JPH0830003A - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JPH0830003A
JPH0830003A JP16548594A JP16548594A JPH0830003A JP H0830003 A JPH0830003 A JP H0830003A JP 16548594 A JP16548594 A JP 16548594A JP 16548594 A JP16548594 A JP 16548594A JP H0830003 A JPH0830003 A JP H0830003A
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JP
Japan
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photoconductive layer
phosphoric acid
acid
plate
printing
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Application number
JP16548594A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Tachikawa
博道 立川
Junji Nakano
順二 中野
Nobuo Masuda
信夫 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH0830003A publication Critical patent/JPH0830003A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非画像部の印刷汚れのない、更に長期間の保
管でも印刷汚れのない優れた画像特性を有する電子写真
式製版用印刷原版を提供することである。 【構成】 少なくとも陽極酸化処理したアルミニウム板
に、リン酸又はその類縁体を含有する溶液を塗布し、そ
の上に少なくとも有機光導電性化合物及びアルカリ性液
体に溶解又は膨潤する結合樹脂を含有する光導電層を塗
布してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導電層上に、トナ−画
像を形成した後、トナ−画像部以外の非画像部を除去す
ることにより印刷版とする電子写真式製版用印刷原版で
あり、特に印刷汚れが防止され、且つ高い画質の平版印
刷版を与える電子写真式製版用印刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、平版オフセット印刷版としては、
ジアゾ化合物とフェノ−ル樹脂を主成分とするポジ型感
光剤やアクリル系モノマ−やプレポリマ−を主成分とす
るネガ型感光剤を用いるPS版などが実用化されている
が、これらはすべて低感度のため、あらかじめ画像記録
されたフイルム原版を密着露光して製版を行っている。
一方、コンピュ−タ画像処理と大容量デ−タの保存およ
びデ−タ通信技術の進歩によって、近年では、原稿入
力、補正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピ
ュ−タ操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔
地の末端プロッタに出力できる電子編集システムが実用
化している。特に、即時性の要求される新聞印刷分野に
おいて電子編集システムの要求度は高い。また、現在オ
リジナル原稿がフイルムの形で保存され、これをもとに
必要に応じて印刷版が複製されている分野においても、
光ディスクなどの大容量記録メディアが発達するのにと
もなって、オリジナルがこれらの記録メディアにデジタ
ルデ−タとして保存されるようになると考えられる。し
かしながら、末端プロッタの出力から直接印刷版を作成
する直接型印刷版はほとんど実用化されておらず、電子
編集システムの稼働しているところでも出力は銀塩写真
フイルムにおこなわれ、これをPS版へ密着露光するこ
とにより印刷版が作成されているのが実状である。これ
は、出力プロッタの光源(例えば、He−Neレ−ザ、
半導体レ−ザなど)により実用的な時間内に印刷版を作
成できるだけの高い感度を有する直接型印刷版の開発が
困難であることも1つの原因であった。
【0003】一方、直接型印刷版を提供し得る高い光感
度を有する感光体として電子写真感光体が考えられる。
例えば、特公昭37−17162号、同38−6961
号、同38−7758号、同41−2426号、同46
−39405号、特開昭50−19509号、同50−
19510号、同52−2437号、同54−1455
38号、同54−134632号、同55−10525
4号、同55−153948号、同55−161250
号、同57−147656号、同57−161863号
各公報等に記載の電子写真感光体があげられる。電子写
真を用いた印刷版の作成方法としては、トナ−画像形成
後、非画像部の光導電層を除去する方法が既に知られて
いる。上記方法では、電子写真感光体の結合樹脂として
アルカリ性溶剤に溶解するかもしくは膨潤して脱離する
結合樹脂を用い、トナ−画像をレジストとし、トナ−画
像部以外を溶出し、親水性の面を露出させることにより
平版印刷版とする。しかしながら、このようにして得ら
れた平版印刷版による印刷物は非画像部にインクが付着
し、印刷汚れとなる場合があった。この汚れの原因は、
溶出により、感光層が親水性基板から完全に除去されて
いないためと推測される。この汚れは長期間保管された
上記平版印刷版では、より汚れが悪化する。これは上記
感光体に用いられている結合樹脂が、水分等の影響で、
より親水性基板(導電性支持体)との密着力が増加し、
その結果、溶出工程で非画像部の感光層が、親水性基板
から完全に除去されにくくなったためと推測される。こ
の汚れを除去するために溶出液の溶解性を向上させる
と、画像部の水平方向に溶出が進行(サイドエッチ)
し、画質が劣化すると言う問題点があった。また、これ
を解決するために、結合樹脂の酸含有量を増加すること
が試みられている。しかし、結合樹脂の酸含有量を増加
させると溶出性は向上するが、長期保存では親水性基板
との密着力がより強くなるため、汚れには逆に酷くなる
ほか、電子写真特性、特に帯電性、電荷保持特性等が劣
化し、実用上解決すべき問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非画
像部の印刷汚れのない、更に長期間の保管でも印刷汚れ
のない優れた画像特性を有する電子写真式製版用印刷原
版を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記欠点を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、少なくとも陽極
酸化処理したアルミニウム板に、リン酸又はその類縁体
を含有する溶液を塗布(リン酸液の表面処理と言う場合
もある)し、その上に少なくとも有機光導電性化合物及
びアルカリ性液体に溶解又は膨潤する結合樹脂を含有す
る光導電層を塗布することにより上記目的を達成するこ
とができる。
【0006】本発明の電子写真式製版用印刷原版は、リ
ン酸又はその類縁体を含有する溶液を陽極酸化処理した
アルミニウム板からなる導電性支持体上に塗布すること
により、リン酸液の表面処理された導電性支持体上に塗
布された光導電層の非画像部分を親水性基板から完全に
除去することができるとともに、光導電層の帯電性が向
上し、非画像部に印刷汚れのない優れた画像特性を有す
る良好な印刷物を得ることができる。更に、長期間保存
した場合でも、水分等の影響による導電性支持体と光導
電層中の結合樹脂との必要以上の密着力を防止しでき、
光導電層の非画像部分を導電性支持体から完全に除去
し、非画像部に印刷汚れのない良好な印刷物を得ること
ができる。水分による光導電層中の結合樹脂と導電性支
持体との必要以上の密着力の増加は、恐らく溶出性や電
子写真特性等を向上させるために結合樹脂に含有されて
いる酸性基に起因すると考えらる。本発明は、リン酸ま
たはその類縁体を含有する溶液を陽極酸化処理したアル
ミニウム板からなる導電性支持体に塗布することによ
り、結合樹脂と光導電性支持体との相互作用を制御して
いると推測される。また、本発明は、陽極酸化処理した
アルミニウム板上にリン酸またはその類縁体を含有する
溶液を塗布することで、光導電層の非画像部分を導電性
支持体から完全に除去できるとともに、光導電層と導電
性支持体との接着力が良好となり耐刷性も向上する。ま
た、本発明は、リン酸またはその類縁体を光導電層に含
有させるものよりも帯電性の点で優れている。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明の電
子写真式製版用印刷原版の光導電性支持体としては、寸
度安定性の良好なアルミニウム板が好適に使用される。
また、本発明は、アルミニウム板の他に各種の支持体を
使用することができる。例えば、銅−アルミニウム板等
のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム板等
のトライメタル板等のアルミニウム表面を有する導電性
基板が用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが好まし
く、特に0.1〜0.5mmが好ましい。本発明の電子
写真式製版用印刷原版に用いられるアルミニウム板はア
ルミニウムを主成分とする純アルミニウムや微量の異原
子を含むアルミニウム合金などの板状体であり、その組
成が特定されるものではなく従来公知、公用の素材を適
宜使用することが出来る。このアルミニウム版は従来公
知の方法で砂目立て、陽極酸化して用いることが出来
る。砂目立て処理に先立ってアルミニウム板表面の圧延
脂を除去するために、所望により界面活性剤またはアル
カリ性水溶液による脱脂処理が施され、砂目立て処理が
行われる。砂目立て処理方法には、機械的に表面を粗面
化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及び化学
的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に表面を
粗面化する方法としては、ボ−ル研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称せられる公知の
方法を用いることが出来る。また電気化学的な粗面化法
としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流によ
り行う方法がある。また、特開昭54−63902号に
開示されている様に両者を組み合わせた方法も利用でき
る。粗面化されたアルミニウム板は必要に応じてアルカ
リエッチング処理及び中和処理される。この様に処理さ
れたアルミニウム板は陽極酸化処理される。陽極酸化処
理に用いられる電解質としては硫酸、燐酸、蓚酸、クロ
ム酸、あるいはそれらの混酸が用いられ、それらの電解
質やその濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるの
で、一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が
1〜80重量%溶液、液温は、5〜70℃、電流密度5
〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒
〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量は
0.1〜10g/m2 が好適であるが、より好ましくは
1〜6g/m2 の範囲である。これらアルミニウム板の
厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特に0.1〜0.
5mmが好ましい。アルミニウム板の厚さが、0.1m
mより薄いと切れやすく、3mmより厚いと重く取扱い
が不便になる。
【0008】更に、特公昭47−5125号に記載され
ているようなアルミニウム板を陽極酸化処理した後にア
ルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適
に使用される。また、米国特許第3,658,662号
に記載されているようなシリケート電着も有効である。
西独特許第1,621,478号に記載のポリビニルス
ルホン酸による処理も適当である。
【0009】本発明において、陽極酸化処理したアルミ
ニウム板に塗布する溶液中に含まれるリン酸又はその類
縁体には、リン酸、リン酸エチル等のリン酸の二水素ア
ルキルエステル、リン酸ジエチル等のリン酸の一水素ニ
ジアルキルエステル、リン酸トリエチル等のリン酸のト
リアルキルエステル、リン酸二水素ナトリウム等の第一
リン酸塩、リン酸水素二ナトリウム等の第二リン酸塩、
ホスホン酸、ホスホン酸ジメチル等のホスホン酸のエス
テル、ホスホン酸ナトリウム等のホスホン酸塩、ホスフ
ィン酸、ホスフィン酸ナトリウム等のホスフィン酸塩、
一般式Hn+2 n 3n+1(n=1〜5)等のポリリン
酸、一般式Mn+2 n 3n+1(n=1〜3)等で表され
るポリリン酸塩、ジホスホン酸、ジホスホン酸ナトリウ
ム等のジホスホン酸塩、一般式(HPO3 n で表され
るメタリン酸、一般式MPO3 、M 2 (PO3 2 、M
3 (PO3 3 等で表されるメタリン酸塩などが含まれ
ている。これらは1種または2種以上併用して用いるこ
とができる。Mは例えばK、Naなどのアルカリ金属、
2 は例えばCu、Znなどの金属、M3 は例えばC
r、Ti等の金属を挙げることができる。
【0010】本発明において、陽極酸化処理したアルミ
ニウム板に塗布するリン酸又はその類縁体を含有する溶
液の調整は、リン酸又はその類縁体を水、メタノール、
エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類等の溶媒に溶かして調整される。リ
ン酸又はその類縁体の塗布量は、陽極酸化処理したアル
ミニウム板1m2 当たり1〜500mg、好ましくは1
0〜200mg、より好ましくは20〜100mgとな
るように調整される。塗布量がアルミニウム板1m2
たり1mgより少ないと汚れ防止効果が低下し、500
mgより多いと耐刷性が低下する。本発明は、陽極酸化
処理したアルミニウム板に、リン酸又はその類縁体を含
有する溶液を塗布した後、アルミニウム板の表面を乾燥
させてからリン酸又はその類縁体を含有する溶液の塗布
面上に光導電層を塗布する。
【0011】本発明の電子写真製版用印刷版は、常法に
従って光導電層をリン酸又はその類縁体の溶液を塗布し
たアルミニウム基板上に塗布することによって得られ
る。本発明の光導電層は、有機光導電性化合物及びアル
カリ性溶液に溶解又は膨潤する結合樹脂を含有する。光
導電層の作成に当たっては、光導電層を構成する成分を
同一層中に含有させる方法あるいは電荷担体発生物質と
電荷担体輸送物質を異なる層に分離して用いる方法等が
知られており、いづれの方法においても作成することが
出来る。塗布液は光導電層を構成する各成分を適当な溶
媒に溶解し、作成する。顔料などの溶媒に不溶な成分を
用いるときは、ボールミル、ペイントシェ−カ−、ダイ
ノミル、アトライタ−等の分散機により粒径5μ以下に
分散して用いる。光導電層に使用する結合樹脂、その他
の添加剤は顔料などの分散時、あるいは分散後に添加す
ることが出来る。塗布液を作成する溶媒としては、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、クロロフォルム等のハロ
ゲン化炭化水素類、メタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、プロピレングリコ−ルモノメチルエ
−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセ
テ−ト等のプロピレングリコ−ル類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエ−テル類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類等が挙げられる。
【0012】本発明に用いられる有機光導電性化合物と
しては従来から知られている数多くの化合物を用いるこ
とが出来る。本発明における、有機光導電性化合物とし
ては、(a)米国特許第3,112,197号明細書な
どに記載されているトリアゾール誘導体、(b)米国特
許第3,189,447号明細書などに記載されている
オキサジアゾール誘導体、(c)特公昭37−1609
6号公報などに記載されているイミダゾール誘導体、
(d)米国特許第3,615,402号、同3,82
0,989号、同3,542,544号、特公昭45−
555号、同51−10983号、特開昭51−932
24号、同55−108667号、同55−15695
3号、同56−36656号明細書、公報などに記載の
ポリアリールアルカン誘導体、(e)米国特許第3,1
80,729号、同4,278,746号、特開昭55
−88064号、同55−88065号、同49−10
5537号、同55−51086号、同56−8005
1号、同56−88141号、同57−45545号、
同54−112637号、同55−74546号明細
書、公報などに記載されているピラゾリン誘導体及びピ
ラゾロン誘導体、
【0013】(f)米国特許第3,615,404号、
特公昭51−10105号、同46−3712号、同4
7−28336号、特開昭54−83435号、同54
−110836号、同54−119925号明細書、公
報などに記載されているフェニレンジアミン誘導体、
(g)米国特許第3,567,450号、同3,18
0,703号、同3,240,597号、同3,65
8,520号、同4,232,103号、同4,17
5,961号、同4,012,376号、西独国特許
(DAS)1,110,518号、特公昭49−357
02号、同39−27577号、特開昭55−1442
50号、同56−119132号、同56−22437
号明細書、公報などに記載されているアリールアミン誘
導体、(h)米国特許第3,526,501号明細書記
載のアミノ置換カルコン誘導体、(i)米国特許第3,
542,546号明細書などに記載のN,N−ビカルバ
ジル誘導体、(j)米国特許第3,257,203号明
細書などに記載のオキサゾール誘導体、(k)特開昭5
6−46234号公報などに記載のスチリルアントラセ
ン誘導体、(l)特開昭54−110837号公報等に
記載されているフルオレノン誘導体、
【0014】(m)米国特許第3,717,462号、
特開昭54−59143号(米国特許第4,150,9
87号に対応)、同55−52063号、同55−52
064号、同55−46760号、同55−85495
号、同57−11350号、同57−148749号、
同57−104144号明細書、公報などに記載されて
いるヒドラゾン誘導体、(n)米国特許第4,047,
948号、同4,047,949号、同4,265,9
90号、同4,273,846号、同4,299,89
7号、同4,306,008号明細書などに記載のベン
ジジン誘導体、(o)特開昭58−190953号、同
59−95540号、同59−97148号、同59−
195658号、同62−36674号公報などに記載
されているスチルベン誘導体、(p)特公昭34−10
966号公報記載のポリビニルカルバゾール及びその誘
導体、(q)特公昭43−18674号、同43−19
192号公報記載のポリビニルピレン、ポリビニアント
ラセン、ポリ−2−ビニル−4−(4’−ジメチルアミ
ノフェニル)−5−フェニルオキサゾール、ポリ−3−
ビニル−N−エチルカルバゾール等のビニル重合体、
(s)特公昭43−19193号公報記載のポリアセナ
フチレン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの
共重合体等の重合体、(t)特公昭56−13940号
公報などに記載のピレン−ホルムアルデヒド樹脂、ブロ
ムピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール
−ホルムアルデヒド樹脂等の縮合樹脂、(u)特開昭5
6−90883号、同56−161550号公報に記載
された各種のトリフェニルメタンポリマーなどがある。
【0015】なお本発明において、有機光導電性化合物
は、(a)〜(u)にあげられた化合物に限定されず、
これまで公知の全ての有機光導電性化合物を用いること
ができる。これらの有機光導電性化合物は場合により2
種類以上を併用することが可能である。光導電層に含有
される増感色素としては、電子写真感光体に使用される
従来公知の増感色素が使用可能である。これらは、「電
子写真」12 9,(1973)、「有機合成化学協会
誌」24(11),1010,(1966)等に記載さ
れている。例えば、米国特許第3,141,770号、
同4,283,475号、特公昭48−25658号、
特開昭62−71965号等に記載のピリリウム系染
料、Applied Optics Supplement 3 50(196
9)、特開昭50−39548号等に記載のトリアリー
ルメタン系染料、米国特許第3,597,196号等に
記載のシアニン系染料、特開昭60−163047号、
同59−164588号、同60−252517号等に
記載のスチリル系染料などが有利に使用される。
【0016】光導電層に含有される電荷発生剤として
は、電子写真感光体において従来公知の有機及び無機の
各種の電荷発生剤が使用できる。例えば、セレン、セレ
ン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、および、以下
(1)〜(2)に示す有機顔料を使用することができ
る。 (1)米国特許第4,436,800号、同4,43
9,506号、特開昭47−37543号、同58−1
23541号、同58−192042号、同58−21
9263号、同59−78356号、同60−1797
46号、同61−148453号、同61−23806
3号、、特公昭60−5941号、同60−45664
号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料
などのアゾ顔料 (2)フタロシアニン顔料:フタロシアニン顔料には、
中心金属の異なるもの、結晶系の異なるもの、ベンゼン
環に置換基を有するものが知られておりこれら公知のも
のが全て使用できる。中心金属としては、銅、ニッケ
ル、鉄、バナジウム、アルミニウム、ガリウム、インジ
ウム、ケイ素、チタニウム、マグネシウム、コバルト、
白金、ゲルマニウムなどの金属、さらに無金属のフタロ
シアニン。結晶系は、例えば、銅フタロシアニンでは、
α型、β型、γ型、δ型、ε型、η型、ρ型などの多形
が、また無金属フタロシアニンでは、α型、β型、χ
型、τ型その他の多形が、チタニルフタロシアニンで
は、α型、β型、m型。置換フタロシアニンはフタロシ
アニンのベンゼン環がフッ素、塩素、臭素のようなハロ
ゲン原子や、アルキル基、カルボキシル基、アミド基、
スルホニル基その他の置換基で置換された置換フタロシ
アニン。特開昭50−38543号(ε型銅フタロシア
ニン)、特公昭48−34189号(χ型フタロシアニ
ン)。
【0017】以上の材料は単独もしくは2種以上を併用
して用いることができる。また、電荷発生剤は、電荷発
生能のみならず、電荷輸送能を持つ場合には、基本材料
としてバインダ−中に該電荷発生剤を分散して塗布する
ことにより感光体を作成することができる。即ち、特別
に電荷輸送剤として知られる有機光導電性化合物の併用
を必ずしも必要としなくても良い。また、光導電層は必
要に応じて単層または複数層を積層することも可能であ
る。
【0018】本発明の電子写真式製版用印刷原版におい
て使用する結合樹脂は、アルカリ性液体に溶解又は膨潤
する性質を有し、トナ−現像後、非画像部を後述の溶出
液で除去できればよく、特に限定されないが以下を例示
することができる。本発明に使用される結合樹脂とし
て、例えば、スチレン/無水マレイン酸の共重合体、ス
チレン/無水マレイン酸モノアルキルエステルの共重合
体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共
重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体/(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/炭素数2〜1
8のカルボン酸のビニルエステル/クロトン酸等の(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等と
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノアルキルエ
ステル、フマル酸等のカルボン酸含有モノマ−あるいは
酸無水物基含有モノマ−との共重合体、(メタ)アクリ
ル酸アミド、ビニルピロリドン、フェノ−ル性水酸基、
スルフォン酸基、スルフォンアミド基、スルフォンイミ
ド基等を持つモノマ−を含有する共重合体、フェノ−
ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ルまたはp−クレゾ
−ルとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを縮
合させて得られるノボラック樹脂、部分ケン化酢酸ビニ
ル樹脂、ポリビニルブチラ−ル等のポリビニルアセタ−
ル樹脂、カルボン酸を有するウレタン樹脂等を例示する
ことができる。
【0019】これらの中で、特に(メタ)アクリル酸エ
ステル、スチレン、酢酸ビニル等と(メタ)アクリル酸
等のカルボン酸含有モノマ−あるいは共重合体が電子写
真性、溶出性、印刷適性等に優れており、好ましく使用
することができる。更に好ましくはメチルアルコ−ル、
エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、イソプロピル
アルコ−ル、ブチルアルコ−ル、イソブチルアルコ−
ル、sec−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアル
コ−ル、n−アミルアルコ−ル、イソアミルアルコ−
ル、ヘキシルアルコ−ル、オクチルアルコ−ル、ベンジ
ルアルコ−ル、フェネチルアルコ−ル等の脂肪族あるい
は芳香族アルコ−ルと(メタ)アクリル酸エステルと
(メタ)アクリル酸の共重合体を使用することができ
る。
【0020】本発明の光導電層には有機光導電性化合
物、結合樹脂の他に光導電層の塗布面状の改良等のため
に、必要により界面活性剤、マット剤その他の各種の添
加剤を加えることができる。これらの添加剤は光導電層
の静電特性、溶出性を劣化させない範囲で含有させるこ
とができる。また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎ
ると現像に必要な表面電位を帯電することができず、逆
に、厚すぎるとサイドエッチを起こし易く、良好な印刷
版が得られない。光導電層の膜厚としては、0.1〜3
0μ、好ましくは、0.5〜10μである。本発明の光
導電層の結合樹脂と光導電性化合物の含有量は、光導電
性化合物の含有量が少ないと感度が低下するため、結合
樹脂1重量部当り光導電性化合物は、0.025重量部
〜1.5重量部、より好ましくは0.05重量部〜1.
2重量部、特に好ましくは0.1重量部〜1重量部の範
囲で使用するのが好ましい。
【0021】また、光導電層上に必要により光導電層の
電気特性、トナ−現像時の画像特性、トナ−との接着性
等の改良する目的で、光導電層エッチング時に除去でき
るオ−バ−コ−ト層を設けることができる。このオ−バ
−コ−ト層は機械的にマット化されたものあるいはマッ
ト剤が含有される樹脂層であっても良い。マット剤とし
ては二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム、ガラス粒子、アルミナ、澱粉、樹脂粒子(例え
ば、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、フェノ
−ル樹脂等)および米国特許第2710245号, 同第
2992101号明細書に記載のマット剤が含まれる。
これらは二種以上併用することができる。マット剤を含
有する樹脂層に使用される樹脂は使用される溶出液との
組合せにより適宜選択される。具体的には例えば、アラ
ビアゴム、ニカワ、ゼラチン、カゼイン、セルロ−ス類
(例えば、ビスコ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセル
ロ−ス、ヒドロキエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス
等)、澱粉類(例えば、可溶性澱粉、変性澱粉等)、ポ
リビニルアルコ−ル、ポリエチレンオキシド、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニリメチルエ−テ
ル、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂(特にノボラック型
フェノ−ル樹脂が好ましい)、ポリアミド、ポリビニル
ブチラ−ル等を挙げることができる。これらは二種以上
併用することができる。
【0022】本発明において画像部を形成するトナ−は
後記溶出液に対してレジスト性を有していれば良く特に
限定されるものではないが、溶出液に対してレジスト性
の樹脂成分を含有していることが好ましい。樹脂成分と
しては例えば、メタクリル酸、アクリル酸およびこれら
のエステルを用いたアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢
酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等の共重合樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチ
ラ−ルの様なビニルアセタ−ル樹脂、ポリスチレン、ス
チレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等の共重合
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその塩素化
物、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタ
レ−ト、ポリエチレンイソフタレ−ト、ビスフェノ−ル
Aのポリカーボネ−ト等)、フェ−ノル樹脂、キシレン
樹脂、アルキッド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼ
ラチン、カルボキシメチルセルロ−ス等のセルロ−スエ
ステル誘導体、ワックス、ポリオレフィン、蝋等が挙げ
られる。
【0023】トナ−画像形成後のトナ−非画像部の光導
電層を除去する溶出液としては、光導電層を除去できる
ものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限定される
ものではないが、好ましくは、アルカリ性溶剤が使用さ
れる。ここで言うアルカリ性溶剤とは、アルカリ性化合
物を含有する水溶液、アルカリ性化合物を含有する有機
溶剤もしくは、アルカリ性化合物を含有する水溶液と有
機溶剤との混合物である。アルカリ性化合物としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム、メタケイ酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム、アンモニア、およびモノエタノ−ルアミン、
ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミノ
アルコ−ル類等などの有機および無機の任意のアルカリ
性の化合物を挙げることが出来る。溶出液の溶媒として
は前述のように、水もしくは多くの有機溶剤を使用する
ことが出来るが、臭気、公害性の点から水を主体とした
溶出液が好ましく使用される。水を主体とした溶出液に
は、必要に応じて、各種の有機溶剤を添加することも出
来る。好ましい有機溶剤としては、メタノ−ル、エタノ
−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ベンジルアルコ−
ル、フェネチルアルコ−ル等の低級アルコ−ルや芳香族
アルコ−ルおよびエチレングリコ−ル、ジエチレングリ
コ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ
−ル、セルソルブ類等を挙げることが出来る。また、溶
出液には必要に応じて界面活性剤、消泡剤、その他各種
の添加剤を含有したものが使用される。
【0024】本発明の電子写真製版用印刷版は一般に公
知のプロセスによって作成することが出来る。即ち、暗
所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静電潜像を
形成する。露光方法としては、半導体レ−ザ、He−N
eレ−ザ等による走査露光あるいはキセノンランプ、タ
ングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画像露
光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げられ
る。次に上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
法としては従来公知の方法、例えば、カスケ−ド現像、
磁気ブラシ現像、パウダ−クラウド現像、液体現像など
の各種の方法を用いることが出来る。なかでも液体現像
は微細な画像を形成することが可能であり、印刷版を作
成するために好適である。また、非露光部にトナ−を付
着させる正現像あるいは露光部にトナ−を付着させる反
転現像の何れの方式も用いることが可能である。形成さ
れたトナ−画像は公知の定着法、例えば、加熱定着、圧
力定着、溶剤定着等により定着することが出来る。この
様に形成したトナ−画像をレジストとして作用させ、非
画像部の光導電層を溶出液により除去することにより印
刷版が作成できる。
【0025】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではない。実施例1〜12及び比較例1〜
2を実施し、後記の表1に評価をまとめて記載した。
【0026】(実施例1)JIS1050アルミニウム
シ−トをパミス−水懸濁液を研磨剤として、回転ナイロ
ンブラシで表面を砂目立てした。この時の表面粗さ(中
心線平均粗さ)は0.5μであった。水洗後、70℃の
10%苛性ソ−ダ水溶液に浸漬しアルミニウムの溶解量
が6g/m2 になるようにエッチングした。水洗後、3
0%硝酸水溶液に1分間浸漬することにより中和し、十
分水洗した。その後、0.7%硝酸水溶液中で、陽極時
電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの短形波交番波形
を用いて(特公昭55−19191号に記載)20秒間
電解粗面化を行い、20%硫酸の50℃溶液中に浸漬し
て表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸水溶
液中で陽極酸化皮膜重量が3.0g/m2 となるように
陽極酸化処理を施して、水洗、乾燥することにより、基
板を作成した。この陽極酸化処理したアルミニウム板上
に、メタノール50ml、水50ml、及びリン酸1.
5%を混合した溶液を塗布し、アルミニウム板上にリン
酸が50mg/m2 となるようにバーコーターで塗布
し、120℃、1分間乾燥させる。このリン酸溶液を塗
布した基板上に、下記の光導電層用塗布液(1)をバ−
コ−タ−で塗布、120℃、10分間乾燥し電子写真製
版用印刷版を作成した。このようにして作成した電子写
真製版用印刷版の乾燥膜厚は5g/m2 であった。 光導電層用塗布液(1) χ型無金属フタロシアニン化合物 1.0重量部
【0027】
【化1】
【0028】 ベンジルメタクリレ−トとメタクリル酸の共重合体 (メタクリル酸40モル%) 9.0重量部 メチルエチルケトン 40 重量部 プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル 60 重量部 を500mlのガラス製容器にガラスビ−ズと共にい
れ、ペイントシェ−カ−(東洋精機製作所(株))で6
0分間分散し、光導電層用分散液を作成した。この電子
写真感光体を、サ−モセルコPLATINOUS RA
INBOWPR−2G(TABAI ESPEC CO
RP製)50℃、80%RH条件下で、版面がその環境
に触れるように3日間放置した。
【0029】次に、この試料を暗所でコロナ帯電機によ
り表面電位+400Vに帯電した後タングステン光でネ
ガ画像を露光し、これをアイソパ−H(エッソスタンダ
−ド社)1リッタ−中にポリメチルメタクリレ−ト粒子
(粒子サイズ 0.3μ)5gをトナ−粒子として分散
し、荷電調節剤としてナフテン酸ジルコニウムを0.0
1gを添加して作製した液体現像剤を用い+200Vの
バイアス電圧を対向電極に印加し反転現像することによ
り、鮮明なポジ画像を得る事が出来た。更に、作成した
画像を120℃で2分間加熱し、トナ−画像を定着し
た。この非画像部をケイ酸カリウム35重量部、水酸化
カリウム15重量部、ベンジルアルコ−ル重量10部、
モノエタノ−ルアミン重量10部を水690部に希釈し
た溶出液によって除去したところ、速やかに溶出除去さ
れた。次いで、十分水洗し、ガム液(富士写真フイルム
製PS版用ガムGU−7)を塗布することによりオフセ
ット用印刷版を作成した。この印刷版は10〜15μm
の細線が再現でき、更にこの印刷版の非画像部には残渣
は見られず、オフセット印刷機にセットし、印刷を行っ
たところ、得られた印刷物は汚れの全く無い良好な印刷
物であった。
【0030】(比較例1)実施例1において、リン酸溶
液をアルミニウム板に塗布しない他は全く同様の操作に
より印刷版を作成した。溶出後の本印刷原版は、非画像
部に青く残渣が残り、印刷後の非画像部に汚れが発生し
た。
【0031】(比較例2)実施例1において、アルミニ
ウム基板上にリン酸溶液を塗布しない他、下記光導電層
塗布液(2)を用い、印刷版を作製した。但し、印刷原
版の帯電電位は250Vと低く、現像バイアス150V
で反転現像した。その後、実施例1と同様の操作により
印刷版を作製したが、20μmの細線を再現することが
できないばかりか、非画像部に青い残渣が残り、印刷後
の非画像部に汚れが発生した。 光導電層用塗布液(2) χ型無金属フタロシアニン化合物 1.0重量部 ベンジルメタクリレ−トとメタクリル酸の共重合体 9.0重量部 (メタクリル酸40モル%) リン酸(85%溶液) 0.05重量部 メチルエチルケトン 40 重量部 プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル 60 重量部
【0032】(実施例2)実施例1におけるリン酸の塗
布量を100mg/m2 とした他は同様の操作により印
刷版を作成した。溶出後の本印刷原版の非画像部には残
渣はみられず、印刷物も汚れのない良好な印刷物であっ
た。
【0033】(実施例3)実施例1におけるリン酸に代
えて、ホスホン酸を使用する他は全く同様の操作により
印刷版を作成した。溶出後の本印刷原版の非画像部には
残渣はみられず、印刷物も汚れのない良好な印刷物であ
った。
【0034】(実施例4)実施例1におけるリン酸に代
えて、リン酸二水素ナトリウムを使用する他は全く同様
の操作により印刷版を作成した。溶出後の本印刷原版の
非画像部には残渣はみられず、印刷物も汚れのない良好
な印刷物であった。
【0035】(実施例5)実施例1におけるリン酸に代
えて、ヘキサメタリン酸ナトリウムを使用し、塗布量を
100mg/m2 とした他は全く同様の操作により印刷
版を作成した。溶出後の本印刷原版の非画像部には残渣
はみられず、印刷物も汚れのない良好な印刷物であっ
た。
【0036】(実施例6)実施例1におけるリン酸に代
えて、ホスフィン酸を使用し、塗布量を30mg/m2
とした他は全く同様の操作により印刷版を作成した。溶
出後の本印刷原版の非画像部には残渣はみられず、印刷
物も汚れのない良好な印刷物であった。
【0037】(実施例7)実施例1におけるリン酸に代
えて、ポリリン酸を使用し、塗布量を30mg/m2
した他は全く同様の操作により印刷版を作成した。溶出
後の本印刷原版の非画像部には残渣はみられず、印刷物
も汚れのない良好な印刷物であった。
【0038】(実施例8)実施例1におけるリン酸に代
えて、ホスホン酸ナトリウムを使用し、塗布量を100
mg/m2 とした他は全く同様の操作により印刷版を作
成した。溶出後の本印刷原版の非画像部には残渣はみら
れず、印刷物も汚れのない良好な印刷物であった。
【0039】(実施例9)実施例1におけるリン酸に代
えて、ジホスホン酸を使用し、塗布量を100mg/m
2 とした他は全く同様の操作により印刷版を作成した。
溶出後の本印刷原版の非画像部には残渣はみられず、印
刷物も汚れのない良好な印刷物であった。
【0040】(実施例10)実施例1におけるリン酸に
代えて、メタリン酸を使用し、塗布量を200mg/m
2 とした他は全く同様の操作により印刷版を作成した。
【0041】(実施例11)実施例1におけるリン酸に
代えて、トリエチルホスホン酸を使用し、塗布量を20
0mg/m2 とした他は全く同様の操作により印刷版を
作成した。
【0042】(実施例12)実施例1と全く同様の操作
で、砂目立て、陽極酸化されたアルミニウム板を2%珪
酸ナトリウム水溶液に70℃で1分間浸漬し、水洗、乾
燥し、このアルミニウム板上に実施例1と同様にリン酸
を塗布した。このリン酸を塗布したアルミニウム板上に
下記の光導電層用塗布液(2)をバ−コ−タ−で塗布、
120℃、10分間乾燥し電子写真製版用印刷版を作成
した。このようにして作成した電子写真製版用印刷版の
乾燥膜厚は4g/m2 であった。 光導電層用塗布液(3) トリスアゾ化合物 1.0重量部
【0043】
【化2】
【0044】 ヒドラゾン化合物 2.5重量部
【0045】
【化3】
【0046】 ブチルメタクリレ−トとメタクリル酸の共重合体 (メタクリル酸30モル%) 10.0重量部 メチルエチルケトン 60 重量部 プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル 40 重量部 を500mlのガラス製容器にガラスビ−ズと共にい
れ、ペイントシェ−カ−(東洋精機製作所(株))で6
0分間分散し、光導電層用分散液を作成した。これを実
施例1と同様に、50℃、80%RH条件下で3日間保
管後、トナ−現像し、富士写真フイルム(株)製PS版
用現像液DP−4を水に1:8に希釈した液により溶出
した。この光導電層の溶出性は室温保管の物と殆ど変わ
らず、容易に溶出することができた。次いで、十分水洗
し、ガム液(富士写真フイルム製PS版用ガムGU−
7)を塗布することによりオフセット用印刷版を作成し
た。この印刷版をオフセット印刷機にセットし、印刷を
行ったところ、得られた印刷物は汚れの全く無い良好な
印刷物であった。下記表1にこれらの結果をまとめて示
す。
【0047】
【表1】
【0048】表1の評価内容を下記に示す。 [結合樹脂] A.ベンジルメタクリレ−ト/メタクリル酸(メタクリ
ル酸40モル%) B.ブチルメタクリレ−ト/メタクリル酸 (メタクリ
ル酸30モル%) [リン酸又はその類縁体] a.リン酸 f.ポリリン酸 b.ホスホン酸 g.ホスホン酸ナトリウム c.リン酸二水素ナトリウム h.ジホスホン酸 d.ヘキサメタリン酸ナトリウム i.メタリン酸 e.ホスフィン酸 j.トリエチルホスホン酸 [リン酸又はその類縁体の塗布量]アルミニウム板1m
2 当たりの重量(mg/m2 ) [印刷汚れ] ○:地汚れなく良好な印刷物 ×:地汚れあり実用に供せない [電荷保持率]帯電後,30秒間の電荷保持率 (測定;川口電機社製,ELECTROSTATIC
PAPER ANA−LYZER MODEL EPA
−8100) ○:80%以上 ×:70%未満 [細線再現性] ○:20μm以上再現 ×:20μm再現不可
【0049】
【発明の効果】本発明は、陽極酸化処理したアルミニウ
ム板上にリン酸又はその類縁体を含有する溶液を塗布す
ることにより、非画像部の印刷汚れのない、更に長期間
の保管でも印刷汚れのない優れた画像特性を有する電子
写真式製版用印刷原版を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも陽極酸化処理したアルミニウ
    ム板に、リン酸又はその類縁体を含有する溶液を塗布
    し、その上に少なくとも有機光導電性化合物及びアルカ
    リ性液体に溶解又は膨潤する結合樹脂を含有する光導電
    層を塗布してなる電子写真式製版用印刷原版。
JP16548594A 1994-07-18 1994-07-18 電子写真式製版用印刷原版 Pending JPH0830003A (ja)

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