JPH08319253A - グリコール酸水溶液の製造方法 - Google Patents

グリコール酸水溶液の製造方法

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JPH08319253A
JPH08319253A JP7123459A JP12345995A JPH08319253A JP H08319253 A JPH08319253 A JP H08319253A JP 7123459 A JP7123459 A JP 7123459A JP 12345995 A JP12345995 A JP 12345995A JP H08319253 A JPH08319253 A JP H08319253A
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glycolic acid
aqueous solution
less
solution
glyoxal
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JP7123459A
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Yoshihiro Yamamoto
喜博 山本
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Shinji Kiyono
真二 清野
Ritsuko Fukuda
立子 福田
Kenji Ito
健司 伊藤
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グリオキザールを出発物質として、簡便な方
法で遊離のしかも着色のないグリコール酸を直接製造す
る方法を提供する。 【構成】 85重量%以下の濃度であるグリオキザー
ルの水溶液を、触媒の存在下または非存在下で50℃以
上に加熱し、得られたグリコール酸を含有する反応液
を、pH2以下の酸性溶液に調整し、濾過操作によっ
て当該酸性溶液中に存在する固体成分を除去し、得ら
れた濾液と、比表面積が500m2/g以上でかつ平均
細孔径が200オングストローム以下の多孔質体を、4
0℃以下の温度で接触させることからなる、ガードナー
数3以下の色相であるグリコール酸水溶液の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリオキザールの水溶
液からグリコール酸水溶液を製造する方法に関するもの
である。グリコール酸は、工業用洗浄剤や化粧品原体及
びポリグリコール酸の原料等として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】グリコール酸の製造法としては、ホルム
アルデヒドを一酸化炭素と水でカルボニル化する方法が
公知である(米国特許第2153064号、米国特許第
2152852号、特公昭51−28615号公報他多
数)。このカルボニル化反応は、強酸性の触媒の存在下
に、高温、高圧条件下で反応させる方法であって、反応
条件が過酷で、製造装置も高価である等の問題点があ
る。
【0003】一方、エチレングリコールまたはアセトア
ルデヒドの酸化によって容易に得られるグリオキザール
を水酸化ナトリウム等の強アルカリと反応させる、いわ
ゆるカニッツァロ反応により、グリコール酸アルカリ金
属塩を合成し、これに酸を加えてグリコール酸を得る方
法も公知である(Homolka, Chem. Ber., 54, 1395(192
1); Salomaa, Acta Chem. Scand., 10, 311(1956)
他)。しかし、この方法は強アルカリを当量以上に使用
する必要があること、また反応生成物はグリコール酸の
アルカリ金属塩であり、これから遊離のグリコール酸を
得るためには当量以上の酸を使用する必要があること、
更にこれら遊離のグリコール酸を得るための工程の他、
副生した塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩を除去する
ための精製工程が必要である等非常に煩雑な工程をいく
つも要し、製造コストが増大すること等の大きな欠点が
ある。
【0004】また、特開昭61−277649号には、
「グリオキザールの分子内酸化還元によりグリコール酸
を製造するに際し、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、錫、チタン、ジルコニウム、ニオブ、バナジウム、
クロムから成る群から選ばれた元素の無機酸塩を触媒と
して反応させるところに特徴がある(第2頁第1欄9行
〜14行)」遊離のグリコール酸の製造方法が開示され
ている。本方法はグリオキザールの水溶液から直接グリ
コール酸水溶液が得られる点で画期的な方法ではある
が、触媒として用いた金属無機酸塩の成分が反応生成液
中に溶解し混入してしまうことにより、または微量の有
色副生物成分の存在により、得られた反応生成液が着色
しており、このまま製品のグリコール酸として出荷する
には問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、グリ
オキザールを出発物質として、簡便な方法で遊離のしか
も着色のないグリコール酸を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリオキ
ザールの水溶液を出発物質として、簡便な方法により効
率よく遊離の、しかも着色のないグリコール酸水溶液を
製造する方法を鋭意検討した結果、驚くべきことに、特
定の濃度のグリオキザールの水溶液を特定の温度以上で
加熱反応させて得られたグリコール酸を含有する反応液
を、特定のpHになるよう調整した後、濾過操作を行
い、その得られた濾液に特殊な性状を有する多孔質体を
特定量混合し接触させることにより、高収率で遊離のグ
リコール酸を含有する水溶液が得られるとともに、得ら
れたグリコール酸水溶液は着色もなく、そのまま製品グ
リコール酸水溶液として利用できるという極めて効率の
よいグリコール酸水溶液の製造方法を見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、85重量%以下の濃度で
あるグリオキザールの水溶液を、触媒の存在下または非
存在下で50℃以上に加熱し、 得られたグリコール酸を含有する反応液を、pH2以
下の酸性溶液に調整し、 濾過操作によって当該酸性溶液中に存在する固体成分
を除去し、 得られた濾液と、比表面積が500m2/g以上でか
つ平均細孔径が200オングストローム以下の多孔質体
を、40℃以下の温度で接触させることからなる、ガー
ドナー数3以下の色相であるグリコール酸水溶液の製造
方法である。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
方法においては、85重量%以下の濃度であるグリオキ
ザールの水溶液を原料として用いる。濃度が85重量%
を超えると重合等の着色を呈する副反応が起こってしま
い、着色のないグリコール酸水溶液を得るのが困難とな
る。好ましくは、5ないし60重量%、より好ましくは
10ないし50重量%の濃度である。
【0009】加熱する温度は50℃以上であり、好まし
くは80ないし250℃、より好ましくは100ないし
200℃で行われる。加熱する際の圧力は、反応系を液
相に保つのに十分な圧力であり、減圧、常圧、加圧の何
れでも実施することができ、特に制限はないが、通常
0.1ないし230kg/cm2(絶対圧力)である。加熱す
る際、グリコール酸の収率やグリオキザールの転化率を
高めるため触媒や添加剤を用いることもできる。用いる
場合の触媒としては、例えば、固体酸触媒、または周期
律表第3族から第14族の金属、もしくはその化合物が
挙げられる。
【0010】固体酸触媒としては、反応条件下に酸性を
示すもので、かつ固体状態にあるものであり、例えば、
シリカ・アルミナ、シリカ・マグネシア、シリカ・ボリ
アまたはアルミナ・ボリア等の2種以上の金属酸化物か
ら成る複合酸化物;酸性白土、ベントナイトまたはモン
モリロナイト等の天然の粘土鉱物;ケイソウ土、シリカ
ゲル、トリアまたはアルミナ等の担体にリン酸もしくは
硫酸等を担持させた固型化酸;シリカライト、モルデナ
イト、クリノブチロライト、A型、X型またはY型ゼオ
ライト、またはZSM−5もしくは39等の、天然もし
くは合成ゼオライト;ニオブ酸、アルミナ、酸化チタン
または酸化バナジウム等の単元系金属酸化物;またはシ
リカ・アルミナ、シリカ・チタニア、シリカ・ジルコニ
ア、トリアまたはグラファイト等の担体に5フッ化アン
チモンもしくは3フッ化ホウ素を担持させた固体超強酸
等を用いることができる。これらの内、好ましくはシリ
カ・アルミナ等の複合酸化物、またはモルデナイト等の
天然もしくは合成ゼオライトが用いられる。これらの固
体酸触媒は調整後そのまま用いることができるし、また
市販品をそのまま用いることもできるが、必要に応じて
鉱酸処理、スチーミング、EDTA処理、塩化シラン処
理、塩化アルミ処理、乾燥または焼成等の通常の前処理
を行った後用いることもできる。
【0011】周期律表第3族から第14族の金属、もし
くはその化合物としては、例えば、ランタン、セリウ
ム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タン
タル、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ガリウムまたは錫
から選ばれる金属の、ハロゲン化物、酸化物、複合酸化
物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩またはアルコキシド
化合物である。好ましくは、これらの金属の酸化物もし
くは水酸化物である。
【0012】これらの触媒の使用量は、原料であるグリ
オキザールの総量に対して通常10重量%以下、好まし
くは3重量%以下、更に好ましくは0.0001ないし
1重量%の範囲で用いられる。用いる場合の添加剤とし
ては、例えば、カルボン酸類が挙げられ、好ましくは、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グリオキシ
ル酸または蓚酸である。
【0013】これらの添加剤の使用量は、加熱開始時に
用いるグリオキザール水溶液中の濃度が少なくとも0.
001重量%であり、好ましくは0.001ないし10
重量%、更に好ましくは0.01ないし5重量%の範囲
である。加熱する時間は、加熱する温度、グリオキザー
ル濃度、使用する場合の触媒の種類や量等の条件により
変化するので一様ではないが、通常数分から24時間の
範囲である。
【0014】加熱する際、反応に必須である水を溶媒と
して行うことができるが、必要であればさらに他の溶媒
を共存させて行うこともできる。用いられる溶媒として
は、グリオキザールおよびグリコール酸と反応しないも
のであれば良く、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、フルオ
ロベンゼン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、
ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセ
トニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ニトロ
メタン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン等のニトロ化
合物類などを例示することができる。また、用いる溶媒
によって、二層以上の多層系で反応を行うこともでき
る。加熱する方法は、バッチ式または連続式の何れでも
実施することができる。以上の加熱操作により、遊離の
グリコール酸を含有する反応液が得られる。
【0015】本発明の方法においては、この得られたグ
リコール酸を含有する反応液をpH2以下の酸性溶液に
調整する必要がある。酸性度が充分でないと、着色のな
いグリコール酸水溶液を得るのが困難となる。酸性溶液
への調整は、新たに酸成分を加えることにより行うこと
もできるし、また濃縮等の操作により行うこともでき
る。新たに加える酸成分としては、酢酸、グリコール
酸、シュウ酸または乳酸等のカルボン酸類、または塩
酸、硝酸またはリン酸などの無機酸類等が挙げられる。
これらのうち、好ましくはカルボン酸類であり、更に好
ましくはグリコール酸である。濃縮操作を行う場合、常
圧濃縮でも減圧濃縮でも何れでもよく、また酸成分の添
加と組み合わせることもできる。
【0016】調整操作に用いる、グリコール酸を含有す
る反応液は、加熱操作により得られた溶液をそのまま用
いることができるし、既に固体成分が存在している場合
等はあらかじめ濾過操作を行った後に用いることもでき
る。また、これらグリコール酸を含有する反応液自体が
既にpH2以下の酸性溶液となっている場合は、特別な
調整操作を行わずにそのまま次の処理工程に使用するこ
とができる。調整する際の温度は、通常0℃以上、好ま
しくは15℃ないし200℃で行われる。調整する時間
は当該溶液のpHが安定する時間であればよく、また調
整時、温度、グリコール酸濃度や濃縮する場合の濃縮程
度、および加える場合の酸成分の種類等の条件により変
化するが、通常数秒から5時間の範囲である。
【0017】以上の調整操作により得られた酸性溶液か
ら、濾過操作によって当該酸性溶液中に存在する固体成
分を濾別し除去する。濾過材は、濾紙、濾布、ガラスフ
ィルターまたはメンブランフィルター等の通常の材料か
ら選ばれる。また、セライトやシリカゲルなどの濾過助
剤を用いることもできる。濾過温度は通常40℃以下で
あり、好ましくは15℃ないし40℃の範囲である。濾
過方法は減圧濾過、常圧濾過または加圧濾過の何れでも
用いることができる。
【0018】以上の操作により得られた濾液と、比表面
積が500m2/g以上でかつ平均細孔径が200オン
グストローム以下の多孔質体を接触させる。好ましく
は、当該濾液の全量に対して 0.01ないし10重量
%の多孔質体の存在下で接触させる。このような多孔質
体としては、シリカ、シリカ・アルミナ、ゼオライトま
たは活性炭等の多孔質体の内の適当な種類のものが用い
られる。好ましい比表面積は1000m2/g以上であ
り、また好ましい平均細孔径は100オングストローム
以下である。更に好ましくは、比表面積が1000m2
/g以上でかつ平均細孔径が100オングストローム以
下の多孔質体であり、最も好ましくは、比表面積が10
00m2/g以上でかつ平均細孔径が100オングスト
ローム以下の活性炭である。これらの多孔質体は、酸処
理等の通常の前処理を行った後用いるのが好ましい。使
用する多孔質体の量は、当該濾液の全量に対して0.0
1ないし10重量%が好ましく、量が少ないと脱色の効
果が少なくなり、また多すぎるとグリコール酸の収率が
低下し適当ではない。より好ましくは0.01ないし5
重量%の範囲であり、更に好ましくは0.1ないし5重
量%の範囲である。
【0019】接触させる方法としては、当該濾液に多孔
質体を添加する方法が通常用いられるが、多孔質体を充
填したカラムに当該濾液を流通させる方法でもよい。使
用する多孔質体の粒径は、使用方法により適当に選ばれ
る。接触させる際の温度は、40℃以下、好ましくは1
5℃ないし40℃で行われる。接触させる時間は、当該
濾液の酸性度、グリコール酸濃度、使用する多孔質体の
種類と量、及び接触させる方法等により変化するが、通
常1分から10時間の範囲である。この接触させる操作
は繰り返し複数回行ってもよい。
【0020】以上の操作を行うことにより、ガードナー
数3以下という着色のないグリコール酸水溶液が得られ
る。得られたグリコール酸水溶液はそのまま利用するこ
とができるが、必要に応じて濃縮等の通常の操作により
濃度等を調節した後利用することもできる。また必要で
あれば、通常の結晶化操作によって、グリコール酸の結
晶として取り出すこともできる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の方法を更に詳
しく説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるも
のではない。 実施例1 ガラス製の円筒容器に、原料として5重量%グリオキザ
ール水溶液165グラム(0.142モル)および触媒
としてシリカ・アルミナ(商品名:L.A.シリカ・アルミ
ナ、触媒化成株式会社製)0.55グラムを秤り取っ
た。このガラス容器を攪拌翼がテフロン製で、測温管が
ガラスで保護されている500mlのオートクレーブに
挿入した。このオートクレーブ内を窒素ガスで置換した
後、攪拌しながら150℃で1時間加熱反応させた。反
応後オートクレーブを冷却して反応液を取り出たとこ
ろ、液色は茶褐色(ガードナー数18以上)であった。
この反応液のpHを測定したところ、2.5であった。
次に、この反応液に攪拌しながら70重量%グリコール
酸水溶液20.0グラム(0.184モル)を徐徐に加
えて、pHを1.5に調整した。この酸性溶液をニトロ
セルロースタイプのメンブランフィルターを用いて濾過
した。濾取された固体成分を水20mlで3回洗浄し、
全ての濾液を合わせた。得られた濾液に東洋カルゴン社
製APA粉状活性炭(比表面積1300m2/g、平均
細孔径27オングストローム)1.5グラムを加え、攪
拌下室温で30分間加熱処理した。この活性炭を含む溶
液を再びニトロセルロースタイプのメンブランフィルタ
ーを用いて濾過した。濾取された固体成分を水20ml
で3回洗浄し、全ての濾液を合わせた。得られた水溶液
を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、
グリコール酸が0.324モル含まれていた。追加した
グリコール酸の分を引くと、仕込んだグリオキザールに
対する得られたグリコール酸の収率は98.6%であっ
た。また、この水溶液のガードナー数は1であった。
【0022】比較例1 実施例1と同様にして得られた反応液に水60mlを加
えて希釈した。得られた希釈液のpHを測定したとこ
ろ、2.5であった。この希釈液に何等調整操作を施す
ことなく、実施例1で用いたのと同じ活性炭1.5グラ
ムを加え、攪拌下80℃で30分間処理した。この活性
炭を含む溶液を実施例1と同様に濾過操作を行って、グ
リコール酸水溶液を得た。実施例1と同様に分析したと
ころ、グリコール酸の収率は98.8%であったが、ガ
ードナー数は6であり、まだ茶褐色が残ったままだっ
た。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして得られた反応液を、60℃で減圧
濃縮し、全量を50グラムとした。この濃縮液のpHは
1.6であった。この酸性溶液を実施例1と同様に濾過
操作を行った後、実施例1で用いたのと同じ活性炭1.
0グラムを加え、攪拌下室温で2時間処理した。この活
性炭を含む溶液を実施例1と同様に濾過操作を行って、
グリコール酸水溶液を得た。実施例1と同様に分析した
ところ、グリコール酸の収率は98.4%であり、ガー
ドナー数は2であった。
【0024】実施例3 原料として40重量%グリオキザール水溶液165グラ
ム(1.14モル)及び触媒として乾燥水酸化アルミニ
ウムゲル(商品名:S−100、協和化学株式会社製)
1.65グラムを用い、加熱温度を165℃に変えた以
外は実施例1と同様に加熱反応させ、反応液を取り出し
た。この反応液のpHを測定したところ、1.0であっ
た。この酸性溶液を実施例1と同様に濾過操作を行い、
得られた濾液に実施例1で用いたのと同じ活性炭を5.
0グラム添加し、攪拌下15℃で1時間加熱処理した。
この活性炭を含む溶液をニトロセルロースタイプのメン
ブランフィルターを用いて濾過した。濾取された固体成
分を水10mlで1回洗浄し、最初の濾液と合わせた。
実施例1と同様に分析したところ、グリコール酸の収率
は97.8%であり、ガードナー数は1であった。
【0025】実施例4 原料として40重量%グリオキザール水溶液165グラ
ム(1.14モル)を用い、触媒としてのシリカ・アル
ミナは用いず、また加熱温度を165℃に変えた以外は
実施例1と同様に加熱反応させ、反応液を取り出した。
この反応液のpHを測定したところ、1.1であった。
この酸性溶液を実施例1と同様に濾過操作を行い、グリ
コール酸を含有する濾液を得た。直径15mm、高さ1
90mmのガラス製カラムに東洋カルゴン社製APC粒
状活性炭を充填し、得られた濾液を室温下、速度10c
3/hrでこのカラムに流通させ、出口よりグリコー
ル酸水溶液を取りだした。濾液を全量カラムに通した
後、水200mlで残留分を洗い出した。取りだしたグ
リコール酸水溶液と洗い出し液とを合わせ、実施例1と
同様に分析したところ、グリコール酸の収率は92.5
%であり、ガードナー数は2であった。
【0026】
【発明の効果】本発明により、グリオキザール水溶液か
ら非常に簡便な反応で、高収率で遊離のしかも着色のな
いグリコール酸水溶液を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/47 C07C 51/47 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 63/00 7419−4H 63/00 F 7419−4H D (72)発明者 福田 立子 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊藤 健司 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 85重量%以下の濃度であるグリオキ
    ザールの水溶液を、触媒の存在下または非存在下で50
    ℃以上に加熱し、 得られたグリコール酸を含有する反応液を、pH2以
    下の酸性溶液に調整し、 濾過操作によって当該酸性溶液中に存在する固体成分
    を除去し、 得られた濾液と、比表面積が500m2/g以上でか
    つ平均細孔径が200オングストローム以下の多孔質体
    を、40℃以下の温度で接触させることからなる、ガー
    ドナー数3以下の色相であるグリコール酸水溶液の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 濾液と多孔質体との接触を、当該濾液の
    全量に対して0.01ないし10重量%の多孔質体の存
    在下で行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 グリオキザールの水溶液が、5ないし6
    0重量%の濃度である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 加熱する温度が、100ないし200℃
    である請求項1、2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 得られたグリコール酸を含有する水溶液
    をpH2以下の酸性溶液に調整する際、新たにグリコー
    ル酸を加えて調整する請求項1、2、3または4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 得られたグリコール酸を含有する水溶液
    をpH2以下の酸性溶液に調整する際、濃縮操作を行う
    ことによりpHを調整する請求項1、2、3または4記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 多孔質体が、比表面積が1000m2
    g以上でかつ平均細孔径が100オングストローム以下
    の活性炭である請求項1、2、3、4、5または6記載
    の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006052199A (ja) * 2004-07-12 2006-02-23 Daicel Chem Ind Ltd アジピン酸の製造方法

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JP2006052199A (ja) * 2004-07-12 2006-02-23 Daicel Chem Ind Ltd アジピン酸の製造方法

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