JP2008095119A - 摺動部材用樹脂組成物及びこれを使用した摺動部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乾燥摩擦条件または油中ないし油潤滑条件などの多くの異なった使用条件においても、摩擦摩耗特性に優れた摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動部材を提供する。
【解決手段】 硫酸バリウム5〜40重量%、リン酸塩1〜30重量%、ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂1〜10重量%、残部四ふっ化エチレン樹脂である摺動部材用樹脂組成物。鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層の孔隙および表面に上記の樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材、または、金属網状体の網目および表面に上記の樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦摩耗特性に優れた摺動部材用樹脂組成物及びこれを使用した摺動部材に関するものである。
従来、四ふっ化エチレン樹脂(以下「PTFE」という)は、自己潤滑性に優れ、摩擦係数が低く、さらには耐薬品性及び耐熱性を具有することから、軸受などの摺動部材に広く使用されている。
しかしながら、PTFE単独から成る摺動部材は、耐摩耗性及び耐荷重性に劣るため、摺動部材の使用用途に応じ、(a)黒鉛、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤及びまたはガラス繊維、炭素繊維等の補強材をPTFEに含有したり、(b)鋼裏金に裏打ちされた多孔質金属焼結層の孔隙及び表面にPTFEを充填被覆したり、(c)金属網状体の網目及び表面にPTFEを充填被覆したり、して上記欠点を補っている。
上記(b)の態様から成る摺動部材は、所謂複層摺動部材と称されるものであり、例えば、米国特許第2689380号明細書(1954年)、特公昭31−2452号公報、特公昭39−16950号公報、特公昭41−1868号公報などに開示されている。これら公報には、鋼裏金に裏打ちされた多孔質金属焼結層の孔隙及び表面にPTFEまたは鉛もしくは鉛酸化物から成る充填材を含有したPTFEを充填被覆した複層摺動部材が開示されている。
また、上記(c)の態様から成る摺動部材は、例えば特公昭55−23740号公報などに開示されている。この公報には金属織物、フルオロプラスチックならびに無機繊維の強化材を含む材料から成り、自己潤滑性を有するライニングフォイルが開示されている。
上述した各種の摺動部材は、多くの異なった使用条件、例えば乾燥摩擦条件又は油中ないし油潤滑条件など、各使用条件に則した充填材が選択されており、すべての使用条件を満足する摺動部材とは言い難いものである。
また、摺動部材用PTFE組成物においては、多くのエンジニアリングプラスチック用充填材として使用されている、例えば黒鉛や二硫化モリブデンもしくは他の金属硫化物、金属酸化物、またはガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維を使用する試みが行なわれているが、これらの充填材は樹脂層の耐摩耗性の向上に寄与することはあるが、往々にしてPTFE固有の低摩擦性を阻害するという問題を惹起する。とくに、充填材としての鉛は、摺動層の耐摩耗性を向上させるものとして広く使用されているが、近年の環境汚染、公害などという副次的な見地から使用を断念せざるを得ない状況下にある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乾燥摩擦条件または油中ないし油潤滑条件などの多くの異なった使用条件においても、摩擦摩耗特性に優れた摺動部材用樹脂組成物及びこれを使用した摺動部材を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層の孔隙及び表面に樹脂組成物を充填被覆してなるか、または金属網状体の網目及び表面を覆って樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材において、樹脂組成物として、PTFEに硫酸バリウム、リン酸塩及びポリイミド樹脂とを特定量配合したもの、あるいはさらに所定量の黒鉛を配合したものを使用した摺動部材は、乾燥摩擦条件または油中ないし油潤滑条件など多くの異なった使用条件においても、優れた摩擦摩耗特性を発揮し得るとの知見を得た。本発明は斯かる知見に基づき完成されたものであり、各発明の要旨はつぎのとおりである。
本発明の第一の要旨は、硫酸バリウム5〜40重量%、リン酸塩1〜30重量%、ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂1〜10重量%、残部四ふっ化エチレン樹脂からなる摺動部材用樹脂組成物に存する。
そして、本発明の第二の要旨は、鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層の孔隙および表面に樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材、または金属網状体の網目および表面を覆って樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材からなり、樹脂組成物層が、硫酸バリウム5〜40重量%、リン酸塩1〜30重量%、ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂1〜10重量%、残部四ふっ化エチレン樹脂から成る摺動部材に存する。
本発明によれば、乾燥摩擦条件または油中ないし油潤滑条件などの多くの異なった使用条件において安定した低い摩擦係数を示すとともに摩耗量の極めて少ない優れた摺動特性を発揮する摺動部材が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の摺動部材用樹脂組成物について説明する。本発明において、樹脂組成物の主成分をなすPTFEとしては、主として、ファインパウダー、例えば三井デュポンフロロケミカル社製の「テフロン6CJ(商品名)」、ダイキン工業社製の「ポリフロンF201(商品名)」、旭硝子社製の「フルオンCD−076(商品名)」、同「フルオンCD−1(商品名)」が使用される。
また、上記のファインパウダーにモールディングパウダー、例えば三井デュポンフロロケミカル社製の「テフロン7AJ(商品名)」を樹脂組成物に対して20重量%以下の割合で配合したものも使用できる。樹脂組成物中のPTFEの配合量は、樹脂組成物量から充填材の配合量を差し引いた残りの量である。
本発明の樹脂組成物の充填材としての硫酸バリウム(BaSO4)は、上記主成分をなすPTFEに含有されて、PTFE単独の耐摩耗性および耐荷重性に劣る欠点を解消し、当該耐摩耗性および耐荷重性を大幅に向上させるものである。この硫酸バリウム含有の効果は、とくに摺動部材の低荷重側の使用条件で顕著に現れる。
硫酸バリウムとしては、沈降性または簸性硫酸バリウムの何れでもよい。斯かる硫酸バリウムは、例えば、堺化学工業(株)から市販されており、容易に入手することができる。硫酸バリウムの平均粒径は、通常10μm以下、好ましくは1〜5μmとされる。そして、硫酸バリウムの配合量は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。
本発明の樹脂組成物の充填材としてのリン酸塩はそれ自体、黒鉛や二硫化モリブデン等の固体潤滑剤のような潤滑性を示す物質ではないが、PTFEに配合されることにより、相手材との摺動において、相手材表面(摺動面)へのPTFEの潤滑被膜の造膜性を助長し、低摩擦性、耐摩耗性等の摺動特性の向上に効果を発揮する。
本発明において、リン酸塩としては、第二リン酸、第三リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、メタリン酸等の金属塩およびこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、第二リン酸、第三リン酸およびピロリン酸の金属塩が好ましい。金属としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属が好ましく、とくにリチウム(Li)、カルシウム(Ca)が好ましい。
具体的には、リン酸三リチウム(LiPO)、リン酸水素リチウム(LiHPO)、ピロリン酸リチウム(Li)、リン酸三カルシウム(Ca(PO)、ピロリン酸カルシウム(Ca)、リン酸水素カルシウム(CaHPO)などが例示され、とくにピロリン酸カルシウムは本発明で使用するリン酸塩として最も好ましい。
リン酸塩は、PTFEに対して少量、例えば1重量%配合することにより、前述した潤滑被膜の造膜性を助長する効果が現れ始め、30重量%まで当該効果は維持される。しかしながら、30重量%を超えて配合すると相手材表面への潤滑被膜の造膜量が多くなり過ぎ、却って耐摩耗性を低下させることになる。したがって、リン酸塩の配合量は1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%とされる。
本発明の樹脂組成物の充填材としてのポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂は耐摩耗性の向上および耐熱性の向上に寄与するもので、耐摩耗性については、とくに摺動部材の高荷重側の使用条件でその効果が顕著に現れる。また、これらの樹脂は前述した硫酸バリウムの高荷重側の使用条件における欠点を補い、前述した硫酸バリウムと共に配合されることにより、摺動部材の広範囲の使用条件での使用を可能とする。
ポリイミド樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂、例えばレンジング社製「P84ポリイミド(商品名)」、および熱硬化型ポリイミド樹脂、例えばチバガイギー社製「ビスマレイミド(商品名)」、三井化学社製「テクマイト(商品名)」、日清紡績社製「カルボジイミド(商品名)」が選択されて使用される。
焼成フェノール樹脂とは、粒状のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を不活性雰囲気で400℃〜2200℃の高温焼成によって炭素化させたもので、例えば、鐘紡社製「ベルパールC−800(商品名)」、「ベルパールC−2000(商品名)」が挙げられる。
ポリフェニレンスルホン樹脂とは、下記式(1)で表わされる繰り返し構造単位から主としてなる重合体で、かつ該構造単位中に占める下記式(2)で表わされる構造単位比率が60%以上の重合体である。
Figure 2008095119
式(1)中、Xは、0、1または2である。具体的には、Hoechst社製「Ceramer(商品名)」が例示される。
上記ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用され、その配合量は1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは2〜5重量%とされる。
本発明においては、上述した成分組成からなる樹脂組成物に、さらに耐摩耗性の向上を目的として、黒鉛、二硫化モリブデンから選択される固体潤滑剤を5重量%以下、好ましくは0.5〜3重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%の割合で配合することができる。
つぎに、本発明の摺動部材およびその製造方法について説明する。まず、鋼薄板からなる裏金とこれに裏打ちされた多孔質金属焼結層とからなる基材を使用した複層摺動部材(I)およびその製造方法について説明する。基材をなす裏金としては、一般構造用圧延鋼板が使用される。鋼板は、コイル状に巻いてフープ材として提供される連続条片を使用することが好ましいが、必ずしも連続条片に限られず、適当な長さに切断した条片を使用することもできる。これらの条片は、必要に応じて銅メッキあるいは錫メッキ等を施して耐蝕性を向上させたものであってもよい。
多孔質金属焼結層を形成する金属粉末は、その金属自体、摩擦摩耗特性に優れた青銅、鉛青銅あるいはリン青銅などの、概ね100メッシュを通過する銅合金粉末が用いられるが、目的に応じては銅合金以外の、例えばアルミニウム合金、鉄などの粉末も使用し得る。この金属粉末の粒子形態は、塊状、球状または不規則形状のものを使用し得る。この多孔質金属焼結層は、合金粉末同志および前記鋼板等の条片と強固に結合されていて、一定の厚さと必要とする多孔度を備えていなければならない。この多孔質金属焼結層の厚さは、概ね0.15〜0.40mm、就中0.2〜0.3mmであることが好ましく、多孔度は、概ね10容積%以上、就中15〜40容積%であることが推奨される。
樹脂組成物は、PTFEと前述した各充填材とを混合した後、得られた混合物を石油系溶剤を加えて攪拌混合する方法により、湿潤性が付与された樹脂組成物が得られる。PTFEと充填材との混合は、PTFEの室温転移点(19℃)以下、好ましくは10〜18℃の温度で行なわれ、また得られた混合物と石油系溶剤との攪拌混合も上記と同様の温度で行なわれる。斯かる温度条件の採用により、PTFEの繊維状化が妨げられ、均一な混合物を得ることができる。
石油系溶剤としては、ナフサ、トルエン、キシレンのほか、脂肪族系溶剤またはナフテン系溶剤との混合溶剤が使用される。石油系溶剤の使用割合は、PTFE粉末と充填材との混合物100重量部に対し15〜30重量部とされる。石油系溶剤の使用割合が15重量部未満の場合は、後述する多孔質金属焼結層への充填被覆工程において、湿潤性が付与された樹脂組成物の展延性が悪く、その結果、焼結層への充填被覆にムラを生じ易くなる。一方、石油系溶剤の使用割合が30重量部を超える場合は、充填被覆作業が困難となるばかりでなく、樹脂組成物の被覆厚さの均一性が損なわれたり、樹脂組成物と焼結層との密着強度が悪くなる。
本発明の摺動部材(I)は、以下の(a)〜(d)の工程を経て製造される。
(a)鋼薄板からなる裏金上に形成された多孔質金属焼結層上に湿潤性が付与された樹脂組成物を散布供給し、ローラで圧延して焼結層に樹脂組成物を充填するとともに焼結層の表面に一様な厚さの樹脂組成物からなる被覆層を形成する。この工程において、被覆層の厚さは、樹脂組成物が最終製品に必要とされる被覆層厚さの2〜2.2倍の厚さとされる。多孔質金属焼結層の孔隙中への樹脂組成物の充填は、当該工程でその大部分が進行する。
(b)上記(a)工程で処理された裏金を200〜250℃の温度に加熱された乾燥炉内で数分間保持することにより、石油系溶剤を除去し、その後、乾燥した樹脂組成物をローラによって所定の厚さになるように300〜600kgf/cmの加圧下で加圧ローラ処理する。
(c)上記(b)工程で処理された裏金を加熱炉に導入して360〜380℃の温度で数分ないし10数分間加熱して焼成を行なった後、炉から取り出し、再度ローラ処理によって寸法のバラツキを調整する。
(d)上記(c)工程で寸法調整された裏金を冷却(空冷ないし自然冷却)し、その後、必要に応じて裏金のうねりなどを矯正するため、矯正ローラ処理を行ない、所望の摺動部材とする。
上記(a)〜(d)の工程を経て得られた摺動部材において、多孔質金属焼結層の厚さは0.10〜0.40mm、樹脂組成物から形成された被覆層の厚さは0.02〜0.15mmとされる。このようにして得られた摺動部材は、適宜の寸法に切断されて平板状態で滑り板として使用され、また丸曲げされて円筒状の巻きブッシュとして使用される。
つぎに、金属網状体からなる基材を使用した本発明の摺動部材(II)およびその製造方法について説明する。基材をなす金属網状体としては、(i)直線状の刃を有する固定下型と、波形状、台形状、三角形状等の刃を有する可動上型との間に金属薄板を固定下型の刃に対し直角方向に、または固定下型の刃に対し斜方向に送入し、可動上型を上下方向に往復させて金属薄板に切り込みを入れると同時に切り込みを拡開して規則正しい網目列を形成したエキスパンドメタル、(ii)縦糸および横糸として金属細線を織ることにより形成される織組ワイヤーメッシュ、(iii)金属細線を編むことによって形成される編組ワイヤーメッシュ等が使用される。
エキスパンドメタルとしては、厚さ0.3〜2mmの金属薄板にエキスパンド加工を施し、各辺(ストランド)の長さが0.1〜1.5mm、厚さが0.1〜1.0mmに形成されたものが好適である。織組ワイヤーメッシュまたは編組ワイヤーメッシュとしては、線径が0.1〜0.5mmの金属細線を10〜100メッシュの網目に織ったり、編んだりして形成されたものが好適である。
エキスパンドメタル、織組または編組ワイヤーメッシュを形成する金属材料としては、ステンレス鋼、銅、リン青銅、青銅、鉄などの薄板または細線が好適である。
本発明の摺動部材(II)は、以下の(a)〜(c)の工程を経て製造され、樹脂組成物としては、前述の摺動部材(I)の製造方法において述べた樹脂組成物と同様の樹脂組成物が使用される。
(a)エキスパンドメタル、織組または編組ワイヤーメッシュからなる金属網状体上に樹脂組成物を散布供給し、ローラで圧延して金属網状体の網目を樹脂組成物で充填するとともに金属網状体の表面に一様な厚さの樹脂組成物からなる被覆層を形成する。この工程において、被覆層の厚さは、樹脂組成物が最終製品に必要とされる被覆厚さの2〜2.5倍とされる。
(b)上記(a)工程で処理された金属網状体を200〜250℃の温度に加熱した乾燥炉内に数分間保持することにより、石油系溶剤を除去し、その後、乾燥した樹脂組成物をローラによって所定の厚さになるように300〜600kgf/cmの加圧下で加圧ローラ処理する。
(c)上記(b)工程で処理された金属網状体を加熱炉に導入して360〜380℃の温度で数分間ないし10数分間加熱して樹脂組成物の焼成を行なった後、炉から取り出し、再度、ローラ処理によって寸法のバラツキを調整し、所望の摺動部材とする。
上記(a)〜(c)の工程を経て得られた摺動部材において、金属網状体の表面に形成された樹脂組成物からなる被覆層の厚さは、通常、0.05〜1.0mmとされる。このようにして得られた摺動部材は、適宜の寸法に切断されて平板状態で滑り板として使用され、また丸曲げされて円筒状の巻きブッシュとして使用される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、摺動部材(I)の摺動特性は、つぎの(1)、(2)、(3)および(4)の試験方法により、また、摺動部材(II)の摺動特性は、(2)の試験方法により評価した。
スラスト試験(1):表1に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数については、試験を開始してから1時間経過以降、試験終了までの安定時の摩擦係数を示し、また、摩耗量については、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
(表1)
滑り速度 20m/min
荷重 20kgf/cm
試験時間 8時間
潤滑 無潤滑
相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
スラスト試験(2):表2に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数については、試験を開始してから1時間経過以降、試験終了までの安定時の摩擦係数を示し、また、摩耗量については、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
(表2)
滑り速度 10m/min
荷重 100kgf/cm
試験時間 8時間
潤滑 無潤滑
相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
往復動摺動試験(3):表3に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数については、試験を開始してから1時間経過以降、試験終了までの安定時の摩擦係数を示し、また、摩耗量については、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
(表3)
滑り速度 5m/min
荷重 50kgf/cm
試験時間 8時間
潤滑 潤滑油(出光興産社製ATF−DII)
相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
往復動摺動試験(4):表4に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数については、試験を開始してから1時間経過以降、試験終了までの安定時の摩擦係数を示し、また、摩耗量については、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
(表4)
滑り速度 5m/min
荷重 100kgf/cm
試験時間 8時間
潤滑 潤滑油(出光興産社製ATF−DII)
相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
実施例1〜20および比較例1〜3以下の諸例において、PTFEとして、「ポリフロンF201(商品名)」(ダイキン工業社製)、石油系溶剤として、脂肪族溶剤とナフテン系溶剤との混合溶剤(エクソン化学社製の商品名「エクソール」)を使用した。
まず、PTFEと表5〜表10に示される充填材とをヘンシェルミキサー内に供給して攪拌混合し、得られた混合物100重量部に対し石油系溶剤20重量部を配合し、PTFEの室温転移点以下の温度(15℃)で混合し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を金属薄板からなる鋼裏金(厚さ0.70mm)上に形成された多孔質金属(青銅)焼結層(厚さ0.25mm)上に散布供給し、樹脂組成物の厚さが0.25mmとなるようにローラで圧延して焼結層の孔隙および表面に樹脂組成物を充填被覆した複層板を得た。得られた複層板を200℃の温度に加熱した熱風乾燥炉中に5分間保持して溶剤を除去した後、乾燥した樹脂組成物層をローラによって加圧力400kgf/cmにて圧延し、焼結層上に被覆された樹脂組成物層の厚さを0.10mmとした。
つぎに、加圧処理した複層板を加熱炉で370℃、10分間過熱焼成した後、再度、ローラで加圧処理し、寸法調整およびうねり等の矯正を行なって複層摺動部材を作製した。矯正の終了した複層摺動部材を切断し、一辺が30mmの複層摺動部材試験片を得た。図1は、このようにして得られた複層摺動部材を示す断面図であり、図中、符号1は鋼裏金、2は鋼裏金に裏打ちされた多孔質金属焼結層、3は多孔質金属焼結層2の孔隙および表面に充填被覆された樹脂組成物からなる被覆層(摺動層)である。
各複層摺動部材のスラスト試験(1)および(2)の結果を表5〜表10に示す。なお、表中の配合割合は重量%で示し、硫酸バリウム、リン酸塩、ポリイミド樹脂および固体潤滑剤については、使用した種類を○で示した。また、焼成フェノール樹脂としては「ベルパールC−2000(商品名)」(鐘紡社製)を、ポリフェニレンスルホン樹脂としては「Ceramer(商品名)」(Hoechst社製)を使用した。
(表5)
実 施 例
1 2 3 4
PTFE 73 72.5 72.5 69.5
硫酸バリウム 15 15 15 18
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム ○
ポリイミド樹脂 2 2 2 2
芳香族
熱硬化 ○ ○ ○ ○
固体潤滑剤 − 0.5 0.5 0.5
黒鉛 ○ ○ ○
二硫化モリブデン

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 11.5 11 13 12
摩耗量(μm) 5 4 8 5

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7 7 8.5 7.5
摩耗量(μm) 14 12 16 12

(表6)
実 施 例
5 6 7 8
PTFE 69 69 72 71.5
硫酸バリウム 18 18 20 20
沈降性 ○
簸 性 ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 5 5
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム ○
ポリイミド樹脂 2.5 2.5 3 3
芳香族
熱硬化 ○ ○ ○ ○
固体潤滑剤 0.5 0.5 − 0.5
黒鉛 ○ ○
二硫化モリブデン ○

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 14 15 15 13
摩耗量(μm) 5 6 4 4

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7.5 8 9 8
摩耗量(μm) 12 14 17 13

(表7)
実 施 例
9 10 11 12
PTFE 68 67.5 67.5 65
硫酸バリウム 20 20 20 20
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム ○
ポリイミド樹脂 2 2 2 4
芳香族 ○ ○
熱硬化 ○ ○
固体潤滑剤 − 0.5 0.5 1
黒鉛 ○ ○
二硫化モリブデン ○

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 14 12 13 14
摩耗量(μm) 3 5 6 4

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7.5 7.5 8 7.5
摩耗量(μm) 13 13 15 10

(表8)
実 施 例
13 14 15
PTFE 67 66 62
硫酸バリウム 25 25 25
沈降性
簸 性 ○ ○ ○
リン酸塩 5 5 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 3 3 3
芳香族
熱硬化 ○ ○ ○
固体潤滑剤 − 1 −
黒鉛 ○
二硫化モリブデン

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 14 16 15
摩耗量(μm) 3 6 2

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 8.5 8 9
摩耗量(μm) 16 14 9

(表9)
実 施 例
16 17 18 19 20
PTFE 70 69 68 67.5 70.5
硫酸バリウム 15 15 18 18 15
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 − − − − 2
芳香族
熱硬化 ○
焼成フェノール樹脂 5 5 − − −
ポリフェンレンスルホン樹脂− − 4 4 2
固体潤滑剤 − 1 − 0.5 0.5
黒鉛 ○ ○ ○
二硫化モリブデン

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 12 12 13 12 13
摩耗量(μm) 3 3 4 3 4

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7 7 8 7 9
摩耗量(μm) 17 16 13 12 13

(表10)
比 較 例
1 2 3
PTFE 50 70 80
硫酸バリウム − − −
沈降性
簸 性
リン酸塩 − 10 −
ピロリン酸カルシウム ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 − − 20
芳香族 ○
熱硬化
鉛 50 20 −

スラスト試験(1)
摩擦係数(×10−2) 14 16 19
摩耗量(μm) 31 8 12

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) * 11 10
摩耗量(μm) * 85 20

(注)*は試験開始後2時間で摩擦係数が急激に上昇し試験を中止したため、測
定できなかった。
上述した試験結果から、本発明の実施例の複層摺動部材は、試験時間を通して安定した性能を発揮し、摩耗量は極めて少なく、優れた摺動特性を有しているものであった。一方、比較例の複層摺動部材、とくに比較例2および比較例3の複層摺動部材は、摩擦係数においては実施例の複層摺動部材と大きな差はみられなかったが、摩耗量が多く、摺動特性に劣るものであった。
つぎに、上述した実施例1、2、4、7、8、9、10、12、13、14、16、17、18、19および20と比較例2および3の複層板を切断した後、被覆層を内側にして曲げ加工を施し、半径20.0mm、長さ20.0mm、肉厚1.05mmの半円筒状の複層摺動部材試験片を作製した。各複層摺動部材の往復動試験(3)および(4)の結果を表11〜表14に示す。
(表11)
実 施 例
1 2 4 7 8
往復動試験(3)
摩擦係数(×10−3) 26 24 20 26 25
摩耗量(μm) 6 5 2 4 3

往復動試験(4)
摩擦係数(×10−3) 36 35 26 30 28
摩耗量(μm) 8 5 4 6 5

(表12)
実 施 例
9 10 12 13 14
往復動試験(3)
摩擦係数(×10−3) 21 23 25 28 26
摩耗量(μm) 2 3 5 5 4

往復動試験(4)
摩擦係数(×10−3) 29 28 30 33 30
摩耗量(μm) 4 4 6 6 5

(表13)
実 施 例
16 17 18 19 20
往復動試験(3)
摩擦係数(×10−3) 31 29 27 28 27
摩耗量(μm) 4 4 3 4 3

往復動試験(4)
摩擦係数(×10−3) 35 38 30 33 32
摩耗量(μm) 6 6 5 3 5

(表14)
比 較 例
2 3
往復動試験(3)
摩擦係数(×10−3) 100 28
摩耗量(μm) 48 7

往復動試験(4)
摩擦係数(×10−3) * 51
摩耗量(μm) * 18

(注)*は試験開始後30分で摩擦係数が急激に上昇したため試験を中止した。
上述の試験結果から、本発明の実施例の複層摺動部材は、試験時間を通じて極めて低い摩擦係数を示して安定しており、摩耗量も極めて少ないものであった。
実施例21〜33および比較例4〜6以下の諸例において、PTFEとして、「ポリフロンF201(商品名)」(ダイキン工業社製)、石油系溶剤として、脂肪族溶剤とナフテン系溶剤との混合溶剤(エクソン化学社製の商品名「エクソール」)を使用した。
まず、PTFEと表15〜表18に示される充填材とをヘンシェルミキサー内に供給して攪拌混合し、得られた混合物100重量部に対し石油系溶剤20重量部を配合し、PTFEの室温転移点以下の温度(15℃)で混合し、樹脂組成物を得た。
板厚0.30mmのリン青銅板にエキスパンド加工を施し、各辺(ストランド)が0.6mmの方形状の規則正しい網目を備えた厚さ0.43mmのエキスパンドメタルを作製し、これを基材Aとした。また、横糸および縦糸に線径0.3mmのリン青銅細線を使用して50メッシュの網目を有する織組ワイヤーメッシュを作製し、これを基材Bとした。
上記樹脂組成物をエキスパンドメタルからなる基材および織組ワイヤーメッシュからなる基材上にそれぞれ供給し、ローラで圧延して基材の網目を樹脂組成物で充填するとともに基材の表面に樹脂組成物の被覆層を形成した後、220℃の温度に加熱した熱風乾燥炉中に5分間保持し、樹脂組成物中の溶剤を除去した。ついで、網目および表面が樹脂組成物で充填被覆された基材を加熱炉で360℃の温度で10分間加熱焼成した後、ローラで加圧処理し、寸法調整およびうねり等の矯正を行い、表面に0.13mmの厚さの被覆層が形成された基材を作製した。矯正の終了した基材を切断し、一辺が30mmの摺動板試験片を得た。
図2はエキスパンドメタルを示す平面図、図3は図2に示すエキスパンドメタルを基材とした摺動部材を示す断面図であり、図中、符号4はエキスパンドメタル、5は辺(ストランド)、6は網目、7はエキスパンドメタルの網目および表面に充填被覆された樹脂組成物からなる被覆層(摺動層)である。また、図4は織組ワイヤーメッシュを基材とした摺動部材を示す断面図であり、図中、符号8は織組ワイヤーメッシュ、9は該メッシュ8の網目および表面に充填被覆された樹脂組成物からなる被覆層(摺動層)である。
各摺動部材のスラスト試験(2)の結果を表15〜表18に示す。なお、表中の配合割合は重量%で示し、硫酸バリウム、リン酸塩、ポリイミド樹脂および固体潤滑剤については、使用した種類を○で示した。また、焼成フェノール樹脂としては「ベルパールC−2000(商品名)」(鐘紡社製)を、ポリフェニレンスルホン樹脂としては「Ceramer(商品名)」(Hoechst社製)を使用した。
(表15)
実 施 例
21 22 23 24
PTFE 73 73 69.5 69.5
硫酸バリウム 15 15 18 18
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 2 2 2 2
芳香族
熱硬化 ○ ○ ○ ○
固体潤滑剤 − − 0.5 0.5
黒鉛 ○ ○
二硫化モリブデン
基材種類 A B A B

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7 7 7 8
摩耗量(μm) 12 13 11 12

(表16)
実 施 例
25 26 27 28
PTFE 68 67.5 66 62
硫酸バリウム 20 20 20 25
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 2 2 4 3
芳香族
熱硬化 ○ ○ ○ ○
固体潤滑剤 − 0.5 − −
黒鉛 ○
二硫化モリブデン
基材種類 A A A B

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 8 8 9 8
摩耗量(μm) 13 11 10 11

(表17)
実 施 例
29 30 31 32 33
PTFE 70 69 68 67.5 70.5
硫酸バリウム 15 15 18 18 15
沈降性
簸 性 ○ ○ ○ ○ ○
リン酸塩 10 10 10 10 10
ピロリン酸カルシウム ○ ○ ○ ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 − − − − 2
芳香族
熱硬化 ○
焼成フェノール樹脂 5 5 − − −
ポリフェニレンスルホン樹脂− − 4 4 2
固体潤滑剤 − 1 − 0.5 0.5
黒鉛 ○ ○ ○
二硫化モリブデン
基材種類 A B B A A

スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 7 7 8 7 9
摩耗量(μm) 15 14 13 13 13

(表18)
比 較 例
4 5 6
PTFE 70 70 80
硫酸バリウム − − −
沈降性
簸 性
リン酸塩 10 10 −
ピロリン酸カルシウム ○ ○
リン酸水素カルシウム
ポリイミド樹脂 − − 20
芳香族
熱硬化 ○
鉛 20 20 −
基材種類 A B A
スラスト試験(2)
摩擦係数(×10−2) 12 13 11
摩耗量(μm) 90 96 25
上述の試験結果から、本発明の実施例の摺動部材は、低い摩擦係数で試験時間を通して安定した性能を発揮し、摩耗量も15μm以下と極めて少なく、優れた摺動特性を有しているものであった。一方、比較例の摺動部材は、摩擦係数が高く、摩耗量も多く、摺動特性に劣るものであった。
本発明の摺動部材の一例を示す断面図である。 基材としてのエキスパンドメタルを示す平面図である。 図2に示すエキスパンドメタルを使用した本発明の摺動部材の一例を示す断面図である。 基材として織組ワイヤーメッシュを使用した本発明の摺動部材の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼裏金
2 多孔質金属焼結層
3 被覆層
4 エキスパンドメタル
5 辺
6 網目
7 被覆層
8 織組ワイヤーメッシュ
9 被覆層

Claims (10)

  1. 硫酸バリウム5〜40重量%、リン酸塩1〜30重量%、ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂1〜10重量%、残部四ふっ化エチレン樹脂から成る摺動部材用樹脂組成物。
  2. ポリイミド樹脂は、芳香族ポリイミド樹脂および熱硬化性ポリイミド樹脂から選択される請求項1に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  3. リン酸塩は、第二リン酸、第三リン酸およびピロリン酸から選択される金属塩である請求項1又は2に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  4. リン酸塩は、リン酸三リチウム、リン酸水素リチウム、ピロリン酸リチウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウムから選択される請求項3に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  5. さらに、黒鉛または二硫化モリブデンを5重量%以下の割合で含有する請求項1から4のいずれか一項に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  6. 鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層の孔隙および表面に樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材、または金属網状体の網目および表面を覆って樹脂組成物を充填被覆してなる摺動部材であって、樹脂組成物が、硫酸バリウム5〜40重量%、リン酸塩1〜30重量%、ポリイミド樹脂、焼成フェノール樹脂およびポリフェニレンスルホン樹脂から選択される1種または2種以上の樹脂1〜10重量%、残部四ふっ化エチレン樹脂から成る樹脂組成物であることを特徴とする摺動部材。
  7. 樹脂組成物中のポリイミド樹脂は、芳香族ポリイミド樹脂または熱硬化性ポリイミド樹脂から選択される請求項6に記載の摺動部材。
  8. リン酸塩は、第二リン酸、第三リン酸およびピロリン酸から選択される金属塩である請求項6又は7に記載の摺動部材。
  9. リン酸塩は、リン酸三リチウム、リン酸水素リチウム、ピロリン酸リチウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウムから選択される請求項8に記載の摺動部材。
  10. 樹脂組成物は、さらに黒鉛または二硫化モリブデンを5重量%以下の割合で含有する請求項6から9のいずれか一項に記載の摺動部材。
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