JPH08313443A - 改良型化学発光測定方法 - Google Patents

改良型化学発光測定方法

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JPH08313443A
JPH08313443A JP14524895A JP14524895A JPH08313443A JP H08313443 A JPH08313443 A JP H08313443A JP 14524895 A JP14524895 A JP 14524895A JP 14524895 A JP14524895 A JP 14524895A JP H08313443 A JPH08313443 A JP H08313443A
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JP
Japan
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chemiluminescence
synthetic
measuring method
emission
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JP14524895A
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Kaoru Ou
かおる 王
Satoshi Yonehara
聡 米原
Takao Fukuoka
隆夫 福岡
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Arkray Inc
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KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成化学発光物質を標識とする化学発光測
定方法において同時再現性の向上と量子収率の改善を同
時に実現すること。 【構成と効果】 発光時に、非イオン系界面活性剤とヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドを含有さ
せることで、同時再現性の向上と量子収率の改善を同時
に実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学発光測定方法に係る
もので、固相担体を使用する不均一系化学発光免疫測定
方法を含み、合成化学発光物質を標識とする化学発光測
定方法における測定感度ならびに測定精度の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アクリジニウムエステル、ルミノール、
過シュウ酸エステル等の合成化学発光物質を使用する一
般の無機化学発光反応において、ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド(以下CTABと略記する)
等の陽イオン系界面活性剤がミセル触媒効果(ミセル増
感効果とも称される)を有することが報告されている。
(生物発光と化学発光 今井一洋編 広川書店刊(昭和
64年)第116頁〜117頁、第260頁)一方、パ
ーオキシダーゼ(酵素)を触媒とし、ルミノールを用い
た化学発光免疫分析において、発光強度測定時に、反応
液中に非イオン系界面活性剤及び糖アルコール、脱脂粉
乳等を共存させることにより、S/N(シグナル/ノイ
ズ)比を改良させることが開示されている。(特開平6
−22795)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法を検体中の被検物質を直接的あるいは間接的に合成
化学発光物質で標識し、その合成化学発光物質を発光開
始試薬により発光させ、発光量を測定することにより、
被検物質の定量を行う化学発光測定方法に適用した場
合、総発光量(発光開始時点より終了時点までの発光強
度の積分値)は確実に増大するが、テーリングが長引
き、それに伴って、ノイズ量が増大する。結果として、
測定感度は向上しているが、精度の悪化を招く。測定性
能を向上させるためには、ノイズ量を減少させる必要が
ある。
【0004】発光量の情報は、測定対象物の量に固有で
特異的なものとして表現されなければならない。そのた
めには、測定時間を発光が終了するまで延ばす必要があ
るが、測定時間を長くすれば、それだけノイズ量が増加
することになり、同時再現性の悪化につながる。逆にノ
イズを抑えるために測定時間を短くすれば、測定対象物
の正確な量が発光量に反映されなくなる。これらの点を
勘案すれば、測定時間を短くする手段には限界があり、
短くするだけでは同時再現性に十分な効果は得られな
い。そこで、測定時間を短くしても発光量のもつ情報量
に影響をおよぼさないようにするには、発光そのものの
終了時間を早くする手段を探究することが必要である。
【0005】本発明者らは、アクリジニウム等の合成化
学発光物質を標識とする化学発光測定方法において、上
記の諸問題を解決すべく、前記のごとき発光パターンに
着目し、研究を推進した。即ち、可及的に発光ピークが
高く、テーリングが少なく、かつ短時間に発光反応を終
了させるような試薬を探究し続けた。その結果、本発明
方法に到達したのもである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、検体中の被検
物質を直接的あるいは間接的に合成化学発光物質で標識
し、その合成化学発光物質を発光開始試薬により発光さ
せ、発光量を測定することにより、被検物質の定量を行
う化学発光測定方法において、非イオン系界面活性剤お
よびCTABを用いることを特徴とする感度ならびに精
度の改良された化学発光測定方法、 また被検物質が検
体中の抗原または抗体であり、その被検物質を固相担体
に結合させることを特徴とする化学発光免疫測定方法で
あり、そして好ましくは非イオン系界面活性剤およびC
TABの発光時の濃度がそれぞれ5重量/容量パーセン
ト以下である化学発光測定方法、またCTABの発光時
の濃度が0.001〜2重量/容量パーセントである化
学発光測定方法、あるいは合成化学発光物質がアクリジ
ニウムエステル、ルミノール、または、過シュウ酸エス
テルのいずれがである化学発光測定方法であり、さらに
固相担体が繊維集合体であることが好ましい上記化学発
光測定方法を提示するものである。
【0007】本発明の測定方法においては、用いる非イ
オン系界面活性剤および、CTABにより、特に繊維集
合体固相担体への試薬の浸透性を促進し、発光パターン
を著しくシャープにさせ、発光時間の短縮、テーリング
解消効果をもたらし、これにより測定中のノイズを極力
低位に抑制することができる。さらに、このことは非特
異吸着を含むバックグランドのピークと発光量のピーク
の分離が容易となり、同時再現性及びS/N比の向上を
もたらす。
【0008】本発明方法において、非イオン系界面活性
剤とCTABを併用せずに、非イオン系界面活性剤だけ
を使用した場合は、発光量は、増大するが、相伴って、
ノイズ量も大きくなる。一方、CTABは発光時間を短
縮することで、テーリングの少ない、上りシャープな発
光パターンを形成する。さらに、これら異なった性質を
持つ両者を組合せた時、互いに効果を打ち消しあうこと
なく、互いの効果を生かした方向に働くということが判
明した。即ち発光量は増大させた状態で、発光パターン
を鋭くシャープにする。
【0009】本発明方法に使用する合成化学発光物質と
しては、アクリジニウム、ルミノール等、それ自体が発
光開始試薬により励起され、発光する合成化合物、また
は過シュウ酸エステルの如く、それ自体は励起されても
発光しないが、その励起エネルギーを共存させた蛍光物
質へ移動させ、励起発光させる合成化合物のいずれでも
適宜使用することができる。
【0010】本発明方法に使用する発光開始試薬の発光
誘発種としては、合成化学発光物質(例えば、ルミノー
ル、アクリジニウムエステル、過シュウ酸エステル等)
を励起させる公知の発光誘発種(たとえば過酸化水素、
オゾン、ハロゲンなど)を使用することができる。
【0011】本発明方法に使用する、非イオン系界面活
性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル等であり、例えば
市販品ではトゥイーン( ナカライテスク社製)、トリ
トンX(和光純薬社製)、ソフタノール(日本触媒社
製)等を例示することができる。
【0012】本発明方法に使用する発光時のCTABの
濃度は、少なくとも発光量の低下を招かない濃度、すな
わち、5重量/容量パーセント(以下%と略記する)以
下にしなければならないが、通常CTAB濃度は発光時
の濃度で0.001〜2%とすることが好適である。
【0013】本発明方法に使用する固相担体としては、
ビーズ、試験管、マイクロプレート、マイクロパーティ
クル、ガラス繊維集合体(例えばガラスろ紙)、セルロ
ース繊維集合体等があるが、ガラス集合体が好適であ
る。これは、ガラスが測定対象物質や試薬に対して活性
を持たないという点と、繊維集合体は同体積の固体と比
較して表面積が大きく、測定対象物や試薬の保持に優れ
ていること、さらに、発光及び蛍光検出においての透過
性が良いためである。
【0014】次に本発明方法を、実施例及び比較例を掲
示し具体的に説明するが、本発明の技術思想はこれによ
り限定されるものではない。
【0015】実施例1 I. アビジン結合ガラス繊維ろ紙(NHS−ビオチン
法)作製方法 ガラス繊維ろ紙(ワットマン F145−03、直径9
mm、厚さ1.2mm)を3−アミノプロピルトリエト
キシシランの2%アセトン溶液中に、室温で1時間浸漬
してガラスと3−アミノプロピルトリエトキシシランを
反応させ、アミノ化ガラス繊維ろ紙を得た。アミノ化ガ
ラス繊維ろ紙を、NHS−LC−ビオチン(ピアース
[PIERCE]社製)0.0125mg/mlを含む
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(以下NaPBとい
う)(pH8.0)中に、室温で浸漬し、反応させた。
蒸留水で洗浄した後、ビオチンを導入したガラス繊維ろ
紙をアビジン溶液(アビジン0.1mg/ml、pH
7.0、0.1M、NaPB)に4℃で30分以上浸漬
した。
【0016】II. 合成化学発光物質アクリジニウム
エステルを用いた化学発光免疫測定によるAFPの測定 1)5μg/mlのAFP(アルファフェトプロテイ
ン)試料52μl、ビオチニル化抗AFPモノクローナ
ル抗体2.6μg(6.5μl)及びアクリジニウムエ
ステル標識抗AFPポリクローナル抗体0.065μg
(6.5μl)を混合し、室温15分間反応させる。 2)上記反応液65μlを、Iで得た直径9mm、厚さ
1.2mmのアビジン結合ガラス繊維ろ紙(NHS−ビ
オチン法)に添加し、室温で10分間インキュベートす
る。
【0017】3)反応終了後のガラス繊維ろ紙をPBS
−Tweenにより洗浄し(B/F分離)、これに非イ
オン系界面活性剤(ソタノール200)0.5%、CT
AB(和光純薬社製)0.1%を含有させた0.3%過
酸化水素溶液(0.1Mクエン酸リン酸水溶液中)(以
下下線部をバッファーAとする)を添加し室温で5分間
放置した後、1N NaOH水溶液を添加することによ
りアクリジニウムエステルを発光させ、ろ紙上の発光量
を自社製フォトンカウンターにより測定した。結果を第
1表、第2表、および第1図で示した。
【0018】比較例1 実施例1において、バッファーA中に界面活性剤を含有
させなかった以外は、すべて同様にして測定した。結果
を表1、表2、図1で示した。
【0019】比較例2 実施例1において、バッファーA中に非イオン系界面活
性剤(ソフタノール200)だけを、0.5%含有させ
た以外は、すべて同様にして測定した。結果を表1、
表2、図1で示した。
【0020】表1および図1より、の同時再現性が最
もよい測定時間3secで比較すると、に対しては
悪化しているが、は改善されていることが解る。言い
換えると、非イオン系界面活性剤だけ含有させた場合は
同時再現性は悪化する。それは、発光パターンの変化に
より測定時間が現行の3secでは不足しているためで
ある。そこで測定時間を5secに延長してみるとは
若干同時再現性を改善した。これも測定時間の不足を裏
づけている。の場合は、発光パターンからも解るよう
に3secで発光がほぼ終了している。測定時間が5s
ecの場合、よりも格段に同時再現性は改善され、測
定時間3secではよりも同時再現性よく測定でき
た。また、において測定時間3secよりも5sec
の方が同時再現性が悪化したのは、ノイズ成分の影響で
あると考えられる。このように測定時間を長くするのは
同時再現性に悪影響を及ぼす。
【0021】表2および図1より、 において測定
時間1secでの発光量は、5secでの発光量と比較
して約50%しかなく、3secでも5secの時の約
97%しか得られない。しかし、においては測定時間
1secでの発光量は、5secでの発光量の80%以
上がすでに存在し、3secでは99%以上存在してい
た。よってでは3secで十分な発光量を得ることが
できる。以上からであれば測定時間を必要最小限に短
くし、最大限ノイズの影響を排除してもシグナルは十分
確保できる。つまり、シグナルの持つ検体の特異性が反
映している測定値が得られることになる。
【0022】
【表1】 下線部は各、、において最も良好な同時再現性。
同時再現性とは変動係数(CV,%)を意味し、式標準
偏差/平均,%で算出する。
【0023】
【表2】 発光量とは発光開始後各時間までの発光強度の積分値で
ある。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1および2の測定結果(発光
パターン)である。
【符号の説明】 非イオン系界面活性剤およびCTABを含有させた
場合 界面活性剤なしの場合 非イオン系界面活性剤だけ含有させた場合
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】3)反応終了後のガラス繊維ろ紙をPBS
−Tweenにより洗浄し(B/F分離)、これに非イ
オン系界面活性剤(ソフタノール200)0.5%、C
TAB(和光純薬社製)0.1%を含有させた0.3%
過酸化水素溶液(0.1Mクエン酸リン酸水溶液中)
(以下下線部をバッファーAとする)を添加し室温で5
分間放置した後、1N NaOH水溶液を添加すること
によりアクリジニウムエステルを発光させ、ろ紙上の発
光量を自社製フォトンカウンターにより測定した。結果
を第1表、第2表、および第1図で示した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の被検物質を直接的あるいは間
    接的に合成化学発光物質で標識し、その合成化学発光物
    質を発光開始試薬により発光させ、発光量を測定するこ
    とにより、被検物質の定量を行う化学発光測定方法にお
    いて、非イオン系界面活性剤およびヘキサデシルトリメ
    チルアンモニウムブロマイドを用いることを特徴とする
    感度ならびに精度の改良された化学発光測定方法。
  2. 【請求項2】 被検物質が検体中の抗原または抗体であ
    り、その被検物質を固相担体に結合させることを特徴と
    する請求項1に記載の化学発光免疫測定方法。
  3. 【請求項3】 非イオン系界面活性剤およびヘキサデ
    シルトリメチルアンモニウムブロマイドの発光時の濃度
    がそれぞれ5重量/容量パーセント以下であることを特
    徴とする請求項1〜2に記載の化学発光測定方法。
  4. 【請求項4】 ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
    ブロマイドの発光時の濃度が0.001〜2重量/容量
    パーセントである請求項1〜2に記載の化学発光測定方
    法。
  5. 【請求項5】 合成化学発光物質がアクリジニウムエス
    テル、ルミノール、または、過シュウ酸エステルのいず
    れかである請求項1〜4に記載の化学発光測定方法。
  6. 【請求項6】 固相担体がビーズ、試験管、マイクロプ
    レート、マイクロパーティクル、ガラス繊維集合体およ
    びセルロース繊維集合体の中から選ばれたものである請
    求項1〜5に記載の化学発光測定方法。
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