JPH0896988A - プラズマモニタ装置およびプラズマモニタ方法 - Google Patents

プラズマモニタ装置およびプラズマモニタ方法

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JPH0896988A
JPH0896988A JP6232940A JP23294094A JPH0896988A JP H0896988 A JPH0896988 A JP H0896988A JP 6232940 A JP6232940 A JP 6232940A JP 23294094 A JP23294094 A JP 23294094A JP H0896988 A JPH0896988 A JP H0896988A
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chamber
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inert gas
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 VUV領域のプラズマ発光を精度よくモニタ
するプラズマモニタ装置およびプラズマモニタ方法を提
供する。 【構成】 プラズマ処理室1および分光器室3を、光学
窓を介することなくモニタ光光路2により直接連接する
とともに、モニタ光光路2に気密シャッタ7を配設す
る。さらに、分光器室3に不活性ガス導入孔8や真空排
気手段9を設けてもよい。 【効果】 プラズマ処理室1内の反応ガスの分光器室3
への拡散が防止できる。このため、グレーティング4や
分光器室3内壁等の腐食や曇りがなくなり、安定した高
精度のプラズマモニタが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造プロセ
ス等で用いられるプラズマモニタ装置およびプラズマモ
ニタ方法に関し、さらに詳しくは、VUV(真空紫外)
領域のプラズマ発光を安定に観測しうるプラズマモニタ
装置およびプラズマモニタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体装置のデザインルール
がハーフミクロンからクォータミクロンのレベルへと微
細化されるに伴い、プラズマエッチング等の微細加工技
術に対する要求は一段と厳しさを増している。一例とし
て、MISFETのゲート電極のパターニングにおいて
は、高異方性、高選択比、高エッチングレート、低汚染
そして下地絶縁膜に対する低ダメージや均一性等の諸要
求を高いレベルで満足させ得るプラズマエッチング方法
が要求される。
【0003】かかる諸要求に応えるプラズマエッチング
装置として、12インチを超える大口径基板の均一処理
に有利な、ECR(Electron Cyclotr
onResonance)プラズマ、ICP(Indu
ctively Coupled Plasma)、T
CP(Transformer Coupled Pl
asma)あるいはヘリコン波プラズマ等のプラズマ発
生源を有する装置が実用化段階にある。これらのプラズ
マ発生源は、10-1Pa台の低圧力下において方向性の
揃った高イオン電流密度が得られ、1011〜1012/c
-3台の高密度プラズマによる処理が可能である。これ
ら各高密度プラズマエッチング装置についての技術的説
明は、個々の技術リポート等に詳述されているので省略
するが、総説としては月刊セミコンダクター・ワールド
誌(プレスジャーナル社刊)1992年10月号59ペ
ージに記事が掲載されている。
【0004】プラズマ処理装置におけるプラズマモニタ
の方法としては、紫外および可視領域の発光分光分析が
広く用いられている。これは、プラズマの発光スペクト
ルを石英等の光学窓を介して取り出して分光し、ラジカ
ル固有のスペクトル線を抽出してこの強度をモニタする
ことにより、反応種や反応生成物等の情報を得るもので
ある。
【0005】プラズマの発光スペクトルは、一般に広い
波長範囲にわたって固有スペクトル線が離散的に分布し
ている。しかも上述した高密度プラズマ発生源からは、
従来の平行平板型プラズマ発生源よりも、より高エネル
ギすなわち短波長のVUV光が発生する。この現象に関
しては、本発明者らがJpn.J.of Appl.P
hys.Part 1,32 (1993) 6114
に指摘した通りである。高密度プラズマをモニタするた
めに、VUV光を含めた広範囲の波長領域に対応可能な
プラズマモニタ装置およびプラズマモニタ方法が必要で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】VUV光のモニタは、
VUV領域で透明な合成石英やCaF2 等の光学窓を介
した方法が可能である。しかしながら、200nm以下
の短波長領域においては光学窓材中の微量の不純物や、
光学窓に付着する僅かの堆積物、あるいは光学窓の腐食
による粗面化による吸収や散乱が大きく、安定したモニ
タをおこなうことは困難である。
【0007】そこで光学窓を介さず、プラズマ光を直接
分光器室に導入し、グレーティングでの分光および反射
を経て光電子増倍管に入射し、特定の発光強度を測定す
る測定系が必要となる。この測定系を有する従来のプラ
ズマモニタ装置の概略断面図を図3を参照して説明す
る。
【0008】同装置は、プラズマ処理室1と分光器室3
とがモニタ光光路2を介して直接連接されており、光学
窓を用いることなくプラズマ処理室1中のプラズマ10
を直接モニタすることができる。プラズマ10の発光中
の特定の波長の光をグレーティング4により分光し、そ
の光強度を光電子増倍管5で電気信号に変換し、モニタ
6上に表示する。このグレーティング4は、Al系金属
等高反射率の円筒状凹面鏡に、光の波長程度の周期構造
を形成し、その表面をCaF2 、MgO等の誘電体材料
でコーティングしたものである。プラズマ処理室の外周
にはマルチターンのRFコイル14を巻回し、RF電源
15からの電力を供給して処理ガス導入孔13からの処
理ガスのプラズマ10をICPモードで励起する。プラ
ズマ処理室1の下部には基板ステージ12に被処理基板
11を載置し、所定の高密度プラズマ処理を施す。
【0009】同装置によれば、光学窓の吸収に影響され
なない高精度のVUV光モニタが可能である。しかし、
モニタ中にハロゲン系ガスや堆積性のガス等の処理ガス
が分光器室3に拡散されることが避けられず、分光器室
3の内壁やグレーティング4表面に腐食層あるいは堆積
層16を生じ、安定なプラズマモニタを阻害したり、プ
ラズマモニタ装置そのものの寿命を縮める場合があっ
た。
【0010】そこで本発明の課題は、VUV光を含む短
波長のプラズマ光のモニタリングを、安定して再現性高
くなしうるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を
提供することである。
【0011】また本発明の別の課題は、VUV光を含む
短波長のプラズマ光のモニタリングにおいて、分光器室
内壁やグレーティングへの膜堆積や腐食がなく、メンテ
ナンスや装置寿命の点でも有利なプラズマ処理方法およ
びプラズマ処理装置を提供することである。本発明の上
記以外の課題は、本願明細書および添付図面の説明によ
り明らかにされる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマモニタ
装置は上述の課題を解決するために提案するものであ
り、プラズマ処理室と分光器室がモニタ光光路を介して
直接連接された構造を具えたプラズマモニタ装置であっ
て、このモニタ光光路に気密シャッタを配設したことを
特徴とするものである。気密シャッタは開閉自在であ
り、開のモード時にはモニタ光の通過が可能であるとと
もに、閉モード時には、プラズマ処理室と分光器室のい
ずれが負圧となってもリークを発生することのないゲー
トバルブである。この気密シャッタを、モニタ光光路の
中間位置または端部に配設する。
【0013】分光器室には、不活性ガスの導入孔を有す
ることが望ましい。また分光器室には、不活性ガスの導
入孔と真空排気手段とを有することが望ましい。
【0014】また本発明のプラズマモニタ方法は上述の
課題を解決するために提案するものであり、上述したプ
ラズマモニタ装置により、気密シャッタを開とした状態
で、プラズマ処理室内のプラズマをモニタすることを特
徴とするものである。気密シャッタの開時間は、プラズ
マモニタの実時間と略等しい、すなわちプラズマモニタ
の実時間中のみ気密シャッタを開とすることが望まし
い。
【0015】本発明のプラズマモニタ方法においては、
モニタ中は分光器室内に不活性ガスを導入し、この分光
器室内の圧力をプラズマ処理室内の圧力より高く保持す
ることが望ましい。
【0016】不活性ガスはHe、Ne、Ar、Krおよ
びXeの希ガス、あるいはN2 やフォーミングガスや乾
燥空気等、腐食性や堆積性のないガスを任意に用いてよ
い。これのうち、Xeは最も好ましいガスである。
【0017】またプラズマ処理終了後、気密シャッタを
閉とし、分光器室内を真空排気することが望ましい。同
じくまたプラズマ処理終了後、気密シャッタを閉とし、
分光器室内を真空排気する工程と、分光器室内に不活性
ガスを導入する工程を交互に繰り返す、いわゆるサイク
ルパージを施すことが望ましい。この際の不活性ガス
は、上述したガスのうちのいずれを用いてもよい。
【0018】
【作用】本発明のプラズマモニタ装置のポイントは、モ
ニタ光光路に気密シャッタを配設し、分光器室をプラズ
マ処理室から遮断しうる構造とした点にある。この構造
の採用により、プラズマ処理室から分光器室への処理ガ
スの拡散を防止する構造が可能となる。
【0019】また分光器室に不活性ガスの導入孔を設け
ることにより、プラズマモニタ中は分光器室をプラズマ
処理室より陽圧とし、プラズマ処理室から分光器室への
処理ガスの拡散を防止する構造がより完全な形で可能と
なる。
【0020】さらに、分光器室に真空排気手段、あるい
は不活性ガス導入孔と真空排気手段を併設することによ
り、分光器室に拡散した極く微量の処理ガスををも直ち
に除去することが可能な構造が実現できる。
【0021】本発明のプラズマモニタ方法のポイント
は、上述したプラズマ処理装置の構成を採用することに
より、気密シャッタを開とする時間を必要最小限とし、
プラズマモニタの実時間のみ開とすることによって、処
理ガスの分光器室への拡散を低レベルに抑える点にあ
る。
【0022】必要最小限の気密シャッタ開時間中には、
分光器室内に不活性ガスを導入し、分光器室内をプラズ
マ処理室内より陽圧とすれば、処理ガスの分光器室への
拡散はさらに低減できる。この際、不活性ガスはプラズ
マ処理室内に拡散してプラズマとなる。希ガスの中性励
起種による特性発光スペクトルはいずれもVUV領域に
あるが、この中でもXeの特性発光スペクトルは147
nmと最も長波長であり、SiO2 のバンドギャップエ
ネルギ8.8eV(140.9nm)より小さいエネル
ギである。このため、例えばゲート電極エッチング時に
ゲート酸化膜に与えるダメージは希ガス中最も小さく好
ましいものである。
【0023】プラズマ処理終了後は気密シャッタを閉と
し、分光器室内を真空排気すれば、分光器室内に僅かに
拡散してきた処理ガスを直ちに除去することができる。
このとき、気密シャッタは閉のまま、真空排気と不活性
ガスの導入を交互に繰り返し、サイクルパージを施せ
ば、分光器室内に僅かに拡散してきた処理ガスの除去効
果はほぼ完全なものとなる。以上の作用により、分光器
室内壁やグレーティングの腐食や膜堆積は防止され、安
定したVUV領域のプラズマモニタが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき図面を参
照しながら説明する。なお以下の実施例では、従来の技
術の説明で参照した図3と同じ構成要素には同一の参照
番号を付すものとする。
【0025】実施例1 本実施例は、プラズマ処理室と分光器室が気密シャッタ
を有するモニタ光光路を介して連接されたプラズマモニ
タ装置を用い、腐食性のCl系ガスによるプラズマ処理
を施した際のプラズマモニタ方法につき、図1(a)〜
(d)を参照して説明する。
【0026】図1(a)に示すプラズマモニタ装置は、
ICP方式のプラズマ処理室1を具備するものであり、
基本的な構成は図3に示したプラズマモニタ装置と同じ
である。本装置の特徴部分は、モニタ光光路2に設けた
気密シャッタ7および分光器室3に開口した不活性ガス
導入孔8である。この気密シャッタ7は図示しない駆動
手段により開閉自在であり、開状態の際はプラズマ処理
室1内のプラズマ10の発光を、分光器室3内のグレー
ティング4に向け直接入射させることが可能である。一
方、気密シャッタ7を閉状態にすれば、プラズマ処理室
1と分光器室3とをリークを発生することなく分離可能
である。その他の構成は説明を省略する。
【0027】続けて本実施例のプラズマモニタ方法を逐
次説明する。ICP方式によるプラズマの生成は、10
-1Pa台の低圧下で行うため、まず気密シャッタ7を開
とし、プラズマ処理室1および分光器室3を10-3Pa
台の基礎真空度まで真空引きする。この状態が図1
(a)である。
【0028】つぎに気密シャッタ7を閉とし、処理ガス
導入孔13よりCl系ガスを導入し、下記条件によりプ
ラズマ処理を施す。 Cl2 60 sccm ガス圧力 0.3 Pa RF電源パワー 2000 W(1.8MHz) このとき、分光器室3には不活性ガス導入孔8より少量
のXeガスを導入し、プラズマ処理室と同じ圧力となる
ようにする。本プラズマ処理は、例えばSi単結晶から
なる8インチの被処理基板に形成した10nm厚さのゲ
ート酸化膜上に、0.25μm幅のn+ 多結晶シリコン
によるゲート電極・配線のパターニングをおこなうもの
である。この状態を図1(b)に示す。
【0029】n+ 多結晶シリコン層の膜厚と、予め測定
したエッチングレートにより計算されるエッチング終了
時間が到来する前、例えば数秒ないし十数秒前に気密シ
ャッタ7を開とし、プラズマ10の発光を分光し、その
発光強度をモニタする。このとき、分光器室3には不活
性ガス導入孔8よりXeガスを導入し、プラズマ処理室
より若干高い陽圧あるいは同圧に設定する。この状態を
図1(c)に示す。プラズマ10の発光強度が低下し始
めた時点、あるいは低下し始めた時点から所定のオーバ
ーエッチング時間が経過した時点をエッチングの終点と
し、処理ガスの導入およびRF電源15の印加を停止す
る。不活性ガスの導入は、エッチングの終点で停止して
もよいし、例えば終点から数秒間経過後に停止してもよ
い。
【0030】本プラズマモニタ中には、Cl* (Clラ
ジカル)が分光器室3に拡散するが、気密シャッタ7が
開の数秒間程度に限られ短時間であること、および分光
器室3をプラズマ処理室1より陽圧あるいは差圧のない
状態に保持しているため、拡散量は低レベルに抑制され
る。
【0031】最後にプラズマ処理室1および分光器室3
を真空排気し残留ガスを除去する。この状態を図1
(d)に示す。本実施例によれば、分光器室3の内壁や
グレーティング4の腐食や堆積膜の形成のない、精度の
高いプラズマモニタが可能である。
【0032】加えて、分光器室3への導入不活性ガスと
してXeを用いたことにより、被処理基板のゲート酸化
膜のプラズマダメージは最小限に抑制された。分光器室
3へ導入する不活性ガスはモニタ光光路2を経由しプラ
ズマ処理室1に拡散し、ここでプラズマとなり固有の発
光スペクトルを生じる。希ガス系統の各種不活性ガスの
発光スペクトルのうち、中性励起種による発光スペクト
ルラインのフォトンエネルギと、ゲート酸化膜のダメー
ジ層の深さにつき測定した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1は同一条件で熱酸化したゲート酸化膜
に、Xe、Kr、ArおよびHeのプラズマによるVU
V光を一定条件で照射し、表面ダメージ層の厚さをXP
S(X−ray photo−electron sp
ectroscopy)により分析した結果である。試
料にはプラズマが直接接触してプラズマ照射ダメージが
入らないようにした。表1より明らかなように、希ガス
としてXeを用いる場合には、ゲート酸化膜に与えるV
UV光照射ダメージは最も少ないことが判る。なお本実
施例では分光器室3に不活性ガス導入孔8を併設した
が、これを設けず、気密シャッタ7だけを設けた構成で
もよい。この構成によっても、分光器室3の内壁やグレ
ーティング4の腐食や堆積膜の形成のない、精度の高い
プラズマモニタが可能である。
【0035】実施例2 本実施例は、プラズマ処理室と分光器室が気密シャッタ
を有するモニタ光光路を介して連接されたプラズマモニ
タ装置を用い、腐食性のCl系ガスによるプラズマ処理
を施した後に分光器室をサイクルパージした例であり、
これを図2(a)〜(d)を参照して説明する。
【0036】図2(a)に示すプラズマモニタ装置は、
ICP方式のプラズマ処理室1を具備するものであり、
基本的な構成は従来例の説明で参照した図3に示したプ
ラズマモニタ装置と同じである。本装置の特徴部分は、
モニタ光光路2に設けた気密シャッタ7、分光器室3に
開口した不活性ガス導入孔8および分光器室3の真空排
気手段9である。真空排気手段9は、ゲートバルブ、ト
ラップおよび真空ポンプ等から構成される。その他の構
成は説明を省略する。
【0037】続けて本実施例のプラズマモニタ方法の説
明に移る。ICP方式によるプラズマの生成は、10-1
Pa台の低圧下で行うため、まず気密シャッタ7を開と
し、プラズマ処理室1および分光器室3を10-3Pa台
の基礎真空度まで真空引きする。この状態が図2(a)
である。真空引きは、気密シャッタ7を平行平板型と
し、分光器室3は真空排気手段9により排気することも
可能である。
【0038】つぎに気密シャッタ7を閉とし、処理ガス
導入孔13よりCl系ガスを導入し、下記条件によりプ
ラズマ処理を施す。 Cl2 60 sccm ガス圧力 0.3 Pa RF電源パワー 2000 W(1.8MHz) このとき、分光器室3には不活性ガス導入孔8より少量
のXeガスを導入し、プラズマ処理室と同じ圧力となる
ようにしておく。本プラズマ処理は、実施例1と同じく
例えば単結晶Siからなる8インチの被処理基板に形成
した10nm厚さのゲート酸化膜上に、0.25μm幅
のn+ 多結晶シリコンによるゲート電極・配線のパター
ニングをおこなうものである。この状態を図2(b)に
示す。
【0039】n+ 多結晶シリコン層の膜厚と、予め測定
したエッチングレートにより算出されるエッチング終了
時間が到来する前、例えば数秒ないし十数秒前に気密シ
ャッタ7を開とし、プラズマ10の発光を分光し、その
発光強度をモニタする。このとき、分光器室3には不活
性ガス導入孔8よりXeガスを導入し、プラズマ処理室
より若干高い陽圧あるいは同圧に設定する。この状態を
図2(c)に示す。プラズマ10の発光強度が低下し始
めた時点、あるいは低下し始めた時点から所定のオーバ
ーエッチング時間が経過した時点をエッチングの終点と
し、処理ガスの導入およびRF電源15の印加を停止す
る。不活性ガスの導入は、エッチングの終点で停止して
もよいし、例えば終点から数秒間経過後に停止してもよ
い。
【0040】本プラズマモニタ中には、Cl* (Clラ
ジカル)が分光器室3に拡散するが、気密シャッタ7が
開の数秒間程度に限られ短時間であること、および分光
器室3をプラズマ処理室1より陽圧あるいは差圧のない
状態に保持しているため、拡散量は低レベに抑制され
る。
【0041】つぎに気密シャッタ7を閉とし、分光器室
3内を10-3Pa台まで排気および不活性ガス導入孔8
からの不活性ガスパージを数回、例えば5回繰り返し、
サイクルパージを施す。本工程で用いる不活性ガスはプ
ラズマ励起されないので、Xeを使用しなくてもよく、
他の希ガス、N2 、フォーミングガスや乾燥空気であっ
てもよい。この状態を図2(d)に示す。本実施例によ
れば、分光器室3の残留ガスの除去がほぼ完全となり、
分光器室3内壁やグレーティング4の腐食や堆積膜の形
成のない、精度の高いプラズマモニタが可能である。本
実施例では分光器室3の残留ガス除去にサイクルパージ
を施したが、真空排気手段9による真空引きだけでも、
効果が得られることは言うまでもない。
【0042】以上、本発明を2例の実施例により説明し
たが本発明はこれら実施例になんら限定されるものでは
ない。
【0043】例えばプラズマ処理室としてICPモード
によるプラズマ発生源を有する装置を例示したが、他に
TCP装置やヘリコン波プラズマ装置、ECRプラズマ
装置等を用いてもよい。これらプラズマ処理装置は、1
11〜1012台の高密度プラズマを発生し、VUV領域
のプラズマモニタを必要とする場合が多いものである。
またこれら高密度プラズマ処理装置以外に、平行平板型
プラズマ処理装置に用いても、光学窓の曇りに影響され
ない高精度のプラズマモニタが可能である。VUV光以
外のUV光や可視光のモニタには、グレーティングに変
えて光学フィルタや集光レンズを用いてもよい。
【0044】上記実施例ではプラズマエッチングを例示
したが、他に高密度プラズマを用いたプラズマCVDや
スパッタリングプロセスに用いてもよい。
【0045】処理ガスとしてCl2 を例示したが、他の
ハロゲン系の腐食性のあるガスや、CHF3 やHBr等
堆積性のガスを用いるプラズマ処理のプラズマモニタに
用いて効果を奏する。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば光学窓の吸収のない高精度のVUV光モニタが
可能となることは勿論、分光器室内壁やグレーティング
の腐食や堆積膜の影響からも解放され、経時変化のない
メンテナンス性に優れたプラズマモニタ装置およびプラ
ズマモニタ方法を提供することでが可能となる。
【0047】また本発明によれば、不活性ガスが高電流
密度で解離して生成するVUV光の照射ダメージの虞れ
がないので、例えば微細なゲート電極・配線のパターニ
ング時に薄いゲート酸化膜に与えるダメージが極小であ
る。このため、ゲート電極パターニング終了後の希フッ
酸等によるウェット処理時に発生していたゲート酸化膜
の増速エッチングによる異常な膜減りや、半導体基板そ
のもののダメージを回避でき、MIS型半導体装置を制
御性よく製造可能となる。またゲート耐圧向上の効果も
顕著である。VUV光照射によるゲート酸化膜の増速エ
ッチングの現象については、本発明らがJpn.J.o
f Appl.Phys.Part 1,33 (19
94) 2175 に報告した通りである。
【0048】本発明のプラズマエッチング方法は、8イ
ンチ以上の大口径被処理基板上に特にサブハーフミクロ
ンクラスの微細なゲート電極のパターニングを施す場合
のプラズマモニタリングに使用して多大の効果があり、
MIS型半導体装置の高集積化へ寄与する意義は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1のプラズマモニタ方
法をその工程順に説明する概略断面図であり、(a)は
プラズマ処理室および分光器室を基礎真空度まで真空引
きしている状態、(b)は気密シャッタを閉とし、プラ
ズマ処理を施している状態、(c)はプラズマ処理終期
に気密シャッタを開とし、プラズマをモニタしている状
態、(d)はプラズマ処理を終了し、再びプラズマ処理
室および分光器室を真空引きしている状態である。
【図2】本発明を適用した実施例2のプラズマモニタ方
法をその工程順に説明する概略断面図であり、(a)は
プラズマ処理室および分光器室を基礎真空度まで真空引
きしている状態、(b)は気密シャッタを閉とし、プラ
ズマ処理を施している状態、(c)はプラズマ処理終期
に気密シャッタを開とし、プラズマをモニタしている状
態、(d)はプラズマ処理を終了し、気密シャッタを閉
とし、分光器室をサイクルパージしている状態である。
【図3】従来のプラズモニタ装置の問題点を説明する概
略断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ処理室 2 モニタ光光路 3 分光器室 4 グレーティング 5 光電子増倍管 6 モニタ 7 気密シャッタ 8 不活性ガス導入孔 9 真空排気手段 10 プラズマ 11 被処理基板 12 基板ステージ 13 処理ガス導入孔 14 RFコイル 15 RF電源 16 腐食層または堆積層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ処理室と分光器室がモニタ光光
    路を介して直接連接された構造を具備してなるプラズマ
    モニタ装置において、 前記モニタ光光路に気密シャッタを配設したことを特徴
    とする、プラズマモニタ装置。
  2. 【請求項2】 分光器室に不活性ガス導入孔を具備した
    ことを特徴とする、請求項1記載のプラズマモニタ装
    置。
  3. 【請求項3】 分光器室に不活性ガス導入孔と真空排気
    手段を具備したことを特徴とする、請求項1記載のプラ
    ズマモニタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    プラズマモニタ装置により、気密シャッタを開とし、プ
    ラズマ処理室内のプラズマをモニタすることを特徴とす
    る、プラズマモニタ方法。
  5. 【請求項5】 気密シャッタの開時間は、プラズマモニ
    タの実時間と略等しいことを特徴とする、請求項4記載
    のプラズマモニタ方法。
  6. 【請求項6】 分光器室内に不活性ガスを導入し、前記
    分光器室内の圧力をプラズマ処理室内の圧力より高く保
    持することを特徴とする、請求項4記載のプラズマモニ
    タ方法。
  7. 【請求項7】 不活性ガスはXeであることを特徴とす
    る、請求項6記載のプラズマモニタ方法。
  8. 【請求項8】 プラズマ処理終了後、気密シャッタを閉
    とし、分光器室内を真空排気することを特徴とする、請
    求項4記載のプラズマモニタ方法。
  9. 【請求項9】 プラズマ処理終了後、気密シャッタを閉
    とし、分光器室内を真空排気する工程と、分光器室内に
    不活性ガスを導入する工程を交互に繰り返すことを特徴
    とする、請求項4記載のプラズマモニタ方法。
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