JPH08292419A - 映像信号表示方法、表示装置及びビューファインダ - Google Patents
映像信号表示方法、表示装置及びビューファインダInfo
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- JPH08292419A JPH08292419A JP35441395A JP35441395A JPH08292419A JP H08292419 A JPH08292419 A JP H08292419A JP 35441395 A JP35441395 A JP 35441395A JP 35441395 A JP35441395 A JP 35441395A JP H08292419 A JPH08292419 A JP H08292419A
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Abstract
子で表示する方法と、この表示に適した液晶表示装置を
提供する。 【解決手段】 複数フレーム期間の映像信号から1つの
映像画面を表示する。ここで、映信号の極性を考慮して
映像を表示する。また、液晶表示素子に偏光板などを用
いて表示コントラストを向上する。
Description
び行方向にマトリックス型に配置されているマトリック
ス型表示装置に好適な映像信号表示方法に関するもので
ある。また、本発明は、小型の液晶表示装置に表示され
た画像をスクリーン上に拡大投写する表示装置(以後、
投写型表示装置と呼ぶ)、ビデオカメラの撮影モニター
として用いる表示装置(以後、ビューファインダと呼
ぶ)、および、投写型表示装置とビューファインダのラ
イトバルブとして用いる表示装置に関するものである。
特徴を有するため、研究開発が盛んである。しかし、大
画面化が困難であるなどの問題点も多い。そこで近年、
小型の液晶装置の表示画面を投写レンズなどにより拡大
投映し、大画面の表示画像を得る投写型表示装置がにわ
かに注目を集めてきている。現在、商品化されている投
写型表示装置は液晶の旋光特性を利用したツイストネマ
ティック(以後、TNと呼ぶ)液晶表示装置が用いられ
ている。また、アクティブマトリクス型液晶表示装置は
高密度化、画素数の増大が進み、パーソナルコンピュー
タやワークステーションのデータ表示用ディスプレイと
して、また標準方式(NTSC)やHDTV方式のAV
用ディスプレイとして利用されている。さらに、アクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置の画素数の増大にともな
いソース駆動(データライン駆動)ICの動作クロック
の高速化も要求されるようになった。そのため、高速動
作クロックのソース駆動ICの開発のみならず、駆動方
法としても複数のソース駆動ICを並列に動作させ、複
数に分割された画面領域のソースラインを同時に駆動す
る方法が提案されている。従来の表示装置はTN液晶表
示装置であり、ごく一般的なものであるため、ここでは
説明を省略し、本発明の映像信号表示方法を説明する都
合上、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の表
示駆動方法の具体例について説明する。
液晶表示装置の映像信号処理回路を示す。映像信号処理
回路は、A/D変換器71と、メモリ72,73と、D
/A変換器74,75と、ソース信号処理回路76,7
7と、アクティブマトリクス型液晶表示パネル(以後、
液晶表示パネルと略称する場合もある)81のゲートラ
インxi(i=1〜n)を駆動するゲート駆動IC80
と、液晶表示パネル81のソースラインyj(j=1〜
2m)を駆動する2つのソース駆動IC78,79とを
備える。ソース駆動IC78,79は、それぞれ、mビ
ットのシフトレジスタ82,83と、サンプルホールド
回路群84,85とを含む。なお、各サンプルホールド
回路群84,85は、それぞれm個のサンプルホールド
回路を有している。液晶表示パネル81には、複数の画
素がマトリクス状に配置されている。各画素は、スイッ
チング素子としての薄膜トランジスタ(以後、TFTと
呼ぶ)86と、液晶層87とによって構成される。TF
T86のソースは対応する列のソースラインyjに接続
され、ゲートは対応する行のゲートラインxiに接続さ
れる。液晶層87は、その一方電極が対応するTFT8
6のドレインに接し、その他方が対向電極88に接す
る。また、メモリ72,73はランダムアクセスメモリ
であり、映像信号を2倍に時間軸伸長する機能を有す
る。なお、上記の構成では、ソース駆動ICが2つに分
割されているが、より大きな液晶表示パネルを表示駆動
する場合は、ソース駆動ICが3以上に分割される場合
もある。
型液晶表示装置の映像信号処理回路の動作を説明する。
まず、入力映像信号がA/D変換器71でディジタル映
像信号に変換され、メモリ72,73にストアされる。
メモリ72は、液晶表示パネル81のソースラインy1
〜ymに入力される映像信号、すなわち一走査線の映像
信号の内の前半の映像信号を2倍に時間軸伸長する。メ
モリ72で2倍に時間軸伸長されたディジタル映像信号
は、D/A変換器74でアナログ映像信号に変換され
る。次に、ソース信号処理回路76は、2倍に時間軸伸
長されたアナログ映像信号にγ補正を施すとともに、液
晶表示パネル81を交流駆動するために1フレーム毎に
アナログ映像信号の極性を反転する。ソース信号処理回
路76の出力信号は、ソース駆動IC78に入力され
る。一方、メモリ73は、液晶表示パネル81のソース
ラインym+1〜y2mに入力される映像信号、すなわち一
走査線の映像信号の内の後半の映像信号を2倍に時間軸
伸長する。メモリ73で2倍に時間軸伸長されたディジ
タル映像信号は、D/A変換器75でアナログ映像信号
に変換される。次に、ソース信号処理回路77は、2倍
に時間軸伸長されたアナログ映像信号にγ補正を施すと
ともに、液晶表示パネル81を交流駆動するために1フ
レーム毎にアナログ映像信号の極性を反転する。ソース
信号処理回路77の出力信号は、ソース駆動IC79に
入力される。ソース駆動IC78,79では、ソース信
号処理回路76,77から入力された映像信号が、それ
ぞれ、サンプルホールド回路群84,85の各サンプル
ホールド回路に並列に与えられる。サンプルホールド回
路群84の各サンプルホールド回路は、シフトレジスタ
82のシフト動作に同期して、ソースラインy1〜ymへ
入力する映像信号を順次的に保持する。同様に、サンプ
ルホールド回路群85の各サンプルホールド回路は、シ
フトレジスタ83のシフト動作に同期して、ソースライ
ンym+1〜y2mへ入力する映像信号を順次的に保持す
る。ゲートラインxiがゲート駆動IC80によってア
クティブとなりi行目の各TFT86がオンしたとき、
サンプルホールド回路群84,85の各サンプルホール
ド回路に保持された一走査線分の映像データはソースラ
インy1〜y2mを介してi行目の各液晶層87に印可さ
れる。その結果、一走査線分の映像データが液晶表示パ
ネル81に書き込まれる。上記のソース駆動動作を繰り
返すとともに、ゲート駆動IC80がゲートラインを順
次走査することにより、液晶表示パネル81に画像が得
られる。
ース駆動ICの継ぎ目で、D/A変換器以降のアナログ
回路のバラツキや、ソース駆動IC内部の各サンプルホ
ールド回路における保持時間の違いのために輝度差が発
生し画質が劣化する。また上記課題を解決するために、
輝度差を補正する補正回路を付加する方法や、ソース駆
動ICをディジタル入力にする方法が考えられるが、コ
ストアップや回路規模、液晶表示パネル周辺の実装面積
の増大を伴う。従来はシリコン基板に半導体技術を用い
てソースドライブ回路を複数形成し、各ソースドライブ
回路を切り出してソースドライブIC78,79として
用いる。前記ICはかなりの高速で動作するので、画面
分割数は2あるいは3分割で対応できる。
ン膜等を蒸着し、前記膜をレーザ等を用いて結晶化して
半導体層を形成し、前記半導体層を用いてTFT86を
形成する技術(低温ポリシリコン技術)が確立しつつあ
り、前記技術を用いた液晶表示パネルは安価に製造でき
るため注目を集めており、試作品が各社から発表・開発
されている。また、従来より石英ガラス基板にシリコン
の結晶膜を形成しTFT86を形成する技術(高温ポリ
シリコン技術)も確立している。前記ポリシリコン技術
による液晶表示パネルは、高価でかつ大面積の表示領域
のものを形成しにくいが、ビデオカメラ等のビューファ
インダに実用化されている。高温ポリシリコン技術およ
び低温ポリシリコン技術で作製した液晶表示パネルに共
通した特徴は、ゲートドライブIC80およびソースド
ライブIC82がTFT86と同一基板上に、同時に形
成できる点である。したがって液晶表示パネル81を作
製後、前記ゲートドライブIC80およびソースドライ
ブIC82を、前記パネル81上に実装する必要がな
い。また、新たにソースドライブIC82等を製造する
必要がない。そのため実装コストを削減できる点等で低
価格化が図られる。
製した液晶表示パネルの課題は、前記液晶表示パネル8
1に直接形成したソースドライブ回路等の上限動作速度
が低い点である。一般的に安定して動作する範囲は1M
Hz〜3MHzである。そのためソースドライブ回路のシ
フトレジスタ82等は多段にして対処する必要がある。
シフトレジスタの動作周波数が2MHzで、液晶表示パ
ネルを40MHzで動作される必要があれば40/2=
20分割する必要がある。つまりシフトレジスタは20
列形成する必要がある。シフトレジスタ数が多くなるほ
ど、シフトレジスタが占める面積が大きくなり、また工
程での不良発生数も増加するから好ましいことではな
い。
ポリシリコン技術で形成した液晶表示パネルは低価格に
できる可能性が高いという利点を有し、将来のパーソナ
ルコンピュータやワークステーションの表示モニターと
して有望である。しかし、反面、高速駆動(高速データ
レート=広帯域)化が困難という側面も有する。NTS
CおよびHDはインタレース走査映像信号である。VG
A、SXGAはプログレッシブ走査映像信号である。家
庭用テレビとしてはNTSC、HDに対応できれば当面
は十分である。しかし、SXGAも表示したいという要
望が強い。しかし、液晶表示パネルをプログレッシブ走
査映像信号に適用するには、シフトレジスタの並列数が
インタレース走査映像信号の場合の2倍になる。したが
って、SXGAのプログレッシブ走査映像信号にも適用
するためには、HD規格では必要でない。さらに2倍に
並列に形成したシフトレジスタをあらかじめ形成してお
く必要がある。これはあまりに損失が大きい。一般に、
パーソナルコンピュータやワークステーション等の広帯
域(高速データレート)プログレッシブ走査映像信号
を、ラインと列からなるマトリクス型の液晶表示パネル
などの高速走査の苦手なディスプレイに、簡単かつ安価
に、しかも画質の劣化を生じることなく表示させること
が望まれる。
て、液晶表示装置が用いられる。しかし、一般に用いら
れているTN液晶表示パネルには、次のような問題があ
る。この表示パネルにおいて、液晶分子は印加電圧によ
り配向方向を変化する。映像信号に応じて配向が変化
し、液晶層を通る光が変調される。しかし、TN液晶パ
ネルは、偏光子を用いる必要があり、全体の光の透過率
が低く、高輝度表示ができない。また、偏光子に吸収さ
れる熱のため、偏光子自体や液晶表示パネルが高温にな
り、短時間で著しい性能劣化をひきおこしやすくなる。
TN液晶表示パネルの欠点を解決するものとして、高分
子分散液晶表示パネルが考えられる。高分子分散液晶
は、液晶が高分子中に分散しているものである。高分子
分散液晶は、液晶分子が配向する方向により屈折率が異
なる。電圧を印加していない状態では、水滴状の液晶の
配向方向が不規則であり、または、液晶分子が不規則な
方向に配向していて、このため、高分子と液晶に屈折率
の差が生じ、入射光を散乱する。一方、液晶が一定方向
に配向したときの屈折率を高分子の屈折率と合わせてお
くと、電圧を印加して液晶の配向方向がそろったとき、
入射光は散乱されずに透過する。高分子分散液晶を用い
た表示パネルの課題は、表示コントラストが低い点にあ
る。画素電極の間のソース電極などの存在する部分に横
電界が発生し画素周辺部から光りがもれる。この光り抜
けは表示コントラストの低下に直結し、好ましくない。
また、画素電極の間にあるスイッチング素子にもれ光が
入射して誤動作を起こすことも防止しなければならな
い。また、高分子分散液晶表示パネルにおいて、光りも
れ防止のためブラックマトリクスを形成すると、パネル
製造時に、高分子と液晶からなる溶液に光を照射して高
分子分散液晶にするとき、ブラックマトリクスの下方に
高分子の未硬化部分が残って散乱特性が低下するので、
ブラックマトリクスの周辺から光もれが発生する。した
がって、(正規の映像信号で変調した光でない)不要な
光り抜けが画像ノイズとなる。このため、鮮明な画像表
示ができなくなる。表示コントラストを上げるには、画
素電極の周辺で発生する横電界が原因となる不要な光抜
けを阻止できねばならない。
ト)プログレッシブ走査映像信号を、高速走査の苦手な
表示装置に、簡単かつ安価に、しかも画質の劣化を生じ
ることなく表示させることのできる映像信号表示方法、
映像信号表示装置および主としてそれらを用いた投写型
表示装置等を提供することである。本発明の他の目的
は、高コントラストの液晶表示装置や投写型装置などを
提供することである。
しては、第1フレームで奇数ラインを表示し、第2フレ
ームで偶数ラインを表示し、2フレームで1画面を表示
する方法がある。また、他の方法として、第1フレーム
で奇数ラインのみを取り出して2本づつ表示し、第2フ
レームで偶数ラインのみを取り出して2本づつ表示し、
2フレームで1画面を表示する方法が考えられる。ま
た、映像信号で判断していずれかの方法を選択すること
もできる。さらに、これらの基本的表示方法の発展とし
て、以下のように、4フレームなどで1画面を表示する
方法がある。第1の本発明の映像信号表示方法は、以下
のとおりである。nを整数としたとき、かつ第1の極性
を正極性又は負極性とし、第2の極性は前記極性と反対
極性としたとき、第1のフレーム中のプログレッシブ走
査映像信号から奇数ラインの信号を取り出して、液晶表
示パネルの(4n−3)ラインの画素に対向電極の電位
に対し、第1極性の映像信号を保持させ、(4n−1)
ラインの画素に第2極性の映像信号を保持させる第1の
ステップを行う。次に前記第1のフレームに連続する第
2のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から偶数
ライン信号を取り出して、前記液晶表示パネルの(4n
−2)ラインの画素に、第1極性の映像信号を保持さ
せ、(4n)ラインの画素に第2極性の映像信号を保持
させる第2のステップを行う。以上の2フレーム期間で
前記液晶表示パネルに1フレーム分の映像表示情報を表
示する。さらに前記第2のフレームに連続する第3のフ
レーム中では前記液晶表示パネルの(4n−3)ライン
および(4n−1)ラインの画素に、前記第1のフレー
ムで保持した映像信号の極性と反対となるように映像信
号を保持させる第3のステップを行う。次に前記第3の
フレームに連続する第4のフレーム中では、前記液晶表
示パネルでの(4n−2)ラインおよび(4n)ライン
の画素に、前記第2のフレームで保持した映像信号と反
対極性となるように映像信号を保持させる第4のステッ
プを行う。
とおりである。nを整数とし、第1の極性を正極性又は
負極性とし、第2の極性を、第1の極性と逆極性とする
と、第1のフレーム中のインタレース走査映像信号から
ライン信号を取り出して、前記表示手段上の(4n−
3)および(4n−2)ラインの画素に第1の極性の映
像信号を保持させ、かつ、(4n−1)および(4n)
ラインの画素に第2の極性の映像信号を保持させる第1
のステップを行う。次に、前記第1のフレームに連続す
る第2のフレーム中のインタレース走査映像信号からラ
イン信号を取り出して、前記液晶表示パネルの(4n−
2)および(4n−1)ラインの画素に第1の極性の映
像信号を保持させ、(4n)および(4n+1)ライン
の画素に第2の極性の映像信号を保持させる第2のステ
ップを行う。さらに、前記第2のフレームに連続する第
3のフレーム中では、前記液晶表示パネルの画素に、前
記第1のフレームで保持した映像信号の反対極性となる
ように映像信号を保持させる第3のステップを行う。次
に前記第3のフレームに連続する第4のフレーム中で
は、前記液晶表示パネルの画素に、前記第2のフレーム
で保持した映像信号の反対極性となるように映像信号を
保持させる第4のステップを行う。
とおりである。ただし、nを整数としたとき、第1の極
性が正極性または負極性とし、第2の極性が前記第1の
極性と反対の極性とする。まず、第1のフレーム中のプ
ログレッシブ走査映像信号からライン信号を取り出し
て、前記液晶表示パネルの(4n−3)および(4n−
2)ラインの画素に第1の極性の第1の映像信号を保持
させ、かつ、(4n−1)および(4n)ラインの画素
に第2の極性の第2の映像信号を保持させる第1のステ
ップを行う。次に、前記第1のフレームに連続する第2
のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号からライン
信号を取り出して、前記液晶表示パネルの(4n−3)
および(4n−2)ラインの画素に第2の極性の第3の
映像信号を保持させ、かつ、(4n−1)および(4
n)ラインの画素に第1の極性の第4の映像信号を保持
させる第2のステップを行う。以上の2フレーム期間で
前記液晶表示パネルに1フレーム分の映像情報を表示す
る。
とおりである。ただし、nを整数としたとき、第1の極
性が正極性または負極性とし、第2の極性が前記第1の
極性と反対の極性とする。まず、第1のフレーム中のイ
ンタレース走査映像信号からライン信号を取り出して、
前記表示手段上の(8n−7)および(8n−6)ライ
ンの画素に第1の極性の第1の映像信号を、(8n−
5)および(8n−4)ラインの画素に第2の極性の第
1の映像信号を保持させ、かつ、(8n−3)および
(8n−2)ラインの画素に第1の極性の第2の映像信
号を、(8n−1)および(8n)ラインの画素に第2
の極性の第2の映像信号を保持させる第1のステップを
行う。次に、前記第1のフレームに連続する第2のフレ
ーム中のインタレース走査映像信号からライン信号を取
り出して、前記液晶表示パネルの(8n−5)および
(8n−4)ラインの画素に第1の極性の第3の映像信
号を、(8n−3)および(8n−2)ラインの画素に
第1の極性の第3の映像信号を保持させ、かつ、(8n
−1)および(8n)ラインの画素に第2の極性の第4
の映像信号を、(8n+1)および(8n+2)ライン
の画素に第1の極性の第4の映像信号を保持させる第2
のステップを行う。以上の2フレーム期間で前記表示手
段上に1フレーム分の映像情報を表示する。
する方法を提供する。VGA,SXGAはプログレッシ
ブ走査映像信号である。複数フレーム期間で1画面を形
成することにより従来の液晶表示装置などを使用してプ
ログレッシブ走査映像信号の高速の表示ができる。本発
明の方法によれば、シフトレジスタ数はHD規格のイン
タレースに適用できる並列数でSXGA規格のプログレ
ッシブ走査映像信号による画像も表示できることにな
る。特にSXGA等はワークステーションで用いられ、
ワークステーションで用いる画像は静止画がほとんどで
あり本発明の方法で十分適用できる。もちろん、動画表
示にも適応できる。
方向にマトリックス状に配置された画素電極と、前記画
素電極に信号を印可するスイッチング素子と、前記スイ
ッチング素子をオンオフさせる信号を伝達する第1の信
号線と、前記画素電極に印可する信号を伝達する第2の
信号線とが形成された第1の基板と、対向電極が形成さ
れた第2の基板と、第1の基板と第2の基板の間に挟持
された光散乱状態の変化として光学像を形成する光変調
層と、第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号
から奇数ラインの信号を取り出して前記奇数ラインの画
素に印可する手段と、第1のフレームに連続する第2の
フレーム中のプログレッシブ走査映像信号から偶数ライ
ン信号を取り出して前記偶数ラインの画素に表示する手
段を具備する。好ましくは、隣接した画素電極間に、遮
光手段が形成される。好ましくは、隣接した画素電極間
に、光変調層の比誘電率よりも小さい誘電体材料の樹脂
からなる遮光膜が形成される。好ましくは、光変調手段
は、有効ライン数が960本以上の液晶表示装置であ
る。
表示装置もしくは本発明の映像信号表示方法を適用した
表示ディスプレイ(液晶表示パネル等)をライトバルブ
として用いたものである。本発明に係る投写型表示装置
は、光発生手段と、光発生手段からの光を変調する光変
調手段と、光変調手段で変調された光を投写する投写手
段とを具備する。たとえば、この光変調手段は、プログ
レッシブ走査映像信号を表示手段上に表示する装置であ
って、第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号
から奇数ライン信号を取り出して表示手段上の奇数ライ
ンに表示する手段、および、第1のフレームに連続する
第2のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から偶
数ライン信号を取り出して表示手段上の偶数ラインに表
示する手段を備え、第1のステップ後に第2のステップ
をおこなう2フレーム期間、もしくは第2のステップ後
に第1のステップをおこなう2フレーム期間で前記表示
手段上に1フレーム分の映像情報を表示する。あるい
は、光変調手段は、プログレッシブ走査映像信号を表示
手段上に表示する装置であって、第1のフレーム中のプ
ログレッシブ走査映像信号から奇数ライン信号を取り出
して前記表示手段上の奇数ラインに表示し、当該第1の
フレームに連続する第2のフレーム中のプログレッシブ
走査映像信号から偶数ライン信号を取り出して前記表示
手段上の偶数ラインに表示する第1の表示制御手段、第
1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から奇数
ライン信号を取り出して前記表示手段上の奇数ラインと
当該奇数ラインに隣接する次の偶数ラインに同時に表示
し、当該第1のフレームに連続する第2のフレーム中の
プログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り
出して前記表示手段上の偶数ラインと当該偶数ラインに
隣接する次の奇数ラインに同時に表示する第2の表示制
御手段、および、第1および第2の表示制御手段を選択
的に能動化するための表示方法選択手段を備える。
装置もしくは表示ディスプレイを、赤(R),緑(G)
および青(B)の3つの光路にそれぞれ配置し、3つの
映像表示装置等のうち、1つの表示装置の任意のライン
する信号の位相と、他の表示装置の前記ラインに印可す
る信号の位相とが逆位相となるようにする。好ましく
は、光変調手段として、光散乱状態の変化として光学層
を形成する光変調手段が用いられる。そのような光変調
手段として、好ましくは、高分子分散液晶を含む液晶表
示装置が用いられる。なお、本装置や以下の装置におい
て、好ましくは、高分子分散液晶層は、フッ素基を有す
る樹脂成分と、クロル系のネマティック液晶成分からな
る。好ましくは、高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上
25μm以下であり、かつ、前記高分子分散液晶層の水
滴状液晶の平均粒子径もしくはポリマーネットワークの
平均孔径が0.5μm以上3μm以下である。
対向基板には、対向電極に積層されて少なくとも1層の
誘電体薄膜とが形成されており、誘電体薄膜の屈折率
は、ITO薄膜の屈折率よりも小さく、かつ、光変調層
の屈折率よりも大きく、かつ、屈折率は1.5以上1.8
以下である。Nを1以上の奇数、Mを1以上の整数、λ
を光の設計主波長としたとき、誘電体薄膜の光学的膜厚
は、略(N・λ)/4、かつ、ITO薄膜の光学的膜厚
は、略(M・λ)/2であり、もしくは、誘電体薄膜の光
学的膜厚は、略(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の
光学的膜厚は、略(N・λ)/4である。好ましくは、誘
電体薄膜は三酸化二アルミニウム(Al2O3)、三酸化
二イットリウム(Y2O3)、一酸化シリコン(Si
O)、三酸化タングステン(WO3)、三弗化セリウム
(CeF3)、三弗化ランタン(LaF3)、三弗化ネオジ
ウム(NdF3)のいずれかの薄膜である。好ましくは、
第1の基板と第2の基板のうち少なくとも一方に光結合
層を介して透明部材が配置され、透明部材は、透明基板
もしくは凹レンズである。
は、光発生手段と、光発生手段から放射される光を複数
の光路に分離する光分割手段と、分離された光路に対応
して配置された少なくとも第1と第2の光変調手段と、
複数の光変調手段で変調さらた光を略同一位置に重ね合
わせて投射する投射手段とを具備する。光変調手段は、
複数の行ごとに同一極性の電圧を印可し、かつ、複数の
行が隣接する行には前記極性の電圧と反対の極性となる
ように電圧を印可し、第1の光変調手段の光学像と第2
の光変調手段の光学像とが重ね合わされたとき、第1の
光変調手段の任意に複数の行と、第1の光変調手段の任
意の行に重ね合わせされた複数の行において、少なくと
も1つの行に対応する画素行の印可する電圧の極性が反
対極性である。本発明の投写型表示装置では、本発明の
表示バルブをライトバルブとして採用しているため、高
輝度表示を実現でき、また、200インチ以上の大画面
化にも対応できる。
出射面のうち少なくとも一方に配置された偏光板を具備
するものである。すなわち、この表示装置は、マトリッ
クス状に配置された画素電極と、前記画素電極に信号を
印可するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を
オンオフさせる信号を伝達する第1の信号線と、前記画
素電極に印可する信号を伝達する第2の信号線とが形成
された第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板
と、第1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態
の変化として光学像を形成する光変調層と、画素電極
に、対向電極の電位に対して正極性または逆極性の信号
を順次印可する駆動手段と、第1の基板側と第2の基板
側のうち少なくとも一方に配置された偏光手段とを具備
する。前記駆動手段は、マトリックス状に配置された画
素電極に、一行もしくは複数行ごとに極性が異なる第1
の状態、または一列もしくは複数列ごとに極性が異なる
第2の状態となるように、画素電極に信号を印可する。
第1の状態の時は、偏光手段の偏光軸が第2の信号線の
形成方向と略一致させ、第2の状態の時は、偏光手段の
偏光軸が第1の信号線の形成方向と略一致させている。
ーファインダは、光変調手段としての前記の表示装置
と、一つの光発生手段と、光発生手段から放射される光
を略平行光に変換する集光手段と、光変調手段の光学像
を拡大し、かつ拡大した光学像を観察者に見えるように
する拡大表示手段とを具備する。好ましくは、前記の集
光手段は、平凸レンズである。本発明のビューファイン
ダは、発光素子の小さな発光体から広い立体角に放射さ
れる光を集光レンズで平行に近く指向性の狭い光に変換
し、表示パネルで変調して画像を表示するため、消費電
力が少なく、輝度むらも少なくなる。また、偏光板を集
光レンズに貼り付け、かつ、集光レンズを回転可能にす
る。集光レンズを回転させれば、液晶表示パネルの入射
光量を可変できる。また、偏光手段を備えた本発明に係
る投写型表示装置は、光変調手段としての前記の表示装
置と、光発生手段と、光発生手段から放射される光を複
数の波長の光路に分離する第1のダイクイックミラーま
たはダイクロイックプリズムと、光変調手段で変調され
て光を投射する投射手段とを具備する。そして、光変調
手段の偏光軸は、P偏光軸と略一致させる。本発明に係
る投写型表示装置は、また、2つの偏光手段を用いる。
すなわち、この表示装置は、光散乱状態の変化として光
学像を形成する光変調手段と、光変調手段で変調された
光を投射する投射手段と、光変調手段の光入射側に配置
された第1の偏光手段と、光変調手段の光出射側に配置
された第2の偏光手段とを具備する。第1の偏光手段の
偏光軸と第2の偏光手段の偏光軸とが略一致している。
あるいは、第2の偏光手段の代わりに、偏光軸を有する
偏光スクリーンを用いる。
姓を印加するH反転駆動である。したがって、偏光板を
用いる場合図34のように配置する。図34の偏光板構
造と組み合わせることにより、横電界による画素電極周
辺部の光もれを完全に防止でき、極めて良好な表示コン
トラストを実現できる。また、横電界が発生する箇所に
低誘電体膜あるいは低誘電体柱を作成する。この構造に
より、横電界を発生しても抑制することができる。より
低誘電率の物質の内では、電気力線の透過率がわるいか
らである。
応したカラーフィルタを備える。すなわち、表示装置
は、マトリックス状に配置された画素電極が形成された
第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板と、第
1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態の変化
として光学像を形成する光変調層と、画素電極または対
向電極に形成されたカラーフィルタと、カラーフィルタ
が形成されていない方の電極に形成された誘電体薄膜と
を具備し、誘電体薄膜は各画素電極に対応してパターニ
ングされている。好ましくは、誘電体薄膜は、紫外線を
吸収する。紫外線の吸収度合いは、誘電体薄膜の膜厚に
より異なる。誘電体薄膜の膜厚は、カラーフィルタの色
の波長が短いと相対的に薄くし、長いと相対的に厚くす
る。これにより、高分子分散液晶の液晶滴の大きさを最
適な散乱特性が得られる大きさにすることができる。し
たがって、表示コントラストが良好な画像表示を実現す
る。好ましくは、誘電体薄膜は酸化チタン(TiO2)ま
たは一酸化ケイ素(SiO)である。好ましくは、スイ
ッチング素子上に樹脂からなる遮光膜が形成される。好
ましくは、対向電極上と画素電極上のうち少なくとも一
方に、光変調層の比抵抗よりも高い絶縁膜が形成され
る。
状の透明電極と光吸収手段を具備する。すなわち、マト
リックス状に画素電極として配置された透明電極と、前
記透明電極に信号を印可するスイッチング素子と、前記
スイッチング素子に信号を伝達する信号線とが形成され
た第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板と、
第1の基板と第2の基板の間に挾持された高分子分散液
晶層と、信号線と第1の基板の間に配置または形成され
た光吸収手段とを具備する。画素周辺部からの光抜けが
なく、白ウインドウ表示なども良好である。また、光吸
収手段を有する他の本発明の表示装置は、マトリックス
状に配置された透明電極と、透明電極に信号を印可する
スイッチング素子と、スイッチング素子に信号を伝達す
る信号線と、遮光膜とが形成された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、第1の基板と第2の基
板の間に挾持された高分子分散液晶層とからなる。前記
遮光膜は、スイッチング素子の半導体層と第1の基板の
間に配置または形成された光吸収手段とを具備する。好
ましくは、高分子層と接する面に、前記高分子分散液晶
層の比抵抗より高い比抵抗の絶縁膜が形成される。好ま
しくは、マトリックス状に配置された透明電極と、前記
透明電極に信号を印可するスイッチング素子が形成され
た第1の基板と、対向電極が形成された第2の基板と、
第1の基板と第2の基板間に挟持された高分子分散液晶
層と、透明電極と第1の基板の間に、かつ、透明電極の
周辺部に配置または形成された光吸収膜とを具備する。
好ましくは、高分子分散液晶層と接する面に、高分子分
散液晶層の比抵抗より高い比抵抗の絶縁膜が形成され
る。
の表示方法を用いる上述の光変調手段と、発光体を有す
る光発生手段と、光変調手段で変調した光を拡大投映す
る投写手段と、光変調手段の光入射側に配置される第1
の絞り手段と、光変調手段の光出射側に配置される第2
の絞り手段と、複数の入力部収束レンズを二次元状に配
列してなる入力部収束レンズアレイと、複数の入力部収
束レンズと同数で対を成す複数の中央部収束レンズを二
次元状に配列してなる中央部収束レンズアレイと、出力
部収束レンズとを具備する。ここに、光発生手段から出
射する光は、入力部収束レンズアレイ、中央部収束レン
ズアレイ、出力部収束レンズを介して光変調手段に入射
する。第1の絞り手段は主として二次発光体の有効領域
を通過する光を選択的に通過せしめる開口形状を有し、
入力部収束レンズの各々は対応する中央部収束レンズの
各々の主平面近傍に複数の二次発光体を形成し、中央部
収束レンズの各々は出力部収束レンズと相まって対応す
る入力部収束レンズの各々の主平面近傍の物体の像の各
々を重畳形態として光変調手段の有効表示領域近傍に形
成し、出力部収束レンズは複数の二次発光体から出射す
る光を投写手段に有効に到達せしめ、第1の絞り手段は
複数の二次発光体の近傍に配置する。第1の絞り手段と
第2の絞り手段とは略共役の関係であり、第2の絞り手
段は光変調手段の光変調層が光透過状態において、第1
の絞りを通過した光を選択的に通過せしめる開口形状を
有する。また、他の投写型表示装置は、上記の投写型表
示装置に用いた光変調手段の代わりに、マトリックス状
に配置された画素電極が形成された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に挟持された高分子分散液晶層とを有する
号表示方法について、図面を参照しながら説明する。こ
こで、図面において同じ参照記号は同等のものをさす。
本発明では、互いに異なる第1および第2の表示方法が
個別的にまたは選択的に実行される。図1は第1の表示
方法を説明するためのディスプレイ上の表示画像を示し
ており、図2は第2の表示方法を説明するためのディス
プレイ上の表示画像を示している。なお、プログレッシ
ブ走査映像信号は、1フィールドで1画面を形成する。
したがって、1フィールド=1フレームである。一方、
インターレース信号は、2フィールドで1画面を形成す
る。したがって、2フィールド=1フレームである。以
下の説明では、基本的には、フィールドとフレームとは
使い分けるが、説明の内容によってはフィールドとフレ
ームとは同義として扱う。
図1において、(a)は入力されたプログレッシブ走査映
像信号の第1フレームをディスプレイ上にそのまま表示
したときの画像を示し、(b)は入力されたプログレッシ
ブ走査映像信号の第2フレームをディスプレイ上にその
まま表示した画像を示している。なお、第1および第2
のフレームは、時間的に連続したフレームである。(c)
に示すように、まず、入力されたプログレッシブ走査映
像信号の第1フレームの第1ライン(1_1ライン、以
下同様に標記している)を選択し、2倍に時間軸伸長し
てディスプレイ上の第1ラインに表示する。次に、第1
フレームの第3ラインを選択し、2倍に時間軸伸長して
ディスプレイ上の第3ラインに表示する。以下、第5ラ
イン、第7ライン、…というように、第1フレームの奇
数ラインだけを順次選択し、2倍に時間軸伸長してディ
スプレイ上の奇数ラインに表示する。一方、第2フレー
ムにおいては、偶数ラインだけを順次選択し、2倍に時
間軸伸長してディスプレイ上の偶数ラインに表示する。
その結果、(c)に示すような第1フレームの奇数ライン
と第2フレームの偶数ラインとからなる1フレームが表
示される。以上の操作を第3フレーム、第4フレームに
も同様に施し、以後繰り返す。
走査映像信号の2フレーム期間で、第1のフレームの奇
数ラインと第2のフレームの偶数ラインとからなる1フ
レームを表示すれば良いため、入力されたプログレッシ
ブ走査映像信号をそのまま表示するときに比べて1/2
の速度で表示することができる。このことは従来例の図
101についていえば液晶表示パネル81を分割駆動す
る必要がなくなることを意味する。したがって、輝度差
の発生を防止できる。また、ソースドライブIC78等
をポリシリコン技術で直接液晶表示パネル81に形成し
た場合は、シフトレジスタ82等のクロック周波数を1
/2に低減できる。なお、前記並列に形成するシフトレ
ジスタの数を1/2に低減するとは、たとえば、映像信
号の周波数が40MHzで、シフトレジスタの動作周波
数が4MHzの場合、10個の並列に形成したシフトレ
ジスタで前記40MHzの映像信号サンプルホールドで
きる。したがって、本発明の実施により、シフトレジス
タのクロックを1/2に低減できれば、5個の並列に形
成したシフトレジスタで対応できることになる。並列に
形成したシフトレジスタの数が半減できれば、シフトレ
ジスタなどの欠陥発生が低減し、表示パネルの形成歩留
まりが向上する。また、1/2の速度で動作させること
ができることから、消費電力を大幅に低減できる。
1の奇数ラインを表示し、第2のフレームでは前記液晶
表示パネル81の偶数ラインを表示するとしたが、これ
は説明の便宜上にすぎない。したがってプログレッシブ
走査映像信号の第1フレームが偶数ラインのデータであ
る場合は当然液晶表示パネルの偶数ラインを表示する。
また、第1のフレームでは第1のラインから表示すると
したが、これに限定するものではない。第1のラインと
は説明の便宜上にすぎない。たとえば第7のラインから
表示してもよい。第1のラインとは単に説明上の理解を
容易にするために規定しているだけにすぎない。前述の
場合、前記第1ラインから第6ラインは黒表示となる。
以上の記載事項は、本発明の明細書、特許請求の範囲に
記載した映像表示方法、表示装置についても適用され
る。また、図101では、ソース駆動IC78とかゲー
ト駆動IC80という概念を用いているが、本発明は表
示方法等の発明に関するものであり、ICを実装した表
示装置に限定されるものではない。したがって、以後、
ポリシリコン技術で形成されたドライブ回路をも含む概
念としてソースドライブ回路,ゲートドライブ回路とい
う語句を用いる。
図2において、(a)は入力されたプログレッシブ走査映
像信号の第1フレームをディスプレイ上にそのまま表示
したときの画像を示し、(b)は入力されたプログレッシ
ブ走査映像信号の第2フレームをディスプレイ上にその
まま表示した画像を示している。まず、入力されたプロ
グレッシブ走査映像信号の第1フレームの第1ラインを
選択し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の第1お
よび第2のラインに同時に表示する。次に、第1フレー
ムの第3ラインを選択し、2倍に時間軸伸長してディス
プレイ上の第3および第4のラインに同時に表示する。
以後、第5ライン,第7ライン,…というように、第1フ
レームの奇数ラインだけを順次選択し、2倍に時間軸伸
長してディスプレイ上の奇数ラインと隣接偶数ラインに
同時に表示する。その結果、(b)に示す画像が得られ
る。一方、第2フレームにおいて、偶数ラインだけを順
次選択し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の偶数
ラインと隣接奇数ラインに同時に表示する。その結果、
(c)に示す画像が得られる。以上の操作を第3フレーム,
第4フレームにも同様に施し、以後繰り返す。上記のよ
うに、入力されたプログレッシブ走査映像信号の2ライ
ン期間で、第1フレームの奇数ラインと第2フレームの
偶数ラインとからなる1フレームを表示すれば良いた
め、入力されたプログレッシブ走査映像信号をそのまま
表示するときに比べて1/2の速度で表示することがで
きる。
静止画の場合は第1の表示方法を選択し、動画の場合は
第2の表示方法を選択するのが好ましい。静止画は画像
が停止しているため、動画に比べて垂直方向の画像の不
連続性が視認されやすい。そのため、静止画の場合は、
第1の表示方法でフレーム間での内挿を行うことによ
り、見かけ上の垂直解像度を確保することが好ましい。
一方、動画は時間的な画像の変化が激しいため、第1の
表示方法を適用すると、いわゆる動画ボケ(ジャーキネ
ス妨害等)が発生する。そのため、動画の場合は、第2
の方法でフレーム内での内挿を行うことにより、動画ボ
ケの発生を防止することが好ましい。この第1の表示方
法と第2の表示方法とを切り替える回路構成について
は、後に図87を用いて説明する。なお、第1の表示方
法では、CRTディスプレイのように表示時間(発光時
間)が数ミリ秒から数十ミリ秒と非常に短い場合、例え
ば入力プログレッシブ映像信号のフレーム周期が60H
zのとき、同一ラインの非常周期が30Hzとなりフリッ
カが発生する。ところが、アクティブマトリクス型液晶
表示ディスプレイのように、リフレッシュするまで表示
状態を保持するディスプレイにおいては、完全に走査線
補間が行われる。また、第2の表示方法は、CRTディ
スプレイでは電子銃をマルチガン構成にする(電子銃を
例えば2つ用意する)ことで、アクティブマトリクス型
液晶表示ディスプレイではゲートラインを2ライン同時
にアクティブすることで、容易に実現できる。
詳しい追加説明を行うが、まず、本発明の一実施形態の
映像信号表示装置について、図面を参照しながら説明す
る。なぜならば、本発明の映像信号表示方法は、本発明
の表示装置と密接に関係し、前記表示装置の動作を理解
しておく方が、画素電極に印可する電圧極性などの説明
が容易になると考えられるからである。
示装置を示している。図3において、映像信号表示装置
は、表示ラインの選択と映像信号の時間軸伸長を行う表
示ライン選択回路31と、主にγ補正と交流化を行い映
像信号を液晶駆動に適した信号に変換するソース信号処
理回路32と、複数の画素がマトリクス状に配置された
液晶表示パネル81と、液晶表示パネル81のソースラ
インに接続され液晶87に電圧を印可するソース駆動回
路33と、水平スタートパルスHDおよび垂直スタート
パルスVDに応答してゲート駆動回路制御信号(GCK
1,GCK2,GST1,GST2,GEN1,GEN2)を
発生するゲート駆動回路制御回路36,37と、ゲート
駆動回路制御回路36,37からのゲート駆動回路制御
信号に基づいて動作が制御されるゲート駆動回路38
と、画像の性質(静止画か動画か)に応じてゲート駆動回
路制御回路36,37のいずれかを選択する表示方法選
択回路35と、表示方法選択回路35からの切換信号に
応答してゲート駆動回路制御回路36,37の出力を選
択的に切り換えてゲート駆動回路38に出力する切換器
44とを備える。表示ライン選択回路31は、A/D変
換器40と、一走査線分の画像信号を記憶するラインメ
モリ41と、D/A変換器42と、水平スタートパルス
HDおよび垂直スタートパルスVDに応答してメモリ制
御信号(WCK,WEN,RCK)を発生したラインメモリ
41の動作を制御するラインメモリ制御回路43とを含
む。ソース駆動回路33は、2mビットのシフトレジス
タと、2m個のサンプルホールド回路を有するサンプル
ホールド回路群とを含む。ゲート駆動回路38a,38b
は、互いに同じ構成および機能を備えた回路である。た
だし、第1のゲート駆動回路38aは、液晶表示パネル
81の奇数番目のゲートラインに接続され、奇数番目の
ゲートラインを順次アクティブにする。また、第2のゲ
ート駆動回路38bは、液晶表示パネル81の偶数番目
のゲートラインに接続され、偶数番目のゲートラインを
順次アクティブにする。
細な構成を示す。図4において、ゲート駆動回路38
は、n/2ビット(nは液晶表示パネル81のゲートライ
ンの本数)のシフトレジスタ91と、n/2個の切換スイ
ッチ96を有する切換スイッチ群92と、n/2個の出
力バッファ97を有する出力バッファ群93とを備えて
いる。シフトレジスタ91は、n/2個のD型フリップ
フロップ94と、1個のインバータ95とを有する。ス
タート信号GST1(またはGST2)が、1つ目のD型
フリップフロップ94のデータ入力端子Dに与えられる
とともに、インバータ95で極性が反転された後、2つ
目以降の各D型フリップフロップ94のクリア端子Cに
与えられる。クロック信号GCK1(またはGCK2)
が、各D型フリップフロップ94のクロック端子CKに
与えられる。また、2つ目以降の各D型フリップフロッ
プ94のデータ入力端子Dには、前段のD型フリップフ
ロップ94のQ出力が与えられる。上記のような構成を
有するシフトレジスタ91は、k個目(k=1〜n/2)の
D型フリップフロップ94のQ出力がkビット目の信号
として取り出され、切換スイッチ群92内のk個目の切
換スイッチ96のA端子に与えられる。各切換スイッチ
96のB端子は、接地されている。各切換スイッチ96
の出力端子Cは、イネーブル信号GEN1(またはGE
N2)がハイレベルのときA端子に接続され、ローレベ
ルのときB端子に接続される。各切換スイッチ96の出
力端子Cから出力される信号は、それぞれ出力バッファ
群93内の対応する出力バッファ97を介して各出力ピ
ン98に与えられる。各出力ピン98は、それぞれ液晶
表示パネル81の対応するゲートラインに接続される。
の動作を以下に説明する。図5は、ラインメモリ41に
入力されるメモリ制御信号およびラインメモリ41の入
出力映像信号のタイミングチャートを示している。ま
ず、図5を参照して、ソースラインの駆動制御動作を説
明する。表示ライン選択回路31に入力されたプログレ
ッシブ走査映像信号は、まずA/D変換器40でディジ
タル映像信号に変換される。ラインメモリ41は、ライ
トイネーブル信号WENがハイレベルの期間、ライトク
ロック信号WCKに同期するタイミングでプログレッシ
ブ走査映像信号を取り込む。(図において、たとえば信
号1_2_3は、1_2ラインの3番目の信号を表
す。)すなわち、第1フレームの第1ラインはライトイ
ネーブル信号WENがハイレベルのためライトクロック
信号WCKに同期して取り込まれ、第1フレームの第2
ラインはライトイネーブル信号WENがローレベルのた
め取り込まれない。上記の動作を繰り返すことにより、
第1フレームの奇数ラインがラインメモリ41に順次取
り込まれる。同様に、第2フレームの第1ラインはライ
トイネーブル信号WENがローレベルのため取り込まれ
ず、第2フレームの第2ラインはライトイネーブル信号
WENがハイレベルのためライトクロック信号WCKに
同期して取り込まれる。上記の動作を繰り返すことによ
り、第2フレームの偶数ラインがラインメモリ41に順
次取り込まれる。さらに、以上の各動作をフレーム単位
で繰り返すことにより、奇数フレームの奇数ラインと偶
数フレームの偶数ラインが、ラインメモリ41に順次取
り込まれる。ラインメモリ41に取り込まれたディジタ
ル映像信号は、ライトクロック信号WCKの1/2の周
波数であるリードクロック信号RCKに同期して読み出
される。ラインメモリから出力される信号は、取り込ま
れたプログレッシブ走査映像信号の奇数フレームの奇数
ラインと偶数フレームの偶数ラインを2倍に時間軸伸長
したディジタル映像信号であり、D/A変換器42でア
ナログ映像信号に変換される。
択され2倍に時間軸伸長されたプログレッシブ走査映像
信号にγ補正を施し、液晶表示パネル81を交流駆動す
るために1フレーム毎に極性を反転し、ソース駆動回路
33に入力する。ソース駆動回路33は、入力された映
像信号をIC内部の各サンプルホールド回路(図示せず)
へ順次書き込み保持する。このときソース駆動回路33
に入力される信号は、2倍に時間軸伸長されたプログレ
ッシブ走査映像信号であるため、シフトレジスタ(図示
せず)で生成される各サンプルホールド回路への書き込
みクロックも、時間軸伸長しない場合に比べて1/2で
よい。液晶表示パネル81のゲートラインxiがゲート駆
動回路38によってアクティブとなりTFT86がオン
したとき、各サンプルホールド回路に保持された映像デ
ータはソースラインyjを介して液晶セル87に印可され
る。その結果、一走査線分の映像信号が液晶表示パネル
81に書き込まれる。上記の動作をくり返すとともに、
ゲート駆動回路38がゲートラインを走査することによ
り、液晶表示パネル81に画像が得られる。
て説明する。ゲートラインの走査は、第1のゲート駆動
回路制御回路36または第2のゲート駆動回路制御回路
37から出力されるゲート駆動回路制御信号(GCK1,
GST1,GEN1またはGCK2,GST2,GEN2)
によって決まる。前述したようにゲート駆動回路38a
および38bは同じ機能を備えた回路であり、ゲート駆
動回路制御信号の制御によって液晶表示パネル81のゲ
ートラインを順次的かつ選択的にアクティブにする。ゲ
ート駆動回路38は、スタート信号GST1(またはG
ST2)がハイレベルのとき、クロック信号GCK1(ま
たはGCK2)の立ち上がり(ローレベルからハイレベル
に変化したとき)で内部のシフトレジスタ91(図4参
照)がリセットされ1番目のゲートラインを選択(リトレ
ースされ)し、クロック信号GCK1(またはGCK2)
の立ち上がりのたびに2番目,3番目と順次選択してい
く。そして、イネーブル信号GEN1(またはGEN2)
がハイレベルのときに、選択されたゲートラインに信号
が出力され、ゲートラインをアクティブにする。これに
よって選択されたゲートラインに接続されたTFT86
がオンする。イネーブル信号GEN1(またはGEN2)
がローレベルのときは、選択されたゲートラインに信号
が出力されずアクティブにならない。したがって、その
ゲートラインに接続されたTFT86はオフ状態であ
る。ここで、第1のゲート駆動回路38aは液晶表示パ
ネル81の奇数番目のゲートラインに接続され、第2の
ゲート駆動回路38bは偶数番目のゲートラインに接続
されている。
から出力されるゲート駆動回路制御信号のタイミングチ
ャートを示し、図7は第2のゲート駆動回路制御回路3
7から出力されるゲート駆動回路制御信号のタイミング
チャートを示している。以下、これら図6および図7を
参照して、ゲートラインの駆動制御動作をより詳細に説
明する。図6において、クロック信号GCK1,スター
ト信号GST1,イネーブル信号GEN1は第1のゲー
ト駆動回路制御回路36から第1のゲート駆動回路38
aに入力されるゲート駆動回路制御信号であり、クロッ
ク信号GCK2,スタート信号GST2,イネーブル信号
GEN2は第1のゲート駆動回路制御回路36から第2
のゲート駆動回路38bに入力されるゲート駆動回路制
御信号である。クロック信号GCK1は2ライン期間周
期でハイレベル、スタート信号GST1は第1フレーム
第1ラインでハイレベル、イネーブル信号GEN1は第
1フレーム期間中ハイレベル(ただし、第1フレーム期
間の最終のラインではローレベル)なので、第1フレー
ムが始まると、第1のゲート駆動回路38aは、1番目
のゲートライン(図3のx1)から順次アクティブにする。
第1のゲート駆動回路38aは液晶表示パネル81の奇
数番目のゲートラインに接続されているため、第1フレ
ーム期間は、2ライン期間毎に液晶表示パネル81の奇
数ラインが順次アクティブにされる。なお、第2フレー
ム期間はイネーブル信号GEN1がローレベルなので、
液晶表示パネル81の奇数ラインはアクティブにされな
い。
間周期でハイレベル、スタート信号GST2は第2フレ
ーム第2ラインでハイレベル、イネーブル信号GEN2
は第2フレーム第2ラインからハイレベルなので、第2
フレームが始まると、第2のゲート駆動回路38bは、
2番目のゲートライン(図3のx2)から順次アクティブに
する。第2のゲート駆動回路38bは液晶表示パネル8
1の偶数番目のゲートラインに接続されているため、第
2フレーム期間は、2ライン期間毎に液晶表示パネル8
1の偶数ラインが順次アクティブにされる。なお、第1
フレーム期間はイネーブル信号GEN2がローレベルな
ので、液晶表示パネル81の偶数ラインはアクティブに
されない。したがって、入力プログレッシブ走査映像信
号の第1フレームの奇数ラインだけを選択し2倍に時間
軸伸長して、液晶表示パネル81の奇数ラインに表示す
ることができる。また、入力プログレッシブ走査映像信
号の第2フレームの偶数ラインだけを選択し2倍に時間
軸伸長して、液晶表示パネル81の偶数ラインに表示す
ることができる。以上の動作を2フレーム単位で繰り返
す。
タート信号GST1,イネーブル信号GEN1は第2の
ゲート駆動回路制御回路37から第1のゲート駆動回路
38aに入力されるゲート駆動回路制御信号であり、ク
ロック信号GCK2,スタート信号GST2,イネーブル
信号GEN2は第2のゲート駆動回路制御回路37から
第2のゲート駆動回路38bに入力されるゲート駆動回
路制御信号である。第1フレーム期間において、クロッ
ク信号GCK1は2ライン期間周期でハイレベル、スタ
ート信号GST1は第1ラインでハイレベル、イネーブ
ル信号GEN1は第1フレーム期間中ハイレベル(ただ
し、第1フレーム期間の最終のライン期間はローレベ
ル)なので、第1フレームが始まると、第1のゲート駆
動回路38aは、1番目のゲートライン(図3のx1)から
順次アクティブにする。また、第1フレーム期間におい
て、クロック信号GCK2は2ライン期間周期でハイレ
ベル、スタート信号GST2は第1ラインでハイレベ
ル、イネーブル信号GEN2は第1フレーム期間中ハイ
レベル(ただし、第1フレーム期間の最終のライン期間
はローレベル)なので、第1フレームが始まると、第2
ゲート駆動回路38bは、2番目のゲートライン(図3の
x2)から順次アクティブにする。
ネル81の奇数番目のゲートラインに接続されており、
第2のゲート駆動回路38bは液晶表示パネル81の偶
数番目のゲートラインに接続されているため、第1フレ
ーム期間は、2ライン期間毎に液晶表示パネル81の奇
数ラインと次の隣接偶数ラインが同時にアクティブにさ
れ、以降、順次2ライン期間周期で、奇数,偶数ライン
が2ラインずつ同時にアクティブにされる。一方、第2
フレーム期間において、クロック信号GCK1は2ライ
ン期間周期でハイレベル、スタート信号GST1は第1
フレームの最終ラインでハイレベルなので、第2フレー
ム第1ライン期間には、1番目のゲートライン(図3の
x1)が選択されている。しかしながら、第2フレーム第
1ライン期間には、イネーブル信号GEN1がローレベ
ルのため、1番目のゲートラインはアクティブにならな
い。その後、第2フレーム第2ライン期間からイネーブ
ル信号GEN1がハイレベルとなるため、第1のゲート
駆動回路38は、第2フレーム2ライン期間が開始する
と、3番目のゲートライン(図3のx3)から順次アクテ
ィブにする。また、クロック信号GCK2は2ライン期
間周期でハイレベル、スタート信号GST2は第2ライ
ンでハイレベル、イネーブル信号GEN2は第2フレー
ム第2ライン期間からハイレベルなので、第2のゲート
駆動回路38bは、第2フレーム2ライン期間が開始す
ると、2番目のゲートライン(図3のx2)から順次アクテ
ィブにする。
ネル81の奇数番目のゲートラインに接続されており、
第2のゲート駆動回路38bは液晶表示パネル81の偶
数番目のゲートラインに接続されているため、第2フレ
ーム期間は、2ライン期間毎に液晶表示パネル81の偶
数ラインと次の隣接奇数ラインが同時にアクティブにさ
れ、以降、順次2ライン期間周期で、偶数,奇数ライン
が2ラインずつ同時にアクティブにされる。したがっ
て、入力プログレッシブ走査映像信号の第1フレームの
奇数ラインだけを選択し2倍に時間軸伸長して、液晶表
示パネル81の奇数ラインと隣接偶数ラインに同時に表
示することができる。また、入力プログレッシブ走査映
像信号の第2フレームの偶数ラインだけを選択し2倍に
時間軸伸長して、液晶表示パネル81の偶数ラインと隣
接奇数ラインに同時に表示することができる。以上の動
作を2フレーム単位で繰り返す。上記のように、第1お
よび第2のゲート駆動回路制御回路36,37いずれの
ゲート駆動回路制御信号によっても、入力されたプログ
レッシブ走査映像信号の2フレーム期間で、第1のフレ
ームの奇数ラインと第2のフレームの偶数ラインからな
る1フレームを表示すれば良いため、入力されたプログ
レッシブ走査映像信号をそのまま表示するときに比べて
1/2の速度で表示することができる。したがって、従
来例のように液晶表示パネル81を分割駆動する必要が
なくなり、輝度差の発生を防止することができる。ま
た、ソース駆動回路323のシフトレジスタの並列数を
半減でき、消費電力も低減できる。
38aは液晶表示パネル81の奇数番目のゲートライン
に接続され、ゲートドライブ回路38bは前記液晶表示
パネル81の偶数番目のゲートラインに接続され、順次
2ライン期間(2H)周期で、各一本の偶数、奇数ゲート
ラインが同時にゲートオン電圧が印加されるとした。し
かし、図28に示すような付加コンデンサ171がゲー
ト信号線Xiと画素101間に形成しているときは問題
となる。なお、この構成を前段ゲート構成と呼ぶ。たと
えばゲート信号線X2およびX3にゲートオン電圧Vg
(+)が印可された場合を考える。TFT86はアクティ
ブ状態(オン)となり、ソース駆動回路33の出力を画素
101に書きこむ。この際、ソース駆動回路33の出力
が+極性であったとすると、付加コンデンサ171の両
端子はともに+電圧が印加される。2H後、ゲート信号
線X2にゲートオフ電圧Vg(−)となる。したがって、付
加コンデンサ171の−端子が−側にひっぱられ、結果
画素101に電荷は充電できないことになる。
のように液晶表示パネル81を駆動する。図8におい
て、(a)はゲート駆動回路38aの出力である。ただし、
一ゲート信号線の出力電圧を描いたものではない。(b)
はゲート駆動回路38bの出力である。また、(c)はソー
ス駆動回路33のyj端子の出力である。図8で明らかな
ように、ゲート駆動回路は1Hごとにゲートオン電圧の
出力位置をシフトさせる。かつ、ゲート駆動回路38a
と38bは交互にゲートオン電圧を出力し、他方のゲー
ト駆動回路がゲートオン電圧を出力している時はゲート
オフ電圧を出力する。したがって、ゲート駆動回路38
aと38bでゲート信号線Xiを1H期間ごとに1本づつ
シフトさせていることになる。他方、ソース駆動回路3
3は2H期間ごとにデータ信号の値と極性を変化させ
る。つまり、ゲート駆動回路38は1H動作し、ソース
駆動回路33は2H動作をする。駆動周波数が高く問題
となるのはソース駆動回路33である。ゲート駆動回路
38は(kHz)の周波数で動作している。図8の駆動方
法では、2本のゲート信号線に同時にゲートオン電圧が
印加されることがない。つまり、図28に示す液晶表示
装置(後述)の前段ゲート構成においても付加コンデン
サ171に充分、電荷を充電することができる。かつ、
ソース駆動回路33の動作周波数も低減できる。
は、第1のゲート駆動回路制御回路36または第2のゲ
ート駆動回路制御回路37から出力されるゲート駆動回
路制御信号によって決まる。換言すれば、液晶表示パネ
ル81の表示方法は、どちらのゲート駆動回路制御回路
から出力されたゲート駆動回路制御信号を選択するかに
よって決定される。ゲート駆動回路制御信号の選択は、
表示方法選択回路35から出力される切換信号に応答す
る切換器44で行う。表示方法選択回路35には、A/
D変換器40でディジタル信号に変換されたプログレッ
シブ走査映像信号が入力される。表示方法選択回路35
は、入力されたプログレッシブ走査映像信号のフレーム
毎の差分を計算し、差分の大きさにより、静止画か動画
かの判定をする。その結果、静止画の場合は第1のゲー
ト駆動回路制御回路36から出力されるゲート駆動IC
制御信号を、動画の場合は第2のゲート駆動回路制御回
路37から出力されるゲート駆動回路制御信号を選択す
る。
は、図9に示すように構成される。今、A/D変換器4
0が8ビットとすれば、A/D変換器40により映像信
号は0〜255のデータとなる。前記データは第1フレ
ームメモリ871aに入力され、保持される。第1フレ
ームメモリ871aに保持されたデータは、1フレーム
遅れて出力され、第2フレームメモリ871bに入力さ
れる。第1フレームメモリ871aに入力されるデータ
を入力データと呼び、出力されるデータを出力データと
呼ぶ。出力データは入力データよりも1フレーム時間遅
れている。入力データと出力データとは減算器872に
より差分がとられる。したがって、差分後の値は−12
8〜127の値となる。次に、前記データは、絶対値回
路873に入力され、値“128"が加えられて0〜2
55の値となる。入力データと出力データ間の差分をと
るのは、フレーム間での画像の動きを検出するためであ
る。フレーム間で画像の動きがなければ差分値は“0"
になる。画像の動き量が大きいほど差分値は大きくな
る。絶対値回路873から出力されたデータは総和回路
(SUM)874に入力され、1フレーム期間内の差分値
が加算される。つまり、フレーム間で動き量がどれくら
いあるかを求めることになる。加算された総和値が大き
いほど動き量が大きいことを示す。1フレーム期間、加
算された総和差は、比較器875に送られ基準値回路8
76の基準値と比較される。基準値とは所定値以上のと
き画像の動きが大きかったと判断する値である。この値
は、本発明の第1の表示方法と第2の表示方法とを切り
換えるための値である。基準値よりも大きいとき、比較
器874から切換器44に第2の表示方法を選択するよ
うに信号が転送され、切換器44は前記信号をうけて第
2の表示方法を実現する。一方、基準値よりも小さいと
きには、第2の表示方法を実現するように切換器44に
信号が転送される。つまり、総和値が基準値よりも大き
いとき、動画に適するように表示方法が選択され、小さ
いとき静止画に適するように表示方法が選択される。
を切りかえるスレシュ−ホールドレベルにある映像信号
の場合は、第1の表示方法と第2の表示方法とがめぐる
ましく切りかわり、表示状態としては見にくくなる。こ
の課題に対処するには、表示方法が切りかわった後、一
定の期間再びもとの表示状態にもどらないようにする必
要がある。つまり「ヒスラリシス」をもたせればよい。
「ヒスラリシス」をもたせるのは容易である。比較器8
75が表示方法を切りかえる信号が出力される回数をカ
ウントし、そのカウント値が一定値以上のとき、表示方
法を切りかえるようにすればよい。
aが奇数番目のゲート信号線と接続され、ゲート駆動回
路38bが偶数番目のゲート信号線と接続されているこ
とも重要である。なぜならばこの構成により第1の表示
方法と第2の表示方法とを容易に実現できるからであ
る。つまり、第1の表示方法では第1のフレームではゲ
ート駆動回路389を動画させ、第2のフレームではゲ
ートドライブ回路38bを動画させればよい。第2の表
示方法では、ゲート駆動回路38a,38bがそれぞれ、
一水平走査期間に1本のゲート信号線(計2本)を選択
し、かつ、ゲート信号線の選択信号を順次移動させてい
けばよい。もし、すべてのゲート信号線が1つのゲート
駆動回路に接続されていたならば、第1の表示方法の
際、第1フレームおよび第2フレームのそれぞれでゲー
ト信号線を1本おきに選択しなくてはならなくなる。こ
のように1本おきに選択するのは回路構成が複雑にな
る。ただし、ゲート駆動回路38aが奇数番目のゲート
信号線と接続され、ゲート駆動回路38bが偶数番目の
ゲート信号線と接続されているとしたが、この構成に限
定されない例外がある。たとえば、1つのゲート駆動回
路38内に2つのシフトレジスタ91aと91bとを具備
する場合である。シフトレジスタ91aが奇数番目のゲ
ート信号線と接続され、シフトレジスタ91bが偶数番
目のゲート信号線と接続されている場合である。この場
合見かけ上、ゲート駆動回路としては1つであるが、独
立したシフトレジスタ回路を2系統有している。したが
って、実質的には2つのゲート駆動回路があるのにほか
ならない。
(パネル)のように、リフレッシュするまで表示状態を保
持するディスプレイにおいては、静止画の場合、フレー
ム間での内挿が行われるために垂直解像度が確保され、
動画の場合、フレーム内での内挿が行われるために動画
ボケは発生せず、入力されたプログレッシブ走査映像信
号をそのまま表示するときに比べて1/2の速度で表示
したにもかかわらず良好な画像が得られる。なお、上記
実施形態では自動検出による切り換えを述べたが、それ
につけ加えユーザーによる切換器44の強制切換を可能
にすると、さらに実用上便利になる。たとえば、切換器
44としてはプッシュボタンなどが例示される。
いず、切換器44をプッシュボタンなどで強制切換する
方が実用的な場合がある。たとえば表示ディスプレイ8
1に表示する画像が静止画が主であるか動画が主である
か判断できる場合である。通常ワークステーションのデ
ィスプレイはプログレッシブの信号が入力され、表示さ
れる画像は文字あるいは図形等の静止画がほとんどであ
る。この場合は、第1の表示方法(図1)でディスプレイ
に画像を表示すればよい。第1の表示方法は高品位の静
止画を表示できる。静止画が満足できる表示であれば、
ワークステーションの用途として十分実用的である切換
器44は第1の表示方法を実現できるように固定してお
けばよい。つまり切換器44は必要ではない。また、家
庭用に用いるテレビジョンでは通常インタレース信号が
入力され、表示される画像のほとんどが動画である。し
たがって、第2の表示方法を実現できるように切換器4
4を固定すればよい。第2の表示方法は静止画の表示に
は多少不向きであるが動画に対してはすぐれた表示品位
を実現できる。特に本発明の第2の表示方法は高品位テ
レビで提案されているMUSE信号の表示に適すると推
測される。以上のように、画像を表示すべき、ディスプ
レイが静止画を主とするか動画を主とするかが判断でき
る場合は、あえて、表示方法選択回路35を採用する必
要はない。
ス型液晶表示パネル,ELパネル,プラズマディスプレ
イ,PLZTを用いたディスプレイ,強誘電液晶表示パネ
ルにも適用可能なことはいうまでもない。しかし、本発
明の表示装置では、信頼性、画像品位、コストなどの観
点から、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルを採
用している。以上に説明した映像信号表示方法によれ
ば、2フレーム期間で1フレーム分の映像情報を表示す
るようにしているので、入力されたプログレッシブ走査
映像信号をそのまま表示するときに比べて1/2の速度
で表示することができる。その結果、パーソナルコンピ
ュータやワークステーション等の広帯域(高速データレ
ート)プログレッシブ走査映像信号を、マトリクス型液
晶ディスプレイのように高速走査の苦手なディスプレイ
に表示する場合でも画質の劣化が生じない。また、第1
の表示制御手段と第2の表示制御手段とを選択的に能動
化するようにすれば、プログレッシブ走査映像信号の性
質(例えば、静止画か動画か)に応じて常に最適な表示を
行うことができる。さらに、プログレッシブ走査映像信
号の隣接フレーム間の相関を表す値が所定値以上のとき
(すなわち、静止画のとき)は第1の表示制御手段を選択
的に能動化し、所定値未満のとき(すなわち、動画のと
き)は第2の表示制御手段を選択的に能動化するように
すれば、静止画の場合はフレーム間で内挿が行われて垂
直解像度を確保でき、動画の場合はフレーム内で内挿が
行われて動画ぼけの発生を防止できる。
くの画素がマトリックス状に並べられた液晶表示パネル
に適用すると効果を発揮する。非常に多くの画素とはた
とえばSXGA(よこ1280ドット×たて1024ド
ット)である。これらの表示パネルに画像を表示するの
は容易ではない。画素数が多いことはデータ転送レート
が非常に高いことを意味し、かつ、前記SXGAはプロ
グレッシブ走査映像信号が転送されているからである。
SXGAに画像を表示しようとするとソース駆動回路3
3内のシフトレジスタの並列数は非常に多くなる。これ
はポリシリコン技術等では動作周波数が1〜3MHzで
ある。したがって、データ転送レートに適応できるよう
に時間軸伸長する必要があるためである。時間軸伸長を
すればするほどシフトレジスタの並列数が多くなること
を意味する。
(よこ640ドット程度×たて480ドット)にのみに対
応すれば十分であった。パーソナルコンピュータにおい
てもVGA(よこ640ドット×たて480ドット)に対
応していればよかった。しかし、近年は、ハイビジョン
(HD)規格にも対応できることが望まれ、またSXGA
にも対応することが望まれるようになった。本発明の映
像信号表示方法を適用する表示装置の特徴は、上記規格
に対応するため、アクティブマトリックス型の液晶表示
パネルを用い、かつ、前記表示パネルは、よこ1820
ドット×たて1024ドットとしているところにもあ
る。よこのドット数は1820ドットのみに限定するも
のではないが、少なくとも1820ドット±100ドッ
ト以内を保持しておく必要がある。あまり1820ドッ
トからはなれると、画素形状がたて1:よこ1の正方形
の形状からはずれ、SXGAの画像表示に適さなくなる
からである。よこのドットは1024ドット必要であ
る。多少ずれても実用上は支障がないかもしれないが、
1024ドットより少ないとSXGAの画面の完全な表
示を実現できなくなる。
画像表示状態を示したものである。本表示装置はHD規
格に対応できる1820×1024(16:9)の画素を
保有する(表示領域53a)。その一部を用いてSXG
A(1280×1024(5:4))を表示する(表示領域
53b)。また、(640×2)×(480×2)(4:3))
の画素でNTSCおよびVGA規格の画像を表示する
(表示領域53c)。NTSCおよびHDはインタレー
ス走査映像信号である。VGA,SXGAはプログレッ
シブ走査映像信号である。家庭用のテレビとしてはNT
SC,HDに対応できれば当面は十分である。しかし、
SXGAも表示したいという要望が強い。しかし、液晶
表示パネルをプログレッシブ走査映像信号に適用するに
は、シフトレジスタの並列数がインタレース走査映像信
号時の2倍となる。したがって、SXGAのプログレッ
シブ走査映像信号にも適用するためには、HD規格では
必要でない。さらに2倍に並列に形成したシフトレジス
タをあらかじめ形成しておく必要がある。これはあまり
にも損失が大きい。この損失とは表示パネルを構成する
TFTアレイの製造の困難さ(製造歩留まり、設計の困
難さ)、シフトレジスタの形成領域が広くなりパネルの
有効表示領域が小さくなるというデメリット、ゲート信
号線等の信号伝達速度をHD規格の信号を表示するとき
に比較して1/2に向上させるために前記信号線の低抵
抗値かの困難さに伴う損失である。
ブ走査映像信号から奇数ラインデータを取り出し、表示
パネルに表示し、第2のフレームから偶数ラインのデー
タを取り出して表示パネルに表示し、前記2フレーム期
間で一画面を形成する。本方法によれば、シフトレジス
タ数はHD規格のインタレースに適用できる並列数でS
XGA規格のプログレッシブ走査映像信号による画像も
表示できることになる。特にSXGA等はワークステー
ションで用いられ、ワークステーションで用いる画像は
静止画がほとんどであり本方法で十分適用できる。もち
ろん、第2の表示方法を用いれば動画表示にも適応でき
るし、第3の表示方法のように、切換器44を動作させ
れば、映像信号に応じて(動画か静止画か)適正な画像表
示を実現できる。
53a内にSXGAの表示領域53bが上下方向は丁度お
さまる(縦1024ドットであれば当然である)。また、
NTSC(VGA)の表示領域53cでもほとんど無表示
領域(画像を表示しない画素行)が生じず、ほとんどの画
素を有効に利用できる。また、HDの表示領域53a内
でSXGAの表示領域53bを左右(A,B方向)に「移動」
させることができる。前述の「移動」方式はマルチウィン
ドウ方式に適応し、本発明の表示装置の応用範囲を広げ
ることに効果がある。図3等では表示ライン選択回路3
1にラインメモリ41を用いたが、「移動」させるために
は図11に示すようにフレームメモリ51を用いる必要
がある。映像信号はA/D40によりデジタルデータに
変換されフレームメモリ51に入力される。前記データ
をフレームメモリ制御回路52により読みだしを制御し
てD/A変換42を通してソース信号処理回路32に出
力するのである。なお、図11に示すように、ソース駆
動回路33は、液晶表示パネル81の上下にソース駆動
回路33a,33bとして配置してもよい。ソース駆動回
路を上下に配置すれば、後に説明する列方向の画素に信
号極性が異なるように印可する。カラム反転駆動がやり
やすくなるという効果がある。
みえる現象「フリッカ」が発生しやすい。そのため、図
12に示すように1行(ライン)画素101または複数行
ごとに極性の異なる信号を印可するH反転駆動が採用さ
れる。また、図13に示すように1列の画素101また
は複数の列ごとに極性の異なる信号を印可するカラム反
転駆動が行なわれる。H反転駆動では、図12が第1フ
レーム目を表すとすると、図13は第2フレーム目の信
号の印可状態を表す。また、カラム反転駆動では、図1
4が第1フレーム目を表すとすると、図15は第2フレ
ーム目の印可状態を表す。各画素101は2フレーム周
期で同一極性の信号が印可される。なお、以上の図では
正極性を(+)で負極性を(−)で示している。また正
極性とは通常対向電極88の電位に対して正方向を、負
極性とは対向電極88の電位に対して負方向の電圧を示
す。H反転駆動等を実現するのは容易である。図16に
示すように映像信号はアンプ141を通して位相分割回
路142に入力される。位相分割回路142は、図17
に示すようにトランジスタQと2つの抵抗R1,R2で容
易に構成できる。位相分割回路142で正極性(+)と
負極性(−)の2つの極性の信号が作られ、前記信号は
出力切り換え回路143に入力される。出力切り換え回
路143からは正極性と負極性のいずれか一方の信号を
出力する。1水平走査(1H)期間(図10の場合は2H
期間)ごとに信号の極性を切り換えて出力すればH反転
駆動となる。図11のように構成し、ソース駆動回路3
3aに正極性(負極性)の信号を印可し、同時にソース駆
動回路33bに負極性(正極性)の信号を印可すればカラ
ム反転駆動となる。
れないように構成することは重要な事項である。そこで
本発明の映像信号表示方法では以下のようにしている。
なお、以下の図18〜図22において、横軸のnF(nは
1以上の整数)は各フレームを示しており、たとえば1
Fの次のフレームは2Fである。縦軸は表示パネル(デ
ィスプレイ)の行(ライン)を示している。図中の+は正
極性の信号であることを、−は負極性の信号であること
を示し、アルファベットのa,b,cは画素101に印可さ
れる電圧(振幅)を示す。各フレームに含まれる映像信号
データは異なるものとし、各フレームのデータごとにa,
b,cと記号を付加している。なお、a,b,cの記号は説明の
都合上、記述したにすぎない。たとえば、ラスター表示
ではa,b,cはすべて同一の電圧(振幅)であろう。また、
以下の図面において、+と−は説明の便宜上記載したも
のであり、+と−は置き換えてもよい。前記事項は以下
の図面に対しても同様である。
図18を用いて説明する。第5の映像信号表示方法は、
HD規格の信号(インタレース走査映像信号(飛び越し走
査))を表示装置に表示させるための方法である。前記信
号は第1フレームに奇数番目のライン信号(走査線のデ
ータ)が、次の第2のフレームに偶数番目のライン信号
が転送されてくるものとする。図18では、1Fの列に
aj(jは1以上の整数)が記載される。これは表示パネル
の一画素列に第1フレームの映像信号データが保持され
たことを示す。2Fの列に一番上に“+a1"と記載さ
れ、以下の列にはbj(jは2以上の整数)と記載されてい
るから、一番上の画素には第1フレームの映像信号デー
タがそのまま保持されており、他の画素には第2フレー
ムの映像信号データが保持されたことを示す。以上のこ
とから明らかなように+a3と−a3とは画素101に保持
されている電圧値が同じで、信号(電圧)の極性のみが異
なっていることを示す。また、+a3と+a5であれば同一
フレームの映像信号データではあり、画素101に保持
された信号(電圧)の極性が同じであることを示す。
と5ラインのa5の値が異なる場合もあるが同一の場合も
ある。なぜならば、一画面すべてが白ラスター表示であ
ればすべての画素101には同一の電圧が書き込まれて
いるからである。したがって、添字は説明の都合上異な
った添字を付加しているにすぎない。また、たとえば図
18において1Fの1ラインは+a1と正極性の電圧を保
持しているとしているがこれに限定するものではなく、
説明の都合上にすぎない。1ラインが−a1,2ラインが
−a1,3ラインが+a3,4ラインが+a3であってもよい。
また“×"とはdon't careであることを示す。つまり、
1Fより前のフレームで書き込まれたデータである。以
下、本発明の映像信号の表示方法において画素に印可保
持する電圧の極性について説明していく。以下のように
画素に印可する電圧の極性を考慮することによってフリ
ッカが視覚的に認識されるのを大幅に低減できるのであ
る。また、画素数等は図10で説明したものと同じとす
る。
り、HD規格のインタレース走査映像信号を表示パネル
に表示する方法を示している。奇数フレーム(F)では奇
数ラインおよびそれに続く偶数ラインに同一電圧を画素
に保持させる。偶数フレーム(F)では偶数ラインおよび
それに続く奇数ラインに同一電圧を画素に保持させる。
また、一列において2画素ごとに画素101に保持させ
る。つまり第1フレーム(F)では一列の画素101に
“++−−++−−・・・・"と電圧が保持され、次の
第2フレーム(F)では一列の画素101に“+−−++
−−・・・・"と保持される。さらに次の第3フレーム
(F)では“−−++−−++・・・・"となり、次の第
4フレームでは“−++−−++−・・・・"となる。
第5フレームでは第1フレームと同じの“++−−++
−−・・・・"となる。つまり、一画素101のみに注
目すればフレーム方向(時間軸方向)で“++−−++−
−"の極性の電圧が印可されており、4フレーム期間で
一周期となっている。したがって1フレームは1/60
秒であるから4周期では1/15秒となりフリッカが発
生する。しかし、前記画素の上下の画素は2フレームご
とに反対極性の電圧が印可されている。たとえば第1フ
レームの3ラインの画素101aを注目すれば前記画素
は時間軸方向で“−−++−−++"と電圧が印可され
るが、2ラインの画素101cは“+−−++−−+"と
電圧が印可され、4ラインの画素101bは“−++−
−++"と電圧が印可される。したがって、多少フリッ
カが発生してもある任意の画素の上もしくは下に隣接し
た画素には逆極性の電圧が印可されているためフリッカ
が発生しているとは認識されない。また、列方向にも
“++−−++−−"と極性の異なる電圧が周期的に印
可されているからフリッカをさらに認識されない方向に
作用する。
ーム補間をとったのと同様な画像表示となり、特に動画
領域の多い画像表示に適する。通常の家庭用テレビでは
静止画像はほとんどないため、この表示方法は実用上十
分である。なお、第2のフレームの1ラインの画素に+
a1が印可されている。これは、第1のフレームの1ライ
ンで書き込まれた電圧+a1がそのまま保持されているこ
とを示す。このように、フレームごとに1ラインずらせ
て表示することも重要な点である。
等のプログレッシブ走査映像信号を表示させる方法であ
る。つまり、第1の映像信号表示方法において、画素に
印可する電圧の極性を考慮した場合である(第4の映像
信号表示方法)。第1のフレームでは第1フレームのプ
ログレッシブ走査映像信号から奇数ラインの信号を取り
出し、奇数ラインに表示する。その際、(4n−3)ライ
ン(ただしnは1以上の整数)には正極性の電圧を、(4n
−1)ラインには負極性の電圧を印可する。第1のフレ
ームに続く第2のフレームでは第2フレームのプログレ
ッシブ走査映像信号から偶数ラインの信号を取り出し、
偶数ラインに表示する。その際(4n−2)ライン(ただし
nは1以上の整数)には負極性の電圧を、(4n)ラインに
は正極性の電圧を印可する。以上の2フレーム期間で1
画面を表示できる。次に、第2フレームに続く第3のフ
レームでは、第3のフレームのプログレッシブ走査映像
信号から奇数ラインの信号を取り出し、奇数ラインに表
示する。その際、各画素には第1フレームに印可した電
圧の極性と逆極性となるようにする。また、第4フレー
ムでは各画素には第2のフレームに印可した電圧の極性
と逆極性となるようにする。
印可した電圧の極性は図18と同一となる。したがっ
て、フリッカは認識されない。図19の表示方法はライ
ン補間を実現していることになる。したがって静止画に
適する。ワークステーションでは図形,文章,あるいはプ
ログラムのテキストを表示することが多く、これらの図
形,文章等にほとんどが静止画である。したがって、第
1の本発明の表示方法が適する。駆動周波数(データ転
送レート)も、そのままプログレッシブ走査映像信号を
液晶表示パネル81に表示する場合の1/2に低減でき
る。したがって、ポリシリコン技術を用いてソースドラ
イブ回路33等を形成したパネルであっても、前記ソー
スドライブ回路33内のシフトレジスタ数は増加しな
い。HD規格の信号はインタレース走査映像信号で送信
されてくるから、図18に示すようにインタレース走査
映像信号で表示すれば十分である。ワークステーション
等のプログレッシブ走査映像信号は、図19に示すよう
にすれば実用上十分である。本発明の表示装置は、HD
規格のインタレース走査映像信号は図18で説明した表
示方法で表示し、プログレッシブ走査映像信号かつ静止
画の場合は図19の表示方法で表示する。また、プログ
レッシブ走査映像信号かつ動画の場合は、図2に示す本
発明の映像信号表示方法を随時適用する。
は、図20で説明する方法を用いればよい。NTSC規
格の信号は有効水平走査線(ライン数)数は480本程度
である。本発明の表示装置は有効水平走査線数は102
4本ある。そのため、NTSC規格の信号を表示するに
は前記1024本中、480本の2倍の960本を用い
る。つまり一本の走査線のデータを表示装置の複数のラ
インに表示する。また、NTSC規格の信号もインタレ
ース走査映像信号である。図18に示すようにHD規格
のインタレース走査映像信号を表示するのには、2本の
ラインに同一表示した。NTSC規格は480本の2倍
の960本であるから、一本の走査線のデータを図20
に示すように4本のラインに表示する。図20に示すよ
うに、奇数フレーム(F)では奇数番目の映像信号データ
が転送されてくるとし、かつ、nを1以上の整数とすれ
ば、(8n−7)から(8n−4)ラインの画素101に同一
の電圧が書き込まれる。偶数フレーム(F)では偶数番目
の映像信号データが転送されてくるとすると、先と2ラ
インずらせて(8n−5)から(8n−2)のラインの画素1
01に同一の電圧が書き込まれる。偶数フレームでは
(8n−7)と(8n−6)の画素101には前記偶数フレー
ムの1つ前の奇数フレームのデータがそのまま保持され
る。これは、図18に示すように第2フレーム(2F)で
第1ラインの画素に第1フレーム(1F)の1ラインのデ
ータ“+a1"がそのまま保持されているのと同一の理由
からである。
101に書き込む電圧の極性にも考慮している。つま
り、第1フレームでは列方向(1ライン〜nライン)に
“++++−−−−++++・・・・"の極性の電圧を
印可し、第2フレームでは“++−−−−++++−−
・・・・"の極性の電圧を印可する。また、1画素(たと
えば画素101a)を中心に時間軸方向(フレーム方向=
1F〜9F)にみれば“++−−++−−・・・・"の極
性の電圧を印可する。前記画素101aの下位置の画素
101bは“+−−++−−・・・・"の極性の電圧を印
可して、先の画素101aとは異なるようにしている。
そのため一画素のみに注視すればフリッカは発生してい
るが、全体(任意の一画素とその周辺画素を同時にみれ
ば)としてはフリッカは打ち消されて視覚的には認識さ
れない。
めには、図21に示す第7の映像信号表示方法を行えば
よい。図20では、1フレームの4ラインに同一の極性
の電圧(たとえば第1Fの1ライン〜4ラインは“++
++",第1Fの5ライン〜8ラインは“−−−−")を印
可していたが、図21では、4ラインは同一電圧であっ
ても2ラインづつ電圧の極性を変化させている。(たと
えば、第1Fの1ライン〜4ラインは“++−−",第1
Fの5ライン〜8ラインも“++−−")。以上のように
表示させると、第1フレームでは列方向(1ライン〜nラ
イン)に“++−−++−−・・・・"、第2フレームで
は列方向に“−−++−−++・・・・"の極性の電圧
が画素に印可される。また、1画素(たとえば画素10
1a)を中心に時間軸方向(フレーム方向=1F〜9F)に
みれば“+−+−+−+−・・・・"の極性の電圧が印
可され、前記画素101aの下位置の画素101bには
“−+−+−+−+・・・・"と全く画素101aとは逆
の極性の電圧が印可される。そのためフリッカの発生は
極めて良好に抑制される。HD規格の信号は、図18の
表示方法により表示できる。図21は、図18の表示方
法を行なうのと同一のデータ転送レートである。したが
って、本発明の表示装置で図18の表示方法を実現でき
るのであれば、図21の表示方法をも実現できることは
容易に理解できるであろう。
法である。なお、この図22は第6の映像信号表示方法
の説明図である。VGA規格の表示は、本発明の表示装
置ではプログレッシブ走査映像信号をそのまま用いて表
示する。VGA規格の有効水平走査線数は480本であ
る。したがって、本発明の表示装置には1024本のう
ち480本の2倍の960本を用いて表示する。VGA
規格の表示を行なうには、これまで説明した表示方法と
異なり奇数フレームあるいは偶数フレームと区別する必
要はない。第1のフレームの映像信号データのうち奇数
ラインに該当する信号は、(4n−3)および(4n−2)ラ
インに表示する。偶数ラインに該当する信号は(4n−
1)および(4n)ラインに表示する。映像信号データの1
ラインのデータを、2本のラインの画素行に書き込むの
である。つまりプログレッシブ走査映像信号をそのまま
表示装置の2ラインに表示していく。
込む信号極性にも考慮を払っている。信号極性は奇数フ
レームでは列方向に“++−−++−−・・・・"、偶
数フレームでは列方向に“−−++−−++・・・・"
としている。フレーム方向(時間軸方向)では“+−+−
+−+−・・・・"と画素に電圧を保持させる。したが
って、1画素を注目してみれば1/30秒の周期で画素
に同一極性の電圧が印可される。そのためフリッカの発
生は全く生じない。
0に示すように画素数が横1280ドット横1024ド
ットの液晶表示パネルを用いて、HD,NTSC,VG
A,SXGAの表示を実現している。また、図1,図2等
で説明した方法を用いることにより前記表示パネルに転
送するデータ転送レートを従来の1/2に低減し、消費
電力の低電力化、ソースドライブ回路等の簡略化を実現
している。その上、図18等で説明した方法によりフリ
ッカの発生を防止している。本発明の映像信号表示方法
は、TN液晶表示パネル,強誘電液晶表示パネルあるい
はPLETを用いた表示パネル等、画素に電圧を保持す
る方式の表示パネルに適応できる。
いられるTN液晶表示パネルは、光の入射角依存性があ
る、画素に逆ドメインが発生する、液晶を配向させるた
めのラビング処理が必要で不良が発生しやすい等の課題
がある。TN液晶表示パネルは、光の入射角と表示コン
トラストが依存する。これは液晶層87の中の液晶分子
が画素電極151の法線に対し、一定角度で傾いている
ことから生じる。液晶分子の傾きと、光の入射角度が一
致しておれば表示コントラストは良好である。しかし、
不一致であれば表示コントラストは著しく劣化する。こ
の課題は、TN液晶表示パネルをライトバルブとして用
い投写型表示装置に対して重大である。投写型表示装置
では光学設計の都合上ライトバルブに入射する光の主光
線をライトバルブの全領域で一定方向にすることが困難
だからである。たとえば、図102に示すようにTN液
晶表示パネル691に入射する光の主光線はパネル上部
と下部で異なる。
線cと一致しておれば、ライトバルブ691の表示領域
の下部の表示コントラストは良好となる。しかし、上部
の主光線aに対しては不一致であり、上部の表示コント
ラストは著しく悪くなる。したがって画面下部から上部
に表示コントラストの劣化が生じる。つまり、画面下部
の画像表示は良好であるが、画面上部は悪い低品位の画
像表示状態となる。この現象は著しく画像表示を低下さ
せる。また、TN液晶表示パネルの課題として、図10
3に示すように画素開口部701の画素周辺部からの光
もれ(逆ドメイン領域702)がある。これは液晶分子が
正規の配向方向と逆方向に配向することからおきる。こ
の配向状態を逆チルド・ドメインと呼ぶ。これは画素電
極と信号線間に発生する電界により液晶分子の立ち上が
り方向が部分的に逆になることより生じる。液晶分子の
立ち上がり方向が逆になった部分は電圧が印可されてい
るにもかかわらず光は出射面の偏光板(検光子)を通過す
る。つまり光もれが生じる。正常な液晶の立ち上がり方
向であれば光もれは生じない。
に形成するブラックマトリックス(BM)703を幅を太
くする方法がある。つまり、逆ドメイン領域702を隠
すようにBM703を形成する。これも、画素閉口面積
を低下させることとなり、表示輝度を低下させること
が、有効な方法とは言えない。また、以下に説明するよ
うに、TN液晶を用いる液晶表示パネルは、画素周辺部
には光抜けが発生しやすいため、ブラックマトリックス
を太くしなければならない。したがって、光利用率が悪
く、表示輝度は低い。ブラックマトリックスに照射され
た光は液晶表示パネルを加熱することになり、パネル温
度を上昇させ、パネルの寿命を短くする。
し、ラビング処理が必要である。ラビング処理等は工程
数を増加させ、製造コストの増大をひきおこす。また、
近年、投写型表示装置に用いる液晶表示パネルの画素数
は30万画素以上と大容量となり、それにつれ画素サイ
ズは微細化の傾向にある。画素の微細化は信号線、TF
Tの凹凸を多数形成することになり、前記凹凸により良
好にラビング処理を行なえなくなったことは当然であ
る。また、画素サイズの微細化は1つの画素に占めるT
FTおよび信号線の形成面積が大きくなり画素開口率を
低減させる。一例として対角3インチの液晶表示パネル
で35万画素形成した場合、画素開口率は約30%であ
る。アモルファスシリコンでTFTを形成した場合で、
かつ、150万画素形成した場合は20%弱という予測
値もある。これらの画素開口率の低減は表示画像の低輝
度化にとどまらず、入射光開口部以外に照射された光に
より、さらに液晶表示パネルは加熱されることになり前
述の性能劣化を加速する。
7として高分子分散液晶を用いる。高分子分散液晶を用
いた液晶表示パネル(以下、高分子分散液晶表示パネル
と呼ぶ)はTN液晶表示パネルのように入射角依存性が
なく、また、逆チルトドメインの発生もなく、ラビング
処理も不要である。その上、光変調に偏光板を用いる必
要がないため、高輝度表示を行なうことができる。
散液晶表示パネルについて説明する。高分子分散液晶
は、液晶と高分子(ポリマー)の分散状態によって大きく
2つのタイプに分けられる。1つは、水滴状の液晶が高
分子中に分散しているタイプである。液晶は、高分子中
に不連続な状態で存在する。以後、このような液晶をP
DLCと呼び、また、前記液晶を用いた液晶表示パネル
をPD液晶表示パネルと呼ぶ。もう1つは、液晶層に高
分子のネットワークを張り巡らせたような構造を採るタ
イプである。ちょうどスポンジに液晶を含ませたような
格好になる。液晶は、水滴状とならず連続に存在する。
以後、このような液晶をPNLCと呼び、また、前記液
晶を用いた液晶表示パネルをPN液晶表示パネルと呼
ぶ。前記2種類の液晶表示パネルで画像を表示するため
には光の散乱・透過を制御することにより行なう。PD
LCは、液晶が配向している方向で屈折率が異なる性質
を利用する。電圧を印可していない状態では、それぞれ
の水滴状液晶は不規則な方向に配向している。この状態
では、高分子と液晶に屈折率の差が生じ、入射光は散乱
する。ここで電圧を印可すると液晶の配向方向がそろ
う。液晶が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじ
め高分子の屈折率と合わせておくと、入射光は散乱せず
に透過する。これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印可していない状態では入射した光は散乱する。
一方、電圧を印可し配列状態を規則的にすると光は透過
する。なお、前述のPDLCおよびPNLCの液晶の動
きの説明はあくまでモデル的な考え方である。本発明に
おいてはPD液晶表示パネルとPN液晶表示パネルのう
ち一方に限定するものではないが、説明を容易にするた
め主としてPD液晶表示パネルを例にあげて説明する。
また、PDLCおよびPNCLを総称してPD液晶と呼
ぶ。
る。画素電極151にはTFT(図示せず)等が接続さ
れ、TFTのオン,オフにより画素電極151に電圧が
印可されて、画素電極151上の液晶配向方向を可変さ
せて光を変調する。(a)に示すように電圧を印可してい
ない状態では、それぞれの水滴状液晶181中の液晶分
子は不規則な方向に配向している。この状態ではポリマ
ー182と水滴状液晶181との間に屈折率差が生じ、
入射光は散乱する。ここで、(b)に示すように画素電極
151に電圧を印可すると液晶分子の方向がそろう。液
晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじめ
ポリマー182の屈折率npと合わせておくと、入射光は
散乱せずにアレイ基板162より出射する。液晶層87
に用いる液晶材料としてはネマティック液晶,スメクテ
ィック液晶,コレステリック液晶が好ましく、単一もし
くは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物
質も含んだ混合物であってもよい。なお、先に述べた液
晶材料のうち、異常光屈折率neと常光屈折率noの差の比
較的大きいシアノビフェニル系のネマティック液晶、ま
たは、経時変化に安定なフッ素系、クロル系ネマティッ
ク液晶が好ましく、中でもクロル系のネマティック液晶
が散乱特性も良好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ま
しい。
リマーが好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー,アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
散乱特性が良好な光変調層87を作製でき、経時変化も
生じ難く好ましい。また、前記液晶材料は、常光屈折率
noが1.49から1.54のものを用いることが好まし
く、中でも、常光屈折率noが1.50から1.53のもの
を用いることが好ましい。また、屈折率差△nが0.15
以上0.30以下のものとを用いることが好ましい。no,
△nが大きくなると耐熱,耐光性が悪くなる。no,△nが小
さければ耐熱,耐光性はよくなるが、散乱特性が低くな
り、表示コントラストが十分でなくなる。散乱特性は△
nの2乗におよそ比例する。
として、常光屈折率noが1.50から1.53、かつ、△
nが0.15以上0.30以下のクロル系のネマティック
液晶を用い、樹脂材料としてフッ素基を有する光硬化性
アクリル樹脂を採用することが好ましい。このような高
分子形成モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリ
レート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,ネオペンチ
ルグリコールドアクリレート,ヘキサンジオールジアク
リレート,ジエチレングリコールジアクリレート,トリプ
ロピレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリ
コールジアクリレート,トリメチロールプロパントリア
クリレート,ペンタエリスリトールアクリレート等が挙
げられる。オリゴマーもしくはプレポリマーとしては、
ポリエステルアクリレート,エポキシアクリレート,ポリ
ウレタンアクリレート等が挙げられる。また、重合を速
やかに行なう為に重合開始剤を用いても良く、この例と
して、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア11
16」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバガイギー社製「イルガキュア184」)、ベンジルメ
チルケタール(チバガイギー社製「イルガキュア651」)
等が挙げられる。その他に任意成分として連鎖移動剤,
光増感剤,染料,架橋剤等を適宜併用することができる。
pと、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印可された時に液晶分子が一方向に配向
し、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂の屈
折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈折率np
とnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印可しても完全
に液晶層が透明状態とならず、表示輝度は低下する。屈
折率npとnoとの屈折率差は0.1以内が好ましく、さら
には0.05以内が好ましい。PD液晶層97中の液晶
材料の割合はここで規定していないが、一般には30重
量%〜90重量%程度がよく、好ましくは60重量%〜
85重量%程度がよい。30重量%以下であると液晶滴
の量が少なく、散乱の効果が乏しい。また90重量%以
上となると高分子と液晶が上下2層に相分離する傾向が
強まり、界面の割合は小さくなり散乱特性は低下する。
PD液晶層の構造は液晶分率によって変わり、だいたい
50重量%以下では液晶滴は独立したドロップレット状
(水滴状)として存在し、50重量%以上となると高分
子と液晶が互いに入り組んだ連続層となる。
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上2.0μm以下
にすることが好ましい。中でも、0.7μm以上1.5μm
以下が好ましい。PD表示パネルが変調する光が短波長
(たとえば、B光)の場合は小さく、長波長(たとえば、
R光)の場合は大きくする。水滴状液晶の平均粒子径も
しくはポリマー・ネットワークの平均孔径が大きいと、
透過状態にする電圧は低くなるが散乱特性は低下する。
小さいと、散乱特性は向上するが、透過状態にする電圧
は高くなる。上記0.7〜1.5μmの範囲は駆動電圧も
適正で散乱特性も高く、また、液晶の応答性も速い。な
お、本発明の投写型表示装置にライトバルブとしてPD
液晶表示パネルを用いる場合は、青色光を変調する液晶
表示パネルの水滴状液晶の平均粒子径もしくはポリマー
・ネットワークの平均孔径は、赤色光を変調する液晶表
示パネルのそれより小さくしている。
は、特公表61−502128号公報に示すような液晶
が水滴状に樹脂中に分散されたもの(図23参照)、樹脂
がスポンジ状(ポリマーネットワーク)となり、そのスポ
ンジ状間に液晶が充填されたもの(たとえば特開平5−
173117号公報,特開平3−46620号公報等)が
該当し、他に特開平6−208126号公報,特開平6
−202085号公報に開示されているような樹脂が層
状となっているものも包含する。また、特開平5−11
3558号公報,特公平3−52843号公報のように
液晶がカプセル状の収容媒体に封入されているものも含
む。さらには、液晶または樹脂45中に二色性,多色性
色素を含有されたもの(例えば特開昭59−22632
2号公報,特開昭59−178429号公報)も含む。液
晶層87の膜厚は5〜20μmの範囲が好ましく、さら
には8〜15μmの範囲が好ましい。膜厚が薄いと散乱
特性が悪くコントラストがとれず、逆に厚いと高電圧駆
動を行わなければならなくなり、ゲート信号線にTFT
86をオンオフさせる信号を発生するゲートドライブ回
路38やソース信号線に映像信号を印可するソースドラ
イブ回路33の設計などが困難となる。
制御としては、黒色のガラスビーズ233または黒色の
ガラスファイバー、もしくは、黒色の樹脂ビーズ233
または黒色の樹脂ファィバーを用いる。特に黒色のガラ
スビーズまたは黒色のガラスファイバーは、非常に光吸
収性が高く、かつ、硬質のため液晶層に散布する個数が
少なくてすむので好ましい。以上の説明においてビー
ズ、ファイバーは黒色としたが、液晶表示パネルを投写
型表示装置のライトバルブとして用いる場合はこれに限
定されるものではない。投写型表示装置は3枚の表示パ
ネルでR、G、Bの3色の光をそれぞれ変調するもので
ある。R光を変調する表示パネルに用いるビーズ233
などは、R光を吸収させれば良い。つまり、変調する光
の色に対して、補色の関係にある色素を含有したビーズ
233を用いればよい。液晶層87は、電圧無印可状態
で入射光を散乱(黒表示)する。透明のビーズを用いると
表示画面が黒表示であっても、前記ビーズの箇所から光
漏れが生じ、表示コントラストを低下させる。黒色のガ
ラスビーズまたは黒色のガラスファイバーを用いれば光
漏れは生じず、良好な表示コントラストを実現できる。
絶縁膜232を形成することは有効である。絶縁膜23
2としてはTN液晶表示パネル等に用いられるポリイミ
ド等の配向膜、ポリビニルアルコール(PVA)等の有機
物、SiO2等の無機物が例示される。好ましくは、密着
性等の観点からポリイミド等の有機物がよい。PD液晶
87は比較的、比抵抗が低い。そのため画素電極151
に印可された電荷を1フィールド(1/30または1/
60秒)の時間のあいだ完全に保持できない場合があ
る。保持できないと液晶層87が完全に透明状態となら
ず、表示輝度が低下する。ポリイミド等の有機物からな
る薄膜は比抵抗が非常に高い。したがって、有機物から
なる薄膜を電極上に形成することにより電荷の保持率を
向上できる。そのため、高輝度表示および高コントラス
ト表示を実現できる。絶縁膜232は液晶層87を電極
88,151とが剥離するのを防止する効果もある。そ
れは液晶層87を構成する材料の約半分近くは樹脂から
なる有機物であるからである。そのため、前記絶縁膜2
32が接着層の役割をはたし、基板162,161と液
晶層87との剥離が発生しにくくなる。
すれば、液晶層87のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。対向電極88上に有機残留物が残っていても前記
絶縁膜232で被覆するためと考えられる。その効果は
ポリイミドよりもPVAの方が良好である。これはポリ
イミドよりもPVAの方がぬれ性が高いためと考えられ
る。しかし、パネルに各種の絶縁膜232を作製して行
った信頼性(耐光性、耐熱性など)試験の結果では、TN
液晶の配向膜等に用いるポリイミドが、経時変化がほと
んど発生せず良好である。そのため、本発明の表示パネ
ルにはポリイミドを絶縁膜232として用いることが好
ましい。なお、有機物で絶縁膜232を形成する際、そ
の膜厚は0.02μm以上、0.1μm以下の範囲が好ま
しく、さらには0.03μm以上0.08μm以下が好ま
しい。
きる。しかし、PD液晶表示パネルにも課題がある。以
下、その課題と、本発明の表示パネル(表示装置)に採用
した対策(構成)について順次説明をしていく。PD液晶
表示パネルで画像を表示した際、表示コントラストが悪
くなる原因に、画素周辺部からの光漏れがある。これは
信号線と画素電極間に発生する電気力線に液晶分子が配
向するために生じる。特に図104に示すように、白ウ
ィンドウを表示した際に顕著になる。白表示部の上部お
よび下部の黒表示領域が灰色表示となるからである(以
後、この現象を黒浮きと呼ぶ)。輝度分布は図105に
示すようになる。b−b'線の部分は黒浮きは生じず、原
理的には画面上部から画面下部まで輝度B1で一定であ
る。しかし、a−a'線の部分は、輝度B1の部分がB2と
なる。PD液晶表示パネルで自然画を表示すると白表示
部の上下に白線が表示される(以後、この現象を尾ひき
と呼ぶ)。この現象は画像表示品位を大幅に低下させ
る。
表示パネル等と同様にブラックマトリックス(BM)を
形成すればよい。しかし、対向電極88上にBMを形成
することは好ましくない。PD液晶表示パネルの製造す
る際、未硬化の紫外線硬化樹脂と液晶とを混合させたも
の(混合溶液)を対向電極88と画素電極151間に注入
し、紫外線を照射して樹脂を硬化させ、樹脂成分と液晶
成分とを相分離させるためである。紫外線は対向基板側
より照射する。対向電極88上にBMが形成されている
と、BM下の樹脂成分は硬化せず、液晶と樹脂成分とが
相分離しない。したがって、表示パネルは安定性が悪
く、経時変化の大きくなり、実質上ライトバルブとして
用いることが困難である。また、BMが対向電極88上
に形成されている場合、対向基板161とアレイ基板1
62との貼り合わせ精度も重要になる。貼り合わせの際
ずれるとBMの端から光漏れが生じる。通常BM幅は貼
り合わせ精度を考慮して、BMの幅を太く形成してい
る。一般的には貼り合わせ精度は5μm〜10μmであ
る。BMを太くすれば、それだれ、画素開口率が低下す
る。したがって、表示輝度は低くなる。
素電極151側等にBMとして機能する遮光膜155も
しくはそれに類似する構成物を形成する。対向電極88
側には通常、BMは形成しない。したがって、製造時、
対向電極88側から紫外線を照射すれば、未硬化の樹脂
成分が生じず、経時変化が生じない。BM156を画素
電極151側に形成すれば、対向基板161とアレイ基
板162の貼り合わせ精度を考慮することが必要なくな
る。一例として、図25のように遮光膜155(155
a〜155e)を形成する。さらに、ブラックマトリッ
クス(BM)156(156a〜156d)を形成す
る。なお、図25は、表示パネルの対向基板161を取
り除いた時のアレイ基板162の平面図を示している。
また、以下に示す各図面は理解を容易にするために、モ
デル図的に描き、説明に不要な箇所は省略している。ま
た、図26は図25のA−A'線での断面図であり、図
27は図25のB−B'線での断面図である。
す。S1〜Snはソース信号線154であり、また、G1
〜Gmはゲート信号線153(153a、153b)で
ある。ソース信号線154(154a、154b)とゲ
ート信号線153との交点にはスイッチング素子として
のTFT86(86a〜86d)が形成されており、前
記TFT86の一端子はゲート信号線153に、また、
他の一端子はソース信号線154に、残る一端子は表示
画素である画素電極151に接続されている。また、前
記端子には液晶層87の電荷だけでは1フィールド間に
必要な電荷を蓄積することができないため画素電極15
1とゲート信号線153間に付加容量171を形成して
いる。なお、図28の点線で囲った領域が一画素101
である。遮光膜155(155a〜155e)の形成材
料としてはクロム(Cr)が例示され、その膜厚は遮光効
果を考慮して500オングストーム以上にする必要があ
る。遮光膜155の幅は、信号線154等に印可される
電圧、液晶層87の膜厚を考慮して定めなければならな
い。対向基板88と信号線間距離が近いと、信号線15
4等と画素電極151間に発生する電気力線数は相対的
に少なくなる。また、画素電極151と信号線154と
の間隔が広くても前記電気力線数は相対的に少なくな
る。ソース信号線154に印可される信号振幅が小さけ
れば遮光膜155の幅は狭くすることができる。
遮光膜155を光吸収膜におきかえてもよい。光吸収膜
を形成する光吸収材料としては電気絶縁性が高く、液晶
層87に悪影響を与えない材料であればよい。例えば、
黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分散したものを用い
ても良いし、カラーフィルターのようにゼラチンやカゼ
インを黒色の酸性染料で染色してもよい。黒色色素の例
としては、単一で黒色となるフルオラン系色素を発色さ
せて用いることもでき、緑色系色素と赤色系色素とを混
合した配色ブラックを用いることもできる。以上の材料
はすべて黒色の材料であるが、本発明の表示装置を投写
型表示装置は3枚の表示装置を用いる。それぞれの表示
装置はR、G、Bの3色の光のうち1色を受け持ち変調
するものである。R光は変調する表示装置の光吸収膜と
してはR光を吸収させれば良い。つまり特定波長を吸収
できるように、例えばカラーフィルタ用の光吸収材料を
望ましい光吸収特性が得られるように改良して用いれば
良い。基本的には前記した黒色吸収材料と同様に、色素
を用いて天然樹脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分
散した材料を用いることができる。色素の選択の範囲は
黒色色素よりむしろ幅広く、アゾ染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料な
どから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上の
組み合わせでも良い。
料が多い。そのため、使用は好ましくない。そこで前述
のように特定波長を吸収できる色素を光吸収薄膜の含有
色素として採用することが好ましい。R光用、B光用お
よびG光用の3枚の表示装置をライドバルブとして用い
る投写型表示装置では採用が容易である。つまり、変調
する光の色に対して、補色の関係にある色素を光吸収膜
中に含有させればよい。補色の関係とは、例えば、B光
に対しては黄色である。黄色に着色された光吸収膜はB
光を吸収する。したがって。B光を変調する表示装置は
黄色の光吸収膜を形成すればよい。
挙げられる。これらの効果を図29を用いて説明する。
第一の効果として表示コントラストの向上がある。入射
光Aは水滴状液晶181で散乱し、画素電極151に入
射する。光吸収膜155が形成されておれば、前記光は
吸収される。光吸収膜155がなければ点線で示すよう
にアレイ基板162に入射し、出射されるから、黒浮き
が生じ、表示コントラストは低下する。第2の効果とし
て、隣接画素への光のまわりこみの防止がある。入射光
Bは水滴状液晶181で反射し、対向電極88と画素電
極151間反射を繰り返し、隣接画素に入射する(点線
で示す)。光吸収膜155が形成されておれば、光吸収
膜155で吸収され隣接画素へ光が入射することがなく
なる。したがって、画素のにじみが少なくなる。なお、
このように光吸収膜を形成した構造を光吸収膜構造と呼
ぶ。
0と図31を用いてP偏光とS偏光等を定義しておく。
P偏光とは、ダイクロイックミラー314等の光源素子
の平面の法線312と入射光線311の進行方向を含む
面上で振動する光317を言う。なお、前記「光線の進
行方向を含む面」をP偏光面318と呼び、前記面上か
つ前記光線進行方向に垂直な軸をP偏光軸315と呼
ぶ。また、S偏光とは前記P偏光の振動方向313と垂
直な方向に振動する光を言い、前記S偏光が振動する面
をS偏光面と呼び、前記面上かつ前記光線の進行方向に
垂直な軸をS偏光軸と呼ぶ。したがって、P偏光軸とS
偏光軸とは直交する。
より偏光依存性が発生する。この偏光依存性が発生する
理由について、図32と図33を用いて説明する。液晶
分子281は分子の長軸方向の屈折率と短軸方向の屈折
率とは異なる。通常正の屈折率を有する液晶分子は長軸
方向の屈折率を異常光屈折率neと呼び、短軸方向の屈折
率を常光屈折率noと呼ぶ。高分子分散液晶は常光屈折率
noとほぼ屈折率の等しいポリマー182材料を用いる。
ポリマー182の屈折率をnpとする。図33に示すよう
にaa'方向に電界が生じると液晶分子281は前記電界
に沿って配向する。すると、aa'方向の屈折率分布はポ
リマーの屈折率np(np=no)と液晶分子の異常光屈折率ne
と混在した状態となり、np≠neである。したがって、a
a'方向の偏光は散乱する。一方、bb'方向は、常光屈折
率noとnpとが混在した状態でるがno=npであるから、b
b'方向の偏光は散乱されずそのまま透過する。以上のこ
とから、aa'方向の横電界が発生し、前記横電界によっ
て液晶分子281が配向するとbb'方向の偏光は透過
し、aa'方向の光は散乱する。つまり偏光依存性が発生
することになる。
ライン方向(aa'方向)の画素に同一極性の信号を印可す
れば、隣接する画素間の横電界は上下方向(bb'方向、つ
まり列方向)に発生する。したがって、液晶分子はbb'方
向に配向するから、aa'方向の偏光が透過(光漏れ)しや
すくなる。したがって、前記横電界を抑制しなければ極
めて良好なコントラストを実現できない。そこで、本発
明の表示方法を実施するにあたり、パネル構造にも数々
の対策を施している。この意味で本発明の表示方法と表
示パネルの構造とは一体不可欠の関係にある。図34に
示すように、画素電極151とソース信号線154間に
電位差があると電気力線263(横電界)が発生し、前記
電界に沿って液晶分子281が配向する。液晶分子28
1が一方向に配向するため画素電極151周辺部で光抜
けが生じ、また、画素電極151と信号線154間は偏
光依存性が生じる。
め、図34におけるaa'方向の偏光を入射させたとして
説明をする。また、説明を容易にするために、対向電極
の電位を0V(図面ではGと表す)とし、前記対向電極の
電位に対して正極性の電位を+電圧(図面では+と表
す)、前記対向電極の電位に対して負極性の電位を−電
圧(図面では−と表す)ものとする。
87内の電気力線発生状態を示し、(d)、(e)、(f)は横
軸をアレイ基板162の位置xとし、縦軸に透過率Tと
している。つまり、透過光の分布を概念的に示してい
る。(a)、(b)、(c)は画素電極151に+電圧が印可さ
れ、ソース信号線に−電圧が印可された状態を示してい
る。電気力線は、対向電極88と画素電極151の間
(電気力線263a)および画素電極151とソース信号
線154の間(電気力線263b)に発生する。このよう
に、画素電極151と信号線間に発生する電界を横電界
と呼んでいる。液晶分子281は電気力線の強度(電界
強度)が所定値(液晶の立ち上がり電圧)以上のとき前記
電気力線263に沿って配向する。電気力線263の方
向が対向電極88に垂直の時、前記電気力線に沿って液
晶分子281が配向すれば、液晶層の見掛け上の屈折率
は常光屈折率noとなる。noとポリマー182の屈折率np
がno≒npなる関係があるから、液晶層87は透明状態と
なる。一方、電気力線263の方向が対向電極88と平
行の時、前記電気力線263に沿って液晶分子が配向す
れば、液晶層の見掛け上の屈折率nxは(no+ne)/2とな
り、nx≠npであるから、液晶層87は散乱状態となる。
は横電界263により散乱状態となる。画素電極151
の周辺部の電気力線263の方向は対向電極88に対し
て斜めとなっているから、光透過状態となる。このこと
から透過光Tの分布は、(d)で示される。図35におい
て、(b)は、画素電極151の電位がG電位の場合であ
る。この場合、電気力線は信号線154と画素電極15
1の間の263bのみが発生する。このような電位状態
が生じるのは、(a)の白表示部の上下の表示領域の画素
である。前記上下の表示領域画素は黒表示であるから、
対向電極88と画素電極151間に電位差がない。しか
し、ソース信号線154には白表示部の画素に印可する
信号が加わるので、横電界により電気力線263bが発
生する。したがって、画素周辺部の液晶層87は半透過
状態となり、光抜けが発生する。本発明の表示パネルで
は、(c)に示すように、遮光膜155を画素電極周辺部
に形成しているので、光抜けは発生せず良好な黒表示を
実現できる。実験によれば画素電極周辺部の光抜けは大
きいが、画素電極151と信号線154の間の光抜けは
比較的小さい。したがって、PD液晶表示パネルに偏光
板を配置せずとも遮光膜155の形式のみで実用上十分
な場合が多い。それよりは高輝度表示が要望されること
が多い。
横電界の発生方向と一致させる。たとえば、ソース信号
線154と画素電極151の間に横電界が発生している
場合は図36のように偏光板331と表示パネル81と
を配置する(偏光軸332はゲート信号線の形成方向)。
図36および図37において、実線矢印は表示パネルの
横電界発生方向、点線矢印は偏光板の偏光軸(偏光方向)
である。偏光板は、図36の(a)のようにPD液晶表示
パネルの光の入射側と出射側の両方に配置してもよく、
また、図36の(b)、(c)のように一方のみでもよい。な
お、コントラスト表示が良好なのは(a)であることは説
明するまでもないが、偏光板331の透過率分だけ表示
輝度が低下する。図36のいずれの方式を採用するか
は、光利用率、コスト、表示コントラストを考慮して決
めればよい。なお、このような偏光板331を用いる構
成を偏光板構造と呼ぶ。なお、図36と図37では、偏
光板331を配置したが、本発明の技術的思想は横電界
の発生方向を考慮して、直線偏光を液晶表示パネル81
へ入射させることである。その一つの実現手段が偏光板
331を用いることである。その他の方法として図38
のように偏光ビームスプリッタ361を用いる方法があ
る。入射光363は偏光ビームスプリッタ361の光分
離面362でP偏光とS偏光に分離される。前記P偏光
とS偏光のうち一方を液晶表示パネル81に入射させる
ように構成する。
電圧の大きさを考慮せずに対向電極88に対して正極性
を+、負極性を−と表現している。現実にはラスター表
示でもないかぎり、各画素に印可される電圧が同一とい
うことはあり得ない。しかし、隣接した画素電極151
間ではほぼ同じレベルの信号が印可されているため、あ
る任意の画素を中心とし、その近傍の画素には同一のレ
ベルの信号(電圧)が書き込まれていると見なしても差し
支えないことが多い。つまり、隣接画素電極151間で
各画素に印可された電圧の極性が一致しているならば、
前記画素電極151間では横電界は発生しない。逆に各
画素電極151間で電圧の絶対値が等しくともその極性
が異なるならば横電界が発生する。もし、ソース信号線
154からの電界が発生せず、隣接した画素電極間のみ
に発生する横電界で液晶分子が配向し、光漏れが生じる
ならば、図12のH反転駆動の場合は横電界の発生方向
はbb'方向である。したがって、aa'方向の偏光が透過し
やすくなる。そのため、図37のように偏光板331を
配置すれば、光漏れを防止できる。図11のカラム反転
駆動の場合は横電界発生方向は、図12と逆になる。そ
こで、図36のように偏光板331を配置すればよい。
本発明の表示方向は、ライン方向に同一極性を印可する
H反転駆動である。したがって、偏光板を用いる場合は
図37のように配置する。この事項は本発明に重要な事
項である。図37の偏光板構造と組み合わすことによ
り、横電界による画素電極151周辺部の光漏れを完全
に防止でき、極めて良好な表示コントラストを実現でき
るからである。以上のように画素電極151に印可する
電圧の極性と、偏光板331の偏光軸332を考慮する
という技術的思想は、前述の偏光板構造において重要な
事項である。
電界が生じる。そのため、画素電極151周辺部から光
漏れが生じる。横電界による光漏れ対策は極めて良好な
表示コントラストを実現するためには重要な事項であ
る。その対策の1つが、図25に示す遮光膜211を付
加した遮光膜構造である。なお、遮光膜155(光吸収
膜と考えてもよい)は画素電極151上に形成するとし
たが、図39に示すように対向電極88上に形成しても
よい(遮光膜211)。製造上、液晶と樹脂成分を相分離
するときに、遮光膜211は未重合の樹脂成分を生じさ
せることになるが、以下の方法で解決することができ
る。まず、未重合の樹脂と液晶を画素電極151と対向
電極88の間に注入した後、A方向から紫外線を照射す
る。遮光膜211の下層の樹脂は未重合で残るので、次
にB方向から紫外線を照射して残りの未重合の樹脂を硬
化させる。遮光膜211上の樹脂はB方向から、ソース
信号線154上の樹脂はA方向から硬化させることにな
る。したがって、液晶層87は完全に液晶と樹脂成分と
相分離できる。
り合わせの位置決めの許容範囲を拡大するためには、図
40に示すように、図39の構造に加えて、画素電極1
51上に遮光膜155を形成する構成がある。この構成
であれば、多少、貼り合わせがずれても画素電極151
周辺部から光抜けが生じることはない。つまり、遮光膜
155と遮光膜211を、A方向からみて貼り合わせ許
容範囲分をオーバーラップさせておけばよい。従来のT
N液晶表示パネルのようにBMが形成されなければPD
液晶表示パネルでは、ソース信号線154上の樹脂は未
硬化のまま残る。なぜならば、ソース信号線154上の
対向電極88上にBMがあるからである。本発明では、
図25あるいは図39に示すように、ソース信号線15
4上に遮光膜を除去しているから、未硬化の樹脂は生じ
ない。なお、遮光膜155,211は先に説明したよう
に光吸収膜構造に置き換えてもよい。
1は画素電極151と信号線154の間、さらには信号
線154上に形成してもよい。この場合は、遮光膜23
1は絶縁材料では形成しなければならない。絶縁材料と
しては先に光吸収膜構造で例示した配色ブラック、ある
いはアクリル樹脂にカーボンなどを含有させたもの等を
用いることができることは、説明は要さないであろう。
遮光膜155,231,211は、ソース信号線154の
周辺あるいは信号線上に形成するとしたが、これに限定
するものではない。ゲート信号線153の周辺あるいは
前記ゲート信号線153上に形成すべきであることは明
らかである。図12のようにH反転駆動を実施すれば、
上下の画素間に横電界が発生し、光抜けが発生するから
である。
て、図41は、ソース信号線154またはゲート信号線
153を低誘電率材料で取り囲む構成を示す。信号線1
54を低誘電体膜241で囲っている。低誘電体とは、
液晶層87の比誘電率よりも低い比誘電率の材料という
意味である。液晶層87を構成するポリマー32の比誘
電率は5前後、液晶の比誘電率は15〜30である。液
晶層24はポリマー182と液晶の混合物であるからそ
の比誘電率は5以上30以下の比誘電率となる。低誘電
体膜241の材料として、ポリマー182の同じ材料、
SiO2、SiNxなどの無機材料、あるいは半導体プロセ
スに用いるレジスト材料が例示される。比較的、低誘電
体膜241は厚く形成する必要があるため、ポリマー1
82あるいはレジストなどの有機材料を用いることが好
ましい。このような構成を低誘電体膜構造と呼ぶ。必要
であればゲート信号線153上にも低誘電体膜241を
形成する。
する。膜厚は厚い方がよい。PD液晶表示パネルはラビ
ング等の配向処理が必要でないため、低誘電体膜241
によりアレイ基板162等の表面に凹凸が生じても問題
はない。これはTN液晶表示パネルと異なる、PD液晶
表示パネルの大いなる利点である。また、好都合なこと
に前記低誘電体膜241に遮光膜155等を用いる色素
等を混入させれば、遮光膜となる。色素等を混入させて
も比誘電率はほとんど高くならない。ただし、色素とし
てカーボンを用いる場合は多少比誘電率は高くなる。ま
た、低周波数領域で画素電極151とソース信号線15
4との容量結合量が高くなる。しかし、ソース信号線1
54に通常印可される周波数帯域では前記容量結合量は
ほとんど高くならない。
を、ライトバルブとして投写型表示装置に用いる場合
は、色素としてカーボンを用いる必要性がない。なぜな
ら、前記投写型表示装置では各ライトバルブは赤(R)、
緑(G)および青(B)の1色のみを変調し、前記1色を吸
収するものであれば遮光膜として機能するからである。
たとえば、変調光が青色の場合は黄色の色素である。遮
光膜構造に用いる遮光膜は樹脂等の絶縁物に限定される
ものではない。たとえば、ソース信号線154上に絶縁
膜を積層し、前記絶縁膜上に金属からなる遮光膜を形成
してもよい。たとえば、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)からなる薄膜である。六価クロムを用いれば前記六価
クロムは黒色であり、光吸収膜としても機能する。以上
のように、本発明の遮光膜構造とは画素電極周辺部を遮
光するという構造であり、その構成(樹脂あるいは金属
薄膜)を問題とするものではない。図29に示す光吸収
の効果が不要であれば、光を反射して遮光する構成であ
ってもよい。誘電率が低い材料中は、電気力線が通過し
にくい。したがって、横電界は弱まり、光抜けは発生し
ない。
を防止し、光抜けを防止する効果が大きい。したがっ
て、低誘電体膜241は、対向電極88と信号線154
間を完全に充填する構造(図42参照)であってもよい。
また、画素電極151の外周部を大きく被覆する方が光
抜けを防止できる。また、図42の構成では低誘電体膜
262が柱(以後、低誘電体柱と呼ぶ)となり、対向電極
88と画素電極151間を一定の距離を保つ手段とな
る。つまり、図23で示したような液晶層87膜厚を一
定距離に保つために用いたビーズ233を使用する必要
がなくなる。これは重要な事項である。TN液晶表示パ
ネルではラビング処理が必要であるため、図42に示す
ような低誘電体柱262が形成されておれば、ラビング
処理の際、ラビング布が前記柱262に邪魔されて配向
処理が不可能であろう。図42の構成はPD液晶表示パ
ネルで初めて可能となった構成である。当然のことなが
ら低誘電体柱262にも色素が混入させて“遮光柱"と
することが望ましい。
誘電体柱により遮蔽されるため、全く発生しない。した
がって、横電界による光抜けはなくなる。電気力線は画
素電極151と対向電極88に真っ直ぐに発生する(電
気力線263a)。また、低誘電体柱262は液晶層87
の膜厚を規定する機能をも有する。つまり、液晶膜厚を
規定するビーズ233としての役割をはたす。そのた
め、ビーズ233の散布は必要がない。したがって、ビ
ーズ233周辺部の光抜けがなく表示コントラストも良
好である。また、対向基板161とアレイ基板とを貼り
合わす際、位置合わせが必要でないという利点をも有す
る。低誘電体柱262は対向電極88上に形成しておく
ことが好ましい。対向電極88上に他に構成物がなく、
低誘電体柱の形成が容易だからである。なぜならば、ア
レイ基板162上はTFT等が形成された凹凸があるか
らであり、低誘電体柱の形成が困難であるからである。
一方、対向電極88には極めて平滑性が高く、低誘電体
柱の形成が容易である。
1を形成する構成を示す。この場合、低誘電体柱262
上にBM261を形成する。このように構成することに
より、低誘電体柱262は透明材料であっても、光漏れ
は全く生じなくなる。図44は、図41の変形例を示
し、ソース電極154、ゲート電極163および画素電
極151の間を絶縁膜163で絶縁するときに、ソース
電極163の近傍に、低誘電体膜241を形成する。
表示装置の平面であり、また、図46は、図45のC−
C'線での断面図であり、図47は図45のD−D'線で
の断面図である。図45に示す実施形態では画素電極1
51とゲート信号線153間に付加容量(コンデンサ)1
71を形成している。付加コンデンサ171はゲート信
号線153上に絶縁膜163を形成し、前記絶縁膜16
3上に画素電極151を重ねることにより形成する。ゲ
ート信号線153はソース信号線154に沿って分枝し
ている。画素電極151はゲート信号線153上を可能
なかぎりシールドするように形成することが好ましい。
付加コンデンサ171の形成位置はゲート信号線153
および画素電極151周辺部であり、図25の遮光膜1
55と同一位置を中心として形成する。ゲート信号線1
53は通常金属薄膜で形成されるから、分枝したゲート
信号線は遮光膜155としての機能を有するようにな
る。
る。前段ゲート方式はゲート信号線153幅を太く形成
し、前記ゲート信号線153と画素電極151とを重ね
て所定のコンデンサ容量を得る。しかし、ゲート信号線
153幅を太くすれば、画素開口率は低下する。図45
では分枝させたゲート信号線153と画素電極151の
間に電荷を蓄積できるようにしてから、前記電荷分だけ
分枝がない場合に比較して、ゲート信号線幅を細くでき
る。また、分枝したゲート信号線部では遮光膜155の
機能をもたせている。したがって、図25の表示装置の
開口率は、従来の前段ゲート方式の表示装置の開口率と
同等にできる。ソース信号線154と画素電極151の
間の横電界による画素周辺部からの光抜けは分枝したゲ
ート信号線153で防止できる。つまり、図25におい
て、遮光膜155をゲート信号線153に置き換えて考
えればよい。
153に一定の信号が印可されている場合には前記信号
による電圧により、画素電極151と信号線間に電気力
線(横電界)が発生する。横電界により液晶が配向した偏
光依存性が生じる。そのため、画素電極151周辺部に
光抜けが生じる。これを防止するには、信号線154等
を、図24に示す低誘電体膜により被覆することが好ま
しい。しかし、前記信号線等からの電気力線を完全にシ
ールドしても、今度は隣接画素電極151間に発生する
電気力線により横電界が生じる。前記横電界を防止する
には、図42の低誘電体柱262を形成する構成が有効
である。また、偏光板331等を用いる方法も有効であ
る。
1に印可する電圧極性は図12のごとくなる。したがっ
て、隣接画素電極間の横電界の発生方向はbb'方向であ
る。偏光板331を用いる場合は、偏光軸332は図3
7に示すようにbb'方向にする必要がある。ソース信号
線154からの電気力線は低誘電体膜241、低誘電体
柱262を用いて完全にシールドする、もしくは遮光膜
155あるいは231により光漏れが生じないようにす
る。本発明の映像表示方法および前記映像表示方法を採
用した表示装置において、図12に示すように画素電極
101に所定の極性の電圧を印可するとしたが、以下に
示す駆動方式も採用することが好ましい。液晶層87は
厚いほど散乱特性が良好になる。したがって、表示コン
トラストは高くなる。しかし、液晶層87と透過させる
のに高い電圧を必要とする。図12の方法を用いれば、
液晶層87により高い電圧を有効に印可できるようにな
る。まず、対向電極88の電位は水平走査期間(H)(1
Hまたは2H)ごとに極性を反転すべきである(図48の
(a))。対向電極88の電位をG1電位を中心として、±
V1+電位を4水平走査期間(4H)周期で印可する。4H
としたのは、図12で示すように2ラインごとに同一極
性の電圧を印可するからである。一方、図49に示す前
段ゲート方式(ゲート信号線153と画素電極151間
でコンデンサを形成し、付加容量171を構成する方
式)ではゲート信号線153も4H周期でG2電位を中心
として±V2+電圧を印可する。なお、ゲート信号線には
TFT86をオンさせる電圧、オフさせる電圧を印可す
る説明が容易にするためここでは考慮しない。このよう
に駆動する方式をフローティングゲート方式と呼ぶ。
明図である。対向電極88には駆動手段821により4
H周期の矩形波801を印可する。一方、ゲート信号線
153には駆動手段822により4H周期の矩形波80
2を印可する。また、液晶層87のコンデンサ容量をC
1とし、付加コンデンサ171の容量をC2とする。さら
に説明を容易にするため、C1<<C2なる関係がある。
TN液晶の場合、液晶層のコンデンサ容量C1は比較的
大きい。しかし、PD液晶の場合は液晶層のコンデンサ
容量C1は付加コンデンサの容量C2に比較して十分小さ
い場合が多い。これはPD液晶の比誘電率が低く、か
つ、液晶層87の膜厚が8μm以上と厚いためである。
TFT86はスイッチとみなし、ゲート信号線に印可し
た電圧波形は画素電極151にほぼ減衰なく出力される
とする。なぜならば、C1<<C2なる関係があるからで
ある。また、説明を容易にするため、V1=4Vとし、
V2=4Vとする。また、ソースドライブ回路33から
出力する映像信号電圧Vsは映像信号により変化する
が、ここではVs=±6Vと一定として説明する。図5
0の(a)において、対向電極88にV1+=4Vが印可さ
れ、その時ゲート信号線V2+=+4Vを印可する。(オ
フ電圧のレベルは説明上考慮していない)。この時にT
FT86により画素電極151に、たとえばVs=6V
の電圧(これは、ソースドライブ回路33からの映像信
号である)を印可する。すると、液晶層87には+4V
−(−6V)=10Vの電圧が印可される。これが、図4
8の(a)の期間である。次に、図80の(b)の期間では、
図50の(b)のように対向電極88にV1+=4Vが印
可され、その時、ゲート信号線V2-=−4Vを印可す
る。対向電極88およびゲート信号線電位V2は全ての
画素に対して共通の電極であるから、前記電圧V2がV
2-、V1がV1-と変化することにより、図50の(a)で印
可した電圧−6Vは、−6V+V2-=−6V+(−4
V)=−10Vと変化する。しかし、液晶層87に印可
されている電圧は10Vと変化しない。図50の(b)で
は画素電極151に+6Vの電圧を印可する。したがっ
て、液晶層87には−4V−(−6V)=−10V、つま
り10Vの電圧が印可される。
ライブ回路からの電圧VsとV2もしくはV1の電圧が加
えられた電圧が印可されることになる。このように4H
周期で対向電極88の電圧を変化させる方式は本発明の
特徴である。特に、PD液晶表示パネルの場合は液晶層
88のコンデンサ容量C1が小さく、好都合である。な
ぜならばC1がC2に比較して一定以上大きければ、V2
を変化させても画素電極151には電圧が印可されにく
くなるからである。
する駆動方式の説明である。他に図51に示す共通電極
方式にも適用できる。共通電極方式は別レイヤーに形成
した共通電極831と画素電極151とで付加コンデン
サ171aを形成する構造である。前記共通電極方式で
は、共通電極831を、図50のゲート信号線153に
置き換えれば先のフローティングゲート方式の駆動方法
を実現できる。つまり、駆動手段822を共通電極83
1に接続したとして考えればよい。他の事項は、図48
および図50を用いて説明したので省略する。
イヤーに形成する必要があり、アレイ形成プロセスにお
いてマスク数が増大するという欠点がある。しかし、ゲ
ート信号線153を付加コンデンサ171の一方の電極
とする必要がない。そのため、付加コンデンサ容量設計
の自由度が高くなる。また、一般に画素開口率も高くな
るという利点がある。特にドライブ回路33の回路構成
が簡単である。そのため、本発明の表示装置のようにド
ライブ回路33等をポリシリコン(特に低温ポリシリコ
ン)技術で形成する際に採用することが好ましい。本発
明の表示装置を投写型表示装置のライトバルブとして用
いる際に、以下の課題が発生することがある。それは、
液晶表示パネル裏面の金属薄膜での反射によるゴースト
あるいは表示コントラスト低下である。
層87の水滴状液晶181により散乱される。散乱した
光452は透過光454aとなるが、その一部は反射光
453aとなる。前記反射光453aはソース信号線15
4等の金属薄膜で反射され、薄膜453aとなり、さら
に透過光454bとなる。透過光454bはスクリーンに
投映されるとゴーストとなる。また、投写レンズ等で乱
反射し、表示コントラストを低下させる。PD液晶表示
パネルは入射光を液晶87で散乱することにより光変調
を行う。そのため、界面455に臨界角以上で入射する
光が多い。前記臨界角以上の光は全反射される。そのた
め、界面で反射しソース信号線154あるいはゲート信
号線153等の金属薄膜面に入射する光の割合がTN液
晶表示パネル等と比較して大きい。したがって、前記ゴ
ーストの発生原因を除去することが重要となる。なお、
画素開口率が50%とすると開口以外の箇所のほとんど
は金属薄膜で形成されていると考えてよい。
本発明の液晶表示装置では、パネルと空気との界面45
5に反射防止膜を形成している。反射防止膜は3層ある
いは2層の薄膜の積層で形成する。なお、3層の場合は
広い可視光の波長帯域での反射を防止するために用いら
れ、これをマルチコートと呼ぶものとする。2層の場合
は特定の可視光の波長帯域での反射を防止するために用
いられ、これをVコートと呼ぶものとする。マルチコー
トの場合は、酸化アルミニウム(Al2O3)を光学的膜厚
がnd=λ/4、ジルコニウム(ZrO2)をnd=λ/2、フ
ッ化マグネシウム(MgF2)をnd=λ/4積層して形成す
る。通常、G光の場合、λとして520nmもしくはその
近傍の値として薄膜は形成される。Vコートの場合は一
酸化シリコン(SiO)を光学的膜厚nd=λ/4、フッ化
マグネシウム(MgF2)をnd=λ/4、または酸化イット
リウム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd=λ
/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収帯域があ
るため、青色光を変調する場合はY2O3を用いた方がよ
い。物質の安定性からもY2O3の方が安定しているため
好ましい。なお、ここで言うλとは変調する光のピーク
波長つまり中心波長である。nは薄膜の屈折率、dは物理
的膜厚である。しかし、マルチコートまたはVコートの
反射防止膜では十分とは言えない。なぜならば界面45
5に臨界角以上で入射する光が、界面455で反射する
のを防止できないからである。そのため、第2の対策と
して、図53あるいは図54の構成を採用することが好
ましい。
等)に凹凸を形成した構成を示し、このような構成を凸
構造と呼ぶ。また、図55は、図53のEE'線での断
面図である。アレイ基板162に金属薄膜が形成される
位置にはまず、凸部411が形成される。凸部411の
形成材料としてはSiO2、SiNxなどの無機材料等が例
示される。前記凸部411上に位置合わせしてソース信
号線154等の金属薄膜が形成される。なお、凸部41
1は周期的に形成し、回折効果をもたせてもよい。界面
455で反射し、ソース信号線154も戻った光453
aは、凸部411により進行方向が変化する。したがっ
て、透過光453bが発生せずゴースト等が生じない。
62上に遮光膜431を形成し、前記遮光膜431上に
ソース信号線154等を形成する。なお、このような構
成を下層遮光膜構造と呼ぶ。また、遮光膜431は光吸
収膜構造とすることが好ましいことは言うまでもない。
遮光膜431の構成材料としては六価クロムなどの金属
材料の他、図25の遮光膜155または図24の遮光膜
231の形成材料等が例示される。遮光膜431上に絶
縁膜432が形成され、前記絶縁膜432上にソース信
号線154および画素電極151の周辺部が重ねられて
いる。画素電極151の下層部の遮光膜431は、図1
5の遮光膜155に対応する。
線154間の下層にも遮光膜431が形成されているか
ら、画素電極151と信号線154間から光漏れが生じ
ることがない。また、遮光膜431で反射光453aを
吸収できるため、ゴースト等が発生しない。TFT86
においても、反射光453aに対する対策が重要であ
る。TFT86の半導体層に光が入射するとホトコンダ
クタ現象(TFTのオフ特性が悪くなる現象)が発生す
る。ホトコンダクタ現象が生じると、画素電極151に
印可した電界を1フレーム期間保持できなくなり、白表
示の輝度が低下して表示コントラストが悪くなる。前記
反射光453aによるホトコンダクタ現象の発生を防止
するため、本発明の表示パネルにおいては、図56に示
すように、TFT86の半導体層445の下層に遮光膜
431を形成している。したがって、反射光453aは
前記遮光膜431で吸収されたホトコンダクタ現象の発
生を防止できる。なお、TTF86は、ゲート電極44
4、ドレイン電極442、ソース電極443、SiNx
層441、半導体層445からなる。
晶分子が配向し、かつ光が前ねじれ方向に沿って偏光方
向を回転させることにより入射光を変調する。したがっ
て、光を散乱させることがない。そのため、界面455
で反射する光は少ない。しかし、PD液晶表示パネル
は、図23で説明したように、入射光を散乱させること
により変調する。したがって、界面455で反射する光
が大きくなる。そのため図53〜図56に示す構成を採
用する意義は大きい。高分子分散液晶表示パネルに特有
の構成と考えることができる。ある特定の波長の光に対
して、PD液晶の散乱特性が最適となる水滴状液晶の平
均粒子径、ポリマーネットワークの平均孔径がある。一
般的に光の波長が長い(赤色光)ほど、水滴状液晶の平均
粒子径等は大きくする。逆に光の波長が短い(青色光)ほ
ど、水滴状液晶の平均粒子径等は小さくする方が散乱特
性は向上する。したがって、赤色光を変調する表示パネ
ルの平均粒子径等は青色光を変調する表示パネルの平均
粒子径等よりも大きくする方が好ましい。平均粒子径を
変化させるには、混合溶液を注入後、紫外線を照射する
際に、前記紫外線の強度を可変することにより行える。
短時間に強い紫外線を照射すると水滴状液晶の平均粒子
径等は小さくなる。逆に長時間に弱い紫外線を照射する
と水滴状液晶の平均粒子径は大きくなる。
色、青色および緑色の変調用の3枚の本発明の表示パネ
ルをライトバルブとして用いる。前記表示パネルは、先
に説明したように、混合溶液の樹脂成分を重合させる
際、紫外線の照射強度を変化させて、各変調する光の波
長に対して最適な平均粒子径もしくは平均孔径としてい
る。問題となるのは一つの表示パネルで赤色、青色およ
び緑色の3色を変調する場合である。具体的には画素に
対応したモザイク状のカラーフィルタを具備する場合で
ある。画素電極ごとに最適な平均粒子径等にしないと良
好な表示コントラストは望めない。したがって、一律に
紫外線を照射して混合溶液の樹脂成分を重合させること
は困難である。
る。画素電極151上にはカラーフィルタ471が配置
されている。なお、説明を容易にするため、透過型表示
パネルではカラーフィルタ471aは赤色、471bは緑
色、471cは青色として説明をする。対向電極88上
には誘電体薄膜472がパターニングされて形成されて
いる。前記薄膜472の形成は画素電極151の形状と
略一致させる。なお、誘電体薄膜472は紫外線吸収手
段として用いるので、誘電体薄膜に限定するものではな
い。たとえばITOを厚く形成し、紫外線吸収手段とし
て用いてもよい。もちろん誘電体薄膜にはTiO2などの
無機材料、ポリイミド、PVA等の有機材料をも含む。
誘電体薄膜472の形状材料としてTiO2あるいはSi
Oが例示される。TiO2の屈折率nは2.3、SiOの屈
折率nは1.7である。両材料は紫外線領域の波長の光
を吸収し、可視光を透過する。ただし、吸収する波長帯
域および吸収率は蒸着条件により変化するので、実験を
繰り返して設定をする必要がある。一例として実験によ
れば、TiO2の場合、前記膜の物理的膜厚が0.075
μmの時、光吸収率は350nmの波長の光に対して40
%、360nmでは37%、370nmでは30%、380
nmでは16%であり、可視光ではほとんど吸収がなかっ
た。SiOは多少可視光を吸収する場合があるので、こ
の意味からTiO2の方が好ましい。
72aは最も厚く、緑色のフィルタ471b上の誘電体薄
膜472bはそれよりも薄く、青色のフィルタ471c上
には誘電体薄膜を形成しない。したがって、混合溶液を
重合させる際、A方向から紫外線を照射すれば、液晶層
87cに入射する紫外線強度が最も強く、次に液晶87b
となり、液晶87aは最も弱くなる。紫外線が弱いほど
水滴状液晶181は平均粒子径は大きくなる。これはポ
リマーネットワークの平均孔径が大きくなるのと同じで
ある。つまり、PD液晶としては水滴状液晶を有するも
のに限定したものではない。以上の誘電体薄膜472の
紫外線の吸収率の差異により、液晶層87の水滴状液晶
181の平均粒子径は 液晶層87a>液晶層87b>液晶層87c となる。液晶層87の平均粒子径に対する最適に散乱す
る変調する光の波長とはほぼ比例の関係にある。図57
のようにカラーフィルタの光に対して、最適な平均粒子
径にすることにより良好な表示コントラストが得られ
る。なお、ポリマーネットワークの平均粒子径または水
滴状液晶の平均粒子径は、変調する光が赤色光の場合は
1.2〜1.6μm、緑色光の場合は1.0〜1.4μ
m、青色光の場合は0.8〜1.2μmにすると表示コン
トラストは良好である。これらの平均粒子径に制御する
のは誘電体薄膜472の膜厚により行い、また、十分な
実験を行ったのちに膜厚を決定する。なお、以上のよう
に、誘電体薄膜472等で画素ごとに水滴状液晶の平均
粒子径等を変化させた構成を粒子径変化構造と呼ぶ。
誘電体膜231を形成したが、その他、図42に示すよ
うに低誘電体柱562としてもよい。遮光柱261とし
てもよいことは言うまでもない。その他、図24に示す
光吸収膜構造および絶縁膜232の採用、図36に示す
ように偏光板331を用いる偏光板構造、図53に示す
凸構造、図54に示す遮光膜構造、図56に示すTFT
遮光構造を随時採用すれば、各構造に伴う効果を享有で
きることは言うまでもない。なお、これらの構成、構造
は以後に説明する反射型の表示装置にも採用する。な
お、図57等では低誘電体膜231を形成することによ
り横電界を防止する構成であるが、図58のように、カ
ラーフィルタ471でソース信号線154等を被覆し、
電磁シールドを行ってもよい。カラーフィルタ471を
形成する際にソース信号線154等を同時に被覆するだ
けであるから製造上も容易である。カラーフィルタは樹
脂材料であり比較的比誘電率が低く、低誘電体膜231
と同様の効果をもたせることができる。
い光を照射すると、水滴状液晶の平均粒子径は非常に小
さくなる。極端に小さくなると、電圧を印可しても透過
状態とならなくなる。たとえば平均粒子径は0.6μm
以下となると透過状態となる電圧は10Vに近くなる。
画素電極154上の液晶層は通常6V以下の電圧で透過
状態となるようにしている。10Vで透過状態となる仕
様であれば6Vでは散乱状態である。散乱状態では黒表
示である。したがって、疑似的にBMがあるのと同様の
作用が得られる。
ス信号線154等の液晶層87を常時散乱状態にし、前
記疑似的にBMとする。ソース信号線154と相対する
対向電極88上には誘電体薄膜472は形成せず、画素
電極151に相対する対向電極88上に誘電体薄膜47
2を形成している。赤色のカラーフィルタ471aに相
対する誘電体薄膜472aが最も厚く、緑色のカラーフ
ィルタ471bに相対する誘電体薄膜472bが次に薄
く、青色のカラーフィルタ471cに相対する誘電体薄
膜472cが最も薄い。したがって、紫外線を照射する
際、液晶層87に入射する紫外線のエネルギーは 液晶層87a<液晶層87b<液晶層87c<液晶層87d にする。この紫外線のエネルギーの差異により、液晶層
の水滴状液晶等の平均粒子径等の大きさは 液晶層87a>液晶層87b>液晶層87c>液晶層87d となる。この際、液晶層87a、87b、87cは電圧6
Vで透明状態となるようにし、液晶層87dは10V近
くでないと透過状態とならないようにする。このよう
に、画素電極以外の箇所の液晶層87dを、電圧に対し
応答しないようにした構成を疑似BM構造と呼ぶ。
線およびゲート信号線上等の水滴状液晶の平均粒子径等
を非常に小さくすれば電圧印可に対して応答しなくな
る。ソース信号線154上等に低誘電体柱262を形成
したのと同様の効果が得られる。つまり、平均粒子径が
非常に小さければ、横電界に対しても応答しない。した
がって、画素周辺部等からの光抜けがなくなる。また、
常時散乱状態であるから、BMを形成したのと同様の効
果が得られる。当然のことながら、図59のように低誘
電体柱262を形成してもよい。なお、図57から図6
0の構成において、画素電極151上にカラーフィルタ
471を形成し、対向電極88上に誘電体薄膜472を
形成するとしたが、逆に、画素電極151上もしくは画
素電極151の下層に誘電体薄膜472を形成し、対向
電極88上もしくはその下層にカラーフィルタ471を
形成する構成でもよいことは言うまでもない。その場合
は、混合溶液の樹脂成分を重合させる際に、紫外線は図
47のB方向より照射すればよい。以下、本発明の反射
型の表示装置の実施形態について説明する。なお、説明
は透過型と異なる事項を中心として説明をする。したが
って、以前に説明した透過型の構成は、適用される。
の構成図である。対向基板161としてのガラス基板の
厚みは0.6〜1.1mmのものを用いている。アレイ基
板161上にはTFT86等が形成されている。TFT
86上には絶縁膜374を介して反射電極372が形成
されている。反射電極372とTFT86とは接続端子
373で電気的に接続されている。絶縁膜374の材料
としてはポリイミド等を代表とする有機材料、あるいは
SiO2、SiNxなどの無機材料が用いられる。反射電極
372は表面をAlの薄膜で形成される。Cr等を用いて
形成してもよいが、反射率がAlより低く、また硬質の
ため反射電極372周辺部の破れなどが生じやすい。接
続端子部373は0.5〜1μmの落ちくぼみができる
が、PD液晶87の配向などの処理が不要なため問題と
はならない。開口率は画素サイズが100μm角の場合
80%以上、50μm角の場合でも70%以上の開口率
が得られる。ただし、TFT86上等は凹凸が生じ、多
少反射効率は低下する。この凹凸をなくするためには反
射電極372の表面を研磨すればよい。研磨により反射
率は90%以上を達成できる。
53も図示していないが、アレイ基板162に上に形成
されている。前記信号線およびTFT86上は反射電極
372が被覆する構造となるため、信号線およびTFT
86から発生する電界により液晶87が配向動作し、画
像ノイズが発生するということがない。透過型表示パネ
ルでは、横電界の発生は信号線と画素電極151間での
発生を主としていた。反射型の表示パネルでは信号線1
54等は反射電極372の下層に形成されるため、信号
線154と反射電極372間での横電界の発生はほとん
どない。しかし、隣接画素間で横電界が発生する。すな
わち、図62に示すように、反射電極372dが正極
性、反射電極372b、372c、372eに負極性の電
圧が印可されていると、反射電極372bと372d間に
電気力線(横電界)263が発生する。液晶分子281は
前記横電界263に沿って配向する。なお、反射電極3
72bと372e間には横電界が発生しない。前記反射電
極は同極性だからである。
が横電界263の方向に並べば、bb'方向の偏光は透過
し、aa'方向の偏光に対しては散乱するようになる。偏
光板を用いて横電界による光漏れを防止するには偏光板
331の偏光軸332をaa'方向にすればよい。ただ
し、反射型の液晶表示パネルでは透過型の液晶表示パネ
ルのような光が画素電極の周辺部を透過する現象は生じ
ない。反射型では反射電極の周辺部の液晶が映像表示で
は関係のない表示(以後、画像ノイズと呼ぶ)する現象と
して表われる。つまり、横電界263により液晶層が透
過状態となり、前記透過部に入射した光が反射電極で反
射されスクリーンに投映されてしまう。画素電極間に発
生する横電界をさらに防止するためには低誘電体膜23
1を反射電極372間に形成すればよい。低誘電体膜厚
231は反射電極と反射電極の間、および反射電極周辺
部に形成する。低誘電体膜231の形成材料および効果
等は図42等で説明をしたので省略する。また、低誘電
体膜231を着色すれば、液晶層87間のハレーション
を防止できることは図29を用いてすでに説明をした。
さらに、低誘電体膜231は図63に示すように遮光柱
262としてもよい。
粒子径変化構造を採用したものである。図60等に示す
透過型表示パネルの構造を反射型に採用した構造である
から特に説明を要しないであろう。紫外線の照射はA方
向から行えばよい。対向電極371bの両面に誘電体多
層膜371a,371bを積層し、反射防止膜371とす
る。反射防止膜371は、対向基板161側から順に第
1の誘電体薄膜371a、対向電極であるITO薄膜3
71b、第2の誘電体薄膜371cで構成される3層構成
である。対向電極371bとなるITO薄膜の前後に透
明誘電体薄膜371a,371cを形成して3層構成をと
り、反射防止機能をもたせている。ITO薄膜371b
の光学的膜厚(nd)はλ/2、第1の薄膜371aおよび
第2の薄膜371cの光学的膜厚はそれぞれλ/4であ
る。ただし、nは屈折率、dは物理的膜厚、λは光の波長
である。
反射電極372の下層にTFT86を形成している。つ
まり、反射電極372はPD液晶層87で散乱した入射
光がTFT86の半導体層に入射することを防止する遮
光膜(BM)の機能と、液晶層87に電圧を印可する電極
としての機能とを合わせもっている。反射電極372は
金属材料で形成され、遮光効果も十分であり、また、構
造も簡単であるため、低コスト化を実現できる。反射電
極372とTFT86とは接続部373で電気的に接続
をとる。接続をとるためには絶縁膜374の膜厚以上に
金属薄膜(反射電極)372を蒸着する必要がある。絶縁
膜374の膜厚は1μm程度である。そのため、接続部
373に1μmの段差が生じる。また、反射電極372
の膜厚も1μmとなるため、隣接した反射電極間には1
μmの谷間が生じる。PD液晶表示パネルは、ラビング
が必要でないため、前記段差があってもなんら障害はな
く、高い製造歩留で液晶表示パネルを製造できる。
る。また、TFT86の形状が反射電極372にパター
ニングされ、1μm程度の凹凸が生じる。PD液晶表示
パネルは、散乱状態の変化として光変調を行う。したが
って、前記段差およびTFT86の凹凸による液晶膜厚
の1μm程度変化は、ほとんど光変調に影響を与えな
い。TN液晶等のように施光特性を光変調に応用する表
示パネルでは前記凹凸は光変調に致命傷となるであろ
う。また、PD液晶表示パネルの液晶膜厚は8μm以上
と厚いことも液晶層87の膜厚むらに対して、よい方向
に作用する。第1の薄膜および第2の薄膜の屈折率は
1.60以上1.80以下が望ましい。一例としてSi
O、Al2O3、Y2O3、MgO、CeF3、WO3、PbF2
が例示される。また、中でも、第1の薄膜をSiOに、
第2の薄膜をY2O3にした場合、可視光領域全般にわた
り0.1%以下の極めてすぐれた反射防止効果を実現で
きる。なお、反射防止膜371は、第1および第2の誘
電体薄膜の光学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学的膜
厚をλ/2としたが、第1および第2の誘電体薄膜の光
学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学的膜厚をλ/4と
してもよい。
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4、I
TO薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4であればよい。も
しくは、第1および第2の誘電体薄膜の光学的膜厚は
(N・λ)/4、ITO薄膜の光学的膜厚は(M・λ)/2
であればよい。さらには、第1および第2の誘電体薄膜
のうち一方は省略することができる。その場合は、多少
反射防止としての性能は低下するが、実用上は十分であ
ることが多い。この場合も、先の反射防止の理論を適用
することができる。反射防止膜371の形成により液晶
層87に入射せずに、反射する光を防止できるから、表
示コントラストを大幅に向上できる。なお、さらに詳し
くは特願平5−109232号に記載している。これら
の反射防止膜371の構成等については前記公報の記載
が本明細書にも適用される。
ルに比較して、薄い液晶87膜厚でコントラストも良好
であり、画素開口率も高いので高輝度表示を行うことが
できる。その上、表示パネルの裏面には障害物がないの
でパネル冷却が容易である。たとえば、裏面からの強制
空冷、液冷を容易に行え、また、図64に示すように裏
面にヒートシンク381等も取り付けることができる。
ヒートシンク381はシリコン等の接着剤282で表示
パネル81に貼り付けて用いる。本発明の表示装置にお
いて、図55に示す凸構造または図54に示す下層遮光
膜構造により界面455で反射した光を散乱もしくは吸
収し、ゴースト等を防止するとした。表示パネル81の
光入出射面に凹レンズまたは透明基板(以後、総称して
透明部材と呼ぶ)を貼り付けた構成(以後、透明部材構造
と呼ぶ)を取ることにより、前記ゴースト等を防止で
き、さらに表示コントラストを向上できる。なお、透明
部材構造は単独で用いることにより表示コントラスト等
を向上できる特有の効果を発揮でき、また、下層遮光膜
構造、凸構造と組み合わせることによりさらに効果は大
きくなる。以下、透明部材構造について説明する。
等を貼り付けた構成である。表示パネルの表面には透明
基板391を貼り付けている。透明基板391は表示パ
ネルの表面に光結合層392を介して貼り付けている。
透明基板391の表面には空気との界面で反射する光を
防止するための反射防止膜(図示せず)が形成されてい
る。たとえば、前述のVコートである。光結合層として
は紫外線硬化型接着剤が例示される。前記接着剤は表示
パネルを構成するガラス基板の屈折率に近いものが多
く、光結合剤の用途として適する。また、紫外線硬化型
接着剤だけに限定されるものではなく、透明シリコーン
樹脂なども用いることができる。他にエポキシ系透明接
着剤、エチレングリコール等の液体等も用いることがで
きる。留意すべき点は表示パネルの対向基板161等と
の間に空気が混入しないようにすることである。空気が
あると屈折率差により画質異常が生じる。
樹脂のような透明物質で形成され、有効表示領域以外の
部分である非表示領域(無効面と呼ぶ)には、黒色塗料等
により光吸収膜(図示せず)が形成されている。透明基板
391を表示パネルに貼り付けることにより表示コント
ラスト等を向上できる理由については特開平4−145
277号公報に詳しく記載しているのでここでは説明を
省略する。なお、前記公報に記載された事項はすべて本
明細書に適用される。本発明の表示パネルに透明部材を
貼り付けた構成は数々考えられる。たとえば、前記公報
の図13に示すように、表示パネルに凹レンズ112に
貼り付けた構成、凹レンズ112を貼り付け、さらに凹
レンズの凹部に凸レンズをわずかな空気層を介して配置
した構成、あるいは、透明基板111がある。これらの
事項も前記公報に記載されている。
レンズを表示パネルに貼り付けることにより液晶層87
で散乱した光が界面455で反射し、再び液晶層87で
散乱(2次散乱もしくは2次光源)が生じることがないた
め、表示コントラストを向上できる。界面455で反射
した光が再び液晶層87に戻ってくることがなくなると
いうことは、ソース信号線154等で反射する光453
bも無くなることを意見する。つまり、図46に示すよ
うに、入射光451は液晶層87で散乱し、散乱光45
2となるが、前記光は凹レンズ391の界面455で反
射し、すべて凹レンズの無効領域に形成された光吸収膜
に入射し、吸収されてしまうのである。表示パネルに偏
光板331を貼り付ける場合は、図65に示すように、
透明基板391と対向基板161間に挾持させるとよ
い。透明部材391と空気と接する面に偏光板331を
貼り付けてもよいが、通常、偏光板331は樹脂フィル
ムであるため、反射防止膜を樹脂フィルム面に形成する
ことは難しい。反射防止膜がなければ、界面455で反
射する光が増加し、光損失が生じる。図65のように透
明部材391と対向基板間に挾持させれば、偏光板33
1では光の反射は生じず、かつ透明部材391の界面に
反射防止膜を形成できて光利用率の向上が望める。な
お、偏光板331の偏光軸332は、図36等で説明し
たように、横電界の発生方向を考慮して設定をする。透
明部材構造は、反射型の本発明の表示パネルにも適用で
きる。図67はその構成図である。透明部材391aの
表面には3層のマルチコートの反射防止膜401を形成
している。もちろん図68に示すように、Vコート40
1でもよい。透明部板(透明基板、凹レンズ)は、ガラ
ス、アクリル等の固体物に限定されるものではない。た
とえば、立方体の容器等にエチレングリコール等の液体
を充たしたものを含む。液体は流動性があるため、液晶
パネルの熱をうばい、液晶パネルを冷却する効果があ
る。つまり2次散乱光の制御だけでなく光で加熱された
液晶パネルを冷却する機能を透明部材は有する。
様に数々の変形が考えられる。たとえば、図67に示す
ように反射型の表示パネルの対向基板161に透明基板
391を貼り付けた構成、あるいは透明基板の代わりに
凹レンズを貼り付けた構成、あるいは対向基板161を
十分厚く(対向基板の厚さ+透明基板391の厚さ)した
構成である。これらの効果も、先の図65に示す透過型
の表示パネルの効果と同様である。また、図68のよう
に偏光板331を対向基板161と透明部材391の間
に挾持させてもよい。図61に示す反射型の表示装置は
金属薄膜372を採用する構成であった。しかし、反射
型としては、図69および図70に例示されるタイプも
考えられる。
の下に光吸収膜771を配置した構成である。光吸収膜
771としては黒色の染料を含有した樹脂が例示され
る。その他、六価クロム等の黒色の金属材料が例示され
る。しかし、作製の容易さ、配色選定の容易さを考慮す
れば樹脂からなる光吸収膜を採用することが望ましい。
光吸収膜771は画素形状に対応してパターニングされ
ている。全画素に共通して(一体として)形成されている
のではない。この理由はTFTアレイの製造プロセスの
制約に起因する。まず、基板162上にTFT86およ
び信号線154などが形成される。次に、光吸収膜77
1がスピンナーなどで塗布され、その後、画素形状に対
応してパターニングされる。最後に画素電極151にな
るITOが蒸着されて前記ITOがパターニングされた
画素電極151となる。
には、比較的高温度に基板161を加熱する必要があ
る。前記温度では光吸収膜771の樹脂は劣化もしくは
変化する。したがって、光吸収膜771の形成後、TF
T86を形成することはできない。そこで、TFT86
の形成後、光吸収膜771を形成する。かつ、TFT8
6と画素電極151とを接続するための穴あけ(パター
ニング)をする。なお、図面では図示していないが、信
号線154などの上には光吸収膜771を形成してい
る。前記光吸収膜771を低誘電体膜241もしくは光
吸収膜231として機能させ、信号線と画素電極間の横
電界を防止するためである。A方向から画素電極151
をみると、液晶層87が散乱状態の時、白色(散乱)にみ
える。液晶層87が光透過状態の時は黒色の光吸収膜7
71を見ることができる。つまり、TFT86により画
素ごとに光透過率が制御され、白黒の画像あるいは文字
等を表示できる。図69の反射型の構成は光源等を用い
ず、直射光あるいは蛍光灯等の人工光の照明下で文字、
図形等を表示することができる。したがって、低消費電
力化を実現でき、ポケットコンピュータ等にモニタ用と
して適する。もちろん光吸収膜771を赤色光、緑色
光、青色光を反射するものを採用すればフルカラー表示
も行える。これは、PD液晶を採用してこそ実現できる
事項である。TN液晶では偏光板を用いる必要があり、
実用上十分な表示輝度を得られないからである。なお、
遮光膜156その他反射防止膜371等の構成等は、以
前に図69において説明したので説明を省略する。
考えられる。図70の構成は、図61の反射電極372
を透明電極151とし、かつ、絶縁膜374を光吸収膜
771とした構成である。つまり、液晶層87が光透過
状態となれば、図69に示すように、ITO151の下
の光吸収膜771の色が見えるのである。TFT86は
ITO151の下層に形成する。このように形成するこ
とにより画素開口率が向上する。しかし、光吸収膜77
1はアルカリ金属等の不純物を含む場合があり、TFT
86の特性に影響を与える場合がある。そのため、TF
T86上には、SiO2、SiNx等の無機材料からなる保
護膜781を形成する。まず、基板162上にTFT8
6および信号線154などが形成される。次に、TFT
86に保護膜781が形成される。その後、光吸収膜7
71がスピンナーなどで塗布され、その後、画素形状に
対応してパターニングされる。最後に画素電極151に
なるITOが蒸着されてパターニングがされて画素電極
151となる。
膜231を形成しておく。これは、画素間に発生する横
電界により光変調が正規の表示状態以外となる領域が視
覚的にみえなくするためである。なお、図69と図70
の構成の表示パネルにおいて、好ましくは対向電極88
およびITO電極151上には絶縁膜232を形成す
る。この理由については以前に説明したので省略をす
る。また、液晶層87の構成、材料などについても、す
でに説明したので省略する。
子は正の誘電率を持つものとして説明した。したがっ
て、横電界がaa'の方向に生じると、液晶分子はaa'の方
向に配向する。そのため、bb'方向の偏光が透過しやす
くなる。しかし、液晶分子が負の誘電率を持つ場合は、
前記関係は逆になる。負の誘電率を持つ場合は横電界が
aa'方向に生じると、bb'の方向に配向したのと同等と見
なすことができる。したがって、aa'方向の偏光が透過
しやすくなる。液晶分子が正の誘電率を有する場合にお
いて、図62に示すように、本発明の映像信号表示方法
を実施すると、aa'方向の偏光が透過しやすくなる。そ
のため、偏光板を本発明の表示装置に用いる場合は、前
記偏光板の偏光軸を画素列方向(bb'方向)に略一致させ
る。また、カラム反転駆動の場合は、前記偏光板の偏光
軸を画素行方向(aa'方向)に一致させる。
事項は、液晶分子が正の誘電率を有するものとして記述
している。現実に、実用となる液晶は正の誘電率を有す
るものがほとんどである。しかし、負の誘電率の液晶を
用いることもあり得る。したがって、負の誘電率の液晶
を用いた場合は、本発明の明細書(特許請求の範囲を含
む)の記載事項は読みかえる必要がある。具体的には、
液晶が負の誘電率を有する場合は、H反転駆動を行う場
合は偏光手段の偏光軸を画素行方法(ゲート信号線の形
成方向)とし、カラム反転駆動を行う場合は偏光手段の
偏光軸を画素列方法(ソース信号線の形成方向)にする。
本発明の一つの技術的思想は、横電界に液晶分子が配向
することにより画素電極周辺部などからの光抜けが発生
するのを防止するため、前記横電界の発生方向を考慮し
た表示パネルの構成あるいは駆動方法である。たとえ
ば、偏光軸の方向、低誘電体柱261、遮光膜211、
樹脂遮光膜231、低誘電体膜241、遮光柱262、
駆動方式(H反転駆動、カラム反転駆動)などである。し
たがって、液晶が負の誘電率を有すれば、横電界による
液晶分子の配向方向も異なるから、当然のことながら、
本明細書および特許請求の範囲を、負の誘電率の場合に
適合するように読み変えなければならない。本発明が意
図する技術的思想としては、変更がないからである。
明をする。本発明の投写型表示装置は、基本的には、本
発明の表示装置81をライトバルブとして用いたもので
ある。まず、本発明の投写型表示装置について共通する
事項を簡単に述べる。本発明の投写型表示装置におい
て、光利用率の向上の観点から、パネル有効表示サイズ
(パネルの表示領域)を小さくなれば、照明光のFナンバ
ーは大きくする必要がある。パネル有効表示サイズdを
大きくすれば、照明光のFナンバーは小さくでき、結果
として明るい大画面表示を実現できる。しかし、パネル
有効表示サイズが大きくなると投写型表示装置のシステ
ムサイズは大きくなり好ましくない。また、パネル有効
表示サイズが小さくなればパネルの表示領域に入射する
単位面積あたりの光束が増大し、パネルを加熱して好ま
しくない。また、発光体輝度をランプ寿命を考慮して
1.2×108ntと一定とすると、アーク長とランプの
消費電力はおよそ比例すると考えられる。メタルハライ
ドランプの効率は80lm/Wである。50Wのランプの
全光束は4000lm、100Wのランプの全光束は80
00lm、150Wのランプの全光束は12000lmとな
る。ランプのアーク長とランプ消費電力には相関があ
り、アーク長とFナンバーとは相関がある。
サイズが40インチ以上で、かつ実用域の視角および画
像の明るさを得るためには、300〜400lm以上の光
束が必要である。したがって、ランプの光利用率が4%
程度とすると、100W以上のランプを用いなければな
らない。このことから、表示コントラスト(CR)を良好
に得るためだけであればアーク長3mmのランプを用いる
ことができるが、十分な投写画像の輝度を得るためには
100W以上のメタルハライドランプが必要である。ま
た、パネル有効表示サイズも小さいと十分な表示輝度を
得ることができない。パネルは有効表示サイズはアーク
長が5mm、照明光の有効F値を7とすると、3.5イン
チ前後の大きさが必要である。アーク長が5mm程度、パ
ネル有効表示サイズが2インチ強であれば、照明光の有
効F値は5弱となる。この場合、表示輝度は実用域とな
るが、良好な表示コントラスト(CR)は望めない。各種
の実験と検討の結果、照明光の有効F値が5以上であれ
ば実用域の表示輝度が得られる。しかし、良好な表示輝
度と表示コントラストおよび適正な消費電力かつランプ
寿命を得るためには照明光の有効F値(=投写光の有効
F値)は7前後、ランプのアーク長は5mm前後、ランプ
のWは150W前後を用いなければならないという結果
を得た。
クリーンに到達するスクリーン光束は高くなる。それに
ともない、ランプの消費電力も大きくしなければならな
い。また、ランプの長寿命化の観点からランプの消費電
力が大きくなると、アーク輝度を一定と考えると長アー
クになる。当然、表示コントラスト(CR)はFナンバー
が小さくなると悪くなる。逆に投写光学系のFナンバー
を大きくすると表示コントラストは高くなるが、スクリ
ーン光束は小さくなる。各種の実験と検討の結果、消費
電力の点から250W以下でなければならない。かつ、
スクリーン輝度を得るために100W以上のメタルハラ
イドランプを用いなければならない。さらに好ましく
は、スクリーン輝度および表示コントラストを考慮する
とアーク長は3mm以上6mm以下でなければならない。パ
ネルの有効表示領域の対角長はシステムサイズの点から
4.5インチ以下でなければならない。また、光利用効
率の点から2インチ以上でなければならない。中でも十
分な光集光効率を得、かつコンパクトにするためには好
ましくは3インチ以上4インチ以下にしなければならな
い。パネルサイズ(有効対角表)をd(インチ)とし、
ランプのアーク長L(mm)とすれば以下の関係を満た
すことが好ましい。 2/3d≦L≦2d たとえば、パネルサイズdが3インチであれば、アーク
長Lは2mm以上6mm以下である。投写レンズのFナ
ンバー、広義には投写光学系のFナンバーは、良好なコ
ントラスト(CR)を得るために5以上でなければならな
い。また、十分なスクリーン輝度を得るために9以下で
なければならない。さらに前述のランプのアーク長を考
慮すればFナンバーは6以上8以下でなければならな
い。
を投写レンズの集光角(Fナンバー)と略一致させなけれ
ば光利用率は低下する。これは、Fナンバーが大きい方
に制約を受けるからである。本発明の投写型表示装置の
照明光のFナンバーと投写レンズのFナンバーは一致さ
せている。なお、以上の記載において、たとえばランプ
のアーク長が5mmとは、「実質的に5mm」であることを
意味する。実質的に5mmとは、アーク長が8mmであって
も、前記アークから放射された光の内、投写レンズが、
アークの中央部の5mm付近から放射した光しか集光でき
なければ、実質的にアーク長は5mmとなる。同様にFナ
ンバーとは有効Fナンバーを意味する。たとえ物理的な
Fナンバーが4でも、光が投写レンズの瞳の中央付近し
か通過していなければ、当然Fナンバーは4以上であ
る。
示装置81をライトバルブとして用いる。図71と図7
2は、本発明の投写型表示装置の構成を示す。ただし、
説明に不要な構成要素は省略している。図71におい
て、521は光源であり、内部に凹面鏡521bおよび
光発生手段521aとしてのメタルハライドランプある
いはキセノンランプを配置している。また、凹面鏡52
1bの前面にはUVIRカットフィルタ521cが配置さ
れている。UVIRカットフィルタ521cは赤外線(I
R)および紫外線(UV)を反射させ可視光を透過させ
る。また、523aはB光を反射させるBDM、523b
はG光を反射させるGDM、523cはR光は反射させ
るRDMである。なお、BDM523aからRDM52
3cの配置は同図の順序に限定するものではない。ま
た、最後のRDM523cは全反射ミラーにおきかえて
もよいことは言うまでもない。また、リレーレンズ52
2は光源521からR光を変調する表示装置81cにい
たる光路長とB光を変調する表示装置81aにいたる光
路長の差異を補正するものである。本発明の投写型表示
装置では主として、本発明の表示装置81をライトバル
ブとして用いる。(なお、図71の光学系と3つの投写
レンズが、図72に示す装置においてキャビネット70
1内に702、524として示される。投写される光
は、ミラー531a、531bで反射されて、スクリー
ン542に投写される。)
合は、R光を変調する光変調層を他のGおよびB光を変
調する光変調層に比較して水滴状液晶粒子径を大きく、
もしくは液晶膜厚を厚めにして構成する。これは光が長
波長になるほど散乱特性が低下しコントラストが低くな
ってしまうためである。水滴状液晶の粒子径は、重合さ
せるときの紫外線光を制御すること、あるいは使用材料
を変化させること、また、図57等で説明をした粒子径
変化構造を採用することで実現できる。液晶87の膜厚
は液晶層のビーズ径等を変化することにより調整でき
る。524は投写レンズ、525,227はレンズであ
り、526はしぼりとしてのアパーチャである。なお、
アパーチャ526は、投写型表示装置の動作の説明のた
めに図示したものである。アパーチャ526は投写レン
ズ524の集光角を規定するものであるから、投写レン
ズの機能に含まれるものとして考えればよい。つまり投
写レンズ524のF値が大きければアパーチャ526の
穴径は小さいと考えることができる。高コントラスト表
示を得るためには投写レンズのF値は大きいほどよい。
しかし、F値が大きくなると白表示の輝度、つまりスク
リーン輝度は低下する。逆にF値を小さくすると、スク
リーン輝度が高くなり、高輝度表示が可能であるが、表
示コントラストは低下する。アーク長5mmのメタルハラ
イドランプを用いたとき、F値は5以上9以下にする。
好ましくはF値は7前後がよい。7前後であれば表示コ
ントラストは良好となりかつ、十分な表示輝度が得られ
る。以下、本発明の投写型表示装置の動作について説明
する。なお、R,G,B光のそれぞれの変調系について
は、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系について例に
あげて説明する。
色光のB光成分はBDM523aにより反射される。こ
のB光は表示装置81aに入射する。表示装置81は、
図23に示すように画素電極151に印可された信号に
より入射した光の散乱と透過状態とを制御し光を変調す
る。散乱した光はアパーチャ526aで遮光され、逆に
平行光または所定角度内の光はアパーチャ526aを通
過する。変調された光は投写レンズ524aによりスク
リーン(図示せず)に拡大投映される。以上のようにし
て、スクリーンには画像のB光成分が表示される。同様
に表示装置81bはG光成分の光を変調し、また、表示
装置81cはR光成分の光を変調して、スクリーン上に
はカラー画像が表示される。
バルブを用いる場合の投写型表示装置の駆動回路および
駆動方法について説明する。図17は、本実施形態の投
写型表示装置の一実施例における駆動回路の説明図であ
る。ここに、R1とR2およびトランジスタQは、ベース
に入力させたビデオ信号の正極性と負極性のビデオ信号
を作る位相分割回路142を構成している。143は水
平走査期間(H)もしくは一垂直走査期間(1V)ごとに極
性を反転させた交流ビデオ信号を表示装置81に出力す
る出力切換回路である。ビデオ信号は所定値に利得調整
された後、R・G・B光に対応する信号に分割される。
この分割されたビデオ信号をそれぞれビデオ信号(R)、
ビデオ信号(G)、ビデオ信号(B)とする。ビデオ信号
R、G、Bはそれぞれ位相分割回路に入力され、この回
路により正極性と負極性の2つのビデオ信号が作られ
る。次に、この2つのビデオ信号はそれぞれの出力切換
回路143a,143b,143cに入力され、前記出力切
換回路は1Hまたは1Vごとに出力信号の極性を切りか
える。次に、それぞれの出力切換回路143からのビデ
オ信号は、図11等に示すソースドライブ回路33に入
力される。ドライブ制御回路141はソースドライブ回
路33とゲートドライブ回路38との同期をとり、表示
パネル81に画像を表示させる。
人間の眼は波長550nm付近が最高感度となっている。
光の3原色では緑が一番高く、次が赤で、青が最も鈍感
である。この感度に比例した輝度信号を得るためには、
赤色を30%、緑色を60%、青色を10%加えればよ
い。したがって、テレビ映像で白色を得るためにはR:
G:B=3:6:1の比率で加えればよい。また、先に述
べたように液晶は交流駆動を行なう必要がある。この交
流駆動は表示パネルの対向電極に印可する電圧(以後、
コモン電圧と呼ぶ)に対して、正極性と負極性の信号が
交互に印可されることにより行われる。本実施例では表
示パネルに正極性の信号が印可され視感度nの強さの光
を変調している状態を+n、負極性の信号が印可され視
感度nの強さの光を変調している状態を−nとあらわす。
例えばR:G:B=3:6:1の光が表示パネルに照射され
ており、RとB用の表示パネル(81c,81a)の所定の
画素に正極性の信号が印可され、前記画素と重ねられる
G用の表示パネル81bの画素に負極性の信号が印可さ
れておれば、+3・−6・+1とあらわすものとする。
なお、R:G:B=3:6:1はNTSCのテレビ映像の場
合であって、投写型表示装置では光源のランプ、ダイク
ロイックミラーの分光特性などにより上記比率は異なっ
てくる。図17では、+3・−6・+1と示されてい
る。これは、スクリーンの同一位置に重ねあわされた各
表示パネルの任意の一画像に注目したとき、前記各画素
にR:G:B=3:6:1の光が照射され、RとB用の表示
パネルの画素には正極の信号が、G用の表示パネル81
bの画素には負極性の信号が印可されているところを示
している。前記各画素は1フィールド後は−3・+6・
−1と表現される信号印可状態となる。
印可されていても偶数フィールドと奇数フィールドでわ
ずかに画素に保持される電圧に差が生じる。これは、T
FT86のオン電流およびオフ電流が映像信号により異
なること、あるいは絶縁膜372などの正電界と負電界
での保持特性の違いにより生じる。この違いによりフリ
ッカという現象があらわれる。しかし、本発明の投写型
表示装置では、図17に示すように、G光変調用の信号
をR・B光変調用の信号と逆極性にすることにより、フ
リッカが視覚的に見えることを防止できる。なお、G光
変調用の信号を他と逆極性にしたのは、光の強度がR:
G:B=3:6:1であり、信号の極性および人間の視覚
を考慮したとき(R+B):G=(3+1):6=4:6とな
り、ほぼ4:6(理想的には5:5がよい)でつりあうよう
にするためである。以上の理由により、本発明の投写型
表示装置はフリッカが視覚的に認識されることなく、良
好な画像表示を実況している。なお、以上の技術的思想
は、3枚の表示パネルをもちいる投写型表示装置のみに
適用されるものではなく、図57と図59に示すような
カラーフィルタを具備する1枚の表示パネルを用いる投
写型表示装置にも、多少の変更を加えることにより適用
できる。たとえば、RとBの画素に+極性の電圧を、G
の画素に−極性の電圧を印可し、フレームごとに印可す
る電圧極性を反転させる。
と、図75に示すような表示状態となることがある。つ
まり、一行または二行ごとに輝度の高いライン(白線)と
輝度の低いライン(黒線)が表示され、かつ白線が下方向
にゆっくりと動いていくように見えるのである。白線、
黒線といってもその輝度(透過率の差)はわずかである。
しかし、各ラインが隣あっているため、めだつのであ
る。この原因は、画素101に充電する電荷量が異なる
ためと考えられる。たとえば図73において、1ライン
目の画素101では、1Fでは、+a、2Fでは+a1、
3Fでは−c1、4Fでは−c1、5Fでは+e1である。
電圧極性だけに着目すると、図73に示すように“+"
→“+"→“−"→“−"→“+"となる。画素101には
TFT86を用いて電荷を充電する。図73のでは、
電圧極性は“+"→“+"であるから同一である。しか
し、では、“+"→“−"であるから電圧極性は反対で
ある。電圧極性が同一であれば追加に要する電荷量は少
ない。したがってTFT86の駆動能力は小さくてよ
い。しかし、電圧極性が異なれば反対極性の電荷に充電
する必要がある。したがって、TFT86の大きな駆動
能力が必要となる。このことは、図74の液晶層87の
V−Tカーブ(電圧−透過率特性)で説明できる。電圧極
性が反対の時は点線の特性となっており、電圧極性が同
一の時は実線の特性となっているのであろう。つまり、
同一の実動電圧(V)を印可しても画素101の電荷の極
性が同一の時と、反対極性で完全に電荷の極性の書きか
えが必要な時とでは、透過率が異なってしまうのであろ
う。そのため、図75に示すように白線と黒線(ハッチ
ング部分)とが生じてしまうのであろう。もちろん、画
素の電荷保持率が高く、かつTFT86の駆動能力が十
分あるときは、ほとんど図71の現象は発生しないであ
ろう。しかし、実用面ではTFT86のサイズを小さく
し、画素開口率を高くしたいという要望があり、図75
の現象が発生する場合が多いと思われる。
に、データ補正回路931を付加して対応する。データ
補正回路931は、一例として、図3の表示ライン選択
回路内に配置する。または図11のフレームメモリの後
段に配置する構成もある。データマップ932は、図7
4のV−Tカーブをマップ化して記録している。具体的
にはROMである。(++)(−−)用マップとは、図74
の実線特性カーブをマップ化して記憶している領域であ
る。データ補正回路931から透過率Tに対応するデー
タが与えられたとき、実線に該当する実動電圧(データ)
を出力し、データ補正回路931に転送する。つまり、
“+"→“+"、“−"→“−"極性の時に画素101に印
加する電圧(データ)を補正する。一方、(+−)(−+)用
マップとは、図74の点線特性カーブをマップ化して記
憶している領域である。データ補正回路931から透過
率Tに対応するデータが与えられたとき、点線に該当す
る実動電圧(データ)を出力し、データ補正回路931に
転送する。なお、図74の特性カーブは実験等によりあ
らかじめ測定しておき、前記測定されたデータを用いて
データマップ932にROM化しておく。
率データ(もしくは電圧データ)はデータ補正回路931
により補正されてD/A変換器42でアナログ信号に変
換され、ソース信号処理回路32に出力される。液晶表
示パネル81を複数枚用いる投写型表示装置では、図7
5の現象は、より容易に対応できる。図17で説明した
ように、複数の表示パネル81のうち、少なくとも1つ
の表示パネル81の画素に印加する電圧極性を反対にす
るのである。特にG光変調用のパネルを、RおよびB光
変調用のパネルと反対極性にすることが好ましい。この
ことは図17で説明をしているので省略する。電圧印加
の方法として、図77のように行なう。つまり、図77
の(a)のパネル1では2行ずつの同一の極性の電圧を画
素101に印可し、(上端から++−−++……)、パネ
ル2(図77の(b))では、2行づつ−−++−−……と
印加する。
たらす場合もある。パネル1(図78の(a))では上端
から++−−++−−……であり、パネル2(図78の
(b))では一行ずらして+−−++−−……としている。
図78のように表示パネルを駆動することにより、図7
5のパネルの白線部とパネル2の黒線部とがスクリーン
上で重ねあわされ、打ち消しあう状態にすることができ
る。もちろん、図77の場合では、パネル1とパネル2
とを一行ラインをずらせてスクリーン上に重ねあわせれ
ばよい。当然のことながら、図76の回路構成を採用す
れば、図77や図78の方法を用いなくてもよい。ま
た、図76の回路構成と、図77または図78の方法と
を組みあわせればさらに良好な結果が得られることはい
うまでもない。
表示パネル81に、図12を用いて説明した映像信号表
示方法を適用し、かつ、図17に示すように、3枚の液
晶表示パネル81のうち1枚の液晶表示パネル81に加
える映像信号の位相を反転させている。したがって、フ
リッカは全く発生せず、良好な表示を実現できる。以
下、他の実施形態の投写型表示装置について説明してい
くが、主として第一の実施例の差異について説明をす
る。したがって、図71において説明した表示パネルに
関する事項、駆動回路に関する事項、光学系に関する事
項は他の投写型表示装置にも場合に応じて随時適用され
る。
4によりスクリーンに拡大投映する方式を示すが、一つ
の投写レンズで拡大投映する方式もある。図79は、そ
の構成を示す。ここでは説明を容易にするため、81b
をG光の映像を表示する表示パネル、81cをR光の映
像を表示する表示パネル、81aをB光の映像を表示す
る表示パネルとする。したがって、各ダイクロイックミ
ラー531を透過および反射する波長は、ダイクロイッ
クミラー523aはR光を反射し、G光とB光を透過す
る。ダイクロイックミラー523bはG光を反射し、R
光を透過させる。ダイクロイックミラー523cはR光
を透過し、G光を反射させる。また、ダイクロイックミ
ラー523dはB光を反射させ、G光およびR光を透過
する。メタルハライドランプ(図示せず)から放射された
光は、全反射ミラー531aにより反射され、光の進行
方向を変化させられる。前記光はダイクロイックミラー
523a,523bによりR・G・B光の3原色の光路に
分離され、R光はフィールドレンズ532cに、G光は
フィールドレンズ532bに、B光はフィールドレンズ
532aにそれぞれ入射する。各フィールドレンズ53
2は各光を集光する。表示パネル81はそれぞれ映像信
号に対応して液晶の配向を変化させ、光を変調する。こ
のように変調されたR・G・B光はダイクロイックミラ
ー523c,523dにより合成され、投写レンズ524
によりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。
ネル)81をライトバルブとして用いた本発明の投写型
表示装置の実施形態を、図80を参照しながら説明す
る。光源521は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原
色の色成分を含む光を放射する。凹面鏡521bは先に
も説明したようにガラス製で、反射面に可視光を反射し
赤外光を透過させる多層膜を蒸着したものである。ラン
プ521aからの放射光に含まれる可視光の一部は、凹
面鏡521bの反射面により反射する。凹面鏡521bか
ら出射する反射光は、フィルタ521cにより赤外線と
紫外線とが除去されて出射する。投写レンズ524は液
晶表示パネル側の第1レンズ群524bとスクリーン側
の第2レンズ群524aとで構成され、第1レンズ群5
24bと第2レンズ群524aとの間には平面ミラー53
1が配置されている。表示パネル81の画面中心にある
画素から出射する散乱光は、第1レンズ群524bを透
過した後、約半分が平面ミラー531に入射し、残りが
平面ミラー531に入射せずに第2レンズ群524aに
入射する。平面ミラー431の反射面の法線は投写レン
ズ524の光軸541に対して45°傾いている。光源
521からの光は平面ミラー531で反射されて第1レ
ンズ群524bを透過し、表示パネル81に入射する。
ズ群524b、第2レンズ群524aの順に透過してスク
リーン542に到達する。投写レンズ542の絞りの中
心から出て表示パネル81に向かう光線は、液晶層87
にほぼ垂直に入射するように、つまりテレセントリック
としている。なお、ここでは説明を容易するために、8
1aをR光を変調する表示パネル、81cをB光を変調す
る表示パネル、81bをG光を変調する表示パネルであ
るとして説明する。ダイクロイックミラー523は色合
成系と色分離系を兼用している。UVIRカットフィル
タ521cの帯域は半値の値で430nm〜690nmであ
る。以後、光の帯域を記述する際は半値で表現する。ダ
イクロイックミラー523aはR光を反射し、G光およ
びB光を透過させる。G光はダイクロイックミラー52
3bで反射され表示パネル81bに入射する。R光の帯域
は600nm〜690nm、G光の帯域は510nm〜570
nmとする。また、ダイクロイックミラー523bはB光
を透過する。B光は表示パネル81cに入射する。入射
するB光の帯域は430nm〜490nmである。各表示パ
ネル81はそれぞれの映像信号に応じて散乱状態の変化
として光学像を形成する。各表示パネル81で形成され
た光学系はダイクロイックミラー523で色合成され、
投写レンズ524に入射し、スクリーン542上に拡大
投写される。
トリックス状に配置された反射電極372を有し、反射
電極372と対向電極371b間の電圧印可状態によ
り、入射光を変調する。反射電極372に電圧が印可さ
れている画素上の液晶層87は透過状態となり、電圧無
印可の画素は散乱状態となる。液晶層87が透過状態の
時は、対向基板161から入射した光は反射電極372
で反射され、再び対向基板161より出射される。図8
0は、ダイクロイックミラー523を用いて色分離色合
成を行う装置を示したが、ダイクロイックプリズム55
3を用いても色分離色合成を行うことができる。図81
は、その構成を示す。ダイクロイックプリズム553に
は2つの光分離面551を有しており、前記光分離面5
51で白色光をR・G・Bの3原色光に分離する。各表
示パネル81は光結合層392を介してダイクロイック
プリズム551に取りつけられている。なお、552は
補助レンズである。ダイクロイックプリズム551の表
面には、図82に示すように、光吸収膜(黒色塗料)56
1が塗布されている。材料としては図25等に示す遮光
膜155と同様のものが例示される。前記光吸収膜56
1は表示パネル81で散乱した光を吸収する機能を有す
る。
553に貼りつけられ、前記ダイクロイックプリズム5
53の無効領域(光が入出力しない面)に光吸収膜561
が塗布されている。この構成は、図67等に示したよう
に、表示パネル81に透明基板391が光結合され、前
記透明基板391の無効領域に光吸収膜が塗布されてい
ることと機能的に類似する。つまり、透明基板391を
ダイクロイックプリズム553と置き換えて考えればよ
い。たとえば、表示パネル81aを中心に考え、かつ、
表示パネル81aはR光を変調すると考えれば、入射光
81aはダイクロイックプリズム553の光入出射面5
62より入射し、光分離面551bでR光が反射され
る。表示パネル81aは反射電極372に印可された電
圧の大きさに応じて光変調層87の散乱度合を変化させ
る。そのうち透過光の成分は再び光分離面551bで反
射し、光入出射面562より出射される。散乱した光は
そのほとんどが光吸収膜561に入射して吸収され、光
変調層87に再びもどり、2次散乱を発生させることは
ない。
ロイックプリズム553は色分離色合成の機能を有する
ほか、2次散乱光の発生を防止する機能を有することが
理解できるであろう。図81に示した構成は、色分離合
成系が非常に簡単で小型である。かつ、2次散乱の防止
機能をも有している。なお、ダイクロイックプリズムは
ガラス等の固体からなるものに限定されるのではなく、
たとえば立方体の容器にエチレングリコール等の液体を
充填したものも含まれる。液体は流動性があるため、液
晶バネルから熱をうばい、冷却できる効果があり好まし
い。容器の内部には色分離を行なうダイクロイックミラ
ー板を配置し、外部は黒色の塗料を塗布して、液晶パネ
ルで散乱した光を吸収させる。以上の装置は、光散乱状
態の変化として光学像を形成する表示パネルをライトバ
ルブ(光変調手段)として用いて投写型表示装置である。
しかし、本発明の位相板でP偏光とを変換し、色分離色
合成系での光の帯域幅を狭め、投写型表示装置の色相を
改善するという技術的思想は、他のランダム光を変調す
る表示パネルを用いる投写型表示装置にも適用される。
にするため2次元的に図示したが、より具体的には図8
3に示すように構成すべきである。図83において、ダ
イクロイックミラー532の傾き方向と平面ミラー53
1の傾き方向に注目してほしい。ダイクロイックミラー
532は一般に透明基板上に誘電体多層膜を蒸着し、特
定の波長帯域の光を透過、または反射するもので用いら
れる。このタイプのダイクロイックミラー532は、光
線の入射角依存により分光性能がシフトするという特性
を持ち、図80のように、入射光線541aの光軸と出
射光線541bの光軸が異なる角度で入射する場合は、
色分離する分光特性と色合成する分光特性が互いに異な
るため、所望の色純度の投写画像を得ることは困難であ
る。
射する照明光の光軸541aと液晶表示パネル81によ
って反射された投写光の光軸541bとを含む平面が、
液晶表示パネル81の中心法線とダイクロイックミラー
532の中心法線とを含む平面に対して垂直に配置され
ているので、光軸541aと光軸541bを含む面はダイ
クロイックミラー532の色分離合成面と45°の角度
をなしている。従って、照明光、投写光ともに同じ入射
角45°でダイクロイックミラー532に入射させるこ
とができる。ダイクロイックミラー532aと532bの
分光透過率を図84の(a)と(b)に示す。(a)は、ダイク
ロイックミラー532aへの光線入射角が45°の場合
の分光透過率を示すもので、ダイクロイックミラー53
2aはR光を反射し、G光,B光を透過するタイプであ
る。また、(b)は、ダイクロイックミラー532bへの光
線入射角が45°の場合の分光透過率を示すもので、ダ
イクロイックミラー532bはB光を反射し、G光を透
過するタイプである。本実施例の構成によれば、色分離
の場合の分光性能の、色合成した場合の分光性能が一致
するため、図84の(a)と(b)に示した分光性能をそのま
ま投写画像に反映することができる。
に構成した場合について説明する。照明光の光軸541
aが液晶表示パネル81へ仮に5°で入射するように構
成すると照明光の光軸541aと投写光の光軸541bは
10°の角度をなし、照明光のダイクロイックミラー5
23a,523bへの入射角は40°、投写光のダイクロ
イックミラー523a,523bへの入射角は50°とな
る。入射角が40°の場合と入射角が50°の場合の分
光透過率を図85の(a)と(b)に示す。(a)はダイクロイ
ックミラー523aの、(b)はダイクロイックミラー52
3bの分光透過率を示したもので、図中の実線は光線の
入射角が40°の場合、点線は光線の入射角が50°の
場合を示している。図85より、入射角依存による波長
シフトのため照明光の分光性能と投写光の分光性能が大
幅に異なり、光の利用効率を低下させずに所望の色純度
を得ることは困難であることがわかる。1枚の液晶表示
パネル81でカラー表示を行なうためには、図86また
は図87の構成を採用する。図86は、図57〜図60
に示すカラーフィルタ471を具備する本発明の表示パ
ネル(表示装置)81をライトバルブとして用いる。偏光
板331を用いる場合は入射側331aと出射側331b
のいずれか一方を配置する。
偏光板331a、331bを配置してもよい。両方の偏光
板331a、331bを用いる場合、偏光板331aと3
31bの偏光軸は一致させることが重要である(図38の
(a)の偏光板331aと331bの配置を参照)。この場
合、偏光板331aを通過した光は直線偏光となる。液
晶層87が透明状態(光透過状態)の時、前記直線偏光は
偏光状態を維持したまま、液晶層87を透過する。した
がって、出射側の偏光板331bでは光を損失すること
はないから、強い出射光が得られる。一方、液晶層87
が光散乱状態の時、液晶層87に入射した光は散乱され
るため、直線偏光状態が崩れる。したがって、約半分の
光は出射側の偏光板331bで吸収される。液晶層87
が散乱状態の時、表示は黒表示である。出射側の偏光板
331bで光が吸収されるということは、黒表示時に、
スクリーンに到達する光が減少することを意味するか
ら、表示コントラストは向上する。
光学像を形成する表示パネルをライトバルブとして用い
る投写型表示装置では、表示パネルの入射側の偏光板3
31aの偏光軸331aと出射側の偏光板331bの偏光
軸とを略一致させることが重要である。略一致としたの
は偏光板偏光軸が多少ずれていても表示コントラストが
多少低下するだけで、実用上は支障がないからである。
なお、偏光軸の角度のずれは20°以内にすることが好
ましい。先の説明では表示パネルの入射側と出射側に偏
光板331を配置するとしたが、図88の構成をも含む
と考えるべきである。図88において、881は偏光ス
クリーンである。一例として、偏光スクリーン881が
“反射型"の場合は、反射板と偏光板とを貼りあわせた
構成が該当する。たとえば有沢製作所(株)が販売してい
る。また、偏光スクリーンが「透過型」の場合はスクリ
ーンとなる拡散板等と偏光板とを貼り合わせたものが例
示される。したがって、偏光スクリーンは透過型であっ
ても、反射型であってもよい。偏光スクリーン881の
偏光軸と一致する直線偏光が入射すると、直線偏光は偏
光スクリーンで反射し、または、偏光スクリーンを透過
する。逆に偏光スクリーンの偏光軸と直交する直線偏光
が入射すると前記偏光スクリーンで吸収される。
には偏光板331aを具備するが、出射側には偏光板3
31bがない。かわりに、偏光スクリーン881が配置
されている。偏光スクリーン881が偏光板331bの
機能を果たす。図88の表示装置も、先の実施例(図8
6)と同様に高コントラスト表示を実現できる。その理
由および投写型表示装置の動作は、先の説明において出
射側の偏光板331bと偏光スクリーン881と置き換
えて考えればよいので説明を省略する。なお、図86と
図88の説明では、1つの表示パネルを用いる投写型表
示装置として説明した。しかし、入射側の偏光板331
aの偏光軸と出射側の偏光板331b(または偏光スクリ
ーン881)とを略一致させるという技術的思想は、図
71、図79、図89などの複数の表示パネルを用いる
投写型表示装置にも適用できることは言うまでもない。
また、偏光板331などの偏光軸の方向を、図32〜図
34、図36、図37を用いて説明したように、「偏光
依存性」の発生する方向を考慮して設定すればさらに好
ましい。また、偏光手段は偏光板331に限定されるも
のではなく、偏光ビームスプリッターなどを用いてもよ
い。
場合は、図87の如く構成する。光源521からの白色
光を3つのダイクロイックミラー523によりR,G,B
の3原色光に分離する。液晶表示パネル81の入射側に
はR,G,Bの3つ1組画素101に対応したマイクロレ
ンズ528が、マトリックス状に配置されたマイクロレ
ンズアレイ581を配置する。表示パネルの出射側には
透明部材391を透明結合層を介して接続をする。各
R,G,Bの3原色光はマイクロレンズにより方向をかえ
られ、各R,G,Bの光を変調する画素に入射する。次
に、さらに投写光学系に改良を加え、良好な色再現性を
確保し、かつ、高輝度表示、高コントラスト表示と実現
できる投写型表示装置について説明をする。ライトバル
ブとしてPD液晶表示パネルを用いる投写型表示装置
は、明るい投写画像が得られる利点がある反面、有効F
ナンバーの小さい投写レンズを用いると、黒表示状態で
散乱する光の多くが投写レンズにより集光されてしま
い、黒浮きを生じる。その結果、投写画像のコントラス
トが低下する。有効Fナンバーの大きい投写レンズを用
いれば高いコントラストを得るが、白表示状態において
集光できない光が発生するので光損失を生じる。光損失
を抑制するには、投写レンズの有効Fナンバーに合わせ
て照明光の有効Fナンバーを大きくする必要がある。
の良好な照明光を形成する場合、点光源に近い発光体を
用いなければ光損失が増加して高い光利用効率を得るこ
とは難しい。これに対し、一般にショートアーク型とし
て知られるメタルハライドランプの発光体は5〜10mm
程度の長さであり、点光源に近いとして知られるキセノ
ンランプの発光体は、2〜4mm程度の長さである。これ
らの発光体から放射される光を効率良く集光してライト
バルブ上を照明する光を形成すると、いずれの場合も、
ある程度の照射角を有するので、投写レンズの有効Fナ
ンバーをこれに整合させる必要がある。光損失を増加さ
せることなく照明光の有効Fナンバーを大きくするため
に、発光体の大きさを小さくしようとすると、一般的な
ランプは寿命特性などの発光特性が極端に劣化するので
問題がある。また、発光体に対して相対的に大きい表示
領域のライトバルブを用いることは有効であるが、コン
パクトな投写型表示装置を構成することが困難となり、
コストが高くなるので問題がある。
失の少ない投写型表示装置を構成し、明るくコントラス
トの高い投写画像を得るには、照明光の有効Fナンバー
と投写レンズの有効Fナンバーを整合させる必要があ
る。ライトバルブから出射する光に対し、投写レンズが
必要最小限の開口を提供するので、投写レンズ内の迷光
を低減でき、コントラストの高い投写画像を得る。ま
た、照明光の有効Fナンバーと投写レンズの有効Fナン
バーは、ライトバルブの表示領域上のあらゆる点におい
て、良好に整合させることが好ましい。特に、ライトバ
ルブとしてPD液晶表示パネルを用いる場合、投写画像
の全領域におけるコントラストを均一にするために重要
である。そのためには、ライトバルブ上の軸上点だけで
はなく、あらゆる軸外点について、照明光の照射角と投
写レンズの集光角を良好に制約できる必要がある。従
来、このように照明光の有効Fナンバーと投写レンズの
有効Fナンバーを制御することは難しく、その結果、投
写画像の画質が低下するので問題があった。
投写型表示装置の構成図を示す。本発明の投写型表示装
置は、光発生手段としての発光体592と、発光体の放
射する光を集光する集光手段と、集光手段から出射する
光が入射する光伝達手段と、光伝達手段から出射する光
により照明される光変調手段としての本発明の表示パネ
ル(ライトバルブ81)と、ライトバルブ81上の光学像
をスクリーン上に投影する投写手段としての投写レンズ
591と、ライトバルブ81の入射側に配置される第1
開口絞り596と、ライトバルブ81の出射側に配置さ
れる第2開口絞り598とを備えている。光伝達手段は
入力部収束レンズアレイ594と中央部収束レンズアレ
イ595と出力部収束レンズ597からなり、入力部収
束レンズアレイ594は複数の入力部収束レンズ599
を二次元状に配列してなり、中央部収束レンズアレイ5
97は複数の入力部収束レンズ599と同数で対を成す
複数の中央部収束レンズ600を二次元状に配列してな
る。
中央部集収束レンズ600の各々の主平面近傍に複数の
二次発光体を形成し、中央部収束レンズ600の各々は
出力部収束レンズ597と相まって対応する入力部収束
レンズ599の各々の主平面近傍の物体の像の各々を重
畳形態としてライトバルブ81の有効表示領域近傍に形
成し、出力部収束レンズ597は複数の二次発光体から
出射する光を投写レンズ591に有効に到達せしめる。
第1開口絞り596は複数の二次発光体の近傍に配置
し、第1開口絞り596から第2開口絞り598に至る
光路に介在する光学素子は第1開口絞り596と第2開
口絞り598を略共役の関係とならしめ、第1開口絞り
596は主として二次発光体の有効領域を通過する光を
選択的に通過せしめる開口形状を有し、第2開口絞り5
98は前記ライトバルブの最白表示状態において第1開
口絞り596を通過した光を選択的に通過せしめる開口
形状を有するようにしたものである。
型表示装置の光学系の基本構成について説明をする。投
写型表示装置は、主として、光発生手段としてのメタル
ハライドランプ521a、放物面鏡521b、UV−IR
カットフィルタ521cからなる光源521、入力部収
束レンズアレイ594、中央部収束レンズアレイ59
5、絞り596、出力部収束レンズ597、液晶表示パ
ネル81、投写手段としての投写レンズ591、絞り5
98から構成される。投写レンズ591は、前レンズ群
591aと後レンズ群591bから構成される。出力部収
束レンズ597と後群レンズ591bは、絞り596と
絞り598を互いに共役の関係とする。入力部収束レン
ズアレイ594は、複数の入力部収束レンズ599を二
次元状に配列して構成する。図91は、その構成の一例
を示す。矩形の開口を有する10個の入力部収束レンズ
599を正円の領域に内接するように配列している。1
0個の入力部収束レンズ599は、同一開口形状の平凸
レンズであり、矩形開口の長辺の短辺の比を4:3とし
ている。つまり、液晶表示パネル81の有効表示領域の
画面形状にしている。もし、画面形状が16:9であれ
ば入力部収束レンズ599も16:9にする。
中央部収束レンズ600を二次元状に配列して構成す
る。入力部収束レンズ599と同数で同一開口を有する
中央部収束レンズ600を、入力部収束レンズアレイ5
94と同様に配列している。投写型表示装置における照
明の手順を説明する。メタルハライドランプ521aの
発光体592から放射される光は、放物面鏡521bに
より反射されて光軸604とおよそ平行に進行し、入力
部収束レンズアレイ594に入射する。放物面鏡521
bから出射する光の断面形状は一般に正円となるので、
入力部収束レンズ599の開口の総和がこれに内接する
ように入力部収束レンズアレイ594を構成する。入力
部収束レンズアレイ594を通過した光は、入力部収束
レンズ599と同数の部分光束に分割され、各部分光束
は、液晶表示パネル81の有効表示領域を照明する。入
力部収束レンズ599を通過した光は、各々、対応する
中央部収束レンズ600の開口に導かれて収歛される。
中央部収束レンズ600の各々の開口上には、二次発光
体、例えば601A,601Bが形成される。中央部収
束レンズアレイ595上に形成される複数の二次発光体
601の一例を、図62に模式的に示す。中央部収束レ
ンズ600は、各々、対応する光をPD液晶表示パネル
81の表示領域上に有効に伝達する。具体的に、対応す
る入力部収束レンズ599の主平面上の物体、例えば、
601A,601Bの実像603をPD液晶表示パネル
81の表示領域近傍に形成する。ただし、各々の中央部
収束レンズ600は適当に偏心させており、複数の像を
重畳させて1つの実像603を形成する。
81の表示領域と入力部収束レンズ599の各々の開口
とは、互いにおよそ共役の関係となる。従って、入力部
収束レンズ599の開口をPD液晶表示パネル81の表
示領域と相似形状とすれば、照明光の断面と表示領域の
形状を整合させて、光損失を抑制できる。従って、図9
1に示した入力部収束レンズアレイ594は、NTSC
に対応したアスペクト比が4:3の映像を表示するPD
液晶表示パネル81と組み合わせて用いるとよい。な
お、本構成でのPD液晶表示パネルとは、いままで説明
してきたすべての構成、形状、技術的思想、機能のもの
の全てが適用される。たとえば、図1、図2の表示方
法、図3、図4の回路構成、図25〜図29、図39〜
図45、図53〜図68および図69、図70のパネル
構成、図36、図37の偏光依存性の対策に関する構成
および駆動方法、図18〜図22の駆動方法である。ま
た、PD液晶表示パネルに限定されず、PLZTを応用
した表示パネル、TNおよびSTN液晶表示パネルでも
よい。
る光には、比較的大きな明るさむらがある。明るさむら
の大きい光をそのまま伝達してPD表示液晶表示パネル
81を照明すると、投写画像の明るさの均一性が低下す
る。明るさが比較的均一な領域のみを利用して照明する
と、利用できない光が増加するので光利用効率が低下す
る。これに対し、本発明の投写型表示装置は、高い光利
用効率を得ると共に、明るさの均一性の優れた投写画像
を得ることができる利点がある。その理由を以下に述べ
る。入力部収束レンズアレイ254は、明るさむらの大
きな光を複数の部分光束に分割する。各部分光束の入力
部収束レンズ599の開口上における明るさむらは、分
割前の光束断面の明るさむらと比較して小さい。中央部
収束レンズ600の各々は、明るさむらの少ない部分光
束を適当な大きさに拡大し、PD液晶表示パネル204
の表示領域上に重畳させる。従って、明るさの均一性の
良好な照明を実現できる。
射する光束の断面に内接させるので、入力部収束レンズ
アレイ594における光損失は少ない。また、中央部収
束レンズ600の開口の各々を二次発光体592に対し
て十分な大きさとするので、中央部収束レンズアレイ5
95における光損失は少ない。さらに、PD液晶表示パ
ネル81に入射する光の断面を表示領域の形状に整合さ
せるので、PD液晶表示パネル81における光損失は少
ない。従って、発光体592から放射される光の大部分
は、放物面鏡521bにより反射され、入力部収束レン
ズアレイ594、中央部収束レンズアレイ595、出力
部収束レンズ597、PD液晶表示パネル81を通過し
て投写レンズ591に到達する。従って、投写レンズ5
91における光損失を抑制すれば、高い光利用効率を実
現し、明るく、明るさの均一性の優れた投写画像を得
る。
上には離散的に複数の二次発光体592が形成されるの
で、この場合の照明光の有効Fナンバーは、二次発光体
592の面積の総和から等価的に換算される照射角から
定める必要がある。一方、PD液晶表示パネル81から
光軸604と最も角度を成して出射する光の集光角は、
この等価的な照射角よりも大きな値となる。従って、光
損失を抑制するためには、投写レンズ591の有効Fナ
ンバーを照明光の実効的な有効Fナンバーよりも小さく
する必要がある。これは、PD液晶表示パネル81の場
合に、投写画像のコントラストを低下させるので問題が
ある。
は、絞り596と絞り598の働きにより、光損失を増
加させることなく照明光側と投写レンズ側の開口をいず
れも必要最小限の大きさにできるので、コントラストの
低下を抑制できる。具体的には、離散的に形成される二
次発光体592の有効領域に合わせて、照明光側の絞り
596の開口を図92に示すような形状とする。破線
は、図92の中央部収束レンズ660の各々の開口に対
応する。また、投写レンズ側の絞り591の開口上には
二次発光体592の実像が形成されるので、絞り598
の開口形状も、絞り596の開口形状と同様にする。こ
れにより、絞り596を通過した光は絞り598を通過
するので、高い光利用効率を実現できる。同時に、投写
レンズ591は照明光が必要とする必要最小限の開口を
提供するので、コントラストの高い表示画像を実現でき
る。その結果、明るく高画質の投写画質を提供できるの
で、非常に大きな効果を得ることができる。
束レンズアレイ594、中央部収束レンズアレイ59
5、絞り596、絞り598は、以下のように構成する
となお良い。図93は、この場合の中央部収束レンズア
レイ595の構成を示す。一般に、二次発光体592の
大きさは、光軸近傍に位置する入力部収束レンズ599
の形成するものほど大きい。従って、中央部収束レンズ
600の各々の開口は必ずしも同一である必要はなく、
二次発光体601の各々に対して必要十分な大きさとす
ればよい。開口を有効に異ならせた複数の中央部収束レ
ンズ600を凝集して配列し、中央部収束レンズアレイ
595を構成すれば、開口領域の総和を小さくできる利
点がある。中央部収束レンズアレイ595と組み合わせ
る入力部収束レンズアレイ594は、図94に示したも
のと同様に構成し、入力部収束レンズの各々を適当に偏
心させ、対応する中央部収束レンズ600の開口中心に
二次発光体601を形成すればよい。
に、図95に示す開口形状の絞り596を用いるとよ
い。投写レンズ側の絞り598についても同様である。
これにより、光損失を生じることなく、中央部収束レン
ズアレイ595の開口径を小さくでき、かつ、投写レン
ズ591のレンズ径を小さくできる利点がある。本実施
例の投写型表示装置は、以上述べたように離散的に複数
の二次発光体を形成してライトバルブを照明する場合
に、より大きな効果を得る。最大集光角の大きな投写レ
ンズを用いたとしても、離散的に複数の開口を有する絞
りを備えることで、ライトバルブから出射する光に対し
て必要最小限の開口を提供できる。その結果、明るくコ
ントラストの高い投写画像を得ることができる。
本発明の表示パネル81を用いてカラー画像を表示でき
るようにした投写型表示装置の構成図である。メタルハ
ライドランプ521aは、三原色を含む光を放射する発
光体592を形成する。図90に示したものと同様の手
順により、PD液晶表示パネル81b,81cの各表示領
域を照明する。ただし、ダイクロイックミラー523a,
523bと、平面ミラー531aの働きにより、照明光は
三原色の色光に分解され、それぞれ対応するPD液晶表
示パネル81の表示領域上に導かれる。PD液晶表示パ
ネル81は、各々の表示領域上には外部から供給される
映像信号に応じて、三原色に対応した光学像が形成され
る。投写レンズ591は、前レンズ群591a、後レン
ズ群591bから構成され、三原色の光学像をスクリー
ン上に拡大投影する。PD液晶表示パネル81から出射
する光は、ダイクロイックミラー523c,523dと、
平面ミラー531cの働きにより一つの光路が合成され
るので、フルカラーの投写画像を得る。
り598は、図90または図93に示したものと同様の
ものを、同様の目的で用いる。絞り596と絞り598
が互いに共役の関係となるように、出力部収束レンズ5
97と後群レンズ591bを適切に構成する。以上のよ
うに構成することにより、色再現性がなく、かつ高輝
度、高コントラスト表示のカラー表示の投写型表示装置
を実現できる。他の点については、図90で説明したの
で説明を省略する。なお、以上の投写型表示装置は、ス
クリーン542と光学ブロックが分離されたフロント型
の投写型表示装置として説明したが、これに限定するも
のではない。たとえば図72に示すようにスクリーン5
42と光学ブロック702がキャビネットで一体となっ
たリア型投写型表示装置でもよい。光学ブロックとして
は、図71、図79、図80等が該当することは言うま
でもない。前記光学ブロックから出力される光をミラー
531aおよび531bで反射しスクリーン542に投射
する。
いた表示装置(表示パネル)を用いてビデオカメラ等の再
生画像表示装置として用いるビューファインダに適用す
ることもできる。なお、ビューファインダとは発光源と
液晶表示パネルおよび前記液晶表示パネルの画像を拡大
してみるレンズ等を具備するものをいい、以下に説明す
るビデオカメラ用のビューファインダ、また、ヘッドマ
ウントディスプレイの画像表示部の構成等が該当する。
図96は、本発明のビューファインダの外観図である。
668は接眼カバーであり、669はビデオカメラとの
取り付け金具である。667はボデーであり、前記ボデ
ー667内にレンズ663および表示パネル81等が格
納されている。
の構成を示している。661は発光素子、663は集光
レンズ、666は拡大レンズである。一例として、表示
パネル81の表示領域の対角長は28mmであり、集光レ
ンズ663は有効直径が30mm、焦点距離が15mmであ
る。集光レンズ663の焦点の近傍に発光素子661が
配置されている。集光レンズ663は平凸レンズであ
り、平面を発光素子661側に向けている。ボデー66
7の端部に接眼リング665が装着されている。接眼リ
ング665には、拡大レンズ666が装着されている。
ボデー667の内面は不要光を吸収するための黒色ある
いは暗色にしている。662は中央部の円形の穴のあい
た遮光板である。発光素子661から光が放射される領
域を小領域にする機能を有している。穴の面積が大きく
なると表示パネル81の表示画像は明るくなるが、コン
トラストは低下する。これは集光レンズで663に入射
する光量は多くなるが、入射光の指向性が悪くなるため
である。前述のような表示パネルの表示領域の対角長が
28mmの場合、光を放射する領域は15mm2以下にすべ
きである。これは直径がほぼ4mm強のピンホールの穴径
に相当する。好ましくは10mm2以下とすべきである。
しかし、あまり穴の直径を小さくしすぎると、光の指向
性が必要以上に狭くなり、ビューファインダを見る際
に、視点を少しずらしただけで極端に表示画面が暗くな
る。したがって、穴の面積は少なくとも2mm2以上の領
域を確保すべきである。一例として、直線3mmの穴径の
時、従来の面光源を用いるビューファインダと同等の表
示画面の輝度が得られ、その時のコントラストも良好で
あった。光を放射する領域、つまり穴径は直径0.5mm
から5mm以下の範囲と考えられるべきである。ただし、
これは表示画面の対角長が28mmの場合であって、対角
長が長くなれば、対角長に応じて最適な穴径も変化す
る。
た光は、集光レンズ663により平行に近く、指向性の
狭い光に変換され、表示パネル81の対向電極88側か
ら入射する。観察者は、接眼ゴム688に眼を密着させ
て、表示パネル81の表示画像を見ることになる。つま
り、観察者の瞳の位置はほぼ固定されている。表示パネ
ル81の全画素が光を直進させる場合を仮定した時、集
光レンズ663は発光素子661から放射され、前記集
光レンズ663の有効領域に入射する光が拡大レンズ6
66を透過した後に、すべて観察者の瞳に入射するよう
にしている。レンズ666は拡大レンズとして機能する
ので、観察者は表示パネル81の小さな表示画像を拡大
して見ることができる。ビューファインダは観察者の瞳
の位置が接眼カバー668によりほぼ固定されるため、
その背後に配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源
として蛍光管を用いたライトボックスを用いる従来のビ
ューファインダでは、表示パネルの表示領域とほぼ同じ
大きさの領域からある方向の微小立体角内に進む光だけ
が利用され、他の方向に進む光は利用されない。つま
り、光利用効率が非常に悪い。
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
663により平行に近い光に変換する。こうすると、集
光レンズ663からの出射光は指向性が狭くなる。観察
者の視点が固定されておけば前述の狭い指向性の光でも
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよう
に、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定し
て表示画像を見ることを利用している。通常の直視液晶
表示装置では一定の視野角が必要であるが、ビューファ
インダは所定方向から表示画像を良好に観察できれば用
途として十分である。集光レンズ663が無収差で、透
過率が100%の場合、集光レンズ663を通して見た
発光体の輝度は発光体自身の輝度と等しい。カラーフィ
ルタ、偏光板、画像の開口率等を含めた表示パネルの最
大透過率を3%、集光レンズ163の透過率を90%、
ビューファインダとして必要な輝度を15ft−Lとする
と、光源に必要な輝度は約560ft−Lとなる。これら
を満足する発光素子としては陰極線管、蛍光管等の発光
原理を用いた発光管、蛍光発光素子、キセノンランプ、
ハロゲンランプ、タングステンランプ、メタルハライド
ランプ、LED、エレクトロ、ルミネッセンス(EL)な
どの電子の動作により発光する素子、プラズマ、ディス
プレイパネル(PDP)などの放電により発光するもの等
の自己発光を行なうものが例示される。これらのどの発
光素子でも光発生手段として用いてもよいが、中でも低
消費電力、小型、白色発光を行える等の点から、発光
管、LEDおよび蛍光発光素子が最適である。中でも、
ミニパイロ電機(株)のルナパステル07シリーズ(直径
7mmの発光管)が消費電力も少なく最適である。
変えるとその画素の光散乱度合が変化する。電圧無印可
の場合に光散乱度合が最も大きく、印可電圧を大きくす
ると、光散乱度合が減少する。指向性の狭い光を表示パ
ネル81に入射し、光散乱度合を変化させると、その画
素からの観察者の瞳に入射する光量が変化する。つま
り、観察者からみた画素の輝度が変化するので、これを
利用して画像表示を行う。表示パネル81にはモザイク
状のカラーフィルタ(図示せず)が取り付けられている。
画素配置はデルタ配置であり、画素数は約10万画素で
ある。カラーフィルタ471は赤,緑,青のいずれかの色
を透過させる。カラーフィルタの構成物により各色の膜
厚を制御してもよい。カラーフィルタの膜厚はカラーフ
ィルタの作製時に調整して形成する。つまりカラーフィ
ルタの膜厚を赤,緑,青で変化させる。カラーフィルタの
膜厚により各画素上の液晶の膜厚はそれぞれのカラーフ
ィルタ色に応じて調整する事ができる。特にPD液晶表
示パネルは、長波長の光(赤色光)に対する散乱特性が悪
い。そこで、赤の画素の液晶層厚を他の青,緑の画素よ
りも液晶層厚を厚くすれば、散乱特性を向上させること
ができ、赤,緑,青の階調性を揃えることができる。つま
り、図57から図60の構成の本発明の表示パネル81
を用いればよい。
者の瞳に入射するが、他の光は迷光となり、表示画像の
コントラストを低下させる要因となる。この問題を回避
するために、ボデー667と接眼リング665の内面
は、光の反射を防止するために黒色あるいは暗色として
いる。集光レンズ663は平面、つまり曲率半径の大き
い面を発光体661側に向けている。これは、正弦条件
を満足しやすくして、表示パネル81の表示画像の輝度
均一性を良好にするためである。ただし、集光レンズ6
63は前述の平凸レンズに限定するものではなく、通常
の正レンズでもよいことは言うまでもない。接眼リング
665のボデー667への挿入度合を調整することによ
り、観察者の視力に合わせてピント調整を行なうことが
できる。なお、接眼カバー668により観察者の眼の位
置が固定されるので、ビューファインダの使用中に視点
位置がずれることはほとんどない。視点が固定されてお
れば表示パネル81への光の指向性が狭くても観察者は
良好な画像を見ることができる。さらに良好に見えるよ
うにするには発光素子661からの光の放射方向を最適
な方向に移動させればよい。そのため、発光素子661
は、前後あるいは左右に多少移動できるように位置調整
機構が付加しておくことが好ましい。
は発光素子661の小さな発光体から広い立体角に放射
される光を、集光レンズ663により効率良く集光する
ので、蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場
合に比較して、光源の消費電力を大幅に低減することが
できる。なお、図96と図97において、表示パネル8
1は説明を容易にする観点からPD液晶表示パネルであ
るとして説明をしたが、これに限定するものではない。
動的散乱モード(DSM)液晶等の散乱一透過により光を
変調するものに置きかえてもよい。また、強誘電液晶も
比較的膜厚が厚いとき散乱現象をおこすことが知られて
いる。したがって、強誘電液晶を用いてもよい。その
他、光散乱状態の変化として光学像を形成する(光変調
を行なう)ものとしてPLZTが知られている。本発明
の表示パネルおよびそれを用いた表示装置はこれらを包
含するものである。また、本発明の映像信号表示方法を
適用した表示パネルであればよいからTN液晶表示パネ
ルであってもよい。
の1例を示す。図98は、PD液晶表示パネルの入出射
面に偏光板331を配置した例である。もちろん単にT
N液晶表示パネルと考えてもよい。なぜならば、図98
の構成における技術的思想は、未公知で、かつ、新規性
および進歩性を有するからである。図99は、表示パネ
ルの入射側663の偏光板331aを集光レンズ663
に貼りつけた構成である。集光レンズ663は回転可能
なようにする。つまり、集光レンズ663を回転させる
ことにより、入射側の偏光板331aと出射側の偏光板
331bとの偏光軸332の角度を調整できる。偏光軸
の角度ずれは表示コントラストに直接影響する。したが
って、偏光軸の角度調整は重要である。好ましくは図1
00に示すように、集光レンズ663の凸面を発光素子
661側に向けるべきである。正弦条件は多少悪くなる
が実用上は問題がない。偏光板331aには平行光が入
射する。したがって、図99の場合よりも表示コントラ
ストは高くなる。なお、以上の事項については特開平7
−92443号公報に詳しく記載している。前記公報の
記載事項が本明細書にそのまま適用または挿入される。
前記公報には多種多様な構成が記載されている。たとえ
ば図3の絞り31を具備する構成、図11のボデー66
7が屈曲した構成、図12のフレネルレンズ101を用
いた構成である。
数フレーム期間で1フレーム分の映像情報を表示するよ
うにしているので、入力されたプログレッシブ走査映像
信号をそのまま表示するときに比べて低速度で表示する
ことができる。その結果、パーソナルコンピュータやワ
ークステーション等の広帯域(高速データレート)プログ
レッシブ走査映像信号を、マトリクス型液晶ディスプレ
イのように高速走査の苦手なディスプレイに表示する場
合でも画質の劣化が生じない。すなわち、従来例のよう
にディスプレイを分割駆動する必要がなくなり、もしく
はソース駆動回路のシフトレジスタ数を大幅に削減でき
る。また、輝度差の発生を防止することができ、消費電
力も低減できる。
ことにより、逆チルトドメインが発生することがなく、
偏光板を用いなければ、従来のTN液晶表示パネルに比
較して2倍以上の高輝度表示が実現できる。光利用効率
を向上できることのみならず、光が熱に変換されること
を大幅に減少でき、加熱によるパネルの性能劣化をひき
おこすことがなくなる。これは投写型表示装置のように
表示パネルに入射する光の強さが数万ルクスと大きい場
合、非常に有効である。また、信号線154等を低誘電
体膜241で被覆することにより、信号線等から発生す
る電界をシールドする事ができ、さらに、横電界を防止
でき、画素電極151周辺部の光抜けを防止できる。し
たがって、表示コントラストを向上できる。
低誘電体柱262を形成することにより、信号線からの
電界は、ほぼ完全にシールドされるため、光抜けは全く
発生しない。低誘電体柱262は液晶層87の膜厚を規
定する機能をも有する。つまり、液晶膜厚を規定するビ
ーズとしての役割をはたす。そのため、ビーズの散布は
必要がない。したがって、ビーズ周辺部の光抜けがなく
表示コントラストも良好である。画素電極151上にビ
ーズを散布する必要がないため、前記ビーズによる光抜
けがないという効果を有する。図24に示すように低誘
電体膜231を着色して遮光膜とすれば、液晶層87内
等で発生するハレーションを防止できる。図53に示す
ように凸構造にすれば、界面455で反射し、ソース信
号線154ももどった光453aは凸部411により進
行方向が変化する。したがって透過光453bが発生せ
ずゴースト等が生じない。また、図54に示すように下
層遮光膜構造としてもその効果は同様である。
ことにより、カラーフィルタの色に対して、最適な平均
粒子径にすることにより良好な表示コントラストが得ら
れる。また、図57のように、カラーフィルタ471で
ソース信号線154等を被覆し、電磁シールドすれば、
カラーフィルタ471を形成する際に、ソース信号線1
54等を同時に被覆するだけであるから製造上も容易で
ある。カラーフィルタ471は樹脂材料であり比較的比
誘電率が低く、低誘電体膜231と同様の効果をもたせ
ることができる。図59の如くソース信号線154上等
の水滴液晶の平均粒子径等を非常に小さくすれば電圧印
可に対して応答しなくなくなる。ソース信号線154上
等に低誘電体柱262を形成したのと同様の効果が得ら
れる。つまり、平均粒子径が非常に小さければ、横電界
に対しても応答しない。したがって、画素周辺部等から
の光抜けがなくなる。また、常時散乱状態であるから、
BMを形成したのと同様の効果が得られる。
は、透過型の表示パネルに比較して、薄い液晶層87の
膜厚でコントラストも良好であり、画素開口率も高いの
で高輝度表示を行うことができる。その上、表示パネル
の裏面には障害物がないのでパネル冷却が容易である。
たとえば、裏面からの強制空冷、液冷を容易に行え、ま
た、裏面にヒートシンク等も取り付けることができる。
本発明の表示パネルにおいて凸構造もしくは下層遮光膜
構造により界面455で反射した光を散乱もしくは吸収
し、ゴースト等を防止するとした。表示パネルの光入出
射面に凹レンズ391または透明基板を貼りつけること
により、前記ゴースト等を防止でき、さらに、2次散乱
防止効果により、表示コントラストを向上できる。
1の偏光軸332は横電界の発生方向と一致させる。ま
た、駆動方式を考慮して横電界の発生方向を制御する。
偏光板331の偏光軸332を横電界の発生方向と一致
させることにより画素電極151周辺部からの光抜けを
完全に防止でき、高コントラスト表示が行える。また、
本発明の表示パネルにおいて、図12に示すようにH反
転駆動、または図14に示すようにカラム反転駆動を採
用することにより、横電界の発生方向を規定できると共
にフリッカの発生を防止できる。また、本発明の投写型
表示装置において、図16〜図17で説明した駆動方法
を採用する事により、さらに、十分にフリッカを防止で
き、良好な画像表示を実現できる。
パネルをライトバルブとして採用しているため、高輝度
表示を実現では、また200インチ以上の大画面化にも
対応できる。また、R・G・Bの光の波長に応じてそれ
ぞれの表示パネルの液晶膜厚を厚くまたは/および水滴
状液晶の半径粒子径を最適にしているので、表示コント
ラストが良好な画像表示を実現している。また、画素周
辺部からの光抜けもなく、白ウィンドウ表示等も良好で
ある。また、図83に示すように、光源521から出射
する照明光の光軸541aと液晶表示パネル81によっ
て反射された投写光の光軸541bとを含む平面が、液
晶表示パネル81の中心法線とダイクロイックミラー5
32の中心法線とを含む平面に対して垂直に配置すれ
ば、光軸541aと光軸541bを含む面はダイクロイッ
クミラー532の色分離合成面と45°の角度をなす。
従って、照明光、投写光ともに同じ入射角45°でダイ
クロイックミラー532に入射させることができるた
め、前記ダイクロイックミラー532で反射するP偏光
とS偏光の分光特性が一致し、良好な色再現性を実現で
きる。本発明のビューファインダは、発光素子の小さな
発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズで平
行に近く指向性の狭い光に変換し、表示パネルで変調し
て画像を表示するため、消費電力が少なく、輝度むらも
少なくなる。画素周辺部からの光抜けもなく、良好な画
像表示を実現できる。
図
明図
いた本発明の一実施例の映像信号表示装置の構成を示す
ブロック図
成を示すブロック図
リ制御信号およびその入出力画像信号のタイミングチャ
ート
らゲート駆動IC38,39に入力されるゲート駆動I
C制御信号のタイミングチャート
らゲート駆動IC38,39に入力されるゲート駆動I
C制御信号のタイミングチャート
用いた本発明の一実施例の映像信号表示装置の構成を示
すブロック図
方法の説明図
方法の説明図
方法の説明図
方法の説明図
方法の説明図
面図
面図
面図
面図
部等価回路図
明図
成図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
部平面図
断面図
面図
面図
面図
面図
面図
面図
明図
面図
面図
面図
置の構成図
置の構成図
置の構成図
置の構成図
図
図
イクロイックミラーを反射する分光特性図
ミラーを反射する分光特性図
置(1枚の表示パネルでカラー画像を表示する場合)の
説明図
置(1枚の表示パネルでカラー画像を表示する場合)の
構成図
る場合の構成図
置の説明図
断面図
断面図
の断面図
ルを用いた従来の映像信号表示装置の構成を示すブロッ
ク図
Claims (56)
- 【請求項1】 ラインおよび列方向にマトリックス状に
配置された画素を有する表示装置に、プログレッシブ走
査映像信号を表示する表示方法であって、nを整数とし
たとき、第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信
号から奇数ラインを取り出して、前記表示手段上の(4
n−3)ラインの画素に第1の極性の映像信号を保持さ
せ、前記表示手段上の(4n−1)ラインの画素に、前
記第1の極性と反対極性である第2の極性の映像信号を
保持させる第1のステップ、 前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中のプロ
グレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り出し
て、前記表示手段上の(4n−2)ラインの画素に、第
1の極性または第2の極性の映像信号を保持させ、前記
表示手段上の(4n)ラインの画素に、前記第3映像信
号と反対極性の映像信号を保持させる第2のステップ、 前記第2のフレームに連続する第3のフレーム中では、
前記表示手段上の(4n−3)ラインおよび(4n−
1)ラインの画素に、前記第1のフレームで保持した映
像信号と反対極性となるように映像信号を保持させる第
3のステップ、および、 前記第3のフレームに連続する第4のフレーム中では、
前記表示手段上の(4n−2)ラインおよび(4n)ラ
インの画素に、前記第2のフレームで保持した映像信号
と反対極性となるように映像信号を保持させる第4のス
テップからなることを特徴とする映像信号表示方法。 - 【請求項2】 第1のステップでは、第1のフレームの
プログレッシブ走査映像信号から取り出した奇数ライン
信号を時間軸伸長して前記表示手段上の(4n−3)お
よび(4n−1)ラインに表示し、 第2のステップでは、第2のフレームのプログレッシブ
走査映像信号から取り出した偶数ライン信号を時間軸伸
長して前記表示手段上の(4n−2)および(4n)ラ
インに表示し、 第3のステップでは、第3のフレームのプログレッシブ
走査映像信号から取り出した奇数ライン信号を時間軸伸
長して前記表示手段上の(4n−3)および(4n−
1)ラインに表示し、 第4のステップでは、第4のフレームのプログレッシブ
走査映像信号から取り出した偶数ライン信号を時間軸伸
長して前記表示手段上の(4n−2)および(4n)ラ
インに表示することを特徴とする請求項1記載の映像信
号表示方法。 - 【請求項3】 表示手段は、有効ライン数が960本以
上のマトリクス型液晶表示装置であり、 表示装置は、前記画素に信号を印可する走査回路を備え
ることを特徴とする請求項1記載の映像信号表示方法。 - 【請求項4】 ラインおよび列方向にマトリックス状に
配置された画素を有する表示装置に、インタレース走査
映像信号を表示する表示方法であって、 nを整数としたとき、第1のフレーム中のインタレース
走査映像信号からライン信号を取り出して、前記表示手
段上の(4n−3)および(4n−2)ラインの画素に
第1の極性の映像信号を保持させ、かつ、(4n−1)
および(4n)ラインの画素に前記第1の極性と反対極
性の映像信号を保持させる第1のステップ、 前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中のイン
タレース走査映像信号からライン信号を取り出して、前
記表示手段上の(4n−2)および(4n−1)ライン
の画素に第1の極性または第2の極性の映像信号を保持
させ、かつ、(4n)および(4n+1)ラインの画素
に前記映像信号と反対極性の映像信号を保持させる第2
のステップ、 前記第2のフレームに連続する第3のフレーム中では、
前記表示手段上の画素に、前記第1のフレームで保持し
た映像信号の反対極性となるように映像信号を保持させ
る第3のステップ、および、 前記第3のフレームに連続する第4のフレーム中では、
前記表示手段上の画素に、前記第2のフレームで保持し
た映像信号の反対極性となるように映像信号を保持させ
る第4のステップからなることを特徴とする映像信号表
示方法。 - 【請求項5】 表示手段は有効ライン数が960本以上
のマトリクス型液晶表示装置であることを特徴とする請
求項4記載の映像信号表示方法。 - 【請求項6】 ラインおよび列方向にマトリックス状に
配置された画素を有する表示装置に、プログレッシブ走
査映像信号を表示する表示方法であって、nを整数と
し、第1の極性が正極性または負極性とし、第2の極性
が前記第1の極性と反対の極性としたとき、 第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号からラ
イン信号を取り出して、前記表示手段上の(4n−3)
および(4n−2)ラインの画素に第1の極性の第1の
映像信号を保持させ、かつ、(4n−1)および(4
n)ラインの画素に第2の極性の第2の映像信号を保持
させる第1のステップ、および、 前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中のプロ
グレッシブ走査映像信号からライン信号を取り出して、
前記表示手段上の(4n−3)および(4n−2)ライ
ンの画素に第2の極性の第3の映像信号を保持させ、か
つ、(4n−1)および(4n)ラインの画素に第1の
極性の第4の映像信号を保持させる第2のステップを備
え、 2フレーム期間で前記表示手段上に1フレーム分の映像
情報を表示することを特徴とする映像信号表示方法。 - 【請求項7】 表示手段は有効ライン数が960本以上
のマトリクス型液晶表示装置であることを特徴とする請
求項6記載の映像信号表示方法。 - 【請求項8】 ラインおよび列方向にマトリックス状に
配置された画素を有する表示手段に、インタレース走査
映像信号を表示する表示方法であって、 nを整数としたとき、第1の極性が正極性または負極性
とし、第2の極性が前記第1の極性と反対の極性とし、 第1のフレーム中のインタレース走査映像信号からライ
ン信号を取り出して、前記表示手段上の(8n−7)お
よび(8n−6)ラインの画素に第1の極性の第1の映
像信号を、(8n−5)および(8n−4)ラインの画
素に第2の極性の第1の映像信号を保持させ、かつ、
(8n−3)および(8n−2)ラインの画素に第1の
極性の第2の映像信号を、(8n−1)および(8n)
ラインの画素に第2の極性の第2の映像信号を保持させ
る第1のステップと、 前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中のイン
タレース走査映像信号からライン信号を取り出して、前
記液晶表示パネルの(8n−5)および(8n−4)ラ
インの画素に第1の極性の第3の映像信号を、(8n−
3)および(8n−2)ラインの画素に第1の極性の第
3の映像信号を保持させ、かつ、(8n−1)および
(8n)ラインの画素に第2の極性の第4の映像信号
を、(8n+1)および(8n+2)ラインの画素に第
1の極性の第4の映像信号を保持させる第2のステップ
とを備え、 2フレーム期間で前記表示手段上に1フレーム分の映像
情報を表示することを特徴とする映像信号表示方法。 - 【請求項9】 表示手段は有効ライン数が960本以上
のマトリクス型液晶表示装置であることを特徴とする請
求項8記載の映像信号表示方法。 - 【請求項10】 光発生手段と、 前記光発生手段からの光を変調する光変調手段と、 前記光変調手段で変調された光を投写する投写手段とを
具備し、 前記光変調手段は、プログレッシブ走査映像信号を表示
手段上に表示する装置であって、第1のフレーム中のプ
ログレッシブ走査映像信号から奇数ライン信号を取り出
して前記表示手段上の奇数ラインに表示する手段、およ
び、前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中の
プログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り
出して前記表示手段上の偶数ラインに表示する手段を備
え、前記第1のステップ後に前記第2のステップをおこ
なう2フレーム期間、もしくは前記第2のステップ後に
前記第1のステップをおこなう2フレーム期間で前記表
示手段上に1フレーム分の映像情報を表示することを特
徴とする投写型表示装置。 - 【請求項11】 光発生手段と、 前記光発生手段からの光を、複数の光路に分離する光分
離手段と、 前記光路のそれぞれに配置された光変調手段と、 前記の光変調手段で変調された光を、重ね合わせて投写
する投写手段とを具備し、 前記光変調手段は、プログレッシブ走査映像信号を表示
手段上に表示する装置であって、第1のフレーム中のプ
ログレッシブ走査映像信号から奇数ライン信号を取り出
して前記表示手段上の奇数ラインに表示する手段、およ
び、前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中の
プログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り
出して前記表示手段上の偶数ラインに表示する手段を備
え、前記第1のステップ後に前記第2のステップをおこ
なう2フレーム期間、もしくは前記第2のステップ後に
前記第1のステップをおこなう2フレーム期間で前記表
示手段上に1フレーム分の映像情報を表示し、 前記複数の光変調手段のうち、1つの光変調手段の任意
のラインに印可する信号の位相と、他の光変調手段の前
記ラインに印可する信号の位相とが逆位相であることを
特徴とする投写型表示装置。 - 【請求項12】 光発生手段と、 前記光発生手段からの複数の光路に分離する光分離手段
と、 前記光路のそれぞれに配置された光変調手段と、 前記それぞれの光変調手段で変調された光を、重ね合わ
せて投写する投写手段とを具備し、 前記光変調手段は、プログレッシブ走査映像信号を表示
手段上に表示する装置であって、 第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から奇
数ライン信号を取り出して前記表示手段上の奇数ライン
に表示し、当該第1のフレームに連続する第2のフレー
ム中のプログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号
を取り出して前記表示手段上の偶数ラインに表示する第
1の表示制御手段、 第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から奇
数ライン信号を取り出して前記表示手段上の奇数ライン
と当該奇数ラインに隣接する次の偶数ラインに同時に表
示し、当該第1のフレームに連続する第2のフレーム中
のプログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取
り出して前記表示手段上の偶数ラインと当該偶数ライン
に隣接する次の奇数ラインに同時に表示する第2の表示
制御手段、および前記第1および第2の表示制御手段を
選択的に能動化するための表示方法選択手段を備え、 前記複数の光変調手段のうち、1つの光変調手段の任意
のラインに印可ライン信号の位相と、他の光変調手段の
前記ラインに印可する信号の位相とが逆極性であること
を特徴とする投写型表示装置。 - 【請求項13】 ラインおよび列方向にマトリックス状
に配置された画素電極と、前記画素電極に信号を印可す
るスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンオ
フさせる信号を伝達する第1の信号線と、前記画素電極
に印可する信号を伝達する第2の信号線とが形成された
第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態
の変化として光学像を形成する光変調層と、 第1のフレーム中のプログレッシブ走査映像信号から奇
数ラインの信号を取り出して前記奇数ラインの画素に印
可する手段と、 前記第1のフレームに連続する第2のフレーム中のプロ
グレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り出し
て前記偶数ラインの画素に表示する手段を具備すること
を特徴とする表示装置。 - 【請求項14】 隣接した画素電極間に、遮光手段が形
成されていることを特徴とする請求項13記載の表示装
置。 - 【請求項15】 隣接した画素電極間に、光変調層の比
誘電率よりも小さい誘電体材料の樹脂からなる遮光膜が
形成されていることを特徴とする請求項13記載の表示
装置。 - 【請求項16】 光変調層が液晶層であり、画素電極の
有効ライン数が960本以上であることを特徴とする請
求項13記載の表示装置。 - 【請求項17】 光変調層は高分子分散液晶層であり、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項13記載
の表示装置。 - 【請求項18】 前記高分子分散液晶層は、フッ素基を
有する樹脂成分と、クロル系のネマティック液晶成分か
らなることを特徴とする請求項17記載の表示装置。 - 【請求項19】 画素電極は反射電極であり、 第2の基板には、対向電極に積層されて少なくとも1層
の誘電体薄膜とが形成されており、 前記誘電体薄膜の屈折率は、前記ITO薄膜の屈折率よ
りも小さく、かつ、前記光変調層の屈折率よりも大き
く、かつ、屈折率は1.5以上1.8以下であり、 Nを1以上の奇数、Mを1以上の整数、λを光の設計主
波長としたとき、前記誘電体薄膜の光学的膜厚は、略
(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光学的膜厚は、
略(M・λ)/2であり、または、前記誘電体薄膜の光学
的膜厚は、略(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光
学的膜厚は、略(N・λ)/4であることを特徴とする請
求項13記載の表示装置。 - 【請求項20】 誘電体薄膜は三酸化二アルミニウム
(Al2O3)、三酸化二イットリウム(Y2O3)、一酸
化シリコン(SiO)、三酸化タングステン(WO3)、
三弗化セリウム(CeF3)、三弗化ランタン(La
F3)、三弗化ネオジウム(NdF3)のいずれかの薄膜
であることを特徴とする請求項19記載の表示装置。 - 【請求項21】 第1の基板と第2の基板のうち少なく
とも一方に光結合層を介して透明部材が配置され、 前記透明部材は、透明基板もしくは凹レンズであること
を特徴とする請求項13記載の表示装置。 - 【請求項22】 マトリックス状に配置された画素電極
と、前記画素電極に信号を印可するスイッチング素子
と、前記スイッチング素子をオンオフさせる信号を伝達
する第1の信号線と、前記画素電極に印可する信号を伝
達する第2の信号線とが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態
の変化として光学像を形成する光変調層と、 前記画素電極に、前記対向電極の電位に対して正極性ま
たは逆極性の信号を順次印可する駆動手段と、 前記第1の基板側と第2の基板側のうち少なくとも一方
に配置された偏光手段とを具備し、 前記駆動手段は、マトリックス状に配置された画素電極
に、一行もしくは複数行ごとに極性が異なる第1の状
態、または一列もしくは複数列ごとに極性が異なる第2
の状態となるように、画素電極に信号を印可し、 前記第1の状態の時は、前記偏光手段の偏光軸が第2の
信号線の形成方向と略一致させ、 前記第2の状態の時は、前記偏光手段の偏光軸が第1の
信号線の形成方向と略一致させていることを特徴とする
表示装置。 - 【請求項23】 隣接した画素電極間に、光変調層の比
誘電率よりも小さい誘電体材料の樹脂からなる遮光膜が
形成されていることを特徴とする請求項22記載の表示
装置。 - 【請求項24】 光変調層は高分子分散液晶層であり、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項22記載
の表示装置。 - 【請求項25】 前記高分子分散液晶層は、フッ素基を
有する樹脂成分と、クロル系のネマティック液晶成分か
らなることを特徴とする請求項24記載の表示装置。 - 【請求項26】 画素電極は反射電極であり、 第2の基板には、対向電極に積層されて少なくとも1層
の誘電体薄膜とが形成されており、 前記誘電体薄膜の屈折率は、前記ITO薄膜の屈折率よ
りも小さく、かつ、前記光変調層の屈折率よりも大き
く、かつ、屈折率は1.5以上1.8以下であり、 Nを1以上の奇数、Mを1以上の整数、λを光の設計主
波長としたとき、前記誘電体薄膜の光学的膜厚は、略
(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光学的膜厚は、
略(M・λ)/2であり、または、前記誘電体薄膜の光学
的膜厚は、略(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光
学的膜厚は、略(N・λ)/4であることを特徴とする請
求項22記載の表示装置。 - 【請求項27】 誘電体薄膜は三酸化二アルミニウム
(Al2O3)、三酸化二イットリウム(Y2O3)、一酸
化シリコン(SiO)、三酸化タングステン(WO3)、
三弗化セリウム(CeF3)、三弗化ランタン(La
F3)、三弗化ネオジウム(NdF3)のいずれかの薄膜
であることを特徴とする請求項26記載の表示装置。 - 【請求項28】 第1の基板と第2の基板のうち少なく
とも一方に光結合層を介して透明部材が配置され、 前記透明部材は、透明基板もしくは凹レンズであること
を特徴とする請求項26記載の表示装置。 - 【請求項29】 マトリックス状に配置された画素電極
と、前記画素電極に信号を印可するスイッチング素子
と、前記スイッチング素子をオンオフさせる信号を伝達
する第1の信号線と、前記画素電極に印可する信号を伝
達する第2の信号線とが形成された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に挟持された光散乱状態の変化として光学像を
形成する光変調層と、前記画素電極に、前記対向電極の
電位に対して正極性または逆極性の信号を順次印可する
駆動手段と、前記第1の基板側と第2の基板側のうち少
なくとも一方に配置された偏光手段とを具備し、前記駆
動手段は、マトリックス状に配置された画素電極に、一
行もしくは複数行ごとに極性が異なる第1の状態、また
は一列もしくは複数列ごとに極性が異なる第2の状態と
なるように、画素電極に信号を印可し、前記第1の状態
の時は、前記偏光手段の偏光軸が第2の信号線の形成方
向と略一致させ、前記第2の状態の時は、前記偏光手段
の偏光軸が第1の信号線の形成方向と略一致させている
ことを特徴とする光変調手段と、 光発生手段と、 投射手段とを具備し、 前記光変調手段は、前記光発生手段が放射する光を変調
し、 前記投射手段は、前記光変調手段で変調された光を投射
することを特徴とする投写型表示装置。 - 【請求項30】 1つの光発生手段と、 前記光発生手段から放射される光を略平行光に変換する
集光手段と、 マトリックス状に配置された画素電極と、前記画素電極
に信号を印可するスイッチング素子と、前記スイッチン
グ素子をオンオフさせる信号を伝達する第1の信号線
と、前記画素電極に印可する信号を伝達する第2の信号
線とが形成された第1の基板と、対向電極が形成された
第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持さ
れた光散乱状態の変化として光学像を形成する光変調層
と、前記画素電極に、前記対向電極の電位に対して正極
性または逆極性の信号を順次印可する駆動手段と、前記
第1の基板側と第2の基板側のうち少なくとも一方に配
置された偏光手段とを具備し、前記駆動手段は、マトリ
ックス状に配置された画素電極に、一行もしくは複数行
ごとに極性が異なる第1の状態、または一列もしくは複
数列ごとに極性が異なる第2の状態となるように、画素
電極に信号を印可し、前記第1の状態の時は、前記偏光
手段の偏光軸が第2の信号線の形成方向と略一致させ、
前記第2の状態の時は、前記偏光手段の偏光軸が第1の
信号線の形成方向と略一致させていることを特徴とする
光変調手段と、 前記光変調手段の光学像を拡大し、かつ拡大した光学像
を観察者に見えるようにする拡大表示手段とを具備する
ことを特徴とするビューファインダ。 - 【請求項31】 集光手段は平凸レンズであり、 前記レンズの平面部を平発生手段側に向けて配置され、 かつ、光発生手段から放射された前記集光手段の有効領
域に入射し、表示パネルを直進する光が観察者の瞳に到
達するように集光することを特徴とする請求項30記載
のビューファインダ。 - 【請求項32】 マトリックス状に配置された反射電極
と、前記反射電極に信号を印可するスイッチング素子
と、前記スイッチング素子をオンオフさせる信号を伝達
する第1の信号線と、前記画素電極に印可する信号を伝
達する第2の信号線とが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態
の変化として光学像を形成する光変調層と、 前記反射電極上、かつ、反射電極の形状に対応して形成
されたカラーフィルタと、 前記第2の基板上に形成された誘電体薄膜とを具備し、 前記誘電体薄膜は各反射電極に対応してパターニングさ
れていることを特徴とする表示装置。 - 【請求項33】 誘電体薄膜は、紫外線を吸収し、 前記誘電体薄膜は、カラーフィルタの色に対応して膜厚
が規定されていることを特徴とする請求項32記載の表
示装置。 - 【請求項34】 誘電体薄膜は酸化チタン(TiO2)ま
たは一酸化ケイ素(SiO)であることを特徴とする請
求項32記載の表示装置。 - 【請求項35】 光変調層は高分子分散液晶層であり、 前記高分子分散液晶層は、フッ素基を有する樹脂成分
と、クロル系のネマティック液晶成分からなり、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項32記載
の表示装置。 - 【請求項36】 第2の基板には、対向電極に積層され
て少なくとも1層の誘電体薄膜とが形成されており、 前記誘電体薄膜の屈折率は、前記ITO薄膜の屈折率よ
りも小さく、かつ、前記光変調層の屈折率よりも大き
く、かつ、屈折率は1.5以上1.8以下であり、 Nを1以上の奇数、Mを1以上の整数、λを光の設計主
波長としたとき、前記誘電体薄膜の光学的膜厚は、略
(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光学的膜厚は、
略(M・λ)/2であり、または、前記誘電体薄膜の光学
的膜厚は、略(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光
学的膜厚は、略(N・λ)/4であり、 前記誘電体薄膜は三酸化二アルミニウム(Al2O3)、
三酸化二イットリウム(Y2O3)、一酸化シリコン(S
iO)のいずれかの薄膜であることを特徴とする請求項
32記載の表示装置。 - 【請求項37】 マトリックス状に配置された画素電極
が形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された光散乱状態
の変化として光学像を形成する光変調層と、 前記画素電極または対向電極に形成されたカラーフィル
タと、 カラーフィルタが形成されていない方の電極に形成され
た誘電体薄膜とを具備し、 前記誘電体薄膜は各画素電極に対応してパターニングさ
れていることを特徴とする表示装置。 - 【請求項38】 誘電体薄膜は、紫外線を吸収し、 前記誘電体薄膜は、カラーフィルタの色に対応して膜厚
が規定されていることを特徴とする請求項37記載の表
示装置。 - 【請求項39】 誘電体薄膜は酸化チタン(TiO2)ま
たは一酸化ケイ素(SiO)であることを特徴とする請
求項37記載の表示装置。 - 【請求項40】 光変調層は高分子分散液晶層であり、 前記高分子分散液晶層は、フッ素基を有する樹脂成分
と、クロル系のネマティック液晶成分からなり、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項37記載
の表示装置。 - 【請求項41】 スイッチング素子上に樹脂からなる遮
光膜が形成されていることを特徴とする請求項37記載
の表示装置。 - 【請求項42】 対向電極上と画素電極上のうち少なく
とも一方に、光変調層の比抵抗よりも高い絶縁膜が形成
されていることを特徴とする請求項37記載の表示装
置。 - 【請求項43】 放電ランプを有する光発生手段と、 前記光発生手段から放射される光を複数の波長の光路に
分離する第1のダイクイックミラーまたはダイクロイッ
クプリズムと、 マトリックス状に配置された画素電極と、前記画素電極
に信号を印可するスイッチング素子と、前記スイッチン
グ素子をオンオフさせる信号を伝達する第1の信号線
と、前記画素電極に印可する信号を伝達する第2の信号
線とが形成された第1の基板と、対向電極が形成された
第2の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持さ
れた光散乱状態の変化として光学像を形成する光変調層
と、前記画素電極に、前記対向電極の電位に対して正極
性または逆極性の信号を順次印可する駆動手段と、前記
第1の基板側と第2の基板側のうち少なくとも一方に配
置された偏光手段とを具備し、前記駆動手段は、マトリ
ックス状に配置された画素電極に、一行もしくは複数行
ごとに極性が異なる第1の状態、または一列もしくは複
数列ごとに極性が異なる第2の状態となるように、画素
電極に信号を印可し、前記第1の状態の時は、前記偏光
手段の偏光軸が第2の信号線の形成方向と略一致させ、
前記第2の状態の時は、前記偏光手段の偏光軸が第1の
信号線の形成方向と略一致させていることを特徴とする
光変調手段と、 前記光変調手段で変調されて光を投射する投射手段とを
具備し、 前記光変調手段の偏光軸は、P偏光軸と略一致させてい
ることを特徴とする投写型表示装置。 - 【請求項44】 ライン方向および列方向にマトリック
ス状に配置された画素電極を有する表示手段と、第1の
フレーム中のプログレッシブ走査映像信号から奇数ライ
ン信号を取り出して前記表示手段上の奇数ラインに表示
し、当該第1のフレームに連続する第2のフレーム中の
プログレッシブ走査映像信号から偶数ライン信号を取り
出して前記表示手段上の偶数ラインに表示する第1の表
示制御手段とを有する光変調手段と、 発光体を有する光発生手段と、 前記光変調手段で変調した光を拡大投映する投写手段
と、 前記光変調手段の光入射側に配置される第1の絞り手段
と、 前記光変調手段の光出射側に配置される第2の絞り手段
と、 複数の入力部収束レンズを二次元状に配列してなる入力
部収束レンズアレイと、 前記複数の入力部収束レンズと同数で対を成す複数の中
央部収束レンズを二次元状に配列してなる中央部収束レ
ンズアレイと、 出力部収束レンズとを具備し、 前記光発生手段から出射する光は、前記入力部収束レン
ズアレイ、中央部収束レンズアレイ、出力部収束レンズ
を介して前記光変調手段に入射し、 前記第1の絞り手段は主として前記二次発光体の有効領
域を通過する光を選択的に通過せしめる開口形状を有
し、 前記入力部収束レンズの各々は対応する前記中央部収束
レンズの各々の主平面近傍に複数の二次発光体を形成
し、 前記中央部収束レンズの各々は前記出力部収束レンズと
相まって対応する前記入力部収束レンズの各々の主平面
近傍の物体の像の各々を重畳形態として前記光変調手段
の有効表示領域近傍に形成し、 前記出力部収束レンズは前記複数の二次発光体から出射
する光を前記投写手段に有効に到達せしめ、 前記第1の絞り手段は前記複数の二次発光体の近傍に配
置し、 前記第1の絞り手段と前記第2の絞り手段とは略共役の
関係であり、 前記第2の絞り手段は前記光変調手段の光変調層が光透
過状態において、前記第1の絞りを通過した光を選択的
に通過せしめる開口形状を有することを特徴とする投写
型表示装置。 - 【請求項45】 マトリックス状に配置された画素電極
が形成された第1の基板と、対向電極が形成された第2
の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に挟持された
高分子分散液晶層とを有し、前記高分子分散液晶層は、
フッ素基を有する樹脂成分と、クロル系のネマティック
液晶成分からなり、前記高分子分散液晶層の膜厚は5μ
m以上25μm以下であり、かつ、前記高分子分散液晶
層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワー
クの平均孔径が0.5μm以上3μm以下であることを
特徴とする光変調手段と、 発光体を有する光発生手段と、 前記光変調手段で変調した光を拡大投映する投写手段
と、 前記光変調手段の光入射側に配置される第1の絞り手段
と、 前記光変調手段の光出射側に配置される第2の絞り手段
と、 複数の入力部収束レンズを二次元状に配列してなる入力
部収束レンズアレイと、 前記複数の入力部収束レンズと同数で対を成す複数の中
央部収束レンズを二次元状に配列してなる中央部収束レ
ンズアレイと、 出力部収束レンズとを具備し、 前記光発生手段から出射する光は、前記入力部収束レン
ズアレイ、中央部収束レンズアレイ、出力部収束レンズ
を介して前記光変調手段に入射し、 前記第1の絞り手段は主として前記二次発光体の有効領
域を通過する光を選択的に通過せしめる開口形状を有
し、 前記入力部収束レンズの各々は対応する前記中央部収束
レンズの各々の主平面近傍に複数の二次発光体を形成
し、 前記中央部収束レンズの各々は前記出力部収束レンズと
相まって対応する前記入力部収束レンズの各々の主平面
近傍の物体の像の各々を重畳形態として前記光変調手段
の有効表示領域近傍に形成し、 前記出力部収束レンズは前記複数の二次発光体から出射
する光を前記投写手段に有効に到達せしめ、 前記第1の絞り手段は前記複数の二次発光体の近傍に配
置し、 前記第1の絞り手段と前記第2の絞り手段とは略共役の
関係であり、 前記第2の絞り手段は前記光変調手段の光変調層が光透
過状態において、前記第1の絞りを通過した光を選択的
に通過せしめる開口形状を有することを特徴とする投写
型表示装置。 - 【請求項46】 マトリックス状に配置された透明電極
と、前記透明電極に信号を印可するスイッチング素子
と、前記スイッチング素子に信号を伝達する信号線とが
形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板の間に挾持された高分子分
散液晶層と、 前記信号線と第1の基板の間に配置または形成された光
吸収手段とを具備することを特徴とする表示装置。 - 【請求項47】 マトリックス状に配置された透明電極
と、前記透明電極に信号を印可するスイッチング素子
と、前記スイッチング素子に信号を伝達する信号線と、
遮光膜とが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板の間に挾持された高分子分
散液晶層とからなり、 前記遮光膜は、前記スイッチング素子の半導体層と前記
第1の基板の間に配置または形成された光吸収手段とを
具備することを特徴とする表示装置。 - 【請求項48】 高分子層と接する面に、前記高分子分
散液晶層の比抵抗より高い比抵抗の絶縁膜が形成されて
おり、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項47記載
の表示装置。 - 【請求項49】 高分子分散液晶層は、フッ素基を有す
る樹脂成分と、クロル系のネマティック液晶成分からな
り、 前記高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上25μm以下
であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上3μm以下であることを特徴とする請求項47記載
の表示装置。 - 【請求項50】 第2の基板には、対向電極に積層され
て少なくとも1層の誘電体薄膜とが形成されており、 前記誘電体薄膜の屈折率は、前記ITO薄膜の屈折率よ
りも小さく、かつ、前記光変調層の屈折率よりも大き
く、かつ、屈折率は1.5以上1.8以下であり、 Nを1以上の奇数、Mを1以上の整数、λを光の設計主
波長としたとき、前記誘電体薄膜の光学的膜厚は、略
(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光学的膜厚は、
略(M・λ)/2であり、または、前記誘電体薄膜の光学
的膜厚は、略(N・λ)/4、かつ、前記ITO薄膜の光
学的膜厚は、略(N・λ)/4であり、 誘電体薄膜は三酸化二アルミニウム(Al2O3)、三酸
化二イットリウム(Y2O3)、一酸化シリコン(Si
O)、三酸化タングステン(WO3)、三弗化セリウム
(CeF3)、三弗化ランタン(LaF3)、三弗化ネオジ
ウム(NdF3)のいずれかの薄膜であることを特徴とす
る請求項47記載の表示装置。 - 【請求項51】 マトリックス状に配置された透明電極
と、前記透明電極に信号を印可するスイッチング素子が
形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された高分子分散
液晶層と、 前記透明電極と第1の基板間に、かつ、透明電極の周辺
部に配置または形成された光吸収膜とを具備することを
特徴とする表示装置。 - 【請求項52】 高分子分散液晶層と接する面に、前記
高分子分散液晶層の比抵抗より高い比抵抗の絶縁膜が形
成されていることを特徴とする請求項51記載の表示装
置。 - 【請求項53】 高分子分散液晶層の膜厚は5μm以上
25μm以下であり、 かつ、前記高分子分散液晶層の水滴状液晶の平均粒子径
もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μm
以上2μm以下であり、 前記高分子分散液晶層は、フッ素基を有する樹脂成分
と、クロル系のネマティック液晶成分からなることを特
徴とする請求項51記載の表示装置。 - 【請求項54】 光散乱状態の変化として光学像を形成
する光変調手段と、 前記光変調手段で変調された光を投射する投射手段と、 前記光変調手段の光入射側に配置された第1の偏光手段
と、 前記光変調手段の光出射側に配置された第2の偏光手段
とを具備し、 前記第1の偏光手段の偏光軸と前記第2の偏光手段の偏
光軸とが略一致していることを特徴とする投写型表示装
置。 - 【請求項55】 光散乱状態の変化として光学像を形成
する光変調手段と、 前記光変調手段で変調された光を投射する投射手段と、 前記光変調手段の光入射側に配置された偏光手段と、 偏光軸を有する偏光スクリーンとを具備し、 前記偏光手段の偏光軸と前記偏光スクリーンの偏光軸と
が略一致していることを特徴とする投写型表示装置。 - 【請求項56】 光発生手段と、 前記光発生手段から放射される光を複数の光路に分離す
る光分割手段と、 前記分離された光路に対応して配置された少なくとも第
1と第2の光変調手段と、 前記複数の光変調手段で変調さらた光を略同一位置に重
ね合わせて投射する投射手段とを具備し、 前記光変調手段は、複数の行ごとに同一極性の電圧を印
可し、かつ、複数の行が隣接する行には前記極性の電圧
と反対の極性となるように電圧を印可し、 前記第1の光変調手段の光学像と前記第2の光変調手段
の光学像とが重ね合わされたとき、第1の光変調手段の
任意に複数の行と、前記第1の光変調手段の任意の行に
重ね合わせされた複数の行において、少なくとも1つの
行に対応する画素行の印可する電圧の極性が反対極性で
あることを特徴とする投写型表示装置。
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