JP2003234565A - 配線転写用基板とこれを用いた配線基板の製造方法 - Google Patents

配線転写用基板とこれを用いた配線基板の製造方法

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JP2003234565A
JP2003234565A JP2002030314A JP2002030314A JP2003234565A JP 2003234565 A JP2003234565 A JP 2003234565A JP 2002030314 A JP2002030314 A JP 2002030314A JP 2002030314 A JP2002030314 A JP 2002030314A JP 2003234565 A JP2003234565 A JP 2003234565A
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plating
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mask
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JP2002030314A
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Kazuto Higuchi
和人 樋口
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱プレスによる配線転写工程に適用でき、し
かも反復使用回数を伸ばし、半永久的に使用可能な配線
転写用基板を提供する。また、前記配線転写用基板を用
い、高い製造歩留りと短縮された工程で製造される、微
細な配線を有する配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 配線パターンを絶縁樹脂基材上に転写す
るための配線転写用基板において、表面が導電性を有す
る基材21上にめっきマスクパターン25を形成し、こ
の配線転写用基板に対してめっき処理することにより配
線パターンを形成する。めっきマスク25は、マスク表
面に露出した粒子を含む四弗化エチレン粒子23を含有
した金属膜で構成され、さらに露出した粒子を含む四弗
化エチレン皮膜24で表面が覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路配線を有する配
線基板の製造方法に係り、特に高密度な回路配線を形成
するための配線転写用の原板となる、多数回の反復使用
が可能な配線転写用基板に関する。また、本発明はこの
配線転写用基板を用いて配線基板を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路技術の発達により
電子機器の小型化、薄型化、高性能化が進められてお
り、これにともなって半導体チップ内の配線はもとよ
り、インターポーザなどの配線基板の内部の配線も高密
度化の方向にある。特に、数百MHzの周波数で動作し
演算処理を行うようなマイクロプロセッサユニットや集
積度が高くI/O数が多いゲートアレイ等のLSIチッ
プを搭載するパッケージおよびモジュール基板に用いら
れる配線基板においては、配線収容能力が100本/c
m以上の高密度な仕様が求められている。この様な要求
に応えるため、従来から広く用いられてきたプリプレグ
を熱プレスで積層し、スルーホールで層間接続を行って
形成する多層プリント配線板に代わり、これら従来のプ
リント配線板上に、めっき法等により形成した配線層
と、未硬化状の樹脂を塗布、ラミネート、プレス等の方
法で形成し、層間接続ビアを露光・現像やレーザー加工
等により形成した絶縁性樹脂層を交互に積層した微細な
多層配線基板(ビルドアップ配線基板)が使用されつつ
ある。ビルドアップ配線基板では、高密度な配線やビア
接続を実現できる一方、一層づつ作りこんでは積層して
いく製造プロセスであるため、総工程が長大化するとと
もに製造歩留りも低下する問題を抱えていた。換言すれ
ば、例えばビルドアップ層におけるある一層でビアの形
成工程に不良を生じた場合、既に形成した他の層を含む
基板全体が不良品となってしまい極めて効率が悪い。こ
の問題は、特に基板寸法が大きくなる程顕著である。
【0003】これに対し、配線層ないし層間接続部を層
毎に独立した工程で形成でき、尚且つ従来のスルーホー
ル接続よりも層間接続密度を向上させた配線基板の製造
方法がいくつか提案されている。例えば、第6回マイク
ロエレクトロニクス シンポジウム論文集、p.155
−158(1995)に公開された方法では、図7
(a)に示す如く、先ず銅箔71上に印刷法により導電
ペーストで円錐状バンプ72を形成し、続いて図7
(b)に示すようにエポキシ含浸ガラスクロスであるプ
リプレグ36をこの銅箔に積層すると同時に導電ペース
トバンプ72でプリプレグ36を貫通させる。さらに、
図7(c)に示す如く、この積層体のバンプが突出した
側にさらに銅箔75を積層プレスし、図7(d)に示す
ようにエッチング法により銅箔をエッチングし配線パタ
ーンを形成することで、高密度な層間接続部を有する両
面配線基板を得ている。さらに多層化する場合には、図
7(e)に示す如く、この両面配線基板を核として、そ
の上下に図7(a)ないし(b)と同様な工程で別に形
成した積層体を積層プレスし、図7(f)に示すように
エッチングで配線パターンを形成することで配線4層基
板が形成できる。図7(e)ないし(f)の工程を繰り
返し行なうことでさらなる多層化も可能である。
【0004】また、第6回マイクロエレクトロニクス
シンポジウム論文集、p.163−166(1995)
に公開された方法では、先ず、プリプレグにレーザー加
工により層間接続用貫通ビア孔を形成し、続いてこのビ
ア孔に導電体を埋め込み、このプリプレグを銅箔で上下
に挟み込むように積層プレスし、この後、表層の銅箔を
エッチングして配線パターンを形成することで、図7
(d)と同様な層間接続ビアが導電体で埋め込まれた両
面板を得ている。さらに図7(e)乃至(f)に示す工
程と同様に、両面配線板を核に、層間接続ビアを有する
プリプレグと銅箔とを順に積層してプレスし、表層の銅
箔をエッチングすることで微細な層間接続部を有する多
層配線基板を形成できる。これらの方法では積層させる
前にビアを形成しておくため、ビルドアップ配線基板の
製造方法に比すると、基板の製造工程においてビアの形
成工程を別工程として処理できる都合上、製造歩留りを
高くすることが可能となる。さらに、特開平10−27
959号公報には、上記した製造方法において、あらか
じめ転写用基板上で配線を形成しておき、これを銅箔の
代わりにプレスして配線を転写する方法が開示されてい
る。この方法によれば、配線形成工程をも別工程として
処理できるため、製造歩留りはさらに高くなる。
【0005】この特開平10−27959号公報で開示
された転写用基板はフィルムであり、このフィルムは積
層プレス後に容易に剥離できるように銅箔との接着強度
が設定される。配線形成は、この銅箔上にレジストパタ
ーンを形成し、エッチングして形成される。しかしなが
ら、エッチングによる配線形成では、原理的に配線の厚
みよりも幅が小さい配線を形成することは出来ず、たと
え配線幅が厚みよりも大きくても、エッチングの不均一
性に起因する不安定要素により広い面積で安定的に微細
な配線を形成することは困難である。同様に配線を転写
する配線基板の製造方法において、微細な配線を形成す
るうえでより好ましい例として、図8にはめっき法によ
り配線を形成する工程を有する製造方法を示した。この
方法では、導電性基板81を転写用基板として採用し、
先ず、図8(a)に示すように、この表面上にめっきマ
スク材82となるレジストパターンを形成する。この
後、図8(b)に示すように電気めっき法によりめっき
マスク材82の開口部83に配線となるめっき膜84を
成長させる。さらに、図8(c)に示すように、めっき
マスク材82を剥離・除去する。続いて、図8(d)に
示すように、転写用基板とプリプレグなどの半硬化樹脂
85とを熱プレスし、樹脂を硬化させる。さらに、図8
(e)に示すように、転写用基板81と樹脂85とを剥
離し配線だけを樹脂側へ転写した配線基板86を得る。
【0006】この剥離工程において、導電性基板とめっ
き膜とは剥離し易い組み合わせの材料を選択しており、
配線だけを積層プレスなどで基板上に転写することがで
きる。これらの方法によれば、配線幅が厚みと同程度あ
るいは小さい配線であっても、安定的にその形成が可能
となる。この方法では、転写前にめっきマスク材を除去
しているが、除去をしなかった場合には転写時にめっき
マスク材も基板側へ部分的に転写されてしまう。したが
って、めっきマスクは配線を形成する毎に形成する必要
がある。これに対して特開平11−68294号公報に
開示される方法では、めっきマスクに剥離性を有する材
料であるシリコーン樹脂を用いて形成しているため、め
っきマスクを剥離しなくとも配線を転写する場合にめっ
きマスクが転写されること無く、配線だけを転写できる
としている。すなわち、めっきマスクを剥離しないた
め、マスクを毎回形成する必要が無く、転写用基板を反
復使用でき工程短縮に非常に効果的で優れている。しか
しながら、この方法をもってしても、熱プレスを使用し
た積層工程では転写用基板を繰り返し使用できる回数に
は限りがある。すなわち、めっきマスク材にシリコーン
樹脂等の剥離性を有する樹脂を用いた場合、表面を平滑
にしたステンレス鋼、ニッケルなどの金属ないしその酸
化物からその表面がなる転写用基板と剥離性を有する樹
脂の密着力は一般的に低く、熱プレスによる積層工程に
おける例えば180℃、50kgf/cmで1時間と
いった高温・高圧・長時間条件下では樹脂の劣化、熱膨
張によるマスクパターン端部への応力集中などが著しい
ためマスク材と転写用基板との界面で剥離が生じやすく
なる。したがって、転写用基板を反復使用できる回数は
減少してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、配線を
転写用基板上で形成し、熱プレスで配線のみを基板上に
転写することにより、配線基板の製造歩留りを向上する
ことが可能となる。さらに、転写用基板上に配線を形成
する際、エッチング法に代わりめっき法で配線を形成す
ることにより、微細な配線を安定的に製造することがで
きる。また、めっき法におけるめっきマスク材として、
剥離性を有する材料を用いることにより、めっきマスク
が形成された転写用基板を反復使用することが可能とな
り、工程の大幅短縮が可能となる。しかしながら、前記
めっきマスク材として、シリコーン樹脂などの剥離性を
有する材料を用いた場合には、転写工程として熱プレス
を用いると、プレス中の高温・高圧・長時間の環境で、
マスク材である樹脂の劣化、応力などにより、樹脂と転
写用基板との間で剥離が生じ易くなる。本発明は、以上
の問題点に鑑みてなされたもので、熱プレスによる配線
転写工程に適用でき、しかも反復使用回数を伸ばし、半
永久的に使用可能な配線転写用基板を提供することを目
的とする。また、本発明は前記配線転写用基板を用い、
高い製造歩留りと短縮された工程で製造される、微細な
配線を有する配線基板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、配線基板の製造工程において、配線
を基板上へ転写するための配線転写用基板であって、前
記配線転写用基板は、表面が導電性を有する基材上にパ
ターン化されためっきマスクを具備し、該めっきマスク
は、少なくともマスク表面に露出した粒子を含む四弗化
エチレン粒子を含有した金属膜で構成され、マスク表面
が前記表面に露出した粒子を含み四弗化エチレン皮膜で
覆われたことを特徴とする配線転写用基板を提供する。
このとき、前記金属膜に含まれる四弗化エチレン粒子の
含有量が10ないし40重量%であることが好ましい。
また、このとき、前記金属膜が少なくともニッケル,ク
ロム,銅,銀,金,白金,パラジウムから選択される金
属から構成されることが好ましい。
【0009】また本発明は、少なくとも絶縁基材上に配
線を具備した配線基板の製造方法であって、表面が導電
性を有する基材上にパターン化されためっきマスクを具
備し、該めっきマスクは、マスク表面に露出した粒子を
含む四弗化エチレン粒子を含有した金属膜で構成され、
マスク表面が前記表面に露出した粒子を含み四弗化エチ
レン皮膜で覆われた配線転写用基板を用い、前記配線転
写用基板の基材上の導電性を有する表面層を陰極とし
て、パターン化されためっきマスクにより形つくられる
開口部にめっき金属を析出させ配線パターンを形成する
工程と、前記配線転写用基板上に絶縁層を形成し、前記
配線パターンと絶縁層とを密着せしめる工程と、前記配
線パターンを絶縁層に保持しつつ、前記絶縁層を配線転
写用基板から剥離する工程とを具備したことを特徴とす
る配線基板の製造方法を提供する。このとき、前記めっ
き金属の厚みが、配線転写用基板上の前記めっきマスク
の厚みよりも大きくなるようめっきすることが好まし
い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、配線を熱プレス工程に
よりプリプレグなどの絶縁樹脂基材上に転写するための
配線転写用基板について、導電性を有する表面にめっき
マスクパターンを形成し、めっきによってマスクパター
ンを埋めることにより配線を形成するアディティブ法を
採用する。これにより、配線転写用基板による微細な回
路配線の形成を可能としている。また、本発明は、めっ
きマスクパターンを象るマスク表面を、露出した粒子を
含む四弗化エチレン粒子を含有した金属膜で構成し、さ
らに露出した粒子を含む四弗化エチレン皮膜でマスク表
面を覆う構成とすることで、熱プレスにより配線を樹脂
上に転写する際、樹脂とめっきマスクとが容易に剥離
し、熱プレスによる、高温・高圧下の条件に長時間曝さ
れてもめっきマスクが劣化せず配線転写用基板との密着
を維持する。この結果、反復使用回数を飛躍的に伸ば
し、半永久的に使用可能な配線転写用基板を提供するこ
とが可能となった。以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下
の実施形態に限定されることなく、種々変更・または組
み合わせて実施することができる。
【0011】(実施例1) 図1に本発明の配線転写用
基板の一実施形態を示す。図中の11は少なくとも表面
が導電性である基材であり、例えばニッケルから構成さ
れている。15の部分はめっきマスクであり、配線パタ
ーンを象るように開口16が形成され、導電性を有する
基材表面が露出している。めっきマスク15は四弗化エ
チレン(PTFE)粒子13を含む例えばニッケルやク
ロムを主体とする金属膜12から構成され、その粒子の
粒径は0.5〜1.0μmで金属膜の厚みは2.0μm
程度である。また、めっきマスク15表面はPTFE皮
膜14で均一に覆われており、皮膜の厚みは0.05〜
0.5μm程度である。ここで、PTFE皮膜14は粒
子状のPTFEが溶けて再び固化したものであり、PT
FE皮膜14と表面に露出したPTFE粒子13とは一
体で互いに連続しており、この粒子が部分的に金属膜1
2に潜り込んでいるためにPTFE皮膜のアンカーとな
り物理的に強い密着を確保できる構造となっている。図
2(a)〜(c)に本発明の配線転写用基板の製造方法
について実施例を示す。先ず、図2(a)に示す如く、
基材となるニッケル板21を用意し、配線を形成する位
置にレジストパターン22を形成する。レジスト材料は
特に限定されないが、解像度が高く耐めっき性に優れて
いるポジ型の液状レジストが好適である。レジストの厚
みは3μm程度となる。なお、レジストの材料として
は、ネガ型のドライフィルムレジスト等も用いることが
出来る。
【0012】露光・現像によりレジストパターン22を
形成した後、図2(b)に示す如く、PTFE粒子を含
有したニッケルめっき液を用いた電気めっき法を施す。
他方の電極にはニッケル板(図示せず)を陰極として用
いて通電し、ニッケル板21の表面にPTFE粒子23
を含有したニッケル膜25を形成する。ニッケルめっき
液としては例えば以下の組成の水溶液を用いることが出
来る。
【0013】 スルファミン酸ニッケル 300〜500g/L 塩化ニッケル 30〜100g/L ホ ウ 酸 30〜100g/L PTFE粒子 10〜 50g/L 光 沢 剤 適 量 界 面 活 性 剤 適 量
【0014】めっきに際しては、ニッケル板21の表面
を充分に脱脂し、直前に希塩酸に浸漬して表面の活性化
を行う。また、めっき条件としては、めっき液のpHを
4程度に制御し、液温を40〜50℃、陰極電流密度を
1〜6A/dmとして、空気攪拌ないし機械攪拌によ
りめっき液を攪拌しながら通電する。攪拌を均一且つ充
分行うことで、PTFE粒子が均一に分散し、表面に均
一に露出しためっき膜が得られる。本実施例では電流密
度を4.0A/dmに設定し、約2μmの厚さのめっ
き膜を得た。
【0015】次にレジスト22を剥離し、350℃〜4
00℃で1時間程度熱処理を行う。この熱処理により、
めっき膜表面に露出したPTFE粒子23が溶融し、図
2(c)に示すようにめっき膜表面に薄いPTFE皮膜
24が形成される。このPTFE皮膜は、めっき膜表面
に露出したPTFE粒子23と連続的であるため、粒子
部分が物理的アンカーとして作用し、めっき膜との密着
力は非常に強固なものとなる。また、ニッケルめっき膜
表面は完全にPTFE皮膜で覆われるために、絶縁性が
付与され、電気めっきのめっきマスクとして機能する。
【0016】(実施例2) 本発明による配線基板の製
造方法を図3(a)〜(c)を参照して説明する。先
ず、図3(a)に示す如く、実施例1で示した配線転写
用基板38を用い、その基材であるニッケル板21を陰
極として電気めっきにより銅めっき膜35を形成する。
この際、配線転写用基板のPTFE皮膜24で覆われた
ニッケルめっき膜25はめっきマスクとして機能するた
めに、このめっきマスクパターンの開口部において銅め
っき膜が成長する。電気めっき工程においては、電気め
っき装置の電流源(図示せず)の陰極に、配線転写用基
板の基材21を接続し、電流源の陽極には含リン銅板
(図示せず)を接続する。なお、めっき液としては、例
えば下記の組成の水溶液を使用することができる。
【0017】 硫酸銅5水和物 50〜150g/L 硫酸(比重1.84) 50〜200g/L 塩酸(34%) 0.05〜0.2mL/L 界 面 活 性 剤 適 量 光 沢 剤 適 量
【0018】めっき条件は、液温25℃、電流密度1〜
5A/dmとし、空気吹き出しによりめっき液を攪拌
することにより、銅イオンの供給を十分に行う。めっき
膜厚が10μmに達する時間を予め求めておき、その時
間になったら通電を止め、ニッケル板21をめっき装置
から取り出し十分に水洗する。ここで形成する銅めっき
膜35厚は10μmであるため、約2μm厚のめっきマ
スクを超えてめっき膜35横断面はマッシュルーム状と
なる。(便宜上、図面での比率は実際と異なってい
る。)
【0019】銅めっき膜35による配線パターンを形成
した後、続いて形成する絶縁層となる樹脂との密着性を
高める目的で、この時点で銅めっき膜35の表面を粗面
化する。粗面化処理は銅を酸化させるいわゆる黒色化処
理やこれをさらに還元する還元処理、あるいは無電解銅
めっきにより針状結晶を析出させる処理などを用いるこ
とができるが、本実施例では黒色化処理の後に還元処理
を行う工程を用い、配線表面の平均粗さを約2μm(図
示せず)にした。この後、検査を行い、配線の短絡ない
し欠損などの欠陥の有無を確認する。ここで配線に欠陥
が確認された場合には銅めっき膜35を完全に溶解し、
再び銅めっき処理を行なう。
【0020】続いて、熱プレス装置の上下の定盤間にエ
ポキシ含浸ガラスクロスの絶縁材料であるプリプレグ3
6と上述した銅めっき膜による配線が形成されている配
線転写用基板38を重ねて設置する。この後、定盤でこ
れらを挟み込み120℃、20kg/cmで30分、
続いて180℃、50kgf/cmで1時間プレス
し、プリプレグ36のエポキシ樹脂を熱硬化させる。エ
ポキシ樹脂は硬化前に軟化して流動的になるため、図3
(b)に示すように銅めっきで形成されたマッシュルー
ム状断面を有する配線パターンを完全に包み込む。さら
に、プリプレグ36と接する銅めっき膜35の表面は粗
面化されているため、熱プレス時にエポキシ樹脂がその
粗面に沿って流動し強固なアンカーを形成するため、プ
レス後の樹脂と配線との密着力は高く、1kgf/cm
程度のピール強度を有する。一方、PTFE皮膜で表面
を覆われためっきマスクとエポキシ樹脂との密着力は極
めて低く、ピール強度で0.01kgf/cm以下しか
ない。
【0021】図3(c)に示すように配線を硬化したプ
リプレグ36に保持しつつ配線転写用基板38だけを銅
めっき膜35から剥離する。この際、配線と樹脂との間
の密着力は1kgf/cm程度であり、転写用基板とめ
っきマスクとの密着力の100倍以上であるため、転写
用基板38はめっきマスクの表面から容易に剥離し、配
線パターンだけが絶縁材料に転写される。尚、剥離後の
転写用基板のめっきマスク表面はPTFE皮膜が強固に
形成されているため、熱プレス工程による欠陥は無く、
転写用基板は、図3(a)に示すめっき工程から再度使
用することができる。
【0022】以上のようにして形成された配線基板37
は、配線の表面が基板表面から約2μm突出し、残りの
8μmの部分が絶縁樹脂内に埋め込まれた構造となる。
この方法で形成される配線基板は単層基板でありなが
ら、配線幅/間隔が50/50μm未満の配線も安定的
に形成可能であるため、場合によっては配線層の多層化
を行わずとも充分な配線収容能力を有し、高密度配線基
板としての目的を達成できる。
【0023】例えば、図4ないし図5に示すような応用
ができる。図4のBGAパッケージでは、上記した工程
により形成した単層の配線基板37’の配線形成面に背
向する裏面から、レーザ加工法により配線パターンの裏
面に達する孔をプリプレグ36に形成し、この孔に配線
パターンである銅めっき膜35と電気的に接続されるよ
うにはんだボール49を搭載し、LSIパッケージであ
るボールグリッドアレイ(BGA)用の基板として用い
る例を示している。この場合、図4に示す如く、LSI
チップ41は入出力パッド43が形成されている面に対
する背面を基板側に向け、この背面とプリプレグ36と
を接着剤45により接着・固定し、チップの入出力パッ
ド43と基板上の銅めっき膜35とを例えば金細線44
などでワイヤボンディングし、樹脂46でチップ上面部
を封止してある。
【0024】また、図5に示すBGAパッケージのよう
に、図3(a)から(c)の工程において、転写用基板
の基材21にLSIチップの入出力パッド43に対応し
た配置の凹状の窪みを予め形成することにより、その表
面にバンプ51が形成された単層基板37’’が得られ
る。この基板を同様にBGA基板として応用した場合、
図5に示す如く、LSIチップ41は入出力パッド43
形成面をプリプレグ36側に向け、接着剤52により接
着・固定することにより、バンプ51によってLSIチ
ップ41と配線パターンである銅めっき膜35とを直接
接続することができる。
【0025】(実施例3) 本発明による他の配線基板
の製造方法を図6(a)〜(f)を参照して説明する。
先ず、図6(a)では図3(a)に示した銅めっき膜の
形成工程により、配線パターン35’が表面に形成され
た配線転写用基板38’を示している。図6(b)に示
すように、前記配線パターン35’上に必要に応じて層
間接続に用いる導電ペーストによるバンプ72を立設す
る。このバンプ72は銀ペーストを用いて錐形状に形成
されており、スクリーン印刷法により転写している。形
成されたバンプ72の高さは約300μmであった。
(便宜上、図面上では比率は再現していない。)図6
(c)に示すように、エポキシ含浸ガラスクロスのプリ
プレグ36を銀ペーストバンプ72が形成された配線転
写用基板38’表面に、加熱しながら積層させ、すべて
の銀ペーストバンプ72についてプリプレグ36を貫通
させた状態に成形する。この時のプロセス温度は樹脂が
軟化はするが流動はしないような温度条件である90℃
〜120℃の範囲に設定する。
【0026】さらに、図6(d)に示す如く、図3
(a)に示した工程により、他の配線パターン35’’
が表面に形成された別の配線転写用基板38’’を、前
記の配線転写用基板38’上のプリプレグ36から突出
するバンプ72の頂点にに対して位置合わせし、熱プレ
スして積層させる。熱プレスに際しては、120℃、2
0kg/cmで30分、続いて180℃、50kgf
/cmで1時間プレスし、エポキシ樹脂を硬化させ
る。エポキシ樹脂は、硬化前に軟化して流動的になるた
め、図6(d)に示すように銅めっきで形成されたマッ
シュルーム状断面を有する配線パターン35’’を完全
に包み込む。さらに、樹脂と接する配線表面は粗面化さ
れているため、プレス後のプリプレグ36と配線パター
ン35’’との密着力は高い。さらに、銀ペーストバン
プ72は、バンプと銅配線との硬度差によりプレス時に
押し潰されプリプレグ36中に埋め込まれると同時に、
粗面化された銅配線に銀ペーストが隙間無く接触し、か
つ配線パターン35’、35’’との電気的な接合も確
保されるため機械的・電気的に安定的に接続される。
【0027】続いて、配線を硬化したプリプレグ36に
保持しつつ転写用基板63ないし64だけを剥離するこ
とにより、図6(e)に示すような両面配線基板61を
得る。剥離に際し、配線と樹脂との間の密着力は、転写
用基板とめっきマスクとの密着力に比べ極めて大きいた
め、転写用基板はめっきマスクの表面から容易に剥離
し、配線パターンだけが絶縁樹脂に転写される。なお、
剥離後の転写用基板38’ないし38’’のめっきマス
ク表面はPTFE皮膜が強固に形成されているため、熱
プレス工程による欠陥は無く、転写用基板は、配線形成
工程から再度使用することができる。
【0028】以上のようにして形成された配線基板は、
図6(e)に示されるように、微細な配線がガラスクロ
スを支持体とする絶縁樹脂を挟んで両面に形成され、さ
らに絶縁樹脂に埋め込まれた銀ペーストバンプにより表
裏の配線が電気的に接続された両面配線基板となる。さ
らに多くの配線層を必要とする場合には、さらに以下の
工程を行う。すなわち、図6(a)〜(c)に示した一
連の工程と同様に形成した二つの別の配線転写用基板と
プリプレグとの積層体を、図6(e)に示した両面配線
基板を核として、これを挟み込むように位置合わせを行
ったうえで熱プレスを図6(d)と同様な方法で行う。
続いて、配線をガラスクロスを支持体とする絶縁樹脂に
保持しつつ転写用基板だけを剥離することにより、図6
(f)に示すような4層配線基板が得られる。
【0029】以上のようにして形成された配線基板は、
図6(f)に示されるように、4層の配線層を有し、こ
れら配線層が絶縁樹脂に埋め込まれた銀ペーストバンプ
により電気的に接続されている。図6(f)と同様な工
程を繰り返すことにより、さらに多層の配線層を有する
配線基板が形成可能である。また、これら一連の工程に
おいては、配線ないし層間接続部の形成を、層毎に別々
に行っているために、ビルドアップ基板のように層を直
列的に形成する工程に比べ、配線基板の製造歩留りは飛
躍的に高くなっている。さらに、配線形成がめっき法に
よるために、エッチング法に比べ微細な配線を安定的に
形成でき、しかも、配線転写用基板は、めっきマスクの
耐久性が向上し、ほぼ半永久的に使用できるため、マス
ク材料などの節約・マスク形成工程の省略が可能とな
り、製造コストも大幅に減じることができた。
【0030】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更して実施し
得る。例えば、転写用基板基材、配線、絶縁性樹脂、め
っき液はその材質、寸法、構成などに関して種々変更し
て用いることができ、さらに、電気めっきあるいは熱プ
レスにおける条件も前記例示に限定されないことはむろ
んである。また、本発明の要旨は配線転写用基板のめっ
きマスク部の構造およびこれを使用した配線基板の製造
方法に係るものである。したがって、本実施例では、多
層配線基板を形成するにあたって、その層間接続に銀ペ
ーストバンプを例として用いているが、少なくとも、本
発明における配線転写用基板を用い、配線を転写する工
程を有していれば、特に層間接続の構造ないし製造方法
により限定されるものではない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱プレスによる配線転写工程に適用でき、しかも反復使
用回数を伸ばした、繰り返し使用可能な配線転写用基板
を提供できる。また、本発明は前記配線転写用基板を用
い、高い製造歩留りと短縮された工程で製造される、微
細な配線を有する配線基板の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配線転写用基板を示す模式図。
【図2】 本発明の配線転写用基板の製造方法を示す模
式図。
【図3】 本発明の配線基板の製造方法を示す模式図。
【図4】 本発明により製造された配線基板の一応用例
を示す模式図。
【図5】 本発明により製造された配線基板の一応用例
を示す模式図。
【図6】 本発明の他の配線基板の製造方法を示す模式
図。
【図7】 従来の配線基板の製造方法を示す模式図。
【図8】 従来の配線基板の製造方法を示す模式図。
【符号の説明】
11,21…基材(ニッケル板)、12…金属膜、13,
23…PTFE粒子、14,24…PTFE皮膜、15
…めっきマスク、16…開口、22…レジスト、25…
ニッケル膜、35…銅めっき膜、36…プリプレグ、3
7…配線基板、38…配線転写用基板、41…LSIチ
ップ、42…保護膜、43…入出力パッド、44…金
線、45,52…接着剤、46…封止樹脂、49…はん
だボール、51…バンプ、61…両面配線基板、62,
63…配線基板、71…銅箔、72…バンプ、74…配
線基板、75…銅箔、76…積層体
フロントページの続き Fターム(参考) 4K024 AA09 AB01 BA01 BB11 BC10 CA01 CA02 CA04 CA06 FA05 GA16 5E343 AA02 AA16 BB24 BB71 DD43 DD56 DD63 DD75 FF12 GG08 GG11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配線基板の製造工程において、配線を基板
    上へ転写するための配線転写用基板であって、 前記配線転写用基板は、表面が導電性を有する基材上に
    パターン化されためっきマスクを具備し、 該めっきマスクは、少なくともマスク表面に露出した粒
    子を含む四弗化エチレン粒子を含有した金属膜で構成さ
    れ、マスク表面が前記表面に露出した粒子を含み四弗化
    エチレン皮膜で覆われたことを特徴とする配線転写用基
    板。
  2. 【請求項2】前記金属膜に含まれる四弗化エチレン粒子
    の含有量が10ないし40重量%であることを特徴とす
    る請求項1に記載の配線転写用基板。
  3. 【請求項3】前記金属膜が少なくともニッケル,クロ
    ム,銅,銀,金,白金,パラジウムから選択される金属
    から構成されることを特徴とする請求項2に記載の配線
    転写用基板。
  4. 【請求項4】少なくとも絶縁基材上に配線を具備した配
    線基板の製造方法であって、 表面が導電性を有する基材上にパターン化されためっき
    マスクを具備し、該めっきマスクは、マスク表面に露出
    した粒子を含む四弗化エチレン粒子を含有した金属膜で
    構成され、マスク表面が前記表面に露出した粒子を含み
    四弗化エチレン皮膜で覆われた配線転写用基板を用い、 前記配線転写用基板の基材上の導電性を有する表面層を
    陰極として、パターン化されためっきマスクにより形つ
    くられる開口部にめっき金属を析出させ配線パターンを
    形成する工程と、前記配線転写用基板上に絶縁層を形成
    し、前記配線パターンと絶縁層とを密着せしめる工程
    と、 前記配線パターンを絶縁層に保持しつつ、前記絶縁層を
    配線転写用基板から剥離する工程とを具備したことを特
    徴とする配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記めっき金属の厚みが、配線転写用基板
    上の前記めっきマスクの厚みよりも大きくなるようめっ
    きすることを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011108704A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Nec Corp プリント配線基板及びその製造方法
CN112297455A (zh) * 2020-10-30 2021-02-02 九江华达医用材料有限公司 一种医用口罩生产用固定绳安装装置

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