JPH08321315A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JPH08321315A
JPH08321315A JP7126270A JP12627095A JPH08321315A JP H08321315 A JPH08321315 A JP H08321315A JP 7126270 A JP7126270 A JP 7126270A JP 12627095 A JP12627095 A JP 12627095A JP H08321315 A JPH08321315 A JP H08321315A
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electrode catalyst
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正昭 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CO被毒やメタノール被毒の影響の小さな低
温型燃料電池を得ることを目的とする。 【構成】 燃料極1を、電解質マトリックス3と直接接
する燃料極触媒内層13と上記電解質マトリックスとは
直接接しない燃料極触媒外層15とが電子伝導性の多孔
質基材14を介在させて対向配置されている構成とし
た。また、紫外線照射手段および光触媒を備え、紫外線
を照射している上記光触媒に触れた燃料を燃料極に供給
するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸型燃料電池や固
体高分子型燃料電池などの低温型燃料電池でのCO被毒
対策やメタノール被毒対策に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、燃料電池は対向して配置さ
れた燃料極と酸化剤極の間に電解質マトリックスを介在
させ、燃料極および酸化剤極にそれぞれ燃料および酸化
剤を供給して運転される一種の発電装置である。
【0003】燃料電池は、カルノーサイクルの制約を受
けず高い発電効率が期待できる、排熱が利用できる、騒
音が少なく排気ガスがクリーンであるなどの利点があ
り、大形や小型の発電装置として開発されている。
【0004】燃料電池は用いられる電解質の種類によっ
て、アルカリ型、リン酸型、固体高分子型、硫酸型、溶
融炭酸塩型、固体電解質型などに分類されており、この
うち溶融炭酸塩型は650℃前後、固体電解質型は10
00℃前後と高温で運転されるので、これらは高温型燃
料電池と呼ばれている。一方、リン酸型は200℃前
後、アルカリ型、固体高分子型と硫酸型は100℃前後
と比較的低温で運転されるので低温型燃料電池に分類さ
れている。
【0005】まず、リン酸型燃料電池について従来技術
を説明する。従来のリン酸型燃料電池のセル構造につい
ては、例えば本願発明と同一出願人によって出願された
特開昭63−237359号公報の従来例および実施例
に詳細に記述されている。
【0006】図10は、代表的なリン酸型燃料電池のセ
ル構造の断面図であり、図において1は燃料極、2は酸
化剤極、3は電解質マトリックス、11は燃料極触媒
層、12は燃料極電極基材、21は酸化剤極触媒層、2
2は酸化剤極電極基材である。
【0007】次に、固体高分子型燃料電池について従来
技術を説明する。従来の固体高分子型燃料電池のセル構
造については、例えば本願発明と同一出願人によって出
願された特開平5−325983号公報の従来例および
実施例に詳細に記述されている。基本的には図10と同
様の構成であるが、特開平5−325983号公報の実
施例では、燃料極触媒層11および酸化剤極触媒層21
が、燃料極電極基材12や酸化剤極電極基材22と共に
電解質マトリックス3に3次元的に埋め込まれている。
なお、固体高分子型燃料電池においては、電解質マトリ
ックス3は固体高分子膜と呼ばれている薄いフィルムで
構成されている。
【0008】その他の、アルカリ型燃料電池や直接型メ
タノール燃料電池などの低温型燃料電池のセル構造につ
いては、例えば、刊行物(「電池便覧」丸善、電池便覧
編集委員会編、第1版平成2年8月20日発行)に詳細
に記載されているが、基本的にはやはり図10と同じ構
成である。
【0009】次にリン酸型燃料電池の動作について図1
1を用いて説明する。図11において、5、6は触媒、
4は外部回路である。なお、燃料極1の外側には燃料ガ
ス流路、酸化剤極2の外側には酸化剤ガス流路が配置さ
れるが、図を簡単にするために省略した。反応ガス流路
やセパレータまで含めた詳細な図については、特開昭6
3−237359号公報に記載されている。燃料ガス中
の水素は燃料ガス流路から燃料極電極基材12を拡散し
て燃料極触媒層11に供給され、燃料極1中の白金触媒
5の働きで式(1)の反応によってプロトンと電子に分
れる。 H2 → 2H+ + 2e- (1) このとき発生するプロトン(H+)は電解質マトリック
ス3を通り、電子(e-)は外部回路4を通って酸化剤
極触媒層21に達し、酸化剤ガス流路から酸化剤電極基
材22を拡散して、酸化剤極2中の白金触媒6の働きで
酸化剤極触媒層21に供給される酸化剤ガス中の酸素を
消費して式(2)の反応により水を発生する。 O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O (2) なお、アルカリ型燃料電池以外の低温型燃料電池動作は
上記リン酸型燃料電池の動作と同様である。また、アル
カリ型燃料電池についてはH+の代わりにOH-がイオン
伝導体になる点を除いて上記リン酸型燃料電池の動作と
同様である。
【0010】低温型燃料電池では、このように白金触媒
が燃料極1や酸化剤極2の触媒5、6として用いられる
ことが多い。また、燃料電池では、メタンやメタノール
を水素を主とした成分に改質した改質ガスを燃料として
運転される場合が一般的であるが、改質ガスには一酸化
炭素が含まれており、低温では、この一酸化炭素が白金
触媒に吸着するので、燃料電池の性能を低下させる。こ
の現象は「CO被毒」として広く知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の低温型燃料電池
は以上のように構成されているので、一酸化炭素の濃度
を下げたり一酸化炭素を除去する必要があった。低温ほ
ど『CO被毒』の影響が大きいが、動作温度が200℃
前後と最も高いリン酸型燃料電池でも、メタンやメタノ
ールを水蒸気改質した改質ガスそのままでは、CO濃度
が数%と高すぎるので、さらにCO転化器を備えてCO
濃度を下げる必要があった。また、リン酸型燃料電池で
は数セルごとに水冷式の冷却器が挿入されているが、冷
却器近傍のセルは温度が低くなるので、CO被毒による
セル電圧低下が大きいという問題点があった。また、動
作温度が100℃以下である固体高分子型燃料電池に至
っては、CO濃度を数十ppmあるいは数ppmレベル
にまで下げる必要があり、このため、米国特許5217
596号(1993年)に記載されているように、燃料
ガスを加圧してPd薄膜などを用いて水素だけを取り出
したり、米国特許4910099号(1990年)に記
載されているように、爆発の危険性を冒して燃料ガス中
に数%の空気を混入させたりするなどの方法が用いられ
ていたが、補機動力を必要とし効率が著しく低下する、
装置が複雑になる、安全性に問題が有るなどの問題点が
あった。
【0012】一方、メタノールを燃料として用いた場合
に、メタノールの一部が燃料極触媒層11に達し、CO
被毒の場合と同様に電極の性能を低下させるメタノール
被毒という現象があり、特性低下の原因となっていた。
【0013】リン酸型燃料電池のメタノール被毒につい
ては、本願発明者の一人である光田らにより文献(「電
気化学および工業物理化学」第62巻、p775〜p7
83、1994年)に詳細に記載されており、メタノー
ルが電解質マトリックス3を透過して酸化剤極触媒層2
1に達し酸化されて分極すること、および電解質マトリ
ックス3の中に沸点の高いトリメチルフォスフェートが
蓄積してイオン伝導性が阻害され抵抗が増加すること
が、特性低下の大きな原因とされている。
【0014】固体高分子型燃料電池のメタノール被毒に
ついては、斎藤らにより文献(「電気化学および工業物
理化学」第59巻、p70、1991年)に詳細に記載
されており、メタノールが電解質マトリックス3を透過
して酸化剤極触媒層21に達し酸化されて分極するの
が、特性低下の大きな原因とされている。
【0015】さらに、直接型メタノール燃料電池でも同
様にメタノールが電解質マトリックス3を透過して酸化
剤極触媒層21に達し酸化されて分極するのが、特性低
下の大きな原因となっており、このため電解質マトリッ
クス3近傍にメタノールを透過しにくい膜を置いたり、
メタノールをできるだけガス状にして、電解質マトリッ
クス3を透過しにくくするために動作温度を上げるなど
の手段が用いられているが、いずれの方法も効果が不十
分で、充分な特性を得ることはできず実用化には至って
いない。
【0016】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、CO被毒やメタノール被毒の影
響の小さな低温型燃料電池を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る燃料電池は、燃料極が、電解質マトリックスと直接接
する燃料極触媒内層と上記電解質マトリックスとは直接
接しない燃料極触媒外層とが電子伝導性の多孔質基材を
介在させて対向配置されているものである。燃料極の触
媒層を、電解質マトリックスと直接接する燃料極触媒内
層と、電解質マトリックスとは直接接しない燃料極触媒
外層とに分けて、燃料極触媒内層と燃料極触媒外層の間
に電子伝導性の多孔質基材が配置し燃料の反応ガス供給
手段と隔離された気体空間を形成されていることを特徴
とする。
【0018】請求項2記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層と燃料極触媒外層との間に、それぞれ電子
伝導性の多孔質基材を介在させて上記燃料極触媒内層お
よび燃料極触媒外層と対向配置された燃料極触媒中間層
を有するものである。
【0019】請求項3記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層に比べて燃料極触媒外層の撥水性を低くし
たものである。
【0020】請求項4記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層と燃料極触媒中間層との間に介在する電子
伝導性の多孔質基材の撥水性を上記燃料極触媒中間層と
燃料極触媒外層との間に介在する電子伝導性の多孔質基
材の撥水性に比べて低くしたものである。
【0021】請求項5記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層には白金触媒を主とする触媒を用い、燃料
極触媒外層には上記白金触媒よりCO被毒に強い触媒を
用いたものである。
【0022】請求項6記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層を加湿する手段を有するものである。
【0023】請求項7記載の発明に係る燃料電池は、燃
料極触媒内層に接する電子伝導性の多孔質基材に保水剤
を担持したものである。
【0024】請求項8記載の発明に係る燃料電池は、紫
外線照射手段および光触媒を備え、紫外線を照射してい
る上記光触媒に触れた燃料を上記燃料極に供給するよう
に構成したものである。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明によれば、燃料極は、電解
質マトリックスと直接接する燃料極触媒内層と上記電解
質マトリックスとは直接接しない燃料極触媒外層とが電
子伝導性の多孔質基材を介在させて対向配置されている
ので、燃料極触媒外層で水素発生が起こり燃料の供給手
段と隔離された多孔質基材の気体空間では純水素で満た
されるので、一酸化炭素やメタノールは、燃料極触媒内
層へ達しにくくなり、CO被毒やメタノール被毒が軽減
される。
【0026】また、請求項2記載の発明のように、燃料
極触媒内層と燃料極触媒外層との間に、それぞれ電子伝
導性の多孔質基材を介在させて上記燃料極触媒内層およ
び燃料極触媒外層と対向配置された燃料極触媒中間層を
有すると、燃料極触媒外層および燃料極触媒中間層で水
素発生が起こり、燃料の供給手段と隔離された多孔質基
材の気体空間では純水素で満たされるので、一酸化炭素
やメタノールは、燃料極触媒内層へより達しにくくな
り、CO被毒やメタノール被毒がさらに軽減される。
【0027】また、請求項3記載の発明のように、燃料
極触媒内層に比べて燃料極触媒外層の撥水性を低くすれ
ば、気体空間の機密性が高くなり、燃料極触媒外層から
気体空間への一酸化炭素やメタノール蒸気の拡散を抑制
することができる。
【0028】また、請求項4記載の発明のように、燃料
極触媒内層と燃料極触媒中間層との間に介在する電子伝
導性の多孔質基材の撥水性を上記燃料極触媒中間層と燃
料極触媒外層との間に介在する電子伝導性の多孔質基材
の撥水性に比べて低くすれば、燃料極触媒内層に近い気
体空間の水素ガスの拡散性が改善され、水素発生が加速
されるので、CO被毒やメタノール被毒がさらに軽減さ
れる。
【0029】また、請求項5記載の発明のように、燃料
極触媒内層に白金触媒を主とする触媒を用い、燃料極触
媒外層に白金触媒よりCO被毒に強い触媒を用いれば、
燃料極触媒外層ではCO被毒の影響をあまり受けずに水
素発生が起こり、燃料極触媒内層では水素還元が効率良
く起こる。
【0030】また、請求項6記載の発明のように、燃料
極触媒内層を加湿する手段を設ければ、特に固体高分子
型燃料電池において内部抵抗の増大をきたすことなくC
O被毒やメタノール被毒を軽減できる。
【0031】また、請求項7記載の発明のように、燃料
極触媒内層接する電子伝導性の多孔質基材に保水剤を担
持しても、特に固体高分子型燃料電池において内部抵抗
の増大をきたすことなくCO被毒やメタノール被毒を軽
減できる。
【0032】また、請求項8記載の発明のように、紫外
線照射手段および光触媒を備え、紫外線を照射している
上記光触媒に触れた燃料を燃料極に供給するように構成
すれば、燃料に含まれるCOやメタノールは、紫外線の
エネルギーで光触媒によって酸化されてCO2に変換さ
れる。
【0033】
【実施例】以下、図1〜図9に示す実施例に基づいて従
来と同一または相当部分には同一符号を付してこの発明
の燃料電池のセル構成を説明する。
【0034】実施例1.図1は、本発明の実施例1によ
る燃料電池の要部の構成を示す断面図である。図におい
て、13は燃料極触媒内層、14は電子伝導性の多孔質
基材、15は燃料極触媒外層である。多孔質基材14は
従来の電極基材12を用いることができ、燃料極触媒内
層13は従来の燃料極触媒層11と同じであってもよ
い。従来のセル構成と大きく異なるのは、多孔質基材1
4の外側に燃料極触媒外層15が形成されていることで
あり、燃料極触媒外層15は従来の燃料極触媒層11と
同じであってもよく、燃料極触媒内層13と同様にして
多孔質基材14の外側に形成することができる。
【0035】次に、本発明のセル構成の作用について図
2を用いて説明する。水素やCO、CO2などの燃料ガ
スは燃料ガス流路から燃料極触媒外層15に達し、燃料
極触媒外層15の触媒7の働きで式(1)の反応によっ
てプロトンと電子に分れる。また、COは、他の触媒粒
子8に吸着して保持される。このとき発生するプロトン
(H+)は燃料極触媒外層15内の電解質を通って他の
触媒粒子9に達し、式(3)の反応によって再び水素ガ
スに変換される。 2H+ + 2e- → H2 (3) このとき電子(e-)は燃料極触媒外層15を通って触
媒粒子9に運ばれる。
【0036】触媒粒子9で生じた水素ガスは拡散して燃
料極触媒内層13の白金触媒10に達し、再び式(1)
の反応によってプロトンと電子に分れる。このとき発生
するプロトン(H+)は電解質マトリックス3を通り、
電子(e-)は外部回路4を通って酸化剤極触媒層21
に達し、酸化剤ガス流路から酸化剤電極基材22を拡散
して、酸化剤極2中の白金触媒6の働きで酸化剤極触媒
層21に供給される酸化剤ガス中の酸素を消費して式
(2)の反応により水を発生する。
【0037】触媒粒子7でプロトンと電子になり、触媒
粒子9で再び結合して水素ガスに戻るのは式(1)およ
び式(3)の反応の交換電流密度が極めて大きく、水素
からプロトンへ、プロトンから水素へほとんど活性化エ
ネルギーを必要とせずに変換されるためである。なお、
外部回路4は、図2では燃料極触媒内層13に接続され
ているが、燃料極触媒内層13と燃料極触媒外層15は
電子伝導性の多孔質基材14で接続されているので、外
部回路4は燃料極触媒外層15に接続されていてよい。
また、図1の単電池構成で従来と同様に複数層積層され
てよい。
【0038】以上のように、実施例1によれば、多孔質
基材14のガス空間は発生した水素で満たされ、一方、
COやCO2は、燃料極触媒外層15にブロックされ
て、容易には多孔質基材14のガス空間に進入できない
ので、多孔質基材14のガス空間には純水素が満たされ
る。従って、燃料極触媒内層13では、CO被毒を受け
ることなく、分極して大きな電圧降下を起こさない。燃
料極触媒外層15では当然CO被毒を受けているが、プ
ロトンと電子は、酸素によって消費されるのではなく、
再び水素ガスに戻るために、発生した水素ガスによっ
て、CO被毒を受けにくい純水素のガス空間が形成さ
れ、CO被毒の影響が軽減される。
【0039】実施例2.図3は本発明の実施例2による
燃料電池の要部の構成を示す断面図である。図におい
て、16は燃料極触媒中間層、17は電子伝導性の多孔
質基材である。図1、図2の実施例に比べて燃料極触媒
層がさらに1層増えたセル構成になっている。すなわ
ち、燃料極触媒内層13と燃料極触媒外層15との間
に、それぞれ電子伝導性の多孔質基材14、17を介在
させて燃料極触媒内層13および燃料極触媒外層15と
対向配置された燃料極触媒中間層16を有しており、従
来のセル構成とは大きく異なっている。なお、電子伝導
性の多孔質基材17は従来の電極基材12を用いること
ができる。また、燃料極触媒中間層16は燃料極触媒内
層13と同様にして多孔質基材14または17に形成す
ることができ、燃料極触媒外層15は多孔質基材17に
形成される。
【0040】次に、この実施例のセル構成の作用につい
て図4を用いて説明する。水素やCO、CO2などの燃
料ガスは燃料ガス流路から燃料極触媒外層15に達し、
燃料極触媒外層15の触媒7の働きで式(1)の反応に
よってプロトンと電子に分れる。このとき発生するプロ
トン(H+)は燃料極触媒外層15内の電解質を通って
他の触媒粒子9に達し、式(3)の反応によって再び水
素ガスに変換される。このとき電子(e-)は燃料極触
媒外層15を通って触媒粒子9に運ばれる。
【0041】触媒粒子9で生じた水素ガスは拡散して燃
料極触媒中間層16の白金触媒23に達し、再び式
(1)の反応によってプロトンと電子に分れる。このと
き発生するプロトン(H+)は燃料極触媒中間層16内
の電解質を通って他の触媒粒子24に達し、式(3)の
反応によって再び水素ガスに変換される。 このとき電
子(e-)は燃料極触媒中間層16を通って触媒粒子2
4に運ばれる。
【0042】触媒粒子24で生じた水素ガスは多孔質基
材14の空間を通って燃料極触媒内層13に達し、白金
触媒10で、式(1)の反応によってプロトンと電子に
分れる。このとき発生するプロトン(H+)は電解質マ
トリックス3を通り、電子(e-)は外部回路4を通っ
て酸化剤極触媒層21に達し、酸化剤ガス流路から酸化
剤電極基材22を拡散して、酸化剤極2中の白金触媒6
の働きで酸化剤極触媒層21に供給される酸化剤ガス中
の酸素を消費して式(2)の反応により水を発生する。
【0043】この実施例の場合、燃料極触媒外層15で
はCO被毒を受けているが、プロトンと電子は、酸素に
よって消費されるのではなく、再び水素ガスに戻るため
に、発生した水素ガスによって、CO被毒を受けにくい
純水素のガス空間が形成され、CO被毒の影響が軽減さ
れるのは実施例1の場合と同様であるが、この実施例で
は、CO被毒を受けにくい純水素のガス空間が燃料極触
媒外層15と中間層16の2重に形成されているので、
CO被毒がより軽減される。
【0044】実施例3.図5は、本発明の実施例3によ
る燃料電池の要部の構成を示す断面図である。図におい
て、18は燃料極触媒中間層、19は電子伝導性の多孔
質基材であり、図3、図4の実施例2に比べてさらに燃
料極触媒層が1層増えている。すなわち、燃料極触媒内
層13と燃料極触媒外層15との間に、それぞれ電子伝
導性の多孔質基材14、17、19を介在させて燃料極
触媒内層13および燃料極触媒外層15と対向配置され
た燃料極触媒中間層16、18を有している。なお、電
子伝導性の多孔質基材19は従来の電極基材12を用い
ることができる。また、燃料極触媒中間層18は燃料極
触媒中間層16と同様にして多孔質基材17または19
に形成することができ、燃料極触媒外層15は多孔質基
材19に形成される。
【0045】この実施例では実施例1、2にに比べてさ
らに燃料極触媒層が1層増えているので、CO被毒の影
響をより一層受けにくくなっている。
【0046】[実験例1]リン酸型燃料電池を用いて、
従来のセル構成と本発明の一実施例によるセル構成につ
いて、CO被毒によるセル電圧低下の影響を、セル面積
100cm2の単セルを用いて試験を行なった。この結
果を図6に示す。図において、横軸は電池のセル構成の
違いを示しており、Aは従来のセル構成、Bは実施例1
のセル構成、Cは実施例2のセル構成、Dは実施例3の
セル構成である。縦軸は、150℃、300mA/cm
2の負荷で燃料に水素80%、CO220%の混合ガスを
用いた場合(水素利用率は80%)と、水素80%でC
Oがそれぞれ0.5%、1%、2%または3%で残りが
CO2の混合ガスを用いた場合(水素利用率は80%)
とのセル電圧の差(COロス)を示したものである。な
お、酸化剤ガスとしては、空気(酸素利用率は60%)
を用いた。31はCOが0.5%の場合の結果、32は
COが1%の場合の結果、33はCOが2%の場合の結
果、34はCOが3%の場合の結果であり、従来のセル
構成(A)に比べて、実施例1〜3のセル構成(B、
C、D)の方が、同じCO濃度の燃料ガスでのCOロス
が明らかに小さくなっているのが分る。また、燃料触媒
層の数が2層のBよりも燃料触媒層の数が3層のCの方
がCOロスが少なく、燃料触媒層の数が3層のBよりも
燃料触媒層の数が4層のDの方がCOロスが少なくって
おり、燃料触媒層の数が多くなるほどCOロス低減への
効果が大きいことが分る。なお、燃料触媒層の数の増加
に伴って、内部抵抗やH2ゲイン(純水素の場合と水素
80%、CO220%の混合ガスを用いた場合とのセル
電圧の差)の増大などのセル電圧への悪影響も理論上心
配されたが、この実験例の結果では、内部抵抗やH2
インの増大はほとんど見られず、COを含む燃料ガスで
のセル電圧の絶対値でも、やはり従来のセル構成(A)
に比べて、実施例1〜3のセル構成(B、C、D)の方
が高くなっていた。
【0047】[実験例2]リン酸型燃料電池を用いて、
従来のセル構成と本発明のセル構成について、実験例1
と同様にして、こんどはメタノール被毒によるセル電圧
低下への影響を調べた。メタノールは、ガス洗浄ビンに
入れて、燃料ガス(水素80%、CO220%の混合ガ
ス)をそのメタノールを入れたガス洗浄ビンに通すこと
によって、燃料ガスにメタノール蒸気を含ませた。その
結果、やはり従来のセル構成(A)に比べて、実施例1
〜3のセル構成(B、C、D)の方がセル電圧が高くな
り、CO被毒だけではなく、メタノール被毒についても
実施例のセル構成が有効であることが分った。また、負
荷を取らない場合のセル電圧(開放電圧)についても、
従来のセル構成に比べて本発明のセル構成では高く、し
かも燃料触媒層の数が2層のBよりも燃料触媒層の数が
3層のCの方が開放電圧が高く、燃料触媒層の数が3層
のBよりも燃料触媒層の数が4層のDの方が開放電圧が
高くなっており、燃料触媒層の数が多くなるほど、開放
電圧が高くなることが分った。これは、燃料触媒層の数
が多くなるほど、メタノールが酸化剤極2に達しにくく
なり、酸化剤極2で酸化されるメタノールの量が大幅に
軽減されるためと推定される。
【0048】[実験例3]燃料にメタノールを直接供給
するメタノール直接改質の硫酸型燃料電池において、従
来のセル構成と本発明の実施例1〜3のセル構成につい
て比較試験を行ない、開放電圧および負荷をとった場合
のセル電圧において、実験例2の場合と同様に本発明の
実施例1〜3のセル構成の方が電圧が高くなり、やはり
燃料触媒層の数が多くなるほど、電圧が高くなることが
分った。
【0049】実施例4.触媒層は例えばPt等の貴金属
触媒を担持した多孔質カーボンと撥水性を有するフッ素
系の樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレンを混合し
て形成されている。そこで、実施例1のリン酸型燃料電
池のセル構成で、燃料極触媒内層13に比べて燃料極触
媒外層15に含まれるポリテトラフルオロエチレン樹脂
の重量%を低くして撥水性を低くした構成のセルを作成
して、CO被毒およびメタノール被毒の比較を行なった
ところ、燃料極触媒内層13と燃料極触媒外層15のポ
リテトラフルオロエチレン樹脂の重量%を同じにした場
合に比べて、CO被毒、メタノール被毒のいずれも軽減
されることが分った。これは、燃料極触媒外層15の撥
水性が低下することによって、多孔質基材14の空間の
機密性が増大し、COやメタノール蒸気が進入しにくく
なったためと推定される。
【0050】実施例5.電子伝導性の多孔質基材の撥水
性は例えばポリテトラフルオロエチレンのディスパージ
ョン、例えばテフロン30J(三井フロロケミカル社
製;商品名)を通常水で4〜10倍に希釈して多孔質基
材に塗布、乾燥させて得られるが、実施例2のリン酸型
燃料電池のセル構成で、上記ディスパージョンの希釈率
を2倍程度高く(すなわち濃度を低く)することで燃料
極触媒内層13と燃料極触媒中間層16との間に位置す
る電子伝導性の多孔質基材14の撥水性を燃料極触媒中
間層16と燃料極触媒外層15との間に位置する電子伝
導性の多孔質基材17の撥水性に比べて低くした構成の
セルを作成して、CO被毒およびメタノール被毒の比較
を行なったところ、多孔質基材14、17の撥水性を同
じにした場合に比べて、CO被毒、メタノール被毒のい
ずれも軽減されることが分った。これは、燃料極触媒内
層13に近い空間のガス拡散性が改善され、水素の発生
が加速されるためと推定される。
【0051】[実験例4]実施例1のリン酸型燃料電池
のセル構成と同様であるが、電解質マトリックスに側鎖
にスルフォニル基を有するフッ素系樹脂例えばナフィオ
ン112(デュポン社製;商品名)を用いた固体高分子
型燃料電池のセル構成で、図10で示した従来のセル構
成とのCO被毒、メタノール被毒の影響の差異を80℃
で調べた。その結果、固体高分子型燃料電池においても
やはり、リン酸型燃料電池と同様にCO被毒やメタノー
ル被毒が軽減される効果があることが分った。これは、
固体高分子型燃料電池もリン酸や硫酸と同じ酸型の燃料
電池であり、水素からプロトン、プロトンから水素への
変換が容易に形成され、COやメタノールが容易に入る
ことのできない純水素で満たされた気体空間が形成され
るためと推定される。
【0052】実施例6.上記実験例4と同様の固体高分
子型燃料電池のセル構成で、燃料極触媒内層13には白
金触媒を用い、燃料極触媒外層15には白金よりCO被
毒に強いPt−Ru系触媒(例えばN.E.ケムチャッ
ト社製)を用いた構成で、CO被毒(COを50ppm
含むガスを使用)、メタノール被毒(メタノールを入れ
たガス洗浄ビンによる燃料ガスのバブリング)の影響の
差異を調べた。その結果、燃料極触媒内層13および燃
料極触媒外層15の両方に白金触媒を用いた場合に比べ
て高いセル電圧が得られた。これは、燃料極触媒外層1
5において、CO被毒の影響が軽減されたためと推定さ
れる。なお、白金よりCO被毒に強い触媒としては上記
Pt−Ru系触媒の他に、例えばPt−Rh系触媒、P
t−Ni系触媒、Pt−Pd系触媒等が挙げられる。
【0053】実施例7.固体高分子型燃料電池について
も、実施例2および実施例3のセル構成で図10で示し
た従来のセル構成とのCO被毒、メタノール被毒の影響
の差異を調べた。その結果、確かに実施例の方がCO被
毒やメタノール被毒は軽減されたが、内部抵抗の増大が
著しく、セル電圧は期待されるほど回復しなかった。発
明者らは、これは燃料極1側の加湿が不十分になること
が原因であると考え、燃料極触媒内層に近い位置で加湿
するセル構成を発明した。図7は実施例2においてその
燃料極側の加湿を改善したセル構成を示す断面図、図8
は図7を下方から見た平面図である。図において、50
は燃料極1側の加湿部であり、この部分に直接水を供給
することによって、燃料極触媒内層13を加湿すること
ができる。実際図7および図8に示したセル構成の固体
高分子型燃料電池単セルにおいて、内部抵抗の増大をき
たすことなくCO被毒やメタノール被毒が軽減されるこ
とを確認することができた。
【0054】なお、水の補給方法として、燃料極1側の
加湿部50に流路凹凸部を有するリブ付多孔質カーボン
基材を押しあて、このリブ付多孔質カーボン基材に水を
供給する手法を用いたが、チューブなどを用いて給水路
を設け燃料極1側の加湿部50に水を供給してもよく、
同様の効果が得られる。なお、上記実施例では図3で示
した実施例2において燃料極側の加湿を改善した場合に
ついて示したが、図1や図5で示した実施例1や3にお
いても同様にして燃料極側の加湿を改善することがで
き、内部抵抗の増大をきたすことなくCO被毒やメタノ
ール被毒を軽減できる。
【0055】実施例8.実施例1と同じのセル構成の固
体高分子型燃料電池において、燃料極触媒内層13に接
する多孔質基材14に面方向および厚さ方向の全域にわ
たって保水性に優れた保水剤として例えばゼオライトを
担持したところ、内部抵抗が低く保たれ、CO被毒やメ
タノール被毒の軽減が確認された。また、保水剤として
ゼオライトの代わりにカルボキシメチルセルロースナト
リウム塩または酸化チタンの微粉末を添加したところ、
やはり内部抵抗が低く保たれ、CO被毒やメタノール被
毒の軽減が確認された。なお、保水剤の担持は例えば次
のようにして行われる。例えば水等の溶媒にゼオライト
やカルボキシメチルセルロースナトリウム塩や酸化チタ
ンの微粒子を分散させて多孔質基材に付着させ、100
℃程度で乾燥させて水を蒸発させ、上記微粒子を多孔質
基材に保持する。
【0056】実施例9.図10で示した従来と同じのセ
ル構成の固体高分子型燃料電池において、燃料ガスを固
体高分子型燃料電池に供給する前の配管で図9の構成の
装置を取り付け、紫外線を照射している光触媒に触れた
燃料を燃料極に供給して電池反応させ、CO被毒やメタ
ノール被毒の影響を調べた。
【0057】まず、装置の構成について説明する。図9
において、51は石英管、52は固体高分子膜、例えば
ナフィオン112(デュポン社製;商品名)、53は光
触媒であり、例えばPtーRu系触媒(N.E.ケムキ
ャット社製)をTiO2(酸化チタン)微粉末に添加し
てメノウ乳鉢でよく混ぜたものである。54は紫外線照
射手段で300ナノメーター付近の紫外線を発する市販
の紫外線ランプ、55は燃料ガスの流れを示す矢印であ
る。なお、Pt−Ru系触媒を付着させた酸化チタン
は、液状の固体高分子膜、例えばナフィオン液(アルド
リッチ社製)を結着剤として固体高分子膜52に刷毛で
塗布し、150℃で加熱処理した。
【0058】実際にこの装置を用いて紫外線を照射して
いる光触媒53に触れた燃料を燃料極に供給した場合と
燃料をそのまま燃料極に供給した場合とを比べると、紫
外線を照射した場合の方が、被毒の影響が著しく小さく
なることがわかった。また、この装置の出口側のガス組
成をガスクロマトグラフやガス検知管を用いて調べたと
ころ紫外線を照射した場合に、COあるいはメタノール
の濃度が著しく低下することが分った。
【0059】次に図9の装置の作用について説明する。
COやメタノールを含んだ燃料ガスは、石英ガラス管5
1に入った固体高分子膜52に塗布したPt−Ru系触
媒を付着させた酸化チタン53に触れ、COやメタノー
ルが付着する。このとき紫外線ランプ54をあてると、
紫外線によってPt−Ru系触媒を付着させた酸化チタ
ン53は光触媒として働き、COやメタノールが酸化さ
れてCO2に置きかわったものと考えられる。したがっ
て、この実施例では、固体高分子型燃料電池を用いてこ
の発明の効果を実証したが、リン酸型燃料電池など他の
燃料電池でも同様の効果が得られることは明らかであ
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、燃料極は、電解質マトリックスと直接接する燃料
極触媒内層と上記電解質マトリックスとは直接接しない
燃料極触媒外層とが電子伝導性の多孔質基材を介在させ
て対向配置されているものであるので、燃料極触媒外層
で水素発生が起こり燃料の供給手段と隔離された多孔質
基材の気体空間では純水素で満たされるので、一酸化炭
素やメタノールは、燃料極触媒内層へ達しにくくなり、
CO被毒やメタノール被毒が軽減される。
【0061】請求項2記載の発明によれば、燃料極触媒
内層と燃料極触媒外層との間に、それぞれ電子伝導性の
多孔質基材を介在させて上記燃料極触媒内層および燃料
極触媒外層と対向配置された燃料極触媒中間層を有する
ので、燃料極触媒外層および燃料極触媒中間層で水素発
生が起こり、燃料の供給手段と隔離された多孔質基材の
気体空間では純水素で満たされるので、一酸化炭素やメ
タノールは、燃料極触媒内層へより達しにくくなり、C
O被毒やメタノール被毒がさらに軽減される。
【0062】請求項3記載の発明によれば、燃料極触媒
内層に比べて燃料極触媒外層の撥水性を低くしたので、
気体空間の機密性が高くなり、燃料極触媒外層から気体
空間への一酸化炭素やメタノール蒸気の拡散を抑制する
ことができる。
【0063】請求項4記載の発明によれば、燃料極触媒
内層と燃料極触媒中間層との間に介在する電子伝導性の
多孔質基材の撥水性を上記燃料極触媒中間層と燃料極触
媒外層との間に介在する電子伝導性の多孔質基材の撥水
性に比べて低くしたので、燃料極触媒内層に近い気体空
間の水素ガスの拡散性が改善され、水素発生が加速され
るので、CO被毒やメタノール被毒がさらに軽減され
る。
【0064】請求項5記載の発明によれば、燃料極触媒
内層に、白金触媒を主とする触媒を用い、燃料極触媒外
層に白金触媒よりCO被毒に強い触媒を用いたので、燃
料極触媒外層ではCO被毒の影響をあまり受けずに水素
発生が起こり、燃料極触媒内層では水素還元が効率良く
起こる。
【0065】請求項6記載の発明によれば、燃料極触媒
内層を加湿する手段を設けたので、特に固体高分子型燃
料電池において内部抵抗の増大をきたすことなくCO被
毒やメタノール被毒を軽減できる。
【0066】請求項7記載の発明によれば、燃料極触媒
内層接する電子伝導性の多孔質基材に保水剤を担持した
ので、特に固体高分子型燃料電池において内部抵抗の増
大をきたすことなくCO被毒やメタノール被毒を軽減で
きる。
【0067】請求項8記載の発明によれば、紫外線照射
手段および光触媒を備え、紫外線を照射している上記光
触媒に触れた燃料を燃料極に供給するように構成したの
で、燃料に含まれるCOやメタノールは、紫外線のエネ
ルギーで光触媒によって酸化されてCO2に変換され、
CO被毒やメタノール被毒を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による燃料電池の要部の構
成を示す断面図である。
【図2】 図1に示した実施例1の動作を説明する説明
図である。
【図3】 本発明の実施例2による燃料電池の要部の構
成を示す断面図である。
【図4】 図3に示した実施例2の動作を説明する説明
図である。
【図5】 本発明の実施例3による燃料電池の要部の構
成を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施例1〜3による燃料電池と従来
の燃料電池のCO被毒の様子を比較して示す特性図であ
る。
【図7】 本発明の実施例7による燃料電池の要部の構
成を示す断面図である。
【図8】 図7を下方から見た平面図である。
【図9】 本発明の実施例9による燃料電池の要部の構
成を示す断面図である。
【図10】 従来の燃料電池の要部の構成を示す断面図
である。
【図11】 従来の燃料電池の動作を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 燃料極、 2 酸化剤極、 3 電解質マトリック
ス、 4 外部回路、13 燃料極触媒内層、 14、
17、19 多孔質基材、 15 燃料極触媒外層、
16、18 燃料極触媒中間層、 21 酸化剤極触媒
層、 50燃料極加湿部、 53 光触媒、 54 紫
外線ランプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑江 英樹 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質マトリックスを介在させて対向配
    置された燃料および酸化剤極、並びに上記燃料および酸
    化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤を供給する供給手段
    を備えた燃料電池において、上記燃料極は、上記電解質
    マトリックスと直接接する燃料極触媒内層と上記電解質
    マトリックスとは直接接しない燃料極触媒外層とが電子
    伝導性の多孔質基材を介在させて対向配置されているも
    のであることを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 燃料極触媒内層と燃料極触媒外層との間
    に、それぞれ電子伝導性の多孔質基材を介在させて上記
    燃料極触媒内層および燃料極触媒外層と対向配置された
    燃料極触媒中間層を有することを特徴とする請求項1記
    載の燃料電池。
  3. 【請求項3】 燃料極触媒内層に比べて燃料極触媒外層
    の撥水性を低くしたことを特徴とする請求項1または2
    記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 燃料極触媒内層と燃料極触媒中間層との
    間に介在する電子伝導性の多孔質基材の撥水性を上記燃
    料極触媒中間層と燃料極触媒外層との間に介在する電子
    伝導性の多孔質基材の撥水性に比べて低くしたことを特
    徴とする請求項2または3記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 燃料極触媒内層には白金触媒を主とする
    触媒を用い、燃料極触媒外層には上記白金触媒よりCO
    被毒に強い触媒を用いたことを特徴とする請求項1ない
    し4の何れかに記載の燃料電池。
  6. 【請求項6】 燃料極触媒内層を加湿する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の燃
    料電池。
  7. 【請求項7】 燃料極触媒内層に接する電子伝導性の多
    孔質基材に保水剤を担持したことを特徴とする請求項1
    ないし6の何れかに記載の燃料電池。
  8. 【請求項8】 電解質マトリックスを介在させて対向配
    置された燃料および酸化剤極、並びに上記燃料および酸
    化剤極にそれぞれ燃料および酸化剤を供給する供給手段
    を備えた燃料電池において、紫外線照射手段および光触
    媒を備え、紫外線を照射している上記光触媒に触れた燃
    料を上記燃料極に供給するように構成したことを特徴と
    する燃料電池。
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