JPH11142813A - ドライブ回路、液晶表示パネル、駆動方法、製造方法および表示パネルを用いた表示装置 - Google Patents

ドライブ回路、液晶表示パネル、駆動方法、製造方法および表示パネルを用いた表示装置

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JPH11142813A
JPH11142813A JP30902697A JP30902697A JPH11142813A JP H11142813 A JPH11142813 A JP H11142813A JP 30902697 A JP30902697 A JP 30902697A JP 30902697 A JP30902697 A JP 30902697A JP H11142813 A JPH11142813 A JP H11142813A
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JP
Japan
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display panel
liquid crystal
light
power supply
circuit
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JP30902697A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示において高コントラスト表示を実現
すること。 【解決手段】アレイ基板は低温ポリシリコン技術で形成
し、各MOSトランジスタ素子は遮光膜上に形成する。
ソース信号線に印加するトランファゲートに接続された
インバータ電源とシフトレジスタ回路21とは別電源と
し、インバータ電源を高くする。また、電源配線とグラ
ンドパターン間にコンデンサを形成し、このコンデンサ
によりシフトレジスタ回路21の電源電圧を安定させ
る。液晶層として高分子分散液晶を用いる。 【効果】 ソース信号線に高電圧を印加できるため、画
素電極にも高い電圧を印加できる。したがって、高コン
トラスト表示を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は良好なコントラスト
および高輝度表示を実現できる表示パネル等および該表
示パネルを低コストで製造できる製造方法と、前記表示
パネルをライトバルブとして用いる投射型表示装置およ
びビューファインダ等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルはCRTに比較して、軽
量,薄型および低消費電力という特徴を有するため研究
開発が盛んである。近年では、ノートパソコンの表示画
面、ビデオカメラ等のモニタ、液晶プロジェクタ等に応
用されている。
【0003】これらの液晶パネルはアモルファスシリコ
ン技術で形成されている。そのため液晶表示パネルのド
ライブ回路をシリコンチップで形成し、液晶表示パネル
上に実装する必要がある。そのため高コストである。そ
のため、近年では低温ポリシリコン技術でドライブ回路
と表示領域を一体として形成する方法の研究開発が行な
われている。
【0004】また、液晶表示パネルは液晶の旋光特性を
利用したツイストネマティック(以後、TNと呼ぶ)液
晶が用いられている。
【0005】図54に示すTN液晶547を用いた液晶
表示パネルは、偏光板(偏光子)543aを用いて入射
光を直線偏光にする必要がある。また、液晶表示パネル
の出射側にも液晶表示パネルで変調された光を検出する
ため、偏光板(検光子)543bを配置する必要があ
る。つまり、TN液晶表示パネルの前後には光を直線偏
光にするための偏光子543aと、変調された光を検出
するための検光子543bの2枚の偏光板543を配置
する必要がある。液晶表示パネルの画素開口率を100
%とし、偏光子543aに入射する光量を100とする
と、偏光子543aより出射する光量は40%、液晶表
示パネルの透過率は80%、検光子543bの透過率は
80%であるから、全体としての透過率は0.4×0.
8×0.8=約25%となり、25%の光しか有効に利
用できない。したがって、TN液晶表示パネルでは低輝
度画像表示しか実現できない。
【0006】また、図55に示すように液晶表示パネル
は、アレイ基板545上にマトリックス状に画素電極5
52が形成される。また前記画素電極552にはスイッ
チング素子としての薄膜トランジスタ(以後、TFTと
呼ぶ)が付加されている。対向基板544にはモザイク
状のカラーフィルタ546およびITOからなる対向電
極551が形成されている。対向電極551と画素電極
552間には液晶層547が狭持されている。
【0007】図54の全体は従来の液晶投射型装置(以
後、液晶プロジェクタと呼ぶ)の構成図である。メタル
ハライドランプ541a、凹面鏡541bおよび紫外線
および赤外線(UVIR)カットフィルタ541cより
光源は構成される。メタルハライドランプ541aから
放射された光は凹面鏡541bで反射されて、フィール
ドレンズ542でライトバルブとしての液晶表示パネル
548に導かれる。液晶表示パネル548で変調された
光は投射レンズ549でスクリーン(図示せず)等に投
射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、TN
液晶を用いる液晶表示パネルは光変調を行うのに偏光板
を用いる必要があるため、光利用率が悪く、偏光板を用
いない高分子分散液晶を用いれば光利用率が高くなる
が、高コントラスト表示を行うためには液晶層を厚くし
て散乱特性を良好にする必要がある。しかし、液晶層を
厚くすると画素に印加する駆動電圧が高くなるため、駆
動するドライバ回路の電源電圧を高くしなければならな
いという課題がでる。
【0009】また、低温ポリシリコンで作製したドライ
バ回路は点順次駆動を行うためシフトレジスタの動作に
応じて、パネル状に電源配線に電流が流れる。電源配線
抵抗を低くするためには太い配線にすればよいが、パタ
ーン上不可能である。したがって、電源配線による電圧
降下によりドライバ回路の動作が不安定となるという課
題が生じる。
【0010】また、低温ポリシリコン技術で作製したト
ランスファゲート等のゲート回路はモビリティが悪いた
め、オン抵抗が高い。そのためソース信号線の充電に要
する時定数が長いという課題もある。モビリティが悪い
ため映像信号は相分割して液晶表示パネルに印加する必
要がある。各相分割された信号の振幅は互いに微妙に異
なるという課題も発生する。振幅が異なると画面上に筋
が表示され、表示状態を劣化させる。さらにドライバ回
路の温度依存性が大きいため、温度により画像の表示開
始位置がずれるという課題もある。
【0011】また、樹脂のカラーフィルタを有する液晶
表示パネルをライトバルブとして用いた液晶プロジェク
タは色純度が悪くAV表示には不向きという課題もあ
る。色純度が悪いと画像にコントラスト感がなく白っぽ
い表示となる。
【0012】本発明は以上の従来の課題を解決し、高コ
ントラスト、高品位表示を実現する液晶表示パネルおよ
びそれを用いた液晶プロジェクタ等を提供するものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の表示パネルはド
ライバ回路を低温ポリシリコン技術で形成する。ドライ
バ回路は第1の電源電圧と第2の電源電圧で駆動する。
ソースドライバ回路ではシフトレジスタは第1の電源電
圧で駆動し、ソース信号線に接続されたトランスファゲ
ートおよびそれを駆動するインバータ回路は第2の電源
電圧で駆動される。なお、第2の電源電圧は第1の電源
電圧(絶対値)は高くされる。
【0014】また、ゲートドライバ回路ではシフトレジ
スタもしくはセレクタ回路は第1の電源電圧で駆動さ
れ、ゲート信号線に接続されたインバータのゲートに接
続されインバータは第2の電源電圧で駆動される。
【0015】また、本発明の表示パネルの電源配線はグ
ランドパターンと誘電体膜と介して形成されている。前
記グランドパターンと電源配線はコンデンサの電極とな
る。そのため、ドライバ回路への急激な電離電流の流入
があっても、コンデンサに電荷がたくわえられているた
め、電源配線抵抗により電源電圧降下を引きおこすこと
がない。また、好ましくはグランドパターンは第1およ
び第2のグランドパターンで形成されている。そのた
め、グランドパターンと電源配線とがショートしても容
易にショート箇所を切りはなすことができ、歩留まりを
向上できる。
【0016】また、本発明の表示パネルはコンデンサチ
ップ等に突起電極を形成し、前記突起電極はアレイ基板
上に形成されたITO電極と導電性接合層を介して接続
される。前記ITO電極はドライバ回路等の電源配線と
接続されている。
【0017】ドライブ回路はシフトレシスタの動作に応
じてオンオフし、その時にパルス状に電源配線に電流が
流れる。低温ポリシリコン技術は大容量のコンデンサを
形成することが技術的に困難であるため、パルス状に電
源配線に電流がながれると、電源電圧がさがり、シフト
レシスタ等の動作が不安定となる。コンデンサチップ等
を実装することにより電源電圧を安定させることができ
る。
【0018】本発明の表示パネルはソース信号線の一端
にブランキング時内に電圧を印加できるゲート回路を形
成している。ゲート回路のゲート端子に正電圧を印加す
ることにより、各ソース信号線に所定電圧が書き込まれ
る。前記ゲート回路のあらかじめ所定電圧を一端子に印
加しておくことにより、ソース信号線への書き込み時間
を短縮する。
【0019】また、本発明の表示パネルには薄膜抵抗が
複数形成されている。前記薄膜抵抗は増幅率あるいは信
号振幅を調整することに用いられる。
【0020】通常、低温ポリシリコン技術で作製される
トランジスタはモビリティが低い、そのため、XGAあ
るいはSXGAの信号を液晶表示に入力して画像を表示
するには、信号を分割処理する必要がある。しかし、こ
の信号振幅はそれぞれ微妙に異なるため振幅値あるい
は、増幅値の調整を行う必要がある。
【0021】本発明の表示パネルは前記薄膜抵抗をレー
ザトリミングすることにより振幅値あるいは増幅値の調
整を行う。薄膜抵抗の表面にはガラス質の材料からなる
オーバコートを形成している。
【0022】また、低温ポリシリコンの問題点はドライ
ブ回路の温度依存性が大きい点である。温度によりドラ
イブ回路を形成するインバータ、あるいはナンド(NA
ND)等のゲート回路のオンオフ特性が異なる。そのた
め信号を遅延時間に温度特性依存性がでるため、特に画
面の左右方向で表示の開始位置がずれる。
【0023】本発明の表示パネルはドライブ回路にサー
ミスタ等の温度センサをはりつけドライブ回路の温度を
検出し、前記温度センサの出力からカウンタのカウンタ
数を変化させ、表示開始位置が一定となるようにしてい
る。また、ドライブ回路に放熱板を取りつけ、放熱特性
を良好にしている。温度センサとはその他白金抵抗、放
射温度センサ、熱電対、ポジスタなどが例示される。
【0024】カラーフィルタを取りつけた液晶表示パネ
ルをライトバルブとして用いる液晶プロジェクタの問題
点は色純度が悪い点である。特に赤色が悪い。これはカ
ラーフィルタは樹脂で形成されているため、含有する色
素の影響で、赤色のカラーフィルタの領域を緑色の光が
一部透過するためである。
【0025】本発明の表示パネルはカラーフィルタの3
原色のうち少なくとも一色、特に赤色のカラーフィルタ
を光学的薄膜を積層して形成している。そのため、赤色
の色純度は良好である。なお、他の緑等のカラーフィル
タは樹脂で形成する。したがって安価である。
【0026】低温ポリシリコン技術ではアモルファスシ
リコン薄膜を蒸着し、前記アモルファスシリコン膜にレ
ーザを照射することにより結晶化させる。その際、温度
管理は重要である。温度管理を適正に行うことによりモ
ビリティーの高いポリシリコン膜を形成できる。
【0027】本発明ではMOSトランジスタを形成する
領域にCr等で金属薄膜を形成する。前記金属薄膜は遮
光膜にもなる。金属薄膜を形成後にアモルファスシリコ
ン膜を形成する。エキシマレーザ等でアニールする際に
(あるいは前後に)、交流電界を基板に印加し、前記金
属薄膜にうず電流を発生させる。このうず電流により前
記金属薄膜は加熱されて、さらに、その金属薄膜の上層
のアモルファス膜の温度も上昇させる。このように温度
を所定値にした状態でレーザアニールすることにより、
金属薄膜上で均一かつ、高モビリティのポリシリ膜を形
成することができる。
【0028】液晶パネルの問題点に画像の応答性が遅い
点がある。近年では液晶の応答時間が改善されて、表示
状態も良好になりつつあるが、まだまだ動画像の表示は
不十分である。この原因の一つに、各画素1フレーム
(もしくは1フィールド)期間、電荷を保持する点が考
えられる。つまり、各画素はメモリ性をもっているた
め、応答性が遅く感じられるのである。CRT等は電子
ビームで書き込むため表示は残光表示である。したがっ
て、動画像を表示しても良好である。
【0029】本発明の液晶表示パネル(PDP(プラズ
マディスプレイ)、有機ELにも応用できる)では入力
した映像信号をA/D変換し、一時メモリに保持する。
保持したデータを倍速で読み出し、液晶表示パネルに倍
速で書き込む。残りの1/2フレーム(もしくは1/2
フィールド)の期間は倍速で黒表示を液晶表示パネルに
書き込む。以上のように倍速で書き込みまた、黒表示−
画像表示−黒表示−画像表示とすることにより、動画表
示状態が良好となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は本発明の表示パネルの
説明図である。点線の範囲は表示領域13であり、表示
領域13にはTFT554と、共通電極19及び画素電
極を電極として形成された付加容量14と、対向電極5
51及び画素電極間に狭持された液晶層15とが形成ま
たは配置されている。なお、本発明では主とし液晶層1
5としてPD液晶で構成する。
【0031】PD液晶の動作について図57(a)
(b)を用いて簡単に説明する。図57(a)(b)は
PD液晶の動作の説明図である。図57(a)(b)に
おいて、樹脂成分(ポリマー)572中には水滴状の液
晶(以後、水滴状液晶571と呼ぶ)が分散されてい
る。画素電極552にはTFT(図示せず)等が接続さ
れ、TFTのオン、オフにより画素電極552に電圧が
印加されて、画素電極552上の液晶配向方向を可変さ
せて光を変調する。図57(a)に示すように電圧を印
加していない状態では、それぞれの水滴状液晶571中
の液晶分子は不規則な方向に配向している。この状態で
はポリマー572と水滴状液晶(液晶成分)571とに
屈折率差が生じ、入射光は散乱する。
【0032】ここで図57(b)に示すように、画素電
極552に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろう。
液晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじ
めポリマー572の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずに対向基板544より出射する。
【0033】なお、図1ではスイッチング素子はTFT
の他、リングダイオード、MIM等の2端子素子、ある
いはバリキャップ、サイリスタ、MOSトランジスタ、
FET等であってもよい。また、スイッチング素子とは
プラズマにより液晶層に印加する電圧を制御するプラズ
マアドレッシングのようなものも含まれる。
【0034】また、本発明の表示パネルはドライバ(ド
ライブ)回路と画素のスイッチング素子を同時に形成し
たものであるので、低温ポリシリコン技術で形成したも
の他、高温ポリシリコン技術あるいはシリコンウエハな
どの単結晶を用いて形成したものも技術的範囲にはい
る。また、画素電極は透明電極で形成されたもののほ
か、金属薄膜で形成された反射型(方式)等も含む。画
素電極は透明電極で形成されたもののほか、金属薄膜で
形成された反射型(方式)等も含む。
【0035】TFT等を形成するアレイ基板545はガ
ラス基板であり、コーニング社の7059を用いてい
る。また、その板厚は1.1mmである。なお、基板5
44、545等はセラミック基板、シリコン基板、樹脂
基板、樹脂フィルム、金属基板、石英基板であってもよ
い。
【0036】対向電極551は透明電極で形成され、材
料としては酸化インジウム、ITO等が例示される。前
記対向電極551と画素電極552間にはPD液晶57
3が狭持されている。本発明の液晶表示パネルに用いる
液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック液
晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2種
類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であってもよい。
【0037】なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニル系のネマティック液晶、または、経時変化に安
定なトラン系、クロル系のネマティック液晶が好まし
く、中でもトラン系のネマティック液晶が散乱特性も良
好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。
【0038】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
散乱特性が良好な液晶層(光変調層)15を作製でき、
経時変化も生じ難く好ましい。
【0039】また、前記液晶材料は、常光屈折率n0
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率n0が1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.20以上0.30以下のものとを用いることが好ま
しい。n0,△nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くな
る。n0,△nが小さければ耐熱、耐光性はよくなる
が、散乱特性が低くなり、表示コントラストが十分でな
くなる。
【0040】以上のことおよび検討の結果から、光変調
層15の構成材料として、常光屈折率n0が1.50か
ら1.53、かつ、△nが0.20以上0.30以下の
トラン系のネマティック液晶を用い、樹脂材料としてフ
ッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂を採用することが
好ましい。
【0041】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0042】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0043】また、重合を速やかに行う為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0044】なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印加された時に液晶分子が一方向に配向
し、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂の
屈折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈折
率npとnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印加して
も完全に液晶層が透明状態とならず、表示輝度は低下す
る。屈折率npとnoとの屈折率差は0.1以内が好まし
く、さらには0.05以内が好ましい。
【0045】PD液晶層15中の液晶材料の割合はここ
で規定していないが、一般には30重量%〜90重量%
程度がよく、好ましくは60重量%〜90重量%程度が
よい。30重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散
乱の効果が乏しい。また90重量%以上となると高分子
と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割
合は小さくなり散乱特性は低下する。PD液晶層15の
構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量%以
下では液晶滴は独立した水滴状(ドロップレット)とし
て存在し、50重量%以上となると高分子と液晶が互い
に入り組んだ連続層となる。
【0046】水滴状液晶の平均粒子径または、ポリマー
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0μm
以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以上2
μm以下が好ましい。PD液晶表示パネルが変調する光
が短波長(たとえば、B光)の場合は小さく、長波長
(たとえば、R光)の場合は大きくする。水滴状液晶の
平均粒子径もしくはポリマー・ネットワークの平均孔径
が大きいと、透過状態にする電圧は低くなるが散乱特性
は低下する。小さいと、散乱特性は向上するが、透過状
態にする電圧は高くなる。
【0047】本発明にいうPD液晶とは、液晶が水滴状
に樹脂中に分散されたもの(図57参照)、樹脂がスポ
ンジ状(ポリマーネットワーク)となり、そのスポンジ
状間に液晶が充填されたもの等が該当し、他に特開平6
−208126号公報、特開平6−202085号公
報、特開平6−347818号公報、特開平6−250
600、特開平5−284542、特開平8−1793
20に開示されているような樹脂が層状等となっている
のも包含する。また、特公平3−52843号公報のよ
うに液晶がカプセル状の収容媒体に封入されているもの
も含む。さらには、液晶または樹脂572中に二色性、
多色性色素を含有されたものも含む。また、類似の構成
として、特開平6ー347765号公報もあり、これら
もPD液晶を呼ぶ。さらに、液晶層は一層ではなく2層
以上に多層に構成されたものも含む。
【0048】なお、液晶層15はPD液晶としたが、か
ならずしもこれに限定するものではなく、TN液晶層あ
るいはゲストホスト液晶層ホメオトロピック液晶層、強
誘電液晶層、反強誘電液晶層、コレステリック液晶層で
あってもよい。また、本発明のドライバ構成の発明であ
るから同様のドライバ構成をもつプラズマディスプレイ
(PDP)、有機ELディスプレイにも適用される。
【0049】液晶層15の膜厚は5〜20μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に
厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなり、TFT
554をオンオフさせる信号を発生するXドライバ1
2、ソース信号線555に映像信号を印加するYドライ
バ553の設計などが困難となる。
【0050】液晶層15の膜厚制御としては、黒色のガ
ラスビーズまたは黒色のガラスファイバー、もしくは、
黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂ファイバーを用い
る。特に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファ
イバーは、非常に光吸収性が高く、かつ、硬質のため液
晶層15に散布する個数が少なくてすむので好ましい。
【0051】図27に示すように画素電極552と液晶
層15間および、液晶層15と対向電極551間に絶縁
膜271a,bを形成することは有効である。絶縁膜2
71としてはTN液晶表示パネル等に用いられるポリイ
ミド等の配向膜、ポリビニールアルコール(PVA)等
の有機物、SiO2、SiNx、Ta23等の無機物が
例示される。好ましくは、密着性等の観点からポリイミ
ド等の有機物がよい。
【0052】PD液晶は液晶分子を配向させる必要がな
いため、配向膜は必要がない。しかし、TN液晶と比較
してPD液晶層15は比較的、比抵抗が低い。そのため
画素電極552に印加された電荷を1フィールド(1/
30または1/60秒)の時間のあいだ完全に保持でき
ない場合がある。保持できないと液晶層15が完全に透
明状態とならず、表示輝度が低下する。ポリイミド等の
有機物からなる薄膜は比抵抗が非常に高い。したがっ
て、有機物からなる薄膜を電極上に形成することにより
電荷の保持率を向上できる。そのため、高輝度表示およ
び高コントラスト表示を実現できる。
【0053】PD液晶15はぬれ性が悪いという問題も
ある。対向電極551と液晶層15とは熱収縮率が異な
る。絶縁膜271は液晶層15を電極とが剥離するのを
防止する効果もある。前記絶縁膜271が接着層および
緩衝層としての役割をはたし、基板544、542と液
晶層15との剥離が発生しにくくなる。
【0054】また、有機物からなる絶縁膜271を形成
すれば、液晶層15のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。これは対向電極551、画素電極552上に有機
残留物がのこっていても絶縁膜271で被覆するためと
考えられる。被覆の効果はポリイミドよりもPVAの方
が良好である。これはポリイミドよりもPVAの方がぬ
れ性が高いためと考えられる。しかし、パネルに各種の
絶縁膜271を作製して実施した信頼性(耐光性、耐熱
性など)試験の結果では、TN液晶の配向膜等に用いる
ポリイミドを形成した表示パネルは経時変化がほとんど
発生せず良好である。PVAの方は保持率等が低下する
傾向にある。そのため、ポリイミドを絶縁膜271とし
て用いることが好ましい。
【0055】なお、有機物で絶縁膜271を形成する
際、その膜厚は0.02μm以上の0.1μmの範囲が
好ましく、さらには0.03μm以上0.08μm以下
が好ましい。
【0056】図1のYドライバ回路11は複数の入力端
子17をもつ。また同様にXドライバ回路12も複数の
入力端子18をもつ。Yドライバ回路11はソース信号
線555に映像信号を出力し、また、Xドライバ回路1
2はゲート信号線553にTFT554をオンオフさせ
る信号を出力する。
【0057】Yドライバ回路11は図2に示す構成であ
る。図中CKINVはクロックドインバータであり、図
3(b)で示す等価回路の構成である。また、2個のP
チャンネルMOSトランジスタと、2個のnチャンネル
とMOSトランジスタで構成される。また、NANDは
ナンドであり図4(b)で示す等価回路の構成である。
先と同様に2個のPチャンネルMOSトランジスタと、
2個のnチャンネルMOSトランジスタから構成され
る。TGはトランスファーゲートであり図5(b)に示
すように、1個のPチャンネルMOSトランジスタと1
個のnチャンネルMOSトランジスタから構成される。
図2中のINVはインバータであり図6(b)で示され
るように、それぞれ1個のnチャンネルとPチャンネル
のMOSトランジスタで構成されている。
【0058】本発明の表示パネルは縦768ドット横1
024ドットのXGAパネルであり、シフトレジスタ等
のモビリティ(μ)の特性から映像信号をSG1〜SG
8の8分割して入力している。したがって、シフトレジ
スタが1つデータを転送するごとに8つのTGがオンも
しくはオフ状態となる。
【0059】Yドライバ回路11は大きくわけてシフト
レジスタ回路21とバッファ回路22から構成される。
シフトレジスタ回路21はスタートパネルをSY端子に
印加し、クロック端子CYA,CYBに互いに逆位相の
クロック信号を印加することにより、スタートパルス
(データ)比順次転送する。GONB端子は通常Hレベ
ルに保持される。GONB端子をLレベルにすれば、す
べてのソース信号線に接続されたTGはオン状態とな
る。各TGには映像信号が印加され、INVの出力によ
りTGがオンし、前記映像信号をソース信号線Sに書き
込む。バッファ回路22は主としてINVとTGで構成
される。INV1c,1d,1eはNANDの出力をT
Gに伝達するために配置される。
【0060】通常、TGはソース信号線の容量10〜2
0PFを100〜300nsec期間内に充電する必要
があるため、オン抵抗を小さくする必要がある。そのた
め、チャンネル長Lに対して、チャンネル幅Wが大き
い。1例としてチャンネル長Lが10μmに対し、Pチ
ャンネルのMOSトランジスタでは200〜500μm
である。しかし、Wが大きくなると、TGのゲート
(G)端子の入力容量が大きくなり、ゲート(G)端子
に接続されたINV1c,INV1eも大きくなってし
まう。TGの大きさはパネルサイズとも関係する。パネ
ルサイズが大きくなれば、ソース信号線の時定数も大き
くなりTGも大きくする必要があるからである。検討の
結果、パネルの対角長をd(インチ)TGのPチャンネ
ル長L(シングルゲート時、ダブルゲート時は2倍)、
Pチャンネル幅をWとしたとき、以下の数式を満足する
必要があった。
【0061】
【数1】
【0062】さらにPチャンネルのモビリティをμとす
ると、以下の数式の範囲が良好である。
【0063】
【数2】
【0064】中でも実験等の結果から(数3)の範囲が
最適と考えられる。
【0065】
【数3】
【0066】図2では説明を容易にするために、INV
1eは図6に示すように単なるインバータとして説明し
てきたが、実際は図8に示す構成である。なお説明を容
易にするためにTGはTG1とし、図8に示すa端子は
INV1dの出力と接続されているとする。
【0067】INV1eはインバータ回路81と昇圧回
路82から構成される。昇圧回路82は4個のPチャン
ネルMOSトランジスタと2個のnチャンネルMOSト
ランジスタから構成され、電源電圧は+V2と−V1電源
に接続されている。一方インバータ回路81は+V1
源と−V1電源に接続されている。一方インバータ回路
81は+V1電源と−V1電源に接続されている。
【0068】電源は+V2は+V1に対し、V2>V1なる
関係がある。+V1および−V1電源電圧はシフトレジス
タ回路21の電源電圧でもある。つまりシフトレジスタ
回路21は、比較的低い電圧で駆動され、INV1e
(あとで説明するがZNV1cも)等のTGのゲートに
接続されるものが高い電圧とされる。これは以下の理由
による。
【0069】低温ポリシリコンで形成されたMOSトラ
ンジスタはゲート絶縁膜の特性に問題が生じやすく、そ
のため電源電圧を高くすると、電荷注入等の問題が生じ
て特性劣化をおこしやすい。この現象は特にACストレ
スが強い場合、駆動周波数が高い場合に生じやすい。シ
フトレジスタは比較的駆動周波数が高く、クロック等に
よりパルス状の信号が印加される。そのためACストレ
ス等により劣化が生じやすい。一方、TGおよびそれを
駆動するINVは動作速度も遅く、ACストレスも強く
はない。また、TGのゲート(GおよびネガティブG)
端子に入力する電圧が高いほどTGのオン抵抗は低下
し、ソース信号線に高い電圧をより速く書き込むことが
できる。ソース信号線に高い電圧を書き込めれば、画素
電極に高い電圧を書き込むことができ、PD液晶層15
の膜厚が厚くとも駆動できるから、高コントラスト表示
を実現できる。
【0070】したがって、本発明ではTGのゲートを駆
動するINVもしくはバッファ回路22の電源電圧もし
くは電源電圧の絶対値を、シフトレジスタ回路21の電
源電圧よりも高くなる。このように構成することにより
高コントラスト表示、ひいては高品位表示を実現でき
る。
【0071】なお、TGは少なくともLDD(ロードー
ピングドレイン)構造を採用する。またMOSトランジ
スタを形成後、500〜650度のアニール1〜2時間
を行うとよい。アニールを行うことにより特性劣化をお
こしにくくなる。また、TGは図5に示す。構成とした
が、これに限定するものではなく図59に示すように1
個のnチャンネルMOSトランジスタでTGを構成して
もよい。また、図59に示すようにTGを駆動するIN
V591の電源電圧を+V2(−V2)とし、前記INV
591のゲートに接続されたINV592の電源電圧を
+V1(−V1)としてもTGのゲートに入力する電圧を
高くできることは言うまでもない。また、図8は正方向
の電源電圧を昇圧する構成であったが、図10(a)に
示す構成を採用することにより負方向の電源電圧を昇圧
することができる。なお、図10(b)は正方向の電圧
(振幅)を昇圧する構成である。
【0072】図1のXドライバ回路12の構成を図7に
示す。Xドライバ回路12にも大きくわけてRSフリッ
プフロップ等からなるシフトレジスタ回路71およびバ
ッファ回路72からなる。シフトレジスタ回路71はS
X端子に印加されたスタートパルスをクロック端子CX
A,CXBに印加されたクロックで順次シフトしてい
く。なお、CXAとCXBに印加されるクロックは1水
平期間(1H)ごとに交互に入力される。RSフリップ
フロップの出力はINVに入力され、NANDおよびI
NV等を介してオンオフバッファ73(INV)のゲー
トに入力される。オンオフバッファ73はPチャンネル
のMOSトランジスタの一端子がTFTをオンする電圧
(Von)配線に接続され、nチャンネルとのMOSト
ランジスタの一端子がTFTをオフする電圧(Vof
f)配線に接続されている。オンオフバッファ73のゲ
ート端子にHレベル電圧が加わることによりnチャンネ
ルのMOSトランジスタがオンし、各ゲート信号線にオ
フ電圧(Voff)が印加される。
【0073】また、オンオフバッファ73のゲートにL
レベル電圧が加わることにより、PチャンネルMOSト
ランジスタがオンし、各ゲート信号線にオン電圧(Vo
n)が印加される。
【0074】Xドライバ回路12でもYドライバ回路1
1と同様にオンオフバッファ73に信号を印加するイン
バータINV*dは昇圧回路が組みこまれている。各イ
ンバータINV*dは説明を容易にするためにここでは
INV1dを例にあげて説明をする。*は1〜5であ
る。
【0075】INV1dおよびオンオフバッファ73の
MOS等価構成を図9に示す。INV1dはインバータ
91と昇圧回路92から構成される。ただし、論理的に
インバータ機能がはいる場合は、論理(インバータの回
数)を考慮しなければならない。図8と図9の差異は+
2がVonに−V1がVoffに替わった点である。図
9の構成をとることにより、シフトレジスタは+V1
−V1電圧の比較的低電圧で駆動し、オンオフバッファ
73とそれを駆動するインバータ等を高い電圧Von,
Voffで駆動することができる。そのため液晶表示パ
ネルのゲート信号線に高い電圧(Von>+V1,Vo
ff<−V1)を印加することができ、画像TFTのオ
ン抵抗を十分低減でき、かつ、画素電極に高い映像信号
を印加できる。したがって、PD液晶層15の膜厚を厚
くでき高コントラスト表示を実現できる。なおドライバ
回路においても図10(a)の構成を適用することがで
きる。
【0076】以上のXドライバ回路12およびYドライ
バ回路11の構成は液晶表示パネルを例示して説明した
が、これに限定されるものではない。たとえばプラズマ
ディスプレイ(PDP)、ELディスプレイ等また、単
純マトリックス型液晶表示パネル等にも適用できる。
【0077】低温ポリシリコンあるいは高温ポリシリコ
ン等の1つの基板上に画素領域と前記領域を駆動するド
ライバ回路を同時に形成するデバイスで問題になる点
に、電源配線の安定度があげられる。ドライバ回路1
1,12等はシフトレジスタの動作に応じてパルス的に
電流を消費する。パルス状の電流は電源配線を流れる。
アクティブマトリックス2型液晶表示パネル等では、ド
ライバ回路をシリコンチップで形成し、後付けして実装
し、また、電源配線等も太くできるから前記パルス状の
電流が流れても問題が生じにくい。または、パルス状の
電流が流れないように形成できる。低温ポリシリコンパ
ネル等では電源配線も細く、かつドライバ回路の性能も
わるい。そのため、どうしても電源配線にパルス状の電
流が流れやすい。パルス状の電流は配線に電圧降下を発
生させる。電圧降下が生じるとシフトレジスタ等が誤動
作をおこす。
【0078】本発明は前記電源配線の電圧降下を防止す
るために、図11、図12に示すようにグランドパター
ンと電源配線でコンデンサを形成している。このコンデ
ンサによりパルス電流を吸収する。
【0079】グランドパターン121は電源配線の下層
または上層に形成されており、所定電位(たとえばGN
D電位,液晶表示パネルであれば共通電極19電位)に
固定されている。グランドパターン121は121aと
121bの2つからなり、図11に示すように互いにく
し状に配置されている。またグランドパターン121a
と121bは電気的に分離されている。グランドパター
ン121上にはSiO 2,SiNX1 Ta23等の誘電
体膜122が1000〜3000オングストローム形成
されている。誘電体膜122は薄い方がよいがあまり薄
いとピンホールが生じてしまう。前記誘電体膜122上
に各電源配線123が形成されている。また電源配線1
23の酸化等を防止するために電源配線123上にはS
iNX,SiOX等の保護膜124が形成されている。
【0080】コンデンサは電源配線123とグランドパ
ターン121を両電極として形成される。このコンデン
サによりパルス状の電流を平滑させて、電源配線の電圧
降下を防止する。これらのコンデンサはドライバ回路1
1,12の直前に形成されるため、その効果は大きい。
【0081】しかし、誘電体膜122にピンホール11
1が発生し、電源配線123とグランドパターン121
間がショートする可能性がある。図11のピンホール1
11は電源配線123aとグランドパターン121a間
に発生したものである。電源配線123がグランドパタ
ーンとショートすると電源配線の電位がグランドパター
ンの電位と同一になり、電流を給電することができな
い。その時は図11に示すようにピンホール111の発
生箇所を検出し、レーザ光等を用いてBB’線でグラン
ドパターン121aの一部を切断する。グランドパター
ンを121aと121bに分離したのは、この切断を行
うことにより発生したピンホール111による不良発生
を除去するためである。なお、ピンホールの発生箇所
は、グランドパターン121aと電源配線123aの一
端間との抵抗値を測定することにより、ほぼ発生箇所を
特定することが出来る。発生箇所を特定すれば発生箇所
の確定は目視検査により行う。ピンホールを目視により
検出できない場合は、発生していると思われる箇所近傍
のグランドパターン121aのくし部を順次切断してい
けばよい。
【0082】また、グランドパターン121aと電源配
線123a間に大きな電流を流すことによりピンホール
111部で発熱するから、電源配線123上に液晶材料
等、温度により変化する材料を塗布しておけばピンホー
ル箇所は容易に目視検査により発見できる。またふく射
温度計によってもピンホール111箇所を特定すること
ができる。
【0083】以上は電源配線123とグランドパターン
121でコンデンサを形成する方法であった。さらにコ
ンデンサ容量が必要な場合は、図13に示すようなチッ
プコンデンサ131をアレイ基板545上に直接実装す
る。チップコンデンサ131は積層セラミックで構成さ
れており、裏面にコンデンサの端子となるAlで形成さ
れた電極132が形成されている。電極132にはAu
からなる50〜200μmの高さの突起電極133が形
成されている。
【0084】一方、アレイ基板545にはITO電極1
35が形成され、前記ITO電極135はAl配線13
7と薄膜136を介して接続されている。薄膜136を
形成するのはITO電極135と配線137のAlとが
直接接触しないようにするためである。これはITOと
Alとが接触すると電池となり腐食するからである。薄
膜136の材料としてはTi,Cr等である。
【0085】突起電極133とITO電極135とは導
電性接合層134を介して電気的に接続をする。前記導
電性接合層134は接着剤としてアクリル系,フェノー
ル系を主剤とし、Ag,Au,Ni,C,SnO2など
のフレーク混ぜたものであり、転写等の技術を用いて突
起電極133上に形成する。
【0086】導電性接合層134とITO電極135と
の接続は、突起電極133に導電性接合層134を形成
し、ITO電極135と突起電極133とを位置あわせ
する。この際、アレイ基板545の裏面Cから突起電極
133位置を検出しながら行う。ITO電極135は透
明であるため良好に位置あわせを行える。
【0087】位置あわせ後、チップコンデンサ131を
押圧した後、電気オーブン,ヒートコラム等を用いて加
熱接着法にて導電性接合層134を硬化させる。この際
まず120度で仮硬化してから、150〜200度の温
度で本硬化を行うとよい。
【0088】なお、ITO電極135部にAl膜が形成
されている場合は、前記導電性接合層134としてIn
Snを用いAl膜と合金接続を行う。また導電性接合層
134の樹脂成分として紫外線(UV)硬化樹脂が用い
られている場合は、基板545の裏面から紫外線を照射
することにより硬化を行う。
【0089】なお、チップコンデンサ131の表面には
フェノール樹脂等を用いて封止する(封止樹脂60
2)。封止樹脂602を形成することにより、チップコ
ンデンサ131等が剥離することがなくなり、また導電
性接合層134の接着強度も強化される。
【0090】以上のように、アレイ基板545に形成さ
れた電源配線123,配線137等に直接チップコンデ
ンサ131を実装することにより電源配線123等の電
圧降下が少なくなり安定化し、大きな効果がある。な
お、本発明の技術は説明を容易にするため液晶表示パネ
ルを例にあげて説明をしているが、これに限定するもの
ではなく、他のポリシリコン技術(低温ポリシリコン,
高温ポリシリコン,単結晶シリコン,多結晶シリコン)
で形成したパネルに適用されるものである。たとえば当
然のことながら反射型の表示パネルにも適用される。以
後に示す本発明についても同様である。
【0091】またチップコンデンサ131の挿入位置と
しては電源配線123にかぎらず、液晶表示パネルの対
向電極551とGND間に挿入することも大いに効果が
ある。
【0092】ここで本液晶表示パネルの信号処理回路に
ついて図14を用いて説明をしておく。図14は本発明
の信号処理回路のブロック図である。水平同期信号(以
後HS信号と呼ぶ)、垂直同期信号(以後VS信号と呼
ぶ)および映像信号(SIG)は相展開回路143に入
力される。相展開回路143は映像信号(SIG)を本
発明では8相に相展開する。これは本発明のドライバ回
路11は低温ポリシリコン技術で形成しているためモビ
リティ(μ)が低く、相展開(分離処理)しなければ画
像表示を行うことができないからである。
【0093】一方、HS信号は位相ロックループ(PL
L)回路142に入力され、PLL回路142はクロッ
クを発生させる。このクロックにより相展開回路143
は相展開され、また、γ処理回路144はγ処理等を行
う。
【0094】相展開回路143で相展開された信号はγ
処理回路144でγ処理され、液晶を交流駆動するため
に反転処理回路145で極性反転信号が形成される。極
性反転処理された信号はYドライバ回路11に入力され
る。一方、クロック(CLK)はパネルクロック発生回
路146でSY,CYA,CYB,SX,CXA,CX
Bの信号が作られ、Yドライバ回路11およびXドライ
バ回路12に入力される。
【0095】図15は本発明の液晶表示パネルの表示領
域部およびその周辺部の等価回路である。ソース信号線
の一端にはnチャンネルMOSトランジスタからなる電
流充電ゲート回路(以後、PCと呼ぶ)が形成されてい
る。希望番目のPCは希数番目のソース信号線に接続さ
れ、偶数番目のPCは偶数番目のソース信号線と接続さ
れている。希数番目のPCのゲート端子はPCGa端子
が、偶数番目のPCのゲート端子はPCGb端子が接続
されており、PCGa,PCGb端子をHレベルにする
ことによりPCのソース端子に接続されたV1またはV
2端子の電圧をソース信号線に書き込む。またPCG
a,PCGb端子をLレベルにすることによりPCのソ
ース端子とドレイン端子は絶縁状態にされる。
【0096】ソース信号線Sにはコンデンサがみかけ上
あるいは意図的に形成されまた、ソース信号線Sは抵抗
値を有する。したがって、ソース信号線に電圧を書き込
むには一定の時間を必要とする。
【0097】アモルファスシリコンパネルではドライバ
回路がシリコンチップで形成されているため、シリコン
チップ内部にサンプルホールド回路を内蔵し、したがっ
て、すべてのソース信号線に一度に信号を書き込む線順
次駆動(書き込み)を行うことができる。しかし、低温
ポリシリコンパネルでは、ドライバ回路のモビリティが
低く、またサンプルホールド回路を形成することが困難
であるため、複数のソース信号線の組に順次信号を書き
込む点順次駆動(書き込み)しか実現することができな
い。そのため1つのソース信号線への書き込み時間が短
い。
【0098】書き込み時間はソース信号線の時定数Tの
3倍から5倍を確保する必要があるが、これは設計上容
易ではない。実現のためにはTGの大きさを大きくする
必要があり、表示パネル画額が大きくなり、消費電力も
大きくなる。本発明ではPCを形成することによりこの
問題を解決している。
【0099】図16はその駆動方法の説明図である。映
像信号においてa点は画面の左端の画素電極aに書き込
まれる振幅値を、b点は画面の中央の画素電極bに書き
込まれる振幅値を、c点は画面の右端の画素電極に書き
込まれる振幅値を示している。PCGa,PCGbに入
力される電圧はHS信号に同期して形成され、また、映
像信号のフロントポーチx時間内にHレベルとなる。P
CGa,PCGbをHレベルにすることによりPCのS
端子に印加された電圧V1,V2がソース信号Sに書き込
まれる。つまり、V1,V2に+VLが印加されておれば
ソース信号線Sには+VLが、−VLが印加されておれ
ばソース信号線Sには−VLが書き込まれる。
【0100】今、説明を容易にするために、+VLは振
幅aよりも大きく、振幅aは振幅bより大きいとする。
PCGa,PCGb端子がHレベルにすることにより図
16(d)に示すように画素電極aに接続されたソース
信号線への印加電圧は変化する。また図16(e)に示
すように画素電極bに接続されたソース信号線への印加
電圧は変化する。この波形はソース信号線に電圧をPC
により書き込み、ソース信号線の時定数を短くするよう
に機能していることを示している。
【0101】特徴は図16(f)に示すようにフロント
ポーチの前(HS信号の前)、つまり+で示す時間前に
1,V2に印加する電圧を変化させている点である。こ
れはPCのソース(S)端子とゲート(G)端子間にコ
ンデンサがあるためあらかじめ+時間前にV1およびV2
端子に電圧を印加して良好にPCG信号に同期して電圧
+VL,−VLをソース信号線に書き込むためである。
【0102】図16はV1およびV2端子に同一の電圧
を印加した場合であったが、図17では映像信号1(図
17(b)を希数番目のソース信号線に、映像信号2
(図17(c)を偶数番目のソース信号線に入力するこ
ともない。図17(e)(f)に示すように画素電極に
印加するソース信号線の印加電圧を逆極性とし、図17
(g)(h)に示すようにV1およびV2への印加電圧
も逆極性にした場合である。この場合も各ソース信号線
に良好に信号を書き込むことができる。これはPCGa
とPCGbを分離したための効果である。
【0103】図17の信号で駆動すれば図18のように
なる。図18では画素を181で示し、画素に正極性の
信号を印加した状態を“+”で、負極性の信号を印加し
た状態を“−”で示す。図18で示すように互いに隣接
した画素181a,181b,181c,181dは逆
極性の電圧が保持されており、また、第1フレームと第
2フレームでは反対極性の電圧が得持されている。この
駆動方法を1カラム反転駆動と呼ぶ。この駆動方法によ
り、フリッカが発生せず、またクロストークも全くなく
なる。一方図19に示す駆動方法は一ラインごとに極性
の異なる電圧を画素に保持させている。また1フレーム
ごとに画素に保持する電圧の極性は異ならせている。こ
の駆動方法を1H反転駆動と呼ぶ。
【0104】本発明の表示パネルは、多数のクロックで
ドライバ回路のシフトレジスタを動作させ、また映像信
号も8相展開としている。そのためクロックの振幅値が
微妙になったりまた信号振幅値が微妙に異なったりする
事態が生じる。振幅値が異なると複数あるシフトレジス
タのうち1つが停止したり、また画面に縦すじ等が表示
される場合がある。
【0105】この現象を除去するためには、振幅値をア
レイ基板上で調整してやることが好ましく、また低コス
トで実現できる。クロックの振幅値の調整には図20に
示すように各クロック線に対応した薄膜抵抗をアレイ基
板上形成し、各薄膜抵抗をレーザトリミングすることに
より振幅値調整を行う。
【0106】薄膜抵抗203をポリシリ薄膜、Cr薄膜
を用いて形成する。また薄膜抵抗203上にSiO2
で保護膜を形成しておく。図20では各薄膜抵抗は一端
を電源配線で123で共通にコンタクトホール202a
で接続され、またコンタクトホール202bで入力配線
(クロック配線等)205と薄膜抵抗203とが接続さ
れている。また薄膜抵抗203の一部から出力配線20
4が取り出されている。 トリミングはYAGレーザを
用いて行われ、薄膜抵抗203bの部分にトリミング溝
を形成することにより抵抗値を可変される。トリミング
するとこにより薄膜抵抗を流れる電流経路が狭くなるた
め抵抗値が高くなるためである。
【0107】等価回路を図21に示す。トリミングを行
うことにより出力配線204への出力電圧Vが変化す
る。レーザトリミングは、基板をレーザトリミング台に
固定し、出力配線204の電圧Vをモニターしながら行
う。所望値となった時点でトリミング停止し、別の薄膜
抵抗をトリミングする。
【0108】映像信号の振幅値の調整は図22に示す薄
膜抵抗で行う、各増幅回路等はアレイ基板上に画素電極
等と同時に形成されている。各増幅回路222には薄膜
抵抗203aと203bが接続されている。薄膜抵抗2
03bは電源配線123とコンタクトホール202aで
接続されており、同時に出力配線204はコンタクトホ
ール202bで、入力配線205はコンタクトホール2
02cで形成されている。等価回路図を図23に示す。
【0109】増幅回路222の増幅値は薄膜抵抗203
cにトリミング溝206aを形成することにより行う。
トリミングはYAGレーザを用いてトリミング溝206
a,206bを形成することにより行い、入力信号を出
力信号をモニタして所定出力信号振幅となった点でトリ
ミングを停止する。
【0110】なお、薄膜抵抗203上には図58に示す
ようにガラスコート膜を形成する。ガラスコート膜とし
てはSiO2が例示される。レーザ光で薄膜抵抗203
がトリミングされると、その時の熱でガラスコート膜5
81がとけ、トリミング溝206に流れこんでトリミン
グ溝を封止する。トリミング溝の封止によりトリミング
により薄膜抵抗に発生したクラックにより抵抗値が増加
するという現象がなくなり経時変化に強くなる。
【0111】低温ポリシリコンの問題点に温度依存性が
あることが例示される。これはMOSトランジスタの容
量およびオン抵抗が温度により変化するためと思われ
る。温度の影響を大きくうけるものにYドライバ回路1
1のバッファ回路22の遅延時間の変化がある。
【0112】図24はその遅延時間の変化を説明する説
明図である。スタートパルスSYが入力されるとクロッ
クCYA,CYBによりラッチされインバータINV1
bに出力され、その出力は各インバータを伝達されてI
NV1e,INV1cに出力される。このINV1bか
らINV1eまで伝達する時間yが温度依存性が生じる
場合がある。たとえば温度Aのときと温度Bのときでは
十時間ずれる等である。
【0113】前述のように十時間ずれると表示画像の表
示開始位置が異なることになる。したがって表示画像の
一部がかけることになる。この問題に対応するため図1
4に示すように温度センサ147を配置している。温度
センサ147としては図60に示すようにサーミスタ、
ポジスタが例示される。
【0114】図60ではサーミスタの場合を示してい
る。サーミスタ601は図13に示すように端子に突起
電極133が配置され、電極135と導電線接合層13
4で接続されている。サーミスタ601はYドライバと
接触あるいは近接するように配置され、Yドライバ11
の温度がサーミスタの抵抗値の変化として伝達されるよ
うになっている。またサーミスタ601はフェノール樹
脂等で封止されている(封止樹脂602)。サーミスタ
601の温度変化出力は電極135を介して外部に取り
出され、カウンタ148に入力される。
【0115】カウンタ148はサーミスタからのデータ
によりカウンタ値を変化させ、相展開回路143の内部
に配置されたメモリの読み出しタイミングを制御する。
このタイミングを変化することにより、図24に示すよ
うにINV1eの出力の立ちあがり位置で、温度変化が
あっても映像信号のたとえば“10”がくるように制御
している。
【0116】以上のようにYドライバの温度を温度セン
サで検出することによりパネル温度の変化があっても画
像の表示開始位置が一定となるように調整することがで
き、高品質表示を実現できる。
【0117】また、Yドライバ回路の発熱を放熱して温
度調整を行うためには、図25に示すようにYドライバ
11に放熱板251を接着剤252で貼りつけてもよ
い。放熱板の斜視図を図26に示す。放熱板によりYド
ライバ11の温度が一定値以上に上昇しないようにする
ことにより、温度による変化時間+は大幅に小さくな
る。
【0118】液晶表示パネルにモザイク状のカラーフィ
ルタを取りつけ、この表示パネルをライトバルブとして
用いれば、1枚の表示パネルでカラー表示を実現できる
ため、液晶プロジェクタのコストを低減することができ
る。しかし、カラーフィルタを用いるライトバルブは色
純度が悪いという課題がある。得に赤色が悪い。これは
赤色のカラーフィルタを緑色光が透過するためである。
これはカラーフィルタを染料色素等で形成する場合にま
ぬがれにくい課題でもある。
【0119】そこで、本発明は図27に示すようにカラ
ーフィルタの赤を干渉膜フィルタ275で形成してい
る。干渉膜フィルタ275とは、図32で示すような誘
電体多層膜を積層することにより光学的干渉をおこさせ
て特定波長の光のみを透過(又は反射)するようにした
ものである。
【0120】本発明では干渉膜フィルタを用いることに
より赤色の色純度を大幅に改善している。緑および青色
のカラーフィルタ274はゼラチン等を染色することに
よる樹脂フィルタを用いている。
【0121】図28はカラーフィルタ274等の平面図
である。まず対向基板上に干渉膜を積層し、パターニン
グすることにより赤色のカラーフィルタを形成する。次
に青色および緑色のカラーフィルタを転写技術等により
形成する。カラーフィルタ274上には平滑層273を
形成した後、対向電極551を形成する。平滑層273
としてはウレタン樹脂,アクリル樹脂,スチレン樹脂が
例示される。
【0122】なお、図27では赤色のみを干渉膜フィル
タ275にするとしたがこれに限定するものではなく、
図29に示すように2色を干渉膜フィルタ275とし、
他の1色を樹脂からなるカラーフィルター274として
もよいことは言うまでもない。
【0123】以下、本発明のアレイ基板の製造方法につ
いて説明をする。本発明のアレイ基板基板の製造方法の
説明図を図61に示す。まずガラス基板545をシリロ
ン(US)洗浄/水洗/MS/リンサーする。次にAP
−CVDによりSiO2=200nmのアンダーコート
を行う。その後、Cr薄膜を1000オングストローム
蒸着し、パターニングを行うことにより遮光金属膜61
1とする。Cr薄膜の他,Al,Ti等も用いることが
できる。この遮光金属膜611の上層にMOSトランジ
スタ等を形成する。遮光金属膜611は外光に対する遮
光膜として機能する。また本発明の液晶表示パネルをラ
イトバルブとして用いる場合は、メタルハイライドラン
プから入射する光を遮光する遮光膜として機能する。さ
らにこの上にSiO2=200−300nmの絶縁膜6
12を形成し、その後AP−CVDでa−Si:H=8
5nmを成膜する。その後AS工程を行い、RIEでS
iエッチング,O2アッシャーでレジスト除去し、LP
−CVD:450度90分の脱水素を行う。
【0124】次に結晶化はエキシマレーザーで行う。条
件は290/390 mJ/cm2で行った。この際、
図61で示すように交流電界(電圧)Eを基板545に
照射する。交流電界Eの照射により、遮光金属膜611
にうず電流が発生し、うず電流膜により遮光金属膜61
1は発熱するとともに上層のアモルファスシリコン膜6
13を加熱する。うず電流の大きさは電界上の2乗に比
例し、また遮光金属膜611の材質、膜厚が影響するの
で、電界Eの大きさは慎重に検討しなければならない。
一般的にエキシマレーザーで結晶化するのに重要な条件
はエキシマレーザーの照射強度と照射時および照射後の
温度管理である。この温度管理を交流電界Eを照射する
ことにより行う。交流電界Eによるうず電流板は交流電
界強度を調整することにより容易に変化でき、また均一
にできる。また温度上昇も瞬時に行え、また温度も非常
に高温に容易にできる。これはヒーター等の間接あるい
は直接加熱にない特徴である。
【0125】以上のようにうず電流を発生させ、所定値
にアモルファスシリコン膜613加熱した状態でエキシ
マレーザー光614を照射していく。また、照射後も交
流電界Eの調整を適正にすることにより温度管理を十分
に行う。そのため、遮光金属膜611上の結晶化状態が
良好となり高モビリティの半導体膜を成膜できる。
【0126】その後AP−CVDでSiO2=85nm
のゲート絶縁膜を成膜し、M−SPでTa=200nm
のゲートメタルを成膜できる。その後ドーピング工程等
を行ってアレイ基板が完了する。
【0127】液晶プロジェクタの画像を低下させる原因
に動画表示時に画面がぼやけるという現象がある。この
原因として 1.液晶の応答時間が遅い 2.画素に電荷を1フィールド(1フレーム)期間の
間、保持しているというメモリ性が考えられる。
【0128】1.の液晶の応答時間はTN液晶およびP
D液晶の立ち上がり時間+立ち下がり時間は30mse
c程度(パネル温度30℃以上時)であり、1フレーム
が1/60=16msecとすれば十分追従しているは
ずである。問題は2.である。CRTは電子ビームで書
き込み、ピーク輝度を高くし、あとは残存時間で表示す
る。そのため白黒表示がはっきりとし、応答性もよく、
高画質表示までも何ら問題はない。液晶表示パネルは1
フレーム期間の間ずっと一定の輝度を保持し、平均輝度
で画像を表示する。そのため動画時に応答時間が遅く感
じられる。
【0129】図63のブロック図は動画表示等の応答時
間を改善する回路の説明図である。概念的には第1の画
像と第2の画像の表示期間間に黒の画面を表示する。表
示の概念を図62に示す。なお、説明を容易にするた
め、画面に“F”という文字を表示するとしたが、実際
は自然画等が表示される。
【0130】まず、図62(a)に示すように画面の上
から順次画像“F”を表示していく。図62(b)は画
像“F”の表示を終了したところを示している。次に図
62(c)に示すように画面13の上から順次黒表示を
行う。黒表示を終了したところを図62(d)に示す。
つまり、画像表示(自然画等)と黒表示とを交互に行
う。なお、液晶パネルの駆動方法は1H反転駆動もしく
は1カラム反転駆動がクロストーク等が発生せず良好で
ある。
【0131】画像表示を行う期間Aと、黒表示を行う期
間Bは1:1にすることが回路構成が簡易になり、Xお
よびYドライバ回路の駆動周波数に負担がかかりにくく
よい。つまり1度メモリに保持させた映像信号を倍速読
み出しして、液晶表示パネルに順次書き込んでいけばよ
い。ただし、1:1に限定するものではなし、当然のこ
とながら黒表示期間Bを短くしてもよい。また黒表示期
間は表示パネルに黒表示を行うとしたがこれに限定する
ものではなく、ダークレベル(灰色あるいは中間調)で
もよいし、又白表示でもよい。(以後、ラスター表示と
呼ぶ)また輝度を低減した自然画等を表示してもよい。
【0132】図63は図62の表示方法を実現するため
の回路構成である。映像信号SIGはA/D変換回路6
31でデジタルデータに変換され、Fメモリ(フィール
ドメモリ又はフレームメモリ)632の記憶手段に保持
される。一方、ラスター表示設定回路633では黒表示
期間Bの表示輝度レベルを設定する回路である。ラスタ
ー表示設定回路633は場合によっては自然画等を出力
する場合もありえる。倍速読み出し回路634は第1の
フレームの前半で(画像表示期間A)Fメモリ632か
らデータを読みだし、倍速で表示パネルに書き込む。ま
た第1のフレームの後半(黒表示期間B)でラスター表
示設定回路の設定値にもとづき、ラスター表示を表示パ
ネルに対して行う。
【0133】図62では自然画表示と黒表示を交互に行
うとしたが、図64に示すように1本ずつまたは、複数
の水平ライン(以後、この1本または複数の水平ライン
の組を表示ライン組と呼ぶ)づつを組みにして自然画表
示と黒表示を行ってもよい。たとえば図64(a)では
画面の上から表示ライン組ずつ自然画を表示し、また斜
線で示す表示ライン組(これを黒ライン組と呼ぶ)に黒
表示しラスター表示等)を行う。図64(b)は一画面
が書き込みが終了したところを示している。次の図64
(c)では画面の上からは黒ライン組を書き込み、つぎ
に表示ライン組に自然画を書き込む。この動作を順次行
っていき図64(d)で一画面の書き込みを終了する。
【0134】以上の図64に示す駆動方法でも自然画の
次のフレーム(フィールド)では黒表示(ラスター表
示)されることになり、動画像の応答性は改善される。
得にNTSC等のインタレース表示では表示ライン組を
1本の水平ラインとすれば、図64の駆動方法を容易に
実現できる。つまり、インタレースで送られてきた信号
を倍速で表示パネルに書き込み、自然画表示の次のライ
ンは黒表示を書き込む。この動作をくりかえしていけば
よい。
【0135】なお、図62から図64に示す駆動方法お
よび駆動回路は液晶表示パネルを対象として説明をして
きた。しかし、これに限定されるものではなくすべての
ドットマトリックス型表示パネルに適用されるものであ
る。ドットマトリックスパネルは画素の輝度を一定期間
(フレームあるいはフィールド期間)保持する。この保
持には液晶表示パネルのように一定状態で保持するもの
が当然に含まれる。他にパルス変調(PWM変調等)も
1フレームもしくは1フィールドを平均して画素に一定
輝度保持するものと本発明の技術的範囲に含まれると考
えることができる。なぜならば、パルスの組み合わせで
一定の表示を行うからであり、CRTの1つのピーク輝
度で表示を行うものとは異なるからである。パルス駆動
(PWM変調等)により1フレーム間で所定の輝度を表
示するから、画素に電荷を保持しているものと考えられ
る。
【0136】したがって本発明の駆動方法は、プラズマ
ディスプレイ(PDP)、TI社が開発した反射型のマ
イクロミラー表示パネル(DMD,DLP)も当然技術
的に適用可能である。他に有機ELディスプレイ、LE
Dディスプレイ、無機ELディスプレイ、蛍光発光管、
FEDも含まれる。これらのドットマトリックスはすべ
ては、つまり電子銃を用いるCRT方式以外はすべて本
発明の駆動方式を適用すれば動画の応答性等に効果があ
る。広く言えば、松下電器産業株式会社が開発したフラ
ットCRT(CFP)も本発明の技術を展開(応用)す
ることができる。
【0137】以下、本発明の液晶表示パネルに用いる液
晶層15について追加で説明しておく、液晶層15を形
成する。
【0138】混合溶液の成分は下記の通りである。 液晶 E−7(BDH社製)(80wt%) 紫外線硬化型樹脂 ポリエステルアクリレート(1.8wt%)と 2−エチルヘキシルアクリレート(18wt%)との混合体 光硬化開始剤 ダロキュアー1173(メルク社製)(0.2wt%) 前記混合溶液125に紫外線(UV)を照射すれば、光
硬化型樹脂内に架橋反応が生じる。この架橋反応によっ
て、液晶成分と光硬化型樹脂成分とが相分離して、光硬
化型樹脂中に液晶の小滴が分散した状態になると同時
に、光硬化型樹脂が硬化する。
【0139】次に、光硬化型樹脂への光の照射量と液晶
の平均粒子径との関係を調べるために行ったテストにつ
いて説明する。
【0140】光硬化型樹脂の紫外線照射量を100,2
00,300,400,500,1000,2000、
2500mJ/cm2とする。
【0141】これらの液晶表示パネルを顕微鏡で観察し
たところ、硬化工程で400mJ/cm2以下の紫外線
しか照射されなかった液晶表示パネルは、液晶の平均粒
子径が5.5μm以上と大きくなっているのに対して、
硬化工程で500mJ/cm 2以上の紫外線が照射され
た液晶表示パネルは、平均粒子径が1.0〜3.0μm
と小さくなっていることが確認された。これらの液晶表
示パネルのコントラスト及び液晶の平均粒子径を測定し
た結果を下記(表1)に示す。
【0142】
【表1】
【0143】なお、上記各実施例では光硬化型樹脂とし
てポリエステルアクリレートと2−エチルヘキシルアク
リレートとの混合物を用いたが、2−ヒドロキシエチル
アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレー
ト等でもよい。また、光硬化型樹脂に代えて、熱硬化性
樹脂を用いて熱により反応させてもよい。その場合、ノ
ボラック系熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤として
ヘキサメチレンジアミン(ヘキサミン)を用いることが
できる。
【0144】また、液晶に関しても、E−8(BDH
社)やZLI4792(メルク社製)やTL202(メ
ルク社製)等でもよく、重合開始剤もイルガキュア18
4(チバガイギー社製)やイルガキュア651(チバガ
イギー社製)等でもよい。
【0145】照射する紫外線は350nm以下はカット
する。350nm以下の波長は液晶成分を劣化させるか
らである。そのため水銀ランプ等から出射される光は紫
外線カットフィルター(商品名:UV−35、東芝
(株)製)を介して混合溶液に照射する。また相分離時
にパネルを加温するために照射するのであればよいがそ
うでない場合は赤外線(波長が0.8μm以上)もカッ
トすることが好ましい。赤外線カットフィルターとし
て、商品名HAF−50S−30H(シグマ光機(株)
製)が例示される。
【0146】次に、本発明の投射型表示装置の実施の形
態について説明する。本発明の第1の実施の形態におけ
る投射型表示装置の構成を図30に示す。また図30に
おける光学ブロック301の構成を図31に示す。54
1は光発生手段としての光源、311は色改善フィルタ
である。
【0147】光源541はランプ541a、凹面鏡54
1b、UVIRフィルタ541cにより構成される。ラ
ンプaはメタルハライドランプであり、発光管内にディ
スプロシウム(Dy)とネオジウム(Nd)が封入され
ているものである。その発光スペクトルを図37に示
す。図37で明らかなように前記メタルハライドランプ
が放射する光の分光分布はDy、Ndによる多数の連続
発光スペクトルと水銀による輝線スペクトルが混在した
ものである。凹面鏡541bはガラス製で、反射面に可
視光を反射し、赤外光を透過させる多層膜を蒸着したも
のである。ランプ541aからの放射光に含まれる可視
光は、凹面鏡541bの反射面により反射し、その反射
光は平行に近い光になる。凹面鏡541bから出射する
反射光は、UVIRフィルタ541cにより赤外光およ
び紫外光が除去されて出射する。表示パネル276は本
発明の実施の形態で説明した表示パネルである。
【0148】以下、本発明の投射型表示装置に用いる色
改善フィルタ311について説明をする。図32に第1
の実施の形態の色フィルタの拡大モデルを示す。321
は屈折率1.52のガラス基板、322は第1の誘電体
多層膜、323は第2の誘電体多層膜である。
【0149】ガラス基板321の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜322と第2の誘電体多層膜323を形成
している。第1誘電体多層膜322は低屈折率層である
SiO2(屈折率1.46)324a〜324fと、高
屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)325a〜
325fとの交互12層構成であり、SiO2324a
の光学的膜厚が0.188λY(λY=577nm)、S
iO2324b〜324fの光学的膜厚が0.375
λY、TiO2325a〜325fの光学的膜厚が1.1
25λYである。また、第2の誘電体多層膜323は低
屈折率層であるSiO2324g〜324lと、高屈折
率層であるTiO2325g〜325lとの交互12層
構成であり、SiO2324の光学的膜厚が0.313
λC(λC=490nm)、SiO2324g〜324k
の光学的膜厚が0.625λC、TiO2325g〜32
5lの光学的膜厚が1.875λCである。
【0150】図34に色改善フィルタ311の分光透過
率を示す。第1の誘電体多層膜322がイエロー光(半
値幅約550〜600nm)、第2の誘電体多層膜32
3がシアン光(半値幅約475〜505nm)をそれぞ
れピーク波長で90%以上反射し、レッド、グリーン、
ブルーの3原色光のみが高い透過率を示している。
【0151】なお、高屈折率層の屈折率と低屈折率層の
屈折率層の屈折率差を小さくすれば、さらに反射波長領
域の半値幅を狭くすることができる。
【0152】図33に第2の実施の形態の色フィルタの
拡大モデル図を示す。321は屈折率1.52のガラス
基板、332は第1の誘電体多層膜、333は第2の誘
電体多層膜である。
【0153】ガラス基板321の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜332と第2の誘電体多層膜333を形成
している。第1誘電体多層膜332は低屈折率層である
Al 23(屈折率1.62)334a〜335hと、高
屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)335a〜
335hとの交互16層構成であり、Al23334a
の光学的膜厚が0.188λY(λY=577nm)、A
23334b〜334hの光学的膜厚が0.375λ
Y、TiO2335a〜335hの光学的膜厚が1.12
5λYである。また、第2の誘電体多層膜333は低屈
折率層であるAl23334i〜334pと、高屈折率
層であるTiO2335i〜335pとの交互16層構
成であり、Al23334pの光学的膜厚が0.313
λC(λC=490nm)、Al23334i〜334o
の光学的膜厚が0.625λC、TiO2335i〜33
5pの光学的膜厚が1.875λCである。
【0154】図35に色改善フィルタ311の分光透過
率を示す。第1の誘電体多層膜332がイエロー光(半
値幅約555〜595nm)、第2の誘電体多層膜33
3がシアン光(半値幅約480〜500nm)をそれぞ
れピーク波長で90%以上反射し、レッド、グリーン、
ブルーの3原色光のみが高い透過率を示している。
【0155】なお、図32および図33に示す第1の実
施の形態および第2の実施の形態ではガラス基板の両面
に第1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜をそれぞれ
形成したが、一方の面に2種類の誘電体多層膜を重ねて
形成しても同様の性能が得られる。ただし、連続する層
数が多くなるため薄膜の有する内部応力で誘電体多層膜
面にクラックが生ずる恐れがある場合は、ガラス基板の
両面にそれぞれ分けて形成したほうが好ましい。
【0156】また、高屈折率層、低屈折率層の膜厚は、
実施の形態でシアン光を反射する場合に用いた1.87
5λC、0.625λCよりも厚い膜厚としても周期的に
高い反射率は得られるが、実用上、1層あたりの膜厚が
実施の形態で用いた膜厚より厚くなる場合もクラックが
発生する危険性があるため好ましくない。
【0157】また、ピーク波長での反射率の絶対値は誘
電体多層膜の層数を増やせば高くすることができる。
【0158】実施の形態では低屈折率層として、SiO
2、Al23、高屈折率層としてTiO2を用いたが、他
に低屈折率層としてMgF2、高屈折率層としてZn
S、CeO2、ZrTiO4、HfO2、Ta25、Zr
2を用いてもよい。
【0159】さらに、第2の実施の形態のように高屈折
率層と低屈折率層の屈折率差が小さい場合のようにピー
ク反射率の絶対値を高くしようとすると、誘電体多層膜
の層数を多くする必要があり、層数によってはクラック
の発生する心配がある。この場合は高屈折率層を、屈折
率がほぼ同じで、内部応力の方向がそれぞれキャンセル
しあう方向である性質を有するTiO2とZnSの組み
合わせとすればよい。屈折率は2種類ともほぼ2.30
であり応力方向はTiO2が引っ張り応力、ZnSが圧
縮応力であるため、例えば高屈折率層を1層あたりをそ
れぞれTiO2、ZnS、TiO2の3層構成とし、膜厚
も3分割にすれば多層膜全体の内部応力を緩和すること
ができ好ましい。
【0160】以上のことから明らかなように、図36に
示したように1層あたりの光学的膜厚がλ/4(λは反
射ピーク波長)の誘電体多層膜構成では、高い反射領域
の半値幅が狭い(50nm以下)色フィルタは実現でき
ない。
【0161】これに対し、多層膜を構成する低屈折率膜
と高屈折率膜の光学的膜厚比を1:X(X>1)とし、
Xを大きくすれば、半値幅は若干狭くすることができ
る。しかし、膜厚比は大きくするほど薄膜の有する内部
応力によって低屈折率膜と高屈折率膜との応力のバラン
スがくずれ、多層膜面にクラックを生ずる恐れがある。
そこで、低屈折率膜と高屈折率膜との光学的膜厚比は
1:3より大きくならないようにすることが望ましい
が、このままでは半値幅はイエロー光、もしくはシアン
光のみを反射するという条件には不十分である。
【0162】次に、このタイプの干渉フィルターは、波
長λにおける反射ピークの他に波長λよりも短波長側で
周期的に反射ピークが表れるという分光性能を有する。
しかもその半値幅は周期を重ねるほど狭くなるという特
性を持つ。そこで、この狭い半値幅の周期的な反射ピー
クを利用し、イエロー光、もしくはシアン光の中心波長
へシフトさせればよい。具体的には上記の低屈折率膜と
高屈折率膜の光学的膜厚比が1:3の交互多層膜の膜厚
を相対的に厚くすればよく、イエロー光に対応する半値
幅50nm以下を実現するには第2の周期、シアン光に
対応する半値幅40nm以下を実現するには第3の周期
をシフトさせることが望ましい。
【0163】多層膜の光学的膜厚はイエロー光反射の場
合、相対的に略1.5倍とし、低屈折率層が0.375
λ、高屈折率層が1.125λとすればよく、シアン光
反射の場合、相対的に略2.5倍とし、低屈折率層が
0.625λ、高屈折率層が1.875λとすればよ
い。
【0164】なお、反射ピークは第4以降の周期も存在
するが、多層膜の膜厚が厚くなり過ぎるため耐久性の点
で好ましくない。
【0165】色改善フィルタ311においてλY=57
7nmにしていることに考慮を要する。図37に示すメ
タルハライドランプは577nmで非常に強い発光スペ
クトルがある。このスペクトルは水銀原子による。ま
た、前記577nmの波長はイエロー光に帯域に該当す
る。したがって、577nmの波長の光を十分にカット
できなければ、スクリーンに投影される投射画像の色相
を良好にすることはできない。
【0166】また、490nmはNdによる発光スペク
トルである。図37の分光特性ではそれほどピーク値と
なっていないが、Ndの添加量により非常に強い発光ス
ペクトルが発生する。DyおよびNdを含有するメタル
ハライドランプは分光特性良好でかつ寿命が長い。しか
し、イエロー色およびシアン色の発光スペクトルが強
い。
【0167】本発明の色改善フィルタ311は490か
つ577nmの発光スペクトルを十分にカットでき、カ
ットした帯域の半値幅が50nm程度と狭く実現してい
ることに特徴がある。この意味で色改善フィルタ311
はメタルハライドランプと組み合わせて用いた時、相乗
効果がある。
【0168】以後、本明細書でいう色改善フィルタ31
1とは図32または図33もしくは、それに近似する構
成もフィルタを指すものとする。
【0169】従来の投射型表示装置は図54に示す構成
であり、また光変調手段としてのライトバルブは、透過
型のTN液晶表示パネル548とその入射側および出射
側に配置された2枚の偏光板543a、543bにより
構成される。TN液晶表示パネル548は、図55に示
すように、アレイ基板545と対向基板544間にTN
液晶層547を狭持したものであり、対向基板544と
対向電極541との間には各画素に対応して、3原色で
ある赤、緑、青色光を透過するカラーフィルタ546が
モザイク状に配置されている。カラーフィルタ546
は、図56に示すような分光特性を有するものである。
【0170】したがってスクリーン上での表示画像の色
純度は低く、また偏光板543を用いるため表示輝度も
低い。それに比較して本発明の投射型表示装置は光路に
色改善フィルタ311を有し、またライトバルブとして
一例として図27、図29に示す本発明の表示パネルを
用いている。したがって色再現性(色純度)は極めて良
好である。
【0171】光源541からの略平行光は、色改善フィ
ルタ311に入射する。色改善フィルタ311では、図
34、図35に示す分光特性に従い、純度の高い3原色
光成分のみが透過する。色改善フィルタ311からの透
過光は、フィールドレンズ312を透過し、ライトバル
ブ276に入射する。フィールドレンズ312は液晶表
示パネル276の周辺部を透過する光を投射レンズ30
2に入射させるためのものである。ライトバルブ276
に入射した光は、映像信号に応じて透過率の変化として
入射光を変調し、スクリーン上にはカラー画像が形成さ
れる。投射画像のフォーカス調整は、投射レンズ302
を光軸411に沿って移動することにより行う。
【0172】赤、緑、青の各画素のスクリーン上におけ
る投影像に関して、各々の分光特性を図39(a)、
(b)、(c)に示す。破線は図54に示すような従来
の構成における分光特性であり、実線は色改善フィルタ
311とおよび表示パネルの干渉膜フィルタ275を用
いて色純度の改善を行った場合の分光特性である。色改
善フィルタ311を用いることにより、色純度を劣化さ
せていると思われる光帯域の成分が減少し、カラーフィ
ルタの光透過帯域と比較して赤、緑、青色成分とも、帯
域が狭くなっていることがわかる。図38はR、G、B
のカラーフィルタを透過した光を合成した時の分光分布
である。図37の分光特性を有するメタルハライドラン
プが色改善フィルタ311等によりシアン光およびイエ
ロー光がカットされ図38の分光特性となる。
【0173】図40は、本発明の投射型表示装置の色再
現性を示す(実線)。従来の構成(点線)と比較して、
色再現範囲が広くなっていることがわかる。
【0174】また、色改善フィルタ311において光源
からの放射光のうち、不要な光成分を除去することによ
り、液晶表示パネル内のカラーフィルタ等で吸収される
光量を減少させることができ、カラーフィルタの不要光
吸収により生じる発熱量が低下するため、カラーフィル
タの劣化等を抑制することができる。
【0175】光学ブロック301から出射された光と投
射レンズ302に入射し、ミラー303a,303bで
反射して透過型スクリーン305に入射する。光学系ブ
ロック301等を図30に示すような筐体304に配置
することにより、明るい室でも大画面表示を実現でき
る。
【0176】PD液晶表示パネルをライトバルブとして
用いる場合は、表示コントラストを低下させる。液晶層
15で散乱した光は対向基板(もしくはアレイ基板)と
空気との界面で反射し反射光となり再び液晶層15にも
どり散乱する。これを2次散乱光と呼ぶ。2次散乱光は
PD液晶表示パネルの表示コントラストを大幅に低下さ
せる。
【0177】この2次散乱光の発生を防止するため図4
1に示すように透明基板414をアレイ基板と対向基板
のうち少なくとも一方に取り付ける。透明基板414は
オプティカルカップリングにより光結合層412により
行う。透明基板414を取り付けることにより反射光は
透明基板414の無効領域(画像表示に有効な光が通過
しない領域)に塗布した光吸収膜412により吸収され
る。光吸収膜412として黒色塗料が例示される。
【0178】なお、透明基板414はガラス基板に限定
するものではない。たとえば、アクリル,ポリカーポネ
ートなどの樹脂で構成してもよい。また透明基板414
を凹レンズ状とすることにより、基板厚を薄くすること
ができる。さらに凹レンズに正レンズ(図示せず)1を
組み合わせれば、凹レンズと正レンズで正負の光学パワ
ーをなくすことができ、見かけ上透明基板とみなせる。
【0179】本発明の投射型表示装置の構成を図41に
示す。ランプ541aから出た光は凹面鏡541bによ
り集光され、UVIRカットフィルタ541cにより紫
外光および赤外光が除去されて出射する。光源541か
らの出射光は、色改善フィルタ311、フィールドレン
ズ312、本発明の表示パネル276、透明板414の
順に透過し、投射レンズ302に入射する。色改善フィ
ルタ311では、図34または図35に示した分光特性
にしたがい、色純度を劣化させると思われる帯域の光成
分が除去される。
【0180】投射レンズ302の瞳の大きさは、液晶表
示パネル276の画面中心にある画素が透明状態の場合
に、その画素から拡がって出射する光のうち光量で約9
0%が入射する大きさにしている。フィールドレンズ3
12は、液晶表示パネル276の表示領域の周辺部を通
過する光を内側に屈折させて投射レンズ302の瞳に入
射させ、投射画像の周辺部が暗くならないようにするた
めに用いる。投射画像のフォーカス調整は、投射レンズ
302を光軸411に沿って移動することにより行う。
【0181】液晶表示パネル276には映像信号に応じ
て光散乱状態の変化として光学像が形成される。投射レ
ンズ302は、各画素から出射する光のうちある立体角
に含まれる光を取り込む。各画素からの出射光の散乱状
態が変化すれば、その立体角に含まれる光量が変化する
ので、液晶表示パネル276上に散乱状態の変化として
形成された光学像はスクリーン(図示せず)上で照度の
変化に変換される。こうして、液晶表示パネル276に
形成された光学像は、投射レンズ302によりスクリー
ン305上に拡大投射される。
【0182】先の実施の形態では液晶表示パネルは透過
型であった。したがって、投射型表示パネルも透過型で
あった。しかし反射型にも構成することは容易である。
ただし、反射型の投射型表示装置に用いるライトバルブ
は反射型の液晶表示パネルを用いる。反射型の表示装置
の一例として図27、図29に示す画素電極552を反
射電極としてアルミニウム(Al)等を用いて形成して
ものが、図42に示すように例示される。反射型の表示
パネルの場合は対向電極551側から光は入射し、再び
対向電極551側から出射する。したがって、透明板4
14は対向基板側に光学的に接続する。
【0183】投射レンズ302は液晶表示パネル276
側の第1レンズ群302aとスクリーン305側の第2
レンズ群302bとで構成され、第1レンズ群302a
と第2レンズ群302bとの間には平面ミラー303が
配置されている。液晶表示パネル276の画面中心にあ
る画素から出射する散乱光は、第1レンズ群302aを
透過した後、約半分が平面ミラー303に入射し、残り
が平面ミラー303に入射せずに第2レンズ群302b
に入射する。平面ミラー303の反射面の法線は投射レ
ンズ302の光軸411に対して45°傾いている。光
源541からの光は色改善フィルタ311でシアン、イ
エローの帯域の光がカットされる。次に前記光は平面ミ
ラー303で反射されて第1レンズ群302aを透過す
る。
【0184】液晶表示パネル276で反射した光は第1
レンズ群302a、第2レンズ群302bの順に透過し
てスクリーン305に到達する。投射レンズ302の絞
りの中心から出て液晶表示パネル276に向かう光線
は、液晶層15にほぼ垂直に入射するように、つまりテ
レセントリックとしている。
【0185】次にさらに投射型表示装置において高輝度
表示を維持しながら、表示コントラストを高くする方法
について説明する。図43は、前記方法を実現するため
の第1の実施の形態である。投射レンズ302は、前レ
ンズ群431aと後レンズ群431bから構成される。
出力部収束レンズ437と後群レンズ431bは、絞り
436と絞り438を互いに共役の関係とする。
【0186】入力部収束レンズアレイ434は、複数の
入力部収束レンズ439を二次元状に配列して構成す
る。その構成の一例を図44に示す。矩形の開口を有す
る10個の入力部収束レンズ439を正円の領域に内接
するように配列している。10個の入力部収束レンズ4
39は、同一開口形状の平凸レンズであり、矩形開口の
長辺と短辺の比を4:3としている。
【0187】同様に中央部収束レンズアレイ435は、
複数の中央部収束レンズ440を二次元状に配列して構
成する。入力部収束レンズ439と同数で同一開口を有
する中央部収束レンズ700を、入力部収束レンズアレ
イ434と同様に配列している。
【0188】投射型表示装置における照明の手順を説明
する。メタルハライドランプ541aの発光体432か
ら放射される光は、放物面鏡541bにより反射されて
光軸411とおよそ平行に進行し、入力部収束レンズア
レイ439に入射する。放物面鏡541bから出射する
光の断面形状は一般に正円となるので、入力部収束レン
ズ439の開口の総和がこれに内接するように入力部収
束レンズアレイ434を構成する。入力部収束レンズア
レイ434を通過した光は、入力部収束レンズ439と
同数の部分光束に分割され、各部分光束は、PD液晶表
示パネル276の表示領域を照明する。
【0189】入力部収束レンズ439を通過した光は、
各々、対応する中央部収束レンズ440の開口に導かれ
て収斂される。中央部収束レンズ440の各々の開口上
には、二次発光体、例えば401A、401Bが形成さ
れる。中央部収束レンズアレイ435上に形成される複
数の二次発光体441の一例を、図45に模式的に示
す。中央部収束レンズ440は、各々、対応する光をP
D液晶表示パネル276の表示領域上に有効に伝達す
る。具体的に、対応する入力部収束レンズ439の主平
面上の物体、例えば、442A、442B、の実像43
3をPD液晶表示パネル276の表示領域近傍に形成す
る。ただし、各々の中央部収束レンズ400は適当に偏
心させており、複数の像を重畳させて1つの実像433
を形成する。
【0190】以上の構成によれば、PD液晶表示パネル
276の表示領域と入力部収束レンズ439の各々の開
口とは、互いにおよそ共役の関係となる。従って、入力
部収束レンズの開口をPD液晶表示パネルの表示領域と
相似形状とすれば、照明光の断面と表示領域の形状を整
合させて、光損失を抑制できる。従って、図44に示し
た入力部収束レンズアレイ434は、NTSCに対応し
たアスペクト比が4:3の映像を表示するPD液晶表示
パネル276と組み合わせて用いるとよい。HDの場合
は16:9とする。
【0191】一般に、放物面鏡などの凹面鏡から出射す
る光には、比較的大きな明るさむらがある。明るさむら
の大きい光をそのまま伝達してPD液晶表示パネル27
6を照明すると、投射画像の明るさの均一性が低下す
る。明るさが比較的均一な領域のみを利用して照明する
と、利用できない光が増加するので光利用効率が低下す
る。これに対し、本発明の投射型表示装置は、高い光利
用効率を得ると共に、明るさの均一性の優れた投射画像
を得ることができる利点がある。その理由を以下に述べ
る。
【0192】入力部収束レンズアレイ434は、明るさ
むらの大きな光を複数の部分光束に分割する。各部分光
束の入力部収束レンズ439の開口上における明るさむ
らは、分割前の光束断面の明るさむらと比較して小さ
い。中央部収束レンズ435の各々は、明るさむらの少
ない部分光束を適当な大きさに拡大し、PD液晶表示パ
ネル276の表示領域上に重畳させる。従って、明るさ
の均一性の良好な照明を実現できる。
【0193】入力部収束レンズ439の開口の総和を入
射する光束の断面に内接させるので、入力部収束レンズ
アレイ434における光損失は少ない。また、中央部収
束レンズ440の開口の各々を二次発光体441に対し
て十分な大きさとするので、中央部収束レンズアレイ4
35における光損失は少ない。さらに、PD液晶表示パ
ネル276に入射する光の断面を表示領域の形状に整合
させるので、PD液晶表示パネル276における光損失
は少ない。従って、発光体432から放射される光の大
部分は、放物面鏡541bにより反射され、入力部収束
レンズアレイ434、中央部収束レンズアレイ435、
出力部収束レンズ437、PD液晶表示パネル276、
を通過して投射レンズ302に到達する。従って、投射
レンズ302における光損失を抑制すれば、高い光利用
効率を実現し、明るく、明るさの均一性の優れた投射画
像を得る。
【0194】ところで、中央部収束レンズアレイ435
上には離散的に複数の二次発光体432が形成されるの
で、この場合の照明光の有効Fナンバーは、二次発光体
441の面積の総和から等価的に換算される照射角から
定める必要がある。一方、PD液晶表示パネル276か
ら光軸411と最も角度を成して出射する光の集光角
は、この等価的な照射角よりも大きな値となる。従っ
て、光損失を抑制するためには、投射レンズ302の有
効Fナンバーを照明光の実効的な有効Fナンバーよりも
小さくする必要がある。これは、PD液晶表示パネルの
場合に、投射画像のコントラストを低下させるので問題
がある。
【0195】これに対し、本実施の形態の投射型表示装
置は、絞り436と絞り438の働きにより、光損失を
増加させることなく照明光側と投射レンズ側の開口をい
ずれも必要最小限の大きさにできるので、コントラスト
の低下を抑制できる。具体的には、離散的に形成される
二次発光体441の有効領域に合わせて、照明光側の絞
り436の開口を図46に示すような形状とする。破線
は図45の中央部収束レンズ440の各々の開口に対応
する。また、投射レンズ側の絞り438の開口上には二
次発光体441の実像が形成されるので、絞り438の
開口形状も、絞り436の開口形状と同様にする。これ
により、絞り436を通過した光は絞り438を通過す
るので、高い光利用効率を実現できる。同時に、投射レ
ンズ302は照明光が必要とする必要最小限の開口を提
供するので、コントラストの高い表示画像を実現でき
る。その結果、明るく高画質の投射画像を提供できるの
で、非常に大きな効果を得ることができる。
【0196】本発明の投射型表示装置に用いる入力部収
束レンズアレイ434、中央部収束レンズアレイ43
5、絞り436、絞り438は、以下のように構成する
となお良い。図47は、この場合の中央部収束レンズア
レイ435の構成を示す。一般に、二次発光体441の
大きさは、光軸近傍に位置する入力部収束レンズ439
の形成するものほど大きい。従って、中央部収束レンズ
440の各々の開口は必ずしも同一である必要はなく、
二次発光体441の各々に対して必要十分な大きさとす
ればよい。開口を有効に異ならせた複数の中央部収束レ
ンズ440を凝集して配列し、中央部収束レンズアレイ
435を構成すれば、開口領域の総和を小さくできる利
点がある。中央部収束レンズアレイ435と組み合わせ
る入力部収束レンズアレイは、図46に示したものと同
様に構成し、入力部収束レンズの各々を適当に偏心さ
せ、対応する中央部収束レンズ440の開口中心に二次
発光体441を形成すればよい。
【0197】この場合、照明光側の絞り436の代わり
に図48に示す開口形状の絞り438を用いるとよい。
投射レンズ側の絞り438についても同様である。これ
により、光損失を生じることなく、中央部収束レンズア
レイ435の開口径を小さくでき、かつ、投射レンズ3
02のレンズ径を小さくできる利点がある。
【0198】本実施の形態の投射型表示装置は、以上述
べたように離散的に複数の二次発光体を形成してライト
バルブを照明する場合に、より大きな効果を得る。最大
集光角の大きな投射レンズ302を用いたとしても、離
散的に複数の開口を有する絞りを備えることで、ライト
バルブから出射する光に対して必要最小限の開口を提供
できる。その結果、明るくコントラストの高い投射画像
を得ることができる。
【0199】図49は、3枚の表示パネル276を用い
てフルカラー表示を行う投射型表示装置の構成図であ
る。
【0200】ダイクロイックミラー491a、491b
と、平面ミラー303bの働きにより、照明光は三原色
の色光に分解され、それぞれ対応するPD液晶表示パネ
ル276の表示領域上に導かれる。
【0201】PD液晶表示パネル276は、各々の表示
領域上には外部から供給される映像信号に応じて、三原
色に対応した光学像が形成される。投射レンズ302は
各表示パネル276で変調された、三原色の光学像をス
クリーン上に拡大投影する。またPD液晶表示パネル2
76から出射する光は、ダイクロイックミラー491
c、491dと、平面ミラー303cの働きにより一つ
の光路が合成されるので、フルカラーの投射画像を得
る。
【0202】本発明の表示パネルは投射型表示装置のラ
イトバルブとしてのみでなく、たとえばビデオカメラに
用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採用で
きる。以下、本発明の表示パネルをビューファインダの
ライトバルブとして採用した実施の形態を説明する。
【0203】図52は本発明のビューファインダの外観
図であり、図53は図52の断面図である。ボデー53
4の内部には、集光レンズ531および表示パネル27
6が配置されている。また、接眼リング532の内部に
は接眼レンズ533が配置されている。501は蛍光発
光管であり、蛍光発光管501が放射する光は遮光板5
02の中央部の穴から出射される。ボデー534、接眼
リング532等は不要光を吸収するために、内面を黒色
あるいは暗色に塗装している。なお、蛍光発光管501
は発光ダイオード(LED)、蛍光発光素子(VFD)
等を用いてもよい。あるいは、面発生源等を用いること
もできる。また表示パネル276の入出射面には偏光板
543を配置してもよい。この場合はさらに良好なコン
トラスト表示が可能となる。
【0204】一例として、表示パネル276の表示領域
の対角長は約18mmであり、集光レンズ531は有効
直径が20mm、焦点距離が15mmである。集光レン
ズ531は平凸レンズであり、平面側を発光素子501
側に向けている。なお、集光レンズ531、接眼レンズ
533はフレネルレンズに置き換えてもよい。フレネル
レンズにすればビューファインダの体積を小さくでき、
また、軽量化できる。
【0205】発光素子501から広い立体角に放射され
た光は、集光レンズ501により平行に近く、指向性の
狭い光に変換され、表示パネル276の対向電極(図示
せず)側から入射する。観察者は接眼カバー535に眼
を密着させて、表示パネル276の表示画像を見ること
になる。つまり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されてい
る。表示パネル276の全画素が光を直進させる場合を
仮定した時、集光レンズ531は発光素子501から放
射され、集光レンズ531の有効領域に入射する光が接
眼レンズ533を透過した後にすべて観察者の瞳に入射
するようにしている。このようにして観察者は、表示パ
ネル276の小さな表示画像を拡大して見ることができ
る。
【0206】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー535によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として蛍光
管を用いたライトボックスを用いる従来のビューファイ
ンダでは、表示パネル276の表示領域とほぼ同じ大き
さの領域から、ある方向の微小立体角内に進む光だけが
利用され、他の方向に進む光は利用されない。つまり、
光利用効率が非常に悪い。
【0207】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
531により平行に近い光に変換する。こうすると、集
光レンズ531からの出射光は指向性が狭くなる。観察
者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光でも
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよう
に、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定し
て表示画像を見ることを利用している。通常の直視液晶
表示パネルでは一定の視野角が必要であるが、ビューフ
ァインダは所定方向から表示画像を良好に観察できれば
用途として十分である。なお、本発明のビューファイン
ダとビデオカメラとも取り付け金具536でビデオカメ
ラに(図示せず)固定される。
【0208】表示パネル276にはカラーフィルタ(図
示せず)が取り付けられている。画素配置はいわゆる正
方配置である。なお、デルタ配置でもよい。カラーフィ
ルタはR、G、Bのいずれかの色を透過させる。カラー
フィルタの構成物により各色の膜厚を制御してもよい。
カラーフィルタの膜厚は、カラーフィルタの作製時に調
整して形成する。つまり、カラーフィルタの膜厚をR、
G、Bで変化させる。カラーフィルタの膜厚により、各
画素上の液晶の膜厚はそれぞれのカラーフィルタ色に応
じて調整する事ができる。Rの画素は液晶層の膜厚を厚
くする。PD液晶表示パネル276ではR光において散
乱特性が悪いからである。当然のことながら、R色は干
渉膜フィルタにしてもよいことは言うまでもない。
【0209】接眼リング532のボデー534への挿入
度合いを調整することにより、観察者の視力に合わせて
ピント調整を行うことができる。なお、接眼カバー53
5により観察者の眼の位置が固定されるので、ビューフ
ァインダの使用中に視点位置がずれることはほとんどな
い。視点が固定されておれば、液晶表示パネル276へ
の光の指向性が狭くても観察者は良好な画像を見ること
ができる。さらに良好に見えるようにするには、発光素
子501からの光の放射方向を最適な方向に移動させれ
ばよい。
【0210】蛍光発光管は外観としては豆電球状の形状
である。ガラスからなるケースの直径は2.4mm〜1
0mmである。その内部にはフィラメントおよびアノー
ドが配置されている。フィラメントに直流4V〜8V程
度の電圧を印加することによりフィラメントは加熱され
る。アノードへの、印加電圧は直流15〜25V程度で
ある。アノード電圧により、フィラメントを加熱するこ
とにより放出された電子は加速される。ケースには水銀
分子が封入されており、前記加速された電子は水銀分子
と衝突する事により紫外線を放出する。この紫外線がワ
ーク内面に塗布された蛍光体を励起し可視光が発生す
る。このような発光素子501としてミニパイロ電機社
製の蛍光発光管(ルナライト05シリーズ)がある。あ
るいは東北電子(株)の直径2.4mmのものがある。
【0211】アノード端子をパルス駆動を行うことによ
り、放射する光量を調整できる。パルスの周期は30ヘ
ルツ以上とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノ
ードに印加する電圧をパルス信号とすることにより、パ
ルス幅に比例して放射光量を可変できる。
【0212】以上のように、本発明のビューファインダ
は発光素子501の小さな発光体から広い立体角に放射
される光を、集光レンズ531により効率良く集光する
ので、蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場
合に比較して、光源の消費電力を大幅に低減することが
できる。
【0213】図52は本発明の表示パネル276をビュ
ーファインダに適用した例であるが、図50のようにビ
デオモニターとしても適用できる。図50はビデオモニ
ターの断面図である。
【0214】発光ランプ501から出射された光は、ア
バーチャ502の穴から出射され、ミラー303で反射
されて光路を折り曲げられる。ミラー303で反射させ
るのはビデオモニターの奥ゆきを短くするためである。
反射した光はフレネルレンズ312aに入射し、略平行
光に変換される。前記変換された光は表示パネル276
に入射し、前記表示パネル276は映像信号にもとづい
て入射光を変調する。表示パネル276には透明基板4
14を取りつけ2次散乱光の発生を防止して表示コント
ラストを向上させている。
【0215】本発明の表示パネルは直視型の表示装置に
も適用できる。図51はその構成図である。棒状の蛍光
管513から放射された白色光は反射シート514で反
射され、または直接に導光板512に入射する。反射シ
ートとしてはポリエステルフィルムに銀を蒸着したもの
等が例示される。また、導光板512の厚みd2と蛍光
管の直径d1とはd2>2d1かつ3d2<4d1の関係を
満足させる。前記範囲で導光板へ入射する光量が多くな
り、光利用率が高くなる。
【0216】導光板512の表面には拡散点が形成さ
れ、拡散点に入射した光は導光板512から出射する。
導光板512上にはプリズムシート511が1枚もしく
は2枚配置されている。プリズムシート511は狭指向
性の光に変換する機能を有する。
【0217】
【発明の効果】本発明の表示パネルはトランスファゲー
ト(TG)を駆動するインバータ等の電源電圧を高くし
て、画素電極に高電圧を書き込めるようにしているた
め、PD液晶層を十分に光透過状態にできる。そのため
高コントラスト表示ができる。また、電源配線とグラン
ドパターン間にコンデンサを形成し、またチップコンデ
ンサを突起電極を介してアレイ基板と接続することによ
り、電源配線の電圧降下を防止でき、結果として画素電
極等に十分に電圧を印加できる。そのため、高コントラ
スト表示を行える。
【0218】同時にソース信号線一端にPC回路を形成
することにより、画素電極に十分な電圧を印加でき、高
コントラスト表示を実現できる。
【0219】またアレイ基板上に薄膜抵抗を形成し、こ
れらをトリミングすることにより信号振幅またはクロッ
ク等の振幅を一定値に調整することができるため、画面
にすじ等が発生せず高品画像を表示できる。また温度セ
ンサを用いてYドライバ回路等の温度を検出し、Yドラ
イバ回路のタイミング制御にフィールドバックをかけて
いる。そのため、画面の位置ずれが生ぜす、高品位画像
を実現できる。
【0220】さらに、本発明は自然画と黒ラスター表示
を交互に行うため、動画表示のきれがよくなり動画ボケ
が生ぜす、高品位画像表示を実現できる。
【0221】さらに、アモルファスシリコン膜を結晶化
する際、うす電流を発生させて結晶化を行うため、高モ
ビリティの半導体膜を均一に形成することができる。そ
の結果として、画素電極等に十分な電圧を印加でき、ま
たMOSトランジスタの温度依存性も小さくなることか
ら、高コントラスト高品位画像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図2】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図3】 MOSトランジスタ素子の説明図である。
【図4】 MOSトランジスタ素子の説明図である。
【図5】 MOSトランジスタ素子の説明図である。
【図6】 MOSトランジスタ素子の説明図である。
【図7】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図8】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図9】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図10】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図11】 本発明の表示パネルの電源配線の構成図で
ある。
【図12】 図11の断面図である。
【図13】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図14】 本発明の表示パネルの駆動回路のブロック
図である。
【図15】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図16】 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
【図17】 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
【図18】 液晶表示パネルの駆動方法の説明図であ
る。
【図19】 液晶表示パネルの駆動方法の説明図であ
る。
【図20】 本発明の表示パネルの説明図である。
【図21】 図20の等価回路図である。
【図22】 本発明の表示パネルの説明図である。
【図23】 図22の等価回路図である。
【図24】 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
【図25】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図26】 本発明の表示パネルの説明図である。
【図27】 本発明の表示パネルの断面図である。
【図28】 本発明の表示パネルの説明図である。
【図29】 本発明の表示パネルの断面図である。
【図30】 本発明の液晶プロジェクタの説明図であ
る。
【図31】 本発明の液晶プロジェクタの説明図であ
る。
【図32】 本発明の液晶プロジェクタに用いる光学部
品の説明図である。
【図33】 本発明の液晶プロジェクタに用いる光学部
品の説明図である。
【図34】 本発明の投射型表示装置に用いる光学部品
の特性図図である。
【図35】 本発明の投射型表示装置に用いる光学部品
の特性図図である。
【図36】 本発明の投射型表示装置に用いる光学部品
の特性図図である。
【図37】 メタルハライドランプの分光特性図であ
る。
【図38】 表示パネルに入射する光の分光特性図であ
る。
【図39】 カラーフィルタを通過する光の分光特性図
である。
【図40】 投射型表示装置の色度図である。
【図41】 本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図42】 本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図43】 本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の構成図である。
【図44】 本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図45】 本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図46】 本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図47】 本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図48】 本発明の投射型表示装置の説明図である。
【図49】 本発明の他の実施の形態における投射型表
示装置の説明図である。
【図50】 本発明の表示装置の断面図である。
【図51】 本発明の他の実施の形態における表示装置
の構成図である。
【図52】 本発明のビューファインダの斜視図であ
る。
【図53】 本発明のビューファインダの斜視図であ
る。
【図54】 従来の投射型表示装置の構成図である。
【図55】 TN液晶表示パネルの説明図である。
【図56】 従来の投射型表示装置の特性の説明図であ
る。
【図57】 高分子分散液晶表示パネルの動作の説明図
である。
【図58】 本発明の表示パネルの一部断面図である。
【図59】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図60】 本発明の表示パネルの構成図である。
【図61】 本発明の表示パネルの製造方法の説明図で
ある。
【図62】 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
【図63】 本発明の表示パネルの駆動回路の説明図で
ある。
【図64】 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
11 Yドライバ 12 Xドライバ 13 表示領域 14 付加容量 15 液晶層 17 Y制御端子 18 X制御端子 19 共通電極 21 シフトレジスタ回路 22 バッファ回路 71 シフトレジスタ回路 72 バッファ回路 73 オンオフ回路 111 ピンホール 121 グランドパターン 122 誘電体膜 123 電源配線 124 保護膜 131 チップコンデンサ 132 電極 133 突起電極 134 導電接合層 135 ITO電極 136 薄膜 137 配線 141 液晶表示パネル 142 PLL 143 相展開回路 144 γ処理回路 145 反転処理回路 146 パネルクロック発生回路 147 温度センサ 148 カウンタ 181 画素 201 絶縁膜 202 コンタクトホール 203 薄膜抵抗 204 出力配線 205 入力配線 206 トリミング溝 222 増幅回路 251 放熱板 252 接着層 271 絶縁膜 273 平滑層 274 カラーフィルタ 275 干渉膜フィルタ 276 高分子分散(PD)液晶表示パネル 301 光学ブロック 302 投射レンズ 303 ミラー 304 筐体 305 スクリーン 311 色改善フィルタ 312 レンズ 321 ガラス基板 322,323,332,333 誘電体多層膜 324,325,334,335 誘電体薄膜 411 光軸 412 光結合層 413 光吸収膜 414 OC板 415 反射防止膜 541 平面ミラー 431a 後群レンズ 431b 前群レンズ 432 発光体 433 実像 434 入力部収束レンズアレイ 435 中央部収束レンズアレイ 436 絞り(照明光側) 437 出口部収束レンズ 438 絞り(投射レンズ側) 439 入力部収束レンズ 440 中央部収束レンズ 441 2次発光体 491 ダイクロイックミラー 312a フレネルレンズ 501 蛍光ランプ 502 アパーチャ 503 穴 511 プリズム板(シート) 512 拡散板(光散乱シート) 513 蛍光管 514 反射シート(反射板) 535 接眼ゴム 536 取り付け金具 531 集光レンズ 532 接眼リング 533 接眼レンズ 534 ボディ 541 光源 541a メタルハライドランプ(発光手段) 541b 凹面鏡 541c UVIRカットフィルタ 542 フィールドレンズ 543 偏光板 544 対向基板 545 アレイ基板 546 カラーフィルタ 547 TN(ツイストネマティック)液晶 548 TN液晶表示パネル 549 投射レンズ 550 光軸 551 対向電極 552 画素電極 554 TFT 555 ソース信号線 571 水滴状液晶 572 ポリマー 573 PD液晶層 574 PD液晶表示パネル 581 ガラスコート膜 591,592 インバータ 601 サーミスタ 602 封止樹脂 611 遮光金属膜 612 絶縁膜 613 アモルファスシリコン膜 614 (エキシマ)レーザ光 631 A/D変換回路 632 Fメモリ 633 ラスター設定回路 634 倍速読み出し回路

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素スイッチング素子と、前記画素スイ
    ッチング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に
    形成した表示パネルであって、 シフトレジスタを構成する第1のゲート回路と、 ソース信号線に信号を印加する第3のゲート回路と、 前記第3のゲート回路をオンオフする第2のゲート回路
    と、 前記第1のゲート回路の第1の電源と、 前記第2および第3のゲート回路の第2の電源とを具備
    し、 前記第1の電源の電圧よりも前記第2の電源の電圧の絶
    対値の方が大きいことを特徴とするドライブ回路。
  2. 【請求項2】 シフトレジスタを構成する第1のゲート
    回路と、ソース信号線に信号を印加する第3のゲート回
    路と、前記第3のゲート回路をオンオフする第2のゲー
    ト回路とが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に狭持された、光散
    乱状態の変化として光学像を形成する液晶層とを具備
    し、 前記第1のゲート回路の第1の電源の電圧の絶対値より
    も、前記第2および第3のゲート回路の第2の電源の電
    圧の絶対値の方が大きいことを特徴とする液晶表示パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に形
    成した表示パネルであって、 シフトレジスタ回路と、 前記シフトレジスタ回路に電圧を供給する第1の配線
    と、 所定電位に保持された電源配線とを具備し、 前記第1の配線と前記電源配線間に誘電体膜が形成さ
    れ、前記第1の配線と前記電源配線を電極としてコンデ
    ンサが構成されていることを特徴とするドライブ回路。
  4. 【請求項4】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に形
    成した表示パネルであって、 シフトレジスタ回路と、 前記シフトレジスタ回路に電圧を供給する第1の配線
    と、 所定電位に保持された第1の電源配線および第2の電源
    配線とを具備し、 前記第1の配線と前記電源配線間に誘電体膜が形成さ
    れ、前記第1の配線と前記電源配線を電極としてコンデ
    ンサが構成され、 前記第1の配線は、少なくとも前記第1および第2の電
    源配線と前記誘電体膜を介して重ねられていることを特
    徴とするドライブ回路。
  5. 【請求項5】 第1の配線は、第1の電源配線と第2の
    電源配線とを交互に前記誘電体膜を介して重ねられてい
    ることを特徴とする請求項4記載のドライブ回路。
  6. 【請求項6】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に形
    成した表示パネルであって、 第1の電源配線と、第2の電源配線と、電極に突起電極
    が形成されたコンデンサ手段とを具備し、 前記コンデンサ手段が前記第1の電源配線と前記第2の
    電源配線とに導電接合層を介して接続されていることを
    特徴とするドライブ回路。
  7. 【請求項7】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路と、第1の電源配
    線と、第2の電源配線とが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 電極に突起電極が形成されたコンデンサ手段と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に狭持された、光散
    乱状態の変化として光学像を形成する液晶層とを具備
    し、 前記コンデンサ手段が前記第1の電源配線と前記第2の
    電源配線とに導電接合層を介して接続されていることを
    特徴とする液晶表示パネル。
  8. 【請求項8】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に形
    成した表示パネルであって、 シフトレジスタを構成する第1のゲート回路と、ソース
    信号線に映像信号を印加する第3のゲート回路と、前記
    第3のゲート回路をオンオフする第2のゲート回路とを
    有する液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルの温度を検出する温度センサと、 前記温度センサの出力信号より、前記第3のゲート回路
    をオンオフするタイミングと前記第3のゲート回路に映
    像信号を印加するタイミングのうち少なくとも一方を制
    御する制御回路とを具備することを特徴とする液晶表示
    装置。
  9. 【請求項9】 画素スイッチング素子と前記画素スイッ
    チング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に形
    成した表示パネルであって、 シフトレジスタを構成する第1のゲート回路と、 ソース信号線に映像信号を印加する第3のゲート回路
    と、 前記第3のゲート回路をオンオフする第2のゲート回路
    とを有する液晶表示パネルと、 ソース信号線のうち偶数番目に位置するソース信号線に
    第1の信号を印加する第4のゲート回路と、 ソース信号線のうち奇数番目に位置するソース信号線に
    第2の信号を印加する第5のゲート回路と、 前記第4および第5のゲート回路をオンオフする制御駆
    動回路とを具備することを特徴とする液晶表示パネル。
  10. 【請求項10】 画素スイッチング素子と前記画素スイ
    ッチング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に
    形成した表示パネルの駆動方法であって、 シフトレジスタを構成する第1のゲート回路と、ソース
    信号線に映像信号を印加する第3のゲート回路と、前記
    第3のゲート回路をオンオフする第2のゲート回路とを
    有する液晶表示パネルと、ソース信号線のうち偶数番目
    に位置するソース信号線に第1の信号を印加する第4の
    ゲート回路と、ソース信号線のうち奇数番目に位置する
    ソース信号線に第2の信号を印加する第5のゲート回路
    と、前記第4および第5のゲート回路をオンオフする制
    御駆動回路とを利用し、 映像信号のブランキング期間に前記第4のゲート回路お
    よび第5のゲート回路をオンさせ、 前記ソース信号線に第1の信号または第2の信号を印加
    し、 前記第1の信号と第2の信号とは極性がことなっている
    ことを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
  11. 【請求項11】 画素スイッチング素子と前記画素スイ
    ッチング素子に信号を印加する駆動回路とが同一基板に
    形成した表示パネルであって、 印加された信号を増幅する複数の増幅回路が前記基板上
    に形成され、 前記増幅回路は薄膜抵抗を有することを特徴とする液晶
    表示パネル。
  12. 【請求項12】 画素スイッチング素子と前記画素スイ
    ッチング素子に信号を印加する駆動回路とが同一基板に
    形成した表示パネルであって、 印加された信号の振幅を調整する薄膜抵抗を有する調整
    回路が前記基板上に形成されていることを特徴とする液
    晶表示パネル。
  13. 【請求項13】 薄膜抵抗上にガラス質からなる保護膜
    が形成されていることを特徴とする請求項12または請
    求項13記載の液晶表示パネル。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の液晶表示パネルの調
    整方法において、薄膜抵抗をレーザートリミングするこ
    とにより前記増幅回路の増幅度を調整することを特徴と
    する液晶表示パネルの調整方法。
  15. 【請求項15】 画素スイッチング素子と前記画素スイ
    ッチング素子に信号を印加する駆動回路とを同一基板に
    形成した表示パネルであって、 放熱手段が前記駆動回路に接着層を介して接続されてい
    ることを特徴とする液晶表示パネル。
  16. 【請求項16】 画素がマトリックス状に配置された第
    1の基板と、 対向電極と3原色のカラーフィルタとが形成された第2
    の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層とを
    具備し、 前記カラーフィルタのうち、少なくとも一色は誘電体多
    層膜から構成され、他のカラーフィルタの一色は樹脂材
    料で構成されたいることを特徴とする液晶表示パネル。
  17. 【請求項17】 3原色のうち赤色のカラーフィルタが
    誘電体多層膜から構成されていることを特徴とする請求
    項16記載の液晶表示パネル。
  18. 【請求項18】 液晶層は高分子分散液晶層であること
    を特徴とする請求項16記載の液晶表示パネル。
  19. 【請求項19】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を変調する請求項16記載
    の表示パネルと、 前記表示パネルの光学像を投射する投射手段とを具備す
    ることを特徴とする投射型表示装置。
  20. 【請求項20】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を変調する請求項16記載
    の表示パネルと、 イエロー光を反射する第1の誘電体多層膜と、シアン光
    を反射する第2の誘電体多層膜とが透明基板の両面また
    は片面に積層され、前記第1の誘電体多層膜と前記第2
    の誘電体多層膜はそれぞれ高屈折率層と低屈折率層とが
    交互に積層され、かつ前記透明基板側から数えて最終層
    が低屈折率層となる構成であり、前記第1の誘電体多層
    膜の光学的膜厚は、低屈折率層が略0.375λY、高
    屈折率層の最終層を除く層が略1.125λYおよび低
    屈折層の最終層が略0.188λY(ただし、λYはイエ
    ロー光の中心波長)であり、前記第2の誘電体多層膜の
    光学的膜厚は、低屈折率層が略0.625λC、高屈折
    率層の最終層を除く層が略1.875λCおよび低屈折
    層の最終層が略0.313λC(ただし、λCはシアン光
    の中心波長)の色フィルタと、 前記表示パネルが形成する光学像を投影する投射手段と
    を具備することを特徴とする投射型表示装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の誘電体多層膜および第2の
    誘電体多層膜において、 低屈折率層はMgF2、SiO2、Al23のいずれかで
    あり、 高屈折率層はTiO2、ZnS、CeO2、ZrTi
    4、HfO2、Ta25、ZrO2のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項20記載の投射型表示装置。
  22. 【請求項22】 前記光発生手段は封入金属元素として
    ネオジウム(Nd)を含むメタルハライドランプを有
    し、前記色フィルタは、前記光発生手段と光変調手段と
    の間に配置されており、前記色フィルタのイエロー光の
    中心波長λYは577nmであることを特徴とする請求
    項20記載の投射型表示装置。
  23. 【請求項23】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を変調する請求項1記載の
    表示パネルと、 前記表示パネルの光学像を投射する投射手段とを具備す
    ることを特徴とする投射型表示装置。
  24. 【請求項24】 紫外線が蛍光体に作用することにより
    白色光を発生する光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を変調する請求項1または
    請求項20のいずれかに記載の表示パネルと、 前記光発生手段から放射する光を略平行光に変換する集
    光手段と、 前記記光表示パネルの光学像を拡大して観察者に見える
    ようにする拡大手段とを具備することを特徴とするビュ
    ーファインダ。
  25. 【請求項25】 第1の基板に導電体膜およびアモルフ
    ァスシリコン膜を形成し、 前記導電体膜に電界を印加
    して渦電流を生じさせ、かつ前記アモルファスシリコン
    膜にレーザー光を照射して前記アモルファスシリコン膜
    を結晶化させることを特徴とする基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 第1の期間に第1の画面を表示し、前
    記第1の期間の次の第2の期間で黒表示を行う動作を交
    互に行うことを特徴とする表示パネルの駆動方法。
  27. 【請求項27】 第1の期間に、偶数番目の画素行に画
    像を表示し、かつ奇数番目の画素行に黒表示を行い、 前記第1の期間の次の第2の期間において、奇数番目の
    画素行に画像を表示し、かつ偶数番目の画素行に黒表示
    を行うことを特徴とする表示パネルの駆動方法。
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