JPH0830682B2 - グロー放電発光分光分析方法及びその装置 - Google Patents

グロー放電発光分光分析方法及びその装置

Info

Publication number
JPH0830682B2
JPH0830682B2 JP3051348A JP5134891A JPH0830682B2 JP H0830682 B2 JPH0830682 B2 JP H0830682B2 JP 3051348 A JP3051348 A JP 3051348A JP 5134891 A JP5134891 A JP 5134891A JP H0830682 B2 JPH0830682 B2 JP H0830682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
sample
anode
cathode
glow discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3051348A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04212045A (ja
Inventor
哲也 妻鹿
泰子 古主
道雄 片山
正雄 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP3051348A priority Critical patent/JPH0830682B2/ja
Publication of JPH04212045A publication Critical patent/JPH04212045A/ja
Publication of JPH0830682B2 publication Critical patent/JPH0830682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグロー放電発光分光分析
方法(Glow discharge atomic emission spectroscopy
、以下GDSと呼ぶ)及びその装置に関し、特に試料
の極表面層の深さ方向分析に適するGDS及びその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GDSは、放電管内にアルゴン等の希ガ
スを数十Pa(なお、1気圧=1.013×105 Pa
である)程度導入し、試料を陰極として異常グロー放電
させ、生じた希ガス元素のイオンで試料表面を連続的に
スパッタリングし、スパッタリングされた試料成分の負
グロー域での原子発光スペクトルを分光分析することに
より試料表面層の組成を定性的・定量的に分析する方法
である。
【0003】従来のGDSに用いられるグロー放電管に
は、例えば図9に示すようなグリムによって開発された
中空用陽極型のものがある(特公昭49−21680号
参照)。この放電管1においては、試料10の反対側の
陽極12の開口端が石英ガラス窓14によってシールさ
れ、かつ、陽極12に絶縁及びシールされた状態で中空
の陰極16が取付けられており、他の開口端は陰極16
に試料10が密着して真空にシールされている。そし
て、グロー放電管1はその中空部32内にアルゴンガス
導入管18からアルゴンガスが流入されると共に、陽極
12の内部圧力が異常グロー放電に最適な圧力となるよ
うに第1の排気管34を介して第1真空ポンプ20で排
気されて内部圧力が調圧され、一方、第2の排気管36
を介して第2真空ポンプ22で陽極パイプ12B及び陰
極16間が排気され陽極パイプ12Bの内外部分に圧力
差が生じる状態とされて異常グロー放電が行われる。こ
の異常グロー放電によって発生した光を分光分析するこ
とにより、試料10の元素分析が可能となる。なお、5
3は放電用高圧電流電源、42は分光器、44は検出
器、46は積分器である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、例えば上述のよ
うなグリム型放電管を用いたGDS装置は、元素分析装
置として開発されたものであるために金属の表面分析に
用いる際には、放電の立上りが考慮されていないため
に、その測定範囲はほぼ1μm以上の厚い表面層に限ら
れており、数十〜数百nmの極表面層深さ方向の分析は
困難であった。
【0005】その理由は、従来のGDSによれば、表面
から100nm程度までの領域での放電が不安定である
からで、その原因として放電開始時の破壊電圧変動及
び試料表面や放電管表面に吸着されたガス成分や油な
どの有機物によりプラズマの温度が下がることに起因す
る放電電圧の上昇・発光強度の減少が考えられた。
【0006】この問題を解決するために、従来のグリム
型放電管において、通常の陽極と、試料である陰極とを
備えた発光部に第3の電極(補助電極)を設け、第3の
電極を利用して陽極と陰極間の放電電圧及び電流を独立
かつ任意に制御しうる装置が提案された(実開昭53−
91694号;第2図参照)。さらに、上記装置を用い
て陽極と陰極としての第3の電極との間で補助的に放電
させるほかに、陽極と陰極としての試料との間で予備的
に正常グロー放電領域で放電を行なう技術が提案された
(大橋ほか:鉄と鋼 Vol.69(1983) No.10,pp.1344-134
9 )。
【0007】これらの方法によれば、前記予備放電と補
助放電の効果として、放電管内及び試料表面はより清浄
になり、かつ本放電(異常グロー放電)をより円滑に開
始させることができるようになった。しかし、これら予
備放電及び補助放電の適用によっても、試料や放電管の
電極表面の吸着物や付着物の除去効果は十分でなかっ
た。これは例えば、放電管内に酸素が含まれていると放
電が安定しない、また放電が開始しにくいなどの理由に
よる。そのため、後述の比較例にも示されるように、固
体表面から数十nmの深さまでの領域における元素分析
には依然として問題があり、例えば金属表面に数nm〜
数十nmの厚みで付着、偏析または濃化した元素の定量
は困難であった。
【0008】本発明は、上記従来の問題点を解消すべく
なされたものであって、測定開始時の放電管内のガス圧
及び酸素分圧を一定に保ち、さらに放電初期の放電変動
を抑制し、正確に表面の深さ方向の元素分布の情報を簡
易・迅速に分光分析が行えるGDS及びその装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題点
を解決するもので、 (1)方法発明 固体試料の極表面層の分析に適するグロー放電発光分光
方法であって、次の工程からなる。 (a)試料をグロー放電管に装着し、空気の混入を防ぐ
ために希ガスを流しながら該放電管内を真空排気する工
程。 (b)該放電管内が定常的真空度になった後、希ガスの
流通を遮断してさらに高い真空状態で保持し、続いて希
ガスを再び導入して該放電管内を定常的真空度にする工
程。 (c)陰極としての試料と陽極とに電圧を印加し、一定
の微少電流を流して正常グロー放電領域で予備的に放電
を行ない、試料表面の付着物を除去する工程。 (d)陰極としての試料と陽極とにさらに電圧を印加
し、一定の電流を流して異常グロー放電領域で放電を行
なって試料表面の分析を行なう工程。
【0010】前記予備的放電の工程(c)が、放電管内
に補助電極を設けておき、該陽極と該補助電極との間に
補助放電を行ない、続いて該試料としての陰極と該補助
電極との間に予備放電を行い、該試料及び該陽極表面の
付着物を除去すればさらに好適である。該放電管内の定
常真空度及び高真空状態は、それぞれ、10〜60Pa
及び1〜3Paとしてもよい。
【0011】予備放電における微少電流を、例えば、1
0nA〜10mAとすることができる。 (2)装置発明 本装置は上述の本発明方法を好適に実施できるものであ
り、陽極と試料としての陰極を備えたグロー放電管と、
該グロー放電管内へ希ガスを導入する導入管と、該放電
管内を排気する第1及び第2の排気管と、真空計と、放
電用高圧電源と、分光器等からなるグロー放電発光分光
分析装置に適用され、次の技術手段を採った。すなわ
ち、導入管に設けられ希ガスの導入量を調節する電磁
弁と、陽極と該陰極間に所定の微小電流による予備放
電を行なわせて陰極表面の付着物を除去する低電流電源
と、真空計の出力により電磁弁の開閉を自動制御して
放電管内の真空度を定常値又は高真空値に保持すると共
に、放電用高圧電源及び低電流電源のオン・オフを自動
制御する制御装置と、を備えたことを特徴とするグロー
放電発光分光分析装置である。
【0012】上述の低電流電源に替えて直流電源を設け
ると共に、該放電管内に該直流電源によって対該陽極間
及び対該試料としての陰極間にそれぞれ補助放電及び予
備放電を行わせて該陽極及び該試料表面の付着物を除去
する補助電極を設け、該直流電源のオン・オフを該制御
装置により制御可能とすればさらによい。
【0013】
【作用】 本発明装置は、希ガス導入管の導入部に、第
1の排気管内又は陰極直近の真空度の測定結果に従って
制御装置によって開閉が制御される電磁弁を取付けてい
る。従って、放電管内への希ガス導入を一時的に遮断す
ることができ、真空ポンプで排気された放電管内部を高
真空に保持することが可能である。この希ガス遮断によ
って、低真空では排気され難い、管内に残留していた酸
素、窒素等のガスが、管外へ除去され、再び電磁弁を開
いて、希ガスを導入したときの酸素分圧等は低くなり、
希ガス流入量に応じた希ガス分圧にすることが可能とな
る。これにより、放電が安定し、正確な分析ができるよ
うになりグロー放電発光分光分析の測定精度が向上す
る。
【0014】また、本発明のGDSにおいては、第1工
程の希ガス遮断に続いて分光分析直前に、第2工程とし
て予備的な放電が行なわれる。この放電は試料である陰
極と陽極との間で、例えば、10nA〜10mAの微少
放電電流で行われ、正常グロー放電と呼ばれている。こ
の予備的な放電においては、試料そのもののスパッタリ
ングが起こらない程度のエネルギーを持った希ガスイオ
ンが試料表面層に衝突して表面層に吸着するガス成分や
油のような有機物などを除去するという物理的現象が生
じる。従って予備放電によって分光分析初期の放電条件
の変動がなくなり、固体表面での偏析または濃化元素の
検出が可能となり、さらに、O,N,Hのようなガス検
出が可能となり、応用分野が拡大される。
【0015】さらに、予備放電工程として、放電管内に
補助電極を設けて陽極と補助電極との間で補助放電さ
せ、さらに試料としての陰極と補助電極との間に補助放
電を行なわせると、陽極及び陰極表面の付着物をより効
果的に除去することができる。
【0016】
【実施例】 以下、本発明のGDS及びその装置につい
て詳細に説明する。なお希ガスとしてはアルゴンガスが
用いられているが、アルゴンガスに限定する必要はな
い。図1は本発明のグロー放電発光分光分析装置の一実
施例であるが、これに限定されるものではない。図1中
のグロー放電管は前述の図9に示した従来のグロー放電
管1に加え、アルゴンガス導入管18に電磁弁50を取
り付け、第1の排気管34に真空ゲージ51を備えたも
のである。
【0017】装置の構成要素としての、放電による発光
を分光する分光器42と、分光した光を検出するための
検出器44と、検出信号を発光強度に換算するための積
分器46と、測定用の放電を起こさせるための高圧電流
電源53は従来例と同様である。その他、放電電流を検
出するための電流計63、発光の強度を求める積分器4
6からの出力等を読み込み、スイッチ73による高圧電
流電源53のオン・オフと、電磁弁50の開閉を制御す
るための制御装置64を備えている。
【0018】さらに本発明においては、正常グロー域に
おける予備的な放電を行うため、微少電流を流すための
低電流電源52と微少電流を検出するための微少電流計
62及びスイッチ72が備えられており、微少電流計6
2の数値を制御装置64に読み込み低電流電源52およ
びスイッチ72を制御する機能を備えている。本発明の
GDSにおいては、試料10をOリング28に押し付
け、真空排気してグロー放電管1に装着する。この際、
同時に空気が放電管内に取り込まれる。従来法によれ
ば、GDS装置は空気の混入を最小限に防ぐ目的でアル
ゴンガスを常に流した状態で使用されている。放電管1
内への空気の混入は装置周辺の温度、湿度等の環境によ
り一定ではなく試料の粗度によって変化し、混入量には
再現性がない。
【0019】本発明によれば、さらに真空排気を数秒行
った後、真空ゲージ51が10〜60Paのところで定
常状態になる。この真空度になった時、制御装置64に
より電磁弁50は自動的に閉じられてアルゴンの導入が
中断され、放電管の内部は1〜3Paの高い真空状態の
まま数十秒保持される。続いて制御装置64により再び
電磁弁50は開放されアルゴンガスが導入されて数十秒
保持される。このとき真空度は10〜60Paになって
いる。
【0020】次に制御装置64は陰極としての試料10
と陽極12に、スイッチ72を操作して電源52により
電圧を印加し、一定の微少電流を流す。このときに流れ
る電流は、微少電流計62で検出され予め設定された放
電電流値と比較されフィードバック機構により放電電流
値との差をなくすように電源52の電圧値が自動的に調
節されている。このときの放電電流値は例えば、10n
A〜10mAに設定されており、正常グロー放電領域で
予備的な放電が行われる。
【0021】次いで制御装置64はスイッチ72を開
き、スイッチ73を閉じて電源53により試料10と陽
極12に電圧を印加し、一定の電流を流す。このときも
電源53の電圧値は、自動的に調節される。このときの
放電電流は、20〜60mAに設定されており、異常グ
ロー放電が起こって陰極試料10の表面がスパッタされ
試料成分の発光が管内で発生し、その発光を石英ガラス
窓14を通じて検出し従来法と同様の分光分析を行う。
本発明ではガラス窓14に石英を用いたが、これに限定
する必要はない。
【0022】本発明においては、試料10を放電管1に
装着後アルゴンの導入を一時的に遮断して放電管1内を
高真空に保持するため、空気の混入による酸素、窒素、
二酸化炭素等の低真空の状態では排気されにくいガス成
分が除去でき、また、管壁の表面には大気中の酸素、窒
素、二酸化炭素等のガスが吸着しているが、管内での各
ガス分圧の低下によって管壁から離脱し真空ポンプ2
0、22を介して排気できる。さらにその後アルゴンを
再び導入したときに管内での酸素、窒素、二酸化炭素分
圧を低くできるので、放電管1内のアルゴンガス分圧を
装置の置かれた環境に影響されず一定に保つことがで
き、常に、安定した放電条件で分光分析が可能である。
【0023】さらに正常グロー放電領域での予備的な放
電では、放電管1内で生成したアルゴン+ イオンは、陰
極材料そのものをスパッタするだけの充分なエネルギー
を持たず、試料10の表面層に吸着したガス成分や油の
ような有機物のみ作用して試料表面から除去するため、
次に行われる測定のための実放電の開始は表面不純物層
の無い状態で行われる。従って、プラズマ温度の大きな
変動はなくなり、試料表面から数十nmのところに偏
析、濃化した元素でも容易に検出できる。また、本発明
においては、電磁弁50の開閉は制御装置64によって
行われているため、アルゴンの導入、遮断を一回ずつに
限るものでは無く、開閉を複数回繰り返し行うことが可
能で、また開閉時間を任意に設定できるため、周囲の環
境、試料表面の状態、陽極の汚れ具合に応じてgas cut
を数回行い、かつ開閉時間を長くすることも可能であ
る。
【0024】また、図1において真空ゲージ51は、第
1の排気管34部に配置しているが、真空ゲージ51は
必ずしも第1の排気管34部に置く必要はなく、例えば
第2図の真空ゲージ54のように、放電効果に悪影響を
与えないような放電管1内部の試料10に近いところに
配置し、真空度を測定することも可能である。この場合
は、試料表面近傍のガス圧を測定することが可能となる
ので、さらに精度の高いガス分圧の制御が可能となる。
【0025】また、図1に示す本発明の実施例において
は、予備放電は放電管1の陽極と試料である陰極10の
間で行われていたが、図2に示すように放電管1管内に
補助的な電極80を設け、正の電圧を印加するための直
流電源84を設置することでこの補助電極80に正の電
位を印加し、陽極12と補助電極80との間で補助放電
を行い、続いて試料である陰極10と補助電極80との
間で予備放電を行うことも可能である。なお、86はそ
の切換スイッチである。この補助放電及び予備放電を実
施することによって、陽極12及び試料10の表面の付
着物を取り除くことが可能になり、放電の安定性がさら
に向上する。
【0026】本発明のGDS装置を用いて、2種類の試
料のGDSによる極表面層の分析を行なった。その結果
をそれぞれ図3〜図8に示す。図3、図4、図5は純鉄
試料の測定例、図6、図7、図8はZn−Niめっき鋼
板試料の測定例であって、図3及び図6は実施例に、図
4、図5、及び図7、図8は比較例に相当する。
【0027】図3は、1回のガス−カットに引き続いて
予備放電を行なった後の純鉄のGDSの測定例である。
図4は、ガス−カットを行なうことなく予備放電後の純
鉄のGDSの従来法による比較測定例である。図5は、
ガス−カットのみを行なった後の純鉄のGDSの比較測
定例である。ガス−カット時の真空度及び予備放電から
主放電に至る間の真空度はそれぞれ2.5Pa〜50P
aである。また予備放電は2mAである。
【0028】図3、図4、図5の純鉄試料のGDS測定
時の放電電流は10mAである。また、スパッタリング
時間20秒は表面から約30nmの深さに相当する。図
6は、2回のガス−カットに引き続いて予備放電後のZ
n−Niめっき鋼板のGDSの測定例である。図7は、
ガス−カットを行なうことなく予備放電後のZn−Ni
めっき鋼板のGDSの従来法による比較測定例である。
【0029】図8は、ガス−カットのみを行なった後の
Zn−Niめっき鋼板のGDSの比較測定例である。ガ
ス−カット時の真空度及び予備放電から主放電に至る間
の真空度はそれぞれ2.5Pa〜50Paである。また
予備放電は2mAである。図6、図7、図8のZn−N
iめっき鋼板試料のGDS測定時の放電電流は20mA
である。また、スパッタリング時間20秒は表面から約
1120nmの深さに相当する。
【0030】図3、図4、図5から分かるように、ガス
−カットだけではC、Hが多く残留している。また、予
備放電だけではC、Hはかなり除去されるが、Nの除去
が不十分である。本発明によれば、ガス−カットと予備
放電とを組み合わせることによりC、H、Nが著しく除
去され、またFe強度が最大になる時間が格段に短くな
り、よって極表面層の著しい清浄化効果が認められる。
【0031】また、図6、図7、図8から分かるよう
に、ガス−カットだけ或は予備放電だけではOが多く残
留している。本発明によれば、ガス−カットと予備放電
とを組み合わせることによりOが2/3程度まで除去さ
れており、よって極表面層の著しい清浄化効果が認めら
れる。
【0032】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の方法及
び装置によれば、従来の予備放電のみを行なうGDS測
定に比べて固体試料極表面層が著しく清浄化され、よっ
て極表面層の深さ方向の元素分布を簡易かく迅速に分析
することができる。従来、固体試料極表面層の分析には
イオンマイクロプロ−ブマスアナライザー(IMM
A)、オ−ジェ電子分光法(AES)及び光電子分光法
(XPS)またはESCAが用いられているが、本発明
の改良されたGDS及びその装置は、その迅速性及び簡
易性の観点から、それら従来の表面分析方法に取って代
わる見込みが高い。そして、鉄鋼試料だけでなく半導体
試料等の表面分析への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のグロー放電発光分光分析装置
の一実施例の説明図である。
【図2】図2は、本発明装置の他の実施例の説明図であ
る。
【図3】図3は、純鉄試料のGDS測定例である。
【図4】図4は、純鉄試料のGDS測定例である。
【図5】図5は、純鉄試料のGDS測定例である。
【図6】図6は、Zn−Niめっき鋼板試料のGDS測
定例である。
【図7】図7は、Zn−Niめっき鋼板試料のGDS測
定例である。
【図8】図8は、Zn−Niめっき鋼板試料のGDS測
定例である。
【図9】図9は、従来の補助電極を有するグリム型グロ
ー放電管の説明図である。
【符号の説明】
1…グロー放電管 10…分析試料 12…陽極 14…石英ガラス窓 16…陰極 18…アルゴンガス導入管 20、22…真空ポンプ 28、30…Oリング 32…放電空間 40…絶縁材料 42…分光器 44…光検出器 46…積分器 50…電磁弁 51、54…真空ゲージ 52…低電流電源 53…高圧電流電源 62…微少電流計 63…電流計 64…制御装置 66…記憶装置 68…プリンタ 72、73…切換スイッチ 80…補助電極 84…直流電源 86…切換スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 正雄 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭62−17644(JP,A) 特開 昭57−12350(JP,A) 特開 昭60−10154(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体試料の極表面層の分析に適するグロ
    ー放電発光分光方法であって、次の工程からなることを
    特徴とするグロー放電発光分光方法。 (a)試料をグロー放電管に装着し、空気の混入を防ぐ
    ために希ガスを流しながら該放電管内を真空排気する工
    程。 (b)該放電管内が定常的真空度になった後、希ガスの
    流通を遮断してさらに高い真空状態で保持し、続いて希
    ガスを再び導入して該放電管内を定常的真空度にする工
    程。 (c)陰極としての試料と陽極とに電圧を印加し、一定
    の微少電流を流して正常グロー放電領域で予備的に放電
    を行ない、試料表面の付着物を除去する工程。 (d)陰極としての試料と陽極とにさらに電圧を印加
    し、一定の電流を流して異常グロー放電領域で放電を行
    なって試料表面の分析を行なう工程。
  2. 【請求項2】 前記予備的放電の工程(c)が、放電管
    内に補助電極を設けておき、該陽極と該補助電極との間
    に補助放電を行ない、続いて該試料としての陰極と該補
    助電極との間に予備放電を行い、該試料及び該陽極表面
    の付着物を除去する請求項1記載のグロー放電発光分光
    分析方法。
  3. 【請求項3】 該放電管内の定常真空度及び高真空状態
    が、それぞれ、10〜60Pa及び1〜3Paである請
    求項1記載のグロー放電発光分光分析方法。
  4. 【請求項4】 陽極と試料としての陰極を備えたグロー
    放電管と、該グロー放電管内へ希ガスを導入する導入管
    と、該放電管内を排気する第1及び第2の排気管と、真
    空計と、放電用高圧電源と、分光器等からなるグロー放
    電発光分光分析装置において、該導入管に設けられ希ガ
    スの導入量を調節する電磁弁と、該陽極と該陰極間に所
    定の微小電流による予備放電を行なわせて該陰極表面の
    付着物を除去する低電流電源と、該真空計の出力により
    該電磁弁の開閉を自動制御して該放電管内の真空度を定
    常値又は高真空値に保持すると共に、該放電用高圧電源
    及び該低電流電源のオン・オフを自動制御する制御装置
    とを備えたことを特徴とするグロー放電発光分光分析装
    置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4の低電流電源に替えて直流
    電源を設けると共に、該放電管内に該直流電源によって
    対該陽極間及び対該試料としての陰極間にそれぞれ補助
    放電及び予備放電を行わせて該陽極及び該試料表面の付
    着物を除去する補助電極を設け、該直流電源のオン・オ
    フを該制御装置により制御可能としたグロー放電発光分
    光分析装置。
JP3051348A 1990-03-19 1991-03-15 グロー放電発光分光分析方法及びその装置 Expired - Lifetime JPH0830682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3051348A JPH0830682B2 (ja) 1990-03-19 1991-03-15 グロー放電発光分光分析方法及びその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6736490 1990-03-19
JP2-67364 1990-03-19
JP3051348A JPH0830682B2 (ja) 1990-03-19 1991-03-15 グロー放電発光分光分析方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04212045A JPH04212045A (ja) 1992-08-03
JPH0830682B2 true JPH0830682B2 (ja) 1996-03-27

Family

ID=26391880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3051348A Expired - Lifetime JPH0830682B2 (ja) 1990-03-19 1991-03-15 グロー放電発光分光分析方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0830682B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078455A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Horiba Ltd グロー放電発光分析装置、及びグロー放電発光分析方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55126725A (en) * 1979-03-23 1980-09-30 Sanyo Electric Co Ltd Combustion apparatus for liquid
JPS6032813Y2 (ja) * 1980-03-05 1985-10-01 三洋電機株式会社 空気調和機
JPS5712350A (en) * 1980-06-25 1982-01-22 Nippon Steel Corp Method for cleaning counter electrode in emission spectrochemical analysis
JPS6010154A (ja) * 1983-06-30 1985-01-19 Nippon Steel Corp 金属表面分析用試料保持方法および保持具
JPS6217644A (ja) * 1985-07-16 1987-01-26 Sumitomo Metal Ind Ltd グロ−放電発光分光分析方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078455A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Horiba Ltd グロー放電発光分析装置、及びグロー放電発光分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04212045A (ja) 1992-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11204509A (ja) プラズマエッチング装置、そのインシチュモニタリング方法及びインシチュ洗浄方法
US5172183A (en) Glow discharge atomic emission spectroscopy and apparatus thereof
Mushtaq et al. Comparison of a sample containing oxide with a pure sample with argon–oxygen mixtures
JPH0830682B2 (ja) グロー放電発光分光分析方法及びその装置
JPH0896988A (ja) プラズマモニタ装置およびプラズマモニタ方法
JPH0875653A (ja) グロー放電発光分光分析方法
Steers et al. The effects of traces of molecular gases (H2, N2 & O2) in glow discharges in noble gases
JP3709993B2 (ja) グロー放電発光分光分析方法及びグロー放電発光分光分析装置
JP2006058283A (ja) 昇温脱離分析方法、および、昇温脱離分析装置
JPH06102180A (ja) グロー放電分光分析装置
JP2001004548A (ja) グロー放電分析装置
JPH08210979A (ja) グロー放電発光分光分析方法およびそれに用いる装置
JP3934815B2 (ja) グロー放電分析装置
JP2004151042A (ja) グロー放電発光分光分析装置
JPS63210751A (ja) グロ−放電発光分析装置
JP4146777B2 (ja) グロー放電分析方法
JP2779141B2 (ja) グロー放電発光分光分析方法
JP4362983B2 (ja) 絶縁物の表面分析方法
JP2001091465A (ja) グロー放電発光分光分析方法
JP4401828B2 (ja) グロー放電発光分光分析装置
JP2001004547A (ja) グロー放電分析装置
US20220392754A1 (en) Mass spectrometer and method for calibrating a mass spectrometer
Müller et al. A trace gas mass spectrometer for on‐line monitoring of sputter processes at 10− 2 mbar without pressure reduction
JPH08193953A (ja) グロー放電発光分光分析装置
JPS5923381B2 (ja) 発光分光分析用グロ−放電装置