室22の圧力PC がホイールシリンダ圧室21の
圧力PW に対して常に一定値、例えば20bar 、未満の
圧力だけ高くなるように制御することにより、従来の装
置に比して増圧制御期間中の脈動圧力をより低く抑制す
ることができるのである。
【0016】図4は本発明のABS制御装置に適用され
る差圧制御弁の第2実施例を示す一部欠截拡大断面図で
ある。図1,2に示す第1実施例と共通する構造部分に
ついては同じ参照符号を付すことによって、重複する説
明を省略し、第1実施例の構成と相違する部分について
のみ説明することとする。以下、後述する他の実施例に
ついても同様である。まず、段差ピストン12の軸線方
向に穿設した小径連通孔13は段差ピストン12の端部
には開口せず小径部に穿設された第2の横連通孔31を
介してボール弁室32と連通している。従って、該ボー
ル弁室32は第1実施例におけるマスタシリンダ圧室1
8とは異なり常時コントロール圧室22の圧力PC と同
圧である。上記ボール弁室32内には、ボール24とボ
ールストッパ33との間に介在して該ボール24を常時
段差ピストン12の小径部端部に当接させるための第2
のスプリング33が配設されている。また、ハウジング
11に固定された上記ボールストッパ33にはマスタシ
リンダ1と上記ボール弁室32とを連通する第1のポー
ト17が穿設され、且つ上記ボール24と対峙するボー
ルストッパ33の端面にはテーパ状のシート部36が形
成されている。ここで、段差ピストン12が小径部側
(図において左側)に移動した際のボール24とシート
部36とのシール径をD1 とし、第2のスプリング35
の付勢力を無視すると前記(1)式から(3)式の条件
はそのまま本実施例にも適用することができる。従っ
て、通常は、上記(1)式から(3)式を充足し、上記
ボール24は第2のスプリング35の付勢力により段差
ピストン側(図において右側)に付勢されボールストッ
パ33のシート部36から離座して該シート部36と所
定の間隙を有して対峙しており、マスタシリンダ1は、
ボール弁室32、及びコントロール圧室22と連通して
いる。そして、上記(3)式が成立しなくなると、即
ち、コントロール圧室22の圧力PC がホイールシリン
ダ圧力室21の圧力PWより少なくともF/k以上高い
圧力になると、段差ピストン12は第1のスプリング2
3の付勢力に抗して小径部側(図において左側)に移動
し、上記ボール24は第2のスプリング35の付勢力に
抗してボールストッパ33のシート部36に着座しコン
トロール圧室22とマスタシリンダ1とを遮断するよう
になっている。ここにおいて、小径部と大径部とを有し
且つ軸方向に小径連通孔13と大径連通孔とが、また、
上記小径部に横連通孔31とが穿設された段差ピストン
12と、通常時、上記段差ピストン12を大径部側へと
付勢する第1のスプリング23と、ボールストッパ33
とボール24との間に配置され、通常時、該ボールスト
ッパに設けたシート部36と上記ボール24とを所定間
隙を有して対峙させる第2のスプリング35とにより段
差ピストン装置は構成される。従って、本実施例は第1
実施例のものと同様の作用効果を得ることができる。
【0017】図5は、本発明のABS制御装置に適用さ
れる差圧制御弁の第3実施例を示す一部欠截拡大断面図
である。図5において、ハウジング11内に摺動自在に
嵌挿された中実の段差ピストン12の大径部側には、中
央部に連通開口37を有するピストンストッパ38が設
けられハウジング11内に固定されている。段差ピスト
ン12の大径部端部には、軸方向に突出したピン部40
が上記ピストンストッパ38の連通開口37に遊嵌して
おり、また、上記段差ピストン12の大径部端部には径
方向に延出するスリット41が形成され、該スリット4
1によりコントロール圧室22を増圧弁3の上流側へと
連通している。ピストンストッパ38の段差ピストン1
2とは反対側面、即ち図においてピストンストッパ38
の右側面と第1のプラグ42とにより第1のマスタシリ
ンダ圧室43が形成されており、該第1のマスタシリン
ダ圧室43内には、ボール24、及び、該ボール24と
第1のプラグ42との間に第2のスプリング35が配置
され、該ボール24をピストンストッパ38のシート部
36へと付勢するようになっている。また、上記第1の
プラグ42には第1のポート17が穿設され、第1のマ
スタシリンダ圧室43とマスタシリンダ1とを連通して
いる。一方、段差ピストン12の図において左側には、
第2のプラグ45が設けられてハウジング11内に固定
されており、該第2のプラグ45とシールリングストッ
パ30との間に第2のマスタシリンダ圧室46が形成さ
れている。また、ハウジング46に穿設された第4のポ
ート47により、第2のマスタシリンダ圧室46とマス
タシリンダ1とが連通している。ここで、段差ピストン
12が小径部側(図において左側)に移動した際のボー
ル24とシート部36とのシール径をD1 とし、第2の
スプリング35の付勢力を無視すると、前記(1)式か
ら(3)式の条件はそのまま本実施例にも適用すること
ができる。それ故、通常は、上記(1)式から(3)式
を充足し、段差ピストン12は第1のスプリング23に
より大径部側(図において右側)に付勢されているた
め、上記段差ピストン12の大径部端部に設置されたピ
ン部40により、ボール24は第2のスプリング35の
付勢力に抗してピストンストッパ38に形成されたシー
ト部36から離座し該シート部36と所定の間隙を有し
て対峙している。従って、通常は、第1のマスタシリン
ダ圧室43とコントロール圧室22及び増圧弁の上流側
とは連通している。そして、上記(3)式が成立しなく
なると、即ち、コントロール圧室22の圧力PC がホイ
ールシリンダ圧室21の圧力PW より少なくともF/k
以上高い圧力になると、段差ピストン12は第1のスプ
リング23の付勢力に抗して小径部側(図において左
側)に移動し、上記ボール24は第2のスプリング35
の付勢力によりピストンストッパ38のシート部36に
着座し、マスタシリンダ1とコントロール圧室22とを
遮断するようになっている。ここにおいて、小径部と大
径部とを有する段差ピストン12と、該段差ピストン1
2の大径部端部に設けられたピン部40と、上記段差ピ
ストン12の大径部側に配置され中央部に連通開口37
を有し且つ該連通開口37を上記ピン部40が遊嵌する
ピストンストッパ38と、該ピストンストッパ38の上
記段差ピストン12の大径部側とは反対側面に設けられ
たシート部36と、上記ピストンストッパ38と第1の
プラグ42との間に形成された圧力室に配置されたボー
ル24と、該ボール24を上記シート部36側に付勢す
る第2のスプリング35と、通常時、上記段差ピストン
12を大径部側に付勢し且つ上記ピン部40により上記
ボール24を上記シート部36から離座させて該ボール
24と該シート部36とを所定間隙を有して対峙させて
いる第1のスプリング23とにより段差ピストン装置は
構成される。従って、本実施例においても第1実施例の
ものと同様の作用効果を得ることができる。
【0018】本実施例においては、いずれも二方向二位
置である増圧弁及び減圧弁を使用して構成しているが、
これに限定されるものではなく三方向三位置弁または三
方向二位置弁を使用することもできる。また、本実施例
においてはいずれも、ホイールシリンダ内の減圧時の油
を一旦リザーバに滞溜させ、該リザーバ内の油をポンプ
部を使用してマスタシリンダ側に戻す、いわゆる還流型
の構成を採用しているが、これに限定されるものではな
く、ホイールシリンダの増圧を司どる制御弁の上流側に
差圧制御弁が位置し、更に、差圧制御弁の上流側にホイ
ールシリンダを増圧させるための圧力源がある構成であ
れば勿論採用することができることは言うまでもないこ
とである。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されるの
で、アンチロックブレーキ制御装置の作動時には、増圧
制御弁が油圧源とホイールシリンダを遮断し、減圧弁に
よりホイールシリンダの圧力を減圧した後、ホイールシ
リンダの圧力を増圧するために、減圧弁がホイールシリ
ンダとリザーバとを遮断し、増圧制御弁が油圧源とホイ
ールシリンダ間で連通・遮断を繰返してホイールシリン
ダの圧力を増圧する増圧制御期間中、上記増圧制御弁と
油圧源との間に設けられた差圧制御弁が、増圧制御弁の
下流側の圧力であるホイールシリンダ圧力に対して、上
記増圧制御弁の上流側圧力が一定値未満の圧力だけ高く
なるように制御するので、連通状態から遮断状態に移行
するときも、遮断状態から連通状態に移行するときも常
に配管経路内やホイールシリンダ内における脈動圧を異
音発生の原因にならないように低減して該脈動圧を低く
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す油圧回路図である。
【図2】図1に示された差圧制御弁の一部欠截拡大断面
図である。
【図3】本発明のアンチロックブレーキ制御装置の実施
例におけるホイールシリンダ内の圧力波形図である。
【図4】本発明のアンチロックブレーキ制御装置に適用
される差圧制御弁の第2実施例を示す一部欠截拡大断面
図である。
【図5】本発明のアンチロックブレーキ制御装置に適用
される差圧制御弁の第3実施例を示す一部欠截拡大断面
図である。
【図6】従来のアンチロックブレーキ制御装置における
ホイールシリンダ内の圧力波形図である。
【符号の説明】
1…マスタシリンダ 2…差圧制御弁 3…増圧弁 5…ホイールシリンダ 6…減圧弁 7…リザーバ 8…ポンプ部 11…ハウジング 12…段差ピストン 13…小径連通孔 15…大径連通孔 16…第1の横連通孔 18…マスタシリンダ圧室 21…ホイールシリンダ圧室 22…コントロール圧室 23…第1のスプリング 24…ボール 25…ボール保持部 27,38…ピストンストッパ 30…シールリングストッパ 31…第2の横連通孔 32…ボール弁室 35…第2のスプリング 33…ボールストッパ 36…シート部 37…連通開口 40…ピン部 42…第1のプラグ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールシリンダを増圧制御する増圧制
    御弁と、増圧を行なう油圧源とを有するアンチロックブ
    レーキ制御装置において、 上記増圧制御弁と油圧源との間に、上記増圧制御弁の下
    流側の圧力であるホイールシリンダ圧力に対して、上記
    増圧制御弁の上流側圧力が一定値未満の圧力だけ高くな
    るように制御する差圧制御弁を設けたことを特徴とする
    アンチロックブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 上記差圧制御弁は、ホイールシリンダの
    圧力が導びかれているホイールシリンダ圧室と上記増圧
    制御弁の上流側の圧力が導びかれているコントロール圧
    室との二室の圧力により作用力を受ける段差ピストン装
    置を有し、上記コントロール圧室の圧力がホイールシリ
    ンダ圧室の圧力よりも少なくとも一定値以上高い時に、
    上記段差ピストン装置が移動して、上記油圧源とコント
    ロール圧室との間を連通状態から遮断状態へと導びくよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載されたアンチ
    ロックブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記段差ピストン装置は、小径部と大径
    部とを有し且つ軸方向に小径連通孔と大径連通孔とが穿
    設された段差ピストンと、ボール保持部に固定されたボ
    ールと、通常時、上記段差ピストンを、大径部側へと付
    勢し、且つ上記ボールと上記小径連通孔とを所定間隙を
    有して対峙させるスプリングとからなることを特徴とす
    る請求項2に記載されたアンチロックブレーキ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 上記段差ピストン装置は、小径部と大径
    部とを有し且つ軸方向に大径連通孔と端部が封鎖された
    小径連通孔とが、また、上記小径部に横連通孔が穿設さ
    れた段差ピストンと、通常時、上記段差ピストンを大径
    部側へと付勢する第1のスプリングと、ボールストッパ
    とボールとの間に配置され、通常時、該ボールストッパ
    に設けたシート部と上記ボールとを所定間隙を有して対
    峙させる第2のスプリングとからなることを特徴とする
    請求項2に記載されたアンチロックブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 上記段差ピストン装置は、小径部と大径
    部とを有する段差ピストンと、該段差ピストンの大径部
    端部に設けられたピン部と、上記段差ピストンの大径部
    側に配置され中央部に連通開口を有し且つ該連通開口を
    上記ピン部が遊嵌するピストンストッパと、該ピストン
    ストッパの上記段差ピストンの大径部側とは反対側面に
    設けられたシート部と、上記ピストンストッパと第1の
    プラグとの間に形成された圧力室に配置されたボール
    と、該ボールを上記シート部側に付勢する第2のスプリ
    ングと、通常時、上記段差ピストンを大径部側に付勢し
    且つ上記ピン部により上記ボールを上記シート部から離
    座させて該ボールと該シート部とを所定間隙を有して対
    峙させている第1のスプリングとからなることを特徴と
    する請求項2に記載されたアンチロックブレーキ制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104828045A (zh) * 2015-06-02 2015-08-12 时继才 刹车防抱死及汽车刹车失灵补救装置
CN112109685A (zh) * 2019-08-30 2020-12-22 上汽通用五菱汽车股份有限公司 防抱死控制组件和防抱死系统

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