JPH08299167A - 容器の保温用内蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で、熱伝導効率の低下が起こらな
い低コストの保温用内蓋を提供する。 【構成】 内蓋本体２の外面に、コード状発熱体嵌入部
３を形成し、該嵌入部３内にコード状発熱体１を嵌め込
み固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気炊飯器、電気湯沸
器などの容器の保温用内蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】電気炊飯器、電気湯沸器などには、内容
物を保温するために、ヒータ付の保温用内蓋が設けられ
ている。従来の保温用内蓋では、図４に示すように、両
面粘着テープ４上にコード状発熱体１を枠などを用いて
所定の形状に配置し、その上に金属箔５を貼り付けてコ
ード状発熱体１を所定の形状に固定して、内蓋本体２の
外面に貼り付けていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の保温用内蓋では、加熱により両面粘着テープ４の
粘着剤が劣化を起こし、両面粘着テープ４が剥離した
り、コード状発熱体１両面粘着テープ４との間に空間が
生じたりして、熱伝導効率が低下し、温度特性が低下す
るという問題がある。また、耐熱性を向上させるため両
面粘着テープ４の基材として、通常、不織布が使用され
るため、熱伝導効率が著しく低下する。

【０００４】更に、コード状発熱体１を、両面粘着テー
プ４上へ所定の形状に配置し、金属箔５を貼り付けてコ
ード状発熱体１を固定した後、内蓋本体２へ貼り付ける
ため製造工程が多く、煩雑であり、しかも多種の材料を
使用するため、コストアップとなるなどの問題が生じ
る。

【０００５】本発明の目的は、かかる従来技術の問題点
を解消し、製造が容易で、熱伝導効率の低下が起こらな
い低コストの保温用内蓋を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、金属等の基材へ嵌
め込み溝を設け、コード状発熱体を嵌め込めばよいこと
を見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は内蓋本体の外面にコード状発熱体嵌入部を形成し、該
嵌入部内にコード状発熱体を嵌入係止したことを特徴と
する容器の保温用内蓋である。

【作用】本発明の保温用内蓋は、内蓋本体にコード状発
熱体嵌入部を設け、その中にコード状発熱体を嵌め込
み、固定するものであるから、従来の保温用内蓋のよう
に、両面粘着テープの接着剤の加熱劣化に起因する両面
粘着テープの剥離やコード状発熱体と両面粘着テープと
の間に空間が生じるなどの問題は起こらず、それによる
温度特性の低下も起こらない。

【０００７】また、両面粘着テープ及び金属箔を使用す
る必要がなくなるため、原料及び製造工程の両方が合理
化され、コストが大幅に低減することになる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明の保温用内蓋Ａを電気炊飯器Ｂに
取り付けた状態を示す断面図であり、１１は蓋カバー、
１２は外蓋、１３は外カバー、１４は外釜、１５は内
釜、１６はパッキングである。保温用内蓋Ａの本体２の
外面には、コード状発熱体嵌入部３が形成されており、
該嵌入部３内にはコード状発熱体１が嵌入固定されてい
る。

【０００９】コード状発熱体１については、通常用いら
れるコード状発熱体であれば、材質など特に限定される
ものではないが、耐熱性に優れ、配列、嵌め込みが容易
であることなどから、シリコーンゴム絶縁発熱体が好ま
しく用いられる。

【００１０】内蓋本体２の材質は特に限定されないが、
熱伝導性、加工性のよいアルミニウムが好ましく用いら
れる。

【００１１】コード状発熱体嵌入部３の大きさは、コー
ド状発熱体１とおおよそ同一でよく、内蓋本体２及びコ
ード状発熱体１の絶縁層の弾性により、コード状発熱体
１を嵌入部３内へ容易に嵌入することができ、しかも嵌
入後、それらの弾性回復により、コード状発熱体１が内
蓋本体２と密着し、強固に固定されると共に、良好な熱
伝導性が得られる。

【００１２】また、コード状発熱体１の嵌め込みを容易
にするために、嵌入部３の大きさをコード状発熱体１の
外径よりも２％前後大きくしてもよい。

【００１３】また、嵌入部３の開口部の大きさは、コー
ド状発熱体１が嵌入でき、しかも嵌入後脱落しないこと
が必要なため、コード状発熱体１の外径より２〜３０％
特に好ましくは５〜１５％小さく設定するのが好まし
い。

【００１４】本発明の保温用内蓋において、内蓋本体２
の外面に形成するコード状発熱体１を嵌入するための嵌
入部３は、任意の形状をとることができ、例えば、図２
及び図３のような形状としてもよい。

【００１５】以上の説明では、本発明の保温用内蓋を電
気炊飯器に適用した例について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、電気湯沸器等の内容物を
加熱保温する必要がある容器にも適用できることはいう
までもない。

【００１６】更に、以上の実施例は、本発明の一例を示
すものであり、本発明は、これに限定されるものではな
いことはいうまでもない。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、使用中の接着剤の熱劣
化による粘着テープの剥離や、コード状発熱体と粘着テ
ープとの間に空間が生ずるなどのトラブルは発生せず、
その結果、常に良好な熱伝導効率が得られ、安定した保
温が可能となる。更に、両面粘着テープ、金属箔を使用
する必要がなく作業性が大幅に向上し、製品のコストダ
ウンをはかることもできる。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の保温用内蓋を取り付けた電気炊飯器の
一例を示す断面図である。

【図２】本発明の保温用内蓋の他の例を示す断面図であ
る。

【図３】本発明の保温用内蓋の更に他の例を示す断面図
である。

【図４】従来の保温用内蓋の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ コード状発熱体 ２ 内蓋本体 ３ コード状発熱体嵌入部 ４ 両面粘着テープ ５ 金属箔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内蓋本体の外面にコード状発熱体嵌入部
   を形成し、該嵌入部内にコード状発熱体を嵌入係止した
   ことを特徴とする容器の保温用内蓋。
2. 【請求項２】 該嵌入部の開口部の大きさが、該コード
   状発熱体の外径よりも２〜３０％小さい請求項１記載の
   容器の保温用内蓋。
3. 【請求項３】 該内蓋本体がアルミニウムからなる請求
   項１又は請求項２記載の容器の保温用内蓋。
4. 【請求項４】 該容器が電気炊飯器である請求項１〜請
   求項３のいずれか１項に記載の容器の保温用内蓋。