JPH08312650A - 針状ころ軸受用保持器 - Google Patents

針状ころ軸受用保持器

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JPH08312650A
JPH08312650A JP7117393A JP11739395A JPH08312650A JP H08312650 A JPH08312650 A JP H08312650A JP 7117393 A JP7117393 A JP 7117393A JP 11739395 A JP11739395 A JP 11739395A JP H08312650 A JPH08312650 A JP H08312650A
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いず美 大橋
Atsushi Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保持器付き針状ころ軸受用の保持器におい
て、針状ころを保持する爪部が潤滑油の油膜を切ること
を防止し、ピーリングの原因を除去することである。 【構成】 保持器の柱部２の両側のころ案内面５に外径
側爪部７と内径側爪部８をそれぞれ設け、ポケット４に
収納した針状ころ３を各爪部７、８により保持し、保持
器が外径案内形式の場合は、柱部２の外径側の面に段差
部１１を設け、その段差部１１に外径爪部７を形成し、
内径案内形式の場合は、柱部２の内径側の面に段差部１
１’を設け、その段差部１１’に内径爪部８を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、針状ころ軸受用保持
器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】保持器付き針状ころ軸受に用いられる外
径案内形式の保持器の形状は、例えば図９に示すよう
に、相い対向した円環部１の対向内面に周方向に一定間
隔をおいて柱部２を一体に設け、各柱部２相互間に針状
ころ３を収納するポケット４を形成したものである。上
記の各柱部２の両側面はころ案内面５となっている。
【０００３】円環部１と柱部２の外径側の面は同一高さ
（同一半径）に形成され、保持器自体の外径案内面６と
なっている。
【０００４】各柱部２の外径面には、両側の各ころ案内
面５に突き出した各一対の外径側爪部７が柱部２の長さ
方向に適当な間隔をおいて２箇所に設けられる。また、
各柱部２の内径面にも同様に、各一対の内径側爪部８が
柱部２の両端近くに設けられる。
【０００５】針状ころ３は柱部２を弾性変形させて嵌入
（スナップイン）され、これらの外径側爪部７及び内径
側爪部８により保持される。
【０００６】なお、上記の各爪部７、８は、柱部２の一
部をカシメることにより形成されるが、その他保持器の
製作方法により、成形、シゴキ等により形成される。
【０００７】上記のような保持器を用いた保持器付き針
状ころ軸受は、相対的に回転する二つの部材間に介在さ
れ、その外径案内面６を外径側の部材で案内する。
【０００８】内径案内形式の場合は、円環部１の内径面
と柱部２の内径側の面を内径案内面とし、その内径案内
面を内径側の部材で案内する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】前記の外径爪部及び内
径側爪部は、それぞれ柱部の外径側両側面及び内径側両
側面に突き出しているので、外径案内形式の場合は、外
径側爪部が相手部材との間に介在する潤滑油の油膜を切
りやすく、また内径案内形式の場合は、内径側爪部が油
膜を切りやすい。油膜の切れた部分にころが接触する
と、ころのその接触部分にピーリングが発生する原因と
なる。
【００１０】そこで、この発明は、外径案内形式又は内
径案内形式のいずれの場合でも、外径側爪部或いは内径
側爪部が油膜を切ることがないようにした針状ころ軸受
用保持器を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、相い対向した円環部の対向内面間に
周方向に一定間隔をおいて柱部を一体に設け、各柱部相
互間に針状ころを収納するポケットを形成し、上記各柱
部の両側面によりそれぞれころ案内面を形成し、上記各
柱部両側のころ案内面に外径側爪部と内径側爪部をそれ
ぞれ設け、上記ポケットに収納した針状ころをこれらの
各爪部により保持するようにした針状ころ軸受用保持器
において、該保持器が外径案内形式の場合は、該保持器
の外径面に外径案内面を設け、各柱部の外径側の面に前
記外径案内面より窪んだ外径側段差部を設け、その段差
部に前記外径側爪部を形成し、内径案内形式の場合は、
該保持器の内径面に内径案内面を設け、各柱部の内径側
の面に前記内径案内面より窪んだ内径側段差部を設け、
その段差部に前記内径側爪部を形成した構成としたもの
である。
【００１２】
【作用】上記の保持器は、外径案内形式の場合は、外径
案内面より窪んだ段差部に外径側爪部を設けているの
で、その段差部の高さだけ外径側爪部が油膜から離れ
る。このため外径側爪部により油膜を切ることが避けら
れる。
【００１３】また、内径案内形式の場合も同様に、内径
側爪部が段差分だけ窪んでいるので、この場合も内径側
爪部により油膜を切ることが避けられる。
【００１４】
【実施例】図１及び図２に示した第１実施例及び図３に
示した第２実施例の保持器は、いずれも鋼帯を打抜き、
これを円筒状に形成したものであり、第１実施例は外径
案内形式、第２実施例は内径案内形式である。
【００１５】第１実施例の保持器は、相い対向した円環
部１、１の対向内間に周方向に一定間隔をおいて柱部２
を一体に設け、各柱部２相互間に針状ころ３を収するポ
ケット４を形成している。上記の各柱部２の両側面がこ
ろ案内面５となる。
【００１６】上記円環部１の外周面及び柱部２の両端部
には、同一半径の外径案内面６が形成され、その柱部２
の各外径案内面６の内側に内径側に窪んだ段差部１１が
形成される。また両方の段差部１１相互間には、各段差
部１１より更に窪んだ凹所９が形成される。
【００１７】上記の各段差部１１の各側辺に近い部分に
かしめ具を押し当てることにより、両側のころ案内面５
に突き出した外径側爪部７が形成される。
【００１８】柱部２の内径側においても、各円環部１に
近い部分の各側辺に近い部分にかしめ具を押し当てるこ
とにより、両側のころ案内面５に突き出す内径側爪部８
が形成される。
【００１９】針状ころ３は、ポケット４の両側辺のころ
案内面５に突き出した外側爪部７と内側爪部８とにより
保持される。
【００２０】上記の保持器を用いた保持器付きころ軸受
は、その外径案内面６により案内されるが、外径側爪部
７は前記の段差部１１の高さだけ外径案内面６に対して
窪んでいるので、油膜を切ることができない。
【００２１】図３に示した第２実施例の保持器は、円環
部１の内径面及び柱部２の内径側の面に内径案内面１４
が形成され、その柱部２の内径側の面に各円環部１に近
い２箇所に上記内径案内面１４より外径側へ窪んだ段差
部１１’を設けている。各段差部１１’の各側辺に近い
部分に、前記と同様の内径側爪部８が形成され、柱部２
の外径側の面に外径側爪部７が形成される。
【００２２】針状ころ３は、ポケット４の両側面のころ
案内面５に突き出した外径側爪部７と内径側爪部８とに
より保持される。
【００２３】上記の保持器を用いた保持器つき針状ころ
軸受は、その内径案内面１４により案内されるが、内径
側爪部８は、前記の段部１１’の高さだけ内径案内面１
４に対して窪んでいるので油膜を切ることがない。
【００２４】次に、図４及び図５に示した第３実施例及
び図６に示した第４実施例は、焼結合金などの一体成形
により形成されたものであり、第３実施例は外径案内形
式、第４実施例は内径案内形式である。
【００２５】第３実施例の保持器も同様に、一対の円環
部１の対向面に周方向に一定間隔をおいて柱部２が形成
される。
【００２６】この保持器は、両方の円環部１の外径面が
外径案内面６となっている。柱部２の両端部に、外径案
内面６より内径側に窪んだ段差部１１が形成され、更
に、柱部２の中央部分に内径側凹入した中間部１５が形
成される。
【００２７】上記段差部１１を形成した部分のころ案内
面５はポケット４の内方へ突き出した外径側爪部７が形
成される。
【００２８】また、中間部１５のころ案内面５にポケッ
ト４の内方へ突き出した内径側爪部８が形成される。針
状ころ３は、図５（ｂ）に示すように、外径側爪部７の
内径辺のエッジと、内径側爪部８の外径辺のエッジとに
より保持される。上記外径側爪部７は段差部１１の高さ
分だけ外径案内面６よりも窪んでいる。
【００２９】図６に示した第４実施例の場合は、円環部
１の内径面と、中間部１５の内径面の一部が内径案内面
１４となっており、その中間部１５、段差部１１’が設
けられ、その段差部１１’に前記の内径側爪部８が形成
される。
【００３０】この内側爪部８は内径案内面１４よりも段
差部１１’の分だけ外径側へ窪んでいるので、そのエッ
ジで油膜を切ることがない。
【００３１】次に、図７及び図８は、鋼帯を打抜き、円
筒状に形成したものであり、外径案内形式の保持器であ
るが、柱部２のころ案内面５の４個所に突起１６を打抜
きにより形成したのち、両円環部１に近い２個所の突起
１６についてはその表面を外径側爪にしごき加工して外
径側爪部７を形成し、残りの２個所の突起１６について
は内径側にしごき加工を施して内径側爪部８を形成した
ものである。
【００３２】円環部１の外径面が外径案内面６となって
おり、その柱部２の外径案内面６の内側に段差部１１を
設け、その段差部１１のころ案内面５に前記の外径側爪
部７を形成している。
【００３３】この外径側爪部７は、段差部１１の高さ分
だけ外径案内面６から窪んでいるので、油膜を切ること
が避けられる。
【００３４】
【発明の効果】以上のように、この発明は保持器の案内
形式に応じてその案内面側の柱部の面に段差部を設け、
その段差部にころ保持用の爪部を形成したものであるか
ら、爪部がその段差部の高さ分だけ窪んだ位置となるの
で、その爪部によって油膜を切ることが避けられ、ピー
リングの原因を除去する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例の一部拡大斜視図
【図２】（ａ）同上の一部断面図 （ｂ）同上の１ａ−１ａ線の断面図 （ｃ）同上の平面図
【図３】第２実施例の一部拡大斜視図
【図４】第３実施例の一部拡大斜視図
【図５】（ａ）同上の一部断面図 （ｂ）同上の１ａ−１ａ線の断面図 （ｃ）同上の平面図
【図６】第４実施例の一部拡大斜視図
【図７】第５実施例の一部拡大斜視図
【図８】（ａ）同上の一部断面図 （ｂ）同上の８ａ−８ａ線の断面図 （ｃ）同上の平面図
【図９】従来例の一部拡大斜視図
【符号の説明】
１ 円環部 ２ 柱部 ３ ころ ４ ポケット ５ ころ案内面 ６ 外径案内面 ７ 外径側爪部 ８ 内径側爪部 ９ 凹所 １１、１１’ 段差部 １４ 内径案内面 １５ 中間部 １６ 突起

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 相い対向した円環部の対向内面間に周方
    向に一定間隔をおいて柱部を一体に設け、各柱部相互間
    に針状ころを収納するポケットを形成し、上記各柱部の
    両側面によりそれぞれころ案内面を形成し、上記各柱部
    両側のころ案内面に外径側爪部と内径側爪部をそれぞれ
    設け、上記ポケットに収納した針状ころをこれらの各爪
    部により保持するようにした針状ころ軸受用保持器にお
    いて、該保持器が外径案内形式の場合は、該保持器の外
    径面に外径案内面を設け、各柱部の外径側の面に前記外
    径案内面より窪んだ外径側段差部を設け、その段差部に
    前記外径側爪部を形成し、内径案内形式の場合は、該保
    持器の内径面に内径案内面を設け、各柱部の内径側の面
    に前記内径案内面より窪んだ内径側段差部を設け、その
    段差部に前記内径側爪部を形成したことを特徴とする針
    状ころ軸受用保持器。
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