JPH08295643A - 含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、その製造法およびそれを用いたポリエステルの製造法 - Google Patents

含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、その製造法およびそれを用いたポリエステルの製造法

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JPH08295643A
JPH08295643A JP12587495A JP12587495A JPH08295643A JP H08295643 A JPH08295643 A JP H08295643A JP 12587495 A JP12587495 A JP 12587495A JP 12587495 A JP12587495 A JP 12587495A JP H08295643 A JPH08295643 A JP H08295643A
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dmh
water
propanediol
ethyl
butyl
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Atsushi Takahashi
厚志 高橋
Toru Kurabayashi
徹 倉林
Masahiro Yokota
正浩 横多
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水が均一に分散した含水2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、その製造法を提供す
ること、及びこれを用いた作業性に優れたポリエステル
の製造方法を提供すること。 【構成】 水の含有量が0.5〜7.5重量%であり、
含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、及びその製造法、更に、含水2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール単独もしくはこれを含む
多価ヒドロキシ化合物と脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基
酸、芳香族二塩基酸もしくはこれらのエステルの1種類
以上を主成分とする多価カルボン酸化合物を反応させて
得られることを特徴とするポリエステルの製造方法より
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、その製造法および
それを用いたポリエステルの製造方法に関する。詳しく
は均一組成である液状の含水2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオールとこれを用いることで作業性
とコスト面を改善したポリエステルの製造方法に関す
る。
【従来の技術】
【0002】 (Rm、Rn:炭素数2以上の脂肪族炭化水素基)で示さ
れるジメチロールアルカンの中でも2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオールは、可塑剤、潤滑剤お
よび工業用中間体等の原料として、さらにアルキッド樹
脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびメラミン樹脂等に代
表される樹脂の構成成分もしくは樹脂改質剤として利用
される。
【0003】2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオールはその誘導体が優れた物性を有するために注
目され、最近その生産規模を拡大しつつある。その具体
的な誘導体の応用例として、耐加水分解性に優れるウレ
タン樹脂用ポリエステルポリオール(特公平5−572
86号公報)、熱融着性複合繊維用変性ポリエステル
(特開平4−139212号公報)、制振性接着剤組成
物(特開平4−261490号公報、特開平6−220
150号公報)および塗装性と耐腐食性に優れた塩化ビ
ニル樹脂系シーリング材用ポリエステル可塑剤(特願平
5−311366号公報)等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールは室温近
傍に於いて固体の塊状でありその取扱いが困難であっ
た。従って、塊を粉砕して粉・フレーク状または加熱し
て溶融液状にした後に反応容器に投入する必要があっ
た。この様に粉・フレーク状または溶融液状にすること
は反応の微調整投入時または大量仕込時には避けられな
い作業であった。2−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオールの粉砕作業は多くの労働力と時間を要
し、しかも作業効率が悪かった。粉砕用設備を投資する
ことはコストの増大をもたらし問題であった。また、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールは融
点が43℃と室温に近いためにこの粉砕品は自重または
比較的暖かな室温付近で軟化し、容易にブロッキング等
を生じたり、一旦、粉砕して得られた粉が長時間維持で
きず、再び塊を形成するなどした。2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオールの加熱作業にはスチー
ムまたは電気炉による極めて高温の熱源と密閉保温性に
優れた容器および加熱溶融設備を必要とし、これらには
多大なる設備投資費がかかる。また2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオールを長期間高温保存する
と保存環境によって熱分解が懸念される。また、2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールの固化を
防ぐためにエチレングリコール等の凝固防止剤を添加す
る方法もあるが、2−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール誘導体製品の品質低下を引き起こす可能
性がある。
【0005】ポリエステルを製造する際に作業効率、品
質および設備投資等のコスト面の問題点を考慮すると、
室温近傍の比較的低温でも液状を維持できる2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオールの存在が好ま
しく、これを用いたポリエステルの製造方法が望まれて
いた。本発明者らは鋭意研究した結果、特定比率の水と
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールか
ら調製した液状の含水2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオールとこれを用いたポリエステルの製造
方法が上記の課題に対して優れた効果があることを見い
出し本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次の
構成より成る。 (1)水の含有量が0.5〜7.5重量%である含水2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール。 (2)43〜90℃の温度で2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオールと水を混合することを特徴と
する水の含有量が0.5〜7.5重量%である含水2−
ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールの製造
法。 (3)請求項1に記載された含水2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール単独もしくはこれを含む
多価ヒドロキシ化合物と脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基
酸、芳香族二塩基酸もしくはこれらのエステルの1種類
以上を主成分とする多価カルボン酸化合物を反応させて
得られることを特徴とするポリエステルの製造方法。
【0007】本発明の詳細を以下に記載する。最初に本
発明である含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオールについて説明する。本発明の含水2ーブチ
ルー2ーエチルー1,3ープロパンジオールは液体の時
も、或いは冷却して固体であるときも二層に分離するこ
となく均一状態を保っている。従って、ハンドリングが
容易であるばかりではなく、後述する多くの長所を持っ
た組成物である。含水2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオールに使用される水としては普通の水で
構わないが、好ましくは蒸留水やイオン交換処理による
純水が挙げられる。純水に関して、水素イオン濃度が
6.0〜7.5、電気伝導度が25℃で5×10-6Ω-1
cm-1以下、ナトリウムが0.05ppm以下、塩素化
物イオンが0.05ppm以下、シリカ濃度が0.05
ppm以下であることが望ましい。好ましくは水素イオ
ン濃度が6.9〜7.1、ナトリウムが0.01ppm
以下、塩素化物イオンが0.01ppm以下、電気伝導
度が25℃で3.5×10-6Ω-1cm-1以下、シリカ濃
度が0.02ppm以下であり、より好ましくは水素イ
オン濃度が6.95〜7.05、電気伝導度が0.5×
10-6Ω-1cm-1以下、ナトリウムが0.001ppm
以下、塩素化物イオンが0.001ppm以下、シリカ
濃度が0.01ppm未満であることが望ましい。
【0008】水素イオン濃度が7近傍にないと2−ブチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(以下、D
MHと略記する)が分解や反応を起こしてDMHの純度
を低下させる。電気伝導度、ナトリウムおよび塩素化物
イオン濃度が上限値を越えると含水DMHが酸等と反応
する際に、ナトリウムイオン、塩素化物イオンおよび各
種イオンが反応を阻害する可能性が大きくなる。シリカ
濃度が上限値を越えると含水DMHの反応性を阻害する
他に含水DMHを長期間にタンクに保存するとスラッジ
が発生して導管部の詰まりやポンプ故障の原因につなが
る。含水DMHに使用されるDMHは市販品で構わな
い。
【0009】該含水DMHの製法は43℃以上90℃以
下の不活性ガス雰囲気下にDMHを準備して完全溶解さ
せた後に、上記の水をDMHに対し0.5重量%以上
7.5重量%以下、好ましくは0.8重量%以上6.0
重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上5.0重
量%以下注入し攪拌することで行われる。他に含水DM
Hは水とDMHを準備した後に両者を同時に加熱して上
記の方法に準じて調製しても構わないし、水または加熱
された水に対しDMHまたは溶融したDMHを入れて上
記方法に準じて含水DMHを調製しても構わない。更に
本発明の含水DMHは攪拌を続けて、必要に応じて超音
波処理およびバブリング処理も施されることでより一層
透明で均一な液体となる。含水DMH製造時の加熱温度
が43℃未満の場合、DMHは完全に溶解せずに固体の
ままとなり均一組成の液状にならず、90℃を超えると
水蒸気の発生が激しくなり水濃度の制御が困難となるだ
けでなくDMHの熱分解も懸念される。
【0010】DMHに対する含水率は下限値未満になる
と各温度でDMH単独と含水DMHに形状の有意差がな
くなると共に凝固点の低下が不十分であり、融解熱量の
低下も不十分である。そして、上限値(7.5重量%)
を越える量の水を添加しても凝固点及び融解熱量の低下
の度合いが小さくなり、その効果が薄れてくる(図1参
照)。また、各含水率において本発明の含水2ーブチル
ー2ーエチルー1,3ープロパンジオール回転粘度の温
度依存性が小さく、且つ回転粘度の値も無水物のそれに
比して小さく、ハンドリングが容易であることを示して
いる。無水のDMHの場合は40℃で固化して粘度測定
不可能であった(図3参照)。更に、本願発明の組成物
は常温近くの温度で長時間放置しても含水率が変化せ
ず、安定な組成物であるのに反して、本願発明の範囲を
越える範囲の含水率の組成物は経時的にその組成が顕著
に変化していることが明かである(図4参照)。水と2
ーブチルー2ーエチルー1,3ープロパンジオールを混
合する場合に、攪拌は攪拌効率の良い羽根形状で50m
in-1以上の回転が望ましく、攪拌時間は10分以上で
あることが好ましい。攪拌終了後、超音波処理およびバ
ブリング処理を行う事が好ましい。超音波の周波数は1
5Hz以上220MHz以下のときに均一液体となる妥
当な範囲である。バブリングは下方にある多数の極小の
穴から不活性ガスを噴出される事が望ましい。超音波お
よび不活性ガスのバブリングは攪拌処理と併用しても構
わない。不活性ガスとしては窒素、ヘリウムおよびアル
ゴンがあり、経済面から工業的に窒素が好ましい。
【0011】本発明の含水2ーブチルー2ーエチルー
1,3ープロパンジオールは容器内25〜90℃、好ま
しくは40〜60℃の保温下において請求範囲の含水率
では如何なる容器に於いても油層と水層に分離する事無
く、均一な液状を維持できるのである。また、図1の含
水率と凝固点の関係が示すように本発明の含水DMHは
その含水率を知る事で保存容器の適切な温度を設定する
事が可能であり、逆に保存容器の温度が決まっている場
合、それに応じて含水DMHの含水率を調製する事も可
能になり製造者の意図する通りに均一組成の含水DMH
を容器内で保存できる。本発明の含水DMHが如何なる
容器に於いても均一組成で保存可能であるために、設備
面として容器に攪拌装置や外部循環装置が特に必要な
く、容器の如何なる部位から抜き出しても一様な含水率
の含水DMHを得る事ができ、特に多く用いられる下方
抜き出し容器で十分である。
【0012】上記したとおりに製造された本発明の含水
DMHはその含水率に応じ、25℃より高く、流動性を
有する温度に容器中に保存されて、必要に応じて、例え
ば大量生産初期仕込み時または最終段階の微量調整仕込
み時に必要量投入される。容器保存中は、不活性ガス雰
囲気もしくは不活性ガス濃度50vol%以上の雰囲気
が好ましく、容器の設備としては攪拌設備や循環ポンプ
設備がある方が好ましい。また、使用しないときには、
容器内の温度が凝固点以下になっても、水とDMHは分
離することなく、均一性を保っており、再加熱すること
により再び均一な溶液を得ることが出来る。更に、本発
明の含水2ーブチルー2ーエチルー1,3ープロパンジ
オールは冷却されて一旦固化しても、その融解熱量が無
水のものの場合に比して、小さいため熱量を削減するこ
とが出来る。
【0013】 含水DMHはその保存温度が前
記下限値を下回ると輸送時に凝固して配管閉塞する懸念
があり好ましくない。また、上限値より高い場合、温度
が高くなるにつれ、DMHが熱分解し易くなり、且つ水
分が蒸発し易く成るなどの問題があるため、必要最小限
の加熱が好ましく、50〜60℃以下で充分である。本
発明に使用される含水DMHの水濃度範囲における凝固
点から適切な保存容器温度を設定することで品質の良い
含水DMHの長時間保存を可能とし、必要に応じて、直
ちに液状として目的装置へ必要量輸送することができ
る。かくして、製造後に保存された本発明の含水DMH
はその特長を生かしてポリエステルの原料に利用され
る。
【0014】本発明である含水DMHが優れた液状を維
持できる理由は必ずしも明確ではないが、溶融したDM
H分子の間に水分子が所々に入り込んで新たに緩やかな
水素結合を形成し、DMH間の強い水素結合を切断した
ために室温近くでも液状を維持できると予想される。特
に90℃以下に於いて、含水DMH内の一定量の水はD
MHと強く結合しているために一様な組成の含水DMH
を維持できると考えられる。
【0015】次に本発明の含水DMHを用いたポリエス
テルの製造方法について説明する。まず、製造に使用さ
れる含水DMH以外の原料および触媒について触れる。
本発明のポリエステル製造方法において含水DMHのう
ちのDMHが好ましくは全多価ヒドロキシ化合物の30
重量%以上、より好ましくは50重量%以上使用される
が、他に以下に示す多価ヒドロキシ化合物を一緒に使用
しても構わない。エチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルペンタ
ンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
二価の脂肪族および脂環式ジオール類が好ましく用いら
れ、三価以上のヒドロキシ化合物としてはトリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペン
タエリスリトールを挙げることができる。これらのうち
でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,
3−プロパンジオール、3−メチルペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレング
リコールが好ましく、更に、2,2−ジエチル−1,3
−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−
1,3−プロパンジオールが特に好ましい。これら多価
ヒドロキシ化合物の種類と含水DMHに対する割合は目
的によって変えることができる。
【0016】本発明のポリエステル製造法に使用される
多価カルボン酸化合物について、脂肪族二塩基酸として
はシュウ酸、マロン酸、サクシン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸が挙げられ、脂環式二塩基酸としては1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸が挙
げられ、さらに芳香族二塩基酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、オルソフタル酸、無水フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸等が特に好ましい。5−メチ
ルイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、更に1,2−
ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、ビス(4−カ
ルボキシフェニル)スルフォン、ビスフェニルジカルボ
ン酸およびビス(4−カルボキシフェニル)オキサイド
等のジカルボン酸や、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸等の多価カルボン酸等も使用できる。必要に応
じて、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、
イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル等の芳香
族ジカルボン酸エステルも好適に使用される。これらの
うちでも、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、
イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチルが好まし
く、更に、アジピン酸、セバシン酸、1,4ーシクロヘ
キサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等が特に好
ましい。これら多価カルボン酸化合物の組み合わせは任
意に選択でき、目的に応じてその割合を変えることがで
きる。
【0017】触媒としては特に限定されないが、モノブ
チル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫
ラウレ−ト、ジブチル錫アセテ−ト、トリブチル錫ヒド
ロキサイド、第一酸化錫等の錫化合物、テトラメチルゲ
ルマニウム、テトラフェニルゲルマニウム、トリメチル
ゲルマニウムクロライド、酸化ゲルマニウム等のゲルマ
ニウム化合物、ステアリン酸鉛、テトラエチル鉛、テト
ラフェニル鉛、酸化鉛等の鉛化合物、酢酸マンガン、酢
酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸アンチモン、酢酸マグネ
シウム、酢酸アルミニウム、酢酸コバルト、酢酸セシウ
ム、三酸化アンチモンを例示できるが、必要に応じてモ
ノブチル錫トリクロライド、ジブチル錫ジクロライド、
ジブチル酸化チタン、チタンテトラブトキシドあるいは
硫酸やパラトルエンスルフォン酸等を挙げることが出来
る。他に公知のものを使用して構わない。
【0018】以下に本発明の含水DMHを用いたポリエ
ステルの製造方法について記す。製造方法としては一段
反応と二段反応が好ましく利用される。一段反応はエス
テル化反応またはエステル交換反応と重合反応を同時に
終結させる方法であり、二段反応はエステル化反応また
はエステル交換反応と減圧重合反応を分けて行う方法で
ある。本発明者らの検討の結果、反応時間の短縮、高分
子量ポリエステルの製造し易さを考慮すると本発明の反
応としては二段反応させることがより好ましい。
【0019】つまり、二段反応は第1段階で過剰量含ん
だ多価ヒドロキシ化合物(以下、ヒドロキシ化合物と略
記する)に対して多価カルボン酸化合物(以下、酸化合
物と略記する)を理論量の80%以上、好ましくは85
%以上、より好ましくは90%以上反応させエステルオ
リゴマーを得て、第2段階で過剰なヒドロキシ化合物を
除去しつつ該エステルオリゴマーを重合させてポリエス
テルを得ることができる。脂肪族二塩基酸,脂環式二塩
基酸もしくは芳香族二塩基酸を含む酸化合物またはこれ
らの混合物の総酸化合物成分1モルに対して、含水DM
Hを含む総ヒドロキシ化合物成分を1.05〜4モル
で、好ましくは総ヒドロキシ化合物成分を1.2〜2モ
ルの比率で反応させる。総ヒドロキシ化合物の濃度が上
限を超えると反応容器が不要に大きくなり、下限未満の
場合は水またはアルコールの副生物とともにヒドロキシ
化合物が流出し、酸化合物とのバランスを崩し目標分子
量未達成と反応速度を低下させる。
【0020】触媒は通常の方法で使用される。好ましく
は上記の触媒の中から任意に選択して必要量加えて反応
温度を80℃以上290℃以下で、好ましくは130℃
以上220℃以下で反応させる。80℃未満では触媒活
性が実質上発現できず、290℃を超えるとDMHが分
解して着色しやすくなるだけでなく触媒種によっては触
媒自体の熱分解も起こる。
【0021】本発明に於いて触媒の添加時期は初期の原
料仕込み工程、加熱昇温工程、反応工程の何れでも良い
が、エステル化反応またはエステル交換反応の始まる温
度以前に仕込まれていることが好ましい。触媒の仕込み
方法は一括仕込みでも逐次少量ずつ仕込んでも構わな
い。本発明の含水DMHを用いたポリエステルの製造方
法における酸化合物と含水DMHを含むヒドロキシ化合
物の仕込み順番は何れが先でも良い。酸化合物とヒドロ
キシ化合物の仕込み方法は一括であっても逐次少量ずつ
加えても構わない。仕込み時期はエステル化反応または
エステル交換反応の始まる以前の加熱前、加熱昇温中の
何れの工程であっても構わない。
【0022】本発明のエステル化反応またはエステル交
換反応は窒素、アルゴンおよびヘリウムの不活性ガス雰
囲気で行う事が好ましく、工業的には窒素ガスが特に好
ましい。空気中の反応はDMHの熱分解が生じて着色
し、他の原料も熱分解が助長され好ましくはない。この
第1段階は常圧において0.5〜50時間行い、次いで
第2段階は減圧環境で反応を進めて最終30Pa以下で
0.5〜10時間反応させる。これらの各段階の反応は
連続的に行われても、不連続に行われても構わない。更
に必要に応じて、熱安定剤を添加する事が出来る。熱安
定剤として、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニルな
どのリン酸化合物、イルガノックス1010等のヒンダ
ードフェノール系化合物をを挙げる事が出来る。
【0023】本発明の含水DMHを用いたポリエステル
の製造方法は二段反応の代わりに一段反応でも良い。一
段反応は酸化合物と含水DMHを含むヒドロキシ化合物
を逐次反応させ、理論量の90%以上、好ましくは95
%以上反応させることでポリエステルが得られる。仕込
まれるヒドロキシ化合物量は酸化合物に対する設定量の
1.01モル倍以上1.2モル倍以下、好ましくは1.
05モル倍以上1.1モル倍以下が好ましい。1.01
モル倍未満では反応中に未反応ヒドロキシ化合物が多量
に流出して設定量バランスを崩す可能性が高く、1.2
モル倍以上では未反応のヒドロキシ化合物が長時間加熱
で分解したり、酸化合物とのバランスを崩し目標分子量
にならない。一段反応の反応条件は二段反応のそれに準
じるが、反応温度として150℃〜290℃、好ましく
は180℃〜230℃であり、反応時間として1時間〜
90時間が妥当である。さらに300Pa以下で1〜3
時間減圧処理し低沸の不純物を除去することが好まし
い。
【0024】何故今日までポリエステルの製造方法に本
発明である含水DMHを用いたポリエステルの製造法を
利用しなかったか、その理由を正確に把握しているわけ
ではないが、以下のように推測する。酸化合物とヒドロ
キシ化合物はエステル化反応またはエステル交換反応し
てエステルに合成されるが、反応を進めるために副生成
物の水やアルコールを反応系外に取り除く必要がある。
水の存在は反応を阻害し余計なエネルギーを必要とする
ために、ポリエステルの製造に含水DMHを使用しなか
ったと考えられる。また、多量の水の存在下でエステル
の加水分解が生じ易くなり品質の良いポリエステルを得
難いと考えられていたためと思われる。本発明の製造法
は作業性を向上させただけでなく、反応中に容易に水を
除去することができ、製造されたポリエステルの品質も
従来品と変わらない外観、組成および分子量を示した。
【0025】
【実施例】次に実施例及び比較例で本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。本文中、実施例および比較例中に示された含水D
MHおよび含水DMHを用いたポリエステルの物性測定
と実験装置準備は以下の通り行った。
【0026】1.物性測定 (1)酸価測定 JIS−K0070に準じてポリエステルの酸価を測定
した。 (2)水酸基価測定 JIS−K0070に準じてポリエステルの水酸基価を
測定した。 (3)分子量測定 日本分光株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ)を使用してテトラヒドロフラン1.0m
l/minの流量でポリエステルの分子量を測定し、ポ
リスチレン標準液で分子量換算した。 (4)含水率測定 京都電子工業株式会社製カールフィツシャー水分計MK
A−3Pを使用してJIS−K0068に準じて含水D
MHの水分を測定した。 (5)凝固点測定 0℃〜100℃に制御できる恒温水槽、標準温度計、二
重試験管等を準備し、JIS−K0065に準じて含水
DMHの凝固点を測定した。 (6)融点、融解熱量およびガラス転移点測定 セイコー電子工業株式会社製示差走査型熱分析器(DS
C)を使用してJIS−K7121に準じてポリエステ
ルの融点およびガラス転移点を測定した。融解開始点と
融解終了点を結ぶ直線及び融解ピーク曲線で囲まれた面
積から融解熱熱量を求め、これを単位質量当たりの値に
換算して、含水DMH及びDMHの融解熱量を求めた。 (7)回転粘度 東京計器(株)製E型回転粘度計を使用して含水DMH
及びDMH3ccを用いて、各温度で測定した。 (8)ポリエステルの成分のモル比分析 核磁気共鳴スペクトル測定におけるプロトン強度曲線か
らポリエステルの酸化合物およびヒドロキシ化合物の成
分モル比を算出した。
【0027】2.合成実験装置 本発明の製造法に関する装置図を図2に示す。この装置
は合成実験に使用された代表例であり、本発明はこれに
限定されない。
【0028】3.製造仕込みおよび重合実験例 含水DMHの製造法とポリエステル原料の反応容器への
移送について観察および測定した後に以下の重合実験を
行った。
【0029】(実施例1)固体塊状DMH98.0kg
に対し水2.0kgを窒素雰囲気である加熱保温容器に
投入し70℃で30分間攪拌して均一組成の含水DMH
100.0kgを製造して貯蔵した。貯蔵された含水D
MHの含水率は1.9重量%の均一組成と測定された。
測定後に直ちに攪拌と加熱を一昼夜止めた、この日の容
器を取り巻く外気の最低気温は1℃であった。翌日の含
水DMHの含水率は1.9重量%で前日と変わらなかっ
た。この含水DMHを循環ポンプで循環させつつ、含水
DMHを30℃まで徐冷してその循環の様子を観察し
た。この観察の様子を表1に示した。表1で含水DMH
が流れる場合に○、時々詰まる場合に△、詰まる場合に
×と記した。次に含水DMHを30℃から50℃とし
た。50℃に保たれた含水DMH29.43kgを50
℃に保ち循環ポンプを使用して1000kg/hの流速
にて1.77分間で反応容器に送り込んだ。一方、反応
容器のホッパーよりテレフタル酸ジメチル(以下、DM
Tと略記する)粉を312.61kgを投入し、さらに
触媒として酢酸亜鉛0.2kgと三酸化アンチモン0.
1kg加えた後に反応容器も窒素雰囲気とした。これら
の反応は200〜205℃で2時間加熱してメタノール
と水を合計11.37kg除去し、次いでエチレングリ
コール(以下、EGと略記する)を182.61kg注
入して5時間反応させて91.66kgのメタノールと
水を除去した。さらに、250〜260℃で0.5時間
加熱した後、反応容器を減圧して最終35Paとし4時
間反応させ過剰なヒドロキシ化合物を97.60kgを
留去しながら重合してポリエステルを323.98kg
を得た。得られたポリエステルの水酸基価、分子量測
定、成分モル比、ガラス転移点および融点を測定した結
果を表2に示した。
【0030】(実施例2)固体塊状DMH97.0kg
に対し水3.0kgを窒素雰囲気である加熱保温容器に
投入し70℃で30分間攪拌して均一組成の含水DMH
100.0kgを製造して貯蔵した。貯蔵された含水D
MHの含水率は3.0重量%の均一組成と測定された。
測定後に直ちに攪拌と加熱を一昼夜止めた、この日の容
器を取り巻く外気の最低気温は5℃であった。翌日の含
水DMHの含水率は3.0重量%で前日と変わらなかっ
た。この含水DMHを循環ポンプで循環させつつ、含水
DMHを30℃まで徐冷してその循環の様子を観察し
た。観察の様子を表1に示す。次に含水DMH39.7
7kgを50℃に保ち循環ポンプを使用して1000k
g/hの流速にて2.39分間で反応容器に送り込ん
だ。一方、反応容器のホッパーよりアジピン酸(以下、
AAと略記する)粉を29.21kgを投入し、さらに
触媒として三酸化アンチモン0.05kg加えた後に反
応容器も窒素雰囲気とした。目標分子量2000のポリ
エステルを得るために、窒素雰囲気の常圧下190℃〜
200℃で5時間エステル化反応を行って、水8.41
kgとDMH1.82kg除去し、ポリエステルとし
た。得られたポリエステル58.30kgの酸価、水酸
基価および分子量を測定して表3に示した。
【0031】(実施例3)実施例1と同様に準備した含
水DMHを観察し結果を表1に示した。さらに含水DM
Hの温度を7℃まで冷却した後、流動性をもつように5
0℃とした。含水DMHの含水率は1.9重量%と測定
された。測定後に直ちに攪拌と加熱を一昼夜止めた、こ
の日の容器を取り巻く外気の最低気温は2℃であった。
翌日の含水DMHの含水率は1.9重量%で前日と変わ
らなかった。含水DMH509.58kgを循環ポンプ
を使用して1000kg/hの流速で30.57分間で
反応容器に送り込んだ。一方、反応容器のホッパーより
テレフタル酸(以下、TPAと略記する)粉を332.
25kgを投入し、さらに触媒としてジブチル錫オキサ
イド0.60kg加えた後に反応容器も窒素雰囲気とし
た。目標分子量5000のポリエステルを得るために、
200℃〜205℃で5時間加熱して水92.36kg
を除去した後、同温度で反応容器を減圧して最終35P
aとして4時間反応させて過剰なDMHを150.04
kg留去しながら重合してポリエステルとした。得られ
たポリエステル599.38kgの酸価、水酸基価およ
び分子量を測定して表3に示した。
【0032】(比較例1)固体塊状DMH100.0k
gを窒素雰囲気である加熱保温容器に投入し70℃で3
0分間加熱し完全溶融して貯蔵した。貯蔵されたDMH
の含水率は0.05重量%の均一組成と測定された。こ
のDMHを循環ポンプで循環させつつ、DMHを30℃
まで徐冷してその循環の様子を観察した。観察の様子を
表1に示した。次に50℃に昇温して流動性を保つよう
にした。50℃に保たれたDMH28.85kgを循環
ポンプを使用して1000kg/hの流速で1.74分
間で反応容器に送り込んだ。一方、反応容器のホッパー
よりDMT粉を312.64kgを投入し、さらに触媒
として酢酸亜鉛0.2kgと三酸化アンチモン0.1k
gを加えた後に反応容器を窒素雰囲気とした。これらの
反応は200〜205℃で2時間加熱してメタノールを
10.88kg除去し、次いでEGを182.61kg
注入して同温度で5時間反応させて91.52kgのメ
タノールを除去した。さらに、250〜260℃で0.
5時間加熱した後、反応容器を減圧して最終35Paと
し4時間反応させ過剰なヒドロキシ化合物を97.61
kgを留去しながら重合してポリエステルを323.9
9kgを得た。得られたポリエステルの水酸基価、分子
量測定、成分モル比、ガラス転移点および融点を測定し
た結果を表2に示した。
【0033】(比較例2)固体塊状DMH85.0kg
に対し水15.0kgを窒素雰囲気である加熱保温容器
に投入し70℃で30分間攪拌して均一組成の含水DM
H100.0kgを製造して貯蔵した。貯蔵された含水
DMHの含水率は5回の測定で9.1〜17.8重量%
と測定された。この含水DMHを循環ポンプで循環させ
つつ、含水DMHを25℃まで徐々に冷却してその循環
の様子を観察した。観察の様子を表1に示す。含水DM
Hは何れの温度においても液状であったが、輸送時に液
に懸濁を認めDMH単独の計量が不可能であった。液状
サンプルとして取り出して静置したところ、液は油層と
水層に分離したためにポリエステルの反応を断念した。
【0034】(比較例3)固体塊状DMH9.0kgに
対し水1.0kgを窒素雰囲気である加熱保温容器に投
入し70℃で30分間攪拌して均一組成の含水DMH1
0.0kgを製造して貯蔵した。製造直後の含水DMH
の含水率は9.7重量%と測定された。直ちに攪拌と加
熱を一昼夜止めた、この日の容器を取り巻く外気の最低
気温は2℃であった。翌日、含水DMH含水率を5回測
定すると、5.7重量%〜12.7重量%の範囲と測定
された。容器内を観察すると壁面に多くの水滴が認めら
れ、容器底は含水DMHの油層と異なる水層を形成して
いた。このためにポリエステルの製造を断念した。
【0035】(比較例4)DMH489.2kgを作業
員2名で60分間をかけて粉砕し、ホッパーから5分で
反応容器に投入した。他にTPAを332.28kg、
触媒としてジブチル錫オキサイドを0.60kg加えた
後に反応容器も窒素雰囲気とした。目標分子量5000
のポリエステルを得るために、200℃〜205℃で5
時間加熱して水71.86kgを除去した後、反応容器
を減圧して最終35Paとして4時間反応させて過剰な
DMHを149.68kg留去しながら重合してポリエ
ステルとした。得られたポリエステル599.48kg
の酸価、水酸基価および分子量を測定して表3に示し
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明の含水DMHは適度の水分を含有
するため凝固点が低下し、そのため液体として取り扱え
る温度範囲が広く、その粘度も小さく、輸送、取り出し
などの取扱いが容易である。また、一旦凝固した後も水
とDMHが分離することがなく、再加熱することによ
り、再び均一な液体となり、その融解熱も小さく、エネ
ルギーコストの削減になる。本発明のDMHを用いた本
発明の製造方法は室温近傍で加熱保温容器から閉塞する
事無く配管を介して自動的に反応容器に送り込む事が出
来、仕込時の作業効率および光熱量が向上した。そのた
め本発明の製造方法による製造コストは従来のそれに比
べて小さくなり、従来と同等なポリエステルを安価に供
給することを可能にした。更に、本発明の製造法により
製造したポリエステルは従来の製造法により製造したそ
れに比較して外観、組成比、分子量および熱的性質とも
同一で良好な品質を維持していた。また本発明の含水D
MHで含水率を低く抑えた結果、工業廃水も比較的少な
くて済み、触媒の失活もほとんど見受けられないために
多くの触媒を必要としない。以上の意味に於いて、本発
明である含水DMHとこれを用いたポリエステルの製造
方法は工業的に大いに意義をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】含水2ーブチルー2ーエチルー1,3ープロパ
ンジオールの含水率と凝固点若しくは融解熱量との関係
である。
【図2】ポリエステル製造装置である。加熱保温容器
は反応容器に対し循環ポンプを有する配管部を介し
て連結され、この形状は細長い円筒状である。配管部に
は流量計と温度計を取付けDMHおよび含水DMH
の流量と温度を測定できる。DMHは塊状のまま加熱保
温容器中に投入され、溶融DMHもしくは含水DMH
の形状として保存される。粉・フレーク状もしくは液状
の酸化合物、ヒドロキシ化合物および触媒等は反応容器
附属のホッパーより反応容器に投入される。
【図3】各含水率における含水2ーブチルー2ーエチル
ー1,3ープロパンジオールの温度と回転粘度の関係で
ある。
【図4】各温度における含水2ーブチルー2ーエチルー
1,3ープロパンジオールの含水率の経時変化である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の含有量が0.5〜7.5重量%であ
    る含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
    ール。
  2. 【請求項2】 43〜90℃の温度で2−ブチル−2−
    エチル−1,3−プロパンジオールと水を混合すること
    を特徴とする水の含有量が0.5〜7.5重量%である
    含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
    ルの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された含水2−ブチル−
    2−エチル−1,3−プロパンジオール単独もしくはこ
    れを含む多価ヒドロキシ化合物と脂肪族二塩基酸、脂環
    式二塩基酸、芳香族二塩基酸もしくはこれらのエステル
    の1種類以上を主成分とする多価カルボン酸化合物を反
    応させて得られることを特徴とするポリエステルの製造
    方法。
JP12587495A 1995-04-26 1995-04-26 含水2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、その製造法およびそれを用いたポリエステルの製造法 Pending JPH08295643A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008115121A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Adeka Corp 1,2−オクタンジオール組成物及びそれを用いた1,2−オクタンジオール含有化粧料の製造方法

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JP2008115121A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Adeka Corp 1,2−オクタンジオール組成物及びそれを用いた1,2−オクタンジオール含有化粧料の製造方法

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