JPH08319391A - 摺動用部材 - Google Patents

摺動用部材

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JPH08319391A
JPH08319391A JP15216895A JP15216895A JPH08319391A JP H08319391 A JPH08319391 A JP H08319391A JP 15216895 A JP15216895 A JP 15216895A JP 15216895 A JP15216895 A JP 15216895A JP H08319391 A JPH08319391 A JP H08319391A
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JP
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ptfe
polyimide
modified
sliding member
modified ptfe
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JP15216895A
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Norio Tanaka
功雄 田中
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】PTFEと、側鎖にパーフルオロアルキル基R
fを有する変性PTFEと、ポリイミドとを配合するこ
とで、特に高PV値条件下において耐摩耗性および機械
的強度が向上し、長期間にわたって優れたシール性を確
保することができる摺動用部材の提供を目的とする。 【構成】PTFEと変性PTFEとポリイミドとを配合
し成形しなる摺動用部材であって、上記ポリイミドは芳
香族テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートもし
くはジアミンとを反応させて生成されることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ピストンリ
ング、ライダーリング、ロッドパッキン、ベアリング等
の摺動性および耐摩耗性が要求される部材として用いら
れるような摺動用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E、四フッ化エチレン樹脂)は摩擦係数が0.09〜
0.10と小さく、高い潤滑性を有するので、従来から
上述例の摺動部材に用いられている。具体的には上述の
PTFEに無機充填材もしくは樹脂充填材(C−H結合
を有するような有機充填材)を配合して成形した摺動部
材がある。
【0003】ここで、上述の無機充填材としては、黒鉛
(graphite)、二流化モリブデン(MoS2 )、カーボ
ンファイバ(炭素繊維)、ガラスファイバ(glass fibe
r )チタン酸カリウム(K2 O・nTiO2 )、ブロン
ズ(青銅のことでCuとSnの合金)などを用い、上述
の樹脂充填材としては、300〜400℃の温度で熱分
解しないポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルニ
トリル(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、
芳香族ポリエステル(POB)、芳香族ポリアミドなど
を用いる。
【0004】上述のPTFEに対して無機充填材のみを
配合した従来の摺動部材は、PTFE単体から成る摺動
部材と比較して、その耐摩耗性が著しく向上する利点が
ある反面、高PV値(ここにPV値とは荷重Pと摺動速
度Vとの積を表し、負荷状態の尺度となる値)の条件
下、低摩耗性が要求される場合においては、これらの要
求を充分に満足することができず、また上述の無機充填
材の配合量を多くすると、摺動部材の相手材を著しく損
傷するため、長期間にわたって良好なシール性を確保す
ることができない問題点があった。
【0005】一方、上述のPTFEに対して有機充填材
(樹脂充填材)のみを配合した従来の摺動部材は、圧力
下200〜400℃で樹脂が軟化する。特にポリエーテ
ルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポ
リエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルサルホン
(PES)は高温雰囲気下、高PV値条件下において摺
動面付近の温度上昇により溶融、軟化に起因して、クリ
ープ変形が生じ、材料が変形して、隙間が生じ、漏洩の
要因となるばかりでなく、圧力分布のくるいや、異常摩
耗の発生などの不具合が生ずる問題点があった。
【0006】なお、400℃以上の温度でも樹脂が軟化
しないポリイミド(PI)、芳香族ポリエステル(PO
B)、芳香族ポリアミドを配合した摺動部材については
温度の上昇にともなう材料の変形は見られず、圧縮クリ
ープ性、耐摩耗性の優れているものが知られているが、
高摺動用途化を目的としてポリイミド(PI)のPTF
Eに対する配分量を増加すると、伸びが減少し、例えば
ピストンリングなどの摺動部材に適用する場合、環形状
のままインナーリングに嵌め込むことができない問題点
があった。
【0007】さらに上述のPTFEに対して無機充填材
および樹脂充填材を配合した従来の複合体は、その補強
効果により耐摩耗性が向上する反面、高PV値の条件下
における耐摩耗性および物理特性が充分な効果を得るに
至っていない。このように、摺動速度Vが高く、荷重P
が大きい所謂高PV値条件下においては、摩擦性、摩耗
性の何れにおいても満足できるものではなく、またクリ
ープ変形が発生するので、長期にわたって良好なシール
性を確保することができない問題点があった。
【0008】一方、特公平5−73779号公報に記載
のようなフッ素樹脂摺動部材も知られている。すなわ
ち、フッ素樹脂(PTFE)にポリイミド(PI)粉末
を主成分とする潤滑充填剤を配合してなるフッ素樹脂組
成物を成形して得られるフッ素樹脂摺動部材において、
上記のポリイミド粉末が芳香族テトラカルボン酸二無水
物とこれと略等量の芳香族ポリイソシアネートとの有機
溶媒中での反応により直接得られた熱に不融性で、か
つ、有機溶媒に不溶性であると共に、平均粒子径20μ
m以下の球状多孔性のポリイミド粉末からなり、かつ、
上記の潤滑充填剤の配合割合を上記のフッ素樹脂100
重量部に対して、このポリイミド粉末が2〜10重量部
となるように配合したフッ素樹脂摺動部材である。
【0009】この構成のフッ素樹脂摺動部材において上
述のPTFEはその側鎖に絡み合いを起こすようなRf
(パーフルオロアルキル基のことで、フッ化アルキル基
とも称される)を有さない分子構造であるためPTFE
分子の側面は凹凸がなく滑らかで、圧力をかけた時に、
PTFE分子同士がスライドし、クリープ性が発生する
ので、充分な耐摩耗性を確保することができない問題点
があった(後述する[表1]の比較例2と略対応す
る)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、PTFEと、側鎖にパーフルオロアルキル
基Rfを有する変性PTFEと、ポリイミドとを配合す
ることで、特に高PV値条件下において耐摩耗性および
機械的強度が向上し、長期間にわたって優れたシール性
を確保することができる摺動用部材の提供を目的とす
る。
【0011】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、PTFEおよび変性
PTFEを30〜95重量パーセント、ポリイミドを5
〜70重量パーセントの割合で配合することにより、よ
り一層良好な補強効果、耐クリープ性、耐摩耗性、追従
性を確保することができる摺動用部材の提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、PTFEと変性PTFEとポリイミドとを配
合し成形しなる摺動用部材であって、上記ポリイミドは
芳香族テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートも
しくはジアミンとを反応させて生成される摺動用部材で
あることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記PTFEおよび
変性PTFEを30〜95重量パーセント、上記ポリイ
ミドを5〜70重量パーセントの割合で配合した摺動用
部材であることを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】この発明の請求項1記載の発
明によれば、PTFEおよび変性PTFEに芳香族テト
ラカルボン酸二無水物とジイソシアネートもしくはジア
ミンとを反応させて生成されるポリイミドを配合した摺
動用部材であるから次のような効果がある。すなわち、
上述のような特殊なポリイミドを配合することにより、
摩擦係数が低く、高PV値条件下においても耐摩耗性が
著しく向上し、長期にわたって優れた摺動性(シール特
性)を発揮することができ、この結果、例えばピストン
リング、ライダーリング、ロッドパッキンを交換する期
間が大幅に長くなり、コストダウンを図ることができる
効果がある。
【0015】また上述の変性PTFEを使用するので次
のような効果がある。つまり変性PTFEはその側鎖に
Rf(パーフルオロアルキル基)を有する分子構造であ
るから、圧力をかけた時、分子同士がスライドしにくく
なり、耐圧性(耐クリープ性)を向上し、この結果、耐
摩耗性、伸び、引張強度の向上を図ることができ、あら
ゆる条件下でのシール部材として使用することができる
ので、それぞれの用途に応じたものを別々に構成する必
要がなくなり、適用品種を最低限に抑えることができる
効果がある。すなわち、PTFE、変性PTFE、上記
のポリイミドの配合割合を変えるだけで、全ての条件に
適合し得る摺動用部材を得ることができる効果がある。
【0016】加えて、PTFEおよび変性PTFEの組
成物基材に対して上述のポリイミドを配合しているの
で、所謂PTFE基材でありながら高圧に耐えることが
できる。この結果、焼成法(室温で予備成形を行ない、
金型から取出した成形品を電気炉でPTFEの融点以上
の温度で焼成する方法で、フリーベーキング法という)
を適用することができる。このため、少量であっても該
焼成法により容易に製造することができるので、コスト
ダウンを図ることができる効果がある。
【0017】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、PTFEおよ
び変性PTFEを30〜95重量%、上記ポリイミドを
5〜70重量%の割合で配合したので、より一層良好な
補強効果、耐クリープ性、耐摩耗性、追従性を確保する
ことができる効果がある。
【0018】すなわち、PTFEおよび変性PTFEが
30重量%未満の場合には摩擦係数が増大し、耐摩耗性
が低下し、さらには伸びが小さくなって、ピストンリン
グなどへの適用が困難となる。またPTFEおよび変性
PTFEが95重量%を超過する場合には上述のポリイ
ミド成分の含有量が低下することにより、補強効果がな
くなり、耐クリープ性、耐摩耗性が低下する。さらに上
述のポリイミドの配合割合が5重量%未満あるいは70
重量%を超過する場合にはPTFEおよび変性PTFE
の配合量の増減にともなって上記理由により補強効果、
耐クリープ性、耐摩耗性、追従性が低下して、ピストン
リングやロッドパッキンなどの摺動用部材への適用に不
向きとなるが、本発明では配合割合を上述の範囲内とす
ることで、良好な補強効果、耐クリープ性、耐摩耗性、
追従性を確保することができる。
【0019】
【実施例】この発明の一実施例を以下に詳述する。本実
施例の摺動用部材は、PTFEと、側鎖にパーフルオロ
アルキル基を有する変性PTFEと、ポリイミドとを配
合して成形してなるものである。
【0020】ここで、上述のポリイミドは芳香族テトラ
カルボン酸二無水物とジイソシアネートもしくはジアミ
ンとを反応させて生成され、例えば次の[化1]と[化
2]と[化3]の構成成分からなるもので表されるもの
である。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】上述の変性PTFEとは、PTFEに異種
モノマー(ここにモノマーとは単量体のこと)を微量変
性させたものでRfビニルエーテルモノマー(ここにR
fとはフッ化アルキル基)を変形させたものである。上
述の変性PTFEは極微量の変性(Rfビニルエーテル
の量が約1.0%以下)のため、370℃の見かけ溶融
粘度は1×109 ポイズと高い状態を維持し、その成形
方法は通常のPTFEと同じ焼成法(フリーベーキング
法)を適用することができる。
【0025】また変性部分はその分子構造の側鎖に−O
−Rf(パーフルオロアルコキシ基)を有するので、P
TFE間の絡み合い、密着性などを強めることができ、
耐屈曲性、クリープ性および耐摩耗性が著しく向上す
る。しかも、上述のPTFEおよび変性PTFEと、本
願のポリイミドとの配合割合は次のように設定してい
る。すなわちPTFEと変性PTFEとの合計割合が3
0〜95重量%、ポリイミドが5〜70重量%の範囲内
となる割合で配合する。
【0026】ここで、PTFEと変性PTFEとの配合
割合は重量比で PTFE:変性PTFE=0:100〜90:10 の範囲で任意に変えることができる。また上記範囲内の
うちPTFEと変性PTFEとの合計割合が50〜90
重量%、ポリミイドが10〜50重量%の範囲が好まし
い。
【0027】上述の変性PTFEを使用すると既述した
ように、その変性PTFEの変性部分すなわちRf(フ
ッ化アルキル基)により分子同士のスライドが抑制され
るので、クリープ変形が小さくなり、変性PTFEそれ
自体の圧縮強度や高圧下での摺動性、引張強度を向上さ
せることができ、斯る分子構造を基材もしくは準基材と
することで、成形品の性質の向上を図ることができる。
【0028】上記三者(PTFEと変性PTFEとポリ
イミドとの三者)の混合は、乾式混合手段を用い、PT
FE粉末と、変性PTFE粉末と、0リイミドの粉末と
をヘンシェルミキサ、マイクロミキサなどで充分に分散
するまで実行し、混合した各粉末を所定の金型に入れ、
室温にて30〜80MPaの面圧をかけて予備成形した
後に、予備成形品金型から取出して、この予備成形品を
電気炉にてPTFEおよび変性PTFEの融点以上の温
度(330〜400℃)で焼成して、成形品を得る。そ
して、この成形品を旋盤などの工作機械により切削加工
して、ピストンリング、ライダーリングなどの製品とす
る。
【0029】上述の成形手段に代えて、約330〜40
0℃(PTFEおよび変性PTFEの融点以上の温度)
に加熱した金型に、混合された各粉末を入れ、上記温度
を保持させて、30〜80MPaの圧力で各粉末を圧縮
して、成形品を得てもよい。この場合には上述のポリイ
ミドが圧力および熱や未反応部などによる若干の流動を
起こし、ポリイミド粒子とPTFEと変性PTFEとの
間で融着が起こり、密着性が増加することにより、圧縮
強度および耐摩耗性をさらに向上させることができる。
【0030】ここで上述のPTFE、変性PTFE、ポ
リイミドの配合割合は次のように設定する。すなわち、
PTFEおよび変性PTFEを30〜95重量%、ポリ
イミドを5〜70重量%範囲内に設定する。
【0031】このような範囲内の配合割合にする理由は
次の通りである。つまりPTFEおよび変性PTFEが
30重量%未満の場合には、摩擦係数が増大し、耐摩耗
性が低下する。逆にPTFEおよび変性PTFEが95
重量%を超える場合には、それに伴うポリイミド成分の
含有量が低下することで、補強効果がなくなり、耐クリ
ープ性、耐摩耗性が低下する。また上述のポリイミドが
5重量%未満あるいは70重量%を超える場合にはPT
FEおよび変性PTFEの増減の伴う上述の如き理由に
より補強効果、耐クリープ性、耐摩耗性、追従性が低下
して、ピストンリングやロッドパッキンなどの摺動部材
への適用が不向きとなる。
【0032】一方、上述のPTFE、変性PTFE、ポ
リイミドに対して次に示すような充填材を添加すること
もできる。但し、この充填材としては温度300〜40
0℃で不活性であって、成形温度に充分耐え得ることが
条件となる。
【0033】斯る条件を満たす充填材を列記すると、次
の通りである。りん片状グラファイト(鱗状黒鉛)、針
状グラファイト(針状黒鉛)、カーボン(炭素)、球状
カーボン、二流化モリブデン(MoS2 )、フッ化黒鉛
(graphite fluoride カーボンモノフルオライドのこ
と)、シリコンパウダー、低分子量PTFE、アニオン
系フッ素界面活性剤(陰イオン系フッ素界面活性剤)、
チタン酸カリウム(K2 O・nTiO2 )、窒化ケイ素
(Si3 4 )、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニ
ウムウイスカ、ウォラストナイト[CaSiO3 (Ca
O・SiO2 )]、マイカ(雲母)、タルク[滑石、M
3 Si4 10(OH)2 ]、セピオライト[粘度鉱物
の一種、Mg4 Si6 16(OH)2 (OH2 )・4H
2 O]、セリサイト(絹雲母)、ゾノトライト[ケイ酸
カルシウム水和物、Ca6 (Si6 17)(O
H)2 ]、ガラスファイバ、カーボンファイバ、ブロン
ズ(青銅)、芳香族ポリアミド繊維、PBI繊維、オキ
シベンゾイルポリエステル(polyester )繊維、PTF
E繊維、PBO繊維(ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾール繊維)潤滑油。
【0034】上述の充填材を1種以上使用でき、さらに
その特性に関与しない着色顔料などを加えることも可能
である。本実施例の摺動用部材と比較品の摺動用部材と
の性能を対比する目的で、次の[表1]に示すPTF
E、変性PTFE、ポリイミド粉末を配合割合を変え
て、ヘンシェルミキサで乾式混合した後に、40mmφ
金型に入れて、室温で50MPaの圧力をかけて予備成
形し、予備成形された予備成形品を金型から取出した後
に、電気炉中において温度375℃、5時間の条件下に
て焼成(フリーベーキング法)し、40mmφの丸棒を形
成し、さらに旋盤を用いて外径25.6mmφ、内径2
0.0mmφ、長さ30mmの摺動試験片(実施例1〜5参
照)をそれぞれ製造した。
【0035】また比較品として上述の変性PTFEを一
切用いることなく、PTFEとポリイミドとの両者のみ
を配合したものを、上述と同一条件下にて製造して、試
験片(比較例1、2参照)を得た。なお、この比較例
1,2で用いるポリイミドは[化1][化2][化3]
で示されるポリイミドである。
【0036】さらに他の比較品として上述の変性PTF
Eおよびポリイミドを一切用いることなく、PTFEと
他の充填材のみを配合したものを、上述の同一条件下に
て製造して試験片(比較例3〜6参照)を得た。
【0037】そして、上述の各試験片に対して、室温、
空気中、無給油の条件下にて、相手材としてS45C
(構造用炭素鋼15種のこと)を使用し、摺動試験を実
施して、5時間後から20時間後までの試験前と試験後
の試験片重量を計測して、摩耗係数を算出した結果を次
の[表1]に示す。なお次の[表1]において数値(wt
%)を記入しない部分は0wt%を示す。また、試験条件
についてはPV=0.6MPa.m/sとPV=1.5MP
a.m/sとの2水準を実施したので、その条件を以下に示
す。 PV=0.6MPa.m/s(荷重P=0.6MPa,摺動
速度V=1.0m/s ) PV=1.5MPa.m/s(荷重P=1.5MPa,摺動
速度V=1.0m/s ) さらに、上述の摩耗係数の算出に際しては次の[数1]
で示す式により求めた。
【0038】
【数1】
【0039】
【表1】
【0040】上述の実施例で用いたポリイミド([化
1][化2][化3]参照)はカルボン酸二無水物とし
て3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物とピロメリット酸二無水物を使用し、ジイソ
シアネートとしてトルエン−2,4−ジイソシアネート
を使用して反応させたのものである。またフリーベーキ
ングで形成された本実施例の成形品は内部に黒変が発生
しやすく、上記組合わせにより内部黒変を抑えることが
でき、良好な外観が得られた。
【0041】上述の[表1]から明らかなように、PT
FEと変性PTFEと、[化1][化2][化3]で示
されるポリイミドとを配合した実施例1〜5の試験片は
極めて優れた摩擦係数、摩耗係数の安定した値を示し、
ピストンリングやロッドパッキンなどのシール部材に充
分適用するものである。これに対して、変性PTFEを
一切用いず、PTFEとポリイミドとの両者のみを配合
した比較例1,2の試験片にあっては摩擦係数、摩耗係
数の双方とも悪化する。
【0042】さらに、変性PTFEおよびポリイミドを
一切用いず、PTFEと他の充填材とを配合した比較例
3〜6の試験片にあっては異常摩耗、溶融が生ずるな
ど、ピストンリングやロッドパッキンなどのシール部材
に適用不可であることが判明した。
【0043】以上要するに本発明によれば、組成物の基
材としてのPTFEおよび変性PTFEに上述のポリイ
ミドを配合した摺動用部材であるから次のような効果が
ある。すなわち、上述の本願に適用される特殊なポリイ
ミドを配合することにより、摩擦係数が低く、高PV値
条件下においても耐摩耗性が著しく向上し、長期にわた
って優れた摺動性(シール特性)を発揮することがで
き、この結果、例えばピストンリング、ロッドパッキン
を交換する期間が大幅に長くなり、コストダウンを図る
ことができる効果がある。
【0044】また上述の変性PTFEを使用するので次
のような効果がある。つまり変性PTFEはその側鎖に
Rf(パーフルオロアルキル基)を有する分子構造であ
るから、圧力をかけた時、分子同士がスライドしにくく
なり、耐圧性(耐クリープ性)が向上し、この結果、耐
摩耗性、伸び、引張強度の向上を図ることができ、あら
ゆる条件下でのシール部材として使用することができる
ので、それぞれの用途に応じたものを別々に構成する必
要がなくなり、適用品種を最低限に抑えることができる
効果がある。すなわち、PTFE、変性PTFE、ポリ
イミドの配合割合を変えるだけで、全ての条件に適合し
得る摺動用部材を得ることができる効果がある。
【0045】加えて、PTFEおよび変性PTFEの組
成物基材に対してポリイミドを配合しているので、所謂
PTFE基材でありながら高圧に耐えることができる。
この結果、焼成法(室温で予備形成を行ない、金型から
取出した成形品を電気炉でPTFEの融点以上の温度で
焼成する方法で、フリーベーキング法という)を適用す
ることができる。このため、少量であっても該焼成法に
より容易に製造することができるので、コストダウンを
図ることができる効果がある。
【0046】さらに、PTFEおよび変性PTFEを3
0〜95重量%、ポリイミドを5〜70重量%の割合で
配合したので、より一層良好な補強効果、耐クリープ
性、耐摩耗性、追従性を確保することができる効果があ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PTFEと変性PTFEとポリイミドとを
    配合し成形しなる摺動用部材であって、上記ポリイミド
    は芳香族テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネート
    もしくはジアミンとを反応させて生成されることを特徴
    とする摺動用部材。
  2. 【請求項2】上記PTFEおよび変性PTFEを30〜
    95重量パーセント、上記ポリイミドを5〜70重量パ
    ーセントの割合で配合したことを特徴とする請求項1記
    載の摺動用部材。
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