JPH082966B2 - ポリカプロラクトンの融点改善法 - Google Patents

ポリカプロラクトンの融点改善法

Info

Publication number
JPH082966B2
JPH082966B2 JP3333862A JP33386291A JPH082966B2 JP H082966 B2 JPH082966 B2 JP H082966B2 JP 3333862 A JP3333862 A JP 3333862A JP 33386291 A JP33386291 A JP 33386291A JP H082966 B2 JPH082966 B2 JP H082966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycaprolactone
melting point
stretching
polymer
improving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3333862A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05105771A (ja
Inventor
昌和 鈴木
秀治 香川
郁夫 佐々木
明生 栗下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP3333862A priority Critical patent/JPH082966B2/ja
Publication of JPH05105771A publication Critical patent/JPH05105771A/ja
Publication of JPH082966B2 publication Critical patent/JPH082966B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカプロクラトンの
融点改善法に関し、融点の改善された新規な分解性素材
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、主に微生物によって分解されるポ
リカプロラクトンは、プラスチック成形品の素材として
利用され、海水中や土中で分解することが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリカプロラクトンはその融点が55〜60℃と低いた
め、低温によって変形しやすく、また、少し高温になる
と溶解するため、主として医療、産業用の造形材、バイ
ンダー、ホットメルト接着剤等として使用され、その用
途が限定されていた。また、例えば、熱処理、発熱を伴
う二次処理においてはその条件に制限があり、一方、こ
れを素材とした商品にあっては、高温環境下での取り扱
いに問題があるため、安価で分解性である素材の特性を
十分に活かしきれていなかった。 かかる点、例えば、ポ
リカプロラクトン自体、他のポリマーとのブレンド性に
優れることから、高融点ポリマーとのブレンドによる融
点改善も考えられるが、単にブレンドしたのみでは融点
の上昇は見られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる点の改
善に関し、ポリカプロラクトンと、かかるポリカプロラ
クトンの融点より高い融点を有する加水分解性ポリマ
ー、または微生物分解性ポリマーを混合し、次いで延伸
することに特徴を有するポリカプロラクトンの融点改善
法に関する。即ち、本発明は様々な試行の中から融点の
高い加水分解性、或は、微生物分解性ポリマーとのブレ
ンド、及び、これを更に延伸処理することによってブレ
ンドされたポリカプロラクトンの融点が高められるとの
知見を得て達成されたもので、その特性と分解性を活か
し、従来使用できなかった様々な用途への適用を可能と
したものである。
【0005】本発明のポリカプロラクトンとは、下記式
(I)で示される単量体単位を有するポリマーである。 かかるポリマーは、ε−カプロラクトンの重合により得
られた、例えば、”PLACCEL H”(商標名:ダ
イセル化学工業株式会社製)が例示でき、その分子量は
およそ30,000〜200,000程度、式(I)に
おけるn数が、600<n<900、融点が約60℃の
ものである。
【0006】一方、これと混合する分解性ポリマーは、
延伸に供されることからこれの可能な樹脂、及び、融点
がポリカプロラクトンの融点を上回ることが必要であ
る。かかるポリマーとしては、加水分解性ポリマー、微
生物分解性ポリマーの中から適宜選択される。加水分解
性ポリマーとしては、グリコール酸、グリコリド、L−
ラクチド、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L体とD
体の混合ラクチド、パラジオキサノン等の単独または相
互の共重合体等が、更に、微生物分解性ポリマーとして
は、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレ
ート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレート
の共重合ポリエステル等が例示できる。かかる組み合わ
せは、特に、前記したようにポリカプロラクトン自体が
微生物による分解性を有することから、これと同様に自
然環境下において崩壊するだけでなく完全に分解、消失
する性質を有するものであることがその特性を活かす意
味において必要である。
【0007】前記ポリマーのブレンドは、例えば、エク
ストルーダー、押し出し機、紡糸機等によって行うが、
その配合比率はポリカプロラクトンが約20〜80重量
%の割合となるようにすることが必要であり、これと配
合される分解性ポリマーは、前記したようにその融点が
ポリカプロラクトンより高いことを要件とする。しかる
に、かかる条件でなければ本発明の目的を達しない。
【0008】一方、本発明はかかるポリマーを単にブレ
ンドするのみでは目的とする融点の改善は望めない。即
ち、これを更に延伸することによって初めて約20〜5
0%という大幅な融点の向上が河能となる。その理由に
ついては、ポリカプロラクトン特有の性質と思量され
る。延伸は、例えば、紡糸後、或は、成型後に従来より
公知の引張り、押し出し等の技術により行い、一段延
伸、多段延伸、冷延伸等その方法は任意であって、これ
によって糸、フィルム、成型物等を得る。尚、延伸の好
ましい条件については、混合したポリマーの種類、比率
にもよるが、概ね、その温度をポリカプロラクトンの融
点に近い50〜70℃前後とし、延伸倍率を5倍以上、
及び、延伸による破断が起こらない範囲とする。即ち、
その温度が特に、80℃を越えるような場合には未延伸
状態でポリカプロラクトンの融解が起こり、また、50
℃未満であると高倍率での延伸が困難となる。また、そ
の延伸倍率が特に、5倍未満であると分子鎖配向が不
十分であり、一方、必要以上に高い延伸は糸の切断、伸
度の低下を招く。以下、実施例を挙げて説明する。
【0009】
【実施例】表1に各種条件による本発明の実施と、その
結果を示す。これに用いたポリカプロラクトンは、”P
LACCEL H−7”(商標名:ダイセル化学工業株
式会社製,分子量100,000)でPCLで表す。ま
た、Bioと記載したものは、ヒドロキシブチレートと
ヒドロキシバリレートの共重合ポリエステル(商品名:
バイオポール、ICI株式会社製)、PGAは、固有粘
度1.0のポリグリコール酸、PLAは、粘度平均分子
量300,000のポリーL−ラクチドである。かかる
ポリマーどうしのブレンドは、それぞれ表に示す比率
(重量比)の下にペレット化し、次いでこれを溶融紡糸
延伸機にかけ、表1に示す各種の条件によ延伸し、糸
条物とした。尚、表1中の冷延伸とは、室温における延
伸であり、延伸温度の記載が2つあるのは、温度を変え
て連続的に行った二段延伸である。また、Bio100
%のものは、ポリマーそのものが硬く脆いため、延伸不
能であった。表1における融点の測定は、DSC50
(島津製作所製)により、また、引張強力、結節強力
は、チャク間距離10cm,引張り速度10cm/mi
nの条件下で引張り試験機を用いて行った。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上の結果より明らかなように、本発明
方法によるとブレンドされた相手のポリマーの融点上昇
が殆んど見られないのに対し、これに混合されたポリカ
プロラクトンの融点は大幅に上昇した。このような融点
の上昇は、加工面においては、従来より高めの発熱、加
熱環境下での処理を可能とし、例えば、巻き取り等、高
速での取扱において発熱により柔らかくなったり、強度
が低下する等の加工トラブルを生じない。 従って、本発
明による、糸、フィルム、成型物等を素材とし、漁網、
釣り糸、農業用ネット、シート、包装用のフィルム、容
器、トレー等の二次製品を製造する際、従来不可能であ
った条件下での製造が可能となり、また、このように製
造された製品は高温環境下、例えば、夏季の戸外、倉庫
内、車内、或は、昇温された室内等においても変質した
り、変形したりすることがなく、また、発熱を伴う取り
扱い、使用形態においても従来と異なる特殊な機能を有
するため、上記例示したような広範な用途に新素材とし
て適用することが可能となる。更に、かかる素材は、ポ
リマーの組み合わせにおいて、完全なる分解性を有する
ため、単に崩壊するものに比べ自然環境下に放置されて
も近時問題視されている環境汚染の問題を生じない特徴
も有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−199417(JP,A) 特開 平1−103655(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカプロラクトンと、かかるポリカプ
    ロラクトンの融点より高い融点を有する加水分解性ポリ
    マーを混合し、次いで延伸することを特徴とするポリカ
    プロラクトンの融点改善法。
  2. 【請求項2】 ポリカプロラクトンと、かかるポリカプ
    ロラクトンの融点より高い融点を有する微生物分解性ポ
    リマーを混合し、次いで延伸することを特徴とするポリ
    カプロラクトンの融点改善法。
JP3333862A 1991-10-16 1991-10-16 ポリカプロラクトンの融点改善法 Expired - Lifetime JPH082966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333862A JPH082966B2 (ja) 1991-10-16 1991-10-16 ポリカプロラクトンの融点改善法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3333862A JPH082966B2 (ja) 1991-10-16 1991-10-16 ポリカプロラクトンの融点改善法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05105771A JPH05105771A (ja) 1993-04-27
JPH082966B2 true JPH082966B2 (ja) 1996-01-17

Family

ID=18270782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3333862A Expired - Lifetime JPH082966B2 (ja) 1991-10-16 1991-10-16 ポリカプロラクトンの融点改善法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH082966B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2785899B2 (ja) * 1992-11-10 1998-08-13 工業技術院長 生分解性を有する合成樹脂成型品及びその成型方法
DE4437792A1 (de) 1994-10-21 1996-04-25 Inventa Ag Formmassen auf der Basis von aliphatischen Polyestern
JP5100946B2 (ja) * 2002-09-25 2012-12-19 株式会社クレハ 強延伸脂肪族ポリエステル重合体成形物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01103655A (ja) * 1987-09-09 1989-04-20 Daicel Chem Ind Ltd ポリカプロラクトン樹脂組成物
JPH03199417A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Unitika Ltd 自然崩壊性モノフイラメント

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05105771A (ja) 1993-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100515274B1 (ko) 생분해성 필름 및 그 제조방법
TWI331164B (ja)
US20050244606A1 (en) Biodegradable sheet, molded object obtained from the sheet, and process for producing the molded object
WO1999045067A1 (fr) Composition a base d'acide polylactique et son film
JP3463792B2 (ja) ヒートシール用生分解性フィルムおよびその製造方法
JP2001123055A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物
JP5200208B2 (ja) 脂肪族芳香族ポリエステル及び樹脂組成物
JPH09111107A (ja) 生分解性フィルムあるいはシート、および、生分解性プラスチック成形品
JP2000273207A (ja) ポリ乳酸系フィルムおよびその製造方法
JPH11241008A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物
JP3391133B2 (ja) 可塑化されたポリ乳酸及びその成型品
JP4808367B2 (ja) ポリ乳酸系成形体の製造方法
JP4180606B2 (ja) 生分解性シート及びこのシートを用いた成形体とその成形方法
JP4034596B2 (ja) 射出成形体
JP3182077B2 (ja) 生分解性フィルム
JPH082966B2 (ja) ポリカプロラクトンの融点改善法
JPH10147653A (ja) 微生物分解性延伸フィルム
JPH11241009A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物
JP4511099B2 (ja) 乳酸系樹脂組成物とそのシート状物、及び袋状製品
JP2004010842A (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP2972913B2 (ja) 生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法
JP2004010843A (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP2009079188A (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP4246523B2 (ja) 乳酸系樹脂組成物
JP2583813B2 (ja) 分解性組成物