JPH08324134A - 可逆性感熱記録媒体及びその製造方法並びに読取方法 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体及びその製造方法並びに読取方法

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JPH08324134A
JPH08324134A JP7136784A JP13678495A JPH08324134A JP H08324134 A JPH08324134 A JP H08324134A JP 7136784 A JP7136784 A JP 7136784A JP 13678495 A JP13678495 A JP 13678495A JP H08324134 A JPH08324134 A JP H08324134A
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JP
Japan
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layer
magnetic
coercive force
reversible thermosensitive
pattern
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JP7136784A
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English (en)
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Toru Endo
徹 遠藤
Hidehiko Sai
英彦 細
Atsushi Kijima
厚 木島
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、装飾性を低下させずに、白濁状態
にて隠ぺいされる光学パターン及び微弱な磁気パターン
を設けることにより、識別性を確保しつつ、高度な偽造
防止性の実現を図る。 【構成】 支持体(1)と、この支持体上に形成された
高保磁力磁気記録層(2)と、この高保磁力磁気記録層
上に形成され、磁性体の配向の異なる磁気パターン
(7)を有する低保磁力磁気層(3)と、この低保磁力
磁気層上に形成され、前記磁気パターンに対応して凹凸
パターンを有する光反射層(4)と、この光反射層上に
形成され、与えられる熱エネルギーに対応して可逆的に
白濁状態又は透明状態をとる可逆性感熱層(5)とを備
えた可逆性感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーに対応し
て白濁状態又は透明状態をとる感熱記録層をもった可逆
性感熱記録媒体及びその製造方法並びに読取方法に係わ
り、特に白濁状態にて隠ぺいされる光学パターンや微弱
な磁気パターンを設け、高度な偽造防止性及び識別性を
実現し得る可逆性感熱記録媒体及びその製造方法並びに
読取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、定期券、切符、回数券又はプリペ
イドカード等の情報記録媒体では、サーマルヘッドやレ
ーザビーム等から受ける熱エネルギーに対応して化学変
化や物理変化を生じることにより、文字・図形等の画像
情報を記録する感熱記録法が用いられている。
【0003】この種の感熱記録法では、感熱転写リボン
等の副資材を用いて、記録層や受像層を有する記録媒体
にワックス系のインキ層を転写して画像を可視記録する
方式がある。一方、副資材を用いずにフルオラン系染料
などのロイコ化合物を発色剤とした感熱記録層を記録媒
体に設け、この感熱記録層をサーマルヘッドにより加熱
して化学変化を生じさせて印字することにより、画像を
可視記録する方式がある。また同様に、予め金属薄膜に
て着色層を隠ぺいし、この金属薄膜を熱により溶融・破
壊して隠ぺい性を失わせ、もって、画像を可視記録する
方法がある。
【0004】しかしながら、これらの画像記録方法は、
画像情報が書換不可能であり、媒体側に複数の画像記録
エリアを設けても、該エリアが一杯になると追記不可能
となるので、記録回数に限界がある問題がある。
【0005】一方、画像情報の可逆的な記録方法として
は、可逆性感熱記録媒体を用い、高分子/低分子の白濁
・透明化によるコントラストから画像情報を記録する方
法、またはロイコ化合物の発色・消色により可逆的に画
像情報を記録する方法がある。
【0006】しかしながら、この種の可逆性感熱記録媒
体は、画像情報が書換可能であることにより、記録回数
にはあまり限界がない反面、安全保証性(以下、セキュ
リティ性という)が全く無いため、定期券、切符、回数
券又はプリペイドカード等への応用が困難である問題が
ある。なお、このような定期券、切符、回数券又はプリ
ペイドカード等は、金券に代わるため、真偽判定のため
の識別性や偽造防止性の向上が要望されている。
【0007】そこで、この種の可逆性情報記録媒体に関
しては、識別性及び偽造防止性を実現させるため、書換
不可能な識別情報を付加する技術が検討されている。こ
の種の技術には、例えば磁気バーコード方式及びホログ
ラムセキュリティ方式がある。
【0008】磁気バーコード方式は、バインダ中に磁性
材料を分散させたインキを所望の印刷法にてバーコード
状に印刷し、該バーコードを書換不能な識別情報として
用いるものである。また、ホログラムセキュリティ方式
は、例えばホログラムを呈するホログラム転写箔を可逆
性感熱記録媒体上に転写し、該ホログラムを書換不能な
識別情報として用いるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな可逆性感熱記録媒体では、磁気バーコード及びホロ
グラムにより識別性が確保されるものの、第三者にも視
認により識別されるため、偽造防止性の低いものとなっ
ている問題がある。
【0010】また、磁気バーコード又はホログラムが表
面に形成されるため、文字・デザイン等の印刷領域が制
限され、もって、装飾性を低下させている問題がある。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、装飾性を
低下させずに、白濁状態にて隠ぺいされる光学パターン
及び微弱な磁気パターンを設けることにより、識別性を
確保しつつ、高度な偽造防止性を実現し得る可逆性感熱
記録媒体及びその製造方法並びに読取方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、支持体と、この支持体上に形成された高保磁力磁気
記録層と、この高保磁力磁気記録層上に形成され、磁性
体の配向の異なる磁気パターンを有する低保磁力磁気層
と、この低保磁力磁気層上に形成され、前記磁気パター
ンに対応して凹凸パターンを有する光反射層と、この光
反射層上に形成され、与えられる熱エネルギーに対応し
て可逆的に白濁状態又は透明状態をとる可逆性感熱層と
を備えた可逆性感熱記録媒体である。
【0012】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する可逆性感熱記録媒体において、前記低保磁
力磁気層と前記光反射層との間に介在され、前記磁気パ
ターン以外の微小な凹凸部分を平滑化するための中間層
を備えた可逆性感熱記録媒体である。
【0013】ここで、請求項1及び請求項2に対応する
発明に適用される材料について説明する。なお、以下に
示す材料は一例であって、本発明の意図を妨げない限
り、これに限定されるものではない。
【0014】支持体としては、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、アセチレンブタジエンスチレン共重合体(AB
S)等のプラスチック類、紙、合成紙などの紙類を単独
あるいは組合せた複合体が使用可能となっている。
【0015】これらの支持体の材料は、カード又はシー
トの如く、情報記録媒体に要求される用途に対応して望
ましい物性(強度、剛性、隠ぺい性、光不透過性等)の
観点から適宜選択される。
【0016】高保磁力磁気記録層は、高分子材料中に高
保磁力磁性材料を分散させた磁性インキを印刷法又はコ
ーティング法により残留磁束密度300ガウス乃至50
00ガウスの配向された磁性膜として、膜厚5〜20μ
m程度に形成される。
【0017】高分子材料としては、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アク
リル樹脂等が単独あるいは混合して用いられ、好ましく
はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、ポリエステルが使用される。
【0018】高保磁力磁性材料としては、保磁力100
Oe以上のマグネタイト、γ−酸化鉄、Co被着γ−
酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、二酸化クロム等の金属・合金及び金属化合物の粉末
が使用可能となっている。なお、高保磁力磁気記録層
は、コーティング法、印刷法以外に蒸着法、スパッタリ
ング法、メッキ法等の薄膜形成方法により形成してもよ
い。
【0019】低保磁力磁気層は、高分子材料中に低保磁
力磁性材料を分散させた磁性インキを印刷法により飽和
磁束密度500ガウス乃至10000ガウス(5kOe
時)に印刷膜厚5〜20μm程度に形成される。高分子
材料としては、前述した高保磁力磁気記録層にて使用さ
れるものと同様のものが使用可能である。
【0020】低保磁力磁性材料としては、Fe、Ni、
Mn、Zn、Co、パーマロイ、センダスト、Mn−Z
nフェライト、Ni−Znフェライト、Mnフェライ
ト、Znフェライト、FeS等の金属・合金及び金属化
合物の粉末が適宜使用可能となっている。
【0021】また、低保磁力磁気層に形成される磁気パ
ターンの形成方法としては、低保磁力磁気層を形成する
前に、予め下層の高保磁力磁気記録層に磁気パターンを
磁気ヘッドや垂直記録用ヘッド等により記録し、高保磁
力磁気記録層に該記録された磁気パターンに対応して漏
れ磁束を生じさせておくことにより、低保磁力磁気層が
印刷されて固化するときに該漏れ磁束に対応して他とは
異なる配向の磁気パターンを有するようになる。ここ
で、低保磁力磁気層を異なる配向の磁気パターンを有し
た状態で乾燥固化させることにより、この磁気パターン
を変造困難とする。なお、磁気パターンとしては、ある
情報を示すコード、数字、文字、マーク等が適宜選択可
能である。また、磁気パターンを形成する位置は、特に
限定されず、例えばデータが記録される磁気記録トラッ
ク上としてもよい。
【0022】中間層は、低保磁力磁気層上の磁気パター
ン以外の微小な凹凸を平滑化させて光反射層による光反
射を明確化するための層であり、また、光反射層を鏡面
状態にさせることにより、可逆性感熱記録層の白濁状態
/透明状態のコントラストを高める機能をもっている。
さらに、中間層は、光反射層と低保磁力磁気層との密着
性を高める機能ももっている。
【0023】中間層の材料としては、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、
ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
スチレン樹脂等の従来公知の合成樹脂あるいは天然樹
脂、紫外線硬化樹脂又は赤外線硬化樹脂等が使用可能と
なっており、膜厚0.5〜4μm程度に形成される。
【0024】なお、中間層は、膜厚に比例して低保磁力
磁気層表面の磁気パターン状に荒れた部分を平滑化する
ので、磁気パターン自体を平滑化しないように膜厚0.
5〜2μmに形成することが好ましい。
【0025】光反射層としては、白色系の薄膜層を真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
により、膜厚0.03〜0.08μmに形成される。光
反射層に適用される材料としては、例えばAl、Cr、
Sn、Ni等がある。
【0026】可逆性感熱記録層は、樹脂母材のマトリッ
クス中に分散された有機低分子物質の結晶状態の変化に
よって白濁状態と透明状態とが可逆的に変化するもので
ある。
【0027】有機低分子物質としては、脂肪酸もしくは
脂肪酸誘導体、又は脂環式有機酸があり、さらに詳しく
は、飽和もしくは不飽和のものあるいはジカルボン酸、
又はこれらのエステル、アミド等を含むものである。
【0028】飽和脂肪酸としては、ウンデカン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチル
酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モ
ンタン酸、メリシン酸等が使用可能となっている。
【0029】不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、ソルビン酸、ステアロール酸等
が使用可能である。なお、脂肪酸、脂肪酸誘導体あるい
は脂環式有機酸はこれらのものに限定されず、また、こ
れらのうちの2種類以上を混合させて適用してもよい。
【0030】樹脂母材としては、アクリル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロースアセテー
ト系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩ビ系樹脂、酢ビ
系樹脂の単独、混合あるいは共重合物が使用可能であ
り、膜厚4〜15μm程度に形成される。
【0031】なお、この可逆性感熱記録層上には、適
宜、表面を保護するための保護層を備えてもよい。この
種の保護層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂等
の従来公知の合成樹脂あるいは天然樹脂、紫外線硬化樹
脂または赤外線硬化樹脂をベースとして使用可能であ
り、膜厚0.5〜5μm程度に形成される。また、保護
層は、耐性を向上させるための添加材料として、イソシ
アネート系等の硬化剤、ポリエチレンワックス、カルナ
バワックス等のワックス類、あるいは炭酸カルシウム、
シリカ、アルミナ等の体質顔料、シリコーン油脂等の油
脂類等が透明性を損なわない範囲で添加可能である。
【0032】次に、請求項3に対応する発明は、請求項
1又は請求項2に対応する可逆性感熱記録媒体の製造方
法において、前記高保磁力磁気記録層を形成したとき、
この高保磁力磁気記録層に磁性体の磁化方向の異なる磁
気パターンを形成する工程と、この磁気パターンの形成
されたとき、当該高保磁力磁気記録層上に低保磁力磁気
層を形成する工程とを含んでいる可逆性感熱記録媒体の
製造方法である。
【0033】また、請求項4に対応する発明は、請求項
1又は請求項2に対応する可逆性感熱記録媒体の読取方
法において、前記可逆性感熱層を透明状態とするための
所定の熱エネルギーを印加可能で、且つ前記光反射層の
凹凸パターンを光学的に認識可能な光学読取装置と、前
記磁気パターンを磁気的に認識可能な磁気読取装置とを
設け、この光学的読取装置にて前記可逆性感熱記録媒体
の挿入を検知する工程と、前記挿入を検知したとき、前
記所定の熱エネルギーを当該可逆性感熱記録媒体に印加
する工程と、前記所定の熱エネルギーを印加したとき、
前記凹凸パターンを認識する工程と、前記磁気読取装置
にて磁気パターンを認識する工程とを含んでいる可逆性
感熱記録媒体の読取方法である。
【0034】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、低保磁力磁気層の磁気パタ
ーンが磁気による識別性を有し、光反射層の凹凸パター
ンが光学的に識別性を有し、可逆性感熱層が白濁状態に
て光反射層の凹凸パターンを隠ぺいして装飾性の低下を
阻止し且つ偽造防止性を高めるので、装飾性を低下させ
ずに、白濁状態にて隠ぺいされる光学パターン及び微弱
な磁気パターンを設けることにより、識別性を確保しつ
つ、高度な偽造防止性を実現させることができる。
【0035】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する低保磁力磁気層と光反射層との間に中間層
を設け、この中間層が磁気パターン以外の微小な凹凸部
分を平滑化するので、光反射層では磁気パターンに対応
する部分のみが凹凸パターンとして形成されるため、請
求項1に対応する作用に加え、光反射層の凹凸パターン
による光反射を一層明確に表すことができ、もって、白
濁・透明のコントラスト向上を図ることができる。
【0036】さらに、請求項3に対応する発明は、請求
項1又は請求項2に対応する高保磁力磁気記録層を形成
したとき、この高保磁力磁気記録層に磁性体の磁化方向
の異なる磁気パターンを形成し、しかる後、高保磁力磁
気記録層上に低保磁力磁気層を形成するので、低保磁力
磁気層が高保磁力磁気記録層の磁気パターンに対応する
磁気パターンを有して固定的に形成されるので、請求項
1又は請求項2に対応する作用に加え、低保磁力磁気層
の磁気パターンを変造不能とすることにより、一層偽造
防止性を向上させることができる。
【0037】また、請求項4に対応する発明は、請求項
1又は請求項2に対応する可逆性感熱記録媒体の挿入を
光学的読取装置にて検知し、挿入を検知したとき、所定
の熱エネルギーを当該可逆性感熱記録媒体に印加し、所
定の熱エネルギーを印加したとき、光反射層の凹凸パタ
ーンを認識する一方、磁気読取装置にて磁気パターンを
認識するので、請求項1又は請求項2に対応する作用に
加え、機械読取可能な範囲で微細なパターンを識別で
き、もって、光学的な識別性の向上を図ることができ、
さらに、両読取装置による認識結果を照合することによ
り、一層高度なセキュリティ性を実現することができ
る。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。始めに実施例1,2及び
比較例1,2の構成を順次説明する。図1は本発明の実
施例1に係る可逆性感熱記録媒体の構成を示す断面図で
ある。この可逆性感熱記録媒体は、支持体1、高保磁力
磁気記録層2、低保磁力磁気層3、光反射層4、可逆性
感熱記録層5、保護層6が順次積層された構成となって
いる。なお、低保磁力磁気層3は磁性体の配列を他と異
にした磁気パターン7を有している。
【0039】この可逆性感熱記録媒体の形成方法として
は、二軸延伸されてなる支持体1上に高保磁力磁気記録
層塗料がナイフコータにて配向され、乾燥温度110
℃、残留磁束密度1000ガウスで膜厚12μmの高保
磁力磁気記録層2が形成される。この高保磁力磁気記録
層2は磁気ヘッドにて磁気パターンが消去可能に記録さ
れる。この高保磁力磁気記録層2上には、グラビア法に
より、低保磁力磁気層塗料が塗布され乾燥温度110℃
にて乾燥されて膜厚3μmの低保磁力磁気層3が形成さ
れる。
【0040】低保磁力磁気層3には、高保磁力磁気記録
層2の磁気パターンによる漏れ磁束に対応して他とは異
なる磁気パターン7が形成されると共に、該形成された
磁気パターン7に伴って低保磁力磁気層3表面が荒れた
形状となる。
【0041】この低保磁力磁気層3上には真空蒸着法に
よりAlが蒸着され、膜厚0.05μmのAlの光反射
層4が形成される。この光反射層4上には、グラビア法
により、可逆性感熱記録層塗料が塗布され乾燥温度12
0℃にて乾燥されて膜厚6μmの可逆性感熱記録層5が
形成される。この可逆性感熱記録層5上には、グラビア
法により、保護層塗料が塗布され乾燥温度110℃にて
乾燥されて膜厚2μの保護層6が形成される。
【0042】ここで、支持体1、高保磁力磁気記録層塗
料、低保磁力磁気層塗料、光反射層4、可逆性感熱記録
層塗料、保護層塗料としては、以下に示すものが使用さ
れている。 (支持体) ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム:厚さ200μm) (高保磁力磁気記録層塗料) 塩酢ビ樹脂 20重量部 バリウムフェライト(保磁力1750 Oe) 50重量部 ポリエステル系分散剤 2重量部 シクロヘキサノン 10重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 (低保磁力磁気層) 塩酢ビ樹脂 20重量部 MnZnフェライト(保磁力30 Oe) 40重量部 ポリエステル系分散剤 2重量部 シクロヘキサノン 5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 (光反射層) Al (可逆性感熱記録層塗料) ステアリン酸 7重量部 セバチン酸 2重量部 塩酢ビ共重合体樹脂 6重量部 テトラヒドロフラン 30重量部 トルエン 10重量部 (保護層塗料) アクリル樹脂 30重量部 カルナバワックス 1.5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 メチルイソブチルケトン 20重量部 続いて実施例2の構成を述べる。
【0043】図2は本発明の実施例2に係る可逆性感熱
記録媒体の構成を示す断面図であり、図1と同一部分に
は同一符号を付してその詳しい説明は省略し、ここでは
異なる部分についてのみ述べる。
【0044】すなわち、実施例2は、実施例1の磁気パ
ターン7に対応した光反射をより一層明確化させたもの
であり、具体的には図2に示すように、低保磁力磁気層
3と光反射層4との間に膜厚1μmの中間層を介在させ
たものである。
【0045】中間層の形成方法としては、グラビア法が
用いられ、実施例1と同様に形成された低保磁力磁気層
3の上に中間層塗料が塗布され乾燥温度90℃にて乾燥
されて中間層が形成される。なお、以下前述同様に各層
が形成される。
【0046】ここで、支持体1、高保磁力磁気記録層塗
料、光反射層4、可逆性感熱記録層塗料、保護層塗料と
しては、実施例1と同一構成のものが使用されている。
また、低保磁力磁気層塗料、中間層塗料としては、以下
に示すものが使用されている。 (低保磁力磁気層塗料) 塩酢ビ樹脂 20重量部 鱗片状パーマロイ(保磁力30 Oe以下) 40重量部 ポリエステル系分散剤 2重量部 シクロヘキサノン 5重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 (中間層) 塩ビ酢ビ樹脂 30重量部 トルエン 45重量部 メチルエチルケトン 45重量部 次に、比較例1,2の構成を述べる。
【0047】比較例1は、実施例2にて低保磁力磁気層
3が省略されたものである。比較例2は、実施例2にて
高保磁力磁気記録層2における磁気パターンの記録と低
保磁力磁気層3における磁気パターン7の形成が省略さ
れたものである次に、このような可逆性感熱記録媒体に
ついて繰返し印字、磁気パターン読取り、パターン光読
取りを行った。結果は表1に示す通りである。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、繰返し印字は、サーマルヘ
ッドにて適切な熱エネルギーを可逆性感熱記録媒体に与
え、この可逆性感熱記録媒体の全面を加熱することによ
り、熱エネルギーの大きさに対応して白濁状態又は透明
状態を選択的にとるか否か、すなわち、繰返し印字可能
か否かを判定した項目である。
【0050】磁気パターン読取りは、磁気パターン7を
読取り可能か否かを判定した項目である。パターン光読
取りは、図3(a)に示す白濁状態9の可逆性感熱記録
媒体を読取装置に挿入して適切な熱エネルギーの印加に
より、図3(b)に示すように可逆性感熱記録層5を透
明状態としたとき、光反射層4による光反射のパターン
10を光学的に読取り可能か否かを判定した項目であ
る。
【0051】ここで、繰返し印字の結果は、該記録媒体
全面を加熱したところ、サーマルヘッドの密着もよく、
実施例1,2及び比較例1,2の全てが良好に繰返し印
字可能であった。
【0052】磁気パターン読取りの結果は、MRセンサ
等へのバイアス電流30mAの印加により、実施例1,
2が良好に磁気パターン7が読取り可能であった。な
お、実施例2は、中間層の介在により、磁気パターンが
目視可能となっていた。
【0053】また、磁気パターン7を変造しようとした
ところ、磁気パターン7が低保磁力磁気層3の形成時に
固化されて記録されているため、変造が不可能であっ
た。さらに、実施例1,2については、高磁界中に放置
して高保磁力磁気記録層2の磁気パターンを消去した後
に磁気パターン7の読取り検査を行ったところ、磁気パ
ターン7が低保磁力磁気層3の形成時に固化されて記録
されているため、良好に磁気パターン7を読取ることが
できた。
【0054】一方、比較例1については、MRセンサ等
へのバイアス電流30mAの印加により、最初の1回の
み磁気パターンが読取可能であったが、2回目以降は磁
気パターンが読取不可能となっていた。比較例2につい
ては、1回目から磁気パターンが読取不可能であった。
【0055】さらに、パターン光読取りの結果は、実施
例1,2が光反射層4の凹凸パターンを光学的に良好に
読取り可能であった。比較例1,2については、低保磁
力磁気層3又は低保磁力磁気層3の磁気パターン7が省
略されたことにより、光反射層4に凹凸パターンをもた
ないため、光学的なパターン読取りが不可能であった。
【0056】また、光学的読取装置による認識結果(文
字コード)と磁気読取装置による認識結果(文字コー
ド)とを比較・照合したところ、両者の一致することを
確認できた。
【0057】上述したように本実施例によれば、低保磁
力磁気層3の磁気パターン7が磁気による識別性を有
し、光反射層4の凹凸パターンが光学的に識別性を有
し、可逆性感熱層が白濁状態にて光反射層4の凹凸パタ
ーンを隠ぺいして装飾性の低下を阻止し且つ偽造防止性
を高めるので、装飾性を低下させずに、白濁状態にて隠
ぺいされる光学パターン及び微弱な磁気パターン7を設
けることにより、券種判定等に利用可能な識別性を確保
しつつ、高度な偽造防止性を実現させることができる。
【0058】また、低保磁力磁気層3と光反射層4との
間に中間層を設け、この中間層が磁気パターン7以外の
微小な凹凸部分を平滑化するので、光反射層4では磁気
パターン7に対応する部分のみが凹凸パターンとして形
成されるため、光反射層4の凹凸パターンによる光反射
を一層明確に表すことができる。
【0059】さらに、製造過程において、高保磁力磁気
記録層2を形成したとき、この高保磁力磁気記録層2に
磁性体の配向の異なる磁気パターンを形成し、しかる
後、高保磁力磁気記録層2上に低保磁力磁気層3を形成
するので、低保磁力磁気層3が高保磁力磁気記録層2の
磁気パターンに対応する磁気パターン7を有して固定的
に形成されるので、低保磁力磁気層3の磁気パターン7
を高磁界中でも変造不能とすることにより、一層偽造防
止性を向上させることができる。
【0060】また、可逆性感熱記録媒体の挿入を光学的
読取装置にて検知し、挿入を検知したとき、所定の熱エ
ネルギーを当該可逆性感熱記録媒体に印加し、所定の熱
エネルギーを印加したとき、光反射層4の凹凸パターン
を認識するので、機械読取可能な範囲で微細なパターン
を識別でき、もって、光学的な識別性の向上を図ること
ができる。
【0061】さらに、磁気的読取装置にて磁気パターン
7を認識すると共に、光学的読取装置による認識結果と
磁気読取装置による認識結果とを照合することにより、
一層高度なセキュリティ性を実現することができる。そ
の他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、低保磁力磁気層の磁気パターンが磁気による識別
性を有し、光反射層の凹凸パターンが光学的に識別性を
有し、可逆性感熱層が白濁状態にて光反射層の凹凸パタ
ーンを隠ぺいして装飾性の低下を阻止し且つ偽造防止性
を高めるので、装飾性を低下させずに、白濁状態にて隠
ぺいされる光学パターン及び微弱な磁気パターンを設け
ることにより、識別性を確保しつつ、高度な偽造防止性
を実現できる可逆性感熱記録媒体を提供できる。
【0063】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の低保磁力磁気層と光反射層との間に中間層を設け、こ
の中間層が磁気パターン以外の微小な凹凸部分を平滑化
するので、光反射層では磁気パターンに対応する部分の
みが凹凸パターンとして形成されるため、請求項1の効
果に加え、光反射層の凹凸パターンによる光反射を一層
明確に表すことができる可逆性感熱記録媒体を提供でき
る。
【0064】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
1又は請求項2の高保磁力磁気記録層を形成したとき、
この高保磁力磁気記録層に磁性体の磁化方向の異なる磁
気パターンを形成し、しかる後、高保磁力磁気記録層上
に低保磁力磁気層を形成するので、低保磁力磁気層が高
保磁力磁気記録層の磁気パターンに対応する磁気パター
ンを有して固定的に形成されるので、請求項1又は請求
項2の効果に加え、低保磁力磁気層の磁気パターンを変
造不能とすることにより、一層偽造防止性を向上できる
可逆性感熱記録媒体の製造方法を提供できる。
【0065】また、請求項4の発明によれば、請求項1
又は請求項2の可逆性感熱記録媒体の挿入を光学的読取
装置にて検知し、挿入を検知したとき、所定の熱エネル
ギーを当該可逆性感熱記録媒体に印加し、所定の熱エネ
ルギーを印加したとき、光反射層の凹凸パターンを認識
する一方、磁気読取装置にて磁気パターンを認識するの
で、請求項1又は請求項2の効果に加え、機械読取可能
な範囲で微細なパターンを識別でき、もって、光学的な
識別性の向上を図ることができ、さらに、両読取装置に
よる認識結果を照合することにより、一層高度なセキュ
リティ性を実現することができる可逆性感熱記録媒体の
読取方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る可逆性感熱記録媒体の
構成を示す断面図、
【図2】本発明の実施例2に係る可逆性感熱記録媒体の
構成を示す断面図、
【図3】同実施例における読取動作を説明するための平
面図。
【符号の説明】
1…支持体、2…高保磁力磁気記録層、3…低保磁力磁
気層、4…光反射層、5…可逆性感熱記録層、6…保護
層、7…磁気パターン、8…中間層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、 この支持体上に形成された高保磁力磁気記録層と、 この高保磁力磁気記録層上に形成され、磁性体の配向の
    異なる磁気パターンを有する低保磁力磁気層と、 この低保磁力磁気層上に形成され、前記磁気パターンに
    対応して凹凸パターンを有する光反射層と、 この光反射層上に形成され、与えられる熱エネルギーに
    対応して可逆的に白濁状態又は透明状態をとる可逆性感
    熱層とを備えたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体に
    おいて、 前記低保磁力磁気層と前記光反射層との間に介在され、
    前記磁気パターン以外の微小な凹凸部分を平滑化するた
    めの中間層を備えたことを特徴とする可逆性感熱記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の可逆性感
    熱記録媒体の製造方法において、 前記高保磁力磁気記録層を形成したとき、この高保磁力
    磁気記録層に磁性体の磁化方向の異なる磁気パターンを
    形成する工程と、 この磁気パターンの形成されたとき、当該高保磁力磁気
    記録層上に低保磁力磁気層を形成する工程とを含んでい
    ることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の可逆性感
    熱記録媒体の読取方法において、 前記可逆性感熱層を透明状態とするための所定の熱エネ
    ルギーを印加可能で、且つ前記光反射層の凹凸パターン
    を光学的に認識可能な光学読取装置と、 前記磁気パターンを磁気的に認識可能な磁気読取装置と
    を設け、 前記光学的読取装置にて前記可逆性感熱記録媒体の挿入
    を検知する工程と、 前記挿入を検知したとき、前記所定の熱エネルギーを当
    該可逆性感熱記録媒体に印加する工程と、 前記所定の熱エネルギーを印加したとき、前記凹凸パタ
    ーンを認識する工程と、 前記磁気読取装置にて磁気パターンを認識する工程とを
    含んでいることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の読取
    方法。
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