JP3692558B2 - 電動昇降装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、工場、体育館、アリーナ、大型店舗、倉庫、ホールやエントランス、ホテルやデパートのような大きな建物の階段等の天井側高所に配置される照明器具等の懸垂物を、ワイヤロープで吊持して昇降可能とした電動昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
体育館等の高天井に配置される照明器具を電動昇降装置で昇降可能に設けることは、照明器具のメンテナンスを容易にする点で優れている。この種の電動昇降装置の概略構成が図8(A)(B)に示されている。
【0003】
図8(A)(B)中1は高天井2に設置された装置フレームで、これには電動巻取装置3が内蔵されている。この巻取装置3は、正逆回転可能な減速機付きモータ4の出力軸に巻取ドラム5を連結して形成されている。巻取ドラム5にはこれに巻き取られるワイヤロープ6の両端が固定されている。このワイヤロープ6は装置フレーム1内に配設した複数のガイドプーリ7、8に巻き掛けて引き回されているとともに、その中間部は装置フレーム1の下面開口(図示しない)を通して装置フレーム1外に垂れ下って、昇降部9を吊持している。
【0004】
昇降部9はその内部に複数のプーリ9aを有し、これらプーリ9aを経由してワイヤロープ6が通されており、それによってワイヤロープ6は昇降部9で上下に反転されている。昇降部9にはその下側に配置される照明器具10が取付けられている。なお、図8(B)中11は床である。
【0005】
この電動昇降装置は、モータ4を正転動作させて巻取ドラム5からワイヤロープ6を巻き戻すことにより、このロープ6を繰り出して昇降部9とともに照明器具10を下降させることができる。この逆に、照明器具10が床11上にある状態で、モータ4を逆転動作させて、巻取ドラム5にワイヤロープ6を巻き込むことにより、昇降部9とともに照明器具10を上昇させることができる。
【0006】
この種の電動昇降装置は、図示しない昇降部ロック機構と、弛み検知機構12とを備えている。昇降部ロック機構は、昇降部9の上部が装置フレーム1内に達するまで上昇した時に、この昇降部9の図示しない爪受け部に掛合される係止爪等を有して、これらの掛合により昇降部9を機械的に支持する。それにより、照明器具10の重量がワイヤロープ6に加わらないようにしている。
【0007】
弛み検知機構12は、固定の機構ベース13に例えば上下動可能に検知プーリを設け、このプーリをコイルばね14で付勢するとともに、検知プーリの移動に従いオン・オフされるマイクロスイッチ15を機構ベース13に設けて形成されている。検知プーリは、ワイヤロープ6を引き回した複数のガイドプーリ7、8の内、既述のように上下動可能に設けられる一つのガイドプーリ8からなる。なお、16は上下方向に伸びる長孔、8aは長孔16を貫通するガイドプーリ8のプーリ軸であって、このプーリ軸8aの端部がマイクロスイッチ15に接離されるようになっている。コイルばね14は、その一端部をプーリ軸8aに掛合させて検知プーリ8を常に上方向に付勢している。
【0008】
図8(A)に示される照明器具10の昇降時には、この器具10の重量がワイヤロープ6に加わっていて、このロープ6が張った状態にある。そのため、検知プーリ8はそのプーリ軸8aが長孔16の下端に当たるまでコイルばね14の付勢力に抗して下がった状態にあって、そのプーリ軸8aはマイクロスイッチ15を押しているから、このスイッチ15はオン状態を保持してモータ4の運転を可能にしている。
【0009】
また、図8(B)に示されるように照明器具10の下降により、それが床11に到達して照明器具10の重量がワイヤロープ6に掛からなくなると、継続されるワイヤロープ6の巻き戻しにより、このロープ6が弛む。そのため、コイルばね14の付勢力でガイドプーリ8が引き上げられて、そのプーリ軸8aがマイクロスイッチ15から離れるので、このスイッチ15がオフしてワイヤロープ6の弛みが検出されるとともに、それに基づいてモータ4の運転が停止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように従来の弛み検知機構12は、照明器具10等の懸垂物が床11等で下降を妨げられることにより生じるワイヤロープ6の弛みを検知するだけの機能しか有していないので、その検知状態において巻取ドラム5から巻き戻されたロープ部分全体が張りを失って弛み易い。特に、ワイヤロープ6を水平な姿勢から垂直な姿勢に案内するガイドプーリ8を検知プーリとして利用する場合には、図8(B)に示されるように巻取ドラム5とガイドプーリ7との間に巻き戻されたロープ部分6aが弛み易い。
【0011】
こうした装置フレーム1内でのワイヤロープ6の弛みによって、このロープ6がガイドプーリ7、8から外れる恐れがある。しかも、前記弛みに伴い、巻取ドラム5に巻かれたワイヤロープ6が緩んで食み出したり、巻取ピッチが不揃いになることがあるから、メンテナンス終了後に照明器具10を上昇させるのにワイヤロープ6を巻上げた際、巻取ドラム5に巻き取られるワイヤロープ6が、その下層に予め巻き取られているワイヤロープの巻き層のロープ間に食い込んで、その後におけるワイヤロープ6の巻き取りおよび巻き戻し不良の原因となる恐れがある。
【0012】
本発明の目的は、昇降部を下降させた際にワイヤロープがガイドプーリから外れることを防止できるとともに、ワイヤロープの巻き取りおよび巻き戻し不良を防止できる電動昇降装置を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天井側高所に配置される装置フレームと、ワイヤロープと、このワイヤロープが巻き付けられる巻取ドラムおよびこのドラムを回転させる正逆回転可能なモータを備えて前記装置フレームに内蔵された電動巻取装置と、前記装置フレームに内蔵されて前記巻取りドラムから引き出されたワイヤロープが最初に巻掛けられる第1ガイドプーリと、前記装置フレームに内蔵されて前記第1ガイドプーリを経由したワイヤロープを案内する第2ガイドプーリと、この第2ガイドプーリから下方に延出したロープ部分に吊持された昇降部と、前記装置フレームに内蔵され前記ワイヤロープが弛んだ際にその弛みを検知して前記モータの運転を停止させる弛み検知機構とを具備した電動昇降装置を前提とする。
【0014】
そして、前記目的を達成するために、前記弛み検知機構が、機構ベースと、この機構ベースに回動可能に取付けられたプーリサポートと、前記第1ガイドプーリからなり前記プーリサポートに軸支された検知プーリと、前記プーリサポートを付勢して設けられこのサポートを前記ワイヤロープの弛みに伴って回動させるばねと、前記機構フレームに取付けられ前記プーリサポートの回動に従動してオン・オフされる検知スイッチと、前記プーリサポートに設けられ、前記ワイヤロープが巻き取られる際及び巻き戻される際には前記ワイヤロープに非接触であるとともに、前記ワイヤロープの弛み検知時の前記プーリサポートの回動に伴って前記検知プーリをなす第1ガイドプーリと前記第2ガイドプーリとの間に渡るロープ部分を押上げて、前記ワイヤロープの前記検知プーリから巻取ドラム間にわたるロープ部分が緩まないように前記ワイヤロープを押さえるワイヤ押さえとを備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】
本発明に係る電動昇降装置の構成において、ワイヤロープが張っているときに、検知プーリは、ワイヤロープの張力でばねの付勢力に抗して検知スイッチを押し、このスイッチをオンさせる位置に保持され、検知プーリを支持したプーリサポートは、そのワイヤ押さえがワイヤロープに接しない位置に保持される。この状態では、ワイヤ押さえはワイヤロープに接近し対向している。
【0016】
そして、昇降部の下降に伴って、これに支持された懸垂物が床などに到達してワイヤロープが弛んで前記張力が消失すると、検知プーリを軸支したプーリサポートは、ばねの付勢力で回動する。それにより、検知プーリが検知スイッチを押す位置から外れるので、このスイッチがオフして、ワイヤロープが弛んだことが検知され、それに基づきワイヤロープを巻き戻す方向のモータの運転が停止される。そして、このときのプーリサポートの回動に伴い、そのワイヤ押さえがワイヤロープを押さえて、検知プーリから巻取ドラム間に渡るロープ部分の緩みを防止する。
【0017】
【実施例】
以下、図1〜図7を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は電動昇降装置全体の構成を示す斜視図、図2は同昇降装置の構成を一部断面して示す側面図であって、これらの図に示されるように電動昇降装置21は、装置フレーム22と、電動巻取装置23と、ワイヤロープ24と、複数のガイドプーリ25、26と、昇降部27と、弛み検知機構28等を具備している。
【0018】
図1に示されるように装置フレーム22は、箱状をなしていて、その下壁に開口22aを有している。このフレーム22は一対のブラケット30a、30bを介して体育館等の高天井A(図7参照)に固定して設けられる。
【0019】
この装置フレーム22の長手方向一端側には電動巻取装置23が内蔵されている。図2に示されるように電動巻取装置23は、正逆回転可能なモータ31に歯車減速機32を連結するとともに、この減速機32の出力軸に巻取ドラム33を連結し、かつ、モータ31にブレーキ(図示しない)を設けて形成されている。なお、図2中34をモータブラケットである。
【0020】
巻取ドラム33は一対のロープ巻き溝(図示しない)が並設されたダブルドラム式のものである。図示しないブレーキは、例えば機械式のものであって、モータケースの端壁内面に突設した複数の筒部に、ブレーキシューと、これを押し出す方向に付勢するコイルばねとを収納するとともに、モータの回転軸にブレーキシューが常に押付けられるブレーキディスクを取付けて形成されている。このブレーキは、ブレーキディスクとブレーキシューとの摩擦制動力でモータ31の回転軸の回転を常に妨げており、モータ31の非動作時にその回転軸を固定している。モータ31の回転トルクは前記摩擦制動力よりも大であり、それにより、モータ31の動作時には、その回転軸が前記摩擦制動力に抗して回転されるようになっている。なお、モータ31に付設されるブレーキは、機械式のものに限らず、ソレノイドを有して、非通電時に制動状態になるとともに、この制動状態を通電時に解除する無励磁作動形の電磁式ブレーキ等も採用できる。
【0021】
ワイヤロープ24は、その両端を巻取ドラム33の両ロープ巻き溝に固定して、このドラム33に巻き取られている。したがって、電動巻取装置23のモータ31の正転或いは逆転に伴い、ワイヤロープ24は、巻取ドラム33に巻取られ、或いは巻き戻されるようになっている。
【0022】
前記ガイドプーリ25は、一対(一方のみ図示)備えられて、装置フレーム22の長手方向他端側に内蔵されている。ガイドプーリ26も一対(一方のみ図示)備えられている。この一対のガイドプーリ26は、電動巻取装置23と一対のガイドプーリ25との間に位置し、しかも、開口22aの真上であってガイドプーリ25よりも低い位置において装置フレーム22に内蔵されている。なお、図2中35はガイドプーリ26用のプーリブラケットであり、また、これと同様な図示しないプーリブラケットを介して一方のガイドプーリ25が支持されているとともに、他方のガイドプーリ25は後述のプーリサポートに支持されている。
【0023】
これら各ガイドプーリ25、26はこれらに巻き掛けられるワイヤロープ24を次のように引き回している。すなわち、一対のガイドプーリ25は、これと巻取ドラム33の各ロープ巻き溝との間に渡るドラム側の第1ロープ部分24aと、両ガイドプーリ25、26間に渡る第2ロープ部分24bとが、略水平な姿勢で平行に折り返されるようにワイヤロープ24を案内している。一対のガイドプーリ26は、前記第2ロープ部分24bに連なる第3ロープ部分24cが、第2ロープ部分24bに対して90゜向きを変えて下方に延出されるようにワイヤロープ24を案内している。第3ロープ部分24cは前記開口22aを通り装置フレーム22の下方に垂れ下がるように設けられている。
【0024】
第3ロープ部分24cには昇降部27が吊持されている。昇降部27は一対の回転自在なプーリ36(図2に一つのみ図示)を有していて、これらプーリ36を経由してワイヤロープ24の第3ロープ部分24cは昇降部27に通されている。したがって、第3ロープ部分24cは昇降部27中心にUの字を描くように上下に反転されている。図2中37はプーリブラケットである。図1に示されるように昇降部27には懸垂物取付け台38が連結されている。この取付け台38の長手方向両端部には夫々懸垂物としての照明器具39が取付けられている。
【0025】
なお、装置フレーム22内には図示しない昇降部ロック機構が備えられている。このロック機構は昇降部27の上部が装置フレーム22内に達するまで上昇した時に、この昇降部27の図示しない爪受け部に掛合される係止爪等を有して、これらの掛合により昇降部27を機械的に支持する。それにより、照明器具39の重量がワイヤロープ24に加わらないようにしている。
【0026】
なお、図2中40は装置フレーム22の中央部に内蔵された接点台サポートで、このサポート40の下側に図示しない連結部材を介して接点台41が取付けられている。接点台41は、図1に示されるように装置フレーム22の開口22aに露出されていて、その下側に突出する電気接点42を複数有している。接点台41の両端には上昇される昇降部27を接点台41に相対して適正に案内するガイド板43が夫々取付けられている。この接点台41に対応して昇降部27には、上側に突出する電気接点44を複数有した接点台45が設けられている。
【0027】
電気接点42および44の内の少なくとも一方は、対応する両接点の接触を確実にするためにコイルばねにより付勢されて上下動可能である。これら接点42、44は昇降部27の昇降に伴って接離されるものであって、前記ロック機構により昇降部27が機械的に支持された時に閉じ、それにより、昇降部27を通して装置フレーム22側から照明器具39への通電ができるようになっている。
【0028】
ワイヤロープ24の弛みを検知して、モータ31の運転を停止させるために使用される前記弛み検知機構28は装置フレーム22内に設けられている。この弛み検知機構28は、図3〜図6に示されるように機構ベース51と、プーリサポート52と、検知プーリと、ばね53と、検知スイッチ54と、ワイヤ押さえ55とを備えて形成されている。
【0029】
詳しくは、機構ベース51は、鋼板製であって、ベース本体51aの両側に相対向する互いに平行な側壁51bを夫々直角に折り曲げて形成されている。ベース本体51aを通る図示しないボルトとそれに螺合される図示しないナットとを介して機構ベース51は装置フレーム22の天井壁下面に固定されている(図2参照)。
【0030】
プーリサポート52も鋼板製であって、これは相対向する側壁52aを有している。このプーリサポート52は、機構ベース51の内側に配置され前記各側壁51b、52aを通る枢軸56を介して機構ベース51に回動可能に取付けられている。なお、図5中51cおよび52bはいずれも枢軸56が通る枢軸用通孔を示しているとともに、枢軸56の両端部には図示しないが止め輪や割りピン等のストッパが設けられて、枢軸用通孔51c、52bから抜け止めされるようになっている。
【0031】
検知プーリには、巻取ドラム33から引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けられる方のガイドプーリ25が用いられている。この検知プーリとしての一方のガイドプーリ25は、プーリサポート52の内側に配置され前記側壁52aに渡って設けられるプーリ軸57に回転自在に支持されている。プーリ軸57の両端部は機構ベース51の両側壁51bを貫通している。そして、両側壁51bには枢軸55を中心としたプーリ軸57の移動を許すための逃げ孔58、例えばプーリ軸57の移動方向に小判形の長孔が夫々形成されている。
【0032】
ばね53には例えばコイルばねが採用されており、これは、機構ベース51の両側壁51bを貫通して設けた軸からなるばね受け59の端部とプーリ軸57の端部とに渡って張設されていて、プーリ軸57をばね受け59側、言い換えれば、ワイヤロープ24の張力が検知プーリとしての一方のガイドプーリ25に与えるF(図6参照)とは略逆方向に常時付勢している。
【0033】
なお、ばね53は一つに限らず、検知プーリおよびプーリ軸57の傾きを少なくしてこれらの移動をより円滑にするために、機構ベース51の両側に夫々設けてもよいとともに、ばね受け59は側壁51bの外面に突出する切り起こしやねじ等であってもよい。
【0034】
検知スイッチ54には常開のマイクロスイッチが採用されており、これは機構ベース51の一側壁51bの外面に取付けられている。検知スイッチ54が備えるアクチュエータ54aはプーリ軸57にばね53とは反対側から接触されている。この検知スイッチ54は検知プーリとしての一方のガイドプーリ25の移動に従動してオン・オフされるものであって、ワイヤロープ24が張っている時には、アクチュエータ54aがプーリ軸57に押されて検知スイッチ54はオフ状態を保持する。また、この検知スイッチ54のオン・オフに基づいて前記モータ31の運転が制御される。つまり、検知スイッチ54がオン状態のときはモータ31の運転が可能であり、オフ状態のときはモータ31の運転が停止されるようになっている。
【0035】
ワイヤ押さえ55はプーリサポート52にこれからアーム状に突出して側壁52aに対して略直角に設けられている。本実施例の場合、構造を簡単にするためにワイヤ押さえ55はプーリサポート52と一体であるが、これは別体のものをプーリサポート52に固定して設けてもよい。このワイヤ押さえ55はプーリサポート52の回動と一緒に変位してワイヤロープ24に接離されるものである。ワイヤ押さえ55の先端部は直角に曲げられていて、その曲げ部が、ワイヤロープ25の例えば第2ロープ部分24bにおける検知プーリとしての一方のガイドプーリ25の近傍部分に接離されるようにしてある。
【0036】
こうした構成の弛み検知機構28を備える電動昇降装置21が照明器具39を昇降する状態は図7(A)に示されている。この昇降状態においては、ワイヤロープ24には照明器具39の重量が掛かっており、このロープ24の張力により検知プーリとしての一方のガイドプーリ25にはばね53の引っ張り力よりも大きな力Fが与えられるため、図6(A)に示されるようにばね53の引っ張り力に抗して、プーリ軸57の両端部が逃げ孔58の検知スイッチ54側の端部に当たる位置に前記一方のガイドプーリ25が寄せられている。
【0037】
それにより、検知プーリとしての一方のガイドプーリ25を支持したブーリサポート52は、図6(A)に示す姿勢を保持して、そのワイヤ押さえ55は第2ロープ部分24bの下側に近接して対向されるとともに、プーリ軸57がアクチュエータ54aを押し込むから検知スイッチ54はオン状態を保持する。
【0038】
したがって、この状態では、モータ31の運転が可能であるので、その正転または逆転により巻取ドラム33にワイヤロープ24が巻き取られまたは巻き戻されて、照明器具39を昇降させることができる。この際において、ワイヤ押さえ55は、ロープ部分24bに非接触であるので、昇降に伴うワイヤロープ24の移動の妨げになることがない。
【0039】
ところで、照明器具39のメンテナンスのためにワイヤロープ24を巻き戻して照明器具39を下降させることにより、この照明器具39が図7(B)に示す床面B上に到達すると、その直後に、照明器具39の重量がワイヤロープ24に掛からなくなるにも拘らず、ワイヤロープ24の巻き戻しが継続されることにより、このロープ24が弛んで、その張力が消失する。
【0040】
そうすると、ばね53の付勢力で検知プーリとしての一方のガイドプーリ25を支持したプーリサポート52が引き動かされ枢軸56を中心として図6中時計回りに回動する。それにより、検知プーリとしての一方のガイドプーリ25のプーリ軸57が逃げ孔58の他端側に寄せられて、検知スイッチ54のアクチュエータ54aを押す位置から外れるので、このスイッチ54がオフされる。それにより、ワイヤロープ24が弛んだことが検知されるので、それに基づいてワイヤロープ24を巻き戻す方向のモータ31の運転が停止され、それ以上のワイヤロープ24の巻き戻しが停止される。
【0041】
プーリサポート52の側壁52aとワイヤ押さえ55とはベルクランク状をなしているから、前記弛み検知時のプーリサポート52の回動に伴い、そのワイヤ押さえ55がワイヤロープ24の第2ロープ部分24bを押さえる。この状態は図6(B)に示されている。
【0042】
このように弛み検知と同時にワイヤロープ24を押さえるので、検知プーリとしての一方のガイドプーリ25から巻取ドラム33間に渡る第1ロープ部分24aの緩みを防止することができる。
【0043】
そのため、ワイヤロープ24が一対のガイドプーリ25から外れる恐れを防止できる。さらに、巻取ドラム33に巻かれたワイヤロープ24が緩んで食み出したり、巻取ピッチが不揃いになることも防止できるので、メンテナンス終了後に照明器具39を上昇させるのにワイヤロープ24を巻き取る際、巻取ドラム33に巻き取られるワイヤロープ24が、その下層に予め巻き取られているワイヤロープの巻き層のロープ間に食い込むこともなくなり、したがって、その後におけるワイヤロープ24の巻き取りおよび巻き戻し不良の恐れを防止できる。
【0044】
しかも、本実施例では、弛み検知と同時になされるワイヤ押さえ55による既述のワイヤ張りを、巻取ドラム33から引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けられるガイドプーリ25の近傍で実施したので、ワイヤ押さえ55によるワイヤ張り作用には限界があるにも拘らず、その張り作用を巻取ドラム33とガイドプーリ25との間に渡る第1ロープ部分24aに対して効果的に波及させて、この第1ロープ部分24aの緩みを確実に防止できる。
【0045】
なお、本発明は前記一実施例には制約されない。例えば、ワイヤ押さえ55はその突出寸法を長くすることにより、弛み検知時におけるワイヤ張りの作用をより大きくできる。
【0047】
また、前記一実施例では、巻取ドラム33から引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けられる一対のガイドプーリ25の内の一方側に弛み検知機構28を設けたが、この他に、他方のガイドプーリ25側にワイヤ張り機構を設けて、巻取ドラム33とこれから引き出されたワイヤロープ24が最初に巻き掛けられる一対のガイドプーリ25とにわたる一対の第1ロープ部分24aを夫々弛み検知と同時に張るようにしてもよい。この場合に、前記ワイヤ張り機構には、弛み検知機構28から検知スイッチを取り除いた構成のものを採用して実施すればよい。また、ばね53はコイルばねに代えて捩じりばねを用いて、これでプーリサポート52を付勢してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、巻取ドラムから巻き戻されるワイヤロープが弛んだ際にその弛みを検知する弛み検知機構が、ワイヤロープの弛みを検知した際に、ばねでプーリサポートを回動させ、このサポートのワイヤ押さえでワイヤロープを押さえて検知プーリから巻取ドラム間に渡るロープ部分の緩みを防止できる構成であるから、昇降部を下降させた際にワイヤロープがガイドプーリから外れることを防止できる。これとともに、巻取ドラムに巻かれたワイヤロープが緩んで食み出したり、巻取ピッチが不揃いになることも防止できるので、メンテナンス終了後に巻取ドラムに巻き取られるワイヤロープが、その下層に予め巻き取られているワイヤロープの巻き層のロープ間に食い込むこともなくなり、したがって、ワイヤロープの巻き取りおよび巻き戻し不良を招くことを防止できる。更に、ワイヤ押さえは、ワイヤロープが巻き取られ又は巻き戻される際、ワイヤロープに非接触であるので、昇降に伴うワイヤロープの移動の妨げにならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動昇降装置全体の構成を示す斜視図。
【図2】図1に示された電動昇降装置の構成を一部断面して示す側面図。
【図3】一実施例に係る電動昇降装置が備える弛み検知機構の構成を示す斜視図。
【図4】弛み検知機構の構成を図3中矢印Z方向から見て示す図。
【図5】図3に示された弛み検知機構を分解して示す斜視図。
【図6】(A)はワイヤロープが弛んでいない状態での弛み検知機構の側面図。
(B)はワイヤロープの弛みが検知された状態での弛み検知機構の側面図。
【図7】(A)は一実施例に係る電動昇降装置の概念的構成をワイヤロープが弛んでいない状態で示す図。
(B)は一実施例に係る電動昇降装置の概念的構成をワイヤロープの弛みが検知された状態で示す図。
【図8】(A)は従来例に係る電動昇降装置の概念的構成をワイヤロープが弛んでいない状態で示す図。
(B)は従来例に係る電動昇降装置の概念的構成をワイヤロープの弛みが検知された状態で示す図。
【符号の説明】
21…電動昇降装置、
22…装置フレーム、
23…電動巻取装置、
24…ワイヤロープ、
25…ガイドプーリ(検知プーリ)、
26…ガイドプーリ、
27…昇降部、
28…弛み検知手段、
31…モータ、
33…巻取ドラム、
39…照明器具(懸垂物)、
51…機構ベース、
52…プーリサポート、
53…ばね、
54…検知スイッチ、
55…ワイヤ押さえ、
56…枢軸、
57…検知プーリのプーリ軸。
Claims (1)
- 天井側高所に配置される装置フレームと、ワイヤロープと、このワイヤロープが巻き付けられる巻取ドラムおよびこのドラムを回転させる正逆回転可能なモータを備えて前記装置フレームに内蔵された電動巻取装置と、前記装置フレームに内蔵されて前記巻取りドラムから引き出されたワイヤロープが最初に巻掛けられる第1ガイドプーリと、前記装置フレームに内蔵されて前記第1ガイドプーリを経由したワイヤロープを案内する第2ガイドプーリと、この第2ガイドプーリから下方に延出したロープ部分に吊持された昇降部と、前記装置フレームに内蔵され前記ワイヤロープが弛んだ際にその弛みを検知して前記モータの運転を停止させる弛み検知機構とを具備した電動昇降装置において、
前記弛み検知機構が、機構ベースと、この機構ベースに回動可能に取付けられたプーリサポートと、前記第1ガイドプーリからなり前記プーリサポートに軸支された検知プーリと、前記プーリサポートを付勢して設けられこのサポートを前記ワイヤロープの弛みに伴って回動させるばねと、前記機構フレームに取付けられ前記プーリサポートの回動に従動してオン・オフされる検知スイッチと、前記プーリサポートに設けられ、前記ワイヤロープが巻き取られる際及び巻き戻される際には前記ワイヤロープに非接触であるとともに、前記ワイヤロープの弛み検知時の前記プーリサポートの回動に伴って前記検知プーリをなす第1ガイドプーリと前記第2ガイドプーリとの間に渡るロープ部分を押上げて、前記ワイヤロープの前記検知プーリから巻取ドラム間にわたるロープ部分が緩まないように前記ワイヤロープを押さえるワイヤ押さえとを備えてなることを特徴とする電動昇降装置。
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