JPH08310790A - 電動昇降装置 - Google Patents

電動昇降装置

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JPH08310790A
JPH08310790A JP11484395A JP11484395A JPH08310790A JP H08310790 A JPH08310790 A JP H08310790A JP 11484395 A JP11484395 A JP 11484395A JP 11484395 A JP11484395 A JP 11484395A JP H08310790 A JPH08310790 A JP H08310790A
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pulley
rope
slack
wire
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、昇降部を下降させた際にワイヤロー
プがガイドプーリから外れることを防止できるととも
に、ワイヤロープの巻き取りおよび巻き戻し不良を防止
できる電動昇降装置を得ることにある。 【構成】昇降部27を吊持するワイヤロープ24の弛みを検
知して、ロープ用巻取ドラム33を回転させるモータ31の
運転を停止させる弛み検知機構28を具備した電動昇降装
置21を前提とする。弛み検知機構28が、機構ベース51
と、このベースに枢支されたプーリサポート52と、この
サポートに軸支されロープ24が巻き掛けられた検知プー
リ25と、サポート52を付勢して設けられロープ24の弛み
に伴ってサポート52を回動させるばね53と、サポート52
の回動に従動してオン・オフされる検知スイッチ54と、
サポート52に設けられサポート52の回動に伴いロープ24
に接離されるワイヤ押さえ55とを備えてなることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場、体育館、アリー
ナ、大型店舗、倉庫、ホールやエントランス、ホテルや
デパートのような大きな建物の階段等の天井側高所に配
置される照明器具等の懸垂物を、ワイヤロープで吊持し
て昇降可能とした電動昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】体育館等の高天井に配置される照明器具
を電動昇降装置で昇降可能に設けることは、照明器具の
メンテナンスを容易にする点で優れている。この種の電
動昇降装置の概略構成が図8(A)(B)に示されてい
る。
【0003】図8(A)(B)中1は高天井2に設置さ
れた装置フレームで、これには電動巻取装置3が内蔵さ
れている。この巻取装置3は、正逆回転可能な減速機付
きモータ4の出力軸に巻取ドラム5を連結して形成され
ている。巻取ドラム5にはこれに巻き取られるワイヤロ
ープ6の両端が固定されている。このワイヤロープ6は
装置フレーム1内に配設した複数のガイドプーリ7、8
に巻き掛けて引き回されているとともに、その中間部は
装置フレーム1の下面開口(図示しない)を通して装置
フレーム1外に垂れ下って、昇降部9を吊持している。
【0004】昇降部9はその内部に複数のプーリ9aを
有し、これらプーリ9aを経由してワイヤロープ6が通
されており、それによってワイヤロープ6は昇降部9で
上下に反転されている。昇降部9にはその下側に配置さ
れる照明器具10が取付けられている。なお、図8
(B)中11は床である。
【0005】この電動昇降装置は、モータ4を正転動作
させて巻取ドラム5からワイヤロープ6を巻き戻すこと
により、このロープ6を繰り出して昇降部9とともに照
明器具10を下降させることができる。この逆に、照明
器具10が床11上にある状態で、モータ4を逆転動作
させて、巻取ドラム5にワイヤロープ6を巻き込むこと
により、昇降部9とともに照明器具10を上昇させるこ
とができる。
【0006】この種の電動昇降装置は、図示しない昇降
部ロック機構と、弛み検知機構12とを備えている。昇
降部ロック機構は、昇降部9の上部が装置フレーム1内
に達するまで上昇した時に、この昇降部9の図示しない
爪受け部に掛合される係止爪等を有して、これらの掛合
により昇降部9を機械的に支持する。それにより、照明
器具10の重量がワイヤロープ6に加わらないようにし
ている。
【0007】弛み検知機構12は、固定の機構ベース1
3に例えば上下動可能に検知プーリを設け、このプーリ
をコイルばね14で付勢するとともに、検知プーリの移
動に従いオン・オフされるマイクロスイッチ15を機構
ベース13に設けて形成されている。検知プーリは、ワ
イヤロープ6を引き回した複数のガイドプーリ7、8の
内、既述のように上下動可能に設けられる一つのガイド
プーリ8からなる。なお、16は上下方向に伸びる長
孔、8aは長孔16を貫通するガイドプーリ8のプーリ
軸であって、このプーリ軸8aの端部がマイクロスイッ
チ15に接離されるようになっている。コイルばね14
は、その一端部をプーリ軸8aに掛合させて検知プーリ
8を常に上方向に付勢している。
【0008】図8(A)に示される照明器具10の昇降
時には、この器具10の重量がワイヤロープ6に加わっ
ていて、このロープ6が張った状態にある。そのため、
検知プーリ8はそのプーリ軸8aが長孔16の下端に当
たるまでコイルばね14の付勢力に抗して下がった状態
にあって、そのプーリ軸8aはマイクロスイッチ15を
押しているから、このスイッチ15はオン状態を保持し
てモータ4の運転を可能にしている。
【0009】また、図8(B)に示されるように照明器
具10の下降により、それが床11に到達して照明器具
10の重量がワイヤロープ6に掛からなくなると、継続
されるワイヤロープ6の巻き戻しにより、このロープ6
が弛む。そのため、コイルばね14の付勢力でガイドプ
ーリ8が引き上げられて、そのプーリ軸8aがマイクロ
スイッチ15から離れるので、このスイッチ15がオフ
してワイヤロープ6の弛みが検出されるとともに、それ
に基づいてモータ4の運転が停止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記のように従来の弛
み検知機構12は、照明器具10等の懸垂物が床11等
で下降を妨げられることにより生じるワイヤロープ6の
弛みを検知するだけの機能しか有していないので、その
検知状態において巻取ドラム5から巻き戻されたロープ
部分全体が張りを失って弛み易い。特に、ワイヤロープ
6を水平な姿勢から垂直な姿勢に案内するガイドプーリ
8を検知プーリとして利用する場合には、図8(B)に
示されるように巻取ドラム5とガイドプーリ7との間に
巻き戻されたロープ部分6aが弛み易い。
【0011】こうした装置フレーム1内でのワイヤロー
プ6の弛みによって、このロープ6がガイドプーリ7、
8から外れる恐れがある。しかも、前記弛みに伴い、巻
取ドラム5に巻かれたワイヤロープ6が緩んで食み出し
たり、巻取ピッチが不揃いになることがあるから、メン
テナンス終了後に照明器具10を上昇させるのにワイヤ
ロープ6を巻上げた際、巻取ドラム5に巻き取られるワ
イヤロープ6が、その下層に予め巻き取られているワイ
ヤロープの巻き層のロープ間に食い込んで、その後にお
けるワイヤロープ6の巻き取りおよび巻き戻し不良の原
因となる恐れがある。
【0012】本発明の目的は、昇降部を下降させた際に
ワイヤロープがガイドプーリから外れることを防止でき
るとともに、ワイヤロープの巻き取りおよび巻き戻し不
良を防止できる電動昇降装置を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のガイド
プーリを内蔵して天井側高所に配置される装置フレーム
と、前記ガイドプーリに引き回されるワイヤロープと、
このワイヤロープが巻き付けられる巻取ドラムおよびこ
のドラムを回転させる正逆回転可能なモータを備えて前
記装置フレームに内蔵された電動巻取装置と、前記ワイ
ヤロープで吊り下げられる昇降部と、前記装置フレーム
に内蔵され前記ワイヤロープが弛んだ際にその弛みを検
知して前記モータの運転を停止させる弛み検知機構とを
具備した電動昇降装置を前提とする。
【0014】そして、前記目的を達成するために、前記
弛み検知機構が、機構ベースと、この機構ベースに回動
可能に取付けられたプーリサポートと、前記ガイドプー
リのうちの一つのガイドプーリからなり前記プーリサポ
ートに軸支された検知プーリと、前記プーリサポートを
付勢して設けられこのサポートを前記ワイヤロープの弛
みに伴って回動させるばねと、前記機構フレームに取付
けられ前記プーリサポートの回動に従動してオン・オフ
される検知スイッチと、前記プーリサポートに設けられ
このサポートの回動に伴って前記ワイヤロープに接離さ
れ、前記ワイヤロープが弛んだ際にこのロープを押さえ
るワイヤ押さえとを備えてなることを特徴とするもので
ある。
【0015】
【作用】本発明に係る電動昇降装置の構成において、ワ
イヤロープが張っているときに、検知プーリは、ワイヤ
ロープの張力でばねの付勢力に抗して検知スイッチを押
し、このスイッチをオンさせる位置に保持され、検知プ
ーリを支持したプーリサポートは、そのワイヤ押さえが
ワイヤロープに接しない位置に保持される。この状態で
は、ワイヤ押さえはワイヤロープに接近し対向してい
る。
【0016】そして、昇降部の下降に伴って、これに支
持された懸垂物が床などに到達してワイヤロープが弛ん
で前記張力が消失すると、検知プーリを軸支したプーリ
サポートは、ばねの付勢力で回動する。それにより、検
知プーリが検知スイッチを押す位置から外れるので、こ
のスイッチがオフして、ワイヤロープが弛んだことが検
知され、それに基づきワイヤロープを巻き戻す方向のモ
ータの運転が停止される。そして、このときのプーリサ
ポートの回動に伴い、そのワイヤ押さえがワイヤロープ
を押さえて、検知プーリから巻取ドラム間に渡るロープ
部分の緩みを防止する。
【0017】
【実施例】以下、図1〜図7を参照して本発明の一実施
例を説明する。図1は電動昇降装置全体の構成を示す斜
視図、図2は同昇降装置の構成を一部断面して示す側面
図であって、これらの図に示されるように電動昇降装置
21は、装置フレーム22と、電動巻取装置23と、ワ
イヤロープ24と、複数のガイドプーリ25、26と、
昇降部27と、弛み検知機構28等を具備とを具備して
いる。
【0018】図1に示されるように装置フレーム22
は、箱状をなしていて、その下壁に開口22aを有して
いる。このフレーム22は一対のブラケット30a、3
0bを介して体育館等の高天井A(図7参照)に固定し
て設けられる。
【0019】この装置フレーム22の長手方向一端側に
は電動巻取装置23が内蔵されている。図2に示される
ように電動巻取装置23は、正逆回転可能なモータ31
に歯車減速機32を連結するとともに、この減速機32
の出力軸に巻取ドラム33を連結し、かつ、モータ31
にブレーキ(図示しない)を設けて形成されている。な
お、図2中34をモータブラケットである。
【0020】巻取ドラム33は一対のロープ巻き溝(図
示しない)が並設されたダブルドラム式のものである。
図示しないブレーキは、例えば機械式のものであって、
モータケースの端壁内面に突設した複数の筒部に、ブレ
ーキシューと、これを押し出す方向に付勢するコイルば
ねとを収納するとともに、モータの回転軸にブレーキシ
ューが常に押付けられるブレーキディスクを取付けて形
成されている。このブレーキは、ブレーキディスクとブ
レーキシューとの摩擦制動力でモータ31の回転軸の回
転を常に妨げており、モータ31の非動作時にその回転
軸を固定している。モータ31の回転トルクは前記摩擦
制動力よりも大であり、それにより、モータ31の動作
時には、その回転軸が前記摩擦制動力に抗して回転され
るようになっている。なお、モータ31に付設されるブ
レーキは、機械式のものに限らず、ソレノイドを有し
て、非通電時に制動状態になるとともに、この制動状態
を通電時に解除する無励磁作動形の電磁式ブレーキ等も
採用できる。
【0021】ワイヤロープ24は、その両端を巻取ドラ
ム33の両ロープ巻き溝に固定して、このドラム33に
巻き取られている。したがって、電動巻取装置23のモ
ータ31の正転或いは逆転に伴い、ワイヤロープ24
は、巻取ドラム33に巻取られ、或いは巻き戻されるよ
うになっている。
【0022】前記ガイドプーリ25は、一対(一方のみ
図示)備えられて、装置フレーム22の長手方向他端側
に内蔵されている。ガイドプーリ26も一対(一方のみ
図示)備えられている。この一対のガイドプーリ26
は、電動巻取装置23と一対のガイドプーリ25との間
に位置し、しかも、開口22aの真上であってガイドプ
ーリ25よりも低い位置において装置フレーム22に内
蔵されている。なお、図2中35はガイドプーリ26用
のプーリブラケットであり、また、これと同様な図示し
ないプーリブラケットを介して一方のガイドプーリ25
が支持されているとともに、他方のガイドプーリ25は
後述のプーリサポートに支持されている。
【0023】これら各ガイドプーリ25、26はこれら
に巻き掛けられるワイヤロープ24を次のように引き回
している。すなわち、一対のガイドプーリ25は、これ
と巻取ドラム33の各ロープ巻き溝との間に渡るドラム
側の第1ロープ部分24aと、両ガイドプーリ25、2
6間に渡る第2ロープ部分24bとが、略水平な姿勢で
平行に折り返されるようにワイヤロープ24を案内して
いる。一対のガイドプーリ26は、前記第2ロープ部分
24bに連なる第3ロープ部分24cが、第2ロープ部
分24bに対して90゜向きを変えて下方に延出されるよ
うにワイヤロープ24を案内している。第3ロープ部分
24cは前記開口22aを通り装置フレーム22の下方
に垂れ下がるように設けられている。
【0024】第3ロープ部分24cには昇降部27が吊
持されている。昇降部27は一対の回転自在なプーリ3
6(図2に一つのみ図示)を有していて、これらプーリ
36を経由してワイヤロープ24の第3ロープ部分24
cは昇降部27に通されている。したがって、第3ロー
プ部分24cは昇降部27中心にUの字を描くように上
下に反転されている。図2中37はプーリブラケットで
ある。図1に示されるように昇降部27には懸垂物取付
け台38が連結されている。この取付け台38の長手方
向両端部には夫々懸垂物としての照明器具39が取付け
られている。
【0025】なお、装置フレーム22内には図示しない
昇降部ロック機構が備えられている。このロック機構は
昇降部27の上部が装置フレーム22内に達するまで上
昇した時に、この昇降部27の図示しない爪受け部に掛
合される係止爪等を有して、これらの掛合により昇降部
27を機械的に支持する。それにより、照明器具39の
重量がワイヤロープ24に加わらないようにしている。
【0026】なお、図2中40は装置フレーム22の中
央部に内蔵された接点台サポートで、このサポート40
の下側に図示しない連結部材を介して接点台41が取付
けられている。接点台41は、図1に示されるように装
置フレーム22の開口22aに露出されていて、その下
側に突出する電気接点42を複数有している。接点台4
1の両端には上昇される昇降部27を接点台41に相対
して適正に案内するガイド板43が夫々取付けられてい
る。この接点台41に対応して昇降部27には、上側に
突出する電気接点44を複数有した接点台45が設けら
れている。
【0027】電気接点42および44の内の少なくとも
一方は、対応する両接点の接触を確実にするためにコイ
ルばねにより付勢されて上下動可能である。これら接点
42、44は昇降部27の昇降に伴って接離されるもの
であって、前記ロック機構により昇降部27が機械的に
支持された時に閉じ、それにより、昇降部27を通して
装置フレーム22側から照明器具39への通電ができる
ようになっている。
【0028】ワイヤロープ24の弛みを検知して、モー
タ31の運転を停止させるために使用される前記弛み検
知機構28は装置フレーム22内に設けられている。こ
の弛み検知機構28は、図3〜図6に示されるように機
構ベース51と、プーリサポート52と、検知プーリ
と、ばね53と、検知スイッチ54と、ワイヤ押さえ5
5とを備えて形成されている。
【0029】詳しくは、機構ベース51は、鋼板製であ
って、ベース本体51aの両側に相対向する互いに平行
な側壁51bを夫々直角に折り曲げて形成されている。
ベース本体51aを通る図示しないボルトとそれに螺合
される図示しないナットとを介して機構ベース51は装
置フレーム22の天井壁下面に固定されている(図2参
照)。
【0030】プーリサポート52も鋼板製であって、こ
れは相対向する側壁52aを有している。このプーリサ
ポート52は、機構ベース51の内側に配置され前記各
側壁51b、52aを通る枢軸56を介して機構ベース
51に回動可能に取付けられている。なお、図5中51
cおよび52bはいずれも枢軸56が通る枢軸用通孔を
示しているとともに、枢軸56の両端部には図示しない
が止め輪や割りピン等のストッパが設けられて、枢軸用
通孔51c、52bから抜け止めされるようになってい
る。
【0031】検知プーリには、前記ガイドプーリ25、
26の内の一つのガイドプーリ、例えば巻取ドラム33
から引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けら
れる一対のワイヤロープ25の内の一方が用いられてい
る。この検知プーリとしての一方のガイドプーリ25
は、プーリサポート52の内側に配置され前記側壁52
aに渡って設けられるプーリ軸57に回転自在に支持さ
れている。プーリ軸57の両端部は機構ベース51の両
側壁51bを貫通している。そして、両側壁51bには
枢軸55を中心としたプーリ軸57の移動を許すための
逃げ孔58、例えばプーリ軸57の移動方向に小判形の
長孔が夫々形成されている。
【0032】ばね53には例えばコイルばねが採用され
ており、これは、機構ベース51の両側壁51bを貫通
して設けた軸からなるばね受け59の端部とプーリ軸5
7の端部とに渡って張設されていて、プーリ軸57をば
ね受け59側、言い換えれば、ワイヤロープ24の張力
が検知プーリとしての一方のガイドプーリ25に与える
F(図6参照)とは略逆方向に常時付勢している。
【0033】なお、ばね53は一つに限らず、検知プー
リおよびプーリ軸57の傾きを少なくしてこれらの移動
をより円滑にするために、機構ベース51の両側に夫々
設けてもよいとともに、ばね受け59は側壁51bの外
面に突出する切り起こしやねじ等であってもよい。
【0034】検知スイッチ54には常開のマイクロスイ
ッチが採用されており、これは機構ベース51の一側壁
51bの外面に取付けられている。検知スイッチ54が
備えるアクチュエータ54aはプーリ軸57にばね53
とは反対側から接触されている。この検知スイッチ54
は検知プーリとしての一方のガイドプーリ25の移動に
従動してオン・オフされるものであって、ワイヤロープ
24が張っている時には、アクチュエータ54aがプー
リ軸57に押されて検知スイッチ54はオフ状態を保持
する。また、この検知スイッチ54のオン・オフに基づ
いて前記モータ31の運転が制御される。つまり、検知
スイッチ54がオン状態のときはモータ31の運転が可
能であり、オフ状態のときはモータ31の運転が停止さ
れるようになっている。
【0035】ワイヤ押さえ55はプーリサポート52に
これからアーム状に突出して側壁52aに対して略直角
に設けられている。本実施例の場合、構造を簡単にする
ためにワイヤ押さえ55はプーリサポート52と一体で
あるが、これは別体のものをプーリサポート52に固定
して設けてもよい。このワイヤ押さえ55はプーリサポ
ート52の回動と一緒に変位してワイヤロープ24に接
離されるものである。ワイヤ押さえ55の先端部は直角
に曲げられていて、その曲げ部が、ワイヤロープ25の
例えば第2ロープ部分24bにおける検知プーリとして
の一方のガイドプーリ25の近傍部分に接離されるよう
にしてある。
【0036】こうした構成の弛み検知機構28を備える
電動昇降装置21が照明器具39を昇降する状態は図7
(A)に示されている。この昇降状態においては、ワイ
ヤロープ24には照明器具39の重量が掛かっており、
このロープ24の張力により検知プーリとしての一方の
ガイドプーリ25にはばね53の引っ張り力よりも大き
な力Fが与えられるため、図6(A)に示されるように
ばね53の引っ張り力に抗して、プーリ軸57の両端部
が逃げ孔58の検知スイッチ54側の端部に当たる位置
に前記一方のガイドプーリ25が寄せられている。
【0037】それにより、検知プーリとしての一方のガ
イドプーリ25を支持したブーリサポート52は、図6
(A)に示す姿勢を保持して、そのワイヤ押さえ55は
第2ロープ部分24bの下側に近接して対向されるとと
もに、プーリ軸57がアクチュエータ54aを押し込む
から検知スイッチ54はオン状態を保持する。
【0038】したがって、この状態では、モータ31の
運転が可能であるので、その正転または逆転により巻取
ドラム33にワイヤロープ24が巻き取られまたは巻き
戻されて、照明器具39を昇降させることができる。こ
の際において、ワイヤ押さえ55は、ロープ部分24b
に非接触であるので、昇降に伴うワイヤロープ24の移
動の妨げになることがない。
【0039】ところで、照明器具39のメンテナンスの
ためにワイヤロープ24を巻き戻して照明器具39を下
降させることにより、この照明器具39が図7(B)に
示す床面B上に到達すると、その直後に、照明器具39
の重量がワイヤロープ24に掛からなくなるにも拘ら
ず、ワイヤロープ24の巻き戻しが継続されることによ
り、このロープ24が弛んで、その張力が消失する。
【0040】そうすると、ばね53の付勢力で検知プー
リとしての一方のガイドプーリ25を支持したプーリサ
ポート52が引き動かされ枢軸56を中心として図6中
時計回りに回動する。それにより、検知プーリとしての
一方のガイドプーリ25のプーリ軸57が逃げ孔58の
他端側に寄せられて、検知スイッチ54のアクチュエー
タ54aを押す位置から外れるので、このスイッチ54
がオフされる。それにより、ワイヤロープ24が弛んだ
ことが検知されるので、それに基づいてワイヤロープ2
4を巻き戻す方向のモータ31の運転が停止され、それ
以上のワイヤロープ24の巻き戻しが停止される。
【0041】プーリサポート52の側壁52aとワイヤ
押さえ55とはベルクランク状をなしているから、前記
弛み検知時のプーリサポート52の回動に伴い、そのワ
イヤ押さえ55がワイヤロープ24の第2ロープ部分2
4bを押さえる。この状態は図6(B)に示されてい
る。
【0042】このように弛み検知と同時にワイヤロープ
24を押さえるので、検知プーリとしての一方のガイド
プーリ25から巻取ドラム33間に渡る第1ロープ部分
24aの緩みを防止することができる。
【0043】そのため、ワイヤロープ24が一対のガイ
ドプーリ25から外れる恐れを防止できる。さらに、巻
取ドラム33に巻かれたワイヤロープ24が緩んで食み
出したり、巻取ピッチが不揃いになることも防止できる
ので、メンテナンス終了後に照明器具39を上昇させる
のにワイヤロープ24を巻き取る際、巻取ドラム33に
巻き取られるワイヤロープ24が、その下層に予め巻き
取られているワイヤロープの巻き層のロープ間に食い込
むこともなくなり、したがって、その後におけるワイヤ
ロープ24の巻き取りおよび巻き戻し不良の恐れを防止
できる。
【0044】しかも、本実施例では、弛み検知と同時に
なされるワイヤ押さえ55による既述のワイヤ張りを、
巻取ドラム33から引き出されたワイヤロープ24が最
初に巻き掛けられるガイドプーリ25の近傍で実施した
ので、ワイヤ押さえ55によるワイヤ張り作用には限界
があるにも拘らず、その張り作用を巻取ドラム33とガ
イドプーリ25との間に渡る第1ロープ部分24aに対
して効果的に波及させて、この第1ロープ部分24aの
緩みを確実に防止できる。
【0045】なお、本発明は前記一実施例には制約され
ない。例えば、ワイヤ押さえ55はその突出寸法を長く
することにより、弛み検知時におけるワイヤ張りの作用
をより大きくできる。
【0046】また、ワイヤ押さえ55により押さえられ
るロープ部分は、第1ロープ部分24aであってもよい
とともに、弛み検知機構28は、一対のガイドプーリ2
6の内の一方を検知プーリとして利用し、そこに設けて
もよい。
【0047】また、前記一実施例では、巻取ドラム33
から引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けら
れる一対のガイドプーリ25の内の一方側に弛み検知機
構28を設けたが、この他に、他方のガイドプーリ25
側にワイヤ張り機構を設けて、巻取ドラム33とこれか
ら引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けられ
る一対のガイドプーリ25とにわたる一対の第1ロープ
部分24aを夫々弛み検知と同時に張るようにしてもよ
い。この場合に、前記ワイヤ張り機構には、弛み検知機
構28から検知スイッチを取り除いた構成のものを採用
して実施すればよい。また、ばね53はコイルばねに代
えて捩じりばねを用いて、これでプーリサポート52を
付勢してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、巻
取ドラムから巻き戻されるワイヤロープが弛んだ際にそ
の弛みを検知する弛み検知機構が、ワイヤロープの弛み
を検知した際に、ばねでプーリサポートを回動させ、こ
のサポートのワイヤ押さえでワイヤロープを押さえて検
知プーリから巻取ドラム間に渡るロープ部分の緩みを防
止できる構成であるから、昇降部を下降させた際にワイ
ヤロープがガイドプーリから外れることを防止できると
ともに、ワイヤロープの一部が巻取ドラムから食み出し
ワイヤロープの巻き取りおよび巻き戻し不良を招くこと
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動昇降装置全体の構
成を示す斜視図。
【図2】図1に示された電動昇降装置の構成を一部断面
して示す側面図。
【図3】一実施例に係る電動昇降装置が備える弛み検知
機構の構成を示す斜視図。
【図4】弛み検知機構の構成を図3中矢印Z方向から見
て示す図。
【図5】図3に示された弛み検知機構を分解して示す斜
視図。
【図6】(A)はワイヤロープが弛んでいない状態での
弛み検知機構の側面図。(B)はワイヤロープの弛みが
検知された状態での弛み検知機構の側面図。
【図7】(A)は一実施例に係る電動昇降装置の概念的
構成をワイヤロープが弛んでいない状態で示す図。
(B)は一実施例に係る電動昇降装置の概念的構成をワ
イヤロープの弛みが検知された状態で示す図。
【図8】(A)は従来例に係る電動昇降装置の概念的構
成をワイヤロープが弛んでいない状態で示す図。(B)
は従来例に係る電動昇降装置の概念的構成をワイヤロー
プの弛みが検知された状態で示す図。
【符号の説明】
21…電動昇降装置、 22…装置フレーム、 23…電動巻取装置、 24…ワイヤロープ、 25…ガイドプーリ(検知プーリ)、 26…ガイドプーリ、 27…昇降部、 28…弛み検知手段、 31…モータ、 33…巻取ドラム、 39…照明器具(懸垂物)、 51…機構ベース、 52…プーリサポート、 53…ばね、 54…検知スイッチ、 55…ワイヤ押さえ、 56…枢軸、 57…検知プーリのプーリ軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のガイドプーリを内蔵して天井側高所
    に配置される装置フレームと、前記ガイドプーリで引き
    回されるワイヤロープと、このワイヤロープが巻き付け
    られる巻取ドラムおよびこのドラムを回転させる正逆回
    転可能なモータを備えて前記装置フレームに内蔵された
    電動巻取装置と、前記ワイヤロープで吊り下げられる昇
    降部と、前記装置フレームに内蔵され前記ワイヤロープ
    が弛んだ際にその弛みを検知して前記モータの運転を停
    止させる弛み検知機構とを具備した電動昇降装置におい
    て、 前記弛み検知機構が、機構ベースと、この機構ベースに
    回動可能に取付けられたプーリサポートと、前記ガイド
    プーリのうちの一つのガイドプーリからなり前記プーリ
    サポートに軸支された検知プーリと、前記プーリサポー
    トを付勢して設けられこのサポートを前記ワイヤロープ
    の弛みに伴って回動させるばねと、前記機構フレームに
    取付けられ前記プーリサポートの回動に従動してオン・
    オフされる検知スイッチと、前記プーリサポートに設け
    られこのサポートの回動に伴って前記ワイヤロープに接
    離され、前記ワイヤロープが弛んだ際にこのロープを押
    さえるワイヤ押さえとを備えてなることを特徴とする電
    動昇降装置。
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