JPH08302054A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体

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JPH08302054A
JPH08302054A JP11324395A JP11324395A JPH08302054A JP H08302054 A JPH08302054 A JP H08302054A JP 11324395 A JP11324395 A JP 11324395A JP 11324395 A JP11324395 A JP 11324395A JP H08302054 A JPH08302054 A JP H08302054A
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栄一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホットスタンピング成形性や真空成形性など
の熱成形性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を
提供すること。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂50〜100重量%と
ポリエチレン系樹脂0〜50重量%とを含有するポリオ
レフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体において、架橋度が50〜70%で
あって、膨潤比が20〜50であることを特徴とする架
橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。ポリプロピレン系樹脂
50〜100重量%とポリエチレン系樹脂0〜50重量
%とを含有するポリオレフィン系樹脂から形成されたシ
ート状の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体において、架
橋度が25〜50%であって、膨潤比が50超過100
以下であることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂
発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体に関し、更に詳しくは、ホットスタンピング
成形性や真空成形性などの熱成形性に優れた架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体に関する。本発明の架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、ホットスタンピング成形法また
は真空成形法によって成形される車両用内装材などとし
て好適である。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、断
熱材、クッション材などとして広範な分野で使用されて
いる。特に、自動車分野では、例えば、天井材、ドア、
インスツルメントパネル、コンソールボックス、リヤホ
イルハウスカバー、ラゲージハウスカバー、トランクル
ームカバー等の車両用内装材として汎用されている。こ
れらの車両内装材は、一般に、シート状の架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体の片面に、軟質塩化ビニル樹脂(P
VC)シートなどの表皮材をラミネートした後、真空成
形や圧縮成形などにより所定形状に成形加工して、製品
化されている。近年、ドア、インスツルメントパネル等
の形状が深くなり、特に発泡体の展開率の大きい(良く
伸ばされる)アームレストや木目込み部において、表皮
材と発泡体との間に空気が溜って生じる、いわゆるフク
レ現象への対策が一層必要となっている。また、オス型
とメス型を組み合わせて真空成形するマッチドダイ法で
は、両型のクリアランスの間で発泡体が強い剪断力を受
けてしごかれる結果、同様のフクレ現象が生じ易くなっ
ている。
【0003】これらの対策としては、高温(100℃以
上)での表皮材との間の剥離強度を上げるのはもちろん
のこと、高温伸度を上げ、高温弾性率を下げる方法など
が挙げられる。発泡体の架橋度を下げることにより、高
温伸度の上昇や弾性率の低下は実現できるが、発泡体表
面の耐熱性が低下して、高温時に発泡体表面に凹凸が生
じる、いわゆるアバタ現象が生じる。このアバタ現象
は、発泡体とPVC等の表皮材と貼り合わす際に生じ易
く、表皮材に凹凸が生じて、外観不良となる。表皮材と
貼り合わせる際に、耐熱性だけではなく、ピンチロール
等によるしごきに対する抵抗力も必要となる。アバタ現
象は、気泡の膜の弱いところが存在し、そこに熱が加わ
り、更に応力を受けることにより、気泡が破けたり、微
細な穴が発生して気泡が収縮することによる凹凸の発生
に起因すると考えられる。発泡体の表層付近は、特に熱
を受け易く、積層する際に最も力を受け易いところでも
ある。表層の対策として、気泡の膜を強くすることと、
膜厚を厚くすることが挙げられる。しかし、膜の強度を
高めると、伸びを維持することは可能であるが、弾性率
を下げることは難しい。また、発泡方法の工夫のみで気
泡膜を厚くし、かつ、発泡倍率を高めることは困難であ
る。発泡倍率を下げることにより、気泡を緻密にし、応
力を分散させる方法も挙げられるが、全体的に発泡倍率
を高めることは困難である。
【0004】このように、架橋ポリオレフィン系樹脂発
泡体は、真空成形等の熱成形時に、発泡体のセル破壊等
に起因するアバタ現象(肌あれ現象)の問題があり、さ
らには、高温伸度不足による発泡体切れ等の不具合があ
った。一方、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の分野に
おいて、近年、ホットスタンピング成形法が採用されて
きている。ところが、従来のホットスタンピング成形で
は、芯材樹脂が吹き出してくる点でチャージマークが発
生したり、あるいは点在した芯材樹脂を加圧して表皮材
付き発泡シートに熱融着させる際に、芯材樹脂の合流部
分にウエルドラインが発生するなどの不具合があった。
したがって、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ホッ
トスタンピング成形法や真空成形法などの熱成形法を適
用した場合に、様々な不具合の発生により製品の歩留が
低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ホッ
トスタンピング成形性や真空成形性などの熱成形性に優
れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することに
ある。本発明のより具体的な目的は、ホットスタンピン
グ成形法を適用した場合に、チャージマークやウエルド
ラインなどの現象が発生しない架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡体を提供することにある。本発明のより具体的な
他の目的は、真空成形法を適用した場合に、アバタ現象
や発泡体切れ現象が発生しない架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡体を提供することにある。
【0006】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、高温での伸びと耐熱性
を得るために、ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロ
ピレン系樹脂単独またはポリプロピレン系樹脂を主成分
とするポリエチレン系樹脂との混合物を使用し、熱分解
型発泡剤を用いて発泡させるに際し、電離性放射線や有
機過酸化物により架橋させ、かつ、架橋条件等を調整す
ることにより、(1)高架橋度であって、低膨潤比の架
橋発泡体とすることにより、ホットスタンピング成形性
に優れ、他方、(2)低架橋度であって、高膨潤比の架
橋発泡体とすることにより、真空成形性に優れることを
見いだした。本発明は、これらの知見に基づいて完成す
るに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂50〜100重量%とポリエチレン系樹
脂0〜50重量%とを含有するポリオレフィン系樹脂か
ら形成されたシート状の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
体において、架橋度が50〜70%であって、膨潤比が
20〜50であることを特徴とする架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体が提供される。また、本発明によれば、ポ
リプロピレン系樹脂50〜100重量%とポリエチレン
系樹脂0〜50重量%とを含有するポリオレフィン系樹
脂から形成されたシート状の架橋ポリオレフィン系樹脂
発泡体において、架橋度が25〜50%であって、膨潤
比が50超過100以下であることを特徴とする架橋ポ
リオレフィン系樹脂発泡体が提供される。
【0008】架橋度は、発泡体試料50mgを秤量し、
120℃のキシレン中に24時間浸漬した後、取り出
し、200メッシュの金網で濾過し、キシレン溶出分を
除去した残渣を80℃で8時間乾燥させて、乾燥残渣重
量を計り、式[架橋度=(乾燥残渣重量/試料重量)×
100(%)]により求めた値である。膨潤比は、発泡
体試料50mgを秤量し、120℃のキシレン中に24
時間浸漬した後、取り出し、200メッシュの金網で濾
過し、キシレン溶出分を除去した残渣を直ちに密閉容器
に入れてキシレン膨潤時残渣重量を計り、次いで、80
℃で8時間乾燥させて、乾燥残渣重量を計り、式[膨潤
比=膨潤時残渣重量/乾燥残渣重量]により求めた値で
ある。本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、表
皮材を積層することにより、ホットスタンピング成形ま
たは真空成形に適した積層発泡シートとすることができ
る。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。ホットスタンピング成形用架橋発泡体 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、架橋度が50〜7
0%であって、膨潤比が20〜50である場合、ホット
スタンピング成形性に優れている。架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体は、高架橋度かつ低膨潤比であることによ
って、ホットスタンピング成形に必要な高度の耐熱性が
得られ、チャージマークやウエルドラインなどの現象が
解消される。同じ架橋度であっても、発泡倍率、架橋助
剤の配合量、照射線量または有機過酸化物の量などによ
って、膨潤比の異なる架橋発泡体が得られる。架橋度が
高いほど、耐熱性が向上するが、あまり高すぎると、発
泡が困難となり、高発泡倍率の架橋発泡体を得ることが
困難となる。架橋度が低くなると、伸度が向上するが、
あまり低過ぎると、耐熱性が低下し、場合によっては、
発泡時に必要な高温での粘弾性を得ることも困難とな
る。ホットスタンピング成形では、金型で加圧すること
により、溶融芯材(骨材)樹脂と架橋発泡体とを一体化
しながら成形するため、特に高度の耐熱性が必要とされ
る。したがって、ホットスタンピング成形用には、前記
したとおり、架橋度を50〜70%の範囲に調整する。
架橋度が50%未満であると、ホットスタンピング成形
に必要な耐熱性が得られなくなり、逆に、70%を越え
ると、発泡成形が困難になる。架橋度は、好ましくは5
2〜65%、より好ましくは52〜60%である。膨潤
比が50を越えると、ホットスタンピング成形に必要な
耐熱性が不足しやすく、20未満では、架橋密度が高す
ぎて、発泡成形が困難となる。この膨潤比は、好ましく
は22〜46、より好ましくは24〜45である。
【0010】真空成形用架橋発泡体 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、架橋度が25〜5
0%であって、膨潤比が50超過100以下である場
合、真空成形性に優れている。架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡体は、低架橋度かつ高膨潤比であることによっ
て、高温での伸度が大きくなり、真空成形が容易とな
る。また、架橋度と膨潤比を特定の範囲とすることによ
り、真空成形に必要な程度の耐熱性を保持させ、アバタ
現象の発生を防ぐことができる。真空成形により深絞り
成形する場合には、高温での伸度が大きいことが求めら
れるため、耐熱性を保持しつつ、伸度が大きくなる架橋
度25〜50%の範囲に調整する。架橋度が25%未満
であると耐熱性が不足し、アバタ現象が生じやすくな
る。架橋度が50%を越えると、高温伸度の低下が著し
くなる。架橋度は、好ましくは30〜50%、より好ま
しくは35〜50%である。真空成形用架橋発泡体の高
温伸度は、160℃で測定した伸度が180%以上が好
ましく、200%以上であることがより好ましい。同じ
架橋度であって、膨潤比が大きい架橋発泡体は、架橋密
度が小さく、いわゆるルーズな共重合となっている。し
たがって、膨潤比の大きな架橋発泡体は、高温伸度が大
きく、真空成形性に優れている。しかし、膨潤比が10
0を越えると、耐熱性が不足して、真空成形に際し、ア
バタ現象が発生しやすくなる。膨潤比が50以下である
と、架橋密度が高すぎて高温伸度の低下が著しい。この
膨潤比は、好ましくは52〜100、より好ましくは5
3〜100である。
【0011】架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方
高架橋度かつ低膨潤比の架橋発泡体、及び低架橋度かつ
高膨潤比の架橋発泡体は、ポリオレフィン系樹脂とし
て、ポリプロピレン系樹脂単独またはポリプロピレン系
樹脂を主成分とするポリエチレン系樹脂との混合物を使
用し、熱分解型発泡剤を用いて発泡させるに際し、電離
性放射線や有機過酸化物により架橋させ、かつ、架橋条
件等を調整することにより得ることができる。架橋ポリ
オレフィン系樹脂発泡体を製造するには、ポリプロピレ
ン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系樹脂組成物に
対して、熱分解型発泡剤、及び架橋助剤、更に所望によ
り酸化防止剤、顔料、その他の添加剤を混合し、熱分解
型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融成形して未発泡シ
ートを製造する。次に、電離性放射線または有機過酸化
物(化学架橋剤)により未発泡シートを架橋させる。未
発泡シートは、架橋後、または架橋と同時に、熱分解型
発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる。有機過酸
化物を使用する場合には、予めポリオレフィン系樹脂組
成物中に配合しておく。
【0012】ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロ
ピレンホモポリマー、プロピレンが50重量%以上、好
ましくは85重量%以上のプロピレンとエチレン等との
ブロックコポリマー、エチレン等とのランダムコポリマ
ー、エチレンやブテン等とのターポリマー、及びこれら
の2種以上の混合物などが挙げられる。プロピレンと共
重合するエチレン以外のモノマーとしては、例えば、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−ペンテンなどのα−オレフィンが挙
げられる。ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス
(MI)は、通常、0.3〜10、好ましくは0.4〜
8であり、耐熱性、高温伸度を付与するために、特に好
ましくは0.4〜2.0の範囲である。ポリエチレン系
樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDP
E)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−
LDPE)、超低密度ポリエチレン(V−LDPE)な
どが挙げられる。これらの中でも、MIが1.0〜20
のもので、かつ、特に高温伸度を付与するためにはL−
LDPEが望ましい。ポリプロピレン系樹脂は、それ単
独で使用することができるが、高温での伸度を付与した
り、発泡成形性を高める等の目的で、ポリエチレン系樹
脂と併用することが好ましい。この場合、ポリプロピレ
ン系樹脂50〜100重量%、好ましくは60〜90重
量%と、ポリエチレン系樹脂0〜50重量%、好ましく
は10〜40重量%との割合で使用する。ポリエチレン
系樹脂の配合割合が多すぎると、耐熱性が不足する。
【0013】架橋助剤としては、例えば、ジビニルベン
ゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエ
チレンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、1,9−ノナンジ
オールジメタクリレート等が挙げられる。これらの架橋
助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用い、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て、通常、1〜30重量部、好ましくは2〜15重量部
の割合で用いられる 有機過酸化物と上記架橋助剤を組み合わせて化学架橋す
ることもできる。有機過酸化物としては、例えば、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。有
機過酸化物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部の割合で用いられる。
【0014】熱分解型発泡剤としては、本発明で用いら
れるポリオレフィン系樹脂の溶融温度よりも高い分解温
度を有するものであれば特に限定されない。その具体例
としては、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセ
ミカルバジド、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾジカル
ボン酸アミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、N,N−
ジニトロソペンタエチレンテトラミン、ニトロソグアニ
ジン、p,p−オキシビスベンゼンスルホニルセミカル
バジド、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、ビ
スベンゼンスルホニルヒドラジドバリウムアゾジカルボ
キシレート、アゾビスイソブチロニトリル、トリエンス
ルホニルヒドラジド等が挙げられる。これらの中でも、
アゾジカルボンアミドが好ましい。これらの発泡剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用
することができ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対して、通常、1〜30重量部、好ましくは3〜15重
量部の範囲内で、所望の発泡倍率に応じて適宜使用され
る。また、必要に応じて、酸化防止剤(フェノール系酸
化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤な
ど)、顔料など、汎用の各種添加剤を配合することがで
きる。
【0015】ポリオレフィン系樹脂、熱分解型発泡剤、
架橋助剤などの各成分を押出機やロール等の汎用の混練
装置を用いて、熱分解型発泡剤が分解しない温度、例え
ば、160〜190℃程度の温度で溶融混練してシート
状に成形し、発泡性シートを作成する。この発泡性シー
トに電離性放射線を照射してポリオレフィン系樹脂を架
橋させ、高温での発泡成形に際し必要とされる粘弾性を
付与すると共に、発泡体に耐熱性を付与する。電離性放
射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが使用さ
れる。有機過酸化物を用いて架橋させる場合には、予め
有機過酸化物を配合した発泡性シートを作成し、これを
加熱し有機過酸化物を分解させて架橋させる。樹脂が架
橋された発泡性シートは、熱風、赤外線、メタルバス、
オイルバス等により、熱分解型発泡剤の分解温度以上の
温度、例えば、190〜290℃に加熱し、発泡させ
る。
【0016】架橋度及び膨潤比を制御するには、発泡剤
の配合量(発泡倍率)、架橋助剤の種類と配合量、電離
性放射線の照射線量などを調節する。例えば、高架橋度
の架橋発泡体を得るには、架橋助剤の配合割合を増やせ
ばよいが、その場合、照射線量が多くなりすぎると、膨
潤比が小さくなりすぎ、照射線量が少なくなりすぎる
と、膨潤比が大きくなりすぎるため、所望の膨潤比が得
られるように、照射線量を調整する。また、架橋助剤の
配合量を少なくし、発泡倍率を大きくすれば、低架橋度
であって、膨潤比を高めることができる。本発明の架橋
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ホットスタンピング成
形や真空成形により各種成形品とする場合、表皮材を積
層することができる。表皮材としては、布系では、ポリ
エステル系、ポリアミド系、アクリル系等の合成繊維や
セルロース系等の天然繊維を挙げることができ、樹脂系
では、塩化ビニル系、熱可塑性エラストマー系等を挙げ
ることができる。これらの表比材は、使用目的に応じて
適宜選択使用される。表皮材の発泡体に対する積層方法
としては、接着剤の使用、熱ラミネート、押出ラミネー
ト等の任意の方法を採用することができる。また、ホッ
トスタンピング成形に用いる芯材(骨材)樹脂として
は、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン
系樹脂などを挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、各物性の測定法
は、以下のとおりである。 (1)架橋度(ゲル分率) 架橋発泡体から試料50mgを切断して秤量し、120
℃のキシレン中に24時間浸漬した後、取り出し、20
0メッシュの金網で濾過し、キシレン溶出分を除去した
残渣を80℃で8時間乾燥させて、乾燥残渣重量を計
り、次式により求める。 架橋度=(乾燥残渣重量/試料重量)×100(%) (2)膨潤比 架橋発泡体から試料50mgを切断して秤量し、120
℃のキシレン中に24時間浸漬した後、取り出し、20
0メッシュの金網で濾過し、キシレン溶出分を除去した
残渣を直ちに密閉容器に入れてキシレン膨潤時残渣重量
を計り、次いで、80℃で8時間乾燥させて、乾燥残渣
重量を計り、次式により求める。 膨潤比=膨潤時残渣重量/乾燥残渣重量 (3)チャージマーク性とウエルドライン性 ポリプロピレンホモポリマー(MI=6.0、mp=1
65℃)をミキシングロールを用いて、樹脂温度200
℃でロール練りし、次いで、溶融樹脂を約50gづつ、
それぞれ10cm程度離して、架橋発泡体の上にのせ、
直ちに、100kg/cm2のプレス圧で常温プレスし
た。チャージマーク性は、溶融樹脂をおいた架橋発泡体
の裏側を目視で観察し、架橋発泡体の荒れ具合を確認し
た。ウエルドライン性は、溶融樹脂の合流部の盛り上が
りを目視にて確認した。チャージマーク性 ◎:荒れがなく、非常に良好 ○:良好 △:やや荒れがある ×:荒れがひどいウエルドライン性 ◎:合流部に盛り上がりがなく、非常に良好 ○:良好 △:盛り上がりが少しある ×:盛り上がりがある (4)160℃伸度(%) 架橋発泡体を1号ダンベルで打ち抜き、160℃に温度
調節した保温ボックスに5分間放置した後、テンシロン
を用いて、500mm/分のスピードで引っ張った時の
切断までの伸度を測定した。 (5)アバタ性 架橋発泡体を200℃の熱風オーブンに5分間放置した
後、架橋発泡体の表面状態を目視にて観察した。 ◎:アバタがなく、非常に良好 ○:良好 △:ややアバタがある ×:アバタがひどい
【0018】[実施例1〜7、比較例1〜5]ポリプロ
ピレン系樹脂(MI=2.0、mp=158℃、エチレ
ン含有量=2.5重量%のプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体)70重量部、ポリエチレン系樹脂(MI=
8.0、密度=0.920g/cm3の直鎖状低密度ポ
リエチレン)30重量部、アゾジカルボンアミド7重量
部、フェノール系酸化防止剤(BHT)0.5重量部、
及び表1に示す種類と量の架橋助剤を配合して、押出機
により樹脂温度190℃で押出し、厚み1.5mmの発
泡性シートを作成した。各発泡性シートに、表1に示す
線量で電子線を照射して樹脂を架橋させ、次いで、28
0℃の熱風式発泡炉で加熱発泡させて、架橋発泡シート
を得た。各架橋発泡シートは、厚みが3mmで、発泡倍
率が15倍であった。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】(*1)MI=2.0、mp=158℃、
エチレン含有量=2.5重量%のプロピレン−エチレン
ランダム共重合体 (*2)L−LDPE (*3)発泡剤:アゾジカルボンアミド (*4)BHT (*5)D.V.B:ジビニルベンゼン、TMP:
トリメチロールプロパントリアクリレート、1,9N
D:1,9−ノナンジオールジメタクリレート 表1の結果から明らかなように、本発明の範囲内にある
高架橋度かつ低膨潤比の架橋発泡体は、ホットスタンピ
ング成形性に優れていることがわかる。
【0021】[実施例8〜12、比較例6〜9]ポリプ
ロピレン系樹脂(MI=2.0、mp=150℃、エチ
レン含有量=4重量%のプロピレン−エチレンランダム
共重合体)60重量部、ポリエチレン系樹脂(MI=
8.0、密度=0.920g/cm3の直鎖状低密度ポ
リエチレン)40重量部、アゾジカルボンアミド15重
量部、フェノール系酸化防止剤(BHT)0.5重量
部、及び表2に示す種類と量の架橋助剤を配合して、押
出機により樹脂温度185℃で押出し、厚み1.0mm
の発泡性シートを作成した。各発泡性シートに、表2に
示す線量で電子線を照射して樹脂を架橋させ、次いで、
280℃の熱風式発泡炉で加熱発泡させて、架橋発泡シ
ートを得た。各架橋発泡シートは、厚みが2.5mm
で、発泡倍率が25倍であった。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】(*1)MI=2.0、mp=150℃、
エチレン含有量=4重量%のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体 (*2)〜(*5)は、表1の脚注と同じ。 表2の結果から明らかなように、本発明の範囲内にある
低架橋度かつ高膨潤比の架橋発泡体は、真空成形性に優
れていることがわかる。
【0024】[実施例13〜16、比較例10〜13]
ポリプロピレン系樹脂(MI=2.0、mp=150
℃、エチレン含有量=4重量%のプロピレン−エチレン
ランダム共重合体)60重量部、ポリエチレン系樹脂
(MI=8.0、密度=0.920g/cm3の直鎖状
低密度ポリエチレン)40重量部、アゾジカルボンアミ
ド15重量部、フェノール系酸化防止剤(BHT)0.
5重量部、及び表3に示す種類と量の架橋助剤を配合し
て、押出機により樹脂温度185℃で押出し、厚み1.
0mmの発泡性シートを作成した。各発泡性シートに、
表3に示す線量で電子線を照射して樹脂を架橋させ、次
いで、280℃の熱風式発泡炉で加熱発泡させて、架橋
発泡シートを得た。各架橋発泡シートは、厚みが2.5
mmで、発泡倍率が25倍であった。結果を表3に示
す。
【0025】
【表3】
【0026】(*1)〜(*5)は、表2の脚注と同
じ。 表3の結果から明らかなように、本発明の範囲内にある
低架橋度かつ高膨潤比の架橋発泡体は、真空成形性に優
れていることがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ホットスタンピング成
形性や真空成形性などの熱成形性に優れた架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体が提供される。本発明の架橋発泡体
の内、高架橋度かつ低膨潤比のものは、ホットスタンピ
ング成形法を適用した場合に、チャージマークやウエル
ドラインなどの現象が発生しない。一方、本発明の架橋
発泡体の内、低架橋度かつ高膨潤比のものは、高温伸度
に優れ、真空成形法を適用した場合に、アバタ現象や発
泡体切れ現象が発生しない。本発明の架橋ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体は、ホットスタンピング成形法または真
空成形法によって成形される車両用内装材などとして好
適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂50〜100重量
    %とポリエチレン系樹脂0〜50重量%とを含有するポ
    リオレフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリ
    オレフィン系樹脂発泡体において、架橋度が50〜70
    %であって、膨潤比が20〜50であることを特徴とす
    る架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂50〜100重量
    %とポリエチレン系樹脂0〜50重量%とを含有するポ
    リオレフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリ
    オレフィン系樹脂発泡体において、架橋度が25〜50
    %であって、膨潤比が50超過100以下であることを
    特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
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