JPH08295354A

JPH08295354A - 密閉型の簡易容器

Info

Publication number: JPH08295354A
Application number: JP7097266A
Authority: JP
Inventors: Masami Chiku; 真巳知久; Naomi Shimamura; 直美嶋村
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1995-04-21
Filing date: 1995-04-21
Publication date: 1996-11-12

Abstract

(57)【要約】【目的】簡易容器内の内容物の揮散により、容積の減
少を生じても、その容積減少に対応する量の変形をシー
ル材が吸収し、簡易容器の変形を生じさせる事がない。
そのため、外観的な体裁を良好とし、また、ディスペン
サー容器等への装着に於て、装着不良等を生じる事がな
い。【構成】外力により変形容易な材質にて形成した薄肉
の簡易容器の開口部に、変形容易な薄肉のシール材を止
着して密閉する。そして、このシール材を、簡易容器の
開口部の開口面積よりも大きな表面積とする。このシー
ル材は、ドーム型に外方に湾曲形成したり、同心円の波
型に湾曲形成したり、同心円の蛇腹状に形成することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、真空成形、ブロー成形
等で成形される薄肉の簡易容器を、シール材により、密
閉して用いる密閉型の簡易容器に係るものである。ま
た、この簡易容器内には、シャンプー、リンス、洗剤、
乳液化粧水等の内容物を本体容器に、補充的に使用する
カートリッジ式レフィール容器として用いる事を目的と
したものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、これらの密閉型の簡易容器は、図
６に示す如く、内容物を充填した簡易容器の上端に、気
密性を有する薄肉のシール材を止着する事により、密閉
して使用している。そして、このシール材は図６に示す
如く、平坦なシール材を用いてフラットに形成してい
る。

【０００３】この簡易容器の内部は、シール材の止着に
より密閉するものとなるが、内部に収納した内容物から
水分、アルコール等が簡易容器の壁面から揮散し、少量
づつ外部に漏出するものとなる。この内容物の揮散が、
外部に少量づつ行われると、簡易容器はシール材により
密閉されているため、外部から外気を導入する事ができ
ず容器内は減圧状態となる。その結果、図７に示す如
く、簡易容器及びシール材が、内方に変形するものとな
る。

【０００４】この変形は商品価値を低下させ、外観的な
体裁を悪いものとする。また、この変形を生じると、簡
易容器をディスペンサー容器等の本体容器に補充用に装
着して使用する場合、本体容器に装着する事ができなく
なり、使用不能となる場合が多いものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】また、この変形を生じ
ないような強固な材質により簡易容器を成形する事も技
術的には可能ではあるが、高価なものとなり、補充交換
用に使用する簡易容器に於ては、現実的なものではな
い。

【０００６】本発明は、上述の如き課題を解決しようと
するものであって、簡易容器の壁面からの水分、アルコ
ール等の内容物の少量づつの揮散により、簡易容器内が
減圧した場合にも、簡易容器の変形を伴わず、外観的体
裁を良好とする。そして、簡易容器をディスペンサー容
器等の本体容器に装着する場合に、装着不能の事態を生
じる事がないようにする事を目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題
を解決するため、外力により変形容易な材質にて形成し
た薄肉の簡易容器の開口部に、変形容易な薄肉のシール
材を止着して密閉するとともにこのシール材を、簡易容
器の開口部の開口面積よりも大きな表面積として成るも
のである。

【０００８】また、シール材は、ドーム型に外方に湾曲
形成することにより、簡易容器の開口部の開口面積より
も大きな表面積としたものであっても良い。

【０００９】また、シール材は、同心円の波型に湾曲形
成することにより、簡易容器の開口部の開口面積よりも
大きな表面積としたものであっても良い。

【００１０】また、シール材は、同心円の蛇腹状に形成
することにより、簡易容器の開口部の開口面積よりも大
きな表面積としたものであっても良い。

【００１１】また、シール材は、中心部を外方に突出し
た同心円の階段状に形成することにより、簡易容器の開
口部の開口面積よりも大きな表面積としたものであって
も良い。

【００１２】

【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、簡易容器内に内容物を充填し、シール材にて密閉し
た後、一定期間放置する事により、内容物の水分、アル
コール等の揮散によって簡易容器内が減圧状態となる。
しかし、この減圧状態となった場合にも、薄肉のシール
材は、簡易容器の開口部の開口面積よりも、大きな表面
積としたものであるから、シール材を内方に変形させ
て、簡易容器の内部の減圧に対応変形させる事ができ
る。

【００１３】そのため、簡易容器そのものは変形を生じ
る事がなく、シール材のみが内方に変形するだけである
から、ディスペンサー容器等に簡易容器を装着する場合
にも、装着不能の状態を生じる事がない。

【００１４】また、シール材を、ドーム型に外方に湾曲
形成するものとすれば、簡易容器の減圧変形に伴って、
シール材は内方に湾曲変形し、簡易容器内部の容積低下
をシール材の変形によって吸収する事が可能となる。

【００１５】また、シール材を同心円の波型に湾曲形成
すれば、簡易容器内の揮散に伴う内容積減少は、同心円
状の波型部材の内方への変形、若しくは伸張等によっ
て、これを吸収する事ができる。そして、シール材をド
ーム型とした場合に比較し、大きな変形量に対応するこ
とができる。

【００１６】また、シール材を同心円の蛇腹状に形成す
れば、この蛇腹を伸張したり、内方に変形する事によっ
て、簡易容器内の減圧状態を吸収する事が可能となる。
この場合も、比較的大きな変形量に対応することができ
る。

【００１７】また、シール材を中心部を外方に突出した
同心円の階段状に形成すれば、この階段状の部分を簡易
容器の内部の減圧に伴って、伸張したり、内方に変形す
る事により、簡易容器の変形を伴う事なく、内部の減圧
に対応する事が可能となる。この場合も、比較的大きな
変形量に対応することができる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に於て説明す
れば、(１)は簡易容器で、ポリプロピレン単体、エチレ
ンビニルアルコール共重合体フイルムの両面をポリプロ
ピレンフイルムで積層したもの等により、真空成形、ブ
ロー成形等により製造し、開口部(２)の外周に環状のフ
ランジ(３)を突出し、外力により、比較的容易に変形す
るよう形成している。この簡易容器(１)の変形は必ずし
も必要不可欠なものではないが、変形を防止し得る形状
や材質とするならば、簡易容器(１)の製造価格が高価な
ものとなる。そのため、変形容易である事は、廉価に簡
易容器(１)を形成する上で、やむを得ないものである。

【００１９】また、この簡易容器(１)の開口部(２)に
は、ポリプロピレンフイルム、アルミ箔の両面をポリプ
ロピレンフイルムで積層したもの等により形成したシー
ル材(４)を被覆し、その外周部をフランジ(３)の上面に
止着する事により、簡易容器(１)を密閉している。この
シール材(４)のフランジ(３)上面への密閉は、熱溶着等
の方法を用いて行うものである。

【００２０】また、この薄肉のシール材(４)は、簡易容
器(１)の開口部(２)の開口面積よりも大きな表面積とな
るよう形成する必要がある。この簡易容器(１)の開口面
積よりも、シール材(４)を大きな表面積とする一つの方
法としては、シール材(４)をドーム型に外方に湾曲形成
して形成するものである。

【００２１】また、このシール材(４)を簡易容器(１)の
開口部(２)に密閉する以前に、シャンプー、リンス、ボ
ディシャンプー、乳液化粧水等の適宜の内容物を充填し
ておくものである。即ち、この内容物の充填をした後
に、シール材(４)で開口部(２)を密閉するものである。
そして、この密閉後に一定の時間が継続すると、内容物
中の水分、アルコール等が揮散し、外部に漏出するもの
となる。この漏出により簡易容器(１)内が減圧状態とな
り、内容物は体積を減少するから、簡易容器(１)には変
形を生じる力が作用する。

【００２２】しかし、シール材(４)は外方にドーム状に
湾曲形成しているため、簡易容器(１)内が減圧状態とな
ると、図２に示す如く、シール材(４)は内方に湾曲変形
し、簡易容器(１)内の容積の減少を吸収する事ができ
る。そのため、簡易容器(１)は変形を生じる事がなく、
製造当初の形状を保つ事ができ、外観的体裁を良好とす
る。また、ディスペンサー容器等へ交換用に装着する場
合にも、簡易容器(１)の変形によって、装着不能となる
ような事がないものである。

【００２３】また、上記実施例に於ては、シール材(４)
をドーム型に外方に湾曲形成したものとしたが、他の異
なる実施例に於ては、図３に示す如く、シール材(４)は
同心円の波型に湾曲形成する。このような、波型の同心
円状にシール材(４)を形成する事により、簡易容器(１)
内が減圧され、容積を減少した場合には、図３に於いて
１点鎖線に示す状態にシール材(４)が伸張したり、内方
に湾曲変形する事により、簡易容器(１)内の容積変化を
吸収し、簡易容器(１)の変形を防止する事ができる。

【００２４】また、更に変形量の大きな場合には、シー
ル材(４)は２点鎖線に示す状態に大きく変形する。そし
て、この同心円状の波型に形成する事により、前記の実
施例に於けるドーム型に形成した場合よりも、シール材
(４)の表面積を大きくする事ができるから、簡易容器
(１)の大きな変形にも十分に対応する事が可能となるも
のである。

【００２５】また、更に異なる実施例に於ては、図４に
示す如く、シール材(４)を同心円状の蛇腹形状に形成す
る。この場合も同心円状の波型とした場合と同様に、簡
易容器(１)の内部の容積減少に対応して、１点鎖線に示
す如くシール材(４)を簡易容器(１)の内方に変形させる
事により、簡易容器(１)の変形を防止する事が可能とな
る。この蛇腹形状とする事により、ドーム型に形成した
場合に比較し、同心円状の波型に形成した場合と同様に
大きな変形量を吸収出来るものとなる。また、更に簡易
容器(１)の変形量が大きな場合には、シール材(４)は２
点鎖線に示す状態に大きく変形する。

【００２６】また、更に異なる実施例に於ては、図５に
示す如く、シール材(４)は中心部を外方に突出した同心
円の階段状に形成している。この場合も同じく変形量が
大きなものとなり、簡易容器(１)の容積減少に伴い、１
点鎖線、及び２点鎖線に示すごとき変形を生じることに
より、簡易容器(１)の変形に十分な対応をする事が可能
となる。

【００２７】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、簡易容器内に内容物を充填し、シール材にて密閉
した場合に、内容物の揮散により、簡易容器内の容積減
少を生じても、その容積減少に対応する量の変形をシー
ル材が吸収する事ができ、簡易容器の変形を生じさせる
事がない。そのため、外観的な体裁を良好とするばかり
でなく、ディスペンサー容器等への装着に於て、装着不
良等を生じる事がないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】シール材をドーム状に形成した状態の断面図で
ある。

【図２】ドーム状に形成したシール材が、簡易容器内の
減圧に従って変形した状態の断面図である。

【図３】シール材を同心円の波型に形成した状態の断面
図である。

【図４】シール材を同心円の蛇腹状に形成した状態の断
面図である。

【図５】シール材を中心部を外方に突出した同心円の階
段状に形成した状態の断面図である。

【図６】従来例の断面図である。

【図７】従来例に於て、簡易容器内に減圧を生じた場合
の断面図である。

【符号の説明】

１簡易容器２開口部３フランジ４シール材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外力により変形容易な材質にて形成した
薄肉の簡易容器の開口部に、変形容易な薄肉のシール材
を止着して密閉するとともにこのシール材を、簡易容器
の開口部の開口面積よりも大きな表面積とした事を特徴
とする密閉型の簡易容器。
【請求項２】シール材は、ドーム型に外方に湾曲形成
することにより、簡易容器の開口部の開口面積よりも大
きな表面積としたものである事を特徴とする請求項１の
密閉型の簡易容器。
【請求項３】シール材は、同心円の波型に湾曲形成す
ることにより、簡易容器の開口部の開口面積よりも大き
な表面積としたものである事を特徴とする請求項１の密
閉型の簡易容器。
【請求項４】シール材は、同心円の蛇腹状に形成する
ことにより、簡易容器の開口部の開口面積よりも大きな
表面積としたものである事を特徴とする請求項１の密閉
型の簡易容器。
【請求項５】シール材は、中心部を外方に突出した同
心円の階段状に形成することにより、簡易容器の開口部
の開口面積よりも大きな表面積としたものである事を特
徴とする請求項１の密閉型の簡易容器。