JP2972913B2 - 生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法 - Google Patents
生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法Info
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Description
族ポリエステル系で、使用後に、土壌中や水中で分解可
能な新規生分解性形状記憶高分子組成物を用いて形成し
た成形体の形状記憶方法及び形状復元方法に関するもの
である。さらに詳しくは、本発明は、例えば、農業、漁
業用分野での締め付け具、パイプのかん合部品、センサ
ー、アクチュエーター、また、玩具や、医療分野での保
護用具、ギブス、治療用具に好適に利用できる新規生分
解性形状記憶高分子組成物を用いて形成した成形体の形
状記憶方法及び形状復元方法に関するものである。
たり、土壌中や水中で微生物や酵素によって分解され、
低分子になる現象である。形状記憶とは材料を変形した
ときに、その変形が固定されるものの、変形前の形状を
記憶しており、加熱することで元の形状に戻る現象であ
る。従来から、脂肪族ポリエステルの一部は生分解性を
示すことが知られており、ポリラクチドやポリ(ε−カ
プロラクトン)は、この現象が顕著である。また、形状
記憶高分子に関して、ポリノルボルネン、ポリウレタン
エラストマー、トランスポリイソプレン等が形状記憶の
現象を示すことが知られている(特開昭59−5352
8号公報、同61−293214号広報、同62−86
025号公報)。形状記憶高分子は、一般に形状記憶合
金に比べ、軽量、安価であり、また、錆びないこと、電
気絶縁性を示すなどの特徴があり、この特性を利用した
用途が注目されている。形状記憶の性質を示す材料は、
変形後の流動を防ぐために架橋するか又は、共重合又
は、著しく高分子化させる必要があった。このために、
成形体の形状も制限があり、満足な状況とはいえない。
また、生分解性を示す材料ではなかった。
示し、かつ、溶融成形可能な形状記憶性高分子組成物を
用いて形成した成形体の形状記憶方法及び形状復元方法
を提供することをその課題とする。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明によれば、高分子成形体に形状記憶
させる方法において、該高分子成形体として、ポリラク
チドとポリ(ε−カプロラクトン)を主成分とし、該ポ
リラクチドの含有量が25重量%から95重量%の範囲
である生分解性形状記憶高分子組成物を所定形状に成形
して形成された生分解性形状記憶高分子成形体を用いる
とともに、該成形体を、該ポリ(ε−カプロラクトン)
の融点以上で該ポリラクチドの融点より低い温度で変形
させることを特徴とする生分解性形状記憶高分子成形体
の形状記憶方法が提供される。また、本発明によれば、
形状記憶させた高分子成形体の形状を復元させる方法に
おいて、該高分子成形体として、ポリラクチドとポリ
(ε−カプロラクトン)を主成分とし、該ポリラクチド
の含有量が25重量%から95重量%の範囲である生分
解性形状記憶高分子組成物を所定形状に成形して形成さ
れた生分解性形状記憶高分子成形体を用いるとともに、
該成形体を、該ポリ(ε−カプロラクトン)の融点以上
で該ポリラクチドの融点より低い温度に加熱することを
特徴とする生分解性形状記憶高分子成形体の形状復元方
法が提供される。ポリラクチド及びポリ(ε−カプロラ
クトン)が生分解性を示すことは公知であるが、本発明
による前記高分子ブレンド組成物が形状記憶効果を発揮
することは本発明者らによって初めて見い出されたもの
である。なお、本明細書で言う形状記憶とは、従来公知
の方法によって成形体を作り、この成形体にそのポリ
(ε−カプロラクトン)の融点以上でポリラクチドの融
点より低い温度の加熱条件下で伸びや、曲げ、圧縮、ね
じり等の変形を与えた後、冷却してその変形を固定化し
たものを、再度前記範囲の温度に加熱したときに、その
変形が解消され、元の形状に復元することを意味する。
組成物は、ポリラクチド(ポリ乳酸)とポリ(ε−カプ
ロラクトン)を主成分とする高分子ブレンド組成物であ
って、そのポリラクチドの含有量が25重量%から95
重量%の範囲であることを特徴とする。本発明で用いる
ポリラクチドは、次の繰返し構造単位を有するものであ
る。
びDL−体が包含されるが、本発明の場合、L−体を7
0〜100重量%含有するもの、好ましくはポリ(L−
ラクチド)の使用が好ましい。D−体やDL−体の含有
量が高くなりすぎると、ポリラクチドの融点やガラス転
移温度の低下が生じるのであまり好ましいものではな
い。本発明で用いるポリ(ε−カプロラクトン)として
は、市販のものをそのまま使用することができる。本発
明の組成物において、そのポリラクチドの含有量は、2
5〜95重量%、好ましくは30〜90重量%である。
ポリラクチドの含有量が前記範囲より多くなると、その
成形品に大きな変形を与えた場合に回復率の低下の問題
を生じるので好ましくない。一方、前記範囲より少なく
なると、成形品の軟化と回復率の低下の問題を生じるの
で好ましくない。
成形するには、ポリラクチドとポリ(ε−カプロラクト
ン)をあらかじめドライブレンドしたのち、二軸押出機
を用いて、溶融混練し、得られた高分子ブレンド組成物
を、繊維状、フィルム、シート状等の所定形状の成形体
に成形する。本発明の組成物から繊維状成形体を得るに
は、ポリラクチドの融点(Tm)である174℃以上の
温度、好ましくは、190℃から250℃の範囲で溶融
混練したのち、溶融紡糸法によって紡糸すればよい。ま
た、フィルムやシート状、パイプ状のものを得るには、
174℃以上の温度で、好ましくは、190℃から25
0℃の範囲で溶融混練したのち、押出成形法、ブロー成
形法、圧縮成形等によってフィルムやシート状、パイプ
状に成形すればよい。さらに、容器等の成形体は、17
4℃以上の温度、好ましくは、190℃から250℃の
範囲で溶融混練したのち、射出成形法等によって成形す
ればよい。
は、架橋や共重合をほどこしていないにもかかわらず、
形状記憶性にすぐれている。本発明の組成物が形状記憶
性を有する理由は、ポリラクチドからなる高融点成分
と、ポリ(ε−カプロラクトン)からなる低融点成分と
からなる高分子ブレンドにおいて、そのポリラクチドの
含有量が25重量%から95重量%の範囲である高分子
組成物は、非相溶性であって、ポリラクチドとポリ(ε
−カプロラクトン)のそれぞれの融点及びガラス転移温
度が独立して現れ、かつ、前者のガラス転移温度と後者
の融点がほぼ同じ温度にあることにある。この結果、ポ
リ(ε−カプロラクトン)の融点以上で、即ち、ポリラ
クチドのガラス転移温度以上で、その組成物から形成し
た成形物は流動することなく容易に変形し、この温度よ
り低い温度に冷やすことでその変形形状が固定できる。
再び、変形を固定した成形物を、ポリ(ε−カプロラク
トン)の融点以上、即ち、ポリラクチドのガラス転移温
度以上に加熱すると、その変形した組成物は変形前の形
状を回復することができる。本発明の組成物、さらに、
それを成形して得られた繊維、フィルム、シート、パイ
プ、容器等の各種成形物は、その形状に応じた用途、例
えば、農業、漁業用分野での締め付け具、パイプのかん
合部品、センサー、アクチュエーターに好適に利用でき
る。また、玩具や、医療分野での保護用具、ギブス、治
療用具に好適に利用できる。
する。
12〔ポリ(L−ラクチド)〕を用いた。このものの融
点は174℃で、ガラス転移温度の範囲は62℃から7
0℃であった。また、ポリ(ε−カプロラクトン)とし
て、UCC社製TONE P787を用いた。このもの
の融点(DSCのピーク温度)は64.1℃で、ガラス
転移温度は−62℃であった。両者を真空下で24時間
以上乾燥したのち、室温度でポリラクチド75重量%と
ポリ(ε−カプロラクトン)25重量%の割合でドライ
ブレンドした。この混合物を二軸押出機内で温度205
℃に加熱溶融、混練したのち、幅60mm、隙間1.0
5mmのTダイからシート状に押出し、水中で冷却後に
巻き取った。こうして得られた厚さ約1mmのシートを
長さ100mm、幅10mmに切り出し、70℃で、速
度120mm/分の速度で長手方向に35%の伸びを与
えたのち、室温に放置した。次に、この変形したシート
を70℃に保持した恒温槽に入れたところ、回復率10
0%で、変形前の寸法を回復した。
クトン)の組成比を変えた組成物から得られたシートに
70℃において与えた変形と、回復率の関係を表1に示
す。
定されたものである。 (回復率)70℃で、速度120mm/分の速度で長手
方向に伸びを与えたのち、室温に放置した。次に、この
変形したシートを長手方向の一端をはさみ、70℃に保
持した恒温槽内で、上下に5分間つるしたのち、室温に
取り出し、寸法を測定した。この場合の回復率は、次に
式により定義される。 与えた伸び = 100(L1−L0)/L0
(%) 回復率 = {1−(L2−L0)/L0}x100
(%) L0: シートの長さ L1: 変形後の長さ L2: 回復後の長さ
Claims (2)
- 【請求項1】 高分子成形体に形状記憶させる方法にお
いて、該高分子成形体として、ポリラクチドとポリ(ε
−カプロラクトン)を主成分とし、該ポリラクチドの含
有量が25重量%から95重量%の範囲である生分解性
形状記憶高分子組成物を所定形状に成形して形成された
生分解性形状記憶高分子成形体を用いるとともに、該成
形体を、該ポリ(ε−カプロラクトン)の融点以上で該
ポリラクチドの融点より低い温度で変形させることを特
徴とする生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方
法。 - 【請求項2】 形状記憶させた高分子成形体の形状を復
元させる方法において、該高分子成形体として、ポリラ
クチドとポリ(ε−カプロラクトン)を主成分とし、該
ポリラクチドの含有量が25重量%から95重量%の範
囲である生分解性形状記憶高分子組成物を所定形状に成
形して形成された生分解性形状記憶高分子成形体を用い
るとともに、該成形体を、該ポリ(ε−カプロラクト
ン)の融点以上で該ポリラクチドの融点より低い温度に
加熱することを特徴とする生分解性形状記憶高分子成形
体の形状復元方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10022616A JP2972913B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10022616A JP2972913B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209595A JPH11209595A (ja) | 1999-08-03 |
JP2972913B2 true JP2972913B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=12087782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10022616A Expired - Lifetime JP2972913B2 (ja) | 1998-01-20 | 1998-01-20 | 生分解性形状記憶高分子成形体の形状記憶方法と形状復元方法 |
Country Status (1)
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-
1998
- 1998-01-20 JP JP10022616A patent/JP2972913B2/ja not_active Expired - Lifetime
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