JPH08301974A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

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JPH08301974A
JPH08301974A JP10446495A JP10446495A JPH08301974A JP H08301974 A JPH08301974 A JP H08301974A JP 10446495 A JP10446495 A JP 10446495A JP 10446495 A JP10446495 A JP 10446495A JP H08301974 A JPH08301974 A JP H08301974A
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JP
Japan
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epoxy resin
dihydroxy
reaction
butyl
hydroxyphenyl
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JP10446495A
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English (en)
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Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Akira Yokota
明 横田
Masatsugu Akiba
真継 秋庭
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Shigeki Naito
茂樹 内藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】工程数が短く、生産性、経済性に優れ、加水分
解性塩素が少なく、信頼性の高い半導体封止装置を与え
るスチルベン系エポキシ樹脂の製造方法を提供するこ
と。 【構成】一般式(1) 【化1】 (ここで、R1 〜R8 、X1 、X2 はそれぞれ独立に炭
素数1〜6の鎖状または環状アルキル基、水素原子また
はハロゲン原子を示す。)で表される1,1-ビス(ヒドロ
キシフェニル)-2-クロロエタン誘導体に、塩基性物質
の存在下エピハロヒドリンを反応させ、 一般式(2) 【化2】 (ここでR1 〜R8 、X1 、X2 の定義は一般式(1)
の場合と同じ。)で示されるエポキシ樹脂を得ることを
特徴とするスチルベン系エポキシ樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着、塗料、絶縁材料
や積層板等の電気電子材料、特に、電子部品の封止用と
して有用なエポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂の原料となるスチルベン型
ビスフェノール化合物については報告例があり、4,4'-
ジヒドロキシスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ
メチルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'- テ
トラメチルスチルベン等の化合物の製法と物性が開示さ
れている(von Rolf H.Sieber,Liebigs Ann.Chem.730,3
1-46(1969))。この文献では、フェノール類とクロロア
セトアルデヒドとを反応させ、得られた1,1-ビス(ヒド
ロキシフェニル)-2- クロロエタン誘導体をナトリウム
アルコキシドの存在下に転位反応を行うことにより、対
応するジヒドロキシスチルベン誘導体が得られるとの記
載がある。また、4,4'- ジヒドロキシ−α−メチルスチ
ルベンについてはMETHODEN DER ORGANISCHEN CHEMIE
(HOUBEN-WEYL )BAND IV/1c Phenol Teil 2 P103
4 に、フェノールとクロロアセトンを出発原料とする製
法についての記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
法では比較的容易に純度の高いビスフェノールが得られ
る反面、縮合反応、転位反応の二段階を経由するため、
対応するエポキシ樹脂を得るためには合計三段階の反応
が必要となり、生産性や経済性の面で不利となる。ま
た、上記転位反応では脱塩酸反応が起こるが、この様に
容易に加水分解される塩素が存在する化合物には腐食性
がある。例えば、半導体封止用のエポキシ樹脂に上記の
様な塩素が残存すると回路の腐食が発生し、信頼性が低
下することになる。本発明の目的は、工程数が短く、生
産性、経済性に優れ、加水分解性塩素が少なく、信頼性
の高い半導体封止装置を与えるスチルベン系エポキシ樹
脂の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み本
発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は下記のエポキシ樹脂の製造
方法を提供するものである。 [1]一般式(1)
【0005】
【化3】 (ここで、R1 〜R8 、X1 、X2 はそれぞれ独立に炭
素数1〜6の鎖状または環状アルキル基、水素原子また
はハロゲン原子を示す。)で表される1,1-ビス(ヒドロ
キシフェニル)-2-クロロエタン誘導体に、塩基性物質
の存在下エピハロヒドリンを反応させ、 一般式(2)
【0006】
【化4】 (ここでR1 〜R8 、X1 、X2 の定義は一般式(1)
の場合と同じ。)で示されるエポキシ樹脂を得ることを
特徴とするスチルベン系エポキシ樹脂の製造方法。
【0007】[2]塩基性物質がアルカリ金属水酸化物
であり、エピハロヒドリンがエピクロルヒドリンである
上記1記載のエポキシ樹脂の製造方法。
【0008】[3] 一般式(1)および(2)におい
て、X1 およびX2 が水素原子である[1]または
[2]記載のエポキシ樹脂の製造方法。
【0009】前記一般式(1)および(2)において置
換基R1 〜R8 、X1 、X2 を具体的に例示すると、そ
れぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ア
ミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基(各異性体を含
む)、塩素原子および臭素原子等があげられる。中でも
製品の溶融粘度の低さや原料の入手の容易さからメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0010】本発明方法で得られる一般式(2)で表さ
れるエポキシ樹脂の具体例としては、4,4'- ジヒドロキ
シ- α- メチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-
ジメチルスチルベン、3,3'- ジエチル-4,4'-ジヒドロキ
シスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジプロピルス
チルベン、3,3'- ジアミル-4,4'-ジヒドロキシスチルベ
ン、3,3'- ジヘキシル-4,4'-ジヒドロキシスチルベン、
3,3'- ジシクロヘキシル-4,4'-ジヒドロキシスチルベ
ン、2,2'- ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルスチ
ルベン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルス
チルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチルスチ
ルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-5,5'-
ジメチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-
ブチル-6,6'-ジメチルスチルベン、2,2'- ジヒドロキシ
-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチルスチルベン、2,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチルスチル
ベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3',5,5'- テトラ-t- ブチ
ルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3'-メチ
ルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5,3'-ジ
メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',
6-ジメチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ
-5- エチル-3'-メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジ
ヒドロキシ-3'-メチル-5- プロピルスチルベン、3-t-ブ
チル-4,4'-ジヒドロキシ-5- ブチル-3'-メチルスチルベ
ン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5- アミル-3'-メチ
ルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5- ヘキ
シル-3'-メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロ
キシ-5- シクロヘキシル-3'-メチルスチルベン、3-t-ブ
チル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5,5'-トリメチルスチルベ
ン、3-t-ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-3',5',6- トリメチ
ルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5',6
- トリメチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキ
シ-3',5 - ジメチル-5'-プロピルスチルベン、3-t-ブチ
ル-4,4'-ジヒドロキシ-3',6 - ジメチル-5'-プロピルス
チルベン等のグリシジルエーテル類が例示できるが、合
成の容易さ、性能、原料の価格の面から2,2'- ジヒドロ
キシ-3,3',5,5'- テトラメチルスチルベン、4,4'- ジヒ
ドロキシ-3,3',5,5'- テトラメチルスチルベン、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-5,5'-ジメチルスチル
ベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジ
メチルスチルベン、2,2'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブ
チル-6,6'-ジメチルスチルベン、2,4'- ジヒドロキシ-
3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチルスチルベン、3-t-ブ
チル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5,5'- トリメチルスチルベ
ン、3-t-ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-3',5',6- トリメチ
ルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5',6
- トリメチルスチルベン等のグリシジルエーテル類が特
に好ましい。
【0011】本発明で用いる1,1-ビス(ヒドロキシフェ
ニル)-2-クロロエタン誘導体は、クロロアセトアルデ
ヒド類および/またはクロロアセトンとフェノール類を
反応させることによって得ることができる。クロロアセ
トアルデヒド類としては、クロロアセトアルデヒド、ク
ロロアセトアルデヒド水溶液、クロロアセトアルデヒド
のアセタール類、クロロアセトアルデヒドのトリオキサ
ン型三量体等が例示される。本発明ではクロロアセトア
ルデヒド類および/またはクロロアセトンの一種もしく
は二種以上を使用できる。使用する量は使用するフェノ
ール類の合計モル量を1として0.8〜1.4倍モル、
好ましくは等量配合で行う。この範囲より少ないと未反
応フェノール類が製品に残存し易く、この範囲を超える
と、製品が高分子量化し易い。
【0012】本発明で用いられるフェノール類としては
下記のものが具体例として例示できる。フェノール、ク
レゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、テト
ラメチルフェノール、メチルエチルフェノール、メチル
プロピルフェノール、メチルイソブチルフェノール、メ
チルヘキシルフェノール、メチルシクロヘキシルフェノ
ール等(各異性体を含む)、3-メチル-6-t- ブチルフェ
ノール、2-メチル-6-t- ブチルフェノール、2-t-ブチル
フェノール、2-エチル-6-t- ブチルフェノール、2-プロ
ピル-6-t- ブチルフェノール、2,6-ジ-t- ブチルフェノ
ール、2-イソブチル-6-t- ブチルフェノール、2-アミル
-6-t- ブチルフェノール、2-アミル-6-t- ブチルフェノ
ール、2-ヘキシル-6-t- ブチルフェノール、2-シクロヘ
キシル-6-t- ブチルフェノール等が例示できるが、最終
生成物の融点や入手のし易さ、価格の面からキシレノー
ル、3-メチル-6-t- ブチルフェノール、2-メチル-6-t-
ブチルフェノールが特に好ましい。これらのフェノール
類は一種あるいは二種以上を使用しても良い。
【0013】クロロアセトアルデヒド類および/または
クロロアセトンと、フェノール類との反応は通常、酸性
物質の存在下に実施させるが、この様な物質としては、
発煙硫酸、濃硫酸、硫酸水溶液、濃塩酸、塩化水素ガ
ス、塩酸水溶液、トリフルオロスルホン酸等の無機酸、
p-トルエンスルホン酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、
トリフルオロ酢酸等の有機酸、ヘテロポリ酸、酸性イオ
ン交換樹脂等が例示できるが、濃硫酸が高純度の製品を
簡便に得られる点で好ましい。使用する量はクロロアセ
トアルデヒド類および/またはクロロアセトンに対して
0.1〜10倍モル、好ましくは0.5〜2倍モルであ
る。この範囲より小さいと反応の進行が遅く、この範囲
を超えて使用しても一定以上の効果は得られない。
【0014】反応溶媒としてはトルエン、キシレン等の
炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
メタノール、プロパノール等のアルコール類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミド等の非プロトン性極性溶媒、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、酢酸等の
酸性溶媒等が例示できるが、中でも酢酸が好ましい。こ
れらの溶媒は一種、もしくは二種以上が使用できる。
【0015】溶媒の使用量は、フェノール類とクロロア
セトアルデヒド類および/またはクロロアセトンに対し
て0.1〜20重量倍、好ましくは0.5〜15重量倍
が好ましい。この範囲以下であると反応によって析出し
た結晶により撹拌が困難となり、この範囲を超えると、
反応一回当たりの製品得量が低下し、経済的に不利とな
る。
【0016】反応は、フェノール類とクロロアセトアル
デヒド類および/またはクロロアセトンを溶媒に溶かし
ておいてから、酸性物質を滴下するか、フェノール類と
酸性物質を先に反応容器に仕込んでおいてから、クロロ
アセトアルデヒド類および/またはクロロアセトンを滴
下しても良い。滴下時間は通常0.5時間から10時間
以内である。滴下後は3〜24時間反応を行う。温度は
−30〜60℃、好ましくは−10〜40℃で行う。こ
の温度以下では反応の進行が遅く、この範囲を超えると
不純物の生成が顕著となる。反応後、析出した結晶を濾
別し、水洗を行なってから減圧下に乾燥を行うことで目
的物である1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)-2- クロロ
エタン誘導体が得られる。
【0017】1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)-2-クロ
ロエタン誘導体の転位反応およびエポキシ化反応を同時
に行うことによりスチルベン系エポキシ樹脂を得ること
ができる。エポキシ化反応で使用されるエピハロヒドリ
ン類の具体例としてはエピクロルヒドリン、エピブロモ
ヒドリン等が例示されるが、入手の容易さ、価格からエ
ピクロルヒドリンが好ましい。
【0018】これらの反応に使用される塩基性物質とし
ては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物等であるが、これらに限定され
るものではない。塩基性物質の使用量は、(フェノール
性水酸基1モルに対し等モル)+(加水分解性塩素1モ
ルに対し等モル)程度が好ましい。具体的には1,1-ビス
(ヒドロキシフェニル)-2-クロロエタン誘導体には一
分子当たり二個の水酸基と一個の加水分解性塩素が存在
するから、1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)-2- クロロ
エタン誘導体1モルに対し3モルの塩基性物質を用いる
ことが好ましい。塩基性物質の使用量が少ないと副成す
るゲル量が少なく製造上有利であるが、加水分解性塩素
が残存する。塩基性物質の使用量が多いとゲル量が増加
するので製造上不利となる。
【0019】これらの反応に使用される溶媒としては、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素
等の非プロトン性極性溶媒、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類等であるが、これらに限定される
ものではない。これらの溶媒は、エピハロヒドリン10
0重量部当たり5〜60重量部が好ましい。使用量が5
部未満であると、本発明の効果が薄く、使用量が多いと
分子間反応が進行し、製品の品質が低下する。
【0020】エピハリヒドリンの使用量はフェノール性
水酸基1モルに対して2.5〜20モルが好ましく、よ
り好ましくは4〜12モルである。この範囲より少ない
と分子間反応が進行し製品品質の劣化を招き、この範囲
を超えると反応一回当たりの製品量が減少するので工業
上不利となる。
【0021】1,1-ビス(ヒドロキシフェニル)-2- クロ
ロエタン誘導体の転位反応およびエポキシ化反応は、該
誘導体をエピハロヒドリンと反応溶媒との混合溶液に溶
解または懸濁させ、撹拌混合しながら塩基性物質を加え
て行う。反応は通常減圧下で行う。反応温度は30〜8
0℃に保持しつつ内容液を共沸させる。揮発分を凝縮せ
しめて、凝縮液は油−水分離し、油分を反応系に戻し、
脱水を行いながら反応を行う。塩基性物質の添加は、均
一に反応させるために2〜10時間かけて少量づつ分割
添加または連続添加を行う。まとめて投入すると局所的
に反応が進み、ゲルが生成して好ましくない。反応終了
後はまず、蒸留により未反応のエピハロヒドリンと溶媒
を除去し、次にメチルイソブチルケトン等の水と分液可
能な溶媒で溶解し、不溶の無機塩を除去する。さらに水
洗して無機成分や残存極性溶媒を除去し、蒸留により溶
媒を除去してエポキシ化合物を得る。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。また、加水分解性塩素とは、エポキシ樹脂を
ジオキサンに溶解し、水酸化カリウムのアルコール溶液
を加え、還流状態で30分加熱したときに脱離する塩素イ
オンを硝酸銀水溶液で逆滴定し、該化合物中のppmで
表したものである。
【0023】参考例1 1,1-ビス(ヒドロキシフェニ
ル)-2- クロロエタン誘導体の合成−1温度計、撹拌
機、コンデンサーを備えた2リットル四ツ口フラスコに
2,6−キシレノール(以下26XYと略す。)24
4.4g(2.0mol)、40.5%クロロアセトア
ルデヒド水溶液193.8g(1.0mol)および酢
酸376gを仕込み、撹拌、溶解し、5℃まで冷却し
た。次に、濃硫酸122g(1.2mol)を酢酸84
gに混合した溶液を5℃にて3時間かけて滴下、その後
25℃で6時間反応系を保温し、終夜室温で撹拌を続け
た。系の温度を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾別し
た。結晶を500gの水で6回洗浄し、その後40℃に
て8時間真空乾燥し、無色結晶264g(収率86.6
%)を得た(XYCEとする)。ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(以下GPCと略す。254nmの
紫外線により検出)による純度は98.3%、赤外吸収
スペクトルにより3500cm-1付近に水酸基による幅広
い吸収が確認された。また、質量分析スペクトルによ
り、分子量304のフラグメントが観察できた。
【0024】参考例2 スチルベン系ビスフェノールの
合成−1 温度計、撹拌機、コンデンサーの付いたリットル四ツ口
フラスコにXYCE225.6gとメタノール451.
2gを仕込み、窒素気流下、撹拌して溶解させた。4
8.3%苛性ソーダ水溶液91.9gを、メタノールを
還流させながら1時間で滴下、同温度で3時間反応させ
た。反応後、高速液体クロマトグラフィー(以下LCと
略す)で原料のXYCEは完全に消失していた。60℃
まで冷却後、濃塩酸37.5gを加えて中和し、メタノ
ールを留去した。続いて温水1000gを加えて、析出
した結晶を濾取した。結晶を水洗後、80℃で8時間真
空乾燥を行い黄色結晶192g(96.7%)を得た
(XYSBとする)。GPCによる純度は98.1%、
赤外吸収スペクトルにより3400cm-1付近に水酸基に
よる幅広い吸収が確認された。また、質量分析スペクト
ルにより、分子量268のフラグメントが観察できた。
【0025】参考例3 エポキシ樹脂の合成−1 参考例2で得られた原料フェノール100gを温度計、
撹拌機、滴下漏斗、分離管付きコンデンサーの付いた反
応容器に仕込、エピクロルヒドリン485.6g、ジメ
チルスルホキシド242.8gに溶解した。反応系内を
43torrに保ちながら、温度48℃で、48.3%
苛性ソーダ61.71gを5時間で連続的に滴下した。
この間、温度は62℃に保ちながら、共沸するエピク
ロルヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻
しながら反応させた。反応終了後に、未反応エピクロル
ヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とグリシジル
エーテルをメチルイソブチルケトン800gに溶解さ
せ、副生塩とジメチルスルホキシドを水洗により除去し
た。その後160℃、10torrにてメチルイソブチ
ルケトンを減圧留去し目的物を122.2g(86.2
%)得た(XYCC−Eとする)。GPC(示差屈折率
計により検出)による純度は93.5%、このものの融
点は151℃、エポキシ当量は198g/eqであっ
た。赤外吸収スペクトル測定の結果、フェノール性水酸
基による吸収は消失し、エポキシによる吸収1240、
915cm-1の吸収を有することが確認された。また、加
水分解性塩素は170ppmであった。
【0026】参考例4 1,1-ビス(ヒドロキシフェニ
ル)-2- クロロエタン誘導体の合成−3 参考例1の場合で26XY244.4g(2.0mo
l)の代わりに26XY195.5g(1.6mol)
と3M6B65.7g(0.4mol)gを用いた他は
同様に操作を行い、淡紫結晶を271g(84.1%)
得た(XMCE−20とする)。GPC(254nmの
紫外線により検出)による純度は97.7%、赤外吸収
スペクトルにより3450と3550cm-1付近に水酸基
による幅広い吸収が確認された。また、質量分析スペク
トルにより、分子量346、304のフラグメントが観
察できた。
【0027】参考例5 スチルベン系ビスフェノールの
合成−3 参考例2の場合で、XYCEの代わりに参考例4で得ら
れたXMCE−20を144.8gを用いて同様に実験
を行い、黄色結晶124g(96.6%)を得た(XM
SB−20とする)。GPC(254nmの紫外線によ
り検出)による純度は97.1%、赤外吸収スペクトル
により3400cm-1付近に水酸基による幅広い吸収が確
認された。また、質量分析スペクトルにより、分子量3
10、268のフラグメントが観察できた。
【0028】参考例6 エポキシ樹脂の合成−3 参考例3の場合でXYSBの代わりに参考例5で得られ
たXMSB−20を99.7g用いた他は同様に操作を
行い、目的物を131g(94%)得た(XMCC−2
0Eとする)。GPC(示差屈折率計により検出)によ
る純度は93.6%、26XYと3M6Bを分子中に持
つスチルベン系エポキシ化合物は39.6%であった。
このものの融点は110〜130℃、エポキシ当量は2
08g/eqであった。赤外吸収スペクトル測定の結
果、フェノール性水酸基による吸収は消失し、エポキシ
による吸収1240、920cm-1の吸収を有することが
確認された。また、加水分解性塩素は170ppmであ
った。
【0029】実施例1 エポキシ樹脂の合成−5 参考例1で得られたXYCE76.2gを温度計、撹拌
機、滴下漏斗、分離管付きコンデンサーの付いた反応容
器に仕込、エピクロルヒドリン647.5g、ジメチル
スルホキシド323.8gに溶解した。反応系内を38
torrに保ちながら、温度48℃で、48.3%苛性
ソーダ62.11gを8時間で連続的に滴下した。この
間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロルヒ
ドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しなが
ら反応させた。反応終了後に、未反応エピクロルヒドリ
ンを減圧濃縮により除去し、グリシジルエーテルをメチ
ルイソブチルケトン800gに溶解させ、副生塩とジメ
チルスルホキシドを水洗により除去した。その後160
℃、10torrにてメチルイソブチルケトンを減圧留
去し目的物を122.2g(86.2%)得た(XYC
C−Eとする)。GPC(示差屈折率計により検出)に
よる純度は93.8%、このものの融点は151℃、エ
ポキシ当量は198g/eqであった。赤外吸収スペク
トル測定の結果、フェノール性水酸基による吸収は消失
し、エポキシによる吸収1240、915cm-1の吸収を
有することが確認された。また、加水分解性塩素は35
0ppmであった。
【0030】実施例2 エポキシ樹脂の合成−6 実施例1の場合でXYCEの代わりに参考例4で得られ
たXMCE−20を80.8g用いた他は同様に操作を
行い、目的物を96.4g(97%)得た(XMCC−
20Eとする)。GPC(示差屈折率計により検出)に
よる純度は93.2%、26XYと3M6Bを分子中に
持つスチルベン系エポキシ化合物は39.5%であっ
た。このものの融点は110〜130℃、エポキシ当量
は208g/eqであった。赤外吸収スペクトル測定の
結果、フェノール性水酸基による吸収は消失し、エポキ
シによる吸収1240、920cm-1の吸収を有すること
が確認された。また、加水分解性塩素は280ppmで
あった。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造法は工程数が短く、生産
性、経済性に優れ、産業上有用である。本発明の製造方
法によれば、加水分解性塩素を分子中に有する原料を用
いてエポキシ化するにもかかわらず、あらかじめ加水分
解性塩素を低減しておいてからエポキシ化した場合には
及ばないもののppmのオーダーまで加水分解性塩素を
低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宏 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 内藤 茂樹 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (ここで、R1 〜R8 、X1 、X2 はそれぞれ独立に炭
    素数1〜6の鎖状または環状アルキル基、水素原子また
    はハロゲン原子を示す。)で表される1,1-ビス(ヒドロ
    キシフェニル)-2- クロロエタン誘導体に、塩基性物質
    の存在下エピハロヒドリンを反応させ、一般式(2)
    【化2】 (ここで、R1 〜R8 、X1 、X2 の定義は一般式
    (1)の場合と同じである。)で示されるエポキシ樹脂
    を得ることを特徴とするスチルベン系エポキシ樹脂の製
    造方法。
  2. 【請求項2】塩基性物質がアルカリ金属水酸化物であ
    り、エピハロヒドリンがエピクロルヒドリンである請求
    項1記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)および(2)において、X1
    およびX2 が水素原子である請求項1または2記載のエ
    ポキシ樹脂の製造方法。
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