JP3428143B2 - 不純物の活性化方法ならびに薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

不純物の活性化方法ならびに薄膜トランジスタの製造方法

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JP3428143B2 JP12283794A JP12283794A JP3428143B2 JP 3428143 B2 JP3428143 B2 JP 3428143B2 JP 12283794 A JP12283794 A JP 12283794A JP 12283794 A JP12283794 A JP 12283794A JP 3428143 B2 JP3428143 B2 JP 3428143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不純物の活性化方法お
よび薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられる画素駆動用の
薄膜トランジスタの重要な特性のひとつにリーク電流の
低減がある。このリーク電流は、可能な限り小さいこと
が好ましく、少なくとも1pAを越えないことが望まれ
る。このリーク電流の低減のための手段として、薄膜ト
ランジスタのチャネル部のシリコン膜の薄膜化や薄膜ト
ランジスタのゲート電極の複数化の効果が報告されてい
る。しかし、チャネル部のシリコン膜の薄膜化には限界
があり、薄膜トランジスタのゲート電極を複数化するこ
とは、液晶表示装置の重要な品質のひとつである開口率
を減少させてしまうという欠点があった。一方で、LD
D(Lightly Doped Drain)構造を
有した薄膜トランジスタを用いると前記のリーク電流を
低減できることが特公平3−38755に報告されてい
る。LDD構造は、確かに前述のような欠点を解決し得
る構造であるが、LDD構造を有した薄膜トランジスタ
を製造するには、例えば、一般の半導体製造技術に用い
られているイオン注入技術を用いた場合は、薄膜トラン
ジスタのソース・ドレイン領域に打ち込まれた不純物の
活性化に600℃以上の高温が必要となる。そのため、
安価なガラス基板を用いる事ができない。一方、最近、
開発されている大面積ガラス基板の使用を前提とした質
量分離を用いないイオン注入装置を用いた場合には、ド
ーピングガスに不純物ガスを含み、水素で希釈された混
合ガスを用いて不純物イオンの注入を行うと、300℃
程度の低温で不純物を活性化できることが、M. Matsuo
et al. : Jpn. J. Appl. Phys. 31(1992) 4567や特開平
4−370937に報告されている。図3は、質量分離
を用いないイオン注入装置の一例の断面図である。プラ
ズマ源1から不純物イオン2を引き出し電極3により引
き出し、加速電極4により不純物イオン2を所定のエネ
ルギーになるように加速し、ガラス基板5に形成された
薄膜トランジスタに打ち込み、ソース・ドレイン領域を
形成する。前記の不純物イオン2に与えられるエネルギ
ーは、引き出し電極3の電圧と加速電極4の電圧の総和
で決まる。プラズマの生成には、本例のように13.5
6MHzの高周波を用いて生成する方法以外に、フィラ
メント等を用いる方法がある。しかし、前記に報告され
ている技術では、LDD領域の様な1×1019個/cm3
以下の微量な不純物を600℃未満の低温で活性化する
ことができなかった。LDD領域に含まれる1×1019
個/cm3以下の微量な不純物を600℃未満の低温で活
性化するための方法としては、M. Matsuo et al. : Ext
end Abstract of the Conference on Solid State Devi
ces and Materials, Makuhari, 1993 pp.437-439に報告
されているような不純物の注入後に薄膜トランジスタの
LDD領域にのみ特定量の水素を追加して注入する方法
が提案されている。しかし、前記に報告されている技術
においても、微量の不純物の注入時に用いるドーピング
ガスが水素で希釈されているため、当然のことながら、
LDD領域への不純物の注入と同時にTFT素子全体へ
の水素の注入も生じ、TFT特性の劣化や追加注入され
るLDD領域の水素の注入量の制御が困難であるという
欠点がある。TFT素子への水素の打ち込みを防止する
ためには、質量分離を用いないイオン注入装置のドーピ
ングガスとしてヘリウム希釈のガスを用いる方法が特開
平2−202028に提案されているが、この方法では
TFT素子のすべての領域への水素の注入を抑制してし
まうため、LDD領域の形成は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の問題点に鑑み、
本発明が解決しようとする課題は、打ち込まれた1×1
19個/cm3以下の量の不純物イオンを、600℃未満
の低温で活性化する不純物の活性化方法および薄膜トラ
ンジスタを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の不純物の活性化
方法は、絶縁基板上に形成された多結晶シリコン膜と前
記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対し、質
量分離を用いないイオン注入装置を用いてPH3が1%
以下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから生成され
るイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたり
の不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下とし
て前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、純水素ガ
スから生成される水素イオンを前記絶縁膜を通して前記
多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、前記絶縁基板を
300℃以上600℃以下に加熱する工程とを有するこ
とを特徴とする。さらに、前記質量分離を用いないイオ
ン注入装置を用いて燐の前記多結晶シリコン膜中の不純
物最大濃度を、1×1017個/cm3以上1.1×1019
個/cm3以下とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘ
リウムの最大濃度を、1×1018個/cm3以上とする不
純物打ち込み工程と、前記質量分離を用いないイオン注
入装置を用いて前記多結晶シリコン膜中の水素の最大濃
度を6×1018個/cm3以上1×1020個/cm3以下とす
る水素打ち込み工程とを有することを特徴とする。さら
に、絶縁基板上に形成された多結晶シリコン膜と前記多
結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対し、質量分
離を用いないイオン注入装置を用いてBが1%以
下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから生成される
イオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの
不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下として
前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、純水素ガス
から生成される水素イオンを前記絶縁膜を通して前記多
結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、前記絶縁基板を3
00℃以上600℃以下に加熱する工程とを有すること
を特徴とする。さらに、前記質量分離を用いないイオン
注入装置を用いてボロンの前記多結晶シリコン膜中の不
純物最大濃度を、4.5×1017個/cm3以上1.3×
1019個/cm3以下とし、かつ、前記多結晶シリコン膜
中のヘリウムの最大濃度を、1×1018個/cm3以上と
する不純物打ち込み工程と、前記質量分離を用いないイ
オン注入装置を用いて前記多結晶シリコン膜中の水素の
最大濃度を6×1018個/cm3以上1×1020個/cm3
下とする水素打ち込み工程とを有することを特徴とす
る。前記打ち込み単位時間あたりの不純物イオン量を1
×1012個/cm2・sec.以下とすることにより、打ち込
みにおける不純物量の制御性が向上するという効果を奏
する。また、上記の活性化方法を、薄膜トランジスタの
製造方法に応用することが出来る。本発明の薄膜トラン
ジスタの製造方法は、絶縁基板上に形成された多結晶シ
リコン膜と前記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜
とに対し、質量分離を用いないイオン注入装置を用いて
PH3が1%以下で、残部がヘリウムからなる混合ガス
から生成されるイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単
位時間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・s
ec.以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程
と、純水素ガスから生成される水素イオンを前記絶縁膜
を通して前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、前
記絶縁基板を300℃以上600℃以下に加熱する工程
とを有することを特徴とする。さらに、本発明の薄膜ト
ランジスタの製造方法は、前記質量分離を用いないイオ
ン注入装置を用いて燐の前記多結晶シリコン膜中の不純
物最大濃度を、1×1017個/cm3以上1.1×1019
個/cm3以下とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘ
リウムの最大濃度を、1×1018個/cm3以上とする不
純物打ち込み工程と、前記質量分離を用いないイオン注
入装置を用いて前記多結晶シリコン膜中の水素の最大濃
度を6×1018個/cm3以上1×1020個/cm3以下とす
る水素打ち込み工程とを有することを特徴とする。ま
た、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁基板
上に形成された多結晶シリコン膜と前記多結晶シリコン
膜上に堆積された絶縁膜とに対し、質量分離を用いない
イオン注入装置を用いてBが1%以下で、残部が
ヘリウムからなる混合ガスから生成されるイオンを前記
絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン
量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶シ
リコン膜中に打ち込む工程と、純水素ガスから生成され
る水素イオンを前記絶縁膜を通して前記多結晶シリコン
膜中に打ち込む工程と、前記絶縁基板を300℃以上6
00℃以下に加熱する工程とを有することを特徴とす
る。さらに、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いてボロン
の前記多結晶シリコン膜中の不純物最大濃度を、4.5
×1017個/cm3以上1.3×1019個/cm3以下とし、
かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘリウムの最大濃度
を、1×1018個/cm3以上とする不純物打ち込み工程
と、前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて前
記多結晶シリコン膜中の水素の最大濃度を6×1018
/cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工
程とを有することを特徴とする。さらに、本発明の薄膜
トランジスタの製造方法は、チャネルとなる多結晶シリ
コン膜を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜上にゲ
ート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲ
ート電極を形成する工程と、質量分離を用いないイオン
注入装置を用いて不純物イオンを前記ゲート電極に対し
て自己整合的に、かつ、前記絶縁膜を通し、打ち込み単
位時間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・s
ec.以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むこと
により、燐の最大濃度が、3×1018個/cm3以上1×
1019個/cm3以下であり、かつ、前記ソース・ドレイ
ン領域に含まれるヘリウムの最大濃度が、3×1018
/cm3以上であるソース・ドレイン領域を形成する工程
と、前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水
素を打ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に
含まれる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×
1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有する
ことを特徴とする。さらに、本発明の薄膜トランジスタ
の製造方法は、チャネルとなる多結晶シリコン膜を形成
する工程と、前記多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を
形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形
成する工程と、質量分離を用いないイオン注入装置を用
いて不純物イオンを前記ゲート電極に対して自己整合的
に、かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時間
あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以
下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことによ
り、燐の最大濃度が、3×1018個/cm3以上1×10
19個/cm3以下であり、かつ、ヘリウムの最大濃度が、
3×1018個/cm3以上である第一のソース・ドレイン
領域と、前記の第一のソース・ドレイン領域ならびにソ
ース・ドレイン電極と接し、燐の最大濃度が1×1020
個/cm3以上である第二のソース・ドレイン領域を形成
する工程と、前記質量分離を用いないイオン注入装置を
用いて水素を打ち込むことにより、前記第一のソース・
ドレイン領域に含まれる水素の最大濃度が6×1018
/cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工
程とを有することを特徴とする。さらに、本発明の薄膜
トランジスタの製造方法は、基板上に第一の多結晶シリ
コン膜を形成する工程と、前記第一の多結晶シリコン膜
の一部あるいは全てを覆う様に第二の多結晶シリコン膜
を形成する工程と、前記第一および第二の多結晶シリコ
ン膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶
縁膜上にゲート電極を形成する工程と、質量分離を用い
ないイオン注入装置を用いて不純物イオンを前記ゲート
電極に対して自己整合的に、かつ、前記ゲート絶縁膜を
通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン量を1×
1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶シリコン膜
中に打ち込むことにより、燐の最大濃度が、3×1018
個/cm3以上1×1019個/cm3以下であり、かつ、ヘリ
ウムの最大濃度が、3×1018個/cm3以上であるソー
ス・ドレイン領域を形成する工程と、前記質量分離を用
いないイオン注入装置を用いて水素を打ち込むことによ
り、前記ソース・ドレイン領域に含まれる水素の最大濃
度が6×1018個/cm3以上1×1020個/cm3以下とす
る水素打ち込み工程とを有することを特徴とする。さら
に、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に
第一の多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記第一の
多結晶シリコン膜の一部あるいは全てを覆う様に第二の
多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記第一および第
二の多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を形成すると、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成すると、質量分
離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオンを前
記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記ゲート
絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン
量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶シ
リコン膜中に打ち込むことにより、燐の最大濃度が、3
×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であり、か
つ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3以上で
ある第一のソース・ドレイン領域と、前記第一のソース
・ドレイン領域と接し、燐の最大濃度が、1×1020
/cm3以上である第二のソース・ドレイン領域を形成す
る工程と、前記質量分離を用いないイオン注入装置を用
いて水素を打ち込むことにより、前記第一のソース・ド
レイン領域に含まれる水素の最大濃度が6×1018個/
cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程
とを有することを特徴とする。さらに、本発明の薄膜ト
ランジスタの製造方法は、チャネルとなる多結晶シリコ
ン膜を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜上にゲー
ト絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲー
ト電極を形成する工程と、質量分離を用いないイオン注
入装置を用いて不純物イオンを前記ゲート電極に対して
自己整合的に、かつ、前記絶縁膜を通し、打ち込み単位
時間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・se
c.以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことに
より、ボロンの最大濃度が、3×1018個/cm3以上1
×1019個/cm3以下であり、かつ、ヘリウムの最大濃
度が、3×1018個/cm3以上であるソース・ドレイン
領域を形成する工程と、前記質量分離を用いないイオン
注入装置を用いて水素を打ち込むことにより、前記ソー
ス・ドレイン領域に含まれる水素の最大濃度が6×10
18個/cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込
み工程とを有することを特徴とする。さらに、本発明の
薄膜トランジスタの製造方法は、チャネルとなる多結晶
シリコン膜を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜上
にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上
にゲート電極を形成する工程と、質量分離を用いないイ
オン注入装置を用いて不純物イオンを前記ゲート電極に
対して自己整合的に、かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、
打ち込み単位時間あたりの不純物イオン量を1×1012
個/cm2・sec.以下として前記多結晶シリコン膜中に打
ち込むことにより、ボロンの最大濃度が、3×1018
/cm3以上1×1019個/cm3以下であり、ヘリウムの最
大濃度が、3×1018個/cm3以上である第一のソース
・ドレイン領域と、前記の第一のソース・ドレイン領域
ならびにソース・ドレイン電極と接し、燐の最大濃度が
1×1020個/cm3以上である第二のソース・ドレイン
領域を形成する工程と、前記質量分離を用いないイオン
注入装置を用いて水素を打ち込むことにより、前記第一
のソース・ドレイン領域に含まれる水素の最大濃度が6
×1018個/cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素
打ち込み工程とを有することを特徴とする。さらに、本
発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に第一の
多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記第一の多結晶
シリコン膜の一部あるいは全てを覆う様に第二の多結晶
シリコン膜を形成する工程と、前記第一および第二の多
結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前
記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、質量
分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオンを
前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記ゲー
ト絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオ
ン量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶
シリコン膜中に打ち込むことにより、ボロンの最大濃度
が、3×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であ
り、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3
以上であるソース・ドレイン領域を形成する工程と、前
記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を打
ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に含まれ
る水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×1020
個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有することを
特徴とする。さらに、本発明の薄膜トランジスタの製造
方法は、基板上に第一の多結晶シリコン膜を形成する工
程と、前記第一の多結晶シリコン膜の一部あるいは全て
を覆う様に第二の多結晶シリコン膜を形成する工程と、
前記第一および第二の多結晶シリコン膜上にゲート絶縁
膜を形成すると、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形
成すると、質量分離を用いないイオン注入装置を用いて
不純物イオンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、
かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あた
りの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下と
して前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことにより、ボ
ロンの最大濃度が、3×1018個/cm3以上1×1019
個/cm3以下であり、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3
×1018個/cm3以上である第一のソース・ドレイン領
域と、第一のソース・ドレイン領域と、前記第一のソー
ス・ドレイン領域と接し、ボロンの最大濃度が、1×1
20個/cm3以上である第二のソース・ドレイン領域を
形成する工程と、前記質量分離を用いないイオン注入装
置を用いて水素を打ち込むことにより、前記第一のソー
ス・ドレイン領域に含まれる水素の最大濃度が6×10
18個/cm3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込
み工程とを有することを特徴とする。
【0005】
【実施例】(実施例1) 図1は、本発明を用いて、絶
縁基板上に形成された500Åの厚さを有する多結晶シ
リコン膜に打ち込まれた不純物の燐を、300℃で一時
間の熱処理を施したときのH+イオン打ち込み量に対す
るシート抵抗値を示す一実施例である。前記の熱処理温
度は、好ましくは300℃以上で600℃以下、さらに
好ましくは300℃以上で450℃以下、さらに特に好
ましくは300℃以上で350℃以下が良い。活性化の
温度が低下すれば、使用でき得るガラス基板の選択肢が
増え、より安価な基板を使用することができる。また、
基板の膨張収縮は小さくなり、薄膜トランジスタの製造
におけるアライメント誤差を小さくできる利点を有す
る。前記の多結晶シリコン膜は、結晶化率が75%以
上、好ましくは90%以上の膜を用いる。前期の多結晶
シリコン膜の製造方法は特に限定されないが、レーザー
照射による方法や減圧化学気相堆積法(LPCVD
法)、プラズマ化学気相堆積法(PCVD法)などを用
いることが可能である。図1において、不純物は、図3
に示された質量分離を用いないイオン注入装置を用い
て、PH3を0%を越えて10%以下、好ましくは0.
01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%を越え
1%以下で含み、残部がヘリウムからなる混合ガスから
生成するイオンを80keVのエネルギーでP+イオン
換算で1×1014個/cm2と成るように前記の多結晶シ
リコン膜に前記の多結晶シリコン膜上に堆積された12
00Åの厚さを有したSiO2膜を通して打ち込む。不
純物の濃度が10%を超えると、プラズマ生成室内の不
純物の堆積が多くなり、装置のメンテナンスを頻繁にし
なければならなくなる。また、本発明のように打ち込ま
れる不純物の濃度が1×1014個/cm2以下の微量にな
れば、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン量を1×
1012個/cm2・sec以下にし、打ち込みにおける不純物
量の制御性を向上させるためには、不純物となるガスの
濃度は1%以下が好ましい。この時、打ち込まれたP+
イオンの前記多結晶シリコン膜中の最大濃度は、1×1
19個/cm3となる。同時に前記のシリコン膜にヘリウ
ムイオンが最大濃度で2×1019個/cm3以上打ち込ま
れるが、ヘリウムイオンは電気的に不活性であり、シリ
コン膜に対して電気的に何の影響も与えない。連続して
前記の質量分離を用いないイオン注入装置を用いて、1
00%水素ガスより生成する水素イオンを20keVの
エネルギーで打ち込む。前記の打ち込み時のエネルギー
は、半導体装置の製造に一般的に用いられるイオン注入
装置と同様に、ゲート絶縁膜の厚さおよび種類、打ち込
みイオン種によって適時調整することが可能であり、本
実施例に限定されるものではない。例えば、図3に示さ
れた質量分離を用いないイオン注入装置を用いた場合、
100%水素ガスから電離されるイオンのほとんどがH
2 +であり、水素化を効率よく実施するために、H2 +の深
さ方向の最大濃度が前記の多結晶シリコン膜と前期のS
iO2膜との界面にくるように打ち込みエネルギーを2
0keVに設定している。しかし、H+が主なイオンと
して生成するような場合には、打ち込み時のエネルギー
を10keV程度にすれば同等の効果が得られる。ま
た、前記のSiO2膜の膜厚が800Åの場合には、前
記の質量分離を用いないイオン注入装置を用いて、PH
3を0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を越
え5%以下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下含
み、残部がヘリウムからなる混合ガスから生成するイオ
ンを50keVのエネルギーでP+イオン換算で、打ち
込まれた燐の前記多結晶シリコン膜中の最大濃度が1×
1019個/cm3と成るように前記の多結晶シリコン膜に
前記の多結晶シリコン膜上に堆積された800Åの厚さ
を有したSiO2膜を通して6.5×1013個/cm2打ち
込み、連続して前記の質量分離を用いないイオン注入装
置を用いて、100%水素ガスより生成する水素イオン
を12keVのエネルギーで打ち込めばよい。本実施例
では、前記の不純物イオンならびに水素イオンを打ち込
む場合に、前記の打ち込まれたイオンのピーク濃度が最
大濃度となるように打ち込みのエネルギーを設定してい
るが、必ずしも前記の最大濃度が打ち込まれたピーク濃
度と一致している必要はない。打ち込まれたイオンの分
布は、正規分布を示すため、例えば、前記のSiO2
中に打ち込まれたイオンのピーク濃度がくるように打ち
込みエネルギーを設定し、広がった分布の裾を用いるこ
とも可能であり、容易に類推できる方法である。すなわ
ち、本発明が打ち込みエネルギーを限定するものではな
いことは明らかである。本実施例から判るように、微量
の不純物を打ち込まれた多結晶シリコン膜は、打ち込ま
れたH+イオン量が1×1014個/cm2以上で1×1015
個/cm2以下の打ち込み量の時、更に好ましくは3×1
14個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の打ち込み量
の時、即ち、前記の多結晶シリコン膜中の最大濃度が6
×1018個/cm3以上で1×1020個/cm3以下の範囲、
更に好ましくは1.8×1019個/cm3以上で4.2×
1019個/cm3以下の範囲にある時に低抵抗化する。こ
れは、打ち込まれた水素イオンによる多結晶シリコン膜
中の不整結合の終端化の効果と打ち込まれた前記の水素
イオンによって生じる欠陥との競合によるためである。
図2は、本発明を用いて、絶縁基板上に形成された50
0Åの厚さを有する多結晶シリコン膜に打ち込まれた不
純物の燐を300℃で、一時間の熱処理を施したときの
燐イオンの打ち込み量に対するシート抵抗値を示す一実
施例である。前記の熱処理温度は、好ましくは300℃
以上で600℃以下、さらに好ましくは300℃以上で
450℃以下、さらに特に好ましくは300℃以上で3
50℃以下が良い。前記の多結晶シリコン膜は、結晶化
率が75%以上、好ましくは90%以上の膜を用いる。
図2において、不純物は、図3に示された質量分離を用
いないイオン注入装置を用いて、PH3を0%を越えて
10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以下、更
に好ましくは0.1%を越え1%以下で含み、残部がヘ
リウムからなる混合ガスから生成するイオンを80ke
VのエネルギーでP+イオン換算で1×1012個/cm2
ら1×1014個/cm2と成るように前記の多結晶シリコ
ン膜に前記の多結晶シリコン膜上に堆積された1200
Åの厚さを有したSiO2膜を通して打ち込む。この
時、打ち込まれた燐の前記多結晶シリコン膜中の最大濃
度は、1×1017個/cm3から1.1×1019個/cm3
なる。また、この時同時に打ち込まれたヘリウムの前記
シリコン膜中の最大濃度は、1×1018個/cm3以上に
なるが、ヘリウムは電気的に不活性であり、シリコン膜
に電気的に何の影響ももたらさない。連続して前記の質
量分離を用いないイオン注入装置を用いて、100%水
素ガスより生成する水素イオンを20keVのエネルギ
ーで、打ち込まれたH+イオン量の前記の多結晶シリコ
ン膜中の最大濃度が6×1018個/cm3以上で1×10
20個/cm3以下の範囲、更に好ましくは1.8×1019
個/cm3以上で4.2×1019個/cm3以下の範囲になる
ように、1×1014個/cm2から1×1015個/cm2の範
囲、更に好ましくは3×1014個/cm2以上で7×10
14個/cm2以下の範囲で打ち込む。前記の打ち込み時の
エネルギーは、ゲート絶縁膜の厚さおよび種類、打ち込
みイオン種によって適時調整することが可能であり、本
実施例に限定されるものではない。図2に示されるよう
に、前記の多結晶シリコン膜中に打ち込まれた微量の不
純物は、本発明により300℃の熱処理で活性化される
ことは明らかである。本発明によれば、ヘリウムを希釈
ガスとして用いるため、プラズマが安定し、不純物の打
ち込み量の制御性が増加するという効果を奏する。ま
た、ヘリウムイオンは、酸化膜をエッチングすることは
なく、シリコン膜へのダメージも少ない等の効果を有
し、多量に水素を注入してしまうために起こる不要な特
性変化を起こすことがない。
【0006】(実施例2) 図4は、本発明を用いて製
造された薄膜トランジスタの一実施例の断面図である。
ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSiO2
膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500
Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜8として形
成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜、Ta、
AlまたはCrからなるゲート電極9、薄膜トランジス
タのn-型のソース・ドレイン領域10、SiO2で形成
された層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極1
2、AlあるいはITOで形成されるドレイン電極13
を示す。図5の工程図を用いて、図4の実施例を説明す
る。先ず図5(a)に示すように、ガラス基板5上に絶
縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積す
る。前記のSiO2膜6は基板に含まれている重金属な
どが、熱処理時に素子部に拡散するのを防ぐのが目的で
あり、基板の純度が十分高ければ必要としない。次に不
純物を含まない多結晶シリコン膜7を500Å程度の厚
さで堆積し、パタンニングする。前記多結晶シリコンの
結晶化率は75%以上、好ましくは90%以上の膜を用
いる。次にSiO2膜を1200Å程度の厚さで堆積し
ゲート絶縁膜8を形成する。次にAl、CrまたはTa
などの低抵抗の金属をスパッタ法などで6000Å程度
の厚さで堆積し、パタンニングしてゲ−ト電極9を形成
する。次に図5(b)に示すように、図3に示す質量分
離を用いないイオン注入装置を用いて、PH3を0%を
越え10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以
下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下の濃度で含
み、残部がヘリウムから成るドーピングガスから生成す
る全てのイオン14を、P+イオンの打ち込み量が3×
1013個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の範囲、更
に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×1013個/c
m2以下の範囲となるように80keV程度のエネルギー
で打ち込む。また、この時同時に打ち込まれたヘリウム
の前記シリコン膜中の最大濃度は、3×1018個/cm3
以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性であり、薄膜
トランジスタの電気的特性に何の影響ももたらさない。
次に図5(c)に示すように、前記の質量分離を用いな
いイオン注入装置を用いて、純水素をドーピングガスと
して生成する全てのイオン15を、20keV程度のエ
ネルギーで1×1014個/cm2以上で1×1015個/cm2
以下の範囲、更に好ましくは3×1014個/cm2以上で
7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、n-型のソー
ス・ドレイン領域10を形成する。打ち込み時のエネル
ギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時調整すればよ
く、本実施例に限定されるのもではない。本方法によ
り、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜の結晶性は
保持されると同時に、水素によって多結晶シリコン膜中
の欠陥が埋められる。次に図5(d)に示すように、ソ
ース・ドレイン領域の不純物を300℃、1時間の熱処
理をおこなって活性化し、層間絶縁膜11としてSiO
2膜を5000Å以上の厚さで堆積し、ソース・ドレイ
ン領域10にコンタクトホールを形成し、ソース・ドレ
イン領域にAlやITOなどで電極16を形成する。本
発明により、薄膜トランジスタを、300℃程度の低温
で、安定的に製造することが可能である。
【0007】図6は、本発明を用いて製造された薄膜ト
ランジスタにおいて、VDSを4V、VGを10Vとした
時のドレイン電流17およびVDSを4V、VGを−10
Vとした時のドレイン電流18と燐の打ち込み量との相
関を示す図である。図6から、前記の燐の打ち込み量が
3×1013個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の範
囲、更に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×10
13個/cm2以下の範囲、即ち、多結晶シリコン膜中の燐
の最大濃度が3×1018個/cm3以上で1×1019個/c
m3以下、更に好ましくは3×1018個/cm3以上で7×
1018個/cm3以下の範囲において、薄膜トランジスタ
のリーク電流を低減させることが可能であることが判
る。
【0008】(実施例3) 図7は、本発明を用いて製
造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚5
00Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として
形成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、T
aやAl、Crからなるゲート電極9、薄膜トランジス
タのn-型のソース・ドレイン領域10、薄膜トランジ
スタのコンタクトホール直下に設けられたn+層19、
SiO2で形成された層間絶縁膜11、Alで形成され
るソース電極12、AlあるいはITOで形成されるド
レイン電極13を示す。図8の工程図を用いて、図7の
実施例を説明する。先ず図8(a)に示すように、ガラ
ス基板5上に絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの
厚さで堆積する。前記のSiO2膜6は基板に含まれて
いる重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを防
ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ必要とし
ない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を50
0Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多結
晶シリコンの結晶化率は75%以上、好ましくは90%
以上の膜を用いる。次にSiO2膜を1200Å程度の
厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成する。次にAl、C
rやTaなどの低抵抗の金属をスパッタ法などで600
0Å程度の厚さで堆積し、パタンニングしてゲ−ト電極
9を形成する。次に図8(b)に示すように、図3に示
した質量分析を用いないイオン注入装置を用いて、PH
3を0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を越
え5%以下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下の
濃度で含み、残部がヘリウムから成るドーピングガスか
ら生成する全てのイオン14を、P+イオンの打ち込み
量が3×1013個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の
範囲、更に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×1
13個/cm2以下の範囲となるように80keV程度の
エネルギーで打ち込む。また、この時同時に打ち込まれ
たヘリウムの前記シリコン膜中の最大濃度は、3×10
18個/cm3以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性で
あり、薄膜トランジスタの電気的特性に何の影響ももた
らさない。次に図8(c)に示すように、前記の質量分
析を用いないイオン注入装置を用いて、純水素をドーピ
ングガスとして生成する全てのイオン15を、20ke
V程度のエネルギーで1×1014個/cm2以上で1×1
1 5個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1014
/cm2以上で7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、
-型のソース・ドレイン領域10を形成する。打ち込
み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時
調整すればよく、本実施例に限定されるものではない。
本方法により、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜
の結晶性は保持されると同時に、水素によって多結晶シ
リコン膜中の欠陥が埋められる。次に図8(d)に示す
ように、層間絶縁膜11としてSiO2膜を5000Å
以上の厚さで堆積し、次にソース・ドレイン領域10に
コンタクトホールを形成し、前記の質量分離を用いない
イオン注入装置を用いて、PH3を0%を越え10%以
下、好ましくは0.01%を越え5%以下の濃度で含
み、残部がH2あるいはヘリウムから成るドーピングガ
スから生成する全てのイオン20を、P+イオンの打ち
込み量が1×1015個/cm2以上で、前記の不純物燐の
濃度のピークが前記のコンタクトホール下部の多結晶シ
リコン膜の中央付近となるように30keVのエネルギ
ーで打ち込み、n+層19を形成する。前記のn+層の形
成においては、打ち込みに使用するドーピングガスの希
釈ガスはH2あるいはヘリウムのいずれのガスも使用可
能である。また、前記のドーピングガスの濃度は、短時
間注入のために、可能な限り濃いことが望ましい。最後
に図8(e)に示すようにソース・ドレイン領域の不純
物を300℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、
ソース・ドレイン領域のコンタクトホールにAlやIT
Oなどで電極16を形成する。本実施例では、薄膜トラ
ンジスタのソース・ドレイン領域と、Al、ITOなど
の電極とのコンタクト部に、不純物を高濃度に打ち込ま
れた多結晶シリコン層が存在するため、前記の電極とソ
ース・ドレイン領域とのコンタクト抵抗を小さくするこ
とが可能である。また、前記の不純物を高濃度に打ち込
まれた多結晶シリコン層を設けるために特別なマスクを
必要としない。
【0009】(実施例4) 図9は、本発明を用いて製
造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚5
00Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として
形成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、T
aやAl、Crからなるゲート電極9、薄膜トランジス
タのn-型のソース・ドレイン領域10、薄膜トランジ
スタのn+型のソース・ドレイン領域19、SiO2で形
成された層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極
12、AlあるいはITOで形成されるドレイン電極1
3を示す。図10の工程図を用いて、図9の実施例を説
明する。先ず図10(a)に示すように、ガラス基板5
上に絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆
積する。前記のSiO2膜6は基板に含まれている重金
属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを防ぐのが目
的であり、基板の純度が十分高ければ必要としない。次
に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を500Å程度
の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多結晶シリコ
ンの結晶化率は75%以上、好ましくは90%以上の膜
を用いる。次にSiO2膜を1200Å程度の厚さで堆
積しゲート絶縁膜8を形成する。次にAl、CrやTa
などの低抵抗の金属をスパッタ法などで6000Å程度
の厚さで堆積し、パタンニングしてゲ−ト電極9を形成
する。次に図10(b)に示すように、図3に示す質量
分析を用いないイオン注入装置を用いて、PH3を0%
を越え10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以
下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下の濃度で含
み、残部がヘリウムから成るドーピングガスから生成す
る全てのイオン14を、P+イオンの打ち込み量が3×
1013個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の範囲、更
に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×1013個/c
m2以下の範囲となるように80keV程度のエネルギー
で打ち込む。また、この時同時に打ち込まれたヘリウム
の前記シリコン膜中の最大濃度は、3×1018個/cm3
以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性であり、薄膜
トランジスタの電気的特性に何の影響ももたらさない。
次に図10(c)に示すように、前記の質量分析を用い
ないイオン注入装置を用いて、純水素をドーピングガス
として生成する全てのイオン15を、20keV程度の
エネルギーで1×1014個/cm2以上で1×1015個/c
m2以下の範囲、更に好ましくは3×1014個/cm2以上
で7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、n-型のソ
ース・ドレイン領域10を形成する。打ち込み時のエネ
ルギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時調整すれば
よく、本実施例に限定されるものではない。本方法によ
り、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜の結晶性は
保持されると同時に、水素によって多結晶シリコン膜中
の欠陥が埋められる。次に図10(d)に示すように、
前記のゲート電極を含む薄膜トランジスタの一部をレジ
ストやポリイミドなどの有機材料あるいはゲート電極、
ゲート絶縁膜と選択的にエッチング除去される無機材
料、例えばTaをゲート電極に用いた場合にはAlやC
rなどを用いてマスクをし、前記の質量分離を用いない
イオン注入装置を用いて、PH3を0%を越え10%以
下、好ましくは0.01%を越え5%以下の濃度で含
み、残部がH2あるいはヘリウムから成るドーピングガ
スから生成する全てのイオン20を、P+イオンの打ち
込み量が1×1015個/cm2以上となるように80ke
V程度のエネルギーで打ち込み、前記の薄膜トランジス
タのソース・ドレイン領域にn+層を形成する。前記の
+層の形成においては、打ち込みに使用するドーピン
グガスの希釈ガスはH2あるいはヘリウムのいずれのガ
スも使用可能である。また、前記のドーピングガスの濃
度は、短時間注入のために、可能な限り濃いことが望ま
しい。次に図10(e)に示すように、層間絶縁膜11
としてSiO2膜を5000Å以上の厚さで堆積し、次
にソース・ドレイン領域10にコンタクトホールを形成
する。最後にソース・ドレイン領域の不純物を300
℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、ソース・ド
レイン領域のコンタクトホールにAlやITOなどで電
極16を形成する。本実施例では、薄膜トランジスタの
ソース・ドレイン領域と、Al、ITOなどの電極との
コンタクト部に、不純物を高濃度に打ち込まれた多結晶
シリコン層が存在するため、前記の電極とソース・ドレ
イン領域とのコンタクト抵抗を小さくすることが可能で
ある。また、併せて、n+層を形成するときの打ち込み
エネルギーを大きくできる為に、イオンビーム電流を大
きくでき、生産性が向上するという利点がある。
【0010】(実施例5) 図11は、本発明を用いて
製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一部
となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜21、薄
膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度の
多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された1
200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、C
rからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのn-型の
ソース・ドレイン領域10、SiO2で形成された層間
絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、Alあ
るいはITOで形成されるドレイン電極13を示す。図
12の工程図を用いて、図11の実施例を説明する。先
ず図12(a)に示すように、ガラス基板5上に絶縁膜
としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積し、次に
多結晶シリコン膜21を1000Åの厚さで堆積し、パ
タンニングする。前記のSiO2膜6は基板に含まれて
いる重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを防
ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ必要とし
ない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を50
0Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多結
晶シリコン膜7および21の結晶化率は75%以上、好
ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO2膜を1
200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成す
る。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属をスパッ
タ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタンニン
グしてゲ−ト電極9を形成する。次に図12(b)に示
すように、図3に示す質量分析を用いないイオン注入装
置を用いて、PH3を0%を越え10%以下、好ましく
は0.01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%
を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリウムから成る
ドーピングガスから生成する全てのイオン14を、P+
イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×1
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013
/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲となるように
80keV程度のエネルギーで打ち込む。また、この時
同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン膜中の最大
濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、ヘリウムは
電気的に不活性であり、薄膜トランジスタの電気的特性
に何の影響ももたらさない。次に図12(c)に示すよ
うに、前記の質量分析を用いないイオン注入装置を用い
て、純水素をドーピングガスとして生成する全てのイオ
ン15を、20keV程度のエネルギ−で1×1014
/cm2以上で1×1015個/cm2以下の範囲、更に好まし
くは3×1014個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の
範囲で打ち込み、n-型のソース・ドレイン領域10を
形成する。打ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の
厚さによって適時調整すればよく、本実施例に限定され
るものではない。本方法により、不純物が打ち込まれた
多結晶シリコン膜の結晶性は保持されると同時に、水素
によって多結晶シリコン膜中の欠陥が埋められる。次に
図12(d)に示すように、ソース・ドレイン領域の不
純物を窒素雰囲気中で300℃、1時間の熱処理をおこ
なって活性化し、層間絶縁膜11としてSiO2膜を5
000Å以上の厚さで堆積し、ソース・ドレイン領域1
0にコンタクトホールを形成し、ソース・ドレイン領域
にAlやITOなどで電極16を形成する。本実施例で
は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域の多結晶
シリコン膜の膜厚が厚く、従って、前記のソース・ドレ
イン領域の抵抗値を低減することができる。また、コン
タクトホールをドライエッチング法で形成する場合に
は、十分なオーバーエッチングを行うことが可能とな
り、プロセスの安定性が向上するという利点を有する。
【0011】(実施例6) 図13は、本発明を用いて
製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一部
となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜21、薄
膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度の
多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された1
200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、C
rからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのn-型の
ソース・ドレイン領域10、薄膜トランジスタのn+
のソース・ドレイン領域19、SiO2で形成された層
間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、Al
あるいはITOで形成されるドレイン電極13を示す。
図14の工程図を用いて、図13の実施例を説明する。
先ず図14(a)に示すように、ガラス基板5上に絶縁
膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積し、次
に多結晶シリコン膜21を1000Åの厚さで堆積し、
パタンニングする。前記のSiO2膜6は基板に含まれ
ている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを
防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ必要と
しない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を5
00Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多
結晶シリコン膜7および21の結晶化率は75%以上、
好ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO2膜を
1200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成す
る。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属をスパッ
タ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタンニン
グしてゲート電極9を形成する。次に図14(b)に示
すように、図3に示す質量分析を用いないイオン注入装
置を用いて、PH3を0%を越え10%以下、好ましく
は0.01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%
を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリウムから成る
ドーピングガスから生成する全てのイオン14を、P+
イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×1
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013
/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲となるように
80keV程度のエネルギーで打ち込む。また、この時
同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン膜中の最大
濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、ヘリウムは
電気的に不活性であり、薄膜トランジスタの電気的特性
に何の影響ももたらさない。次に図14(c)に示すよ
うに、前記の質量分析を用いないイオン注入装置を用い
て、純水素をドーピングガスとして生成する全てのイオ
ン15を、20keV程度のエネルギーで1×1014
/cm2以上で1×1015個/cm2以下の範囲、更に好まし
くは3×1014個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の
範囲で打ち込み、n-型のソース・ドレイン領域10を
形成する。打ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の
厚さによって適時調整すればよく、本実施例に限定され
るものではない。本方法により、不純物が打ち込まれた
多結晶シリコン膜の結晶性は保持されると同時に、水素
によって多結晶シリコン膜中の欠陥が埋められる。次に
図14(d)に示すように、層間絶縁膜11としてSi
2膜を5000Å以上の厚さで堆積し、次にソース・
ドレイン領域10にコンタクトホールを形成し、前記の
質量分離を用いないイオン注入装置を用いて、PH3
0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を越え5
%以下の濃度で含み、残部がH2あるいはヘリウムから
成るドーピングガスから生成する全てのイオン20を、
+イオンの打ち込み量が1×1015個/cm2以上で、前
記の不純物燐の濃度のピークが前記のコンタクトホール
下部の多結晶シリコン膜の中央付近となるように30k
eVのエネルギーで打ち込む。前記のn+層の形成にお
いては、打ち込みに使用するドーピングガスの希釈ガス
はH2あるいはヘリウムのいずれのガスも使用可能であ
る。また、前記のドーピングガスの濃度は、短時間注入
のために、可能な限り濃いことが望ましい。最後に図1
4(e)に示すようにソース・ドレイン領域の不純物を
300℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、ソー
ス・ドレイン領域のコンタクトホールにAlやITOな
どで電極16を形成する。本実施例では、薄膜トランジ
スタのソース・ドレイン領域の多結晶シリコン膜の膜厚
が厚く、従って、前記のソース・ドレイン領域の抵抗値
をさらに低減することができる。またn+型のソース・
ドレイン領域の形成に特別なマスクを必要としない。
【0012】(実施例7) 図15は、本発明を用いて
製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一部
となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜21、薄
膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度の
多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された1
200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、C
rからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのn-型の
ソース・ドレイン領域10、薄膜トランジスタのn+
のソース・ドレイン領域19、SiO2で形成された層
間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、Al
あるいはITOで形成されるドレイン電極13を示す。
図16の工程図を用いて、図15の実施例を説明する。
先ず図16(a)に示すように、ガラス基板5上に絶縁
膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積し、次
に多結晶シリコン膜21を1000Åの厚さで堆積し、
パタンニングする。前記のSiO2膜6は基板に含まれ
ている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを
防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ必要と
しない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を5
00Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多
結晶シリコン膜7および21の結晶化率は75%以上、
好ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO2膜を
1200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成す
る。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属をスパッ
タ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタンニン
グしてゲート電極9を形成する。次に図16(b)に示
すように、図3に示す質量分析を用いないイオン注入装
置を用いて、PH3を0%を越え10%以下、好ましく
は0.01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%
を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリウムから成る
ドーピングガスから生成する全てのイオン14を、P+
イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×1
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013
/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲となるように
80keV程度のエネルギーで打ち込む。また、この時
同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン膜中の最大
濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、ヘリウムは
電気的に不活性であり、薄膜トランジスタの電気的特性
に何の影響ももたらさない。次に図16(c)に示すよ
うに、前記の質量分析を用いないイオン注入装置を用い
て、純水素をドーピングガスとして生成する全てのイオ
ン15を、20keV程度のエネルギーで1×1014
/cm2以上で1×1015個/cm2以下の範囲、更に好まし
くは3×1014個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の
範囲で打ち込み、n-型のソース・ドレイン領域10を
形成する。打ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の
厚さによって適時調整すればよく、本実施例に限定され
るものではない。本方法により、不純物が打ち込まれた
多結晶シリコン膜の結晶性は保持されると同時に、水素
によって多結晶シリコン膜中の欠陥が埋められる。次に
図16(d)に示すように、前記のゲート電極を含む薄
膜トランジスタの一部をレジストやポリイミドなどの有
機材料あるいはゲート電極、ゲート絶縁膜と選択的にエ
ッチング除去される無機材料、例えばTaをゲート電極
に用いた場合にはAlやCrなどを用いてマスクをし、
前記の質量分離を用いないイオン注入装置を用いて、P
3を0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を
越え5%以下の濃度で含み、残部がH2あるいはヘリウ
ムから成るドーピングガスから生成する全てのイオン2
0を、P+イオンの打ち込み量が1×1015個/cm2以上
となるように80keV程度のエネルギーで打ち込み、
前記の薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域にn+
層を形成する。前記のn+層の形成においては、打ち込
みに使用するドーピングガスの希釈ガスはH2あるいは
ヘリウムのいずれのガスも使用可能である。また、前記
のドーピングガスの濃度は、短時間注入のために、可能
な限り濃いことが望ましい。次に図16(e)に示すよ
うに、層間絶縁膜11としてSiO2膜を5000Å以
上の厚さで堆積し、次にソース・ドレイン領域10にコ
ンタクトホールを形成する。最後にソース・ドレイン領
域の不純物を窒素雰囲気中で、300℃、1時間の熱処
理をおこなって活性化し、ソース・ドレイン領域のコン
タクトホールにAlやITOなどで電極16を形成す
る。本実施例では、薄膜トランジスタのソース・ドレイ
ン領域の多結晶シリコン膜の膜厚が厚く、従って、前記
のソース・ドレイン領域の抵抗値をさらに低減すること
ができる。またn+型のソース・ドレイン領域の形成時
に、打ち込みエネルギーを大きくできる為に、イオンビ
ーム電流を大きくでき、生産性が向上するという利点を
有する。
【0013】(実施例8) 図17は、本発明を用い
て、絶縁基板上に形成された500Åの厚さを有する多
結晶シリコン膜に打ち込まれた不純物のボロンを300
℃で、一時間の熱処理を施したときのH+イオン打ち込
み量に対するシート抵抗値を示す別の実施例である。前
記の熱処理温度は、好ましくは300℃以上で600℃
以下、さらに好ましくは300℃以上で450℃以下、
さらに特に好ましくは300℃以上で350℃以下が良
い。当然のことながら、活性化の温度が低下すれば、使
用でき得るガラス基板の選択肢が増え、より安価な基板
を使用することができる。また、基板の膨張収縮は小さ
くなり、薄膜トランジスタの製造におけるアライメント
誤差を小さくできる利点を有する。前記の多結晶シリコ
ン膜は、結晶化率が75%以上、好ましくは90%以上
の膜を用いる。前期の多結晶シリコン膜の製造方法は特
に限定されないが、レーザー照射による方法や減圧化学
気相堆積法(LPCVD法)、プラズマ化学気相堆積法
(PCVD法)などを用いることが可能である。図17
において、不純物は、図3に示された質量分離を用いな
いイオン注入装置を用いて、B26を0%を越えて10
%以下、好ましくは0.01%を越え5%以下、更に好
ましくは0.1%を越え1%以下で含み、残部がヘリウ
ムからなる混合ガスから生成するイオンを80keVの
エネルギーでB+イオン換算で1×1014個/cm2と成る
ように前記の多結晶シリコン膜に前記の多結晶シリコン
膜上に堆積された1200Åの厚さを有したSiO2
を通して打ち込む。不純物の濃度が10%を超えると、
プラズマ生成室内の不純物の堆積が多くなり、装置のメ
ンテナンスを頻繁にしなければならなくなる。また、本
発明のように打ち込まれる不純物の濃度が1×1014
/cm2以下の微量になれば、打ち込み単位時間あたりの
不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec以下にし、打
ち込みにおける不純物量の制御性を向上させるために
は、不純物となるガスの濃度は1%以下が好ましい。こ
の時、打ち込まれたB+イオンの前記多結晶シリコン膜
中の最大濃度は、1×1019個/cm3となる。同時に前
記のシリコン膜にヘリウムイオンが、最大濃度で2×1
19個/cm3以上打ち込まれるが、ヘリウムイオンは電
気的に不活性であり、シリコン膜に対して何の影響も与
えない。連続して前記の質量分離を用いないイオン注入
装置を用いて、100%水素ガスより生成する水素イオ
ンを20keVのエネルギーで打ち込む。前記の打ち込
み時のエネルギーは、半導体装置の製造に一般的に用い
られるイオン注入装置と同様に、ゲート絶縁膜の厚さお
よび種類、打ち込みイオン種によって適時調整すること
が可能であり、本実施例に限定されるのもではない。例
えば、図3に示された質量分離を用いないイオン注入装
置を用いた場合、100%水素ガスから電離されるイオ
ンのほとんどがH2 +であり、水素化を効率よく実施する
ために、H2 +の深さ方向の最大濃度が前記の多結晶シリ
コン膜と前期のSiO2膜との界面にくるように20k
eV打ち込みエネルギーを設定している。しかし、H+
が主なイオンとして生成するような場合には、打ち込み
時のエネルギーを10keV程度にすれば同等の効果が
得られる。同様に、前記の質量分離を用いないイオン注
入装置を用いた場合、B26を0%を越えて10%以
下、好ましくは0.01%を越え5%以下、更に好まし
くは0.1%を越え1%以下で含み、残部がヘリウムか
らなる混合ガスから生成するイオンは、B2x +イオン
が主であるために80keVのエネルギーで、打ち込ん
でいる。しかし、B+イオンが主して生成される場合
は、40keVのエネルギーでよい。また本実施例で
は、前記の不純物イオンならびに水素イオンを打ち込む
場合に、前記の打ち込まれたイオンのピーク濃度が最大
濃度となるように打ち込みのエネルギーを設定している
が、必ずしも前記の最大濃度が打ち込まれたピーク濃度
と一致している必要はない。打ち込まれたイオンの分布
は、正規分布を示すため、例えば、前記のSiO2膜中
に打ち込まれたイオンのピーク濃度がくるように打ち込
みエネルギーを設定し、広がった分布の裾を用いること
は、容易に類推できる方法である。すなわち本発明が打
ち込みエネルギーを限定するものではないことは明らか
である。本実施例から判るように、微量の不純物を打ち
込まれた多結晶シリコン膜は、打ち込まれたH+イオン
量の打ち込み量が1×101 4個/cm2以上で1×1015
個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1014個/cm2
以上で7×1014個/cm2以下の打ち込み量の時、即
ち、前記の多結晶シリコン膜中の最大濃度が6×1018
個/cm3以上で1×1020個/cm3以下の範囲、更に好ま
しくは1.8×1019個/cm3以上で4.2×1019
/cm3以下の範囲にある時に低抵抗化する。これは、打
ち込まれた水素イオンによる多結晶シリコン膜中の不整
結合の終端化の効果と打ち込まれた前記の水素イオンに
よって生じる欠陥との競合によるためである。図18
は、本発明を用いて、絶縁基板上に形成された500Å
の厚さを有する多結晶シリコン膜に打ち込まれた不純物
のボロンを300℃で、一時間の熱処理を施したときの
ボロンイオンの打ち込み量に対するシート抵抗値を示す
一実施例である。前記の熱処理温度は、好ましくは30
0℃以上で600℃以下、さらに好ましくは300℃以
上で450℃以下、さらに特に好ましくは300℃以上
で350℃以下が良い。前記の多結晶シリコン膜は、結
晶化率が75%以上、好ましくは90%以上の膜を用い
る。図18において、不純物は、図3に示された質量分
離を用いないイオン注入装置を用いて、B26を0%を
越えて10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以
下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下で含み、残
部がヘリウムからなる混合ガスから生成するイオンを8
0keVのエネルギーでB+イオン換算で5×1012
/cm2から1.5×1014個/cm2と成るように前記の多
結晶シリコン膜に前記の多結晶シリコン膜上に堆積され
た1200Åの厚さを有したSiO2膜を通して打ち込
む。この時、打ち込まれたボロンの前記多結晶シリコン
膜中の最大濃度は、4.5×1017個/cm3から1.3
×1019個/cm3となる。また、この時同時に打ち込ま
れたヘリウムの前記シリコン膜中の最大濃度は、1×1
18個/cm3以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性
であり、シリコン膜に対して電気的に何の影響ももたら
さない。連続して前記の質量分離を用いないイオン注入
装置を用いて、100%水素ガスより生成する水素イオ
ンを20keVのエネルギーで、打ち込まれたH+イオ
ン量の前記の多結晶シリコン膜中の最大濃度が6×10
20個/cm3以上で1×1020個/cm3以下の範囲、更に好
ましくは1.8×1019個/cm3以上で4.2×1019
個/cm3以下の範囲になるように、1×1014個/cm2
ら1×1015個/cm2の範囲、更に好ましくは3×10
14個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の範囲の量を打
ち込む。前記の打ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁
膜の厚さおよび種類、打ち込みイオン種によって適時調
整することが可能であり、本実施例に限定されるのもで
はない。図18に示されるように、前記の多結晶シリコ
ン膜中に打ち込まれた微量の不純物は、本発明により3
00℃の熱処理で活性化される。図17および図18か
ら明らかなように、本発明は、n型のLDD構造を有す
る薄膜トランジスタ以外に、p型のLDD構造を有する
薄膜トランジスタの製造も可能である。本発明によれ
ば、ヘリウムを希釈ガスとして用いるため、プラズマが
安定し、不純物の打ち込み量の制御性が増加するという
効果を奏する。また、ヘリウムイオンは、酸化膜をエッ
チングすることはなく、シリコン膜へのダメージも少な
い等の効果を有し、多量に水素を注入してしまうために
起こる不要な特性変化を起こすことがない。
【0014】(実施例9) 図19は、本発明を用いて
製造された薄膜トランジスタの一実施例の断面図であ
る。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するSi
2膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚5
00Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜8とし
て形成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜、T
aやAl、Crからなるゲート電極9、薄膜トランジス
タのp-型のソース・ドレイン領域22、SiO2で形成
された層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極1
2、AlあるいはITOで形成されるドレイン電極13
を示す。図20の工程図を用いて、図19の実施例を説
明する。先ず図20(a)に示すように、ガラス基板5
上に絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆
積する。前記のSiO2膜6は基板に含まれている重金
属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを防ぐのが目
的であり、基板の純度が十分高ければ必要としない。次
に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を500Å程度
の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多結晶シリコ
ンの結晶化率は75%以上、好ましくは90%以上の膜
を用いる。次にSiO2膜を1200Å程度の厚さで堆
積しゲート絶縁膜8を形成する。次にAl、CrやTa
などの低抵抗の金属をスパッタ法などで6000Å程度
の厚さで堆積し、パタンニングしてゲート電極9を形成
する。次に図20(b)に示すように、図3に示す質量
分析を用いないイオン注入装置を用いて、B26を0%
を越え10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以
下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下の濃度で含
み、残部がヘリウムから成るドーピングガスから生成す
る全てのイオン23を、B+イオンの打ち込み量が3×
1013 個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の範囲、
更に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×1013
/cm2以下の範囲となるように80keV程度のエネル
ギーで打ち込む。また、この時同時に打ち込まれたヘリ
ウムの前記シリコン膜中の最大濃度は、3×1018個/
cm3以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性であり、
薄膜トランジスタの電気的特性に対して何の影響ももた
らさない。次に図20(c)に示すように、前記の質量
分析を用いないイオン注入装置を用いて、純水素をドー
ピングガスとして生成する全てのイオン15を、20k
eV程度のエネルギーで1×1014 個/cm2以上で1×
1015個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1014
個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込
み、p-型のソース・ドレイン領域22を形成する。打
ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって
適時調整すればよく、本実施例に限定されるものではな
い。本方法により、不純物が打ち込まれた多結晶シリコ
ン膜の結晶性は保持されると同時に、水素によって多結
晶シリコン膜中の欠陥が埋められる。次に図20(d)
に示すように、ソース・ドレイン領域の不純物を300
℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、層間絶縁膜
11としてSiO2膜を5000Å以上の厚さで堆積
し、ソース・ドレイン領域10にコンタクトホールを形
成し、ソース・ドレイン領域にAlやITOなどで電極
16を形成する。本発明により、p型の薄膜トランジス
タを、300℃程度の低温で、安定的に製造することが
可能である。
【0015】図21は、本発明を用いて製造された薄膜
トランジスタにおいて、VDSを−4V、VGを−10V
とした時のドレイン電流24およびVDSを−4V、VG
を10Vとした時のドレイン電流25と、ボロンの打ち
込み量との相関を示す図である。図21から、前記のボ
ロンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×10
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013個/c
m2以上で7×1013個/cm2以下の範囲、即ち、多結晶
シリコン膜中のボロンの最大濃度が3×1018個/cm3
以上で1×1019個/cm3以下の範囲、更に好ましくは
3×1018個/cm3以上で7×1018個/cm3以下の範囲
において、薄膜トランジスタのリーク電流を低減させる
ことが可能であることが判る。
【0016】(実施例10) 図22は、本発明を用い
て製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図で
ある。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するS
iO2膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚
500Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜とし
て形成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、
TaやAl、Crからなるゲート電極9、薄膜トランジ
スタのp-型のソース・ドレイン領域22、薄膜トラン
ジスタのコンタクトホール直下に設けられたp+層2
6、SiO2で形成された層間絶縁膜11、Alで形成
されるソース電極12、AlあるいはITOで形成され
るドレイン電極13を示す。図23の工程図を用いて、
図22の実施例を説明する。先ず図23(a)に示すよ
うに、ガラス基板5上に絶縁膜としてSiO2膜6を2
000Åの厚さで堆積する。前記のSiO2膜6は基板
に含まれている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散
するのを防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高けれ
ば必要としない。次に不純物を含まない多結晶シリコン
膜7を500Å程度の厚さで堆積し、パタンニングす
る。前記多結晶シリコンの結晶化率は75%以上、好ま
しくは90%以上の膜を用いる。次にSiO2膜を12
00Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成する。
次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属をスパッタ法
などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタンニングし
てゲート電極9を形成する。次に図23(b)に示すよ
うに、図3に示す質量分析を用いないイオン注入装置を
用いて、B26を0%を越え10%以下、好ましくは
0.01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%を
越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリウムから成るド
ーピングガスから生成する全てのイオン23を、B+
オンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×10
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013個/c
m2以上で7×1013個/cm2以下の範囲となるように8
0keV程度のエネルギーで打ち込む。また、この時同
時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン膜中の最大濃
度は、3×1018個/cm3以上になるが、ヘリウムは電
気的に不活性であり、薄膜トランジスタの電気的特性に
何の影響ももたらさない。次に図23(c)に示すよう
に、前記の質量分析を用いないイオン注入装置を用い
て、純水素をドーピングガスとして生成する全てのイオ
ン15を、20keV程度のエネルギーで1×1014
/cm2以上で1×1015個/cm2以下の範囲、更に好まし
くは3×1014個/cm2以上で7×1014個/cm2以下の
範囲で打ち込み、p-型のソース・ドレイン領域22を
形成する。打ち込み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の
厚さによって適時調整すればよく、本実施例に限定され
るものではない。本方法により、不純物が打ち込まれた
多結晶シリコン膜の結晶性は保持されると同時に、水素
によって多結晶シリコン膜中の欠陥が埋められる。次に
図23(d)に示すように、層間絶縁膜11としてSi
2膜を5000Å以上の厚さで堆積し、次にソース・
ドレイン領域10にコンタクトホールを形成し、前記の
質量分離を用いないイオン注入装置を用いて、B26
0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を越え5
%以下の濃度で含み、残部がH2あるいはヘリウムから
成るドーピングガスから生成する全てのイオン27を、
+イオンの打ち込み量が1×1015個/cm2以上で、前
記の不純物ボロンの濃度のピークが前記のコンタクトホ
ール下部の多結晶シリコン膜の中央付近となるように3
0keVのエネルギーで打ち込み、p+層26を形成す
る。前記のp+層の形成においては、打ち込みに使用す
るドーピングガスの希釈ガスはH2あるいはヘリウムの
いずれのガスも使用可能である。また、前記のドーピン
グガスの濃度は、短時間注入のために、可能な限り濃い
ことが望ましい。最後に図23(e)に示すようにソー
ス・ドレイン領域の不純物を300℃、1時間の熱処理
をおこなって活性化し、ソース・ドレイン領域のコンタ
クトホールにAlやITOなどで電極16を形成する。
本実施例では、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領
域と、Al、ITOなどの電極とのコンタクト部に、不
純物を高濃度に打ち込まれた多結晶シリコン層が存在す
るため、前記の電極とソース・ドレイン領域とのコンタ
クト抵抗を小さくすることが可能である。また、前記の
不純物を高濃度に打ち込まれた多結晶シリコン層を設け
るために特別なマスクを必要としない。
【0017】(実施例11) 図24は、本発明を用い
て製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図で
ある。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するS
iO2膜6、薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚
500Å程度の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜とし
て形成された1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、
TaやAl、Crからなるゲート電極9、薄膜トランジ
スタのp-型のソース・ドレイン領域22、薄膜トラン
ジスタのp+型のソース・ドレイン領域26、SiO2
形成された層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電
極12、AlあるいはITOで形成されるドレイン電極
13を示す。図25の工程図を用いて、図24の実施例
を説明する。先ず図25(a)に示すように、ガラス基
板5上に絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さ
で堆積する。前記のSiO2膜6は基板に含まれている
重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを防ぐの
が目的であり、基板の純度が十分高ければ必要としな
い。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を500
Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多結晶
シリコンの結晶化率は75%以上、好ましくは90%以
上の膜を用いる。次にSiO2膜を1200Å程度の厚
さで堆積しゲート絶縁膜8を形成する。次にAl、Cr
やTaなどの低抵抗の金属をスパッタ法などで6000
Å程度の厚さで堆積し、パタンニングしてゲート電極9
を形成する。次に図25(b)に示すように、図3に示
す質量分析を用いないイオン注入装置を用いて、B26
を0%を越え10%以下、好ましくは0.01%を越え
5%以下、更に好ましくは0.1%を越え1%以下の濃
度で含み、残部がヘリウムから成るドーピングガスから
生成する全てのイオン23を、B+イオンの打ち込み量
が3×1013個/cm2以上で1×1014個/cm2以下の範
囲、更に好ましくは3×1013個/cm2以上で7×10
13個/cm2以下の範囲となるように80keV程度のエ
ネルギーで打ち込む。また、この時同時に打ち込まれた
ヘリウムの前記シリコン膜中の最大濃度は、3×1018
個/cm3以上になるが、ヘリウムは電気的に不活性であ
り、薄膜トランジスタの電気的特性に何の影響ももたら
さない。次に図25(c)に示すように、前記の質量分
析を用いないイオン注入装置を用いて、純水素をドーピ
ングガスとして生成する全てのイオン15を、20ke
V程度のエネルギーで1×1014個/cm2以上で1×1
15個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1014
/cm2以上で7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、
-型のソース・ドレイン領域22を形成する。打ち込
み時のエネルギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時
調整すればよく、本実施例に限定されるものではない。
本方法により、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜
の結晶性は保持されると同時に、水素によって多結晶シ
リコン膜中の欠陥が埋められる。次に図25(d)に示
すように、前記のゲート電極を含む薄膜トランジスタの
一部をレジストやポリイミドなどの有機材料あるいはゲ
ート電極、ゲート絶縁膜と選択的にエッチング除去され
る無機材料、例えばTaをゲート電極に用いた場合には
AlやCrなどを用いてマスクをし、前記の質量分離を
用いないイオン注入装置を用いて、B26を0%を越え
10%以下、好ましくは0.01%を越え5%以下の濃
度で含み、残部がH2あるいはヘリウムから成るドーピ
ングガスから生成する全てのイオン27を、B+イオン
の打ち込み量が1×1015個/cm2以上となるように8
0keV程度のエネルギーで打ち込み、前記の薄膜トラ
ンジスタのソース・ドレイン領域にp+層26を形成す
る。前記のp+層の形成においては、打ち込みに使用す
るドーピングガスの希釈ガスはH2あるいはヘリウムの
いずれのガスも使用可能である。また、前記のドーピン
グガスの濃度は、短時間注入のために、可能な限り濃い
ことが望ましい。次に図25(e)に示すように、層間
絶縁膜11としてSiO2膜を5000Å以上の厚さで
堆積し、次にソース・ドレイン領域10にコンタクトホ
ールを形成する。最後にソース・ドレイン領域の不純物
を300℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、ソ
ース・ドレイン領域のコンタクトホールにAlやITO
などで電極16を形成する。本実施例では、薄膜トラン
ジスタのソース・ドレイン領域と、Al、ITOなどの
電極とのコンタクト部に、不純物を高濃度に打ち込まれ
た多結晶シリコン層が存在するため、前記の電極とソー
ス・ドレイン領域とのコンタクト抵抗を小さくすること
が可能である。また、併せて、p+層を形成するときの
打ち込みエネルギーを大きくできる為に、イオンビーム
電流を大きくでき、生産性が向上するという利点があ
る。
【0018】(実施例12) 図26は、本発明を用い
て製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図で
ある。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するS
iO2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一
部となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜20、
薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度
の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された
1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、
Crからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのp-
のソース・ドレイン領域22、SiO2で形成された層
間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、Al
あるいはITOで形成されるドレイン電極13を示す。
図27の工程図を用いて、図26の実施例を説明する。
先ず図27(a)に示すように、ガラス基板5上に絶縁
膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積し、次
に多結晶シリコン膜20を1000Åの厚さで堆積し、
パタンニングする。前記のSiO2膜6は基板に含まれ
ている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散するのを
防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ必要と
しない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜7を5
00Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。前記多
結晶シリコン膜7および20の結晶化率は75%以上、
好ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO2膜を
1200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を形成す
る。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属をスパッ
タ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタンニン
グしてゲート電極9を形成する。次に図27(b)に示
すように、図3に示す質量分析を用いないイオン注入装
置を用いて、B26を0%を越え10%以下、好ましく
は0.01%を越え5%以下、更に好ましくは0.1%
を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリウムから成る
ドーピングガスから生成する全てのイオン23を、B+
イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2以上で1×1
14個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1013
/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲となるように
80keV程度のエネルギーで打ち込む。また、この時
同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン膜中の最大
濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、ヘリウムは
電気的に不活性であり、何の影響ももたらさない。次に
図27(c)に示すように、前記の質量分析を用いない
イオン注入装置を用いて、純水素をドーピングガスとし
て生成する全てのイオン15を、20keV程度のエネ
ルギーで1×1014個/cm2以上で1×1015個/cm2
下の範囲、更に好ましくは3×1014個/cm2以上で7
×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、p-型のソース
・ドレイン領域22を形成する。打ち込み時のエネルギ
ーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時調整すればよ
く、本実施例に限定されるものではない。本方法によ
り、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜の結晶性は
保持されると同時に、水素によって多結晶シリコン膜中
の欠陥が埋められる。次に図27(d)に示すように、
ソース・ドレイン領域の不純物を窒素雰囲気中で300
℃、1時間の熱処理をおこなって活性化し、層間絶縁膜
11としてSiO2膜を5000Å以上の厚さで堆積
し、ソース・ドレイン領域10にコンタクトホールを形
成し、ソース・ドレイン領域にAlやITOなどで電極
16を形成する。本実施例では、薄膜トランジスタのソ
ース・ドレイン領域の多結晶シリコン膜の膜厚が厚く、
従って、前記のソース・ドレイン領域の抵抗値を低減す
ることができる。また、コンタクトホールをドライエッ
チング法で形成する場合には、十分なオーバーエッチン
グを行うことが可能となり、プロセスの安定性が向上す
るという利点を有する。
【0019】(実施例13) 図28は、本発明を用い
て製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図で
ある。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するS
iO2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一
部となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜20、
薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度
の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された
1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、
Crからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのp-
のソース・ドレイン領域22、薄膜トランジスタのp+
型のソース・ドレイン領域26、SiO2で形成された
層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、A
lあるいはITOで形成されるドレイン電極13を示
す。図29の工程図を用いて、図28の実施例を説明す
る。先ず図29(a)に示すように、ガラス基板5上に
絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積
し、次に多結晶シリコン膜20を1000Åの厚さで堆
積し、パタンニングする。前記のSiO2膜6は基板に
含まれている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散す
るのを防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ
必要としない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜
7を500Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。
前記多結晶シリコン膜7および20の結晶化率は75%
以上、好ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO
2膜を1200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を
形成する。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属を
スパッタ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタ
ンニングしてゲート電極9を形成する。次に図29
(b)に示すように、図3に示す質量分析を用いないイ
オン注入装置を用いて、B26を0%を越え10%以
下、好ましくは0.01%を越え5%以下、更に好まし
くは0.1%を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリ
ウムから成るドーピングガスから生成する全てのイオン
23を、B+イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2
上で1×1014個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3
×1013個/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲と
なるように80keV程度のエネルギーで打ち込む。ま
た、この時同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン
膜中の最大濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、
ヘリウムは電気的に不活性であり、薄膜トランジスタの
電気特性に何の影響ももたらさない。次に図29(c)
に示すように、前記の質量分析を用いないイオン注入装
置を用いて、純水素をドーピングガスとして生成する全
てのイオン15を、20keV程度のエネルギーで1×
1014個/cm2以上で1×1015個/cm2以下の範囲、更
に好ましくは3×1014個/cm2以上で7×1014個/c
m2以下の範囲で打ち込み、p-型のソース・ドレイン領
域22を形成する。打ち込み時のエネルギーは、ゲート
絶縁膜の厚さによって適時調整すればよく、本実施例に
限定されるものではない。本方法により、不純物が打ち
込まれた多結晶シリコン膜の結晶性は保持されると同時
に、水素によって多結晶シリコン膜中の欠陥が埋められ
る。次に図29(d)に示すように、層間絶縁膜11と
してSiO2膜を5000Å以上の厚さで堆積し、次に
ソース・ドレイン領域10にコンタクトホールを形成
し、前記の質量分離を用いないイオン注入装置を用い
て、B26を0%を越え10%以下、好ましくは0.0
1%を越え5%以下の濃度で含み、残部がH2あるいは
ヘリウムから成るドーピングガスから生成する全てのイ
オン27を、B+イオンの打ち込み量が1×1015個/c
m2以上で、前記の不純物ボロンの最大濃度が前記のコン
タクトホール下部の多結晶シリコン膜の中央付近となる
ように30keVのエネルギーで打ち込む。前記のp+
層の形成においては、打ち込みに使用するドーピングガ
スの希釈ガスはH2あるいはヘリウムのいずれのガスも
使用可能である。また、前記のドーピングガスの濃度
は、短時間注入のために、可能な限り濃いことが望まし
い。最後に図29(e)に示すようにソース・ドレイン
領域の不純物を300℃、1時間の熱処理をおこなって
活性化し、ソース・ドレイン領域のコンタクトホールに
AlやITOなどで電極16を形成する。本実施例で
は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域の多結晶
シリコン膜の膜厚が厚く、従って、前記のソース・ドレ
イン領域の抵抗値をさらに低減することができる。また
+型のソース・ドレイン領域の形成に特別なマスクを
必要としないという利点を有する。
【0020】(実施例14) 図30は、本発明を用い
て製造された薄膜トランジスタの別の実施例の断面図で
ある。ガラス基板5からの重金属類の拡散を防止するS
iO2膜6、薄膜トランジスタのソース・ドレインの一
部となる膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜20、
薄膜トランジスタのチャネル部となる膜厚500Å程度
の多結晶シリコン膜7、ゲート絶縁膜として形成された
1200Åの膜厚を有するSiO2膜8、TaやAl、
Crからなるゲート電極9、薄膜トランジスタのp-
のソース・ドレイン領域22、薄膜トランジスタのp+
型のソース・ドレイン領域26、SiO2で形成された
層間絶縁膜11、Alで形成されるソース電極12、A
lあるいはITOで形成されるドレイン電極13を示
す。図31の工程図を用いて、図30の実施例を説明す
る。先ず図31(a)に示すように、ガラス基板5上に
絶縁膜としてSiO2膜6を2000Åの厚さで堆積
し、次に多結晶シリコン膜20を1000Åの厚さで堆
積し、パタンニングする。前記のSiO2膜6は基板に
含まれている重金属などが、熱処理時に素子部に拡散す
るのを防ぐのが目的であり、基板の純度が十分高ければ
必要としない。次に不純物を含まない多結晶シリコン膜
7を500Å程度の厚さで堆積し、パタンニングする。
前記多結晶シリコン膜7および20の結晶化率は75%
以上、好ましくは90%以上の膜を用いる。次にSiO
2膜を1200Å程度の厚さで堆積しゲート絶縁膜8を
形成する。次にAl、CrやTaなどの低抵抗の金属を
スパッタ法などで6000Å程度の厚さで堆積し、パタ
ンニングしてゲート電極9を形成する。次に図31
(b)に示すように、図3に示す質量分析を用いないイ
オン注入装置を用いて、B26を0%を越え10%以
下、好ましくは0.01%を越え5%以下、更に好まし
くは0.1%を越え1%以下の濃度で含み、残部がヘリ
ウムから成るドーピングガスから生成する全てのイオン
23を、B+イオンの打ち込み量が3×1013個/cm2
上で1×1014個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3
×1013個/cm2以上で7×1013個/cm2以下の範囲と
なるように80keV程度のエネルギーで打ち込む。ま
た、この時同時に打ち込まれたヘリウムの前記シリコン
膜中の最大濃度は、3×1018個/cm3以上になるが、
ヘリウムは電気的に不活性であり、何の影響ももたらさ
ない。次に図31(c)に示すように、前記の質量分析
を用いないイオン注入装置を用いて、純水素をドーピン
グガスとして生成する全てのイオン15を、20keV
程度のエネルギーで1×1014個/cm2以上で1×10
15個/cm2以下の範囲、更に好ましくは3×1014個/c
m2以上で7×1014個/cm2以下の範囲で打ち込み、p-
型のソース・ドレイン領域22を形成する。打ち込み時
のエネルギーは、ゲート絶縁膜の厚さによって適時調整
すればよく、本実施例に限定されるものではない。本方
法により、不純物が打ち込まれた多結晶シリコン膜の結
晶性は保持されると同時に、水素によって多結晶シリコ
ン膜中の欠陥が埋められる。次に図31(d)に示すよ
うに、前記のゲート電極を含む薄膜トランジスタの一部
をレジストやポリイミドなどの有機材料あるいはゲート
電極、ゲート絶縁膜と選択的にエッチング除去される無
機材料、例えばTaをゲート電極に用いた場合にはAl
やCrなどを用いてマスクをし、前記の質量分離を用い
ないイオン注入装置を用いて、B26を0%を越え10
%以下、好ましくは0.01%を越え5%以下の濃度で
含み、残部がH2あるいはヘリウムから成るドーピング
ガスから生成する全てのイオン27を、B+イオンの打
ち込み量が1×1015個/cm2以上となるように80k
eV程度のエネルギーで打ち込み、前記の薄膜トランジ
スタのソース・ドレイン領域にp+層26を形成する。
前記のp+層の形成においては、打ち込みに使用するド
ーピングガスの希釈ガスはH2あるいはヘリウムのいず
れのガスも使用可能である。また、前記のドーピングガ
スの濃度は、短時間注入のために、可能な限り濃いこと
が望ましい。次に図31(e)に示すように、層間絶縁
膜11としてSiO2膜を5000Å以上の厚さで堆積
し、次にソース・ドレイン領域10にコンタクトホール
を形成する。最後にソース・ドレイン領域の不純物を窒
素雰囲気中で、300℃、1時間の熱処理をおこなって
活性化し、ソース・ドレイン領域のコンタクトホールに
AlやITOなどで電極16を形成する。本実施例で
は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域の多結晶
シリコン膜の膜厚が厚く、従って、前記のソース・ドレ
イン領域の抵抗値をさらに低減することができる。また
+型のソース・ドレイン領域の形成時に、打ち込みエ
ネルギーを大きくできる為に、イオンビーム電流を大き
くでき、生産性が向上するという利点を有する。
【0021】(実施例15) 図32は、本発明を用い
て形成されたn型ないしはp型のLDD構造を有する薄
膜トランジスタを、液晶表示装置の画素駆動用薄膜トラ
ンジスタに用いた場合の液晶表示装置の断面図である。
28は薄膜トランジスタが形成された絶縁基板、29は
対向基板、30は液晶を示す。図32において、画素用
の薄膜トランジスタは、本明細書に記載のLDD構造を
有した薄膜トランジスタ、あるいは容易に類推される同
様の薄膜トランジスタが用いられる。図33に等価回路
図を示す。図33における補助容量は、容量線を設ける
方法や駆動する一段前のゲート線との間に容量を設ける
方法などで作り込むことが可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、1×1014個/cm2
下の量の不純物イオンを300℃から450℃程度の低
温で活性化することが可能になる。したがって、300
℃から450℃程度の低温でLDD構造を有した薄膜ト
ランジスタの製造が可能になり、薄膜トランジスタのリ
ーク電流の低減が可能である。
【0023】さらに、薄膜トランジスタのリーク電流が
低減する事により、液晶表示装置の保持容量を小さくす
ることが可能となり、液晶表示装置の応用した場合、開
口率が向上できる。
【0024】また、300℃から450℃程度の低温で
薄膜トランジスタの製造が可能になるので、薄膜トラン
ジスタを形成するガラス基板として安価な基板を用いる
ことができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 H+イオン打ち込み量に対する燐を打ち込ま
れた多結晶シリコン膜のシート抵抗値を示す図である。
【図2】 P+イオンの打ち込み量に対するシート抵抗
値を示す図である。
【図3】 質量分析を用いないイオン注入装置の一例を
示す断面図である。
【図4】 本発明を用いて製造された薄膜トランジスタ
の一例を示す断面図である。
【図5】 本発明を用いて製造される薄膜トランジスタ
の一例を示す工程図である。
【図6】 P+の打ち込み量に対するドレイン電流の相
関を示す図である。
【図7】 本発明を用いて製造される薄膜トランジスタ
の別の例を示す断面図である。
【図8】 本発明を用いて製造される薄膜トランジスタ
の別の例を示す工程図である。
【図9】 本発明を用いて製造される薄膜トランジスタ
の別の例を示す断面図である。
【図10】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図11】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図12】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図13】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図14】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図15】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図16】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図17】 H+イオン打ち込み量に対するボロンを打
ち込まれた多結晶シリコン膜のシート抵抗値を示す図で
ある。
【図18】 B+イオンの打ち込み量に対するシート抵
抗値を示す図である。
【図19】 本発明を用いて製造された薄膜トランジス
タの一例を示す断面図である。
【図20】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの一例を示す工程図である。
【図21】 B+の打ち込み量に対するドレイン電流の
相関を示す図である。
【図22】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図23】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図24】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図25】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図26】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図27】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図28】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図29】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図30】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す断面図である。
【図31】 本発明を用いて製造される薄膜トランジス
タの別の例を示す工程図である。
【図32】 本発明の薄膜トランジスタを用いて作られ
た液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【図33】 本発明の薄膜トランジスタを用いて作られ
た液晶表示装置の一例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1 プラズマ源 2 不純物イオン 3 引き出し電極 4 加速電極 5 基板 6 SiO2膜 7 多結晶シリコン膜 8 ゲート絶縁膜 9 ゲート電極 10 n-型のソース・ドレイン領域 11 層間絶縁膜 12 ソース電極 13 ドレイン電極 14 PH3を含み、残部がヘリウムから成るドーピン
グガスから生成する全てのイオン 15 純水素をドーピングガスとして生成する全てのイ
オン 16 電極 17 薄膜トランジスタのVDSが4VでVGが10Vの
時のドレイン電流 18 薄膜トランジスタのVDSが4VでVGが−10V
の時のドレイン電流 19 n+層 20 PH3を含み、残部がH2あるいはヘリウムから成
るドーピングガスから生成する全てのイオン 21 薄膜トランジスタのソース・ドレインの一部とな
る膜厚1000Å程度の多結晶シリコン膜 22 p-層 23 B26を含み、残部がヘリウムから成るドーピン
グガスから生成する全てのイオン 24 薄膜トランジスタのVDSが−4VでVGが−10
Vの時のドレイン電流 25 薄膜トランジスタのVDSが−4VでVGが10V
の時のドレイン電流 26 p+層 27 B26を含み、残部がH2あるいはヘリウムから
成るドーピングガスから生成する全てのイオン 28 薄膜トランジスタが形成された絶縁基板 29 対向基板 30 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−335334(JP,A) 特開 平4−240774(JP,A) 特開 平4−321219(JP,A) 特開 平4−320345(JP,A) 特開 平5−275699(JP,A) 特開 平6−151461(JP,A) 特開 平5−275449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/265

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成された多結晶シリコン
    膜と前記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対
    し、質量分離を用いないイオン注入装置を用いてPH3
    が1%以下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから生
    成されるイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時間
    あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以
    下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 純水素ガスから生成される水素イオンを前記絶縁膜を通
    して前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 前記絶縁基板を300℃以上600℃以下に加熱する工
    程とを有することを特徴とする不純物の活性化方法。
  2. 【請求項2】 前記質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いて燐の前記多結晶シリコン膜中の不純物最大濃度
    を、1×1017個/cm3以上1.1×1019個/cm3以下
    とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘリウムの最大
    濃度を、1×1018個/cm3以上とする不純物打ち込み
    工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて前記多
    結晶シリコン膜中の水素の最大濃度を6×1018個/cm
    3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の不純物の活
    性化方法。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上に形成された多結晶シリコン
    膜と前記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対
    し、質量分離を用いないイオン注入装置を用いてB
    が1%以下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから
    生成されるイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時
    間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.
    以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 純水素ガスから生成される水素イオンを前記絶縁膜を通
    して前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 前記絶縁基板を300℃以上600℃以下に加熱する工
    程とを有することを特徴とする不純物の活性化方法。
  4. 【請求項4】 前記質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いてボロンの前記多結晶シリコン膜中の不純物最大
    濃度を、4.5×1017個/cm3以上1.3×1019
    /cm3以下とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘリ
    ウムの最大濃度を、1×1018個/cm3以上とする不純
    物打ち込み工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて前記多
    結晶シリコン膜中の水素の最大濃度を6×1018個/cm
    3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程と
    を有することを特徴とする請求項3に記載の不純物の活
    性化方法。
  5. 【請求項5】 絶縁基板上に形成された多結晶シリコン
    膜と前記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対
    し、質量分離を用いないイオン注入装置を用いてPH3
    が1%以下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから生
    成されるイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時間
    あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.以
    下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 純水素ガスから生成される水素イオンを前記絶縁膜を通
    して前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 前記絶縁基板を300℃以上600℃以下に加熱する工
    程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いて燐の前記多結晶シリコン膜中の不純物最大濃度
    を、1×1017個/cm3以上1.1×1019個/cm3以下
    とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘリウムの最大
    濃度を、1×1018個/cm3以上とする不純物打ち込み
    工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて前記多
    結晶シリコン膜中の水素の最大濃度を6×1018個/cm
    3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程と
    を有することを特徴とする請求項5に記載の薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁基板上に形成された多結晶シリコン
    膜と前記多結晶シリコン膜上に堆積された絶縁膜とに対
    し、質量分離を用いないイオン注入装置を用いてB
    が1%以下で、残部がヘリウムからなる混合ガスから
    生成されるイオンを前記絶縁膜を通し、打ち込み単位時
    間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.
    以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 純水素ガスから生成される水素イオンを前記絶縁膜を通
    して前記多結晶シリコン膜中に打ち込む工程と、 前記絶縁基板を300℃以上600℃以下に加熱する工
    程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いてボロンの前記多結晶シリコン膜中の不純物最大
    濃度を、4.5×1017個/cm3以上1.3×1019
    /cm3以下とし、かつ、前記多結晶シリコン膜中のヘリ
    ウムの最大濃度を、1×1018個/cm3以上とする不純
    物打ち込み工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて前記多
    結晶シリコン膜中の水素の最大濃度を6×1018個/cm
    3以上1×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程と
    を有することを特徴とする請求項7に記載の薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】 チャネルとなる多結晶シリコン膜を形成
    する工程と、 前記多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 質量分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオ
    ンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記
    絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン
    量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶シ
    リコン膜中に打ち込むことにより、燐の最大濃度が、3
    ×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であり、か
    つ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3以上で
    あるソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に含ま
    れる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×10
    20個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有すること
    を特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 【請求項10】 チャネルとなる多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、 前記多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 質量分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオ
    ンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記
    ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物
    イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多
    結晶シリコン膜中に打ち込むことにより、燐の最大濃度
    が、3×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であ
    り、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3
    以上である第一のソース・ドレイン領域と、前記の第一
    のソース・ドレイン領域ならびにソース・ドレイン電極
    と接し、燐の最大濃度が1×1020個/cm3以上である
    第二のソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記第一のソース・ドレイン領域
    に含まれる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1
    ×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上に第一の多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、 前記第一の多結晶シリコン膜の一部あるいは全てを覆う
    様に第二の多結晶シリコン膜を形成する工程と、 前記第一および第二の多結晶シリコン膜上にゲート絶縁
    膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 質量分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオ
    ンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記
    ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物
    イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多
    結晶シリコン膜中に打ち込むことにより、燐の最大濃度
    が、3×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であ
    り、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3
    以上であるソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に含ま
    れる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×10
    20個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有すること
    を特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 基板上に第一の多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、前記第一の多結晶シリコン膜の一部ある
    いは全てを覆う様に第二の多結晶シリコン膜を形成する
    工程と、前記第一および第二の多結晶シリコン膜上にゲ
    ート絶縁膜を形成すると、前記ゲート絶縁膜上にゲート
    電極を形成すると、質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いて不純物イオンを前記ゲート電極に対して自己整
    合的に、かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位
    時間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・se
    c.以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことに
    より、燐の最大濃度が、3×1018個/cm3以上1×1
    19個/cm3以下であり、かつ、ヘリウムの最大濃度
    が、3×1018個/cm3以上である第一のソース・ドレ
    イン領域と、前記第一のソース・ドレイン領域と接し、
    燐の最大濃度が、1×1020個/cm3以上である第二の
    ソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記第一のソース・ドレイン領域
    に含まれる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1
    ×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 チャネルとなる多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、 前記多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 質量分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオ
    ンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記
    絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物イオン
    量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多結晶シ
    リコン膜中に打ち込むことにより、ボロンの最大濃度
    が、3×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下であ
    り、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/cm3
    以上であるソース・ドレイン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に含ま
    れる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×10
    20個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有すること
    を特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 チャネルとなる多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、前記多結晶シリコン膜上にゲート絶縁膜
    を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を
    形成する工程と、質量分離を用いないイオン注入装置を
    用いて不純物イオンを前記ゲート電極に対して自己整合
    的に、かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時
    間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・sec.
    以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことによ
    り、ボロンの最大濃度が、3×1018個/cm3以上1×
    1019個/cm3以下であり、ヘリウムの最大濃度が、3
    ×1018個/cm3以上である第一のソース・ドレイン領
    域と、前記の第一のソース・ドレイン領域ならびにソー
    ス・ドレイン電極と接し、燐の最大濃度が1×1020
    /cm3以上である第二のソース・ドレイン領域を形成す
    る工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記第一のソース・ドレイン領域
    に含まれる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1
    ×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】 基板上に第一の多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、 前記第一の多結晶シリコン膜の一部あるいは全てを覆う
    様に第二の多結晶シリコン膜を形成する工程と、 前記第一および第二の多結晶シリコン膜上にゲート絶縁
    膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 質量分離を用いないイオン注入装置を用いて不純物イオ
    ンを前記ゲート電極に対して自己整合的に、かつ、前記
    ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位時間あたりの不純物
    イオン量を1×1012個/cm2・sec.以下として前記多
    結晶シリコン膜中に打ち込むことにより、ボロンの最大
    濃度が、3×1018個/cm3以上1×1019個/cm3以下
    であり、かつ、ヘリウムの最大濃度が、3×1018個/
    cm3以上であるソース・ドレイン領域を形成する工程
    と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記ソース・ドレイン領域に含ま
    れる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1×10
    20個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有すること
    を特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】 基板上に第一の多結晶シリコン膜を形
    成する工程と、前記第一の多結晶シリコン膜の一部ある
    いは全てを覆う様に第二の多結晶シリコン膜を形成する
    工程と、前記第一および第二の多結晶シリコン膜上にゲ
    ート絶縁膜を形成すると、前記ゲート絶縁膜上にゲート
    電極を形成すると、質量分離を用いないイオン注入装置
    を用いて不純物イオンを前記ゲート電極に対して自己整
    合的に、かつ、前記ゲート絶縁膜を通し、打ち込み単位
    時間あたりの不純物イオン量を1×1012個/cm2・se
    c.以下として前記多結晶シリコン膜中に打ち込むことに
    より、ボロンの最大濃度が、3×1018個/cm3以上1
    ×1019個/cm3以下であり、かつ、ヘリウムの最大濃
    度が、3×1018個/cm3以上である第一のソース・ド
    レイン領域と、第一のソース・ドレイン領域と、前記第
    一のソース・ドレイン領域と接し、ボロンの最大濃度
    が、1×1020個/cm3以上である第二のソース・ドレ
    イン領域を形成する工程と、 前記質量分離を用いないイオン注入装置を用いて水素を
    打ち込むことにより、前記第一のソース・ドレイン領域
    に含まれる水素の最大濃度が6×1018個/cm3以上1
    ×1020個/cm3以下とする水素打ち込み工程とを有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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