JP3934264B2 - 整流子及びその整流子を備えたモータ、整流子片、並びに整流子の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流子及びその整流子を備えたモータ、整流子片、並びに整流子の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流モータが備える整流子は、電機子の回転速度及び使用環境などによって、組立式とモールド式との2種類に分けられている。組立式の整流子は、それぞれ単独に製造された導電材料からなる整流子片、絶縁材料からなる整流子本体、及びリング状の絶縁部材を一体に組み付けるように構成されるものである。
【0003】
また、モールド式の整流子は、導電材料からなる円筒状の素材と熱硬化性樹脂などからなる整流子本体とをモールド成型にて一体成形した後、同円筒状の素材を等間隔ごとに分割して整流子片とするために、機械作業にてすり割り加工を行って形成されるものである。
【0004】
従来のモールド式の整流子としては、例えば図26に示されるものが知られている。同図に示されるように、整流子101は整流子片102及び整流子本体103を備えている。整流子片102の内周面(図26の右側面)にはその両端部から中央部側へと切り起こされた中爪104が形成されている。このように形成された整流子片102と整流子本体103とがモールド成型により一体成形されていることで、同整流子片102はその両端部において中爪104により整流子本体103を保持する。そして、上記整流子片102が整流子本体103から剥離することが防止されている。
【0005】
また、上記とは異なる従来のモールド式の整流子として、図27に示されるものも知られている。同図に示されるように、この整流子105の整流子片106の内周面(図27の右側面)にはその両端部から中央部側へと切り起こされ、更に同中央部側に折り曲げられた中爪107が形成されている。このように形成された整流子片106と整流子本体108とがモールド成型により一体成形されていることで、同整流子片106はその中央部において中爪107により整流子本体108を保持する。そして、同様に上記整流子片106が整流子本体108から剥離することが防止されている。
【0006】
なお、これら従来のモールド式の整流子102,106の中爪104,107は、プレス加工により形成することができるため、その加工性も良好なものとされ、製造コストも安価なものとされる。
【0007】
さらに、上記とは異なる従来のモールド式の整流子として、図28に示されるものも知られている。図28(a)に示されるように、この整流子111の形成に際しては、板素材Pをプレス加工により打ち抜くことで、帯状の被加工材112が形成される。この被加工材112の一方端には、同被加工材112の長手方向に沿って所定の間隔ごとに結線爪113が形成されており、各結線爪113の両側には中爪114が形成されている。また、被加工材112の他方端には、上記中爪114の位置に対向する位置に中爪115が形成されている。この被加工材112は、図28(b)に示されるように、円筒状に丸められ、更に中爪114,115がその内周側の中央部に折り返され、円筒状の素材116が形成される。図28(c)に示されるように、この円筒状の素材116は、整流子本体117とモールド成型にて一体成形され、機械作業にて等間隔ごとにすり割り加工にて分割されて整流子片118とされる。この整流子片118はその両端部において中爪114,115により整流子本体117を保持する。そして、同様に上記整流子片118が整流子本体117から剥離することが防止されている。また、この整流子片118の中爪114,115も、やはりプレス加工により形成することができるため、その加工性も良好なものとされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図26のように中爪104を切り起こした形状の整流子101の場合、同図に二点鎖線で示した範囲に属する整流子片102の中央部において、同整流子片102が整流子本体103を保持する部分がない。また、図27のように中爪107を切り起こして中央部側に折り曲げた形状の整流子105の場合、同図に二点鎖線で示した範囲に属する整流子片106の両端部において、同整流子片106が整流子本体108を保持する部分がない。したがって、これら従来の整流子101,105において、整流子片102,106はその全長にわたり整流子本体103,108を保持することができない。このような整流子101,105を備えるモータの回転等に伴い、上記整流子片102,106に例えば、遠心力、回転力、若しくは引張力が作用した場合、同整流子片102,106が整流子本体103,108から剥離することがある。
【0009】
また、整流子片102,106へと加工される円筒状の素材を整流子本体103,108とモールド成型にて一体成形する際に、同整流子本体103,108が膨張、あるいは収縮した場合には、加工後において隣接する整流子片102,106間に段差が発生することがある。さらに、整流子本体103,108と一体成形された円筒状の素材を、機械作業にて等間隔ごとすり割り加工にて分割する際にも、やはり隣接する整流子片102,106間に段差が発生することがある。
【0010】
また、図28のように板素材Pをプレス加工により打ち抜いて形成した中爪114,115を、更に内周側の中央部に折り返した整流子111についても、図28(c)に二点鎖線で示した範囲に属する整流子片118の中央部において、同整流子片118が整流子本体117を保持する部分がない。このようなことに対処するため、打ち抜いて形成する中爪114,115を予め長く形成しておくことも考えられる。ただし、この場合には特に整流子111そのものの全長が長くなる場合において、その加工が困難になるとともに、使用する材料量も増大し、ひいては製造コストが増大することとなる。
【0011】
なお、従来、整流子片がその全長にわたり整流子本体を保持する整流子として、図29に示すものも知られている。すなわち、この整流子が備える整流子片121の内周面にはその全長にわたって内周側に突出する中爪122が形成されている。しかし、このような形状を有する中爪122は、図30に示すように、冷間鍛造による加工により、ワークホルダ123に支持された円筒状の素材124を同中爪122の形状に合わせて形成された金型125でその肉の流れを規制し、同肉を張り出させて形成することとなる。したがって、その加工負荷が非常に大きく、また、肉を流れやすくするための潤滑処理が必要となることから、工程数も増え、型費、加工費、設備費が増大して、やはり製造コストが増大することとなる。
【0012】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、整流子片が全長にわたって整流子本体に対して保持され、且つ、製造コストも低減することのできる整流子及びその整流子を備えたモータ、整流子片、並びに整流子の形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の整流子片と整流子本体とが一体成形された整流子において、前記整流子片の内周面にはその両端部から中央部側へと切り起こされて該中央部側に折り曲げられた係止爪が形成され、前記整流子片の前記係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部には、該整流子片の周方向に張り出す張り出し部が形成されたことをその要旨とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の整流子において、前記整流子片の周方向両側に前記厚肉部を配置し、両厚肉部の間に前記係止爪を配置したことをその要旨とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の整流子において、前記整流子片の周方向両側に前記係止爪を配置し、両係止爪の間に前記厚肉部を配置したことをその要旨とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の整流子において、前記整流子片の前記係止爪が切り起こされた内周面には、該整流子片の周方向に沿って、リブが形成されたことをその要旨とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の整流子を備えたことをその要旨とする。
請求項6記載の発明は、整流子本体と一体成形されて整流子を構成する整流子片であって、内周面にはその両端部から中央部側へと切り起こされて該中央部側に折り曲げられた係止爪が形成され、前記係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部には、周方向に張り出す張り出し部が形成されたことをその要旨とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、整流子片と整流子本体とが一体成形された整流子の形成方法であって、等間隔ごとに複数に区画された円筒状の素材の内周面に、それぞれその両端部から中央部側へと係止爪を切り起こし、該係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接する部分を厚肉とし、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げ、前記円筒状の素材の前記係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部をプレス加工にて押しのばして該円筒状の素材の周方向に張り出す張り出し部を形成し、前記円筒状の素材を前記整流子本体と一体成形し、前記円筒状の素材を前記内周面の区画に基づき分割して前記整流子片を形成することをその要旨とする。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の整流子の形成方法において、端部が外周側から中心側へとテーパー状に縮径する斜面を有してすり鉢状に形成されるとともに前記外周側と前記斜面との境界が所定の曲率を有する曲部にて形成されたパンチの前記斜面により、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げるとともに、前記パンチの前記曲部により前記張り出し部を形成することで、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げる工程と、前記張り出し部を形成する工程とを同時に行うことをその要旨とする。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の整流子の形成方法において、前記円筒状の素材の区画された内周面の周方向両側に前記厚肉部を配置し、両厚肉部の間に前記係止爪を配置するものであり、前記パンチには、前記円筒状の素材の前記係止爪が切り起こされた内周面に該円筒状の素材の周方向に沿ってリブを形成するためのリブ切り起こし刃部が形成されており、前記パンチのリブ切り起こし刃部により前記リブを形成することで、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げる工程と、前記張り出し部を形成する工程と、前記リブを形成する工程とを同時に行うことをその要旨とする。
【0022】
請求項1〜3に記載の発明の構成によれば、上記整流子片は上記中央部側に折り曲げられた係止爪と同整流子片の周方向に張り出された張り出し部とでその全長にわたって、上記整流子本体を確実に保持する。したがって、この整流子を備えるモータの回転等に伴い、上記整流子片に例えば、遠心力、回転力、若しくは引張力が作用した場合においても、同整流子片が整流子本体から剥離することは回避される。また、上記整流子片は上記整流子本体を確実に保持するため、上記整流子の各種製造工程において同整流子に外力等が作用した場合においても、隣接する整流子片間に段差が発生することは抑制される。
【0023】
さらに、上記係止爪及び上記張り出し部を、例えばプレス加工によって形成する場合には、その製造は容易なものとされ、製造コストも低減される。
また、特に請求項3に記載の発明の構成によれば、上記厚肉部を両係止爪の間、すなわち上記整流子片の周方向中央部に配置したことで、同中央部の剛性が維持される。したがって、上記整流子片の周方向の変形が抑制され、上記整流子の真円度も向上される。
【0024】
請求項4に記載の発明の構成によれば、上記係止爪を両厚肉部の間、すなわち上記整流子片の周方向中央部に配置したことで、上記係止爪が切り起こされた内周面は同周方向中央部に配置される。したがって、上記整流子はその周方向の変形に対し脆弱となるが、上記係止爪が切り起こされた内周面に、同整流子片の周方向に沿ってリブを形成したことで、同周方向の変形に対して補強される。これにより、上記整流子片の周方向の変形が抑制され、上記整流子の真円度も向上される。
【0025】
請求項5に記載の発明の構成によれば、モータの回転等において上記整流子片が整流子本体から剥離したり、上記整流子の各種製造工程において隣接する整流子片間に段差が発生したりすることは抑制される。したがって、上記整流子片がぶれながらブラシと当接して騒音を発生したりすることは回避され、好適な整流作用が行われる。
【0026】
請求項6に記載の発明の構成によれば、上記整流子片は上記中央部側に折り曲げられた係止爪と同整流子片の周方向に張り出された張り出し部とでその全長にわたって、上記整流子本体を確実に保持する。したがって、この整流子片を備えるモータの回転等において、同整流子片が整流子本体から剥離することは回避される。また、上記整流子片は上記整流子本体を確実に保持するため、上記整流子の各種製造工程において、隣接する整流子片間に段差が発生することは抑制される。
【0027】
さらに、上記係止爪及び上記張り出し部を、例えばプレス加工によって形成する場合には、その製造は容易なものとされ、製造コストも低減される。
請求項7に記載の発明の方法によれば、上記整流子片の内周面にはその両端部から中央部側へと切り起こされて同中央部側に折り曲げられる係止爪が形成される。また、上記整流子片の係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされている厚肉部には同整流子片の周方向に張り出す張り出し部が形成される。そして、上記整流子片は上記係止爪と上記張り出し部とで上記整流子本体を保持する。すなわち、上記整流子片は上記係止爪と上記張り出し部とでその全長にわたって、上記整流子本体を確実に保持する。したがって、このように形成された整流子を備えるモータの回転等において、同整流子片が整流子本体から剥離することは回避される。また、上記整流子片は上記整流子本体を確実に保持するため、上記整流子の各種製造工程において同整流子に外力等が作用した場合においても、隣接する整流子片間に段差が発生することは抑制される。
【0028】
さらに、上記張り出し部は、プレス加工によって容易に形成されるため、製造コストも低減される。
請求項8に記載の発明の方法によれば、その製造工程は簡略化される。
【0029】
請求項9に記載の発明の方法によれば、上記整流子片の周方向両側に上記厚肉部が、両厚肉部の間に上記係止爪が配置され、同係止爪が切り起こされた内周面には同整流子片の周方向に沿って、リブが形成される。したがって、上記整流子片の周方向の変形が抑制され、上記整流子の真円度も向上される。
【0030】
また、その製造工程は簡略化される。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について図1〜図20を参照して説明する。
【0032】
図1に示されるように、電動工具や自動車のウォッシャ装置(又はポンプ)などを駆動する場合に使用される直流モータ1は、ハウジング2とエンドフレーム3とで構成される空間に電機子4が回転軸5を介して回転可能に収容されている。回転軸5は、両端において軸受6,7により回転可能に支持されている。また、電機子4の回転軸5回りには、電機子4を囲む複数の永久磁石8がハウジング2の内周面に周方向等間隔に配置固定されている。回転軸5の一端には、ブラシ9と摺接する整流子11が取り付けられている。外部電源と接続されたブラシ9及び整流子11を介して電機子4に巻装したコイル導線に電流が供給されると、電機子4は回転駆動される。
【0033】
図2に示されるように、上記整流子11は、例えば熱硬化性樹脂からなる絶縁性の整流子本体12を備えている。この整流子本体12は、軸挿通孔13を有してほぼ円筒状に形成されている。なお、軸挿通孔13は、直流モータ1の回転軸5を貫通して、相互に回動不能に固定するためのものである。
【0034】
上記整流子本体12の外周側には、複数(8個)の整流子片14が等間隔をおいて配置されている。この実施例では8個の整流子片14としたが、もちろん10個、12個、16個等のタイプにも適用できる。これら整流子片14は、整流子本体12に対してモールド成型にて一体成形されている。
【0035】
また、上記整流子11の隣接する整流子片14間は、機械作業によるすり割り加工にて形成されたスリット15により、相互に絶縁分離されている。
上記各整流子片14の一方端(図2の下側)には、その外周面中央部側へと折り返された結線爪17が形成されている。この結線爪17は、前記電機子4のコイル導線と結線するためのものである。また、各整流子片14の内周面の周方向中央部には、図3に併せ示されるように、その両端部から中央部側へと切り起こされ、更に同中央部側に折り曲げられた2つの係止爪としての中爪21が形成されている。上記中爪21は、整流子片14の中央部側において、前記整流子本体12を保持するためのものである。そして、この切り起こしに伴い、上記整流子片14の内周面の周方向の中央部には、同周方向の両側よりも凹んだ中爪加工跡部22,23が形成されている。そして、各中爪加工跡部22,23の周方向の両側を厚肉部24としている。
【0036】
上記各厚肉部24は、その両端部から中央部側へと上記整流子片14の内径よりも若干大きい内径にて押しのばされている。そして、上記厚肉部24には、その周方向両側に張り出す張り出し部としてのダブテール部25が形成されている(図4参照)。これらダブテール部25は、整流子片14の両端部において、前記整流子本体12を保持するためのものである。
【0037】
また、一方の中爪加工跡部22の内周面には、その端部から中央部側へと切り起こされたリブ26が形成されている。このリブ26は、整流子片14の周方向の変形に対して補強するためのものである。
【0038】
以上のように構成された整流子11の整流子片14は、上記中爪21及びダブテール部25で、その全長にわたって上記整流子本体12を確実に保持する。
次に、上記のように構成された整流子11の形成方法について、図5〜図20に基づき説明する。
【0039】
整流子11の複数(8個)の整流子片14は、図5に示されるようにほぼ円筒状に形成された円筒素材31から加工される。この円筒素材31の一方端(図5の下側)の外周側には、フランジ32が形成されている。このフランジ32は、前記結線爪17へと加工されるものである。また、上記円筒素材31の内周面には、等間隔ごとに内径D0、周方向の幅W0(図6参照)にて切り欠かれた8本のコイニング溝33が形成されている。これらコイニング溝33は、前記整流子片14間のスリット15を形成するすり割り加工の負荷を軽減するためのものである。
【0040】
この円筒素材31は、プレス加工にて以下の態様で加工が施される。すなわち、図8に示されるように、前記フランジ32を上側に配置した円筒素材31はその外周形状に合わせて形成されたワークホルダ41にて挟持される。そして、ワークホルダ41にて挟持された円筒素材31は、内径が円筒素材31の外径と内径の間のD1のガイド孔42が形成された下ダイ43上に載置される。このとき、上記円筒素材31は上記ガイド孔42と同心軸上に配置されている。一方、上記円筒素材31及びワークホルダ41上には、上記内径が同じくD1のガイド孔44が形成された上ダイ45が載置される。このガイド孔44も、上記ガイド孔42と同心軸上に配置されている。このように、円筒素材31が下ダイ43、ワークホルダ41及び上ダイ45により支持された状態で、各ガイド孔42,44にはそれぞれ前記中爪21を切り起こすためのパンチ46,47が案内される(図9参照)。
【0041】
これらパンチ46,47は、図15及び図16に示されるように、外径が前記ガイド孔42,44の内径と同じD1にて円柱状に形成されている。そして、パンチ46,47の端面46a,47aには、周方向の幅W1にて等間隔ごとに配置され、中心側から外周側へと傾斜しながら突出する8つの中爪切り起こし刃部48が形成されている。
【0042】
これらパンチ46,47が、上記ガイド孔42,44に沿って移動し、上記中爪切り起こし刃部48の先端部が上記円筒素材31の端部から長さL1(図9参照)まで移動すると、周方向の幅W1(図10参照)にて前記中爪21が切り起こされる。このとき、前記中爪加工跡部22,23が形成され、その両側に厚肉部24が配置される(図6及び図7参照)。
【0043】
中爪21が切り起こされた円筒素材31は、図11に示すように同様にワークホルダ41にて挟持され、内径が前記内径D1よりも若干大きなD3のガイド孔51が形成された下ダイ52上に載置される。このときも、上記円筒素材31は上記ガイド孔51と同心軸上に配置されている。そして、上記円筒素材31及びワークホルダ41上には、内径が上記円筒素材31の内径よりも若干大きいD2のガイド孔53が形成された上ダイ54が載置される。このガイド孔53も、上記ガイド孔51と同心軸上に配置されている。
【0044】
このように、円筒素材31が下ダイ52、ワークホルダ41及び上ダイ54により支持された状態で、ガイド孔53には前記中爪21を円筒素材31の中央部側に折り曲げ、前記ダブテール部25を形成する上側パンチ55が案内される。この上側パンチ55は、図17及び図18に示されるように、外径が前記上ダイ54の内径D2と同じD2の円柱状に形成されており、その端部は、外周側から中心側へとテーパー状に縮径する斜面56を有してすり鉢状に形成されている。また、上記上側パンチ55の外周面57と上記斜面56との境界は、図12に示されるように曲率R4を有する曲部55aにて滑らかに形成されている。この上側パンチ55が、上記ガイド孔53に沿って移動し、上記曲部55aが上記円筒素材31の端部から長さL2(図11参照)まで移動すると、上記中爪21は上記斜面56に沿って中央部側へと折り曲げられる。またこの際、図12に示されるように、前記厚肉部24は、上記上側パンチ55の曲部55aによって長さL2まで押しのばされ、前記ダブテール部25が形成される(図6及び図13参照)。
【0045】
一方、ガイド孔51には上記中爪21を円筒素材31の中央部側に折り曲げ、上記ダブテール部25を形成し、更に前記リブ26を切り起こす下側パンチ58が案内される。この下側パンチ58は、図19及び図20に示されるように、外径が上記上側パンチ55の外径と同じD2にて円柱状に形成されており、その端部は、上記上側パンチ55と同様に、斜面59を有してすり鉢状に形成されている。そして、上記下側パンチ58の外周面60と上記斜面59との境界も、曲率R4を有する曲部58aにより滑らかに形成されている。また、前記中爪加工跡部22の位置に合わせて上記下側パンチ58の外周面60には、外径が上記ガイド孔51の内径と同じD3まで外周側に突出する8つのリブ切り起こし刃部61が形成されている。これらリブ切り起こし刃部61は、中爪切り起こし刃部48(中爪加工跡部22)の周方向の幅(幅W1)と同等の幅にて等間隔ごとに配置されており、外周面60側から外側へと傾斜しながら突出している。なお、リブ切り起こし刃部61の切れ味は、前記中爪切り起こし刃部48の切れ味よりも若干鈍く設定されている。
【0046】
この下側パンチ58が、上記ガイド孔51に沿って移動し、上記曲部58aが上記円筒素材31の端部から長さL2(図11参照)まで移動すると、上記中爪21は同様に中央部側へと折り曲げられる。またこの際、前記厚肉部24も同様に押しのばされ、前記ダブテール部25が形成される。さらにこのとき、図14に示されるように、上記中爪加工跡部22の端部は、上記リブ切り起こし刃部61により長さL3、周方向の幅W1(図6参照)にて切り起こされ、前記リブ26を形成する。そして、円筒素材31は円筒素材70(図6)へと加工される。
【0047】
このように形成された円筒素材70の内周側に前記整流子本体12をモールド成型にて一体成形する。このとき、円筒素材70は上記中爪21及びダブテール部25で、上記整流子本体12を確実に保持する。
【0048】
その後、上記円筒素材70の前記コイニング溝33に対向する外周側を機械作業によりすり割り加工して、前記スリット15(図2参照)を形成する。また、前記フランジ32を各結線爪17を残して切り取り、更に同結線爪17を折り返し、整流子11が完成される。
【0049】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、中爪21及びダブテール部25により、整流子片14の全長にわたって、整流子本体12を保持することができる。
【0050】
(2)本実施の形態では、モータの回転等に伴い、上記整流子片14に例えば、遠心力、回転力、若しくは引張力が作用した場合においても、同整流子片14の整流子本体12からの剥離を回避することができる。
【0051】
(3)本実施の形態では、整流子片14へと加工される円筒素材70は上記整流子本体12を確実に保持するため、同円筒素材70を整流子本体12とモールド成型にて一体成形する際に、同整流子本体12が膨張・収縮した場合においても、隣接する整流子片間の段差の発生を抑制することができる。また、整流子本体12と一体成形された円筒素材70に機械作業によるすり割り加工にてスリット15を形成する場合においても、上記段差の発生を抑制することができる。
【0052】
(4)本実施の形態では、モータの回転等において、上記整流子片14がぶれながらブラシと当接して騒音を発生したりすることを回避し、好適な整流作用を行うことができる。
【0053】
(5)本実施の形態では、整流子片14の周方向の中央部に中爪加工跡部22,23が形成され、同整流子片14はその周方向の変形に対し脆弱とされるが、中爪加工跡部22にリブ26を形成したことで、同周方向の変形に対して補強される。これにより、上記整流子片14の周方向の変形を抑制し、上記整流子11の真円度も向上することができる。特に、整流子片14へと加工される円筒素材70を整流子本体12に一体成形する際に、同整流子本体12が膨張・収縮した場合、整流子11の真円度の悪化を防止することができる。
【0054】
(6)本実施の形態では、上記中爪21及び上記ダブテール部25を、プレス加工によって形成するため、その製造を容易なものとし、製造コストも低減することができる。
【0055】
(7)本実施の形態では、上側パンチ55により、中爪21を中央部側に折り曲げる工程及びダブテール部25を形成する工程を同時に行ったことで、整流子11の製造工程を簡略化することができる。
【0056】
(8)本実施の形態では、下側パンチ58により、中爪21を中央部側に折り曲げる工程、ダブテール部21を形成する工程、及び、リブ26を切り起こす工程を同時に行ったことで、整流子11の製造工程を簡略化することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
以下、図21〜図23を参照して本発明を具体化した第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、係止爪を整流子片の周方向両側に配置し、両係止爪の間に厚肉部を配置したことが、前記第1の実施の形態と異なる。
【0058】
図21に示されるように、本実施の形態の整流子片71は、内周面の周方向両側に、その両端部から中央部側へと切り起こされ、更に同中央部側に折り曲げられた4つの中爪73が形成されている。上記中爪73は、整流子片71の中央部側において、前記整流子本体12(図2参照)を保持するためのものである。そして、この切り起こしに伴い、上記整流子片71の内周面の周方向の両側には、同周方向の中央部よりも凹んだ中爪加工跡部74,75が形成されている。そして、両中爪加工跡部74,75の間を厚肉部76としている。
【0059】
上記厚肉部76は、その両端部から中央部側へと上記整流子片71の内径よりも若干大きい内径にて押しのばされている。そして、上記厚肉部76には、その周方向両側に張り出すダブテール部77が形成されている。これらダブテール部77は、整流子片71の両端部において、前記整流子本体12を保持するためのものである。
【0060】
以上のように構成された整流子11の整流子片71は、上記中爪73及びダブテール部77でその全長にわたって、上記整流子本体12を確実に保持する。
次に、上記のように構成された整流子(整流子片71)の形成方法について、前記第1の実施の形態と異なる形態を中心に説明する。
【0061】
図22に示されるように、前記円筒素材31(図5参照)は前記パンチ46,47と同様のパンチにより、上記中爪73が切り起こされる。このパンチは、外径が上記整流子片71の外径と内径の間のD11にて円柱状に形成されており、その端面には、前記パンチ46,47(図15及び図16参照)に準じて8つの中爪切り起こし刃部が形成されている。ただし、このパンチの中爪切り起こし刃部は、前記コイニング溝33の位置に合わせて配置され、同コイニング溝33の幅W0と両中爪73の幅W11を加算した幅W16(図23参照)となっている。したがって、各中爪切り起こし刃部は、隣接する整流子片71同士の対向する中爪73を同時に切り起こすこととなる。またこのとき、各整流子片71の周方向両側に前記中爪加工跡部74,75が形成されるとともに、同中爪加工跡部74,75の間に厚肉部76が配置される。
【0062】
中爪73が切り起こされた円筒素材31は、整流子片71の内径よりも若干大きい外径にて円柱状に形成され、その端部は、前記上側パンチ55(図17及び図18参照)に準じて形成されたパンチにより加工される。このとき、上記中爪73は整流子片71の中央部側へと折り曲げられ、更に上記厚肉部76には、上記ダブテール部77が形成される。
【0063】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の(1)〜(4)、(6)、(7)と同様の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
【0064】
(1)本実施の形態では、整流子片71の周方向の中央部に厚肉部76を配置したことで、同中央部の剛性が維持される。これにより、上記整流子片71の周方向の変形を抑制し、上記整流子11の真円度も向上することができる。特に、整流子片71へと加工される円筒素材31を整流子本体12とモールド成型にて一体成形する際に、同整流子本体12が膨張・収縮した場合にも、整流子11の真円度の悪化を防止することができる。
【0065】
尚、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記第1の実施の形態において、すり鉢状の端面を有して円柱状に形成された上側パンチ55の外周面57に、図24に示されるように、厚肉部24を押しのばす際に同厚肉部24の一部を逃がすためのスリット81を形成してもよい。図25に示されるように、スリット81は、前記コイニング溝33の位置に対応させて8本形成しており、その周方向の幅W21は、上記コイニング溝33の周方向の幅W0よりも若干長く形成している。このようにコイニング溝33の位置に対応させて厚肉部24の一部を逃がすスリット81を形成することにより、ダブテール部25の形成時、コイニング溝33の周方向両側、すなわち、隣接する整流子片14間へのダブテール部25の形成が回避される。したがって、隣接する整流子片14間にはダブテール部25は形成されず、中爪加工跡部22側にのみダブテール部25が形成される。これにより、隣接する整流子片14同士の接触を未然に防止することができ、更に厚肉部24の肉の流れを片側にしたことで、中爪加工跡部22側へのダブテール部25の張り出しを大きくすることができる。なお、このようなスリット81を下側パンチ58の外周面60に形成しても、同様の効果を得ることができる。
【0066】
・前記第1の実施の形態においては、リブ26の周方向の幅を中爪21(中爪加工跡部22)の周方向の幅W1と同等としたが、これは相互に異なっていてもよい。
【0067】
・前記第1の実施の形態においては、中爪加工跡部22の内周面にのみ、リブ26を形成したが、両中爪加工跡部22,23にそれぞれリブを形成してもよい。また、リブ26は必ずしも形成しなくてもよい。
【0068】
・前記第1の実施の形態においては、下側パンチ58により、中爪21を中央部側に折り曲げる工程、ダブテール部25を形成する工程、及び、リブ26を切り起こす工程を同時に行ったが、リブを切り起こす工程を、中爪21を中央部側に折り曲げる工程及びダブテール部25を形成する工程の少なくとも一方の工程と別に行ってもよい。
【0069】
・前記各実施の形態においては、中爪21を中央部側に折り曲げる工程及びダブテール部25を形成する工程を同時に行ったが、これらはそれぞれ別の工程で行ってもよい。
【0070】
・前記各実施の形態においては、8個の整流子片14,71を備える整流子11としたが、整流子片を複数備える整流子であればいくつでもよい。
・前記各実施の形態においては、整流子本体12を熱硬化性樹脂製としたが、絶縁材料であればこれ以外の樹脂を採用してもよい。
【0071】
・前記各実施の形態においては、もともとフランジ32が形成された円筒素材31から加工した例を示したが、平板状のものから円筒状にまるめて形成した素材を加工してもよい。
【0072】
・前記各実施の形態においては、直流モータに本発明を適用したが、整流子を備えるモータであるならば、例えばユニバーサルモータ(交流直流両用モータ)などその他のモータに適用してもよい。
【0073】
次に、以上の実施の形態から把握することができる技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)請求項6に記載の整流子片において、周方向両側に前記係止爪を配置し、両係止爪の間に前記厚肉部を配置したことを特徴とする整流子片。
【0074】
同構成によれば、上記厚肉部を両係止爪の間、すなわち上記整流子片の周方向中央部に配置したことで、同中央部の剛性が維持される。したがって、上記整流子片の周方向の変形が抑制される。
【0075】
(ロ)請求項6に記載の整流子片において、周方向両側に前記厚肉部を配置し、両厚肉部の間に前記係止爪を配置し、前記係止爪が切り起こされた内周面には、周方向に沿ってリブが形成されたことを特徴とする整流子片。
【0076】
同構成によれば、上記係止爪が切り起こされた内周面に、周方向に沿ってリブを形成したことで、同周方向の変形に対して補強される。これにより、上記整流子片の周方向の変形が抑制される。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3及び6〜7に記載の発明では、整流子片が全長にわたって整流子本体に対して保持され、且つ、製造コストも低減することができる。
【0078】
また、請求項3、4及び9に記載の発明では、上記整流子片の周方向の変形を抑制し、整流子の真円度も向上することができる。
請求項5に記載の発明では、上記整流子片がぶれながらブラシと当接して騒音を発生したりすることを回避し、好適な整流作用を行うことができる。
【0079】
請求項8及び9に記載の発明では、その製造工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施の形態を示す断面図。
【図2】同実施の形態を示す部分断面図。
【図3】同実施の形態の整流子片を示す斜視図。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図。
【図5】円筒素材を示す斜視図。
【図6】同実施の形態の形成態様を示す平面図。
【図7】図6の7A−7A線及び7B−7B線に沿った断面図。
【図8】同実施の形態の形成態様を示す断面図。
【図9】同実施の形態の形成態様を示す断面図。
【図10】同実施の形態の形成態様を示す平面図。
【図11】同実施の形態の形成態様を示す断面図。
【図12】同実施の形態の形成態様を拡大して示す断面図。
【図13】図12の13−13線に沿った断面図。
【図14】同実施の形態の形成態様を拡大して示す断面図。
【図15】パンチを示す平面図。
【図16】パンチを示す斜視図。
【図17】上側パンチを示す平面図
【図18】上側パンチを示す斜視図。
【図19】下側パンチを示す平面図。
【図20】下側パンチを示す斜視図。
【図21】本発明を具体化した第2の実施の形態を示す斜視図。
【図22】図21の22−22線に沿った断面図。
【図23】同実施の形態の形成態様を示す平面図。
【図24】上側パンチの他の一例を示す斜視図。
【図25】同上側パンチを用いたダブテール部の形成態様を示す断面図。
【図26】従来の整流子の一例を示す断面図。
【図27】従来の整流子の他の一例を示す断面図。
【図28】従来の整流子の他の一例及びその形成態様を示す図。
【図29】従来の整流子の他の一例を示す斜視図。
【図30】同整流子の形成態様を示す断面図。
【符号の説明】
1…モータ、11…整流子、12…整流子本体、14,71…整流子片、21,73…中爪、22,23,74,75…中爪加工跡部、24,76…厚肉部、25,77…ダブテール部、26…リブ。
Claims (9)
- 複数の整流子片と整流子本体とが一体成形された整流子において、
前記整流子片の内周面にはその両端部から中央部側へと切り起こされて該中央部側に折り曲げられた係止爪が形成され、
前記整流子片の前記係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部には、該整流子片の周方向に張り出す張り出し部が形成されたことを特徴とする整流子。 - 前記整流子片の周方向両側に前記厚肉部を配置し、両厚肉部の間に前記係止爪を配置したことを特徴とする請求項1に記載の整流子。
- 前記整流子片の周方向両側に前記係止爪を配置し、両係止爪の間に前記厚肉部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の整流子。
- 前記整流子片の前記係止爪が切り起こされた内周面には、該整流子片の周方向に沿って、リブが形成されたことを特徴とする請求項2に記載の整流子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の整流子を備えたモータ。
- 整流子本体と一体成形されて整流子を構成する整流子片であって、
内周面にはその両端部から中央部側へと切り起こされて該中央部側に折り曲げられた係止爪が形成され、
前記係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部には、周方向に張り出す張り出し部が形成されたことを特徴とする整流子片。 - 整流子片と整流子本体とが一体成形された整流子の形成方法であって、
等間隔ごとに複数に区画された円筒状の素材の内周面に、それぞれその両端部から中央部側へと係止爪を切り起こし、該係止爪が切り起こされることにより該係止爪が切り起こされた内周面に隣接する部分を厚肉とし、
前記係止爪を前記中央部側に折り曲げ、
前記円筒状の素材の前記係止爪が切り起こされた内周面に隣接して厚肉とされる厚肉部をプレス加工にて押しのばして該円筒状の素材の周方向に張り出す張り出し部を形成し、
前記円筒状の素材を前記整流子本体と一体成形し、
前記円筒状の素材を前記内周面の区画に基づき分割して前記整流子片を形成することを特徴とする整流子の形成方法。 - 端部が外周側から中心側へとテーパー状に縮径する斜面を有してすり鉢状に形成されるとともに前記外周側と前記斜面との境界が所定の曲率を有する曲部にて形成されたパンチの前記斜面により、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げるとともに、前記パンチの前記曲部により前記張り出し部を形成することで、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げる工程と、前記張り出し部を形成する工程とを同時に行うことを特徴とする請求項7に記載の整流子の形成方法。
- 請求項8に記載の整流子の形成方法において、
前記円筒状の素材の区画された内周面の周方向両側に前記厚肉部を配置し、両厚肉部の間に前記係止爪を配置するものであり、
前記パンチには、前記円筒状の素材の前記係止爪が切り起こされた内周面に該円筒状の素材の周方向に沿ってリブを形成するためのリブ切り起こし刃部が形成されており、
前記パンチのリブ切り起こし刃部により前記リブを形成することで、前記係止爪を前記中央部側に折り曲げる工程と、前記張り出し部を形成する工程と、前記リブを形成する工程とを同時に行うことを特徴とする整流子の形成方法。
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