JP2004331321A - 昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被介護者を吊り上げるためのベルトが捩れた状態で、ドラムにベルトが巻回されるのを防止する。
【解決手段】第2レバー10に、回動自在な第1レバー19を設け、第1レバー19に第1ガイド手段15を設け、第1ガイド手段15を所定の位置に保持するために、引っ張りコイルバネ21を設け、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して回動させられたことを検出するマイクロスイッチ23を第2レバー10に設ける一方、ベルトスリング4の他端近傍には、巻取過剰時に第1ガイド手段15を通過できないために第1ガイド手段15を押圧することになるように、ベルトスリング4の他端を重ね合わせて肉厚の大きい縫合部4aを設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】第2レバー10に、回動自在な第1レバー19を設け、第1レバー19に第1ガイド手段15を設け、第1ガイド手段15を所定の位置に保持するために、引っ張りコイルバネ21を設け、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して回動させられたことを検出するマイクロスイッチ23を第2レバー10に設ける一方、ベルトスリング4の他端近傍には、巻取過剰時に第1ガイド手段15を通過できないために第1ガイド手段15を押圧することになるように、ベルトスリング4の他端を重ね合わせて肉厚の大きい縫合部4aを設ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降装置に関し、ドラムへのベルトスリングの巻き過ぎと、巻き戻し過ぎとの防止を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢者や障害者等の被介護者を建屋の中等で移動させるには昇降装置が用いられる。昇降装置は、天井等に設けられたレールと、当該レールに沿って走行する走行台車と、当該走行台車に結合されると共に吊り下げたベルトスリングを介して被介護者を昇降させるホイスト装置等によって構成されている。
【0003】
ホイスト装置はベルトスリングをドラムに巻回したり、巻き戻したりすることにより被介護者を昇降させるものであり、過剰な巻き戻しの防止を行なうための構成が採用されている。
【0004】
過剰な巻き戻しを防止するようにした従来の昇降装置としては、以下のものがある(例えば、特許文献1参照。)。これは、スプリングにより付勢される導入ガイドと補助ガイドとの間にベルトを通し、ベルトが弛んだときにはスプリングの付勢力で導入ガイドが補助ガイドへ向かって移動するので、ベルトの移動をリミットスイッチで検出することでベルトのたるみを検出し、過剰な巻き戻しを防止するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−340401号公報([0023]〜[0025]、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の発明はベルトの張りがなくなってたるんだことを検出してベルトの巻き戻しを中止することにより、ベルトが捩れたり絡んだりするのを防止するものであり、ベルトで吊り下げた被介護者が向きを変えた場合にはベルトに捩れが生じてしまい、ベルトにたるみが生じたわけではないのでベルトの巻き上げが中止されることなく実行され、ベルトが捩れた状態でドラムに巻回されてしまう。
【0007】
一方、上記のようにホイスト装置が走行台車に直接に結合されるのではなく、走行台車にベルトを介してホイスト装置が吊り下げられホイスト装置に吊り具が結合された昇降装置では、昇降装置の組立時にベルトの一端をホイスト装置から引き出して走行台車に引っ掛けた後に、ホイスト装置のドラムにベルトを巻回してホイスト装置を所定の高さまで上昇させることになるが、ベルトがたるんだ状態からベルトをドラムに巻回することになるので、ベルトがたるむと直ちにドラムの回転が停止する構成では都合が悪い。
【0008】
そこで本発明は、前記のような課題を解決した昇降装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る昇降装置の構成は、ホイスト装置を固定し、当該ホイスト装置は、回転可能なドラムに索条部材の一端を巻回し、当該索条部材の垂れ下がる他端に吊り具を結合して構成した昇降装置において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
このような昇降装置では、ドラムへの索条部材の巻取過剰時や索条部材が捩れて巻回されそうな時に、例えば巻取過剰時では索条部材の肉厚部が第1ガイド手段を通過できずに第1ガイド手段を押圧することになり、第1ガイド手段が第1付勢手段の付勢力に抗してドラムへ向かって回動させられ、これを第1検出手段が検出してドラムの回転を止める。このため、索条部材の巻取過剰や捩れて巻回されるのが防止される。
【0011】
請求項2に係る昇降装置の構成は、請求項1において、前記ホイスト装置における前記ドラムの下方に前記索条部材を案内する固定ガイド手段を設け、回動自在な第2レバーを設けると共に当該第2レバーの先端近傍に前記索条部材を案内する第2ガイド手段を設け、当該第2ガイド手段を前記ドラムの略真下へ向かって付勢する第2付勢手段を設け、前記索条部材にたるみが生じたり前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなったことにより、前記第2ガイド手段が前記ドラムの略真下へ向かって回動したことを検出する第2検出手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
このような昇降装置では、索条部材にたるみが生じたりドラムへの索条部材の巻回量が少なくなった場合に、第2付勢手段の作用により第2ガイド手段がドラムの略真下へ向かって回動し第2検出手段がこれを検出してドラムの回転を止める。このため、索条部材の過剰な巻き戻しが防止される。
【0013】
請求項3に係る昇降装置の構成は、請求項2において、前記第2レバーに前記第1レバーを取り付け、前記第1ガイド手段と前記第2ガイド手段とを兼用し、前記第1検出手段を前記第2レバーに取り付けたことを特徴とする。
【0014】
このような昇降装置では、ガイド手段を複数設ける必要がないので、部品点数が少なくてすむ。
【0015】
請求項4に係る昇降装置の構成は、索条部材の一端を結合し、当該索条部材の垂れ下がる他端をホイスト装置に結合し、当該ホイスト装置には回転可能なドラムが設けられると共に当該ドラムに前記索条部材の他端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合され、前記ドラムへの前記索条部材の巻き取り・巻き戻しによりホイスト装置が吊り具と共に昇降する方式の昇降装置において、前記ドラムとドラムに巻回した索条部材との間に第3レバーを介在させ、当該第3レバーを半径方向での外側へ付勢する第3付勢手段を設け、前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、前記第3付勢手段の作用によって半径方向での外側へ前記第3レバーが移動して押圧することになる第3検出手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
このような昇降装置では、ドラムへの索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、第3付勢手段の付勢力で第3レバーが半径方向での外側へ移動し、これを第3検出手段が検出してドラムの回転が止まる。索条部材にたるみが生じただけではドラムの回転は止まらないので、例えばホイスト装置を走行台車に取り付けるために、索条部材の一端を走行台車に結合する際には、索条部材にたるみが生じていてもドラムの回転が止まることはなく、人力により索条部材に張力を加えておく必要がない。
【0017】
請求項5に係る昇降装置の構成は、請求項4において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
このような昇降装置では、請求項1と同様であり、索条部材の巻取過剰や捩れてドラムに巻回されるのが防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による昇降装置を介護リフトに適用した場合の実施の形態を説明する。
【0020】
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1を図1に示す。
【0021】
この実施の形態は、レールに沿って走行する走行台車にホイスト装置を結合し、当該ホイスト装置に回動自在にドラムを設けると共に当該ドラムにモータを連動連結し、前記ドラムにベルトスリング(索条部材)の一端を巻回し、当該ベルトスリングの他端に吊り具を結合して構成した昇降装置を前提にしたものである。このため、ホイスト装置自体は高い位置に取り付けられて昇降せず、ベルトスリングは下方へ向かって繰り出される。
【0022】
図1,図2に、走行台車に取り付けられたホイスト装置を示す。モータ1の出力軸1aが減速機2の図示しない入力軸に連動連結され、減速機2の図示しない出力軸がドラム3に連動連結されている。このドラム3に一端が巻回されたベルトスリング4の他端には、図示しない吊り具が結合されている。5はブレーキである。
【0023】
ドラム3に一端が巻回されたベルトスリング4の他端がホイスト装置6の決まった位置から垂れ下がるように、固定ガイド手段7が設けられている。固定ガイド手段7の構成を以下に説明する。ホイスト装置6の下面には一対の軸受部材8が固定され、一対の軸受部材8に亘って水平方向へ並ぶ一対のローラ9が軸9aを介して夫々回転自在に設けられている。そして、この一対のローラ9の間に通した状態でベルトスリング4が垂れ下がっている。
【0024】
ベルトスリング4にたるみが生じたり、ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなったことを検出してモータ1の回転を停止させるための機構が設けられている。図2における軸9aの外側のものには、図1におけるローラ9の両端に第2レバー10の基端部が夫々回動自在に支持され、夫々の第2レバー10の先端部どうしを連結する連結部材11が設けられている。そして、連結部材11と、軸受部材8に結合されたバネ掛け12との間には、引っ張りコイルバネ(第2付勢手段)13が掛けられている。ベルトスリング4にたるみが生じたり、ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなった場合には、引っ張りコイルバネ13の作用で第2レバー10がドラム3の下方へ向かって回動する。この第2レバー10の回動を検出するために、軸受部材8にステ−16を介してマイクロスイッチ(第2検出手段)17が取り付けられている。
【0025】
このほか、ドラム3へのベルトスリング4の巻取り過ぎやベルトスリング4が捩れた状態で巻取られるのを防止するための機構が設けられている。一対の前記第2レバー10の上部には、軸18を中心として回動自在に第1レバー19・20が夫々設けられている。第1レバー19・20を連結するようにして一対の「く」の字形断面を有する連結板14が設けられ、第1ガイド手段15が構成されている。この第1ガイド手段15は、前記第2レバー10の先端に設けられてベルトスリング4を案内するための第2ガイド手段を兼用させるものであり、連結板14どうしの間にベルトスリング4を挿通させて隙間なく案内できるように構成されている。この第1ガイド手段15を一対のローラ9からなる固定ガイド手段7の上方に保持するために、引っ張りコイルバネ(第1付勢手段)21が設けられている。引っ張りコイルバネ21は、第1レバー19・20を連結する連結板22と、第2レバー10どうしを連結する連結板24との間に設けられている。そして、第1レバー19・20が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して回動したことを検出するために、回動した第1レバー19の先端が当接するマイクロスイッチ(第1検出手段)23が第2レバー10に取り付けられている。
【0026】
一方、ベルトスリング4の他端には図示しない吊り具が結合されており、図3(a)に示すようにベルトスリング4の他端近傍にはベルトスリング4の他端が重ね合わせて縫製されている。このため、ベルトスリング4自体の厚さよりも厚い縫合部(肉厚部)4aが形成されている。
【0027】
次に、昇降装置の作用を説明する。ドラム3を回転駆動することによりベルトスリング4をドラム3に巻回して巻き上げる際に、何らかの理由によりベルトスリング4を巻き上げ過ぎて縫合部4aが第1ガイド手段15にさしかかったり、あるいはベルトスリング4が捩れて第1ガイド手段15にさしかかったりした場合は、図3(a)に示すように縫合部4a等が一対の連結板14の間を通過できず、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して軸18を中心として反時計方向へ回動し、第1レバー19がマイクロスイッチ23を押す。すると、モータ1の回転が停止し、ベルトスリング4の巻上げが停止する。このため、ベルトスリング4の巻き上げ過ぎとベルトスリング4が捩れてドラム3に巻回されるのが未然に防止される。
【0028】
逆に、ベルトスリング4が巻き戻されベルトスリング4の他端に取り付けられた吊り具が着床してベルトスリング4がたるんだり、ベルトスリング4の大部分が繰り出されてベルトスリング4の巻き戻しが始まる位置がドラム3の軸心位置に近づいた場合は、図3(b)に示すように引っ張りコイルバネ13の作用により第2レバー10が反時計方向へ回動し、第2レバー10がマイクロスイッチ17を押す。このため、ドラム3の回転が停止する。
【0029】
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2を図4,図5に示す。
【0030】
この実施の形態は、レールに沿って走行する走行台車にベルトスリング(索条部材)を介してホイスト装置を吊り下げ、当該ホイスト装置にはモータを連動連結したドラムが設けられると共に当該ドラムに前記ベルトスリングの一端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合された構成の昇降装置を前提にしたものである。このため、ホイスト装置は吊り具と共に昇降し、ベルトスリングは上方へ向かって繰り出される。
【0031】
この場合は、図1のホイスト装置において、軸受部材8等をホイスト装置の下部から上部に付け替え、ベルトスリングにたるみが生じたり、ドラムへのベルトスリングの巻回量が少なくなったことを検出してモータの回転を停止させるための機構が実施の形態1で示した構成から一部変更されている。
【0032】
まず、図2における第2レバー10を付勢する引っ張りコイルバネ13とマイクロスイッチ17とが除去されている。第2レバー10自体も不要であるが、図2のように実施の形態1では軸受部材8に取り付ける第1レバー19を第2レバー10に取り付けているので、図5においても第2レバー10は除去することなく取り付けたままになっている。
【0033】
次に、追加した部品について詳細に説明する。ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなってかつベルトスリング4にたるみが生じた場合にドラム3の回転が停止されるようにするため、図4に示すようにドラム3とベルトスリング4との間に第3レバー25が設けられる。第3レバー25は略J字形の形状であり、第3レバー25の一端には図5にも示すように略円弧形状の押圧部25aの中間部が一体に形成されている。ドラム3の外周面の相互に180度をなす位置には軸方向に沿って収容溝3aが夫々形成され、略J字形の第3レバー25の中間部が収容されている。ドラム3の両側に形成された一対のフランジ26の内側の面には、相互に180度をなす位置に、半径方向に沿ってガイド溝26aが夫々形成され、第3レバー25の両側が遊嵌されている。一対のフランジ26のうちの一方の外側の面には、円周方向での前記ガイド溝26aと対応する位置にバネホルダ27が固着され、バネホルダ27には半径方向に沿ってフランジ26の中心方向へ向かう収容穴が形成されている。収容穴に圧縮コイルバネ(第3付勢手段)28が収容され、押圧部25aの中間部を半径方向での外側へ向かって付勢している。第3レバー25のうちの押圧部25aと結合される部分の近傍は、一方のフランジ26の外周面の近傍に半径方向へ形成された短いスリット26bを貫通するようにして配置されている。押圧部25aが半径方向での外側へ移動したことを検出するために、ステ−29を介してマイクロスイッチ(第3検出手段)30が設けられている。このホイスト装置6には図示しない吊り具が結合されている。
【0034】
次に、昇降装置の作用を説明する。実施の形態2については昇降装置を組み立てる際は、天井等のレールを走行する走行台車にベルトスリング4を介してホイスト装置6を吊り下げる必要がある。その場合は、まず、取り付け前のホイスト装置6のドラム3を回動させてベルトスリング4を引き出し、ベルトスリング4の端部を高い位置にある走行台車に引っ掛けて結合する。ベルトスリング4の端部を走行台車に結合した際には、ベルトスリング4はたるんでおり、ベルトスリング4のほとんどがドラム3から引き出された状態となるが、このときにベルトスリング4がたるんでいても、これ以降はドラム3にベルトスリング4を巻回するのであって引き出すことはないので、圧縮コイルバネ28の付勢力が作用していても第3レバー25は動作せず、第3レバー25が動作しないようにベルトスリング4を引っ張りながらベルトスリング4をドラム3に巻回する必要はない。
【0035】
ホイスト装置6を走行台車に吊り下げたら、ホイスト装置6をある程度の高さまで上昇させる。この状態で、ホイスト装置6の図示しない吊り具を介して被介護者を吊り、その後にベルトスリング4をドラム3に巻回していくと、ホイスト装置6と共に被介護者が上昇する。
【0036】
被介護者を上昇させる際に、上限を過ぎてもドラム3がベルトスリング4を巻回すると、実施の形態1で説明したように、図3(a)の縫合部4a等が一対の連結板14の間を通過できず、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して軸18を中心として反時計方向へ回動し、第1レバー19がマイクロスイッチ23を押し、ベルトスリング4の巻回が停止する。このため、ベルトスリング4の巻き過ぎとベルトスリング4の捩れ巻きが防止される。
【0037】
逆に、被介護者を下降させる際に被介護者が着床してからも下降動作を続けると、図6のように圧縮コイルバネ28の付勢力で第3レバー25の一方側がGだけ持ち上げられて、ドラム3に数回巻きついていたベルトスリング4が弛む。これにより、回転する押圧部25aが半径方向の外側へ移動してマイクロスイッチ30を押し、モータ1の回転が停止する。つまり、ベルトスリング4がたるみ始めてドラム3が2回転分ほどベルトスリング4を送り出してから停止する。実施の形態1では、ベルトスリング4がたるみを生じたら直ちに停止するので、この点が実施の形態1とは異なる。
【0038】
ホイスト装置6を走行台車に吊り下げる際には第3レバー25が動作しないようにし、被介護者が着床してからも下降動作を続けた際には第3レバー25が動作するように、ベルトスリング4の長さを設定する必要がある。
【0039】
なお、実施の形態1では第2レバーに第1レバーを取り付け、第1ガイド手段と第2ガイド手段とを兼用させたが、第2レバーと第1レバーとを別個に設け、第1ガイド手段と第2ガイド手段とを別個に設けることもできる。また、実施の形態1・2では昇降装置を介護リフトに適用した場合を示したが、介護リフトに限らず種々のものに適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1に係る昇降装置によれば、ホイスト装置を固定し、当該ホイスト装置は、回転可能なドラムに索条部材の一端を巻回し、当該索条部材の垂れ下がる他端に吊り具を結合して構成した昇降装置において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、前記第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を当該索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたので、ドラムへの索条部材の巻き過ぎや索条部材の捩れ巻きが防止される。
【0041】
請求項4に係る昇降装置によれば、索条部材の一端を結合し、当該索条部材の垂れ下がる他端をホイスト装置に結合し、当該ホイスト装置には回転可能なドラムが設けられると共に当該ドラムに前記索条部材の他端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合され、前記ドラムへの前記索条部材の巻き取り・巻き戻しによりホイスト装置が吊り具と共に昇降する方式の昇降装置において、前記ドラムとドラムに巻回した索条部材との間に第3レバーを介在させ、当該第3レバーを半径方向での外側へ付勢する第3付勢手段を設け、前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、前記第3付勢手段の作用によって半径方向での外側へ前記第3レバーが移動して押圧することになる第3検出手段を設けたので、被介護者が着床してからも下降動作を続けた際には第3レバーが動作してドラムの回転が停止し、しかもホイスト装置を天井等に設けたレール上の走行台車に吊り下げるために、索条部材の一端を走行台車に結合する際には、索条部材がたるんでいても第3レバーは動作せず、第3レバーが動作しないように索条部材を引っ張りながら索条部材をドラムに巻回するという操作をする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による昇降装置の実施の形態1の正面図。
【図2】本発明による昇降装置の実施の形態1の左側面図。
【図3】本発明による昇降装置の実施の形態1の作用説明図。
【図4】本発明による昇降装置の実施の形態2の正面図。
【図5】本発明による昇降装置の実施の形態2の右側面図。
【図6】本発明による昇降装置の実施の形態2の作用説明図。
【符号の説明】
1…モータ
3…ドラム
4…ベルトストリング
4a…縫合部
6…ホイスト装置
10…第2レバー
13,21…引っ張りコイルバネ
17,23,30…マイクロスイッチ
15…第1ガイド手段
19…第1レバー
25…第3レバー
28…圧縮コイルバネ
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降装置に関し、ドラムへのベルトスリングの巻き過ぎと、巻き戻し過ぎとの防止を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢者や障害者等の被介護者を建屋の中等で移動させるには昇降装置が用いられる。昇降装置は、天井等に設けられたレールと、当該レールに沿って走行する走行台車と、当該走行台車に結合されると共に吊り下げたベルトスリングを介して被介護者を昇降させるホイスト装置等によって構成されている。
【0003】
ホイスト装置はベルトスリングをドラムに巻回したり、巻き戻したりすることにより被介護者を昇降させるものであり、過剰な巻き戻しの防止を行なうための構成が採用されている。
【0004】
過剰な巻き戻しを防止するようにした従来の昇降装置としては、以下のものがある(例えば、特許文献1参照。)。これは、スプリングにより付勢される導入ガイドと補助ガイドとの間にベルトを通し、ベルトが弛んだときにはスプリングの付勢力で導入ガイドが補助ガイドへ向かって移動するので、ベルトの移動をリミットスイッチで検出することでベルトのたるみを検出し、過剰な巻き戻しを防止するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−340401号公報([0023]〜[0025]、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の発明はベルトの張りがなくなってたるんだことを検出してベルトの巻き戻しを中止することにより、ベルトが捩れたり絡んだりするのを防止するものであり、ベルトで吊り下げた被介護者が向きを変えた場合にはベルトに捩れが生じてしまい、ベルトにたるみが生じたわけではないのでベルトの巻き上げが中止されることなく実行され、ベルトが捩れた状態でドラムに巻回されてしまう。
【0007】
一方、上記のようにホイスト装置が走行台車に直接に結合されるのではなく、走行台車にベルトを介してホイスト装置が吊り下げられホイスト装置に吊り具が結合された昇降装置では、昇降装置の組立時にベルトの一端をホイスト装置から引き出して走行台車に引っ掛けた後に、ホイスト装置のドラムにベルトを巻回してホイスト装置を所定の高さまで上昇させることになるが、ベルトがたるんだ状態からベルトをドラムに巻回することになるので、ベルトがたるむと直ちにドラムの回転が停止する構成では都合が悪い。
【0008】
そこで本発明は、前記のような課題を解決した昇降装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る昇降装置の構成は、ホイスト装置を固定し、当該ホイスト装置は、回転可能なドラムに索条部材の一端を巻回し、当該索条部材の垂れ下がる他端に吊り具を結合して構成した昇降装置において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
このような昇降装置では、ドラムへの索条部材の巻取過剰時や索条部材が捩れて巻回されそうな時に、例えば巻取過剰時では索条部材の肉厚部が第1ガイド手段を通過できずに第1ガイド手段を押圧することになり、第1ガイド手段が第1付勢手段の付勢力に抗してドラムへ向かって回動させられ、これを第1検出手段が検出してドラムの回転を止める。このため、索条部材の巻取過剰や捩れて巻回されるのが防止される。
【0011】
請求項2に係る昇降装置の構成は、請求項1において、前記ホイスト装置における前記ドラムの下方に前記索条部材を案内する固定ガイド手段を設け、回動自在な第2レバーを設けると共に当該第2レバーの先端近傍に前記索条部材を案内する第2ガイド手段を設け、当該第2ガイド手段を前記ドラムの略真下へ向かって付勢する第2付勢手段を設け、前記索条部材にたるみが生じたり前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなったことにより、前記第2ガイド手段が前記ドラムの略真下へ向かって回動したことを検出する第2検出手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
このような昇降装置では、索条部材にたるみが生じたりドラムへの索条部材の巻回量が少なくなった場合に、第2付勢手段の作用により第2ガイド手段がドラムの略真下へ向かって回動し第2検出手段がこれを検出してドラムの回転を止める。このため、索条部材の過剰な巻き戻しが防止される。
【0013】
請求項3に係る昇降装置の構成は、請求項2において、前記第2レバーに前記第1レバーを取り付け、前記第1ガイド手段と前記第2ガイド手段とを兼用し、前記第1検出手段を前記第2レバーに取り付けたことを特徴とする。
【0014】
このような昇降装置では、ガイド手段を複数設ける必要がないので、部品点数が少なくてすむ。
【0015】
請求項4に係る昇降装置の構成は、索条部材の一端を結合し、当該索条部材の垂れ下がる他端をホイスト装置に結合し、当該ホイスト装置には回転可能なドラムが設けられると共に当該ドラムに前記索条部材の他端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合され、前記ドラムへの前記索条部材の巻き取り・巻き戻しによりホイスト装置が吊り具と共に昇降する方式の昇降装置において、前記ドラムとドラムに巻回した索条部材との間に第3レバーを介在させ、当該第3レバーを半径方向での外側へ付勢する第3付勢手段を設け、前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、前記第3付勢手段の作用によって半径方向での外側へ前記第3レバーが移動して押圧することになる第3検出手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
このような昇降装置では、ドラムへの索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、第3付勢手段の付勢力で第3レバーが半径方向での外側へ移動し、これを第3検出手段が検出してドラムの回転が止まる。索条部材にたるみが生じただけではドラムの回転は止まらないので、例えばホイスト装置を走行台車に取り付けるために、索条部材の一端を走行台車に結合する際には、索条部材にたるみが生じていてもドラムの回転が止まることはなく、人力により索条部材に張力を加えておく必要がない。
【0017】
請求項5に係る昇降装置の構成は、請求項4において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
このような昇降装置では、請求項1と同様であり、索条部材の巻取過剰や捩れてドラムに巻回されるのが防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による昇降装置を介護リフトに適用した場合の実施の形態を説明する。
【0020】
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1を図1に示す。
【0021】
この実施の形態は、レールに沿って走行する走行台車にホイスト装置を結合し、当該ホイスト装置に回動自在にドラムを設けると共に当該ドラムにモータを連動連結し、前記ドラムにベルトスリング(索条部材)の一端を巻回し、当該ベルトスリングの他端に吊り具を結合して構成した昇降装置を前提にしたものである。このため、ホイスト装置自体は高い位置に取り付けられて昇降せず、ベルトスリングは下方へ向かって繰り出される。
【0022】
図1,図2に、走行台車に取り付けられたホイスト装置を示す。モータ1の出力軸1aが減速機2の図示しない入力軸に連動連結され、減速機2の図示しない出力軸がドラム3に連動連結されている。このドラム3に一端が巻回されたベルトスリング4の他端には、図示しない吊り具が結合されている。5はブレーキである。
【0023】
ドラム3に一端が巻回されたベルトスリング4の他端がホイスト装置6の決まった位置から垂れ下がるように、固定ガイド手段7が設けられている。固定ガイド手段7の構成を以下に説明する。ホイスト装置6の下面には一対の軸受部材8が固定され、一対の軸受部材8に亘って水平方向へ並ぶ一対のローラ9が軸9aを介して夫々回転自在に設けられている。そして、この一対のローラ9の間に通した状態でベルトスリング4が垂れ下がっている。
【0024】
ベルトスリング4にたるみが生じたり、ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなったことを検出してモータ1の回転を停止させるための機構が設けられている。図2における軸9aの外側のものには、図1におけるローラ9の両端に第2レバー10の基端部が夫々回動自在に支持され、夫々の第2レバー10の先端部どうしを連結する連結部材11が設けられている。そして、連結部材11と、軸受部材8に結合されたバネ掛け12との間には、引っ張りコイルバネ(第2付勢手段)13が掛けられている。ベルトスリング4にたるみが生じたり、ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなった場合には、引っ張りコイルバネ13の作用で第2レバー10がドラム3の下方へ向かって回動する。この第2レバー10の回動を検出するために、軸受部材8にステ−16を介してマイクロスイッチ(第2検出手段)17が取り付けられている。
【0025】
このほか、ドラム3へのベルトスリング4の巻取り過ぎやベルトスリング4が捩れた状態で巻取られるのを防止するための機構が設けられている。一対の前記第2レバー10の上部には、軸18を中心として回動自在に第1レバー19・20が夫々設けられている。第1レバー19・20を連結するようにして一対の「く」の字形断面を有する連結板14が設けられ、第1ガイド手段15が構成されている。この第1ガイド手段15は、前記第2レバー10の先端に設けられてベルトスリング4を案内するための第2ガイド手段を兼用させるものであり、連結板14どうしの間にベルトスリング4を挿通させて隙間なく案内できるように構成されている。この第1ガイド手段15を一対のローラ9からなる固定ガイド手段7の上方に保持するために、引っ張りコイルバネ(第1付勢手段)21が設けられている。引っ張りコイルバネ21は、第1レバー19・20を連結する連結板22と、第2レバー10どうしを連結する連結板24との間に設けられている。そして、第1レバー19・20が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して回動したことを検出するために、回動した第1レバー19の先端が当接するマイクロスイッチ(第1検出手段)23が第2レバー10に取り付けられている。
【0026】
一方、ベルトスリング4の他端には図示しない吊り具が結合されており、図3(a)に示すようにベルトスリング4の他端近傍にはベルトスリング4の他端が重ね合わせて縫製されている。このため、ベルトスリング4自体の厚さよりも厚い縫合部(肉厚部)4aが形成されている。
【0027】
次に、昇降装置の作用を説明する。ドラム3を回転駆動することによりベルトスリング4をドラム3に巻回して巻き上げる際に、何らかの理由によりベルトスリング4を巻き上げ過ぎて縫合部4aが第1ガイド手段15にさしかかったり、あるいはベルトスリング4が捩れて第1ガイド手段15にさしかかったりした場合は、図3(a)に示すように縫合部4a等が一対の連結板14の間を通過できず、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して軸18を中心として反時計方向へ回動し、第1レバー19がマイクロスイッチ23を押す。すると、モータ1の回転が停止し、ベルトスリング4の巻上げが停止する。このため、ベルトスリング4の巻き上げ過ぎとベルトスリング4が捩れてドラム3に巻回されるのが未然に防止される。
【0028】
逆に、ベルトスリング4が巻き戻されベルトスリング4の他端に取り付けられた吊り具が着床してベルトスリング4がたるんだり、ベルトスリング4の大部分が繰り出されてベルトスリング4の巻き戻しが始まる位置がドラム3の軸心位置に近づいた場合は、図3(b)に示すように引っ張りコイルバネ13の作用により第2レバー10が反時計方向へ回動し、第2レバー10がマイクロスイッチ17を押す。このため、ドラム3の回転が停止する。
【0029】
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2を図4,図5に示す。
【0030】
この実施の形態は、レールに沿って走行する走行台車にベルトスリング(索条部材)を介してホイスト装置を吊り下げ、当該ホイスト装置にはモータを連動連結したドラムが設けられると共に当該ドラムに前記ベルトスリングの一端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合された構成の昇降装置を前提にしたものである。このため、ホイスト装置は吊り具と共に昇降し、ベルトスリングは上方へ向かって繰り出される。
【0031】
この場合は、図1のホイスト装置において、軸受部材8等をホイスト装置の下部から上部に付け替え、ベルトスリングにたるみが生じたり、ドラムへのベルトスリングの巻回量が少なくなったことを検出してモータの回転を停止させるための機構が実施の形態1で示した構成から一部変更されている。
【0032】
まず、図2における第2レバー10を付勢する引っ張りコイルバネ13とマイクロスイッチ17とが除去されている。第2レバー10自体も不要であるが、図2のように実施の形態1では軸受部材8に取り付ける第1レバー19を第2レバー10に取り付けているので、図5においても第2レバー10は除去することなく取り付けたままになっている。
【0033】
次に、追加した部品について詳細に説明する。ドラム3へのベルトスリング4の巻回量が少なくなってかつベルトスリング4にたるみが生じた場合にドラム3の回転が停止されるようにするため、図4に示すようにドラム3とベルトスリング4との間に第3レバー25が設けられる。第3レバー25は略J字形の形状であり、第3レバー25の一端には図5にも示すように略円弧形状の押圧部25aの中間部が一体に形成されている。ドラム3の外周面の相互に180度をなす位置には軸方向に沿って収容溝3aが夫々形成され、略J字形の第3レバー25の中間部が収容されている。ドラム3の両側に形成された一対のフランジ26の内側の面には、相互に180度をなす位置に、半径方向に沿ってガイド溝26aが夫々形成され、第3レバー25の両側が遊嵌されている。一対のフランジ26のうちの一方の外側の面には、円周方向での前記ガイド溝26aと対応する位置にバネホルダ27が固着され、バネホルダ27には半径方向に沿ってフランジ26の中心方向へ向かう収容穴が形成されている。収容穴に圧縮コイルバネ(第3付勢手段)28が収容され、押圧部25aの中間部を半径方向での外側へ向かって付勢している。第3レバー25のうちの押圧部25aと結合される部分の近傍は、一方のフランジ26の外周面の近傍に半径方向へ形成された短いスリット26bを貫通するようにして配置されている。押圧部25aが半径方向での外側へ移動したことを検出するために、ステ−29を介してマイクロスイッチ(第3検出手段)30が設けられている。このホイスト装置6には図示しない吊り具が結合されている。
【0034】
次に、昇降装置の作用を説明する。実施の形態2については昇降装置を組み立てる際は、天井等のレールを走行する走行台車にベルトスリング4を介してホイスト装置6を吊り下げる必要がある。その場合は、まず、取り付け前のホイスト装置6のドラム3を回動させてベルトスリング4を引き出し、ベルトスリング4の端部を高い位置にある走行台車に引っ掛けて結合する。ベルトスリング4の端部を走行台車に結合した際には、ベルトスリング4はたるんでおり、ベルトスリング4のほとんどがドラム3から引き出された状態となるが、このときにベルトスリング4がたるんでいても、これ以降はドラム3にベルトスリング4を巻回するのであって引き出すことはないので、圧縮コイルバネ28の付勢力が作用していても第3レバー25は動作せず、第3レバー25が動作しないようにベルトスリング4を引っ張りながらベルトスリング4をドラム3に巻回する必要はない。
【0035】
ホイスト装置6を走行台車に吊り下げたら、ホイスト装置6をある程度の高さまで上昇させる。この状態で、ホイスト装置6の図示しない吊り具を介して被介護者を吊り、その後にベルトスリング4をドラム3に巻回していくと、ホイスト装置6と共に被介護者が上昇する。
【0036】
被介護者を上昇させる際に、上限を過ぎてもドラム3がベルトスリング4を巻回すると、実施の形態1で説明したように、図3(a)の縫合部4a等が一対の連結板14の間を通過できず、第1レバー19が引っ張りコイルバネ21の付勢力に抗して軸18を中心として反時計方向へ回動し、第1レバー19がマイクロスイッチ23を押し、ベルトスリング4の巻回が停止する。このため、ベルトスリング4の巻き過ぎとベルトスリング4の捩れ巻きが防止される。
【0037】
逆に、被介護者を下降させる際に被介護者が着床してからも下降動作を続けると、図6のように圧縮コイルバネ28の付勢力で第3レバー25の一方側がGだけ持ち上げられて、ドラム3に数回巻きついていたベルトスリング4が弛む。これにより、回転する押圧部25aが半径方向の外側へ移動してマイクロスイッチ30を押し、モータ1の回転が停止する。つまり、ベルトスリング4がたるみ始めてドラム3が2回転分ほどベルトスリング4を送り出してから停止する。実施の形態1では、ベルトスリング4がたるみを生じたら直ちに停止するので、この点が実施の形態1とは異なる。
【0038】
ホイスト装置6を走行台車に吊り下げる際には第3レバー25が動作しないようにし、被介護者が着床してからも下降動作を続けた際には第3レバー25が動作するように、ベルトスリング4の長さを設定する必要がある。
【0039】
なお、実施の形態1では第2レバーに第1レバーを取り付け、第1ガイド手段と第2ガイド手段とを兼用させたが、第2レバーと第1レバーとを別個に設け、第1ガイド手段と第2ガイド手段とを別個に設けることもできる。また、実施の形態1・2では昇降装置を介護リフトに適用した場合を示したが、介護リフトに限らず種々のものに適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1に係る昇降装置によれば、ホイスト装置を固定し、当該ホイスト装置は、回転可能なドラムに索条部材の一端を巻回し、当該索条部材の垂れ下がる他端に吊り具を結合して構成した昇降装置において、前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、前記第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を当該索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたので、ドラムへの索条部材の巻き過ぎや索条部材の捩れ巻きが防止される。
【0041】
請求項4に係る昇降装置によれば、索条部材の一端を結合し、当該索条部材の垂れ下がる他端をホイスト装置に結合し、当該ホイスト装置には回転可能なドラムが設けられると共に当該ドラムに前記索条部材の他端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合され、前記ドラムへの前記索条部材の巻き取り・巻き戻しによりホイスト装置が吊り具と共に昇降する方式の昇降装置において、前記ドラムとドラムに巻回した索条部材との間に第3レバーを介在させ、当該第3レバーを半径方向での外側へ付勢する第3付勢手段を設け、前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、前記第3付勢手段の作用によって半径方向での外側へ前記第3レバーが移動して押圧することになる第3検出手段を設けたので、被介護者が着床してからも下降動作を続けた際には第3レバーが動作してドラムの回転が停止し、しかもホイスト装置を天井等に設けたレール上の走行台車に吊り下げるために、索条部材の一端を走行台車に結合する際には、索条部材がたるんでいても第3レバーは動作せず、第3レバーが動作しないように索条部材を引っ張りながら索条部材をドラムに巻回するという操作をする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による昇降装置の実施の形態1の正面図。
【図2】本発明による昇降装置の実施の形態1の左側面図。
【図3】本発明による昇降装置の実施の形態1の作用説明図。
【図4】本発明による昇降装置の実施の形態2の正面図。
【図5】本発明による昇降装置の実施の形態2の右側面図。
【図6】本発明による昇降装置の実施の形態2の作用説明図。
【符号の説明】
1…モータ
3…ドラム
4…ベルトストリング
4a…縫合部
6…ホイスト装置
10…第2レバー
13,21…引っ張りコイルバネ
17,23,30…マイクロスイッチ
15…第1ガイド手段
19…第1レバー
25…第3レバー
28…圧縮コイルバネ
Claims (5)
- ホイスト装置を固定し、当該ホイスト装置は、回転可能なドラムに索条部材の一端を巻回し、当該索条部材の垂れ下がる他端に吊り具を結合して構成した昇降装置において、
前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする昇降装置。 - 前記ホイスト装置における前記ドラムの下方に前記索条部材を案内する固定ガイド手段を設け、回動自在な第2レバーを設けると共に当該第2レバーの先端近傍に前記索条部材を案内する第2ガイド手段を設け、当該第2ガイド手段を前記ドラムの略真下へ向かって付勢する第2付勢手段を設け、前記索条部材にたるみが生じたり前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなったことにより、前記第2ガイド手段が前記ドラムの略真下へ向かって回動したことを検出する第2検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
- 前記第2レバーに前記第1レバーを取り付け、前記第1ガイド手段と前記第2ガイド手段とを兼用し、前記第1検出手段を前記第2レバーに取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の昇降装置。
- 索条部材の一端を結合し、当該索条部材の垂れ下がる他端をホイスト装置に結合し、当該ホイスト装置には回転可能なドラムが設けられると共に当該ドラムに前記索条部材の他端が巻回されており、ホイスト装置には吊り具が結合され、前記ドラムへの前記索条部材の巻き取り・巻き戻しによりホイスト装置が吊り具と共に昇降する方式の昇降装置において、
前記ドラムとドラムに巻回した索条部材との間に第3レバーを介在させ、当該第3レバーを半径方向での外側へ付勢する第3付勢手段を設け、前記ドラムへの前記索条部材の巻回量が少なくなってかつ前記索条部材にたるみが生じた場合に、前記第3付勢手段の作用によって半径方向での外側へ前記第3レバーが移動して押圧することになる第3検出手段を設けたことを特徴とする昇降装置。 - 前記ホイスト装置に回動自在な第1レバーを設けると共に当該第1レバーの先端近傍に前記索条部材を挿通させて隙間なく案内する第1ガイド手段を設ける一方、当該第1ガイド手段内での索条部材の通過を妨げる肉厚部を索条部材の他端近傍に形成し、回動自在な前記第1ガイド手段を所定の位置に保持する第1付勢手段を設け、巻取過剰時に前記肉厚部が前記第1ガイド手段を押圧することにより、前記第1ガイド手段が前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記ドラムへ向かって回動させられたことを検出する第1検出手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の昇降装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008125532A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Toyota Auto Body Co Ltd | 車両の電動牽引装置 |
JP2012065838A (ja) * | 2010-09-23 | 2012-04-05 | Hi-Lex Corporation | 車椅子用ウインチ装置 |
CN102701098A (zh) * | 2012-05-07 | 2012-10-03 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种卷扬机安全监测装置 |
WO2013081523A1 (en) * | 2011-12-02 | 2013-06-06 | Handicare Ab | Guiding control device for belt hoist |
-
2003
- 2003-05-08 JP JP2003129674A patent/JP2004331321A/ja active Pending
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