JPH0875653A - グロー放電発光分光分析方法 - Google Patents

グロー放電発光分光分析方法

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JPH0875653A
JPH0875653A JP21550594A JP21550594A JPH0875653A JP H0875653 A JPH0875653 A JP H0875653A JP 21550594 A JP21550594 A JP 21550594A JP 21550594 A JP21550594 A JP 21550594A JP H0875653 A JPH0875653 A JP H0875653A
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JP
Japan
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discharge
sample
vacuum
glow discharge
predischarge
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Pending
Application number
JP21550594A
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English (en)
Inventor
Takashi Matsumura
孝 松村
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の極表面層の深さ方向分布の分析、さら
には非電気伝導性の試料の分析に適するグロー放電発光
分光分析方法を提供する。 【構成】 陽極と試料とされる陰極を備えた発光部を有
する高周波グロー放電発光分光分析装置を用い、かつ本
放電を行うに先立ち高周波電源を用いて予備放電を行う
ことにより、極表面層の深さ方向の元素分析を正確に、
簡易かつ迅速に分析することを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グロー放電発光分光分
析方法に係り、特に試料の極表面層の深さ方向分布の分
析、さらには非電気伝導性の試料の分析に適するグロー
放電発光分光分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グロー放電発光分光分析法は放電管内に
アルゴン等の希ガスを数十Pa程度導入し、試料を陰極と
して異常グロー放電させ、生じた希ガス元素のイオンに
よって試料表面を連続的にスパッタリングし、スパッタ
リングされた試料成分の負グロー域での原子発光スペク
トルを分光分析することにより、試料表面層の組成を定
量的、定性的に分析する方法である。
【0003】従来のグロー放電発光分光分析法に用いら
れるグロー放電管には、たとえば図3に示すようなグリ
ムによって開発された中空陽極型のものがある。このグ
ロー放電管1においては、試料10の反対側の陽極12の開
口端が石英ガラス窓14によってシールされ、かつ、陽極
12に絶縁材料18で絶縁およびシールされた状態で中空の
陰極16が取付けられており、他の開口端は陰極16にOリ
ング20を介して試料10が密着して真空にシールされてい
る。
【0004】そして、グロー放電管1はその中空部22内
に希ガス導入管24からアルゴン等の希ガスが流入される
とともに、陽極12の内部圧力が異常グロー放電に適切な
圧力になるように、第1の排気管26を介して第1の真空
ポンプ28で排気されて内部圧力が調圧され、一方、第2
の排気管30を介して第2の真空ポンプ32で陽極パイプ12
a の内外部分に圧力差が生じる状態とされて異常グロー
放電が行われる。この異常グロー放電によって発生した
光を石英ガラス窓14を介して分光器34に入光させ、分光
分析することにより試料10の元素分析が可能となる。は
お、図中における36は高圧電流電源、38は検出器、40は
積分器であり、陰極16は供給管42から供給され、排水管
44から排水される冷却水によって冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のグリム型のグロー放電管を用いたグロー放電発光分光
分析装置は、元素分析装置として開発されたものである
ために、金属の表面分析に用いる際には放電の立ち上が
りが考慮されていないため、その測定範囲はほぼ1μm
以上の厚い表面層に限られており、数十〜数百nmの極表
面層深さ方向の分析は困難であった。
【0006】その理由は、従来のグロー放電発光分光分
析装置によれば表面から100nm 程度までの領域での放電
が不安定であるからで、その原因として放電開始時の破
壊電圧変動および試料表面や放電管表面に吸着されたガ
ス成分や油などの有機物によりプラズマの温度が下がる
ことに起因する放電電圧の上昇、発光強度の減少が考え
られた。
【0007】この問題を解決するために、従来のグリム
型放電管において、通常の陽極と試料である陰極とを備
えた発光部に第3の電極(補助電極)を設け、この第3
の電極を利用して陽極と陰極間の放電電圧および電流を
独立かつ任意に制御し得る装置が開発された(たとえ
ば、実開昭53− 91694号公報参照)。さらに、上記装置
を用いて陽極と陰極としての第3の電極との間で予備的
に正常グロー放電領域で放電を行う技術が提案された
(たとえば、大橋ほか;鉄と鋼 Vol.69(1983),No.10,p
p.1344-1349参照)。
【0008】これらの方法によれば、前記予備放電と補
助放電の効果として、放電管内および試料表面はより清
浄になり、かつ本放電(異常グロー放電)をより円滑に
開始させることができるようになった。しかし、これら
予備放電と補助放電の適用によっても、試料や放電管の
電極表面の吸着物や付着物の除去効果は十分ではなかっ
た。これはたとえば、放電管内に酸素が含まれていると
放電が安定しない、また放電が開始しにくいなどの理由
による。そのため、固体表面から数十nmの深さまでの領
域で於ける元素分析には依然と問題があり、たとえば金
属表面に数nm〜数十nmの厚みで付着、偏析または濃化し
た元素の定量は困難であった。
【0009】そこで、本出願人は特開平4−212045号公
報によって、金属表面の元素を定量化する方法およびそ
の装置を提案した。すなわち、図4に示すように、アル
ゴン等の希ガスを導入する希ガス導入管24に電磁弁46を
介装するとともに、高圧電流電源36に並列に低電流電源
48を接続して切換スイッチ50,52で切り換え可能にし、
それぞれの電流を電流計54,56で測定する。また積分器
40には制御装置58を接続し、この制御装置58には記憶装
置60およびプリンタ62を接続する。
【0010】そして、制御装置58からの指令に基づい
て、希ガス導入管24から希ガスを流しながらグロー放電
管1内を第1の真空ポンプ28および第2の真空ポンプ32
で真空排気し、定常的真空度になった後電磁弁46を閉止
して希ガスを遮断して高真空状態に保持し、その後電磁
弁46を開放して再び希ガスを導入して定常的真空度に保
持して、切換スイッチ52をオンにして低電流電源48から
微少電流を流して定常グロー放電領域で予備放電を行っ
て試料表面の付着物を除去し、ついで切換スイッチ52を
オフ、切換スイッチ50をオンにして高圧電流電源36から
一定の電流を流して異常グロー放電領域で放電を行って
試料表面の分析を行うのである。
【0011】しかし、これら予備放電および補助放電は
直流グロー放電のみに適用できる手段であり、高周波グ
ロー放電に適用することは困難である。そのため、高周
波グロー放電を用いなければ測定が困難である有機樹脂
などがコーティングされた鋼板などの絶縁物を分析する
際には、測定開始直後の放電が安定しないとか放電が開
始しにくいなどの理由により、表面から数十nmの深さ方
向までの領域における元素分析には問題がある。
【0012】本発明は、上記のような従来技術の有する
問題点を解消すべくなされたものであって、放電初期の
放電変動を抑制し、正確に表面の深さ方向の元素分布の
情報を簡易、かつ迅速に分光分析が行えるグロー放電発
光分光分析方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するものであって、その要旨とするところは、陽極と
試料を保持する陰極とを備えた発光部を有する高周波グ
ロー放電発光分光分析装置を用い、かつ本放電を行うに
先立ち高周波電源を用いて予備放電を行うことを特徴と
するグロー放電発光分光分析方法である。
【0014】なお、前記予備放電において陽極と陰極と
しての試料との間に一定の微少電力の高周波を印加する
のがよい。また、前記予備放電時の真空度を 100〜400
Paとし、前記本放電時の真空度を予備放電時より下げ、
かつ 250〜400 Paとするのがよい。
【0015】
【作 用】本発明の具体的な手順について説明すると、
以下のとおりである。すなわち、 試料をグロー放電管に装着したのち、該放電管内を真
空排気する工程、 該放電管内が高い真空度になったのち、続いて希ガス
を導入して該放電管内を定常的真空度にする工程、 陰極としての試料と陽極とに一定の微少電力の高周波
を印加し、予備的に放電を行い、試料表面の付着物を除
去する工程、 陰極としての試料と陽極とにさらに高周波を印加し、
一定の電力を供給して高周波グロー放電領域で放電を行
って試料表面の分析を行う工程、 の4つの工程によるものである。
【0016】なお、上記の工程における高真空度状態
は1〜6Paが好ましい。また、この工程における定常
的真空度の状態および工程での真空度状態はいずれも
100〜400 Pa、より好ましくは100 〜300 Pa、さらに好
ましくは100 〜250 Paが好ましい。ここで、100 Pa未満
の場合は放電しにくく、 400Pa超えの場合は予備放電時
にスパッタリングが生じて本放電時に極表面のデータが
得られない。
【0017】前記工程の予備放電時の微少電力は3〜
20W、より好ましくは5〜15Wとすることが望ましい。
3W未満では放電が生ぜず、20W超えの場合はスパッタ
リングが生じ、本放電時に極表面のデータが得られな
い。前記工程における本放電時の真空度は前記工程
の予備放電時よりも下げることが好ましく、250 〜400
Paとすることが望ましい。
【0018】本発明における前記真空度の調整は、アル
ゴン、ヘリウム等の希ガスの導入流量の調整によって行
うことができる。なお、本発明において真空度を下げる
ことは、絶対圧力を上げることを意味する。したがっ
て、本発明によれば、本放電を行うに先立ち高周波電源
を用いて、分光分析直前に試料である陰極と陽極との間
に3〜20Wの微少電力で予備放電を行うことにより、試
料そのものがスパッタリングが起こらない程度のエネル
ギーをもった希ガスイオンが試料表面層に衝突して表面
層に吸着するガス成分や油のような有機物などを除去す
るという物理的現象が生じる。それゆえ、予備放電によ
って分光分析初期の放電条件の変動がなくなり、固体表
面の極表面層での偏析または濃化元素の検出が可能であ
る。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
してくわしく説明する。図1は本発明に係るグロー放電
発光分光分析装置の構成を示す概要図であり、図示のよ
うに、高周波電源70が取付けられ、その高周波電力を検
出する電力計72が備えられる。
【0020】そして、制御装置58の指令に基づいて、定
常的真空度状態になった時点で切換スイッチ52をオンし
て陰極としての試料10と陽極12の間に高周波電源70から
一定の微少電力を印加し、予備放電を行う。このときの
電力量は電力計72によって検出されて制御装置58に入力
され、あらかじめ設定された放電電力値と比較され、フ
ィードバック制御によって放電電力が自動的に一定値に
なるよう調整される。そして、設定された時間が経過し
たら制御装置58の指令により、予備放電を終了するとと
もに、高周波電源から一定の電力を印加して本放電を行
い、発光分光分析を開始する。
【0021】樹脂被覆鋼板の表面深さ方向のSiを分析す
る際に、本発明のグロー放電発光分光分析装置を用い
た。すなわち、試料をグロー放電管1に装着した後、排
気管26および30を介して真空ポンプ28および32で真空排
気してグロー放電管1内を2Paの高真空度状態に保持し
た。ついで、電磁弁46を開放してアルゴンを導入し、15
0 Paの定常的真空度に戻してから、高周波電源70から10
Wの微少電力を印加して予備放電を行って試料表面の付
着物を除去した。その後、アルゴンガスの流量を調整し
て、真空度を 340Paとした後、高周波電源70から40Wの
電圧を印加して放電を行って試料表面の深さ方向の分析
を行った。
【0022】その結果を図2(a) に示した。なお、比較
のために高周波電源で予備放電を行なわない従来法での
測定結果を図2(b) に示した。これらの図から明らかな
ように、本発明例による場合は、従来例に比較して鋼板
表面に被覆された樹脂中の添加シリカのSiが深さ方向で
正確に測定可能であることがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、予備放電に高周波電源を用いて微少電力を印加す
るようにしたので、従来の予備放電を行なわない高周波
グロー放電発光分光分析法に比べて固体試料の極表面層
が著しく清浄化され、これによって極表面層の深さ方向
の元素分析を正確に、簡易かつ迅速に分析することがで
きる。また、本発明の方法によれば、非電気伝導性の試
料の分析も可能であり、広い分野での適用が期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグロー放電発光分光分析装置の構
成を示す概要図である。
【図2】樹脂被覆鋼板の表面深さ方向のSiの分析結果を
示す、(a) 本発明例、(b) 従来例の特性図である。
【図3】グロー放電発光分光分析装置の従来例を示す概
要図である。
【図4】グロー放電発光分光分析装置の他の従来例を示
す概要図である。
【符号の説明】
1 グロー放電管 10 試料 12 陽極 14 石英ガラス窓 16 陰極 22 中空部 24 希ガス導入管 26 第1の排気管 28 第1の真空ポンプ 30 第2の排気管 32 第2の真空ポンプ 34 分光器 36 高圧電流電源 38 検出器 40 積分器 46 電磁弁 48 低電流電源 50,52,68 切換スイッチ 54 電流計 58 制御装置 64 直流電源 70 高周波電源 72 電力計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と試料を保持する陰極とを備えた
    発光部を有する高周波グロー放電発光分光分析装置を用
    い、かつ本放電を行うに先立ち高周波電源を用いて予備
    放電を行うことを特徴とするグロー放電発光分光分析方
    法。
  2. 【請求項2】 前記予備放電において陽極と陰極とし
    ての試料との間に一定の微少電力の高周波を印加するこ
    とを特徴とする請求項1記載のグロー放電発光分光分析
    方法。
  3. 【請求項3】 前記予備放電時の真空度を 100〜400
    Paとし、前記本放電時の真空度を予備放電時より下げ、
    かつ 200〜400 Paとすることを特徴とする請求項1又は
    2記載のグロー放電発光分光分析方法。
JP21550594A 1994-09-09 1994-09-09 グロー放電発光分光分析方法 Pending JPH0875653A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100453293B1 (ko) * 2001-12-28 2004-10-15 에이치아이티 주식회사 속빈 음극관을 가지는 분광분석시스템의 글로우 방전셀

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