JPH08308182A - 小型電動機用整流子及びその製造方法 - Google Patents

小型電動機用整流子及びその製造方法

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JPH08308182A
JPH08308182A JP11058695A JP11058695A JPH08308182A JP H08308182 A JPH08308182 A JP H08308182A JP 11058695 A JP11058695 A JP 11058695A JP 11058695 A JP11058695 A JP 11058695A JP H08308182 A JPH08308182 A JP H08308182A
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JP
Japan
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commutator
resin
rough surface
forming
segment
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JP11058695A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sugiyama
賢一 杉山
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SUGIYAMA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
SUGIYAMA SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型電動機用整流子における各整流子片に樹
脂との結合力を向上するための粗面を形成した整流子お
よびその製造方法を提供することである。 【構成】 上記目的を達成するために、小型電動機用整
流子において、当該整流子における各整流子片5の内面
に樹脂1との結合保持力を向上するための粗面9を形成
してなるものである。そして、その製造方法は、帯状又
は短冊状の素材21の一側面に粗面9を形成する(a) 工
程と、素材21の一側縁にライザー部3を形成する(b)
工程と、素材21の一側面を内側にして円筒形状に形成
する(c) 工程と、円筒形状部分23の内側に爪部7を形
成する(d) 工程と、円筒形状部分23の内側に樹脂1を
充填する(e) 工程と、各ライザー部3に対応して円筒形
状部分23にスリットSを形成して各整流子片5に分割
する(f) 工程と、を有する小型電動機用整流子の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型電動機用整流子及び
その製造方法に係り、さらに詳細には、小型電動機用整
流子における各整流子片に樹脂との結合力を向上するた
めの粗面を形成した整流子およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の整流子は、図7に示すように、円
筒形状の樹脂1の周囲にライザー部3を備えた複数の整
流子片5を取り付けた構成である。上記樹脂1と上記ラ
イザー部3との結合を確実なものとするために、前記整
流子片5の両端部付近の内側には爪部(アンカー)7が
適宜に形成してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとき従来の構
成においては、整流子片5と樹脂1との結合は爪部7に
おいてのみ行う構成であるから、前記整流子片5の長手
方向の中央部分(上記爪部7と爪部7との間)において
は整流子片5と樹脂1との結合力が弱く、整流子片5と
樹脂1との間に間隙が生じたり、高速回転時には樹脂1
の部分から整流子片5が僅かに浮き上がる現象が生じる
ことがある。
【0004】この様に整流子片5と樹脂1との間に間隙
が生じたり、高速回転時に樹脂1の部分から整流子片5
が僅かに浮き上がる現象が生じると、モーターにおける
ブラシの追従性の悪化や火花発生現象の増大、騒音の発
生、さらには起動不能等を生ずることがあり、望ましい
ものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のごとき
従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の
発明は、小型電動機用整流子において、当該整流子にお
ける各整流子片の内面に樹脂との結合保持力を向上する
ための粗面を形成してなるものである。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、粗面は微小な凹部又は凸部を形成した
構成又はローレット加工を施した構成あるいは逆テーパ
ー状の突起又は適宜形状の突起部を形成した構成であ
る。
【0007】請求項3に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、帯状又は短冊状の素材の一側面
の必要領域に粗面を形成する(a) 工程と、素材の一側縁
にライザー部を形成する(b) 工程と、素材の一側面を内
側にして円筒形状に形成する(c) 工程と、円筒形状部分
の内側に爪部を形成する(d) 工程と、円筒形状部分の内
側に樹脂を充填する(e) 工程と、各ライザー部に対応し
て円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に分割
する(f) 工程と、を有する小型電動機用整流子の製造方
法である。
【0008】請求項4に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、複数の爪部及びライザー部を備
えたセグメントを素材から打抜く(a) 工程と、上記セグ
メントの胴部に相当する部分の一側面に粗面を形成する
(b) 工程と、複数の爪部を粗面に形成した一側面側へ屈
曲し、かつ上記粗面を内側にしてセグメントを円筒形状
に形成する(c) 工程と、円筒形状に形成したセグメント
内に樹脂をモールドする(d) 工程と、各ライザー部に対
応して円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に
分割する(e) 工程と、よりなる小型電動機用整流子の製
造方法である。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明は、小型電動機用整流子
において、当該整流子における各整流子片の内面に樹脂
との結合保持力を向上するための粗面を形成してなるも
のであるから、樹脂と各整流子片との結合が粗面におい
ても行われることとなる。
【0010】すなわち、樹脂と各整流子片との結合は、
各整流子片の全面において行われることとなり、樹脂と
各整流子片との結合力がより向上するものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、粗面は微小な凹部又は凸部を形成した
構成又はローレット加工を施した構成あるいは逆テーパ
ー状の突起又は適宜形状の突起部を形成した構成である
ので、樹脂と各整流子片との結合面の面積がより大きな
ものとなり、樹脂と各整流子片との結合力がより向上す
るものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、帯状又は短冊状の素材の一側面
の必要領域に粗面を形成する(a) 工程と、素材の一側縁
にライザー部を形成する(b) 工程と、素材の一側面を内
側にして円筒形状に形成する(c) 工程と、円筒形状部分
の内側に爪部を形成する(d) 工程と、円筒形状部分の内
側に樹脂を充填する(e) 工程と、各ライザー部に対応し
て円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に分割
する(f) 工程と、を有する小型電動機用整流子の製造方
法であるから、樹脂のモールド時には、当該樹脂と素材
は前記爪部および粗面において結合することとなり、ス
リットを形成して各整流子片に分割した場合であって
も、樹脂と各整流子片との結合が確実に保持されるもの
である。
【0013】請求項4に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、複数の爪部及びライザー部を備
えたセグメントを素材から打抜く(a) 工程と、上記セグ
メントの胴部に相当する部分の一側面に粗面を形成する
(b) 工程と、複数の爪部を粗面に形成した一側面側へ屈
曲し、かつ上記粗面を内側にしてセグメントを円筒形状
に形成する(c) 工程と、円筒形状に形成したセグメント
内に樹脂をモールドする(d) 工程と、各ライザー部に対
応して円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に
分割する(e) 工程と、よりなる小型電動機用整流子の製
造方法であるから、樹脂のモールド時には、当該樹脂と
素材は前記爪部および粗面において結合することとな
り、スリットを形成して各整流子片に分割した場合であ
っても、樹脂と各整流子片との結合が確実に保持される
ものである。
【0014】
【実施例】図1〜図4を参照するに、本実施例に係る整
流子としての全体的構成は図7に示した従来の構成と同
様であるので、整流子の全体的構成についての説明は省
略する。なお、従来の構成と同一の機能を奏する構成部
分には同一の符号を付することとする。
【0015】さて、図1を参照するに、本実施例に係る
整流子の整流子片5は、従来の整流子片と同様に、一端
側にはライザー部3を備えており、当該整流子片5の両
端部付近の内側には爪部7が適宜に形成してある。さら
に、整流子片5の内面には粗面9が形成してある。上記
粗面9として、本実施例においては、拡大断面として
(c) に示すように、適宜形状の微小な凹部11および凸
部13が形成してある。
【0016】図2は、粗面9として、整流子片5の内面
に予めローレット加工を行うことにより、拡大断面とし
て(c) に示すように、凹部11および凸部13を形成し
た構成である。
【0017】図3は、粗面9として、整流子片5の内面
に逆テーパー状の突起15を形成した構成であり、図4
は、粗面9として、整流子片5の内面に、先端部に拡大
部を備えた適宜形状の突起部17を形成した構成であ
る。
【0018】前記粗面9の構成としては、凹部のみ、又
は凸部のみを形成した構成でもよく、また適宜形状の溝
あるいは突条を形成しても良いものである。
【0019】さて、整流子の製造にあたっては、図5に
示すように、先ず帯状又は短冊状の素材21の一側面の
必要な範囲(全面でもよい)に、例えばローレット等の
ごとき粗面9の加工を行う。次に、上記素材21の一側
縁にライザー部3を形成する。
【0020】次に、上記粗面9が内側となるように上記
素材21を円筒形状に形成する。なお、上記素材21を
円筒形状に形成するに際しては、整流子の径に対応して
予め適宜長さに切断することは勿論である。
【0021】上述のごとく素材21を円筒形状に形成し
た後、前記ライザー部3に対応して円筒形状部分23の
内側に爪部7を形成する。その後、円筒形状に形成した
素材21を適宜の治具にセットし、円筒形状部分23の
内側に樹脂を充填する。そして、各ライザー部3に対応
して円筒形状部分23にスリットS(図7参照)を形成
して各整流子片5に分割するものである。
【0022】図6は、製造方法の第2実施例を示すもの
である。この実施例においては、複数の爪部7及びライ
ザー部3を備えたセグメント25を素材21から次々打
抜き、このセグメント25の胴部25Bに粗面9を形成
するものである。
【0023】なお、上記セグメント25の胴部25Bに
粗面9を形成するには、素材21の一側面に予めローレ
ット加工等を行っても良いものである。この場合、素材
21の一側面の全面にローレット加工等を行っても良
く、また、セグメント25の胴部25Bに相当する部分
のみに予めローレット加工等を行っても良いものであ
る。
【0024】さらには、前述のごとく素材21からセグ
メント25を打抜き加工する際に、同時に粗面9の加工
を行っても良いものである。この場合、打抜き金型に粗
面9を形成するための粗面を形成しておくことにより可
能である。
【0025】また、前述のごとく素材21からセグメン
ト25を打抜いた後に、当該セグメント25を別工程に
移送して粗面の加工を行っても良いものである。
【0026】すなわち、セグメント25の胴部25Bに
粗面9を加工する時期は、素材21からセグメント25
を打抜く前、打抜き時、打抜き後のいずれでも良いもの
である。
【0027】前述のごとく、セグメント25の胴部25
Bに粗面9を形成した後、必要な爪部7を粗面9を形成
した一側面側へ屈曲した後、前記粗面9が内面になるよ
うにセグメント25を円筒形状に形成する。次に、残り
の爪部7を内側へ屈曲する。なお、爪部7を屈曲する時
期は、加工の難易に対応して、セグメント25を円筒形
状に形成する前あるいは円筒形状に形成した後でも良い
ものである。要は、樹脂をモールドする前であれば良い
ものである。
【0028】前述のごとくセグメント25を円筒形状に
形成した後に、内側へ樹脂1を充填し、その後に、各ラ
イザー部3に対応してスリットSを形成して各整流子片
5に分割するものである。
【0029】以上のごとく、本実施例においては、整流
子における各整流子片5の内面に樹脂との結合保持力を
向上するための粗面9を形成してなるものであるから、
樹脂と各整流子片5との結合が粗面9においても行わ
れ、樹脂と各整流子片5との結合力が向上するものであ
る。
【0030】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、請求項1に記載の発明は、小型電動機用整流
子において、当該整流子における各整流子片の内面に樹
脂との結合保持力を向上するための粗面を形成してなる
ものであるから、樹脂と各整流子片との結合が粗面にお
いても行われることとなる。すなはち、樹脂と各整流子
片との結合は、各整流子片の全面において行われること
となり、樹脂と各整流子片との結合力が向上するもので
ある。よって、樹脂と整流子片との間に間隙を生じたり
するようなことがないものである。
【0031】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、粗面は微小な凹部又は凸部を形成した
構成又はローレット加工を施した構成あるいは逆テーパ
ー状の突起又は適宜形状の突起部を形成した構成である
ので、樹脂と各整流子片との結合面の面積がより大きな
ものとなり、樹脂と各整流子片との結合力が向上するも
のである。
【0032】請求項3に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、帯状又は短冊状の素材の一側面
の必要領域に粗面を形成する(a) 工程と、素材の一側縁
にライザー部を形成する(b) 工程と、素材の一側面を内
側にして円筒形状に形成する(c) 工程と、円筒形状部分
の内側に爪部を形成する(d) 工程と、円筒形状部分の内
側に樹脂を充填する(e) 工程と、各ライザー部に対応し
て円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に分割
する(f) 工程と、を有する小型電動機用整流子の製造方
法であるから、樹脂のモールド時には、当該樹脂と素材
は前記爪部および粗面において結合することとなり、ス
リットを形成して各整流子片に分割した場合であって
も、樹脂と各整流子片との結合が確実に保持されるもの
である。
【0033】請求項4に記載の発明は、小型電動機用整
流子の製造方法にして、複数の爪部及びライザー部を備
えたセグメントを素材から打抜く(a) 工程と、上記セグ
メントの胴部に相当する部分の一側面に粗面を形成する
(b) 工程と、複数の爪部を粗面に形成した一側面側へ屈
曲し、かつ上記粗面を内側にしてセグメントを円筒形状
に形成する(c) 工程と、円筒形状に形成したセグメント
内に樹脂をモールドする(d) 工程と、各ライザー部に対
応して円筒形状部分にスリットを形成して各整流子片に
分割する(e) 工程と、よりなる小型電動機用整流子の製
造方法であるから、樹脂のモールド時には、当該樹脂と
素材は前記爪部および粗面において結合することとな
り、スリットを形成して各整流子片に分割した場合であ
っても、樹脂と各整流子片との結合が確実に保持される
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る整流子片の説明図で
ある。
【図2】本発明の第2実施例に係る整流子片の説明図で
ある。
【図3】本発明の第3実施例に係る整流子片の説明図で
ある。
【図4】本発明の第4実施例に係る整流子片の説明図で
ある。
【図5】本発明に係る小型電動機用整流子の製造方法の
第1実施例の概略的な説明図である。
【図6】本発明に係る小型電動機用整流子の製造方法の
第2実施例の概略的な説明図である。
【図7】従来の整流子の説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂 3 ライザー部 5 整流子片 7 爪部 9 粗面 11 凹部 13 凸部 15 テーパー部 17 突出部 21 素材 25 セグメント

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小型電動機用整流子において、当該整流
    子における各整流子片の内面に樹脂との結合保持力を向
    上するための粗面を形成してなることを特徴とする小型
    電動機用整流子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明にして、粗面は微
    小な凹部又は凸部を形成した構成又はローレット加工を
    施した構成あるいは逆テーパー状の突起又は適宜形状の
    突起部を形成した構成であることを特徴とする小型電動
    機用整流子。
  3. 【請求項3】 小型電動機用整流子の製造方法にして、
    次の各工程よりなることを特徴とする製造方法、(a) 帯
    状又は短冊状の素材の一側面の必要領域に粗面を形成す
    る工程、(b) 素材の一側縁にライザー部を形成する工
    程、(c) 素材の一側面を内側にして円筒形状に形成する
    工程、(d) 円筒形状部分の内側に爪部を形成する工程、
    (e) 円筒形状部分の内側に樹脂を充填する工程、(f) 各
    ライザー部に対応して円筒形状部分にスリットを形成し
    て各整流子片に分割する工程。
  4. 【請求項4】 小型電動機用整流子の製造方法にして、
    次の各工程よりなることを特徴とする製造方法、(a) 複
    数の爪部及びライザー部を備えたセグメントを素材から
    打抜く工程、(b) 上記セグメントの胴部に相当する部分
    の一側面に粗面を形成する工程、(c) 複数の爪部を粗面
    に形成した一側面側へ屈曲し、かつ上記粗面を内側にし
    てセグメントを円筒形状に形成する工程、(d) 円筒形状
    に形成したセグメント内に樹脂をモールドする工程、
    (e) 各ライザー部に対応して円筒形状部分にスリットを
    形成して各整流子片に分割する工程。
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