JPH08293467A - 半導体の作製方法 - Google Patents

半導体の作製方法

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Publication number
JPH08293467A
JPH08293467A JP7120678A JP12067895A JPH08293467A JP H08293467 A JPH08293467 A JP H08293467A JP 7120678 A JP7120678 A JP 7120678A JP 12067895 A JP12067895 A JP 12067895A JP H08293467 A JPH08293467 A JP H08293467A
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JP
Japan
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silicon film
amorphous silicon
substrate
plasma
glass substrate
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Withdrawn
Application number
JP7120678A
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English (en)
Inventor
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Satoshi Teramoto
聡 寺本
Naoto Kusumoto
直人 楠本
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 非晶質珪素膜を加熱やレーザー光の照射によ
って結晶化させる際に、ガラス基板が耐えるような温度
での工程ですむような工程を提供する。 【構成】 ガラス基板201上に気相法で形成された非
晶質珪素膜203に対して、ECR法でプラズマ化した
水素プラズマまたはヘリウムプラズマでもって処理を行
う。そしてこの非晶質珪素膜に対して加熱処理を加える
ことにより、結晶性珪素膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、ガラ
ス基板等の絶縁表面を有する基板上に形成される薄膜半
導体の作製方法に関する。また、薄膜半導体を用いた半
導体装置(例えば薄膜ランジスタ)の作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜半導体を用いた半導体装置と
して、薄膜トランジスタが注目されている。特に液晶電
気光学装置に薄膜トランジスタを搭載する構成が注目さ
れている。これは液晶電気光学装置を構成するガラス基
板上に薄膜半導体を成膜し、この薄膜半導体を用いて薄
膜トランジスタを構成するものである。この場合、薄膜
トランジスタは、液晶電気光学装置の各画素電極に配置
され、画素電極に出入りする電荷を制御するスイッチン
グ素子としての機能を有する。このような構成は、アク
ティブマトリクス型の液晶表示装置と呼ばれ、非常に高
品質な画像を表示することができる。
【0003】薄膜トランジスタに使用さえる薄膜半導体
としては、非晶質珪素薄膜が主に利用されている。しか
し、非晶質珪素薄膜を利用したものでは、必要とする特
性が得られないのが現状である。
【0004】非晶質珪素膜の特性を高めるには、非晶質
珪素膜を結晶化させ、結晶性珪素膜とすることが有用で
ある。結晶性珪素膜を得る方法としては、非晶質珪素膜
をプラズマCVD法や減圧熱CVD法で形成した後、加
熱処理を加える方法が知られている。
【0005】しかし、アクティブマトリクス型の液晶電
気光学装置に薄膜トランジスタを利用する場合、経済性
の観点から基板としてガラス基板を利用する必要がある
という問題がある。非晶質珪素膜を加熱によって結晶化
させるには、600℃以上の温度で数十時間以上の加熱
処理を行わねばならない。一方でガラス基板は、600
℃以上の加熱を数十時間以上加えると反り返ったり変形
してしまう。このことは、ガラス基板が大面積化した場
合に特に顕著になる。液晶電気光学装置は、数μmの間
隔を有して張り合わせられたガラス基板間に液晶を挟ん
で保持する構成が必要とされるので、ガラス基板の変形
は、表示ムラ等の原因となり好ましくない。
【0006】この問題を回避するためには、基板として
石英基板や高い温度の加熱処理に耐える特殊なガラス基
板を利用すればよい。しかし、石英基板や高温に耐える
特殊ばガラス基板は高価であり、生産コストの点から利
用することは困難である。
【0007】またレーザー光の照射によって、非晶質珪
素膜を結晶化させる技術が知られている。レーザー光の
照射を利用した場合は、局部的に非常に結晶性の良好な
結晶性珪素膜を得ることができる半面、膜全体において
レーザー光の照射の効果の均一性がえられにくく、また
得られた結晶性珪素膜においても工程毎にバラツキが多
い(換言すれば再現性が低い)という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本明細書に開示する発
明においては、従来の加熱処理温度よりも低い温度での
加熱処理で結晶性珪素膜を得る方法を提供することを課
題とする。
【0009】また、レーザー光の照射を利用した場合で
あっても、均一でバラツキの無い結晶性珪素膜を得る技
術を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の一つは、絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を形
成する工程と、水素またはヘリウムを主成分とするガス
のプラズマによって前記非晶質珪素膜を処理する工程
と、前記非晶質珪素膜にエネルギーを与える工程と、を
有することを特徴とする。
【0011】他の発明の構成は、絶縁表面を有する基板
上に非晶質珪素膜を形成する工程と、水素またはヘリウ
ムを主成分とするガスのプラズマによって前記非晶質珪
素膜を処理し、珪素の不対結合手を形成する工程と、前
記非晶質珪素膜にエネルギーを与え結晶化させる工程
と、を有することを特徴とする。
【0012】他の発明の構成は、絶縁表面を有する基板
上に非晶質珪素膜を形成する工程と、水素を主成分とす
るガスのプラズマによって前記非晶質珪素膜を処理し、
前記非晶質珪素膜中の水素をプラズマ中の水素で脱ガス
化する工程と、前記非晶質珪素膜にエネルギーを与え前
記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、を有することを
特徴とする。
【0013】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、ヘリウムを主成分とするガスのプラズ
マによって前記非晶質珪素膜を処理し、前記プラズマ中
の電離したヘリウム原子によって前記非晶質珪素膜中の
珪素と水素との結合を切断し、前記非晶質珪素膜中から
の水素の離脱を促進させる工程と、前記非晶質珪素膜に
エネルギーを与え前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程
と、を有することを特徴とする。
【0014】本明細書で開示する発明において、絶縁表
面を有する基板としてガラス基板や石英基板を用いるこ
とができる。一般に経済性の観点からガラス基板が利用
される。
【0015】一般にガラス基板を利用した場合、非晶質
珪素膜に与えられるエネルギーは、350℃以上、好ま
しくは400℃以上であってかつ前記ガラス基板の歪点
以下の温度での加熱によって与えられる。また、この加
熱の温度の上限は、ガラス基板が耐えうる温度(この温
度は一般にガラス基板の歪点で与えられる)以下の温度
であって、かつ珪素の結晶化が生じる温度であってもよ
い。珪素の結晶化の温度は、不純物の濃度や成膜方法に
よって異なるが、概ね550℃〜600℃程度である。
【0016】また、基板としてガラス基板を用いた場合
に非晶質珪素膜に与えられるエネルギーは、350℃好
ましくは400℃以上であってかつ前記ガラス基板の歪
点以下の温度での加熱によって与えられる。
【0017】また上記加熱による方法に加えて、レーザ
ー光または強光の照射によって、エネルギーを与えるこ
とも有効である。
【0018】また、基板としてガラス基板を用いた場合
に、ガラス基板の歪点以下の温度での加熱とレーザー光
の照射を1または複数回にわたり交互に行うことによっ
て、エネルギーを与えてもよい。
【0019】
【作用】気相法で成膜された非晶質珪素膜の接して珪素
の結晶化を助長する金属元素を接して保持させた状態
で、水素プラズマまたはヘリウムプラズマに曝すことに
よって、非晶質珪素膜中の珪素に結合している水素を外
部に離脱させることができる。そして、珪素同士の結合
の割合を高め、非晶質状態から準結晶状態といえる状態
へと変成することができる。
【0020】この準結晶状態ともいえる状態は、非晶質
状態における珪素の結合手を中和していた水素原子が離
脱し、微小なレベルにおいては、余った珪素原子の結合
手同士が結合した状態、あるいは余った珪素原子の結合
手同士が非常に結合し易い状態となっている。
【0021】この状態において、熱エネルギーやレーザ
ー光のエネルギーを与えることで、珪素同士の結合を促
進させ、全体として結晶化を非常に容易に進行させるこ
とができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)本実施例は、ガラス基板上に結晶性珪素膜
を形成する構成に関する。まずガラス基板上に下地膜と
して酸化珪素膜を成膜する。この酸化珪素膜は、ガラス
基板中からに不純物の拡散やガラス基板と半導体膜との
間で生じる応力の緩和のために機能する。この酸化珪素
膜は、プラズマCVD法やスパッタ法によって3000
Å程度の厚さに成膜すればよい。
【0023】次に非晶質珪素膜を成膜する。非晶質珪素
膜は、プラズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜す
ればよい。非晶質珪素膜の厚さは、必要とする厚さとす
ればよいが、ここでは500Åとする。
【0024】非晶質珪素膜を成膜したら、磁場とマイク
ロ波を用いた方法により、減圧下で水素プラズマを生成
し、このプラズマによって先のガラス基板上に成膜され
た非晶質珪素膜をプラズマ処理する。ここでは、ECR
条件を用いて水素ガスをプラズマ化させる。
【0025】図1にECR条件を生成するための装置の
概要を示す。図1に示す装置は、発振器104で発生さ
れる2.45GHz のマイクロ波と磁石102で発生される
磁場との相互作用によってECR条件を形成させ、高密
度プラズマ生成する装置である。
【0026】プラズマ処理を行うに当たっては、まず基
板ホルダー106に基板(試料)を配置し、排気ポンプ
105によって、チャンバー103内を所定の減圧状態
とする。この際、基板の位置調整棒108を操作し、基
板107を丁度ECR条件となる領域に移動させる。こ
の位置における磁場の強さは、2.45GHz のマイクロ波
との相互作用によって丁度ECR条件となる875ガウ
スとなる。またプラズマ処理中において、基板107は
基板ホルダ内に配置されたヒータによって加熱すること
ができる。また、水素(またはヘリウム)のイオンは負
でイオンであるから、基板ホルダに負のバイアス電圧を
加えることにより、プラズマ中から水素イオン(または
ヘリウムイオン)を基板側に引き寄せることができ、プ
ラズマ処理の効果をさらに高めることができる。
【0027】ECR条件を用いてプラズマ化した水素
は、非常にプラズマ密度の高い状態となっている。この
水素プラズマに非晶質珪素膜を曝すと、非晶質珪素膜中
の水素原子がプラズマ中の活性な水素原子と結合し、非
晶質珪素膜中の水素原子が膜外に離脱する作用を呈す
る。
【0028】非晶質珪素膜中の水素が離脱することで、
珪素の結合手同士が結合し易い状態が実現される。この
状態は、準結晶状態ともいえるもので、外部からのエネ
ルギーを与えることで結晶化が非常に進行し易い状態と
なっている。
【0029】上記プラズマ処理中において、試料を加熱
することは非常に効果がある。この加熱は、非晶質珪素
膜が結晶化しない程度の温度である300℃〜500℃
程度の温度で行うことが有効である。
【0030】プラズマ処理の終了後に加熱処理を施し、
結晶性珪素膜を得る。この加熱処理は、400℃〜ガラ
ス基板の歪点以下の温度で加熱処理を数時間〜10時間
の条件で行う。ここでは、550℃の温度で5時間の加
熱処理を加えることにより、結晶性珪素膜を得る。こう
して、ガラス基板上に結晶性珪素膜を得ることができ
る。
【0031】(実施例2)本実施例は、実施例1または
実施例2に示した構成において、プラズマ処理後の結晶
化の工程を加熱とレーザー光の照射を併用した方法によ
り行うことを特徴とする。
【0032】まず、実施例1に示すような方法により、
非晶質珪素膜に対してプラズマ処理を行う。
【0033】そして、プラズマ処理の終了後に加熱しつ
つレーザー光の照射を行う。ここで行う加熱は、ガラス
基板の歪点以下の温度のなるべく高い温度で行うことが
望ましい。例えば、ガラス基板としてコーニング705
9ガラス基板を用いた場合には、この加熱温度の上限は
593℃ということになる。これは、コーニング705
9ガラス基板の歪点が593℃であるからである。
【0034】レーザー光は、紫外領域のものを用いるこ
とが好ましい。特に紫外領域のレーザーをパルス発振で
きるエキシマレーザーを用いることが望ましい。ここで
は,KrFエキシマレーザー(波長248nm)を用い
る。またレーザー光の代わりに強光を利用することも可
能である。
【0035】レーザー光の照射と加熱を併用すること
で、高い結晶性を有する結晶性珪素膜を得ることができ
る。またこの結晶性珪素膜は、均一でしかも再現性良く
得ることができる。これは、レーザー光の照射に従う急
激な相変化が加熱を併用することによって緩和されるか
らである。
【0036】(実施例3)本実施例は、実施例1に示し
た構成において、プラズマ処理を水素プラズマではな
く、ヘリウムのプラズマ処理によって行うものである。
【0037】非晶質珪素膜中には、珪素と水素とが結合
した状態が多量に存在している。これは一般にSi-H結
合と呼ばれ比較的強力な結合力を有している。非晶質珪
素膜中から水素を離脱させるには、このSi-H結合を切
って、水素原子を珪素の原子から引き離すエネルギーが
必要になる。
【0038】本実施例においては、このエネルギーとし
てヘリウムプラズマのエネルギーを利用することを特徴
とする。ヘリウムの電離エネルギーは高く、そのプラズ
マは大きなエネルギーを有している。従って、ヘリウム
プラズマを利用することによって、非晶質珪素膜中にお
いて珪素と結合している水素原子に対して効果的にエネ
ルギーを供給することができ、結果として水素原子を効
果的に非晶質珪素膜中から離脱させることができる。
【0039】本実施例においてもプラズマの生成方法と
してECR条件を用いる。また、本実施例に示す構成に
おいて、ヘリウムプラズマ処理中において、300℃〜
500℃の温度で加熱を同時に加えることは非常に有用
である。この加熱を行うことで、水素原子が珪素原子と
の結合から離脱し、珪素原子同士の結合を促進させるこ
とを助長させることができる。
【0040】(実施例4)本実施例は、本明細書に開示
する発明であるプラズマ処理を用いて作製された結晶性
珪素膜を用いて、薄膜トランジスタを作製する例を示
す。まず、ガラス基板201上にスパッタ法により、下
地膜として機能する酸化珪素膜202を3000Åの厚
さに成膜する。次にプラズマCVD法または減圧熱CV
D法により、非晶質珪素膜203を500Åの厚さに成
膜する。
【0041】そして図1に示す装置を用いて、非晶質珪
素膜203に対してプラズマ処理を行う。ここでは、ガ
スとしてヘリウムを用いる。プラズマ処理に当たって
は、図2(A)に示す状態のガラス基板を図1の装置の
107で示される部分に配置する。
【0042】なお、基板の位置は調整棒108を操作す
ることによって調整し、基板の位置の部分で丁度ECR
条件となるようにする。また、プラズマ処理は400℃
の温度に基板を加熱した状態で行う。なお、この加熱は
基板ホルダ106内のヒーターによって行われる。
【0043】プラズマ処理を施した後、550℃、5時
間の加熱処理を窒素雰囲気中で行い非晶質珪素膜203
結晶化させる。そして、図1に示す装置から基板を取り
出し、薄膜トランジスタの活性層をパターニングにより
形成する。こうして薄膜トランジスタの活性層204が
形成される。(図2(B))
【0044】次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素
膜205を1000Åの厚さにプラズマCVD法または
スパッタ法によって成膜する。次にゲイト電極を構成す
るためのアルミニウムを主成分とする膜を6000Åの
厚さに成膜する。成膜方法は、スパッタ法または電子ビ
ーム蒸着法を用いればよい。そしてパターニングを施す
ことにより、ゲイト電極206を形成する。さらに電解
溶液中においてゲイト電極206を陽極として陽極酸化
を行うことにより、ゲイト電極の周囲に陽極酸化物層2
07を形成する。陽極酸化物層の厚さは2000Åとす
る。こうして、図2(B)に示す状態を得る。
【0045】次にソース/ドレイン領域を形成するため
の不純物イオンをイオン注入法またはプラズマドーピン
グ法によって加速注入する。この工程においては、ゲイ
ト電極206とその周囲の陽極酸化物層207がマスク
となることによって、208と211の領域に不純物イ
オンが注入される。ここでは、Nチャネル型の薄膜トラ
ンジスタを作製するためにP(リン)のイオンを注入す
る。また、209の領域は、陽極酸化物層207がマス
クとなることによって、不純物イオンが注入されない。
また、210の領域には、ゲイト電極206がマスクと
なることによって、これも不純物イオンが注入されな
い。
【0046】不純物イオンの注入後、レーザー光の照射
を行うことにより、注入された不純物イオンの活性化と
不純物イオンが注入された領域のアニールとを行う。こ
うして、ソース領域208とドレイン領域211とが自
己整合的に形成される。また、同時に209の領域はオ
フセットゲイト領域として、210の領域はチャネル形
成領域となる。(図2(C))
【0047】次に層間絶縁膜として酸化珪素膜212を
6000Åの厚さに成膜する。この酸化珪素膜212は
プラズマCVD法によって成膜を行う。次にコンタクト
ホールの形成を行い、ソース電極213とドレイン電極
214との形成を行う。そして、さらに350℃の水素
雰囲気中において1時間の加熱処理を施すことにより、
図2(D)に示す薄膜トランジスタを完成させる。
【0048】(実施例5)本実施例の作製工程を図3に
示す。本実施例が特徴とするのは、図2に示す薄膜トラ
ンジスタの作製工程において、非晶質珪素膜のパターニ
ングを行った後にプラズマ処理を行うことを特徴とす
る。なお、特に断らないかぎり、作製条件等は図2にそ
の作製工程を示す実施例5に示したものと同じである。
【0049】まず図3(A)に示すように、ガラス基板
201上に下地膜として酸化珪素膜202を成膜する。
次に非晶質珪素膜(図示せず)を酸化珪素膜202上に
成膜する。そしてパターニングを行うことにより、薄膜
トランジスタの活性層となる領域204を形成する。
(図3(A))
【0050】この状態において、図1に示す装置を用い
て水素プラズマによる処理を行う。すると、活性層の条
件のみではなく、活性層の側面からも水素プラズマの処
理が行われることとなる。
【0051】そして加熱処理による結晶化を行う。また
必要に応じて、レーザー光または強光の照射によるアニ
ールを行う。この際、活性層の側面における結晶化を促
進させることができる。
【0052】こうして、図3(A)に示す状態を得た
ら、実施例4で説明した図2(B)に示す構成と同様な
工程に従って薄膜トランジスタを完成させる。即ち、図
3(B)に示す工程は、図2(B)に示す工程と同じで
ある。また、図3(C)に示す工程は、図2(C)に示
す工程と同じである。また、図3(D)に示す工程は、
図2(D)に示す工程と同じである。
【0053】本実施例に示す構成を採用した場合、薄膜
トランジスタのOFF電流を小さいものとすることがで
きる。OFF電流とは、例えばNチャネル型の薄膜トラ
ンジスタにおいて、ゲイト電極にマイナスの電位が加わ
っている時(即ちOFF動作時)において、ソースとド
レインとの間に電流が流れてしまうことをいう。この電
流はソース/ドレイン間に加えられる電界に従って、キ
ャリアが移動してしまうことに起因する。
【0054】絶縁ゲイト型の薄膜トランジスタにおい
て、ゲイト電極にマイナスの電位が加わっている時に
は、チャネルはP型となるので、ソース/ドレイン間
は、NPNとなり、原理的には電流は流れない。しか
し、トラップ準位が存在すると、そこを経由してキャリ
アの移動が起こるので、微小な電流が流れることとな
る。特に活性層の側面には、パターニングの際に生じた
欠陥が多量に存在するので、高い密度でトラップ準位が
存在している。そこで、本実施例に示すように、活性層
のパターニングの後にプラズマ処理を行い準結晶化を進
行させておくことで、活性層側面のトラップ準位の影響
を抑制することができる。
【0055】このように、活性層の側面の結晶性を向上
させることで、活性層の側面のトラップ準位を減少させ
ることができ、その結果、活性層側面のトラップ準位を
経由したキィリアの移動を抑制することができる。
【0056】(実施例6)本実施例は、プラズマ処理の
後に非晶質珪素膜を結晶化させる工程に関する。本明細
書に開示する発明において、プラズマ処理の後に非晶質
珪素膜を結晶化させる方法としては、加熱による方法、
加熱しながらレーザー光を照射する方法、加熱の後にレ
ーザー光を照射する方法、加熱の後にレーザー光を照射
しさらに加熱を行う方法、さらに加熱とレーザー光の照
射を複数回繰り返して行う方法、がある。
【0057】本実施例では、プラズマ処理が終了した後
に加熱を行うことで結晶性珪素膜を得、さらに加熱しな
がらのレーザー光の照射を行うことでその結晶性珪素膜
の結晶性を向上させ、さらに加熱処理を行うことで膜中
の欠陥を減少させることを特徴とする。
【0058】水素またはヘリウムのプラズマの曝すこと
によって処理した非晶質珪素膜に対して加熱処理を行う
ことによって得られた結晶性珪素膜は、その内部に非晶
質成分が数〜数十%の割合で含まれている。これは、T
EM(透過型電子顕微鏡)で写した写真を観察すること
によって確認される。この残存した非晶質成分は、さら
に加熱処理を加えることによって、徐々に減少させるさ
せることができる。しかし、この場合に必要とされる加
熱処理は、10時間以上の長時間を必要とされ、経済性
に観点から好ましいものではない。また、この加熱処理
は550℃程度の温度で行うことができるが、550度
の温度でも長時間の加熱処理を加えることは、ガラス基
板の変形を招くことになるので好ましくない。
【0059】一方で上記非晶質成分が残存した結晶性珪
素膜に対してレーザー光を照射すると、残存した非晶質
成分を結晶化させ得ることが実験的に判明している。即
ち、加熱処理の後にレーザー光の照射を行うことで、結
晶性珪素膜の結晶性をさらに向上させることができる。
【0060】なお、このレーザー光の照射の際に試料を
300℃〜基板の歪点以下の温度で加熱することが重要
となる。基板を加熱しない場合、急激な相変化に従う結
晶粒界の形成が顕著になり、良好な結晶性を得ることが
できない。
【0061】しかし、レーザー光の照射によるアニール
を行うと、上記の加熱を併用した方法を用いても急激な
相変化に従う欠陥の発生が問題となる。例えば、レーザ
ー光を照射した後にスピン密度を計測すると、その値が
明らかに増加することが認められる。スピン密度は不対
結合手の数を表す指標であり、膜中の欠陥の数を表すも
のであると理解することができる。
【0062】このように、加熱処理によって結晶化され
た珪素膜に対してレーザー光を照射した場合、残留した
非晶質成分を結晶化させ、さらに膜の結晶性を高めるこ
とができる。しかし、結晶性を高めることができる半
面、膜中の欠陥が増加してしまう。この現象は、レーザ
ー光の照射によって、残存した非晶質成分が結晶化し、
さらに結晶化した成分を多くすることができる半面、レ
ーザー光の照射に従う急激な相変化に従って、微小なレ
ベルでは欠陥が発生してしまうものであると理解するこ
とができる。
【0063】しかし、この状態でさらに加熱処理を行う
と、膜中の欠陥を減少させることができることが本発明
者らの実験によって明らかになっている。この加熱処理
は、使用するガラス基板の歪点以下の温度のなるべく高
い温度で1時間程度行えば十分効果がある。例えば、5
50℃の温度で1時間の加熱処理を行うことで、十分な
効果を上げることができる。
【0064】
【発明の効果】非晶質珪素膜に対して水素プラズマまた
はヘリウムプラズマによる処理を施すことにより、非晶
質珪素膜をまず準結晶状態ともいえる結晶化が非常に進
行し易い過渡的な状態とすることができる。そして、こ
の状態で加熱処理または加熱しながらのレーザー光の照
射を行うことで、ガラス基板が耐える程度の加熱温度と
加熱時間でもって、結晶性珪素膜を得ることができる。
【0065】このように加熱の温度をガラス基板が耐え
る条件で行えることで、例えば基板としてガラス基板を
用いた場合であっても結晶性珪素膜を形成することがで
き、さらに高い電気特性を有する薄膜トランジスタを作
製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマ処理を行う装置の概要を示す。
【図2】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図3】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【符号の説明】
101 ガス供給系 102 磁場発生用コイル 103 チャンバー 104 マイクロ波発生器 105 排気ポンプ 106 基板ホルダー 107 基板(試料) 108 基板移動用の操作棒 201 ガラス基板 202 下地膜(酸化珪素膜) 203 非晶質珪素膜 204 活性層 205 ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜) 206 ゲイト電極 207 陽極酸化膜 208 ソース領域 209 オフセットゲイト領域 210 チャネル形成領域 211 ドレイン領域 212 層間絶縁膜 213 ソース電極 214 ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/46 H01L 29/78 627G // H01L 21/205

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 水素またはヘリウムを主成分とするガスのプラズマによ
    って前記非晶質珪素膜を処理する工程と、 前記非晶質珪素膜にエネルギーを与える工程と、 を有することを特徴とする半導体の作製方法。
  2. 【請求項2】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 水素またはヘリウムを主成分とするガスのプラズマによ
    って前記非晶質珪素膜を処理し、珪素の不対結合手を形
    成する工程と、 前記非晶質珪素膜にエネルギーを与え結晶化させる工程
    と、 を有することを特徴とする半導体の作製方法。
  3. 【請求項3】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 水素を主成分とするガスのプラズマによって前記非晶質
    珪素膜を処理し、前記非晶質珪素膜中の水素をプラズマ
    中の水素で脱ガス化する工程と、 前記非晶質珪素膜にエネルギーを与え前記非晶質珪素膜
    を結晶化させる工程と、 を有することを特徴とする半導体の作製方法。
  4. 【請求項4】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 ヘリウムを主成分とするガスのプラズマによって前記非
    晶質珪素膜を処理し、前記プラズマ中の電離したヘリウ
    ム原子によって前記非晶質珪素膜中の珪素と水素との結
    合を切断し、前記非晶質珪素膜中からの水素の離脱を促
    進させる工程と、 前記非晶質珪素膜にエネルギーを与え前記非晶質珪素膜
    を結晶化させる工程と、 を有することを特徴とする半導体の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項5において、 絶縁表面を有する基板はガラス基板であって、 エネルギーは、400℃以上であってかつ前記ガラス基
    板の歪点以下の温度での加熱によって与えられることを
    特徴とする半導体の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5において、 絶縁表面を有する基板はガラス基板であって、 エネルギーは、400℃以上であってかつ珪素の結晶化
    温度以下の温度での加熱によって与えられることを特徴
    とする半導体の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項5において、 絶縁表面を有する基板はガラス基板であって、 エネルギーは、400℃以上であってかつ前記ガラス基
    板の歪点以下の温度での加熱を行いながらのレーザー光
    または強光の照射によって与えられることを特徴とする
    半導体の作製方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項5において、 絶縁表面を有する基板はガラス基板であって、 エネルギーは、400℃以上であってかつ前記ガラス基
    板の歪点以下の温度での加熱とレーザー光の照射を1ま
    たは複数回にわたり交互に行うことによって与えられる
    ことを特徴とする半導体の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113745099A (zh) * 2021-09-06 2021-12-03 长江存储科技有限责任公司 多晶硅层、其制作方法以及半导体器件

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