JPH0829579B2 - 熱硬化型樹脂化粧板の製造方法 - Google Patents

熱硬化型樹脂化粧板の製造方法

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JPH0829579B2 JP28015186A JP28015186A JPH0829579B2 JP H0829579 B2 JPH0829579 B2 JP H0829579B2 JP 28015186 A JP28015186 A JP 28015186A JP 28015186 A JP28015186 A JP 28015186A JP H0829579 B2 JPH0829579 B2 JP H0829579B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は意匠性において優れた効果を奏する熱硬化型
樹脂化粧板を簡単かつ確実に得る方法に関するもので、
特に化粧紙における印刷模様を木目模様に形成し、該木
目模様の導管部に合致するエンボスの凹部を組み合せる
ことにより、正に天然木の外観を呈する高品質感のある
熱硬化型樹脂化粧板を得る方法を提供する。
[従来の技術] 熱硬化型樹脂化粧板は例えば表面強度が優れている等
の理由で、家具,建材等において広範囲に利用されてお
り、 (1)合板等の基材上に熱硬化型樹脂を含浸した化粧紙
を載置してこれを熱圧成形に付したもの、 (2)55〜100g/m2程度の化粧紙に熱硬化型樹脂を50%
程度含浸,乾燥したシートと、フェノール樹脂含浸紙と
を熱圧積層したもの、 等がある。
[発明が解決しようとする問題点] 然して、前記従来の熱硬化型樹脂化粧板はいずれもそ
の意匠的効果が低く、高品質感を有する化粧板が得られ
ないという欠点がある。
これに対して本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法
は、立体感に富む模様を有する高品質性の熱硬化型樹脂
化粧板の製造方法であり、特に化粧紙における印刷模様
を木目模様にし、この木目模様の導管部に合致するエン
ボスの凹部を形成することにより、天然木のそのものに
酷似する品質の良好な熱硬化型樹脂化粧板が得られる。
[問題点を解決するための手段] 本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法は、ジアリル
フタレート樹脂又はメラミン樹脂による熱硬化型樹脂を
含浸した印刷模様紙からなる化粧紙と、前記印刷模様紙
に含浸させた樹脂と同系のジアリルフタレート樹脂又は
メラミン樹脂による熱硬化型樹脂を含浸した透明,半透
明,または着色透明紙からなるオーバーレイ紙と、必要
に応じて使用する離型用フィルムと、エンボス用の型板
とを、別製の化粧板基材上に順次載置し、これを熱圧成
形に付してから、前記必要に応じて使用した離型用フィ
ルムとエンボス用の型板を分離,除去することにより、
表面にエンボス凹部が形成されている熱圧成形体を得た
後、前記熱圧成形体のエンボス凹部内に、2液硬化型の
ウレタン樹脂系着色塗料を付着させるワイピング処理
と、2液硬化型のウレタン樹脂系の透明もしくは半透明
の塗料による上塗り塗装とを順次行うことにより、熱硬
化型樹脂化粧板を得る方法である。
なお、前記工程からなる本発明の熱硬化型樹脂化粧板
の製造方法においては、ワイピング処理に引き続いて、
所望に応じてサンデイングマシンによるサンデイング加
工を施すことが可能である。
また、熱硬化型樹脂を含浸したバッカー紙を化粧板基
材に使用する場合には、曲面貼加工等が可能なフレキシ
ブル特性を具備する熱硬化型樹脂化粧板が得られる。
前記本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法において
好適に使用される化粧板基材は、坪量50〜200g/m2のク
ラフト紙に例えばジアリルフタレート樹脂,フェノール
樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキ
シ樹脂あるいはこれらの樹脂の2種以上の混合樹脂等
を、30〜50%程度含浸させた熱硬化型樹脂含浸紙からな
るバッカー紙であるが、その他に、合板,パーテイクル
ボード,ハードボード,インシュレーションボード等の
木質系基材も使用し得る。
化粧板として使用する印刷模様紙は、坪量23〜150g/m
2特に35〜100g/m2のパルプシートが好ましく、含浸用樹
脂の樹脂含浸特性の点から多孔性かつ吸湿性でしかも湿
潤強度の高いものが好ましい。特に不透明性と美麗な着
色模様が得られるという理由で、酸化チタンやその他の
顔料が充填されているパルプシートが使用されることが
多い。
印刷模様紙における印刷模様は、例えば、グラビア印
刷,オフセット印刷,グラビアオフセット印刷,シルク
スクリーン印刷等の通常の印刷手段で形成される。ま
た、前記印刷模様を形成するための印刷インキについて
の制限は特にないが、グラビア印刷インキ,グラビア・
オフセット印刷インキ,オフセット印刷インキ,凸版印
刷インキ,シルクスクリーン印刷インキ等が、印刷手段
に合せて使用される。印刷インキ中にベヒクルについて
も特に制限は無いが、エチルセルロース,ニトロセルロ
ース,エチルヒドロキシエチルセルロース,セルロース
アセテートプロピオネート,酢酸セルロース,酢酪酸セ
ルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン,ポリα
・メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル
酸エチル,ポリアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチ
ル等のアクリル系樹脂,ロジン,ロジン変性マレイン酸
樹脂,ロジン変性フェノール樹脂,重合ロジン等のロジ
ンエステル樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,クマロン樹脂,
ビニルトルエン樹脂,塩化ビニル樹脂,ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂,ブチラール樹脂,ポリアミド樹
脂,塩酢ビ共重合樹脂,シェラック,ロジン,アラビア
ゴム,アルカロイド,マスチック等の天然樹脂等が利用
される。
また、オーバーレイ紙には、ジアリルフタレート樹脂
又はメラミン樹脂による熱硬化型樹脂を含浸,乾燥,硬
化した状態で透明,半透明,または着色透明となる紙が
利用され、酸化チタン等の充填剤を全く含有しないかあ
るいはせいぜい6〜7重量%以下に制限されているもの
が使用される。好適には、坪量20〜80g/m2程度の含浸用
紙,透明紙,リンター紙等が使用される。
前記印刷模様紙やオーバーレイ紙に含浸させる熱硬化
型樹脂には、ジアリルフタレート樹脂又はメラミン樹脂
を使用する。そして、印刷模様紙とオーバーレイ紙とに
は同系の樹脂を含浸させる。
オーバーレイ紙上に必要に応じて当接する離型用フィ
ルムは、一般的には厚さ6〜50μのポリエステル,ポリ
プロピレン等のプラスチックフィルムである。
さらに、エンボス用の型板は所謂エンボス版であり、
例えば、ステンレススチール板や鋼板等にエッチング法
や電鋳法によって凹凸を形成した金属製エンボス版や、
金属版や木材等から型取りした合成樹脂製エンボス版等
が使用される。特に後者の合成樹脂製エンボス版におい
ては、紙,布,ガラス繊維布,不織布等による補強材で
補強した樹脂含浸エンボス版が好適である。
本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法における熱圧
成形工程は、平板プレスまたはロールプレスによるプレ
ス成形工程であり、一般的には、温度120〜150℃,圧力
10〜20kg/cm2,時間10〜30分程度の条件による熱圧成形
後、10〜30分程度の冷却を行なう。
熱圧成形体の表面に形成されているエンボス凹部内に
着色塗料を付着させるワイピング処理は、2液硬化型の
ウレタン樹脂をベヒクルとする着色塗料によって行な
い。一般的にはドクターブレード方式やロールコート方
式等によって実施する。
ワイピング処理後の上塗り塗装は、2液硬化型のウレ
タン樹脂系のクリヤーもしくは着色塗料を、例えば、ス
プレ方式,ロールコート方式,フローコート方式等で行
なう。
[実施例] 以下、本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法の具体
的な構成を実施例を以って説明する。
実施例1 (1)化粧板基材 坪量140g/m2のクラフト紙にジアリルフタレート樹脂4
0重量%を含浸,乾燥させたバッカー紙。
(2)化粧紙 坪量80g/m2のパルプシート[(株)興人製:PM−40]
の表面に、酢酸セルロース樹脂系の印刷インキによるグ
ラビア2色刷り印刷にて木目模様を付した後、ジアリル
フタレート樹脂を70g/m2に含浸,乾燥させたシート。
(3)オーバーレイ紙 坪量22g/m2の含浸用紙[(株)興人製:OL]にジアリ
ルフタテート樹脂を20〜30g/m2に含浸,乾燥させたシー
ト。
(4)離型用フィルム 厚さ20μのポリプロピレンフィルム。
(5)エンボス用の型板 エッチング工程によって前記化粧シートにおける木目
模様の導管部に相応する部分を凸状に形成した金属製の
エンボス版。
前記各素材,離型用フィルムおよびエンボス用の型板
を順次積み重ね、これを、平型プレス機にて、130℃,15
kg/cm2,15分間の条件による熱圧成形後、冷却し、さら
に離型用フィルムとエンボス用の型板とを分離,除去す
ることにより、表面に凹部を有する熱圧成形体を得た。
しかる後に、前記得られた熱圧成形体の表面を、2液
硬化型のウレタン樹脂系着色インキによるロールコータ
ー法にてワイピング処理に付し、さらに、表面の凹部以
外の部分にかぶったインキを拭き取り、次いで、#400
のサンドペーパーによるサンデイング加工(平滑表面加
工)に処した後、引き続いて2液硬化型のウレタン樹脂
系塗料を10g/m2の割合にスプレー塗装して目的製品であ
る熱硬化型樹脂化粧板を得た。
得られた熱硬化型樹脂化粧板は、曲面貼り加工し得る
フレキシブル性を有しており、曲面形状を呈する基材へ
のポストフォーム加工やエッジ材としての用途に極めて
好適であり、しかも木目模様の導管部と非導管部との間
のメリハリが顕著で、天然木の外観に酷似した高意匠特
性を有するものであった。
実施例2 厚さ4mmの合板基材を化粧基材として利用する以外は
全て前記実施例1と同様の素材,離型用フィルム,エン
ボス用の型板を利用し、同様の工程を実施して目的製品
である熱硬化型樹脂化粧板を得た。
得られた熱硬化型樹脂化粧板は家具や建材等の表面材
としての用途に極めて好適であ、高品質感を呈する意匠
特性を有するものであった。
[作用および効果] 本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法は、熱硬化型
樹脂化粧板を得るためのプレス工程と同時にエンボスの
凹部を形成するものであり、かつエンボスの凹部を2液
硬化型のウレタン樹脂系着色塗料で着色し、しかもエン
ボスの凹部の上を被覆する上塗り塗装を行なった熱硬化
型樹脂化粧板を得るものである。
従って、本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法にお
いては、得られる化粧板に表現されている模様に立体感
が現出されており、意匠特性,品質特性において優れた
作用,効果を奏する熱硬化型樹脂化粧板が、簡単かつ確
実に得られる。
また、本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法におい
ては、化粧板基材上に、ジアリルフタレート樹脂又はメ
ラミン樹脂による熱硬化型樹脂を含浸した印刷模様紙か
らなる化粧紙と、前記印刷模様紙に含浸させた樹脂と同
系のジアリルフタレート樹脂又はメラミン樹脂による熱
硬化型樹脂を含浸した透明,半透明,または着色透明紙
からなるオーバーレイ紙とを順次重ね合せて熱圧成形し
ているので、これらの含浸樹脂による特性に基づいて、
特に優れた耐熱性を有する熱硬化型樹脂化粧板が得られ
る。
更に本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法において
は、熱圧成形体のエンボス凹部内を着色する塗料、及び
ワイピング処理後の上塗り塗装に、2液硬化型のウレタ
ン樹脂系の塗料を使用しているので、下地に対する該塗
料による密着性がよく、しかも耐溶剤性に優れた熱硬化
型樹脂化粧板が得られる。
更に又、本発明の熱硬化型樹脂化粧板の製造方法にお
いて、熱硬化型樹脂を含浸したバッカー紙を化粧板基材
として利用する場合には、曲面貼り加工が可能なフレキ
シブル特性を有する熱硬化型化粧板が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化粧板基材上に、ジアリルフタレート樹脂
    又はメラミン樹脂による熱硬化型樹脂を含浸した印刷模
    様紙からなる化粧紙と、前記印刷模様紙に含浸させた樹
    脂と同系のジアリルフタレート樹脂又はメラミン樹脂に
    よる熱硬化型樹脂を含浸した透明,半透明,または着色
    透明紙からなるオーバーレイ紙とを順次重ね合せ、更に
    その上面にエンボス用の型板を載置して熱圧成形に付
    し、次いで、前記エンボス用の型板を分離,除去するこ
    とにより、表面にエンボス凹部が形成されている熱圧成
    形体を得た後、該熱圧成形体のエンボス凹部内に、2液
    硬化型のウレタン樹脂系着色塗料を付着させるワイピン
    グ処理と、2液硬化型のウレタン樹脂系の透明もしくは
    半透明の塗料による上塗り塗装とを順次行うことを特徴
    とする熱硬化型樹脂化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】化粧板基材が、熱硬化型樹脂が含浸されて
    いるバッカー紙である特許請求の範囲第1項記載の熱硬
    化型樹脂化粧板の製造方法。
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化粧板ハンドブックP.111〜118,154〜156編集兼発行者竹澤尚司新建材研究所昭和48年10月30日発行

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