JPH08294027A - 小型テレビカメラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で、組立てが容易で、光軸精度が高いカ
メラヘッド部を有する小型テレビカメラ装置を提供す
る。 【構成】 レンズ11を支持する円筒状のベース７に、固
体撮像素子２と、この固体撮像素子に電気的に接続する
コネクター４とを取付けてカメラヘッド部を構成する小
型テレビカメラ装置において、固体撮像素子２を素子取
付座３に固定し、この素子取付座をベース７のレンズ側
から組み込み、先端に位置決めして取付け、コネクター
４をホルダー５に固定し、このホルダーをスペーサ８を
介してベースのレンズ側と反対の端に取付ける。固体撮
像素子を素子取付座を介してベースに取付けているた
め、パッケージに制約されること無く、固体撮像素子の
位置決めをすることができ、光軸精度を高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラヘッド部が、コ
ントロールユニット部から分かれている小型テレビカメ
ラ装置に関するものであり、特に、カメラヘッド部の小
型化を図り、光軸精度を向上し、且つ、容易に組立てら
れるように構成したものである。

【０００２】

【従来の技術】最近の小型テレビカメラ装置は、像を撮
影するカメラヘッド部と、映像信号の処理や同期信号の
発生を行なうコントロールユニット部とが分離されてお
り、それらの間がケーブルで接続されている。

【０００３】従来の小型テレビカメラ装置のカメラヘッ
ド部は、特開平２−２２９６８号公報に記載されている
ように、筒状のベースの内部に、固体撮像素子や絞り調
節用の水晶ＩＲフィルタ、ケーブルを保持するコードク
ランプなどが収容され、この筒状ベースの外周に、先端
にレンズを取り付けた筒の他端が移動可能に嵌合され、
また、このレンズを取り付けた筒の位置を固定できるフ
ォーカスロックリングがベース外周に嵌込まれている。

【０００４】筒状ベースの内部には、このベースの後部
から挿入される固体撮像素子を収める収容部と、ベース
の前部から挿入される水晶ＩＲフィルタを収める収容部
とが形成されており、固体撮像素子及び水晶ＩＲフィル
タは、それらの収容部に挿入されることによって位置決
めされる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の小型テレビカメラのカメラヘッド部では、レン
ズを支持するベースの後部から固体撮像素子を組み込
み、固体撮像素子をベース内部に固定させるといった構
成であったので、組立作業が困難であった。

【０００６】また、レンズと固体撮像素子との位置関係
が、レンズを支持しているベースの内部に固体撮像素子
のパッケージがどのように嵌まるかによって決まってく
るため、光軸精度の向上には限度があった。

【０００７】更には、ベース内部に装着される部品が多
いため、カメラヘッド部の小型化に限度があった。

【０００８】本発明は、前述した従来の問題を解決する
ものであり、小型で、組立てが容易で、光軸精度が高
く、また、分解性及び再組立性にも優れたカメラヘッド
部を有する小型テレビカメラ装置を提供することを目的
としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、レンズを支持するベースの外部に素子取
付座位置決めを設け、固体撮像素子を素子取付座に固着
し、コネクターをホルダーに固定して、信号処理基板に
よって一体的に結合されたコネクター及び固体撮像素子
を、順にベースの前方（レンズを支持する側）から組み
込み、固体撮像素子がベースの外部に位置するように、
素子取付座を介して固定し、ベースのレンズ側と反対の
端にスペーサを介してホルダーを固定する構成である。

【００１０】

【作用】このように、素子取付座への固体撮像素子の固
定、ホルダーへのコネクターの固定、信号処理基板への
コネクター及び固体撮像素子の結合をそれぞれ個別に行
ない、一体的に結合した固体撮像素子及びコネクターを
ベースの前方から組み込み、それらをベースの外部に配
置する構成であるため、その組立が容易である。

【００１１】また、固体撮像素子を、素子取付座を介し
てベースに取り付けているため、パッケージに制約され
ること無く、固体撮像素子の位置決めをすることがで
き、光軸精度を高めることができる。

【００１２】更に、ベース内部にはこれらの素子やそれ
を固定する部品を収める必要が無く、ベースを小型にす
ることができ、その結果、カメラヘッド部の小型化が可
能になる。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例における小型テレビカメラの
カメラヘッド部は、図１の分解図及び図２の断面図に示
すように、筒状のベース７と、絞り用の水晶ＩＲフィル
タ１と、固体撮像素子２と、ベース７に水晶ＩＲフィル
タ１及び固体撮像素子２を取り付ける素子取付座３と、
コントロールユニット部との電気接続を行なうコネクタ
ー４と、このコネクター４を収容するホルダー５と、ホ
ルダー５とベース７との間に介在してホルダー５をベー
ス７に支持するためのスペーサ８と、固体撮像素子２の
各ピンとコネクター４の各ピンとを導通する信号処理基
板６と、ベース７の外周に移動可能に嵌合されるレンズ
筒11と、レンズ筒11の移動を止めるフォーカスロックリ
ング10と、ホルダー５及びスペーサ８を覆ってベース７
に固定される後部カバー９とを備えている。

【００１４】ベース７の外周には、レンズ筒11の内側に
切られたネジと螺合する雄ネジ７ａ、フォーカスロック
リング10の内側に切られたネジと螺合する雄ネジ７ｂ及
び後部カバー９の内側に切られたネジと螺合する雄ネジ
７ｃが形成され、それぞれレンズ取付部７ａ、フォーカ
スロック取付部７ｂ及び後部カバー取付部７ｃを構成し
ている。また、ベース７の前端（レンズ11の取付けられ
る側を前方とする）には、素子取付座３の一部が嵌まる
位置決め用凹部７ｄが設けられ、また、ベース７の後端
には、スペーサ８の一部が嵌まる位置決め用凹部が設け
られている。

【００１５】素子取付座３は、ベース７の内径より大き
く外径より小さい直径を持つ円板の両側が切落された小
判形状の固体撮像素子取付部３ｂと、この固体撮像素子
取付部３ｂに植立された一対の足片とから成り、固体撮
像素子取付部３ｂの平行する辺の間の幅は固体撮像素子
２のピン列間の間隔より狭い。また、この素子取付座３
をベース７に組込んだとき、足片はベース７の筒内部に
入って筒の内面に接触する。また、固体撮像素子取付部
３ｂの円弧部分は、ベース７の位置決め凹部７ｄに嵌ま
り込み、位置決め用凸部３ａとして機能する。

【００１６】また、コネクター４の外周はフランジで二
分され、前方側の外周に切られた雄ネジが筒状のホルダ
ー５に挿入され、ネジ止めされる。

【００１７】ホルダー５の筒部前方の端部にはスペーサ
８と係合するスペーサ取付部５ｂが突出している。ま
た、スペーサ８は、リングの一部を切り欠いた円弧形状
をしており、この円弧の中央にはホルダー５のスペーサ
取付部５ｂを受入れるホルダー取付部８ｂがある。この
ホルダー取付部８ｂは円弧部分から突出し、組立てたと
き、この突出部がベース７後端の位置決め用凹部に嵌合
する。また、スペーサ８の円弧部分は、ホルダーの外径
より大きく、ベース内径より小さく、組立てた状態でベ
ース７後端とホルダー５前端との間に介在する。

【００１８】また、信号処理基板６には、映像信号を電
気的に処理する回路が収納され、必要に応じて複数の基
板が組み合わされる。この信号処理基板６に固体撮像素
子２とコネクター４のピンが結合される。

【００１９】この小型テレビカメラのカメラヘッド部
は、次のように組立てる。

【００２０】まず、水晶ＩＲフィルター１を固体撮像素
子２に固着し、その固体撮像素子２の裏側の平面に素子
取付座３の固体撮像素子取付部３ｂを固着する。この固
体撮像素子２の素子取付座３への固着は、組立治具を用
いて精度を補償した状態で行なう。また、コネクター４
をホルダー５のコネクター取付部５ａに嵌合して、両者
を固定する。

【００２１】次いで、信号処理基板６に固体撮像素子２
及びコネクター４のピンを接続することにより、この信
号処理基板６を介して、ホルダー５に固定されたコネク
ター４と素子取付座３に固定された固体撮像素子２とが
機械的に一体的に連結する。この一体的に連結したもの
をベース７のレンズ取付部７ａ側から組み込み、ホルダ
ー５及びコネクター４をベース７の筒内を通して、ベー
ス７の後端側から出す。

【００２２】次に、ベース７の前端に素子取付座３を組
込む。このとき、素子取付座３の位置決め用凸部３ａを
ベース７の位置決め用凹部７ｄに嵌め込むと、素子取付
座３の足片がベース７の筒内面に接触し、ベース７に設
けた螺孔と足片に設けた螺孔とが重なる。この螺孔に螺
子を螺合して素子取付座３をベース７に固定する。

【００２３】次に、ホルダー５のスペーサ取付部５ｂを
スペーサ８のホルダー取付部８ｂに嵌合し、両者を螺子
で固定する。次いで、スペーサ８の突出部をベース７後
端の位置決め用凹部に嵌合し、その後、後部カバー９を
ベース７の後部カバー取付部７ｃに螺合する。この後部
カバー９がコネクター４のフランジ部分を押え込み、ホ
ルダー５及びスペーサ８のベース支持部８ａを介してコ
ネクター４がベース７に固定される。

【００２４】最後に、ベース７のフォーカスロック取付
部７ｂにフォーカスロックリング10を螺合し、レンズ取
付部７ａにレンズ筒11を螺合することによりカメラヘッ
ド部の組立てが完了する。このフォーカスロックリング
10は、レンズ筒11の端部を押圧する方向にねじることに
より、レンズ筒11の回転が抑えられ、レンズ位置が固定
される。

【００２５】このように、実施例の小型テレビカメラ装
置のカメラヘッド部は、素子取付座に固体撮像素子２を
固定する作業、及びホルダーにコネクター４を固定する
作業をそれぞれ個別に行ない、固定された固体撮像素子
及びコネクターを信号処理基板で一体的に結合する作業
を更に別の作業として行ない、一体的に結合した固体撮
像素子２及びコネクター４をベース７に組み込んで、そ
れらをベース７の外部に配置しているため、組立作業が
容易である。また、固体撮像素子２は、素子取付座３を
介してベース７に固定されるため、従来の装置のように
位置決めの精度が固体撮像素子のパッケージによって制
約される虞れが無く、光軸精度を向上させることができ
る。また、素子取付座３とスペーサ８とを用いて固体撮
像素子２及びコネクター４をベース７の外に取り付けて
いるため、ベース７の内部に装着される部品は信号処理
基板６のみとなり、ベース７を小型に構成することがで
き、その結果、カメラヘッド部の小型化を図ることがで
きる。

【００２６】また、この分野のカメラには、用途によ
り、簡単に分解したり組立てたりできる特性が求めれる
が、実施例のカメラヘッド部は、こうした分解性及び再
組立性にも優れている。

【００２７】

【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の小型テレビカメラ装置のカメラヘッド部
は、固体撮像素子のパッケージのサイズやその精度に関
わらず、高い光軸精度を保つことができる。また、固体
撮像素子やコネクターをベースの前方から組み込み、外
部に取り付ける構成であるため、組立作業が容易であ
る。また、ベース内に配置される部品が少ないので、ベ
ース自体を小さくすることができ、それによって装置全
体の小型化が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例におけるカメラヘッド部の分解
斜視図、

【図２】実施例のカメラヘッド部の平面断面図（ａ）と
側面断面図（ｂ）である。

【符号の説明】

１ 水晶ＩＲフィルタ ２ 固体撮像素子 ３ 素子取付座 ３ａ 位置決め用凸部 ３ｂ 固体撮像素子取付部 ４ コネクター ５ ホルダー ５ａ コネクター取付部 ５ｂ スペーサ取付部 ６ 信号処理基板 ７ ベース ７ａ レンズ取付部 ７ｂ フォーカスロック取付部 ７ｃ 後部カバー取付部 ７ｄ 位置決め用凹部 ８ スペーサ ８ａ ベース支持部 ８ｂ ホルダー支持部 ９ 後部カバー 10 フォーカスロックリング 11 レンズ筒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固体撮像素子を固定する素子取付座と、
   コネクターを固定するホルダーと、前記固体撮像素子の
   ピン及び前記コネクターのピンを結合する信号処理基板
   と、この信号処理基板を内蔵し前記素子取付座に形成さ
   れた突片と接合するベース部と、前記ホルダーの突部と
   接合する凹部を内部に有し一部切り欠きのあるリング状
   部材から成るスペーサとを備え、前記素子取付座への固
   体撮像素子の固定、前記ホルダーへのコネクターの固
   定、前記信号処理基板への固体撮像素子のピン及びコネ
   クターのピンの結合をそれぞれ個別に行なうことが可能
   であることを特徴とする小型テレビカメラ装置。