JPH0830966A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0830966A
JPH0830966A JP16103994A JP16103994A JPH0830966A JP H0830966 A JPH0830966 A JP H0830966A JP 16103994 A JP16103994 A JP 16103994A JP 16103994 A JP16103994 A JP 16103994A JP H0830966 A JPH0830966 A JP H0830966A
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vacuum
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JP16103994A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
修 吉田
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Shigemi Wakabayashi
繁美 若林
Akira Shiga
章 志賀
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が適度に粗いバックコート膜を有する磁
気記録媒体を提供することを目的とする。 【構成】 真空雰囲気下において支持体の一面側に非磁
性金属膜を設けるバックコート成膜工程と、このバック
コート成膜工程で設けられた非磁性金属膜を陽極酸化処
理により粗面化する粗面化工程と、真空雰囲気下におい
て支持体の他面側に磁性金属膜を設ける磁性金属成膜工
程とを具備する磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄膜型の磁気記録
媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】磁気テープ等の磁気記録媒体には、非磁
性支持体であるフィルム上に磁性粉やバインダを溶剤中
に分散させた磁性塗料を塗布してなる塗布型のものと、
バインダを用いず、磁性金属粒子をフィルム上に堆積さ
せてなる金属薄膜型のものとがある。
【0003】これらの中、金属薄膜型の磁気記録媒体
は、磁性層にバインダを含まないことから、磁性材料の
充填密度が高く、高密度記録に適したものであると言わ
れている。ところで、現在発売又は開発されている金属
薄膜型の磁気記録媒体は、図3に示される構成のものと
なっている。図3中、31は厚さが2〜50μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム、32は、
例えば真空蒸着法を用いて構成された厚さが1500Å
のCo−Ni(80%−20%)合金磁性膜、33は潤
滑層、34はバックコート層である。尚、このバックコ
ート層34は、粒径が10〜100nmのカーボンブラ
ックとバインダ樹脂とを塗料中に分散させ、グラビア
法、リバース法又はダイ塗工方式で、乾燥後の厚さが
0.5〜1μmになるよう塗布することによって構成さ
れたものである。
【0004】ここで、バックコート層の役割は次のよう
な点にある。 (1)導電性を持たせることにより、帯電防止を図り、
ゴミの付着を防止する。 (2)表面性(摩擦係数)を改善して、走行安定性を得
る。 (3)表の磁性層と裏とのバランスとを図り、反りの発
生を防止する。 このように、金属薄膜型の磁気記録媒体であっても、バ
ックコート層は依然として塗布型となっている。
【0005】ところで、バックコート層を先に塗布して
から磁性層を真空蒸着すると、真空系においてバックコ
ート層からの脱ガス(バインダの溶剤から発生)が生
じ、真空度が低下し、蒸着がうまくいかず、磁性膜が良
好に形成できず、高性能な磁気記録媒体が得られない。
この為、真空中で磁性膜を形成した後、大気中に取り出
し、バックコート層を塗布している。
【0006】しかしながら、この方法は、バックコート
層を塗布する工程で、磁性層が汚れたり、ゴミが付着
し、ドロップアウトが増加するといった問題点がある。
又、カーボンブラックの導電性は良好であるが、バイン
ダ量が多い為、導電性が低下してしまい、帯電防止効果
が低いといった問題点もある。
【0007】
【発明の開示】前記のような点に鑑みて、バックコート
層を金属薄膜型の磁性層と同様に金属薄膜で構成しよう
とすることが試みられた。しかしながら、真空蒸着法な
どの乾式メッキ手段により構成される金属薄膜は (1)導電性を持たせることにより、帯電防止を図り、
ゴミの付着を防止する。 (3)表の磁性層と裏とのバランスとを図り、反りの発
生を防止する。の特長を奏することが出来るものの、 (2)表面性(摩擦係数)を改善して、走行安定性を得
る。の特長は却って悪くなり、決して満足できるもので
はない。
【0008】例えば、金属薄膜型のバックコート層の表
面粗さRaは1〜4nm、Rzは10〜50nmであ
り、摩擦係数が0.5にもなり、走行性が極めて悪いの
である。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので
あり、表面が適度に粗いバックコート膜を有する磁気記
録媒体を提供することを目的とする。
【0009】この本発明の目的は、真空雰囲気下におい
て支持体の一面側に非磁性金属膜を設けるバックコート
成膜工程と、このバックコート成膜工程で設けられた非
磁性金属膜を陽極酸化処理により粗面化する粗面化工程
と、真空雰囲気下において支持体の他面側に磁性金属膜
を設ける磁性金属成膜工程とを具備することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法によって達成される。
【0010】本発明の磁気記録媒体における支持体は、
PET等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リスルフォン、ポリカーボネート、ポリプロピレン等の
オレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂、塩化ビニル
系の樹脂といった高分子材料、ガラスやセラミック等の
無機系材料が用いられる。このような非磁性の支持体の
一面側には、真空雰囲気下においてバックコート膜(金
属薄膜)が設けられる。このバックコート膜は、本発明
にあっては、例えば蒸着手段やスパッタ手段といった乾
式メッキ手段によって構成された金属薄膜である。バッ
クコート膜を構成する金属粒子の材料としては、例えば
Al,Zn,Sn,Ni,Ag,Fe,Tiなどの金属
が用いられる。又、Cu−Al−X(但し、XはMn,
Fe,Niの群の中から選ばれる一つ、若しくは二つ以
上)系合金、Al−Si系合金、Ti合金等が用いられ
る。尚、Cu−Al−X(但し、XはMn,Fe,Ni
の群の中から選ばれる一つ、若しくは二つ以上)系合金
におけるCu含有量は70〜90at%、Al含有量は
8〜25at%、Mn含有量が0.5〜4at%で、F
e含有量が0.4〜5at%で、Ni含有量が0.4〜
4at%であり、Mn,Fe,Niの総含有量が1〜6
at%であることが好ましい。又、Al−Si系合金に
おけるAl含有量は15〜70at%、Si含有量が1
5〜70at%であることが好ましい。このバックコー
ト膜の成膜時にはO元素、N元素あるいはC元素などの
成分を有する反応性ガスなどが供されていて、金属薄膜
は酸化物、窒化物あるいは炭化物に一部が変成される。
【0011】支持体の他面側には、蒸着手段やスパッタ
手段といった乾式メッキ手段によって真空雰囲気下にお
いて金属薄膜型の磁性膜が設けられる。金属磁性膜を構
成する磁性粒子の材料としては、例えばFe,Co,N
i等の金属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、
Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合
金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co
−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合金、あるいはこれ
らにAl等の金属を含有させたもの等が用いられる。
尚、金属磁性膜の成膜時には酸化性ガスなどが供されて
いて、金属磁性膜の表面層には酸化膜からなる保護層が
形成されることが好ましい。
【0012】支持体の一面側の非磁性金属膜(バックコ
ート膜)、支持体の他面側の磁性金属膜はどちらが先に
設けられても良いが、陽極酸化処理の工程を考慮する
と、バックコート膜を成膜し、そして陽極酸化処理が終
わった後、磁性金属膜が成膜されるようにすることが好
ましい。陽極酸化処理は次のようにして行われる。
【0013】陽極酸化処理には硫酸、塩酸、硝酸、リン
酸、フッ酸、過塩素酸などの無機酸、あるいは蓚酸、蟻
酸などの有機酸、又はこれらの塩の水溶液が用いられ
る。又、直流、単相交流や3相交流などの交流、矩形
波、三角波などのパルス波、単相半波、2相半波、3相
半波、6相半波、単相全波、3相全波などの特殊波形が
用いられる。これらの波形を組み合わせて用いてもよ
い。
【0014】陽極酸化処理時の電流密度に関しては、1
〜200mA/cm2 程度のものが用いられる。電圧は
1〜100V程度である。尚、電流や電圧は、処理時、
常に一定であるように設定していても良く、あるいは第
1段階では低い電圧で、第2段階では高い電圧でといっ
たように変化させるようにしても良い。処理時間に関し
ては、1秒〜1時間程度である。尚、時間が短すぎる
と、所望の表面粗さのものが得られ難く、逆に、長すぎ
る場合にも、所望の表面粗さのものが得られ難くい傾向
がある。
【0015】処理時の温度は1〜100℃であれば良
い。尚、一般的には室温付近で良いが、電解液の種類に
より適宜選択すれば良い。そして、本発明では、上記の
ような処理条件の下で陽極酸化処理が行われる。尚、こ
の後、封孔処理は行わない。陽極酸化処理の好ましい条
件としては、電流密度が20〜70mA/cm2 、電圧
が15〜70V、処理時間が1〜20分、処理時の温度
が20〜40℃である。
【0016】本発明において、陽極酸化処理によって粗
面化を行ったのは、次の理由による。すなわち、一般的
な粗面化手段としては数々の手法がある。例えば、2
0〜80nmの粒子をバインダ中に分散させた塗料を塗
布し、その上にバックコート用の粒子を蒸着させたり、
バックコート用の粒子を蒸着した後、研磨する等の手
法が知られている。
【0017】しかしながら、これらの数有る粗面化手段
の中でも、磁気記録媒体のバックコート膜の粗面化手段
としては上記のような手段を採用することは出来なかっ
た。つまり、上記のような粗面化手法を磁気記録媒体
のバックコート膜の粗面化に採用した場合には、バイン
ダ中に含まれるガスが蒸着時に脱ガスし、蒸着自体が上
手く行えなかったり、又、上記のような粗面化手法を
磁気記録媒体のバックコート膜の粗面化に採用した場合
には、膜が欠落する欠陥をもたらし、到底に採用できる
ものではなかった。
【0018】そして、残された粗面化手段の中でも、陽
極酸化処理による粗面化は、凸を形成することによる粗
面化ではなく、凹を形成することによる粗面化である
為、テープ走行性が良くなり、ヘッドとの当たりが良
く、従って磁気記録媒体のバックコート膜を粗面化する
手段として陽極酸化処理による粗面化手段が好ましいも
のであった。
【0019】そして、上記のようにして得られた磁気記
録媒体は、そのバックコート膜表面が比較的粗いものと
なり、平滑過ぎるものではないことから、走行に際して
貼り付くと言った現象が起き難く、つまり摩擦係数が適
度なものとなり、走行性が良好で、記録・再生特性に優
れたものが得られる。すなわち、上記のように構成され
た金属薄膜は、その表面粗さRa(中心線平均粗さ)が
5〜40nm、特に10〜25nm、Rz(十点平均粗
さ)が80〜640nm、特に150〜250nmのも
のとなり、摩擦係数が0.1〜0.3程度のものとなっ
て、走行性が優れたものである。又、導電性も有り、帯
電防止が図れ、ゴミの付着が防止される。又、表の磁性
層と裏とのバランスとが図れ、ヘッドタッチも良いもの
となる。
【0020】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説
明する。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕図1は本発明になる磁気記録媒体の製造方
法が実施される装置の概略図、図2は得られた磁気記録
媒体の概略図である。各図中、1aは非磁性金属膜(バ
ックコート膜)形成用の真空室、1bはバックコート膜
に対する陽極酸化が行われる処理室である。
【0022】2は真空室1a内に配設された冷却キャン
ロール、3は防着板、4はルツボ、5は非磁性金属(A
l系金属材料)、6は酸素ガス吐出用のノズルである。
7aは真空室1a内に配設された供給側ロール、7bは
陽極酸化処理室1b内に配設された巻取側ロールであ
り、供給側ロール7aに巻回されている10μm厚さの
非磁性支持体(PETフィルム)8が冷却キャンロール
2に沿って巻かれ、そしてガイドローラに添接案内さ
れ、連絡通路を通って陽極酸化処理室1b側に案内さ
れ、陽極酸化処理室1b内に配設されたドラム9に沿っ
て走行し、巻取側ロール7bに巻き取られて行くように
なっている。
【0023】10はドラム9の位置において設けられた
浴槽であり、陽極酸化処理液(例えば、3wt%の蓚
酸)が入れられている。11はロール状の電極である。
上記のように構成させた装置において、真空室1a内を
10-4〜10-6Torr程度、例えば2×10-5Tor
rの真空度に排気した後、抵抗加熱、高周波加熱、電子
ビーム加熱などによりルツボ4内のAl系金属材料5を
蒸発させ、PETフィルム8に対して700Å厚さのバ
ックコート膜12を形成する。
【0024】このようにしてバックコート膜12が形成
された後、陽極酸化処理が行われる。陽極酸化処理は、
電圧40V、電流は30mA/cm2 、常温下の条件で
行われた。又、PETフィルム8の走行速度は2m/s
である。上記のようにしてバックコート膜が構成された
PETフィルム8を斜め蒸着装置に装填し、磁性材料
(Co−Ni(80−20))をPETフィルム8の他
面側に1500Å厚さ蒸着させ、磁性膜13を設けた。
【0025】この後、フッ素系の潤滑剤パーフルオロポ
リエーテル(モンテカチーニ社のZDOL )をフッ素
不活性液体(フロリナート、FC−84、住友スリーエ
ム社製)に0.1%となるよう希釈・分散させた塗料を
ダイ塗工方式により乾燥後の厚さが20Å程度となるよ
うに塗布し、70℃で乾燥させ、8mm幅にスリット
し、磁気テープを得た。
【0026】〔実施例2〕実施例1において、陽極酸化
処理の条件を電圧50V、電流40mA/cm2とし、
その他は同様に行った。 〔比較例1〕実施例1において、Al蒸着時に酸素を5
0sccm導入しながら行い、陽極酸化処理を省略した
他は同様に行った。
【0027】〔比較例2〕比較例1において、中目60
0番の研磨テープでバックコート膜表面を研磨した。 〔特性〕上記のようにして得られた8mmVTR用磁気
テープについて、表面粗さRa,Rz、20℃、50%
RHの雰囲気下で摩擦係数並びにジッターメーターを用
いてジッターを調べたので、その結果を表−1に示す。
【0028】 表−1 Ra Rz 摩擦係数 ジッター 実施例1 17nm 160nm 0.30 43ns 実施例2 23nm 210nm 0.20 41ns 比較例1 2nm 50nm 0.53 57ns 比較例2 47nm 730nm 0.42 52ns
【0029】
【効果】本発明によれば、表面粗さが大きく、摩擦係数
が小さく、走行性が良い磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる磁気記録媒体の製造装置の概略図
【図2】本発明になる磁気記録媒体の概略図
【図3】従来の磁気記録媒体の概略図
【符号の説明】
1a 真空室 1b 陽極酸化処理室 2 冷却キャンロール 7a 供給側ロール 7b 巻取側ロール 8 PETフィルム 9 ドラム 10 浴槽 11 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 繁美 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内 (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気下において支持体の一面側に
    非磁性金属膜を設けるバックコート成膜工程と、このバ
    ックコート成膜工程で設けられた非磁性金属膜を陽極酸
    化処理により粗面化する粗面化工程と、真空雰囲気下に
    おいて支持体の他面側に磁性金属膜を設ける磁性金属成
    膜工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
JP16103994A 1994-07-13 1994-07-13 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH0830966A (ja)

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