JP2918288B2 - 電子写真平版印刷版の製版方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の製版方法

Info

Publication number
JP2918288B2
JP2918288B2 JP12175090A JP12175090A JP2918288B2 JP 2918288 B2 JP2918288 B2 JP 2918288B2 JP 12175090 A JP12175090 A JP 12175090A JP 12175090 A JP12175090 A JP 12175090A JP 2918288 B2 JP2918288 B2 JP 2918288B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
washing
printing plate
weight
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12175090A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0416954A (ja
Inventor
泰洋 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP12175090A priority Critical patent/JP2918288B2/ja
Publication of JPH0416954A publication Critical patent/JPH0416954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2918288B2 publication Critical patent/JP2918288B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真方式で描画された電子写真平版印
刷版の製版方法に関し、特に溶出処理後の水洗工程が改
良された製版方法に関する。
【従来技術及びその問題点】
従来、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
及びフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤や、ア
クリル系モノマやプレポリマを主成分とするネガ型感光
剤を用いたPS版等が実用化されているが、これらは全て
低感度であり、予め画像記録された銀塩写真フィルム原
版を密着露光して製版を行なっている。一方、コンピュ
ータ画像処理、大容量データの保存及びデータ通信技術
の発展によって、近年では原稿入力・補正・編集・割付
けから頁組までが一貫してコンピュータ制御され、高速
通信網や衛星通信により即時に遠隔地の末端プロッタに
出力出来る電子編集システムが実用化されている。特
に、即時性の要求される新聞印刷分野に於て、この電子
編集システムの要求度は高い。また、オリジナルが原版
フィルムの形で保存され、これをもとに必要に応じて印
刷版が複製されている分野に於ても、光ディスク等の超
大容量記録メディアの発達に伴い、オリジナルがこれら
の記録メディアにデジタルデータとして保存される様に
なることが考えられる。 しかしながら、末端プロッタの出力から直接印刷版を
作製する直接型印刷版は殆ど実用化されておらず、電子
編集システムの稼働している所でも出力は銀塩写真フィ
ルムに行なわれ、これをもとに間接的にPS版へ密着露光
により印刷版が作製されているのが実状である。これ
は、出力プロッタの光源(例えば、He−Neレーザ、半導
体レーザ等)により実用的な時間内に印刷版を作製出来
るだけの高い感度を有する直接型印刷版の開発が困難で
あることによる。 さて、直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する
感光材料として電子写真感光体が考えられる。従来、電
子写真を利用した印刷版材料(印刷用原版)として、例
えば特公昭47−47610号、同48−18325号、同48−40002
号、同51−15766号公報等に記載の光導電性酸化亜鉛・
樹脂分散系オフセット印刷版材料が知られているが、こ
れは電子写真法によるトナー画像形成後その非画像部を
不感脂性にするために不感脂化処理液(例えば、ヘキサ
シアノ鉄塩やイノシットヘキサリン酸塩を含有する酸性
水溶液)で湿潤させた後、印刷に供される。しかしなが
ら、この様な処理をしたオフセット印刷版は、耐刷枚数
が多くとも1万枚程度であり、これ以上の印刷には適さ
ず、また不感脂化を強化した組成にすると、画質が悪化
するなどの欠点を有する。 一方、特公昭37−17162号、同38−7758号、同41−242
6号、同46−39405号、特開昭50−19509号、同52−2437
号、同54−134632号、同54−145538号、同55−153948
号、同57−147656号、同57−161863号公報等に記載され
ている様な有機光導電体・結着樹脂系印刷版材料も知ら
れている。これらの電子写真感光体は総じてアルミニウ
ム板上に設けられており、アルミと光導電層或はその結
着剤とが強固に接着していれば、本質的にPS版と同等の
耐刷性を有する。これら電子写真平版印刷版に於ける一
般的な製版方法は、光導電性化合物を用いた電子写真印
刷原版を公知の電子写真画像形成法によってトナー画像
を形成した後、トナー画像部以外の非画像部をアルカリ
剤等を含有する溶液で処理することにより、版上より非
画像部光導電層を溶解(所謂溶出)除去して製版され
る。特に溶出はPS版に於けるアルカリ現像と異なり、ト
ナーのアルカリ溶解性と光導電層のそれとの差を利用し
たものであって、トナー付着部光導電層(則ち、画像
部)はトナーによるレジスト性のため溶出が阻碍される
が、本質的にトナー付着部の光導電層自体がアルカリ不
(或は難)溶性になる訳ではないので、溶出が過度に促
進されれば、サイドエッチと呼称される光導電層側面か
らの溶出液の回込みによって画像部光導電層をも浸蝕
し、良好な細線再現性が得られない。従って、忠実なト
ナー画像再現性を得るためには、トナー、光導電層組
成、及び溶出液処方の選定も肝要であるが、溶出処理方
法にも留意する必要がある。例えば、PS版現像工程(溶
出工程と同等)で行われている様に、溶出液を液供給ノ
ズルから直接印刷版に供給する方法では、溶出液が直接
落下接触した部分とその液が版上を流動して接触した部
分とではサイドエッチが異なる場合がある。 このサイドエッチはまた、多数枚通版により水洗処理
に於ても促進することがある。 電子写真平版印刷版製版工程に於ける水洗処理もPS版
製版工程に於けるそれと同様、版上に残る可溶化した非
画像部と可溶化(アルカリ)剤とを洗液によって除去す
ることが目的であるが、一般に電子写真光導電層は初期
帯電電位等の電子写真特性及び耐刷性等からPS版の感光
層よりも2−4倍厚く、しかもこの導電光層をサイドエ
ッチを抑制しながら溶出するため、PS版現像液より更に
高アルカリ強度の溶液を用いて製版する関係上、特開昭
55−25027号公報記載の様に水洗液を循環再使用した場
合、PS版水洗工程に於てよりも通版早期に液pHが上昇し
てしまい、これが水洗部に於て更なるサイドエッチの悪
化を齎す原因となる。このpH上昇を防止するため、水洗
液を使い捨て方式にすることも考案されているが、一版
毎に多量の洗液を必要とすることや、溶出液組成物及び
電子写真光導電層より溶出される結着樹脂等の有害成分
を含有する使用済み水洗液に於ける廃液処理等の問題か
ら、実用的方法ではない。 そこで、循環再使用する水洗液に緩衝剤を含有させる
方法が考案されている。例えば、特公昭64−8819号公報
にはアニオン及び/または非イオン界面活性剤と有機或
は無機酸(塩)とを含有するpH1.5〜12.5の水溶液で処
理することが、特開昭63−1696437号公報には界面活性
剤とエタノールアミンの(特定の)有機或は無機酸塩で
処理することが開示されている。また更に、従来PS版現
像液にはアルカリ剤として一般に珪酸アルカリ金属塩を
含有しており、水洗液が比較的新しくてpH10以下では感
光層被溶出成分を含む現像液がその中に流入して珪酸及
び/または感光層成分からなる不溶物が生成し、これが
印刷版非画像部に付着すると印刷汚れを招くことから、
例えば特開昭63−172269号、同63−172270号公報に記載
の如く、アルカリ現像後の最初の水洗浴のpHを10.5以上
(から前者12.5、後者13)に調整した液で処理すること
が開示されている。また、特開平2−18571号、同2−2
3367号公報には、電子写真平版印刷版用処理液(水洗
液、リンス液)として頗る類似した技術内容の製版方法
も開示されている。 しかしながら、電子写真印刷版用光導電層に於て溶出
が開始される、即ちサイドエッチが進行するpHの下限
は、光導電層成分(被溶出能)にもよるが、少なくとも
緩衝剤が共存しない系では10.5付近であること、緩衝剤
及び/または酸が共存してpHが7未満の水洗液では、可
溶化した光導電層成分の版上及び液中での再凝集或は溶
出(洗浄)不良を誘発すること、また溶出液がPS版現像
液に比較してアルカリ強度が高いこと等から、PS版製版
に於ける水洗方法を単純に利用することは出来なかっ
た。
【発明の目的】
本発明の目的は、電子写真方式で描画された電子写真
平版印刷版の製版に於て、自動溶出機を用いて平版印刷
版を溶出液と接触させた後、水洗液で処理して平版印刷
版を製作するに際し、多数枚通版中に流入する溶出液等
に起因する水洗液の特性劣化を抑制し、より安定した製
版方法を提供するものであり、更には液交換の頻度を減
少させる電子写真平版印刷版の製版方法を提供すること
である。
【目的に到達するための手段】
本発明は、電子写真方式によりトナー画像を形成した
平版印刷版を自動溶出機を用いてアルカリ性溶出液と接
触させた後に、アンモニウム、ナトリウム、或はカリウ
ムの重炭酸塩を添加して7.5〜10に調整した水洗液を使
用することにより達成される。 本発明に係わる自動溶出機としては、電子写真平版印
刷版を搬送する方式もので、少なくとも溶出部及び水洗
部を有し、更にリンス部、保護ガム塗布部及び乾燥部を
有するものが好適に用いられるが、その他従来PS版の現
像処理に於て公知の自動現像機等も使用可能である。 本発明に係わる水洗液には、製版に先立って水洗液に
アンモニウム、ナトリウム、或はカリウムの重炭酸塩を
添加して、液pHを7.5〜10に調整しておく必要がある
が、多数枚通版中に高pHの溶出液が流入してこの範囲を
保持出来なくなった場合には、本発明に係わるアンモニ
ウム、ナトリウム、或はカリウムの重炭酸塩を包含する
添加剤を後添加して、水洗液のpHを10以下に保持するこ
とが望ましい。後添加する際の開始は水洗液のpHが8.5
〜10.0、より好ましくは9.0〜9.5の範囲が望ましい。ま
た、特に版サイズが一定であれば、非画像部(被溶出)
面積が大きく異ならない限り、水洗液のpH上昇は通版量
(枚数)にほぼ比例するため、一定枚数毎に本発明に係
わるアンモニウム、ナトリウム、或はカリウムの重炭酸
塩を包含する添加剤を添加することが出来る。製版に先
だって本発明に係わるアンモニウム、ナトリウム、或は
カリウムの重炭酸塩を水洗液に添加しておく時は、重炭
酸塩単独で添加しても良いし、予め水に溶解させたもの
を用いても良い。水溶液にして添加する際には、適当な
酸或はアルカリ剤、及び例えば界面活性剤の様な少量の
溶解促進剤をもって溶解を促進させても良い。 また、本発明では塩基性水溶液に二酸化炭素を溶解さ
せれば炭酸塩を形成するとの考え方にたち、水洗液の製
版中のpH上昇に際し、炭酸塩を水洗液に含有させるため
の一方法として、水洗浴に例えば空気の様な少なくとも
二酸化炭素を含有する気体を強制的に吹込むか、或は水
洗処理により使用された液が水洗浴に戻る際に積極的に
気体と接触する様な機械的構造を有する溶出機を用いれ
ば、気体中の二酸化炭素の少なくとも一部は炭酸塩とな
って水洗液中に溶解し、一定範囲内に液pHが保持される
か或は少なくとも後添加の重炭酸塩量を減少させること
が出来る。特に、少なくとも二酸化炭素を含有する気体
を水洗浴に強制的に吹込むのであれば、起泡を考慮して
抑泡剤を予め添加しておくか、破泡剤を所望に応じ後添
加することが望ましい。かかる抑泡剤及び破泡剤は公知
のものが利用出来る。 本発明に係わるアンモニウム、ナトリウム、或はカリ
ウムの重炭酸塩は、水溶液とした際に酸或はアルカリ剤
を添加してpH調整することなしに液pHが7.5〜10なり得
るが、この重炭酸塩を含有する水洗液には所望により酸
或はアルカリ剤を添加して、水洗液のpHが7.5〜10の範
囲になる様に調整しても良い。 本発明に係わる重炭酸塩は、アンモニウム、ナトリウ
ム、或はカリウムの重炭酸塩である。これら本発明に係
わるアンモニウム、ナトリウム、或はカリウムの重炭酸
塩は2種以上を組合せて使用しても良いし、先添加と後
添加で異なる重炭酸塩を用いても良い。また、これらの
重炭酸塩はpH調整や溶解促進のため、水溶液(水分散
液)にするに当たって、適当な酸或は塩基性化合物を併
用しても良い。特に本発明に係わる重炭酸塩含有溶液を
後添加する場合は、そのpHを7.0〜9.5、より好ましくは
7.5〜8.0に調整して添加することが望ましい。 本発明に係わるアンモニウム、ナトリウム、或はカリ
ウムの重炭酸塩の水洗液への添加量は、0.050〜10重量
%が、より好ましくは0.2〜5.0重量%が好適である。 本発明に係わる水洗液は循環再使用して水洗に供すこ
とが好ましいが、循環再使用すると経時で空気中の気体
及び細菌・黴等が水洗液に混入し、本発明の効果を低下
させるばかりか、送液管等の循環系への固着や目詰まり
を誘引し、或は異臭等を発して好ましくない。そこで、
本発明に係わる水洗液には防腐剤及び/または殺菌剤を
含有させることが望ましい。防腐剤及び殺菌剤の例とし
ては、フェノール、クレゾール、o−フェニルフェノー
ル、p−クロロ−m−キシレノール、2′,4′,5−トリ
クロロ−2−フェノキシフェノール等のフェノール系化
合物、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(アル
キルアミノエチル)グリシン等のグリシン系化合物、ポ
リヘキサメチレンビグアニジン等のグアニジン系化合
物、デヒドロ酢酸、安息香酸エステル等のカルボン酸、
エステル、及びその塩、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス
(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン、ヘキサヒ
ドロ−1,3,5−トリエチル−S−トリアジン等のトリア
ジン系化合物、ベンズイソチアゾロン、イソチアゾロン
等、及びその誘導体等のイソチアゾロン系化合物、2−
(チオシアノメチルチオ)ベンズイミダゾール、4,5,6,
7−テトラクロロ−2−トリフルオロメチルベンズイミ
ダゾール、パーベンダゾール等のイミダゾール系化合
物、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピ
リジン等のピリジン系化合物、ジチオビス(ベンズメチ
ルアミド)等のアミド系化合物、その他N,N−ジメチル
−N′−フェニル−N′−フルオロジクロロメチルチオ
ースルファミド等が挙げられるが、特にイソチアゾロン
系、ピリジン系、フェノール系、及びイミダゾール系化
合物が、分けてもイソチアゾロン系化合物が好適であ
る。 これらの防腐・殺菌剤は1種でも、また2種以上を併
用して使用出来る。水洗液への添加に際しては、水及び
適当な有機溶剤に予め溶解させておくことが好ましい。
また、これらは製版に先だって添加しておいても良い
し、所望の時期に1回或いは数回に分けて添加しても良
い。水洗液への添加量は、使用する化合物の種類(殺菌
力)や水洗液に混入する菌種及びその量により調整する
必要があるが、通常1〜30000ppmの範囲で、より好まし
くは10〜10000ppmの範囲で使用するのが良い。 本発明に係わる水洗液には更に、洗浄性の向上、可溶
化した光導電層の水洗液中への分散等の目的で界面活性
剤を含有させておくことが好ましい。 かかる界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩
類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン塩類、ポリオキシエチレンポリアミン誘導体
等のカチオン系界面活性剤、カルボキシベタイン類、ア
ミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エス
テル類、イミダゾリン類等の両性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリス
チリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリト
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレン
ジオール、ポリオキシエチレン付加アセチレンジオール
等の非イオン系界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸
塩類、アルカンスルホン酸塩類、ヒドロキシアルカンス
ルホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸塩類、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロ
ピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスル
ホフェニルエーテル塩類、N−アルキルスルホこはく酸
モノアミド塩類、石油スルホン酸塩類、脂肪酸アルキル
エステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩
類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体部分ケン化物類、オレ
フィン/無水マレイン酸共重合体部分ケン化物類、ナフ
タレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等のアニオン系
界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中で
ポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等のポ
リオキシアルキレンに差替えることも出来、それらの界
面活性剤もまた包含される。本発明に係わる水洗液に
は、特にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面
活性剤が好適に用いられる。かかるフッ素系界面活性剤
としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリ
ン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロ
アルキルトリアルキルアンモニウム、パーフルオロアル
キルアミノキサイド、パーフルオロアルキルエチレノキ
サイド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基含
有オリゴマ、パーフルオロアルキル基及び親油性基含有
オリゴマ、パーフルオロアルキル基及び親油性基含有ウ
レタン等が挙げられる。 上記界面活性剤は、単独或は2種以上を組合わせて使
用出来、水洗液中に0.001〜5重量%、より好ましくは
0.01〜1重量%の範囲で使用するのが好適であり、界面
活性剤含有水洗液の表面張力は25℃で45dyne/cm以下で
あることが好ましく、更には40dyne/cm以下が良い。ま
た、表面張力が25℃で35dyne/cm以下であると、水洗特
性が著しく向上するので更に有効である。 本発明に係わる水洗液には所望により、公知の添加剤
を混合することが出来る。その例としては、 1)特公昭62−62341号公報記載の酸化チタン、酸化珪
素等の金属酸化物微粒子、及びそれらの表面をアルミナ
等の無機物、低分子ポリオール、キレート剤、界面活性
剤等の有機物で被覆して分散性等を改良した金属酸化物
微粒子、 2)特公昭61−45554号公報記載のフェノールホルムア
ルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、キシ
レン樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂等のアルカリ可
溶性樹脂、 3)特開昭60−225798号、同61−189996号、同61−2610
95号公報等に記載の無機及び有機リン酸化合物、及びホ
スホン酸化合物、 4)特開昭62−275782号、同63−191693号、特開平1−
125292号、同1−177541号公報等に記載の天然及び合成
水溶性ポリマ、 5)特開昭62−73270号公報記載の消泡剤、その他、キ
レート剤等が挙げられる。これらの添加剤は、予め水洗
液に添加しておいても良いし、アンモニウム、ナトリウ
ム、或はカリウムの重炭酸塩を含有する液と共に後添加
しても良い。 水洗部では、水洗液を版上に供給して速やかに可溶化
した光導電層と溶出液とを完全に除去し得る機構でなけ
ればならない。液は飛散が抑制出来る機構であれば版上
に直接供給しても良いし、特開昭60−76395号公報記載
の溶出促進部材を水洗機構に応用しても良い。 次に本発明に係わるその他の処理液等について説明す
る。 本発明に係わる溶出液としては、アルカリ剤を含有し
緩衝能を有するものが望ましい。アルカリ剤としては、
一般式SiO2/M2O(M=Na、K)で表現される珪酸塩、
アルカリ金属水酸化物、リン酸及び炭酸のアルカリ金属
及びアンモニウム塩等の無機アルカリ剤、エタノールア
ミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、ジエ
チレントリアミン、モルホリン等のアミン類を代表とす
る有機アルカリ剤、及びこれらの混合物が挙げられる
が、特に上記珪酸塩は強い緩衝能を示すため、有利に用
いられる。処方上はこれにアルカリ金属水酸化物を添加
したものが望ましい。溶出液には更に特開昭55−25100
号公報記載のイオン性化合物、特開昭55−95946号公報
記載の水溶性カチオニックポリマ、特開昭56−142528号
公報記載の水溶性両性高分子電解質、特開昭58−75152
号公報記載の中性塩、特開昭58−190952号公報記載のキ
レート剤、特開平1−177541号公報記載の液粘度調整
剤、特開昭63−226657号公報記載の防腐剤や殺菌剤、及
び各種界面活性剤、天然及び合成水溶性ポリマ等の公知
の成分を必要に応じ含有させることが出来る。 溶出液に於ける溶媒は、上記成分を安定して分散溶解
し得るものであれば特に限定されないが、水が更に好ま
しくはイオン交換した水が有利に用いられる。また、上
記成分をより安定化するため、少量の有機溶剤を含有し
ても良い。 アルカリ剤に於て特に上記珪酸塩を用いる際には、Si
O2/M2O=0.5〜8.5(モル換算)が好ましい。溶出液のp
Hは11.5〜14.0が、より好ましくは12.0〜13.5が良く、
多数枚通版や液経時に於けるpH変動に際しては、所望の
補充液を適時添加して溶出活性度の向上を図ることが望
ましい。 本発明に係わる自動溶出機では、非画像部支持体表面
層の感脂化防止や画像部表面の耐傷対策等のため、リン
ス液、保護ガム液等の版面調製・不感脂化・保護剤を版
上に供給出来る機構を有するものが良い。版面保護剤の
組成及び供給方法は夫々公知のものが利用出来る。 本発明に係わる平版印刷版は、導電性支持体上に少な
くとも有機光導電性化合物及び結合樹脂を含有し、通常
の電子写真現像方式によりトナー画像を形成し得るもの
である。 本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラスチックシート、不透過性及び導電性に
した紙、またはアルミニウム等の金属板等の親水性処理
を施した表面を有する導電性支持体が挙げられる。それ
らの厚みは0.07〜2.0mm、より好ましくは0.10〜0.50mm
が良い。これらの支持体の中でもアルミニウム板が好適
に使用される。このアルミニウム板は、アルミニウムを
主成分とし微量の異元素を含有しても良く、従来公知・
公用の素材を適宜使用することが出来る。また、これら
は公知の方法で砂目立て、陽極酸化して用いることが好
適である。 導電性支持体と光導電層との間には、密着性や電子写
真特性等の向上のため、必要に応じ少なくともアルカリ
可溶性の親水性化合物から成る中間層を設けても良い。 この様にして得られた導電性支持体上に公知の電子写
真光導電層を設けて、電子写真感光体を得ることが出来
る。 光導電層に用いる光導電性材料としては、公知光導電
性化合物を使用出来る。その例としては、 a)米国特許第3112197号明細書等に記載のトリアゾー
ル誘導体、 b)米国特許第3189447号明細書等に記載のオキサジア
ゾール誘導体、 c)特公昭37−16096号公報等に記載のイミダゾール誘
導体、 d)米国特許第3542544号、同3615402号、同3820989号
明細書、特公昭45−555号、同51−10983号、特開昭51−
93224号、同55−108667号、同55−156953号、同56−366
56号公報等に記載のポリアリールアルカン誘導体、 e)米国特許第3180729号、同4278746号明細書、特開昭
55−88064号、同55−88065号、同49−105537号、同55−
51086号、同56−80051号、同56−88141号、同57−45545
号、同54−112637号、同55−74546号公報等に記載のピ
ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、 f)米国特許第3615404号明細書、特公昭51−10105号、
同46−3712号、同47−28336号、特開昭54−83435号、同
54−110836号、同54−119925号公報等に記載のフェニレ
ンジアミン誘導体、 g)米国特許第3567450号、同3180703号、同3240597
号、同3658520号、同4232103号、同4175961号、同40123
76号明細書、西独国特許(DAS)1110518号、特公昭49−
35702号、同39−27577号、特開昭55−144250号、同56−
119132号、同56−22437号公報等に記載のアリールアミ
ン誘導体、 h)米国特許第3542546号明細書等に記載のN,N−ビカル
バジル誘導体、 i)米国特許第3257203号明細書等に記載のオキサゾー
ル誘導体、 j)米国特許第3717462号明細書、特開昭54−59143号
(米国特許第4150987号に対応)、同55−52063号、同55
−52064号、同55−46760号、同55−85495号、同57−113
50号、同57−148749号、同57−104144号公報等に記載の
ヒドラゾン誘導体、 k)米国特許第4047948号、同4047949号、同4265990
号、同4273846号、同4299897号、同4306008号明細書等
に記載のベンジジン誘導体、 l)特開昭58−190953号、同59−95540号、同59−97148
号、同59−195658号、同62−36674号公報等に記載のス
チルベン誘導体、 m)特公昭43−18674号、同43−19192号公報に記載のポ
リビニルビレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−
ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチル
カルバゾール等のビニル重合体、 n)特公昭43−19193号公報に記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレン/スチレン共重合体
等の重合体、 o)特公昭56−13940号公報等に記載のピレン/ホルム
アルデヒド樹脂、エチルカルバゾール/ホルムアルデヒ
ド樹脂等の縮合樹脂、 p)特開昭56−90883号、同56−161550号公報等に記載
の各種トリフェニルメタンポリマ、 q)米国特許第3397086号、同4666802号、特開昭64−20
61号、同64−4389号等に記載の無金属或は金属(酸化
物)フタロシアニン及びナフタロシアニン、及びその誘
導体等がある。 特に、He−Neレーザや半導体レーザに対応した実用感
光波長域を有するフタロシアニン系化合物、殊にx型金
属フタロシアニンが本発明に於ては有利に用いられる。 本発明の電子写真平版印刷版に用いることの出来る有
機光導電性化合物は、a)〜q)に挙げられた化合物に
限定されず、これまで公知の光導電性化合物を用いるこ
とが出来る。これらの有機光導電性化合物は、所望によ
り2種類以上を併用することが可能である。 また、光導電性の感度の向上や所望の波長域に感度を
持たせるためなどの目的で、モノアゾ、ビスアゾ、トリ
スアゾ顔料、ペリレン系顔料、インジゴ、チオインジゴ
誘導体、キナクリドン系顔料、 多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、ス
クアリウム塩系顔料、アズレニウム塩系顔料、シアニン
顔料、アゾ顔料、ビスベンズイミダゾール顔料等の各種
の顔料等を併用しても良い。 電子写真印刷版光導電層に於ては、光導電性化合物自
体が皮膜性を有する場合もあるが、光導電性化合物単独
では皮膜性を有さない場合は、結着樹脂を併用すること
が出来る。本発明に係わる電子写真光導電層は、最終的
に非画像部光導電層を除去する必要があるが、この工程
は光導電層の溶出液に対する溶解性とトナー画像の溶出
液に対するレジスト性との相対的関係によって決定さ
れ、一概に表現出来ないが、少なくとも結着樹脂として
は、前述の溶出液に可溶或いは分散可能な高分子化合物
が好ましい。 具体例としては、スチレン/無水マレイン酸共重合
体、スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/
メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/アク
リル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/
クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタク
リル酸エステル共重合体等のスチレン、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等とアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカ
ルボン酸含有モノマ或は酸無水物基含有モノマとの共重
合体やメタクリル酸アミド、ビニルピロリドン、フェノ
ール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スル
ホンイミド基を有するモノマを含有する共重合体、フェ
ノール樹脂、部分ケン化酢酸ビニル樹脂、キシレン樹
脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂を
挙げることが出来る。 酸無水物基或はカルボン酸基を有するモノマ含有共重
合体及びフェノール樹脂は、電子写真印刷版用感光体と
した場合の電荷保持力が高く、従って有利に使用するこ
とが出来る。 結着樹脂は単独でも、或は2種以上を混合して用いて
も良い。 光導電性化合物と結着樹脂とを用いる場合には、光導
電性化合物の含有量が少ないと低感度となるため、結着
樹脂100重量部に対してそれが5重量部以上、より好ま
しくは15重量部以上を混合して使用することが好適であ
る。また光導電層膜厚は、薄いとトナー現像に必要な電
荷が帯電出来ず、逆に厚いと溶出液の劣化を促進するば
かりか溶出の際にサイドエッチを誘引して良好な画像が
得られないため、0.10〜30μmが、より好ましくは0.50
〜10μmが良い。 本発明に於て使用する電子写真平版印刷版は、前述の
電子写真感光体を用いて公知の操作によって作製するこ
とが出来る。則ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画像
露光により静電潜像を形成する。露光方法としては、キ
セノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源と
して反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光
や、レーザ光、発光ダイオード等による走査露光が挙げ
られる。走査露光を行なう場合は、He−Neレーザ、He−
Cdレーザ、アルゴンイオンレーザ、クリプトンイオンレ
ーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レ
ーザ、エキサイマーレーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsPの様
な半導体レーザ、アレキサンドライトレーザ、銅蒸気レ
ーザ等のレーザ光源による走査露光、或は発光ダイオー
ド、液晶シャッタを利用した走査露光(発光ダイオード
アレイ、液晶シャッタアレイ等を用いたラインプリンタ
型の光源も含む)によって露光することが出来る。 次に、上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
方法としては、乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダクラウド現像)、液体現像の何れも使用
出来る。殊に液体現像法は微細なトナー画像が形成出
来、再現性良い印刷版を作製するのに好適である。更
に、正現像によるポジ/ポジ現像や、適当なバイアス電
圧の印加の下反転現像によるネガ/ポジ現像も可能であ
る。形成されたトナー画像は公知の定着法、例えば加熱
定着、圧力定着、溶剤定着等により定着出来る。この様
に形成したトナー画像をレジストとして、非画像部光導
電層を溶出液により除去して印刷版が作製出来る。 本発明に係わるトナーは、前記溶出液に対してレジス
ト性を有する樹脂成分を含有していることが必要であ
る。樹脂成分としては、例えばメタクリル酸、アクリル
酸、及びこれらのエステル等から成るアクリル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル
等との共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹
脂、ポリスチレン、スチレンとブタジエン、メタクリル
酸エステル等との共重合物、ポリエチレン、ポリプロピ
レン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ
カプラミドやポリヘキサメチレンアジポアミド等のポリ
アミド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッ
ド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボ
キシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体、
その他ワックス、蝋等が挙げられる。 また、トナーには現像或は定着等に悪影響を及ぼさな
い範囲で、色素や電荷制御剤を含有させることも出来
る。
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発
明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に限定され
るものではない。 実施例1 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、0.7%硝酸水溶液中
で、20秒間電解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸水溶液
中で浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%
硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、乾燥する
ことにより、印刷版用支持体を作製した。 この支持体表面処理面に、ペイントシェイカーにて1
時間分散させた下記の光導電性組成物をバーコーターで
塗布後、90℃5分間乾燥して電子写真平版印刷版(印刷
版1)を作製した。この時、光導電層の塗布量は4.5g/m
2であった。 光導電層塗液1組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体18重量部 (分子量5万、酸価200) 無金属フタロシアニン 4重量部 酢酸1−ブチル 60重量部 2−プロパノール 18重量部 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−EDIII)で液体反
転現像を行ない、トナーを熱定着して光導電層上にトナ
ー画像を得た。 次に、珪酸カリウム水溶液(SiO2分20%、SiO2/K2O
モル比3.5)30重量部及び水酸化ナトリウム1.2重量部を
蒸留水で希釈して100重量部とした溶出液(溶出液
1)、及び予め重炭酸アンモニウム〔NH4HCO3〕0.60重
量部を添加した水洗液(水洗液1;20dm3、pH=7.93)を
用いて、無補充連続製版を行なった。 その結果少なくとも1000版までは、可溶化した光導電
層成分の版上及び液中での再凝集及び溶出水洗不良の発
生や、水洗液pHの過度の上昇によるサイドエッチの悪化
等は観られなかった。尚、水洗液の最終的pHは9.98であ
った。 比較例 実施例1と同様の製版条件で水洗液として蒸留水(水
洗液2)を用いたところ、少なくとも200版目では水洗
液pHは10.5を越え、サイドエッチが進行してしまい、細
線の再現性がとれなかった。また、実施例1で用いた重
炭酸アンモニウムの代わりに同量のリン酸一水素アンモ
ニウム及びエチルアミン(塩酸を添加して液pHを7.9に
調整)を用いると、双方の系共蒸留水のみの場合に比し
て液pHの上昇はかなり抑制されるものの、前者のリン酸
塩系では製版が数日にわたると水洗液中に不溶物が発生
して水洗液供給スプレー管の目詰まりを誘引し、後者の
アミンでは比較的製版枚数の少ない段階(pH<9)から
サイドエッチが進行して、良好な製版性及び画像再現性
がとれなかった。 実施例2 実施例1で用いた重炭酸アンモニウムの代わりに重炭
酸ナトリウム0.9重量部添加した水洗液(水洗液3;pH=
7.87)を用いた他は実施例1と同様に製版を行ない、実
施例1と同等の結果を得た(水洗液最終pH=9.91)。 実施例3 以下の組成の水洗液(初期pH=7.89)を用い、水洗浴
には作動時のみ浄化した空気を吹込みながら実施例1と
同様に製版を行なった。 水洗液4組成(表面張力:23dyne/cm) 重炭酸カリウム 0.4 重量部 パーフルオロアルキルEO付加物 0.01重量部 (商品名 サーフロン S−145 旭硝子(株)製) 2−メチル−3−イソチアゾロン 30 ppm 50版/日で3週間製版したが、製版不良の発生及び水洗
液性の大きな変化もなく、また製版中さしたる起泡も発
生しなかった。 実施例4 実施例1で調整した水洗液処方に、更にパーフルオロ
アルキルEO付加物の代わりに同量のパーフルオロアルキ
ルベタイン(商品名 サーフロン S−131 旭硝子
(株)製)0.01重量部(水洗液5;水洗液として、22dyne
/cm)、或はアセチレングリコールEO付加物(商品名
アセチノールEL 川研ファインケミカル(株)製)0.25
重量部(水洗液6;水洗液として30dyne/cm)を添加して
新たなる処理液を調製した。 次に、実施例1で調製した印刷版及び溶出液1を用
い、溶出液1に印刷版を8秒間浸漬後直ちに水洗液1、
5、及び6夫々に浸漬して液を攪拌し、可溶化した光導
電層の印刷版支持体からの拡散時間を測定した。 得られた結果を第1表に示す。 上記結果から判る様に、全ての水洗液に於て水洗は均
一に行われたが、特に液の表面張力を低下させた水洗液
は、水洗時間(光導電層拡散時間)が短縮される。 実施例5 実施例1で作製した印刷版用支持体表面処理面に、下
記の光導電層組成物(塗液2〜5)を実施例1と同条件
で塗布して、電子写真平版印刷版(印刷版2〜5)を作
製した。 光導電層塗液2組成(印刷版2) 酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(クロトン酸3モル
%) 18重量部 無金属フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 光導電層塗液3組成(印刷版3) スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体
(モル比50:15:35) 18重量部 無金属フタロシアニン 4重量部 キシレン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 光導電層塗液4組成(印刷版4) スチレン/マレイン酸モノオクチルエステル共重合体
(モル比60:40) 18重量部 無金属フタロシアニン 4重量部 キシレン 60重量部 オキソラン 20重量部 2−プロパノール 18重量部 光導電層塗液5組成(印刷版5) ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル
比70:30) 18重量部 無金属フタロシアニン 4重量部 メチルセロソルブアセテート 60重量部 2−プロパノール 18重量部 得られた各電子写真平版印刷版を実施例1と同様にト
ナー現像し、次に下記に示す様な溶出液及び水洗液によ
り製版処理を行なった。 溶出液2組成 モノエタノールアミン 0.5重量部 トリエタノールアミン 6 重量部 ベンジルアルコール 1.5重量部 EDTA−4H 0.4重量部 水酸化カリウム 2 重量部 純水 89.6重量部 水洗液7組成(20dm3;pH=7.95) ポリオキシエチレン(6)モノオレエート 0.15重量部 デヒドロ酢酸5重量%熱エタノール溶液 0.20重量部 重炭酸ナトリウム 0.5 重量部 を純水に分散溶解して100重量部とした液を水洗槽に仕
込み、100版製版後から印刷版(A2サイズ)10版処理す
る毎に4重量%炭酸水素アンモニウム水溶液10mlを添加
した。 その結果、印刷版2から5の全てに於て少なくとも10
00版までは、可溶化した光導電層成分の版上及び液中で
の再凝集及び溶出水洗不良の発生や、水洗液pHの過度の
上昇によるサイドエッチの悪化等は観られなかった。
尚、各印刷版を処理した水洗液の最終的pHは最高でも9.
39であった。 実施例6 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、3.0%塩酸水溶液中
で、35A/dm250秒間電解粗面化を行ない、50℃、20%硫
酸水溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更
に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、
乾燥することにより、印刷版用支持体を作製した。 この支持体表面処理面に、ペイントシェィカーにて1
時間分散させた下記の光導電層組成物をバーコーターで
塗布後、90℃5分間乾燥して電子写真平版印刷版(印刷
版6)を作製した。 光導電層塗液6組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (メタクリル酸35モル%) 18重量部 無金属フタロシアニン 4重量部 メチルセロソルブアセテート 60重量部 2−プロパノール 12重量部 2−フランメタナール 6重量部 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、He−
Neレーザ(633nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−EDIII)で液体反
転現像を行ないトナーを熱定着した。 次に、下記に示す様な溶出液及び水洗液により製版処
理を行なった。 溶出液3組成 珪酸ナトリウム水溶液(SiO2分30重量%、SiO2/K2Oモ
ル比2.5) 20重量部 水酸化ナトリウム 1重量部 純水 79重量部 水洗液8組成(20dm3;pH=8.01) 重炭酸ナトリウム 0.5 重量部 ジオクチルスルホこはく酸Na 0.1 重量部 p−ヒドロキシ安息香酸ブチル 0.01重量部 パーフルオロアルキルEO付加物 0.01重量部 (商品名 サーフロン S−145 旭硝子(株)製) を純水に分散溶解して100重量部とした液を水洗槽に仕
込み、100版製版後から印刷版(A2サイズ)10版処理す
る毎に5重量%グリシン水溶液15mlを添加した。 以上の製版条件で50版/日で3週間製版したが、製版
不良の発生及び水洗液性の大きな変化もなく、また製版
中さしたる起泡も発生しなかった。
【発明の効果】
本発明の方法により、水洗浴中に不溶解物を発生させ
ることなく、循環水洗液の寿命を長期化し、最後まで安
定した品質で処理することが出来た。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真方式により画像露光後トナー画像
    を形成し、トナー画像部以外の非画像部光導電層を自動
    溶出機を用いてアルカリ性溶出液と接触させた後に水洗
    処理する平版印刷版の製版方法に於て、水洗浴のpHを、
    アンモニウム、ナトリウム、或はカリウムの重炭酸塩を
    含有させて7.5〜10に調整した水洗液を用いて製版する
    ことを特徴とする電子写真平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】水洗液の表面張力が45dyne/cm(25℃)以
    下になる様に界面活性剤を含有させる請求項1記載の電
    子写真平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】少なくとも製版中は水洗浴に少なくとも二
    酸化炭素を含有する気体を吹込む請求項1または2記載
    の電子写真平版印刷版の製版方法。
  4. 【請求項4】少なくとも水洗液の一つにイソチアゾロン
    系、ピリジン系、フェノール系、及びイミダゾール系か
    らなる群から選ばれた防腐剤及び/または殺菌剤を少な
    くとも1種含有する請求項2または3記載の電子写真平
    版印刷版の製版方法。
JP12175090A 1990-05-11 1990-05-11 電子写真平版印刷版の製版方法 Expired - Fee Related JP2918288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12175090A JP2918288B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 電子写真平版印刷版の製版方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12175090A JP2918288B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 電子写真平版印刷版の製版方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0416954A JPH0416954A (ja) 1992-01-21
JP2918288B2 true JP2918288B2 (ja) 1999-07-12

Family

ID=14818961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12175090A Expired - Fee Related JP2918288B2 (ja) 1990-05-11 1990-05-11 電子写真平版印刷版の製版方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2918288B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0416954A (ja) 1992-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2918288B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JPH07281466A (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JPH10254188A (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JP2918267B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2918289B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JP2899101B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JPH07301924A (ja) 電子写真感光体
JP2786498B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2866150B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JP3009910B2 (ja) 電子写真平版印刷版
JP2977680B2 (ja) 電子写真式平版印刷版用修正剤
JP3231085B2 (ja) 電子写真平版印刷版の処理方法
JPH0766528A (ja) プリント配線板の作製法
JPH10254187A (ja) 電子写真反転現像用平版印刷版
JPH03230170A (ja) 電子写真平版印刷版
JPH06210977A (ja) 電子写真式平版印刷版用修正剤および修正処理方法
JP3084752B2 (ja) 電子写真平版印刷版
JP3722176B2 (ja) 電子写真感光体基体の洗浄方法、電子写真感光体の製造方法及びそれを用いた電子写真感光体
JP3231053B2 (ja) 電子写真平版印刷版処理方法
JP2834537B2 (ja) 電子写真液体反転現像方法
JPH0830003A (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2964429B2 (ja) 電子写真式製版用エッチング液
JP3214945B2 (ja) 平版印刷版の製造方法及び製造装置
JPH05165262A (ja) 電子写真平版印刷版の処理方法
JPH03294871A (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees