JPH08306415A - 異方導電性接着フィルムおよびこれを用いた接続構造、並びに接続方法 - Google Patents

異方導電性接着フィルムおよびこれを用いた接続構造、並びに接続方法

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JPH08306415A
JPH08306415A JP11298995A JP11298995A JPH08306415A JP H08306415 A JPH08306415 A JP H08306415A JP 11298995 A JP11298995 A JP 11298995A JP 11298995 A JP11298995 A JP 11298995A JP H08306415 A JPH08306415 A JP H08306415A
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conductive adhesive
anisotropic conductive
film
adhesive film
hole
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JP11298995A
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Masako Maeda
雅子 前田
Shu Mochizuki
周 望月
Yukie Ishii
亨枝 石井
Kazumi Azuma
一美 東
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/321Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by conductive adhesives

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細貫通孔に充填された金属物質の脱落がな
く、しかも接続部分を確実に樹脂封止でき耐熱性が良好
で電気的接続信頼性が高い異方導電性接着フィルムを提
供する。 【構成】 特定の構造単位を含むポリカルボジイミドか
らなる絶縁性フィルム1の厚み方向にお得の微細貫通孔
2を設け、この貫通孔2にメッキなどの手段を用いて金
属物質3を充填する。また、貫通孔2の片端部もしくは
両端部からバンプ状に金属突出物4をリベット状に形成
して貫通孔を閉塞する。この異方導電性接着フィルムを
被接続体間に介在させて加熱圧着することによって接着
でき、さらに高温加熱することによって硬化させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異方導電性接着フィルム
およびこれを用いた接続構造、並びに接続方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の多機能化と小型軽量化
に伴い、半導体分野においては配線回路のパターンが高
集積化され、多ピンおよび狭ピッチのファインパターン
化が進んでいる。このような回路のファインパターン化
に対応する高密度実装方法として、基板上に形成された
複数の導体パターンとそれと接続する導体パターンまた
はIC,LSIとの接続に、異方導電性フィルムを介在
させる方法が試みられている。
【0003】通常、異方導電性フィルムとしては絶縁性
フィルム内に導電性粒子を分散させ、被接続体間に介在
させて挟着することによって導電性粒子相互の接触によ
って異方導電性を付与したものや、絶縁性フィルムの厚
み方向に金属線条体を挿入したり、金属ペーストなどの
導電性物質を充填して異方導電性を付与したものなどが
各種提案、開発されている。これらのうち、確実に異方
導電性を発揮させて導通信頼性が高いものは、本発明と
同様なタイプである後者のものである。
【0004】また、このような異方導電性フィルムを用
いた接続、実装方法の場合、接続をより強固なものにす
るために、各種接着剤や封止材を用いて接合部位の接着
を補強する方法や、異方導電性シート自体に接着性を付
与して接合部位の接着を補強する方法が採用されてい
る。
【0005】このような接着剤や封止材としてはフェノ
キシ系樹脂やエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂などの樹脂が用いられているが、これ
らの樹脂のうちフェノキシ系樹脂などの熱可塑性接着剤
は、一般的に接合後の耐熱性にやや欠け、エポキシ系樹
脂のような熱硬化性接着剤は、耐熱性が改善されるもの
の接着剤としての保存安定性に欠けるので作業性の点で
問題を有するものである。
【0006】近年、耐熱性に優れる樹脂としてポリイミ
ド系樹脂の利用が注目されているが、比較的高い温度で
なければ充分な接着性を発揮しないという欠点があり、
やはり作業性の点で問題を有する。このような接着温度
を改良した所謂、熱可塑性ポリイミドや熱融着性ポリイ
ミドと呼ばれるものを用いたとしても、接着温度は25
0℃以上必要であり、未だ満足できるものとは云えない
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の異
方導電性接着フィルムが有する問題点を解決すべくなさ
れたものであって、比較的低温下で接着性を発揮すると
共に、接合後は優れた耐熱性を発揮することができる異
方導電性接着フィルムを提供することを目的とするもの
である。
【0008】また、本発明の他の目的は、上記異方導電
性接着フィルムを用いた接続構造を提供することにあ
る。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、上記異方導
電性接着フィルムを用いた接続方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、耐熱性樹脂
としてカルボジイミド構造単位を分子内に有するポリカ
ルボジイミドから形成した絶縁性フィルムを異方導電性
フィルムのベースフィルムに用いることによって上記目
的が達成できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0011】即ち、本発明の第1の要旨は、下記一般式
〔化2〕にて示される構造単位を含むポリカルボジイミ
ドからなる絶縁性フィルムに、独立して厚み方向に導通
する多くの微細貫通孔が形成されていることを特徴とす
る異方導電性接着フィルムを提供することにある。
【0012】
【化2】
【0013】また、本発明の第2の要旨は、上記第1の
要旨の異方導電性接着フィルムを被接続体間に介在させ
てなる接続構造を提供することにある。
【0014】さらに、本発明の第3の要旨は、上記第1
の要旨の異方導電性接着フィルムを被接続体間に介在さ
せたのち、50〜200℃の温度で加熱圧着して接続
し、さらに必要に応じて200〜350℃の温度にて加
熱硬化することを特徴とする接続方法を提供することに
ある。
【0015】以下、本発明を図面を用いて説明する。
【0016】図1および図2は本発明の異方導電性接着
フィルムの一実例を示す拡大断面図である。
【0017】図1から明らかなように、本発明の異方導
電性フィルムは上記一般式〔化2〕にて示される構造単
位を含むポリカルボジイミドからなる絶縁性フィルム1
から形成されており、該絶縁性フィルム1には厚み方向
に導通する微細貫通孔2が独立して多く形成されてい
る。
【0018】微細貫通孔2を絶縁性フィルム1の表裏面
に導通させるためには、スルーホールメッキなどの手段
にて内壁に金属層を形成したり、クリーム半田などのペ
ースト状の導電物質を孔内に充填したりすることができ
るが、確実に導通させるためには、電解メッキなどの手
段によって貫通孔2内に金属物質3を満充填することが
好ましい(図1のような充填状態)。
【0019】また、図2に示すように、絶縁性フィルム
1の表裏面上の貫通孔2片端部もしくは両端部は、貫通
孔端部の断面積よりも大きな底面積を有するバンプ状の
金属突出物4によって閉塞することが好ましい。このよ
うに金属突出物4の形状をマッシュルーム状にすること
によって、微細貫通孔2内に充填した金属物質3が使用
するまでに脱落することがなく、しかも絶縁性フィルム
1の厚み方向に対して剪断応力が作用した場合にも充分
な強度を有し、接続信頼性が向上することが理解できる
であろう。確実にこのような効果を達成するためには、
貫通孔2片端部もしくは両端部を閉塞するバンプ状の金
属突出物4の底面積は、貫通孔端部の断面積よりも1.
1倍以上、好ましくは1.1〜5倍、さらに好ましくは
1.1〜2倍の範囲とすることが望ましい。短絡を防止
するために隣接する貫通孔との距離を大きくする必要が
あるので上記比率が5倍以上になると、高集積化に伴う
微細ピッチに対応しにくくなる。また、バンプ状の金属
突出物4が横に広がるにつれて金属突出物の高さも高く
なるが、高さバラツキが生じやすくなり、接続信頼性の
低下を招く恐れがある。
【0020】なお、本発明の異方導電性接着フィルムの
微細貫通孔2の直径は、使用目的に応じて設定すること
ができるが、通常15〜100μm、好ましくは20〜
50μm程度とし、ピッチは15〜200μm、好まし
くは40〜100μm程度とする。
【0021】本発明の異方導電性接着フィルムに用いる
絶縁性フィルムは、上記したように特定の構造単位を有
するポリカルボジイミドからなるものであって、このポ
リカルボジイミドは、公知の方法によって合成すること
ができる。例えば、T.W.Campbell et al.,J.Org.Chem.,
28,2069(1963) 、L.M.Alberino et al.,J.Appl.Polym.S
ci.,12,1999(1977) 、特開平2−292316号公報、
特開平4−275359号公報などに記載されているよ
うに、有機溶剤中で有機ポリイソシアネートをカルボジ
イミド化触媒の存在下で反応させることによって、簡単
に合成することができるのである。
【0022】上記ポリカルボジイミドの合成に用いる有
機ポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
エーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、o−トリ
レンジイソシアネートなど用いることができ、これらは
一種もしくは二種以上を併用(共重合体が得られる)す
ることができる。
【0023】また、有機溶媒としては、具体的にはテト
ラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル類などを用いることができ、これらは
一種もしくは二種以上を併用することができる。
【0024】さらに、カルボジイミド化触媒としては、
具体的には、3−メチル−1−フェニルホスホレン−1
−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキ
シド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1
−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル
−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3
−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドを用いる
ことができる。これらは一種もしくは二種以上を併用す
ることができる。
【0025】本発明において用いる上記ポリカルボジイ
ミドは、末端にモノイソシアネートを導入して連鎖を封
止することによって、分子量を調整することができる。
また、分子量は数平均分子量(GPC法、ポリスチレン
換算)が300〜300,000、好ましくは2,00
0〜50,000程度とすることが好ましい。数平均分
子量が300に満たない場合には最終的に得られる絶縁
性フィルムの機械的強度が低くなる恐れがある。また、
数平均分子量が300,000を超える場合には溶液状
態での保存安定性が悪くなる恐れがある。
【0026】また、本発明にて用いるポリカルボジイミ
ドは前記一般式〔化2〕にて示される構造単位を分子内
に有するものであれば特に制限はなく、例えば他の構造
単位、例えばアミド酸単位やイミド単位、アミドイミド
単位、シロキサン単位、ウレタン単位などを含んでいて
もよい。樹脂成分中のカルボジイミド単位の含有割合
は、20〜100モル%、好ましくは50〜95モル%
の範囲とする。含有割合が20モル%を下回ると自己架
橋反応の進行が不充分となるので好ましくない。
【0027】上記のようにして得られる本発明の絶縁性
フィルムは特定の構造単位を有しているので、約50℃
以上に加熱することによって軟化が始まり、約100〜
350℃の温度領域の加熱によって分子内のカルボジイ
ミド単位(不飽和結合)の開裂反応が生じて自己架橋反
応を起こす。その結果、絶縁性フィルムは硬化して優れ
た耐熱性を発揮するようになる。本発明の異方導電性接
着フィルムおよび接続方法はこの点に注目してなされた
ものであって、軟化温度である50〜200℃の温度で
加熱圧着して接着、接続し、そののち必要に応じて20
0〜350℃の温度に加熱することのよって硬化させ、
接続をより強固なものとするのである。350℃以上の
加熱では前記〔化2〕にて示される構造単位の種類によ
っては熱分解反応が並行して進み、絶縁性フィルムの機
械的強度の低下を招く可能性があるので好ましくないの
である。
【0028】また、上記絶縁性フィルムには接着性や耐
熱性などの特性を阻害しない範囲で、必要に応じて着色
剤、接着性改良剤、無機質充填剤(シリカ、カーボンな
ど)などの添加剤を任意量配合してもよい。さらに、導
体パターンなどの被接続体との密着性を向上させるため
に、絶縁性フィルム内にシランカップリング剤やシラン
化合物を配合したり、フィルム表面に塗布したりするこ
ともできる。このような絶縁性フィルムの厚さは任意に
設定できるが、フィルム厚の精度(バラツキ)や形成す
る貫通孔の孔径精度の点からは通常、5〜200μm、
好ましくは10〜100μmとする。
【0029】上記絶縁性フィルムに設ける微細貫通孔
は、パンチングなどの機械的加工法、レーザー、プラズ
マなどによるドライエッチング法、薬品、溶剤などによ
る化学的なウエットエッチング法などがある。エッチン
グ法の場合は絶縁性フィルムに所望の孔形状、例えば
丸、四角、菱形などを有するマスクを密着させ、マスク
の上から処理する間接的エッチング法、スポットを絞っ
たレーザー光をフィルムに当てたり、マスクを通してレ
ーザー光をフィルム上に結像させるさせるドライエッチ
ング法、感光性レジストを用いて、予め微細孔をパター
ニングしたのちウエットエッチングする直接エッチング
法などがある。なお、回路のファインパターン化に対応
するにはドライエッチング法やウエットエッチング法が
好ましく、特にエキシマレーザーの如き紫外線レーザー
によるアブレーションを用いたドライエッチング法の場
合は、高いアスペクト比が得られるので好ましい。
【0030】上記のように絶縁性フィルムに設けられた
微細貫通孔には、例えば導通路となる金属物質が充填さ
れる。また、この導通路の片端部もしくは両端部にはバ
ンプ状の金属突出物が必要に応じて形成される。このよ
うな金属突出物の形成は確実な電気的接続を行うため
に、好ましい実施態様である。このような金属物質とし
ては、例えば金、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、コバルト、インジウムなどの各種金属、
またはこれらを成分とする各種合金が用いられる。この
金属物質は純度が高すぎるとバンプ状となりにくいの
で、自体公知の有機物や無機物を微量混入した金属物質
や合金を用いることが好ましい。導通路の形成方法とし
ては、スパッタリング、各種蒸着、各種メッキなどの各
種方法が採用できる。なお、メッキ法による場合は、メ
ッキ時間を長くすることによって、バンプ状に金属突出
物を成長させることができるのである。
【0031】図3は本発明の異方導電性接着フィルムを
用いた接続構造を示す断面図である。具体的にはフレキ
シブルプリント基板10のリード部11を、プリント配
線基板9上の電極(ランド)8上に実装する場合などが
挙げられる。
【0032】図3から明らかなように、本発明の異方導
電性接着フィルムは被接続体間に介在させて熱プレスな
どにて熱圧着することによって電気的に接続させる。こ
の時、接続接点となる上記金属突出物4は接続時の押圧
によって適度に潰れることが好ましく、微細貫通孔に充
填されると共に金属突出物を形成する金属物質3として
は、金や銀、銅、錫、鉛などの比較的柔らかいものを用
いることが好ましい。
【0033】メッキ法によって金属物質を微細貫通孔内
に充填した本発明の異方導電性接着フィルムを得るため
の方法としては、例えば以下の工程からなる方法が挙げ
られる。
【0034】絶縁性フィルムと導電層との積層フィル
ム(接着剤を介した3層フィルムまたは直接積層した2
層フィルム)の絶縁性フィルムにのみ微細貫通孔を設け
るか、もしくは微細貫通孔を設けた絶縁性フィルムに導
電層を積層(但し、導電層は微細孔が貫通するように積
層するか、積層後除去する)し、導電層表面にレジスト
層を形成して表面を絶縁後、貫通孔部をエッチングして
貫通孔部に接する導電層部分にマッシュルーム状の溝部
を形成する第1工程。
【0035】微細貫通孔に電解メッキや無電解メッキ
などのメッキ法により金属物質を充填し、バンプ状の金
属突出物を形成する第2工程。
【0036】絶縁性フィルムに積層されていた導電層
およびレジスト層を化学的エッチング液または電解腐食
によって除去する第3工程。
【0037】なお、上記の第2工程においてバンプ状
の金属突出物の形成はの第3工程後に行なってもよ
い。
【0038】本発明においてバンプ状の金属突出物を絶
縁性フィルムから脱落しないように貫通孔の開口部面積
よりも大きな底面積を有するようにするには、上記メッ
キの際にメッキ皮膜を開口部表面、即ち絶縁性フィルム
面よりも高く成長させ、かつリベット状に貫通孔から横
にも成長させる必要がある。金属突出物は被着体との接
続時に適度に潰れる必要がある。本発明においては必ず
しも金属突出物を必要としないので、金属突出物の高さ
は0〜100μm、通常は2〜50μm、好ましくは5
〜20μmの範囲に調整する。突出物の高さが0μmを
下回る、即ち窪んだ状態では窪みに軟化した絶縁性フィ
ルムが流入して導電性阻害を起こす可能性があり、ま
た、100μmを超えると金属突出物がスペーサのよう
に作用して、絶縁性フィルムが軟化しても被接続体と接
触しなくなり、その結果、本発明の目的である絶縁性フ
ィルムによる接着が達成しにくくなる。
【0039】本発明の接続構造ではポリカルボジイミド
が有する熱接着性を利用して被接続体との接続を確実な
ものとしているので、従来から用いられているような熱
接着性シートや樹脂溶液を用いる必要はないが、必要に
応じて被接続体と異方導電性接着フィルムとの間に公知
の熱接着性樹脂などを注入したり、公知の熱接着性樹脂
フィルムをさらに介在させることによって、接続をより
確実なものとすることについて除外するものではない。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。
【0041】実施例1 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート500g
を、カルボジイミド化触媒である3−メチル−1−フェ
ニルホスホレン0.3gと共に、テトラヒドロフラン2
000ml中、60℃で6時間反応させ、ポリカルボジ
イミド溶液を得た。この溶液を18μm厚の銅箔上に乾
燥後の厚さ20μmとなるように塗布し、100℃で3
0分間乾燥し、銅箔とポリカルボジイミドフィルムとの
2層フィルムを作製した。
【0042】次に、得られたポリカルボジイミドフィル
ム表面に発振波長248nmのKrFエキシマレーザー光
を、マスクを通して照射してドライエッチングを施こ
し、ポリカルボジイミドフィルム層に60μmφ、ピッ
チ200μmの微細貫通孔を5個/mmで10cm2 の領
域に設けた。
【0043】次いで、銅箔表面にレジストを塗工、硬化
させて絶縁したのち、銅箔部を電極に接続して60℃の
ニッケルメッキ浴に浸漬し、銅箔をマイナス極とし、2
層フィルムの貫通孔部にニッケルメッキを成長させ、ポ
リカルボジイミドフィルム表面からややニッケルが突出
したとき(突出高さ3μm)にメッキ処理を中断した。
【0044】水洗後、さらに60℃の金メッキ浴に浸漬
し、先に形成したニッケルメッキの上に金メッキを1μ
m厚で成長させた。
【0045】そして、銅箔表面に塗工したレジスト層を
剥離して2層フィルムの銅箔を塩化第二銅で溶解除去
し、貫通孔の片端部にバンプ状の金属突出物を有する本
発明の異方導電性接着フィルムを得た。
【0046】得られた異方導電性接着フィルムをフレキ
シブルプリント基板上に形成した導体パターン上に載置
し、120℃、30kg/cm2 、20秒間の条件で熱
圧着し、そののち、200℃で1時間加熱処理してポリ
カルボジイミドフィルムを硬化させ、本発明の接続構造
を得た。
【0047】この接続体を150℃雰囲気下で1000
時間放置したところ、接続抵抗変化率は、初期接続抵抗
に対して5%であった。
【0048】実施例2 実施例1にて得た異方導電性接着フィルムを25℃で3
0日間保存したのち、実施例1と同様の条件で本発明の
接続構造を得たところ、接続状態は実施例1と同様であ
り、接続抵抗変化率は0.5%であった。この接続抵抗
変化率は25℃で3カ月保存においても1〜3%程度で
あり、本発明の異方導電性接着フィルムは長期保存でも
特性変化を生じないことが判明した。
【0049】実施例3 トリレンジイソシアネート100gを、カルボジイミド
化触媒としての3−メチル−1−フェニルホスホレン−
1−オキシド0.06gと共にトルエン500g中に投
入し、100℃で6時間反応させてポリカルボジイミド
溶液を得た。
【0050】この溶液の固形分100重量部に対して、
光分解性塩基発生剤としての4−(2’−ニトロフェニ
ル)2,6−ジメチル−3,5−ジカルボメトキシ−
1,4−ジヒドロピリジン10重量部を配合して、均一
に攪拌混合し、不溶分をフィルタ濾過にて除去して濾液
としてネガ型耐熱性フォトレジスト組成物を溶液(感光
液)を調製した。
【0051】次に、調製した感光液を18μm厚の銅箔
上に10μm厚となるように塗布して感光層を形成し
た。形成した感光層に60μmφで200μmピッチの
ガラスマスクを介して、250Wの超高圧水銀灯にガラ
スフィルタをかけた365nmの波長の紫外光を照射し
て露光を行った。
【0052】露光後、120℃で5分間の後加熱を行
い、現像液として40℃に加温したトルエンで1分間現
像し、2−プロパノールでリンス、水洗後、100℃で
1時間乾燥して微酸貫通孔が形成されたポリカルボジイ
ミド層を作製した。
【0053】次いで、露出する銅箔表面にレジストを塗
布した後、銅箔部をマイナス極として電極に接続し、6
0℃のニッケルメッキ浴に浸漬して微細貫通孔部にニッ
ケルメッキを施し、ポリカルボジイミド層の表面からメ
ッキニッケルが約3μm突出したときにメッキ処理を中
断した。これを水洗後、60℃の金メッキ浴にさらに浸
漬して、先に形成したニッケルメッキの上に金メッキを
1μm厚となるように成長させた。
【0054】そして、銅箔表面に塗布したレジスト層を
剥離し、銅箔を塩化第2銅で溶解除去することによっ
て、微細貫通孔の片端部にパンプ状の金属突出物を有す
る本発明の異方導電性接着フィルムを得た。
【0055】得られた異方導電性接着フィルムをフレキ
シブルプリント基板上に形成した導体パターン上に載置
し、170℃、40kg/cm2 で5秒間熱圧着し、さ
らに200℃で1時間加熱処理してポリカルボジイミド
層を硬化させて本発明の接続構造を得た。
【0056】この接続構造を150℃雰囲気下で100
0時間放置した結果、初期の接続抵抗値に対して5%の
接続抵抗変化率しか示さなかった。
【0057】比較例1 絶縁性フィルムを形成する樹脂として熱可塑性樹脂であ
るフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名:
PKHH、厚み20μm)を用いた以外は、実施例1と
同様にして異方導電性フィルムを作製した。
【0058】このフィルムをフレキシブルプリント基板
上に形成した導体パターン上に載置し、180℃、30
kg/cm2 、20秒間の条件で熱圧着したところ、接
続抵抗値が1Ω以下の良好な接続状態を得ることができ
たが、この接続構造体を150℃雰囲気下に0.5時間
放置したところ、導通不良が見られた。つまり、導通安
定性に問題を有するものであった。
【0059】比較例2 絶縁性フィルムを形成する樹脂として熱可塑性樹脂であ
るポリイミド樹脂(東レデュポン社製、商品名:カプト
ンH、厚み25μm)を用いた以外は、実施例1と同様
にして異方導電性フィルムを作製した。
【0060】このフィルムの表面に接着剤としてのエポ
キシ樹脂(三菱油化社製の商品名エピコート828にイ
ミダゾール化合物を5phr添加したもの)を塗布積層
し、これを25℃で30日間放置したのち、フレキシブ
ルプリント基板上に形成した導体パターン上に載置し、
180℃、30kg/cm2 、20秒間の条件で熱圧着
したところ、充分な接着性を発揮することができなかっ
た。つまり、エポキシ樹脂の保存安定性が良好でないた
めに、保存中にエポキシ樹脂の接着性が低下したためと
考えられる。
【0061】
【発明の効果】本発明の異方導電性接着フィルムは以上
のように絶縁性フィルムとして特定の熱接着性を発揮す
るポリカルボジイミド樹脂を用いているので、実装に際
しては接続時の加圧および加熱にて該絶縁性フィルムが
接着性を発現して被接続体との接続をより確実なものと
し、電気的接続信頼性を向上させるという効果を発揮す
る。特に、本発明に用いる絶縁性フィルムは従来から用
いられている熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムと比べ
て、低い温度での軟化が可能であるので、作業性に優
れ、しかも後加熱によって自己架橋を起こして硬化する
ので耐熱性にも優れるという効果を発揮するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電性接着フィルムの一実例を示
す拡大断面図である。
【図2】本発明の異方導電性接着フィルムの他の実例を
示す拡大断面図である。
【図3】本発明の異方導電性接着フィルムを用いてFP
Cを外部配線基板上に実装した接続構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁性フィルム 2 微細貫通孔 3 金属物質 4 バンプ状金属突出物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 79:08 (72)発明者 東 一美 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔化1〕にて示される構造単
    位を含むポリカルボジイミドからなる絶縁性フィルム
    に、独立して厚み方向に導通する多くの微細貫通孔が形
    成されていることを特徴とする異方導電性接着フィル
    ム。 【化1】
  2. 【請求項2】 微細貫通孔内に金属物質がメッキ充填さ
    れている請求項1記載の異方導電性接着フィルム。
  3. 【請求項3】 絶縁性フィルムの表裏面上の貫通孔片端
    部もしくは両端部が、貫通孔端部の断面積よりも大きな
    底面積を有するバンプ状の金属突出物によって閉塞され
    ている請求項1または2記載の異方導電性接着フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の異方導電性接着フィルム
    を被接続体間に介在させてなる接続構造。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の異方導電性接着フィルム
    を被接続体間に介在させたのち、50〜200℃の温度
    で加熱圧着して接続し、さらに必要に応じて200〜3
    50℃の温度にて加熱硬化することを特徴とする接続方
    法。
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