JP3269294B2 - 液晶表示パネルと投写型表示装置とビューファインダ - Google Patents

液晶表示パネルと投写型表示装置とビューファインダ

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JP3269294B2 JP29429794A JP29429794A JP3269294B2 JP 3269294 B2 JP3269294 B2 JP 3269294B2 JP 29429794 A JP29429794 A JP 29429794A JP 29429794 A JP29429794 A JP 29429794A JP 3269294 B2 JP3269294 B2 JP 3269294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明のタッチパネルあるいはテ
レビ画像等を表示する表示パネルと、前記表示パネルを
ライトバルブとして用い、前記表示パネルに表示された
画像をスクリーンに拡大投写する表示装置(以後、投写
型表示装置と呼ぶ)、また、前記表示パネルをビデオカ
メラの撮映画像のモニタとして用いる表示装置(以後、
ビューファインダと呼ぶ)等の装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルはCRTに比較して軽
量、薄型などの数多くの特徴を有するため、研究開発が
盛んである。また、近年ではポケットテレビあるいはビ
デオカメラのビューファインダの表示部として用いられ
ている。しかし、大画面化が困難であるなどの問題点も
多い。そこで近年、小型の表示パネルの表示画像を投写
レンズなどにより拡大投写し、大画面の表示画像を得る
投写型表示装置が注目をあつめている。なお、現在、商
品化されている投写型表示装置およびビューファインダ
には液晶の旋光特性を利用したツイストネマティック
(以後、TNと呼ぶ)表示パネルが用いられている。
【0003】以下、従来の表示パネルについて説明す
る。ただし、説明に不要な箇所は省略しており、また、
図面を見易くするためにモデル的に描いている。以上の
ことは以後の図面に対しても同様である。
【0004】(図46)は従来の表示パネルの断面図で
ある。薄膜トランジスタ(以後、TFTと呼ぶ)14等
が形成されたアレイ基板12と対向基板11と4〜6μ
mの間隔で保持され、前記基板間にTN液晶383が注
入されている。表示領域の周辺部は封止樹脂(図示せ
ず)で封止されている。381はクロムなどの金属材料
で形成されたブラックマトリックス(以降、BMと呼
ぶ)、13はITOなどの透明物質で形成された対向電
極、15は画素電極、382は配向膜である。
【0005】画素電極15および対向電極13上には配
向膜382が形成されており、前記配向膜382には液
晶層383の液晶分子を配向させるためのラビング処理
が施されている。また、対向基板11およびアレイ基板
12には偏光板384が貼り付けられている。
【0006】ここで、TN表示パネルの製造方法につい
て簡単に説明しておく。まず、アレイ基板12と対向基
板11にはそれぞれ配向膜93a、93bが塗布され、
ラビング工程により配向処理される。その後、アレイ基
板12の周辺部にTN液晶91の注入口を残して封止樹
脂(図示せず)が塗布される。また、対向基板11上に
均一な液晶膜厚を得るための透明のガラスビーズもしく
は樹脂からなるビーズを散布する。次に、対向基板11
とアレイ基板12を貼り合わせる。その後、加熱するこ
とにより前記封止樹脂を硬化させる。次に貼り合わせた
前記基板を真空室に入れ、アレイ基板12と対向基板1
1のギャップ内を真空状態にした後、液晶の注入口をT
N液晶に浸す。その後、真空室の真空を破ると、液晶は
注入口からギャップ内に注入される。最後に注入口を封
止して完成する。
【0007】(図15)は表示パネルをシャーシ等に取
り付けた表示パネルモジュールの平面図およびH−H’
線での断面図である。ステンレス板を板金加工したシャ
ーシ161に、コネクタ163および電界コンデンサ
(図示せず)等を積載したプリント基板162が取り付
けられている。プリント基板162の中央部は打ち抜か
れており、打ち抜いた箇所に表示パネルがはめこまれて
いる。プリント基板162上にはコネクタ163の端子
からの電気信号等を伝達するための銅薄配線(図示せ
ず)が形成されている。また、表示パネルにも前記電気
信号を伝達するための薄膜配線とが形成されている。銅
薄配線の一端と薄膜配線の一端とはアルミニウム(A
l)の細線(ボンディング線)により接続されている。
【0008】表示パネルの表示領域の外側には口の字状
に遮光パターン164が形成されている。(図15)で
は遮光パターンは点線で示す。(図15)の遮光パター
ン164の近傍のJ−J’およびK−K’線での断面図
を(図47)に示す。遮光パターン164はクロム(C
r)で形成され、その膜厚は1000オングストローム
程度であり、対向基板11の対向電極13上に形成され
る。なお、21はソース信号線である。
【0009】遮光パターン164およびBMがCrで形
成されるのは比較的膜厚が薄くて良好な遮光効果がある
からである。TN表示パネルは液晶分子を配向させるた
めに、配向膜382に配向処理をほどこす必要がある。
配向処理は画素電極15上をこする(ラビング)ことに
よりおこなうため、BM381等の膜厚が厚くなると、
基板11、12上の、凹凸が大きくなり、良好な配向処
理を行えなくなる。
【0010】表示領域の外側に遮光パターン164が形
成される理由について、簡単に説明しておく。表示領域
の外側には画素はないが表示領域に信号を伝達するため
ソース信号線21等が形成されている。ソース信号線2
1は金属薄膜であるから、遮光する。しかし、ソース信
号線とソース信号線との間に入射した光は、前記信号線
間には遮光物はないから透過する。表示領域の光のみが
透過(画素で変調されて)すればよいのであって、表示
領域外からの透過光は無用であるばかりか、前記光は表
示画像を見にくくする。前記透過光の遮光はシャーシ1
61で行なう。シャーシ161はステンレス等の金属板
であるから、光は透過しない。シャーシ161は中央部
に穴があけられ、前記穴と表示パネルの表示領域が一致
するように配置される。
【0011】表示パネルは、半導体プロセスで作製され
るため寸法精度は非常に高いが、シャーシ161は機械
加工で作製されるため寸法精度は低い。また、シャーシ
161に表示パネルを取り付ける精度は低い。したがっ
て、シャーシ161の穴径が大きければ、表示領域の周
辺部つまりソース信号線間等から光もれが生じる。穴径
が小さければ表示領域の一部をシャーシ161で遮光し
てしまう。また、取り付け位置がずれると、一端から光
もれが生じ、他端は表示領域の一部を遮光してしまう。
そこで遮光パターン164を2mm程度の幅で形成し、
シャーシ161の穴径を表示領域よりも大きめに作製し
ておく。すると、表示領域とシャーシの穴径のすきまに
遮光パターン164が位置するようにでき、パネルの取
り付け位置が最悪2mmずれても表示領域の外側から光
もれが生じることはない。また、表示領域を遮光してし
まうこともない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】TN液晶を用いた表示
パネルは、偏光板384aを用いて入射光を直線偏光に
する必要がある。また、表示パネルの出射側にも液晶表
示パネルで変調された光を検出するため、偏光板384
bを配置する必要がある。つまり、TN液晶表示パネル
の前後には光を直線偏光にするための偏光板384a
(以後、偏光子と呼ぶ)と変調された光を検出するため
の偏光板384b(以後、検光子と呼ぶ)の2枚の偏光
板を配置する必要がある。液晶表示パネルの画素開口率
を100%とし、偏光子384aに入射する光量を10
0とすると偏光子384aより出射する光量は40%、
表示パネルの透過率は80%、検光子384bの透過率
は80%となるから、全体としての透過率は0.4×
0.8×0.8=約25%となり、25%の光しか有効
に利用できない。したがって、TN表示パネルでは低輝
度画像表示しか実現できない。
【0013】偏光板384等で損失した光はほとんどが
偏光板384に吸収されて熱に変換される。熱は偏光板
384自身および輻射熱等により表示パネルを加熱す
る。投写型表示装置の場合、偏光板384に入射する光
量は数万ルクス以上となる。したがって、投写型表示装
置のライトバルブとしてTN表示パネルを用いた場合、
偏光板384およびパネル等は高温状態となり、短期間
で著しい性能劣化をひきおこす。
【0014】また、TN表示パネルは配向膜382を塗
布し、ラビング処理が必要である。ラビング処理等は工
程数を増加させ、製造コストの増大をひきおこす。ま
た、近年、投写型表示装置に用いる表示パネルの画素数
は30万画素以上と大容量となり、それにつれ画素サイ
ズは微細化の傾向にある。画素の微細化は信号線、TF
T14等による凹凸を単位面積あたり多数形成すること
になる。前記凹凸により良好にラビング処理を行なえな
くなることは明らかである。また、画素サイズの微細化
は1つの画素に占めるTFT14および信号線の形成面
積が大きくなり画素開口率を低減させる。一例として、
対角3インチの表示パネルで35万画素形成した場合、
画素開口率は約30%である。150万画素形成した場
合は10%弱という予測値もある。これらの画素開口率
の低減は表示画像の低輝度化にとどまらず、入射光開口
部以外に照射された光により、さらに表示パネルは加熱
されることになりTN表示パネルの性能劣化を加速す
る。
【0015】TN液晶は、画素電極15に印加した電圧
により液晶の配向状態を変化させ光変調を行なう。TN
表示パネルの入射側と出射側にはそれぞれ偏光板が配置
され、前記偏光子384aと検光子384bの偏光軸は
直交させている。一般的に、TN表示パネルは電圧印加
状態で黒表示を行えるモード(NWモード)で使用す
る。
【0016】NWモードの表示パネルの表示画像は色再
現性はよいが、課題として、画素周辺部からの光もれが
ある。これは液晶分子が、正規の方向に配向せず、逆方
向に配向することからおきる。この配向状態を逆チルド
・ドメインと呼ぶ。これは画素電極15と信号線間21
に発生する電界により液晶分子の立ち上がり方向が部分
的に逆になることより生じる。液晶分子の立ち上がり方
向が逆になった部分は、電圧が印加されているにもかか
わらず、光は出射面の検光子384bを通過する。つま
り、光もれが生じる。正常な液晶の立ち上がり方向であ
れば光もれは生じない。
【0017】光もれを防止する方法として、対向電極上
に形成するBM381の幅を太くする方法があるが、こ
れも画素閉口面積を低下させることとなり、表示輝度を
低下させることから、有効な方法とは言えない。
【0018】以下のようにTN液晶を用いる表示パネル
は、偏光板384を用いる必要がある。また、画素周辺
部に光ぬけが発生しやすいため、BMを太くしなければ
ならない。したがって、光利用率が悪く、表示輝度は低
い。BMに照射された光は表示パネルを加熱することに
なり、パネル温度を上昇させ、パネルの寿命を短くす
る。
【0019】同様に、TN表示パネルをライトバルブと
して用いる投写型表示装置も、光利用率が悪く、投写画
像のスクリーン輝度は低い。そこで、偏光板384を用
いない高分子分散(PD)表示パネルを用いた投写型表
示装置が提案されている。一例として、特開平3−94
225号公報に記載のものがあげられる。投写型表示装
置に用いるライトバルブとしてのPD表示パネルは、入
射光を散乱あるいは透過させることにより光変調を行な
う。
【0020】PD表示パネルの構造としては(図46)
のTN液晶表示パネルから、偏光板384を除去し、か
つ、配向膜382が形成されていない構成が例示され
る。当然のことながら液晶層にはPD液晶を用いる。
【0021】PD表示パネルの動作について(図34
(a)(b))を用いて簡単に説明する。(図34
(a)(b))はPD表示パネルの動作の説明図であ
る。(図34(a)(b))において、ポリマー332
中には水滴状の液晶(以後、水滴状液晶331と呼ぶ)
が分散されている。画素電極15にはTFT(図示せ
ず)等が接続され、TFTのオン、オフにより画素電極
15に電圧が印加されて、画素電極15上の液晶配向方
向を可変させて光を変調する。(図34(a))に示す
ように電圧を印加していない状態では、それぞれの水滴
状液晶331は不規則な方向に配向している。この状態
ではポリマー332と水滴状液晶331とに屈折率差が
生じ、入射光は散乱する。
【0022】ここで(図34(b))に示すように、画
素電極15に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろ
う。液晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあら
かじめポリマー332の屈折率と合わせておくと、入射
光は散乱せずにアレイ基板12より出射する。
【0023】ここで、PD表示パネルの製造方法につい
て説明しておく。ポリマー332として、光硬化樹脂、
特に紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂(以後、UV
樹脂)が通常用いられる。アレイ基板12と対向基板1
1とは一定の間隔をあけて保持される。保持手段として
は微細なビーズが用いられることが多い。なお、PD表
示パネルには基本的には配向膜382の形成は必要な
い。アレイ基板12と対向基板11間に未硬化のUV樹
脂成分と液晶成分とを混合させた溶液(以後、混合溶液
と呼ぶ)を注入する。次に紫外線光を混合溶液に照射す
る。すると混合溶液のUV樹脂は硬化し、樹脂成分と液
晶成分とが相分離する。液晶が少ない場合は(図34)
に示すように水滴液晶131となり、液晶が多い場合
は、水滴状液晶331は連続状につながる。
【0024】未硬化のUV樹脂は、紫外線光を照射され
た箇所は硬化し、樹脂成分と液晶成分とが相分離する
が、光が照射されなかった箇所は樹脂は未硬化となる。
(図46)の表示パネルの構成において、TN液晶38
3のかわりに混合溶液を注入した場合を考える。BM3
81は金属薄膜で形成されているため、紫外線光を遮光
する。また、TFT14等も金属薄膜等で形成されてい
るため、紫外線光を遮光する。BM381下の領域aの
UV樹脂はアレイ基板12側から紫外線光を照射して
も、対向基板11側から紫外線光を照射しても硬化しな
い。それはA方向から紫外線光を照射した時はBM38
1が前記光を遮光し、B方向から紫外線を照射した時は
TFT14が前記光を遮光するからである。
【0025】未硬化となったUV樹脂はPD表示パネル
の信頼性、寿命に悪影響を与える。表示パネルを動作さ
せているうちに液晶の組成が変化しやすく、また、液晶
層と対向基板11等が剥離しやすい。
【0026】BM381等があると、表示パネルの製造
する際に紫外線照射条件も設定しにくい。製造時、アレ
イ基板12と対向基板11間に液晶と未硬化のUV樹脂
を所定の割合で混合した混合溶液を注入し、紫外線光を
照射すると画素電極15周辺部(BMに近い箇所)の液
晶の平径粒子径、またはポリマーネットワークの平均孔
径は大きくなる傾向がある。これは、BM381が紫外
線を吸収し、加熱されるため、BM周辺部の樹脂の温度
が極部的に高り、液晶成分と樹脂成分とを相分離させる
条件が極部的に変化するためと考えられる。もちろん散
乱特性も低下する。以上のようにBM381が形成され
ていると製造時のわずかな温度変化、紫外線の照射強度
により、画素電極上の液晶の平均粒子径またはポリマー
ネットワークの平均孔径の大きさは変化する傾向がみら
れ、その製造条件マージンは狭い。したがって、同一特
性のPD表示パネルを安定して作製することが困難であ
る。
【0027】PD表示パネルを投写型表示装置のライト
バルブとして用いる場合、先に説明した未硬化のUV樹
脂がPD表示パネル内に残っていると性能劣化が著し
い。これは投写型表示装置では表示パネルに数万ルクス
以上の光が入射し、光ストレス、熱ストレスが大きいた
めと考えられる。
【0028】以上のように、従来、TN表示パネルは偏
光板を用いるために光利用効率が悪く、高輝度表示を実
現できなかった。また、PD表示パネルは高輝度表示は
実現できるが、従来の構成では未硬化のUV樹脂が残る
ため安定性が悪く、実用に用いれるものではなかった。
また、製造条件マージンも狭く、高散乱特性のPD表示
パネルを安定して得ることは困難であった。
【0029】本発明は、高輝度表示かつ安定性が良好で
経時変化のない表示パネル、およびそれをライトバルブ
として用いた投写型表示装置等を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の本発明の表示パネ
ルは、(図23)に示すようにタッチパネル等に組み込
んで用いるものである。ペンまたはキーでセンサ236
を押さえることにより表示パネルの光変調層17に電圧
が印加され、文字等が浮かび上がる表示装置等に応用で
きる。
【0031】構成は第1の電極216が形成された第1
の電極基板214と、第2の電極217が形成された第
2の電極基板215と、前記第1の電極基板214と第
2の電極基板215との間に狭持された光散乱状態の変
化として光変調を行う光変調層17とを具備する。ま
た、前記第1の電極基板214と前記第2の電極基板2
15のうち少なくとも一方に、所定の形状にパターニン
グされた誘電体多層膜212が形成されたものである。
【0032】好ましくは、第2の電極217は反射電極
にし、前記反射電極上に特定の波長の光を反射する光反
射膜213を形成し、前記光反射膜213が反射する光
の波長と、誘電体多層膜212が反射する光の波長とが
略一致させる。
【0033】また、光変調層17は高分子分散液晶層を
用い、前記高分子分散液晶層は、光硬化樹脂成分とネマ
ティック液晶成分とを有し、前記高分子分散液晶の水滴
状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワークの平均
孔径が0.5μm以上3μm以下にする。
【0034】第2の本発明の表示パネルは、テレビ画像
等を表示するためのものである。構成はマトリックス状
に配置された画素電極15と、前記画素電極15に接続
されたスイッチング素子14(TFT等)と、前記スイ
ッチング素子14に信号を伝達する信号線とが形成され
たアレイ基板12と、対向電極13が形成された対向基
板11と、前記アレイ基板12と対向基板11に狭持さ
れた高分子分散液晶層17と、前記アレイ基板12上と
対向基板11のうち少なくとも一方に、前記画素電極1
5配置に対応して形成された誘電体多層膜16とを具備
する。前記誘電体多層膜16は、屈折率が1.7以下の
低屈折誘電体膜と、屈折率が1.8以上の高屈折誘電体
膜とが交互に積層されて構成される。
【0035】好ましくは、低屈折誘電体膜の材料は二酸
化ケイ素(SiO2)またはフッ化マグネシウム(Mg
2)であり、高屈折誘電体膜の材料は酸化ハフニウム
(HfO2)または酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成
する。また、スイッチング素子14上に樹脂からなる遮
光膜18を形成する。
【0036】第3の本発明の表示パネルは、(図18)
等に示すように、第1の複数の略ストライプ状電極17
1が形成された第1の基板174と、第2の複数の略ス
トライプ状電極176が形成された第2の基板175
と、前記第1の基板174と第2の基板175に狭持さ
れた高分子分散液晶層17と、前記第1の基板174上
と第2の基板175のうち少なくとも一方に、形成され
た誘電体多層膜172とを具備する。また、前記誘電体
多層膜172は、屈折率が1.7以下の低屈折誘電体膜
と、屈折率が1.8以上の高屈折誘電体膜とが交互に積
層されて構成されていることを特徴とする。
【0037】好ましくは、低屈折誘電体膜の材料は二酸
化ケイ素(SiO2)またはフッ化マグネシウム(Mg
2)であり、高屈折誘電体膜の材料は酸化ハフニウム
(HfO2)または酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成
する。
【0038】第4の本発明の表示パネルは、(図11)
などに示すように、マトリックス状に配置された画素電
極15と、前記画素電極15に接続されたスイッチング
素子14と、前記スイッチング素子14に信号を伝達す
る信号線21とが形成されたアレイ基板12と、対向電
極13が形成された対向基板11間と、前記アレイ基板
12と対向基板11に狭持された高分子分散液晶層17
と、前記対向電極13と画素電極15上に、高分子分散
液晶層17の比抵抗よりも高い材料から形成された絶縁
膜111とを具備する。
【0039】また、前記高分子分散液晶層17は、光硬
化樹脂成分とネマティック液晶成分とを有し、前記高分
子分散液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネ
ットワークの平均孔径が0.5μm以上3μm以下であ
ることを特徴とする。
【0040】第5の本発明の表示パネルは、(図8)
(図14)等に示すように、マトリックス状に配置され
た画素電極15と、前記画素電極15に接続されたスイ
ッチング素子14と、前記スイッチング素子14に信号
を伝達する信号線21とが形成されたアレイ基板12
と、対向電極13が形成された対向基板11間と、前記
対向基板11とアレイ基板12に狭持された液晶層17
と、前記画素電極15および信号線21上に形成された
カラーフィルタ71とを具備する。
【0041】好ましくは、前記液晶17として高分子分
散液晶を用いる。また、前記高分子分散液晶層17は光
硬化樹脂成分とネマティック液晶成分とを有し、前記高
分子分散液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマー
ネットワークの平均孔径が0.5μm以上3μm以下に
する。
【0042】第6の本発明の表示パネルは、(図4)
(図38)(図39)等に示すように、マトリックス状
に配置された画素電極15が形成されたアレイ基板12
と、対向電極13が形成された対向基板11間と、前記
アレイ基板12と対向基板11に狭持された高分子分散
液晶層17と、前記対向電極13と画素電極15間のう
ち少なくとも一方に、高分子分散液晶層17の液晶の比
誘電率よりも低い材料から形成された低誘電体膜16a
または低誘電体柱391とを具備するものである。
【0043】また、前記高分子分散液晶層は、光硬化樹
脂成分とネマティック液晶成分とを有し、前記高分子分
散液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネット
ワークの平均孔径が0.5μm以上3μm以下であるこ
とを特徴とする。好ましくは、前記低誘電体膜または低
誘電体柱に、液晶層で変調する光を吸収する色素を含有
させる。
【0044】第7の本発明の表示パネルは、(図12)
等に示すように、マトリックス状に配置された反射電極
121と、前記反射電極121に接続されたスイッチン
グ素子14と、前記スイッチング素子14に信号を伝達
する信号線21とが形成されたアレイ基板12と、対向
電極13が形成された対向基板11間と、前記アレイ基
板12と対向基板11に狭持された高分子分散液晶層1
7と、前記反射電極間と反射電極との間と前記反射電極
間と対面する対向電極13のうち少なくとも一方に形成
された誘電体多層膜16とを具備する。また、前記誘電
体多層膜16は、屈折率が1.7以下の低屈折誘電体膜
と、屈折率が1.8以上の高屈折誘電体膜とが交互に積
層されて構成されていることを特徴とする。
【0045】好ましくは低屈折誘電体膜の材料は二酸化
ケイ素(SiO2)またはフッ化マグネシウム(Mg
2)であり、高屈折誘電体膜の材料は酸化ハフニウム
(HfO2)または酸化ジルコニウム(ZrO2)で形成
します。また、スイッチング素子14はアレイ基板12
と反射電極121との間(反射電極121の下層)に配
置する。
【0046】第1の本発明の表示装置は、(図23)に
示すように、第1の電極216が形成された第1の電極
基板214と、第2の電極217が形成された第2の電
極基板215と、前記第1の電極基板214と第2の電
極基板215との間に狭持された、光散乱状態の変化と
して光変調を行う光変調層17とを有し、前記第1の電
極基板214と前記第2の電極基板215のうち少なく
とも一方に、所定の形状にパターニングされた誘電体多
層膜212が形成された表示パネル218と、信号発生
手段233と、切り替え手段232と、検出手段236
とを具備する。
【0047】前記信号発生手段233は、前記切り替え
手段232を介して前記表示パネル218の第1の電極
216と第2の電極217のうち少なくとも一方に接続
されており、前記切り替え手段232は、前記検出手段
237からの信号により、前記信号発生手段233から
の信号を前記電極に印加した状態と無印加状態とを切り
替えることを特徴とする。
【0048】好ましくは、前記切り替え手段232は、
前記検出手段237からの信号により、前記信号発生手
段233からの信号を前記電極に印加した状態と無印加
状態とを交互に切り替えるように構成する。
【0049】第2の本発明の表示装置は、(図32)等
に示すように本発明の表示パネル等を光変調手段243
として用いたものです。光発生手段301と、前記光発
生手段301から放射される光を略平行光に変換する集
光手段304とを具備し、前記表示パネル243は、前
記集光手段304からの出射光を変調し、光学像を形成
することを特徴とする。集光手段304は、光発生手段
301から放射され前記集光手段304の有効領域に入
射し、光変調手段243を直進する光が観察者の瞳に到
達するように配置される。
【0050】第3の本発明の表示装置は、(図24)等
に示すように、第3の本発明の表示パネル等をライトバ
ルブとして用いたものである。光発生手段241と、前
記光発生手段241が放射する光を、青色、緑色および
赤色の3つの光路に分離する色分離光学系242と、前
記表示パネルが243変調した光を投写する投写手段と
を具備する。
【0051】青色光を変調する表示パネル243aの光
学像と、緑色光を変調する表示パネル243bの光学像
と、赤色光を変調する表示パネル243bの光学像とが
投写手段により重ね合わされて投写されることを特徴と
する。
【0052】第4の本発明の表示装置は、(図26)等
に示すように、本発明の反射型の表示パネル等をライト
バルブとして用いたものである。1つの光発生手段24
1と、前記光発生手段が放射する光を、青色、緑色およ
び赤色の3つの光路に分離する色分離光学系263とを
具備する。色分離光学系263は、色分離機能と、前記
表示パネル246で変調された光を合成する色合成機能
を有する。
【0053】第5の本発明の表示装置は、(図44)等
に示すように、光変調状態の変化として光変調を行う反
射型の光変調手段264と、光発生手段241と、前記
光発生手段241から放射される光を複数の波長帯域の
光路に分離する光分離面を有する光分離手段441と、
前記光変調手段264と前記光分離手段441との間の
光路に配置された光波長制限フィルタ433と、前記光
変調手段264で変調された光を投射する投写手段26
1とを具備するものである。また、光分離手段441の
無効領域には光吸収膜432が形成されている。
【0054】第6の本発明の表示装置は、(図43)等
に示すように、光変調状態の変化として光変調を行う反
射型の光変調手段264と、光発生手段241と、前記
光発生手段241から放射される光を複数の波長帯域の
光路に分離する光分離面が形成された光分離手段263
と、前記光変調手段264と光分離手段263とを格納
する格納手段431と、前記格納手段431の空間部に
充填された液体もしくはゲル434と、前記光変調手段
で変調された光を投写する投写手段261と、前記格納
手段431の内面もしくは外面に、形成もしくは配置さ
れた光吸収手段432aとを具備するものである。
【0055】
【作用】第1の本発明の表示パネルにおいて、誘電体多
層膜212は可視光を反射するが、紫外線光を透過する
ように構成している。そのため、表示パネルの製造時、
誘電体多層膜212上から紫外線を照射することによ
り、前記誘電体多層膜212下の樹脂成分を硬化するこ
とができる。そのため、未硬化の樹脂成分が発生せず表
示パネルに経時変化がおこらず安定である。
【0056】また、誘電体多層膜212は特定の可視光
を反射するため着色して見え、光変調層17は散乱して
白色であるから、白色の部分を文字もしくは図形とする
と、前記文字等が浮かび上がって表示される。第2の電
極板215に誘電体多層膜212が反射する特定の可視
光と同一の光を反射する光反射膜213を形成しておけ
ば、光変調層17に電圧が印加され、透明状態となった
とき、光反射膜213が反射する光が第1の基板側21
4から出射する。光反射膜213が反射する光の色と誘
電体多層膜212が反射する光の色とは一致しているた
め、前記文字等は見えなくなる。これらの表示にはTN
表示パネルのように偏光板が不要であり、高輝度表示を
行なえる。
【0057】第2の本発明の表示パネルは、テレビ画像
等を表示するためのものである。誘電体多層膜16は特
定の可視光を反射し、紫外線を透過する。表示パネル製
造時、誘電体多層膜16が形成された対向基板11側か
ら紫外線光を照射することにより、誘電体多層膜16の
下の光硬化性樹脂成分を硬化させることができる。した
がって、液晶層17に未硬化の樹脂が残ることがなく、
表示パネルに経時変化が発生しない。誘電体多層膜16
は可視光の吸収はなく、すべて反射する。
【0058】そのため、従来のBMのように可視光を吸
収し、加熱されるということが発生しない。誘電体多層
膜16は可視光を反射することから、BMとしての遮光
機能もある。したがって画素電極15の周辺部からの光
ぬけがない。そのため、高品位の画像表示を行なえる。
【0059】このことは、本発明の表示パネルを投写型
表示装置のライトバルブとして用いた時にさらに大きな
効果を発揮する。前記ライトバルブには100万ルクス
近くの強い光が入射する。前記投写型表示装置は赤・青
・緑のそれぞれの光を変調するライトバルブを用いる。
ライトバルブの誘電体多層膜16は赤・青・緑のいずれ
かの光を良好に反射し、また、ほとんど光を吸収しな
い。そのためライトバルブは加熱されることがなく、ま
た、画素電極15周辺部からの光ぬけも発生しない。
【0060】TFT14上に形成した樹脂からなる遮光
膜18は光変調層17で散乱した光が、前記TFT14
の半導体層に入射し、TFTにホトコンダクタ現象を発
生するのを防止する。また、遮光膜18は樹脂で形成さ
れているため、光変調層17の樹脂成分との密着性が良
好で、光変調層17とアレイ基板12との剥離等の発生
を防止できる。
【0061】第3の本発明の表示パネルは、いわゆる単
純マトリックス型表示パネルに関するものである。誘電
体多層膜172は紫外線を透過する。したがって、製造
時、誘電体多層膜172を透過させて紫外線を照射で
き、前記誘電体多層膜172下の樹脂成分を硬化でき
る。そのため、未硬化の樹脂成分が残らず、表示パネル
に劣化が生じることがない。
【0062】第4の本発明の表示パネルは、主として、
液晶層17の保持率を向上させるためのものである。高
分子分散液晶はTN液晶等と比較すると、比抵抗が低
い。そのため、電圧保持率が悪いという課題がある。電
圧保持率が悪いと画素電極15に印加した電荷を1フィ
ールド(1/30または1/60秒)の時間のあいだ保
持することができず、十分に液晶層17が透過状態とな
らない。
【0063】本発明では対向基板11およびアレイ基板
12上に絶縁膜11を形成し、前記絶縁膜11で電圧を
保持できるようにしている。そのため、液晶層17の比
抵抗が低くても、前記絶縁膜11の比抵抗が十分高けれ
ば、1フィールドの時間は十分に電荷をチャージでき
る。
【0064】また、高分子分散液晶層17と対向電極1
3とは密着性が悪く、ヒートショック等で、高分子分散
液晶層17と電極13との剥離が生じやすい。本発明の
表示パネルは、絶縁膜111を形成している。前記絶縁
膜111は高分子分散液晶層17と電極13との緩衝膜
として機能するので、前記剥離は発生しないようにな
る。
【0065】第5の本発明の表示パネルは、カラー表示
を行う表示パネルに関するものである。カラーフィルタ
71は樹脂材料で構成される。前記樹脂材料の比誘電率
は液晶層17の液晶の比誘電率よりも低い。一方、信号
線21には常時、映像信号が印加されているため、前記
映像信号により信号線21と対向電極13等間に電気力
線が発生する。前記電気力線は液晶層17の配向状態を
乱す。比誘電率の低い材料は電気力線が透過しにくいと
いう性質がある。本発明の表示パネルでは、信号線上2
1をカラーフィルタ71で被覆している。カラーフィル
タ71は電気力線をシールドする効果がある。したがっ
て、液晶層21に電気力線が通過することを防止でき
る。
【0066】また、画素電極間に2色以上のカラーフィ
ルタを積層することで遮光膜として機能する。したがっ
て、(図14)のように構成すれば反射電極121間か
ら光が絶縁層123に進入することがなく、TFT14
のホトコンダクタ現象の発生を防止できる。
【0067】第5の本発明の表示パネルは、主として横
電界を防止するための構造に関するものである。低誘電
体膜または低誘電体柱の構成材料の比誘電率は、液晶層
17の液晶の比誘電率よりも低い。一方、信号線21に
は常時、映像信号が印加されているため、前記映像信号
により信号線21と対向電極13等間に電気力線が発生
する。前記電気力線は液晶層17の配向状態を乱す。比
誘電率の低い材料は電気力線が透過しにくいという性質
がある。本発明の表示パネルでは、信号線上21または
反射電極間を低誘電体材料で被覆している。低誘電体材
料は電気力線をシールドする効果がある。したがって、
液晶層21に電気力線が通過すること、および反射電極
間の横電界を防止できる。
【0068】第6の本発明の表示パネルは、反射型の表
示パネルに関するものである。反射型では反射電極と前
記反射電極に隣接した反射電極間に電磁結合が生じ、前
記反射電極間で電気力線が発生する。前記電気力線によ
り反射電極11間上の液晶層17は透明状態となる。前
記透明状態は視覚的に見えるため画像ノイズ(正規の画
像表示ではない表示)となる。本発明はBMとして機能
する誘電体多層膜16を形成しているため、前記画像ノ
イズが発生しても、視覚的に見えることはない。また、
前記誘電体多層膜16は紫外線を透過するため、製造時
に全ての液晶層の樹脂成分を硬化させることができる。
【0069】第1の本発明の表示装置は、第1の本発明
の表示パネルと検出手段237等で構成したものであ
る。スイッチ236のオンオフにより表示パネル218
の表示状態が変化する。そのため、非常に鮮明に文字等
を表示でき、操作も容易である。
【0070】第2の本発明の表示装置は、ビューファイ
ンダに関するものである。光発生手段301の発光部は
非常に小さくて良いため、光発生手段301の消費電力
は極めて少なくなる。また、集光手段304で、光発生
手段301から放射された光を平行光に変換して、光変
調手段243を照明するため、照明光の光強度分布が表
示パネル243の中央部を最大として同心円状となり、
光源像が表示されず、良好な表示を実現できる。
【0071】第3の本発明の表示装置は、投写型表示装
置に関するものである。本発明の表示パネルは光変調を
行なうのに偏光板を用いる必要がない。したがって本発
明の表示装置は高輝度表示を実現できる。また、各表示
パネル243の誘電体多層膜16は各表示パネル243
に入射する光を反射し、BMとして機能するため、画素
電極15周辺部に光ぬけが発生しない。そのため、高画
質表示を実現できる。
【0072】第4の本発明の表示装置は、(図26)等
に示すように、本発明の反射型の表示パネル等をライト
バルブとして用いたものである。本発明の表示パネルは
光変調を行なうのに偏光板を用いる必要がない。したが
って、本発明の表示装置は高輝度表示を実現できる。ま
た、各表示パネル246の誘電体多層膜16は、各表示
パネル243に入射する光を反射し、BMとして機能す
るため反射電極121周辺部に光ぬけが発生せず、高画
質表示を実現できる。
【0073】第5の本発明の表示装置は、投写型表示装
置の色再現性などを改善するものである。光分離手段4
41などの光分離面442で反射した光はS偏光の方が
P偏光より帯域がことなることが知られている。本発明
の表示装置では光波長制限フィルタ433により、P偏
光とS偏光のうち狭帯域の偏光の帯域に透過光の帯域を
制限する。したがって、表示画像の色純度(色再現性)
が向上する。
【0074】また、光変調手段264は光分離手段44
1に貼りつけられ、前記光分離手段441の無効領域に
光吸収膜432が塗布されている。この構成は(図2
9)等に示したように、表示パネル264に透明基板2
83がオプティカルカップリングされ、前記透明基板2
83の無効領域に光吸収膜285が塗布されていること
と機能的に類似する。したがって、光変調手段264で
散乱された光はそのほとんどが光吸収膜432に入射し
て吸収されるため、光変調層17に再びもどり、2次散
乱を発生させることはない。このため、表示コントラス
トは向上する。
【0075】第6の本発明の表示装置は、光波長制限フ
ィルタ433と光変調手段264とはオプティカルカッ
プリングをとる必要はない。光吸収膜432aが、(図
45)に示す光吸収膜432として機能する。また、液
体もしくはゲル434が光変調手段264を液体冷却す
る機能を有することから、光変調手段264の冷却が容
易になるという効果を有する。
【0076】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の表示パネ
ルについて説明をする。尚、各図面は説明を容易あるい
は理解を容易にするためモデル的に描いている。したが
って、図面において物理的な厚みあるいは形状は実際の
表示パネルとは必ずしも一致しない。また、説明に不要
な箇所は省略している。
【0077】(図1)は本発明の表示パネルの断面図で
ある。対向基板11およびアレイ基板12はガラス基板
であり、厚みは1.1mm、また、前記ガラス基板の屈
折率nは1.52である。アレイ基板12上にITOか
らなる画素電極15、および画素電極15に信号を印加
するスイッチング素子としてのTFT14、および各種
信号線(図示せず)等が形成されている。スイッチング
素子としては、前記TFTの他、リングダイオード、M
IM等の2端子素子、あるいはバリキャップ、サイリス
タ素子等でもよい。
【0078】なお、本明細書中あるいは請求項におい
て、基板(たとえば、基板11、12、214、21
5)とは、ガラス基板に限定するものではない。たとえ
ば、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂からなる板
でもよい。また、前記樹脂などからなるフィルムあるい
はシートでもよい。
【0079】TFT14には遮光膜18が形成されてい
る。遮光膜18は主として、液晶層17で散乱した光が
TFT14の半導体層に入射することを防止する。光が
半導体層に入射すると、TFTがオフ状態とならない、
あるいはTFTのオフ抵抗が低下するホトコンダクタ現
象(以後、ホトコンと呼ぶ)が発生する。遮光膜の形成
材料としては、アクリル樹脂にカーボンを分散させたも
のが例示される。また、各種原色顔料(赤、緑、青、シ
アン、マゼンダ、イエローの色素)を最適に混合したも
の、TFT上にSiO2などで絶縁薄膜を形成し、前記
絶縁薄膜上に遮光膜としての金属薄膜をパターニングし
て形成する方法も例示される。また、アモルファスシリ
コンを厚く蒸着し遮光膜とする方法もある。また、TF
T14はゲートの下に半導体層を形成するスタッガ構造
を採用することが好ましい。
【0080】なお、PD表示パネルでは、TFTはホト
コンが発生しにくいようにポリシリコン技術で形成する
ことが好ましい。ポリシリコン技術とは通常のICを作
製する半導体技術である高温ポリシリコン技術、また近
年開発が盛んなアモルファスシリコン膜を形成し、前記
膜を結晶化させる低温ポリシリコン技術を含む。特に、
ドライブ回路を内蔵出来、かつ、低価格でパネルを製造
できる可能性のある低温ポリシリコン技術でTFTを形
成することが好ましい。前記技術で形成したTFTはホ
トコンダクタ現象の発生がアモルファスシリコン技術で
形成したTFTに比較して格段に発生しにくい。そのた
め、散乱−透過で光変調をおこなう高分子分散液晶表示
パネルに最適である。
【0081】遮光膜18を樹脂で形成する場合におい
て、樹脂に含有させる光吸収材料としては電気絶縁性が
高く、液晶層15に悪影響を与えない材料であれば何で
もよい。例えば、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分
散したものを用いても良いし、カラーフィルターの様
に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色しても
よい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフルオ
ラン系色素を発色させて用いることもし、緑色系色素と
赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることもで
きる。
【0082】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の表示パネルを投写型表示装置のライトバルブと
して用いる場合はこれに限定されるものではない。投写
型表示装置は3枚の表示パネルでR,G,Bの3色の光
をそれぞれ変調するものである。R光を変調する表示パ
ネルの遮光膜18としてはR光を吸収させれば良い。つ
まり特定波長を吸収できるように、例えば、カラーフィ
ルタ用の光吸収材料を望ましい光吸収特性が得られるよ
うに改良して用いれば良い。基本的には前記した黒色吸
収材料と同様に、色素を用いて天然樹脂を染色したり、
色素を合成樹脂中に分散した材料を用いることができ
る。色素の選択の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広く、
アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、
トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もしくは
それらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。また、
光吸収膜の不純物の対策としては、色素(顔料)中のア
ルカリ金属を取り除くことにより対策できる。
【0083】黒色色素は液晶層15に悪影響を与える材
料が多い。そのため、使用は好ましくない。そこで、前
述のように特定波長を吸収できる色素を光吸収薄膜の含
有色素として採用することが好ましい。
【0084】R光用、B光用およびG光用の3枚の表示
パネルをライトバルブとして用いる投写型表示装置では
採用が容易である。つまり、変調する光の色に対して、
補色の関係にある色素を光吸収薄膜18中に含有させれ
ばよい。補色の関係とは、たとえば、B光に対しては黄
色である。黄色に着色された光吸収薄膜はB光を吸収す
る。したがって、B光を変調する表示パネルは黄色の遮
光膜18を形成する。
【0085】遮光膜18を樹脂で形成すれば、液晶層1
7とアレイ基板12との密着性がよくなる。高分子分散
液晶層17は樹脂成分を含有しているためである。液晶
層17ととくに画素電極15等を構成するITOとは剥
離が生じやすい。TFT14等に樹脂からなる遮光膜1
8を形成すれば、前記遮光膜18が緩衝層となり剥離す
るということがなくなる。この点から、樹脂からなる遮
光膜を採用することが好ましい。
【0086】対向電極13と画素電極15間にはPD液
晶17が挟持されている。本発明の表示パネルに用いる
液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック液
晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2種
類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であってもよい。
【0087】なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニル系のネマティック液晶、または、経時変化に安
定なフッ素系、クロル系のネマティク液晶が好ましく、
中でもクロル系のネマティック液晶が散乱特性も良好で
かつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。
【0088】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
散乱特性が良好な光変調層17を作製でき、経時変化も
生じ難く好ましい。
【0089】また、前記液晶材料は、常光屈折率n0
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率n0が1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.15以上のものとを用いることが好ましい。n0
△nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くなる。n0,△
nが小さければ耐熱、耐光性はよくなるが、散乱特性が
低くなり、表示コントラストが十分でなくなる。
【0090】以上のことから、光変調層17の構成材料
として、常光屈折率n0が1.50から1.53、か
つ、△nが0.15以上0.30以下のクロル系のネマ
ティック液晶を用い、樹脂材料としてフッ素基を有する
光硬化性アクリル樹脂を採用することが好ましい。
【0091】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0092】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0093】また、重合を速やかに行なう為に重合開始
剤を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社
製「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー
社製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケター
ル(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲
げられる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0094】なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印加された時に液晶分子が一方向に配向
し、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂の
屈折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈折
率npとnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印加して
も完全に液晶層が透明状態とならず、表示輝度は低下す
る。屈折率npとnoとの屈折率差は0.1以内が好まし
く、さらには0.05以内が好ましい。
【0095】PD液晶層中の液晶材料の割合はここで規
定していないが、一般には20重量%〜90重量%程度
がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度がよ
い。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散乱
の効果が乏しい。また90重量%以上となると高分子と
液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割合
は小さくなり散乱特性は低下する。高分子分散液晶層の
構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量%以
下では液晶滴は独立したドロップレト状として存在し、
50重量%以上となると高分子と液晶が互いに入り組ん
だ連続層となる。
【0096】水滴状液晶の平均粒子径または、ポリマー
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0μm
以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以上2
μm以下が好ましい。PD表示パネルが変調する光が短
波長(たとえば、B光)の場合は小さく、長波長(たと
えば、R光)の場合は大きくする。水滴状液晶の平均粒
子径もしくはポリマー・ネットワークの平均孔径が大き
いと、透過状態にする電圧は低くなるが散乱特性は低下
する。小さいと、散乱特性は向上するが、透過状態にす
る電圧は高くなる。
【0097】本発明の表示パネルに高分子分散液晶を用
いる場合は、青色光を変調する表示パネルの水滴状液晶
の平均粒子径もしくはポリマー・ネットワークの平均孔
径がは、赤色光を変調する表示パネルのそれよりも小さ
くしている。
【0098】本発明にいう高分子分散液晶とは、液晶が
水滴状に樹脂中に分散されたもの(図34参照)、樹脂
がスポンジ状(ポリマーネットワーク)となり、そのス
ポンジ状間に液晶が充填されたもの等が該当し、他に特
開平6−208126号公報、特開平6−202085
号公報に開示されているような樹脂が層状となっている
のも包含する。また、特公平3−52843号公報のよ
うに液晶がカプセル状の収容媒体に封入されているもの
も含む。さらには、液晶または樹脂332中に二色性、
多色性色素を含有されたものも含む。
【0099】液晶層17の膜厚は5〜20μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に
厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなり、ゲート
信号線にTFT14をオンオフさせる信号を発生するゲ
ートドライブ回路、ソース信号線21に映像信号を印加
するソースドライブ回路の設計などが困難となる。
【0100】液晶層17の膜厚制御としては、黒色のガ
ラスビーズまたは黒色のガラスファイバー、もしくは、
黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂ファイバーを用い
る。特に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファ
イバーは、非常に光吸収性が高く、かつ、硬質のため液
晶層に散布する個数が少なくてすむので好ましい。
【0101】以上の説明においてビーズ、ファイバーは
黒色としたが、本発明の表示パネルを投写型表示装置の
ライトバルブとして用いる場合はこれに限定されるもの
ではない。投写型表示装置は3枚の表示パネルでR,
G,Bの3色の光をそれぞれ変調するものである。R光
を変調する表示パネルに用いるビーズ19などは、R光
を吸収させれば良い。つまり、変調する光の色に対し
て、補色の関係にある色素を含有したビーズ19を用い
ればよい。
【0102】液晶層17は、電圧無印加状態で入射光を
散乱(黒表示)する。透明のビーズを用いると黒表示で
あっても、前記ビーズの箇所から光漏れが生じ、表示コ
ントラストを低下させる。本発明の表示パネルのよう
に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファイバー
を用いれば光漏れは生じず、良好な表示コントラストを
実現できる。
【0103】一方、対向基板11上にはITOからなる
対向電極13が形成され、対向電極13上に誘電体多層
膜16が形成されている。誘電体多層膜16の薄厚は
1.5μm以上となるため、誘電体多層膜16上に対向
電極13を形成することはあまり好ましくない。これ
は、誘電体多層膜16のエッジで対向電極13が電気的
に切断されるからである。誘電体多層膜16は屈折率が
1.7以下の低屈折率の誘電体薄膜(以後、低屈折薄膜
と呼ぶ)と屈折率が1.8以上の高屈折率の誘電体薄膜
(以後、高屈折薄膜と呼ぶ)を交互かつ多層に積層した
ものである。低屈折薄膜としては、酸化ケイ素(SiO
2、屈折率n=1.46)またはフッ化マグネシウム
(MgF2、屈折率n=1.39)が例示される。高屈
折薄膜としては酸化ハフニウム(HfO2、屈折率n=
2.0)または酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率n
=2.05)、酸化タンタル(Ta25、屈折率n=
1.95)が例示され、中でも、紫外線光の領域で光吸
収率が小さいHfO2およびSiO2を用いることが好ま
しい。ZrO2は紫外線光の透過率HfO2に比較して多
少劣り、また、MgO2はクラックなどが生じることが
ある。SiO2とHfO2の多層構成はクラック等も生じ
にくく、紫外線透過率も良好である。
【0104】低屈折薄膜あるいは高屈折薄膜の一層あた
りの物理的膜厚dは、およそd=λ/(4・n)(ただ
し、λは設計主波長(nm))で示される。設計主波長
とは誘電体多層薄膜がR光を反射するように設計する場
合はλ=620(nm)、G光を反射するように設計す
る場合はλ=540(nm)、B光を反射するように設
計する場合はλ=460(nm)程度とする。なお、前
記λは表示パネルが変調する光の波長、光の波長に対す
る強度分布に対応して定める。
【0105】実際に設計を行なう場合には、特定波長に
急激な透過帯域が生じたり、反射帯域が生じたりするた
め各層の光学的膜厚を調整する必要がある。誘電体多層
膜16の設計の一例を以下の(表1)(表2)(表3)
に示し、また、その特性図を(図35)、(図36)お
よび(図37)に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】なお、各表においてITOとは対向電極1
3のことである。ITOの屈折率nは2.0としてい
る。ITO薄膜13は表示パネルに入射する光の波長に
対応してその膜厚を最適に形成する。一例としてITO
薄膜13の光学的膜厚(d・n)は略λ/2とする。略
λ/2の倍数とすれば特定波長に対する光の反射率が低
下する。また、液晶17の屈折率は1.5としている。
これは液晶材料により変化するが、ほとんどの場合は
1.5から1.6の範囲であり、その屈折率の変化は誘
電体多層薄膜の設計にあまり影響を与えない。
【0110】また、各表において層数は24層(ITO
13を除くと23層)としているが、これに限定される
ものではない。さらに積層してもよいし、逆に少なくと
も良い。少ない場合は特定可視光の反射率が低下する。
多く積層すれば特定可視光はほぼ100%反射する。こ
れは、積層の製造コストと求める特性により決定すべき
である。
【0111】また、(表1)から(表3)のうち任意の
2つを組み合わせれば(積層すれば)、2つの波長の光
を反射できるようになる。たとえば、(表1)と(表
2)の2つを積層させればB光およびG光を反射する誘
電体多層膜16を構成できる。また、(表1)から(表
3)のすべてを積層すればR、G、B光のすべてを反射
する誘電体多層膜16を構成できる。
【0112】また、表示パネルで変調する光の波長に応
じてITO13の膜厚を変化させている点も重要であ
る。ただし、これに限定するものではない。光学設計で
他の膜厚にすることも可能だからである。ITO薄膜と
HfO2の屈折率はともに2.0であるから各表のIT
O薄膜の物理的膜厚を薄くして、薄くした分だけHfO
2で補い、規定の膜厚のITO薄膜の物理的膜厚として
もよい。
【0113】表示パネルの誘電体多層膜16がB光を反
射する場合の設計例を以下(表1)に示す。その特性図
を(図35)に示す。誘電体多層膜16は紫外線領域の
光を透過し、B光を反射する。同様にG光を反射する場
合の設計例を(表2)に示し、その特性図を(図36)
に示す。さらに、R光を反射する場合の設計例を(表
3)に示し、その特性図を(図37)に示す。
【0114】各誘電体多層膜16は混合溶液のUV樹脂
を硬化させる時は、紫外線を透過する。表示パネルをラ
イトバルブとして用いているときは、特定可視光を反射
するため、BM381として機能する。
【0115】なお、誘電体多層膜16は紫外線光を透過
し、可視光を反射するとしたが、これに限定されるべき
ではない。ポリマー332が可視光硬化タイプの場合は
特定可視光を透過し、表示パネルが変調する波長の光を
反射させればよい。たとえば、表示パネルがR光を変調
する場合、誘電体多層膜16はB光を透過しポリマー3
32を硬化させ、R光を反射しBMとして機能させれば
よい。たとえば(図37)の特性のものを誘電体薄膜1
6として用いればよい。以上のことは以下の本発明の実
施例においても同様である。
【0116】23層を積層したときの誘電体多層膜16
の膜厚はB光を反射する場合で、1.5μm程度、R光
を反射する場合で、2.0μm強となる。PD液晶はラ
ビング処理の必要がないから、誘電体多層膜16の形成
により凹凸が生じても問題とならない。このように膜厚
のある誘電体多層薄膜を形成できるのは、PD表示パネ
ルならではの特徴である。
【0117】誘電体多層膜16で可視光の全帯域(白色
光)を反射させようとすると、設計主波長λを2種類用
いなければならない。例えば、第1の波長λ1を500
(nm)、第2の波長λ2を600(nm)にする。ま
ず、第1の波長λ1で、物理的膜厚を求め第1の誘電体
多層薄膜をITO薄膜13上に形成し、さらにその上に
第2の波長λ2で物理的膜厚を求め、第2の誘電体多層
薄膜を積層する。以上のように形成すれば、可視光全域
の光を反射し、かつ、紫外線領域の光を透過する誘電体
多層膜16を作製できる。誘電体多層薄膜の膜厚は先の
実施例の2倍の3(μm)程度となる。
【0118】誘電体多層膜16はTFT14、ゲートお
よびソース信号線の上層に形成されている。前記薄膜は
従来のTN表示パネルのBM381と同一位置、同一形
状と考えて大差ない。つまり、画素電極、画素形状に対
応して形成される。パターニングは一例として、SiO
2、HfO2はフッ化水素酸等で、ZrO2は硫酸、フッ
化水素酸等で、MgF2は硝酸等でエッチングできる。
エッチング条件などは誘電体多層膜の常着条件によって
かなり変化するので試験を行いながら、条件だしを岡な
う必要がある。なお、ドライエッチング技術を用いてパ
ターニングを行なってもよい。
【0119】誘電体多層膜16は紫外線光の光を透過す
る。この透過するとは対向基板11に入射した光のほと
んどが液晶層17に到達するという意味でない。紫外線
光はガラス基板11でも吸収されるし、対向電極13の
ITOもかなり吸収する。入射した紫外線光の一部が液
晶層17に達し、UV樹脂の硬化を開始させる光透過量
があるという意味である。
【0120】Crなどの薄膜は1000オングストロー
ム以上の膜厚があると全く光を透過しない。それに比較
すれば誘電体多層膜16は紫外線光を十分透過する。ガ
ラス基板11と対向電極13を透過し液晶層17に到達
する紫外線の光量と、ガラス基板11と対向電極13と
誘電体多層膜16を透過し液晶層17に到達する紫外線
の光量は差異がある。しかし、UV樹脂を硬化できるこ
とには異論がない。
【0121】以上のように誘電体多層膜16は紫外線光
を透過するから、すべての液晶層17の混合溶液のUV
樹脂を硬化できる。したがって、本発明の表示パネルは
経時変化がおきにくく、安定性が良好である。また、可
視光を反射するから、BMの機能も有する。
【0122】誘電体多層膜16が一定膜厚以上あると、
電圧降下を生じさせ不要な電界分布により画素電極15
の周辺部からの光もれを防止する効果がある。以下、こ
の効果について(図2)を参照しながら、説明をする。
【0123】液晶の比誘電率εは15から30程度であ
る。それに比較して、誘電体多層膜16の比誘電率は小
さい。たとえばSiO2の比誘電率は4程度である。
【0124】(図2)に示すように、電圧が印加された
部分間には電気力線22が生じる。たとえば、ソース信
号線21と画素電極15間、ソース信号線21と対向電
極13間にである。液晶分子23は電気力線22に沿っ
て配向する。液晶分子23が基板12に対して垂直に配
向すると、(図24)に示すように液晶分子23の屈折
率とポリマー332の屈折率が一致し、光透過状態とな
る。(図2(a))の電気力線22bに沿って液晶分子
26が配向すると、画素電極15周辺部が光透過状態と
なり、画素電極15周辺部から光もれが発生する。これ
は表示パネルの表示コントラストを低下させる。
【0125】(図2(b))に示すように、誘電体多層
膜16が形成されていると、液晶層17中のソース信号
線21と対向電極13間の電気力線数は少なく(電界強
度は弱く)なる。液晶の立ちあがり電圧以下では液晶分
子23は配向しないから、ソース信号線21上の液晶層
17は常時散乱状態となる。ソース信号線21上の液晶
層17に電圧が印加されにくくなるのは誘電体多層膜1
6での電圧降下が大きいからである。誘電体多層膜16
の膜厚は1.5(μm)以上、液晶層17の膜厚は10
(μm)強である。誘電体多層膜16の比誘電率は液晶
層17の比誘電率と比較してかなり小さいから、液晶層
17に印加される電圧は低くなる。
【0126】誘電体多層膜16を十分厚く、かつ幅広く
形成すれば基板12に対して垂直に配向する液晶分子2
3はなくなる、あるいはわずかとなり、画素電極15周
辺部からの光もれは発生しにくくなる。光もれを防止す
るという効果からは、誘電体多層膜16の膜厚は厚い方
がよい。また、厚くなれば特定可視光を良好に反射する
ようになる。光もれの効果も考慮して、誘電体多層膜1
6の形成位置および層数を決定すべきである。
【0127】(図1)に示す実施例では誘電体多層膜1
6は対向電極13上に形成したが、(図3)に示すよう
にアレイ基板12上に形成してもよい。(図3)に示す
ように誘電体多層薄膜23は、隣接した画素電極15間
にまたがるように形成をする。この場合、画素電極15
とソース信号線21間からの光もれを防止するために
は、誘電体多層薄膜23は入射光を反射する光学的性質
をもたせるように設計すればよい。たとえば、表示パネ
ルがR光を変調するものである場合は、R光を反射し、
アレイ基板12より出射しないようにする。
【0128】誘電体多層薄膜23は紫外線光を透過させ
る性質をもたせる必要はない。なぜならば、対向電極1
3面には紫外線光の遮光物は何も形成されていないから
である。なお、(図2(b))で説明したように、誘電
体多層薄膜23に電圧降下の機能があることも同様であ
る。たとえば(図4)に示すようにである。液晶層17
におよぶ電気力線22を少なくする効果は(図2)のよ
うに対向電極13上に形成した場合よりも効果が高い。
直接、誘電体多層膜16aがソース信号線21上に形成
され、ソース信号線21からの電界をシールドするから
である。
【0129】先の実施例は誘電体多層膜16により、ソ
ース信号線などからの電界をシールドする構成であっ
た。しかし、誘電体多層膜16を他の材料に置き換えて
もシールド効果を実現できる。他の材料とは、液晶層1
7の液晶の比誘電率よりも小さい材料(低誘電体材料)
である。たとえば、SiO2、SiNXなどの無機材料、
液晶層17のポリマー332、レジスト、ポリビニィー
ルアルコール(PVA)などの有機材料などが例示され
る。その実施例としては(図3)(図6)(図13)に
おいて誘電体多層膜16aを前記低誘電体材料で構成す
ればよい。
【0130】(図4)において、低誘電体材料16aの
比誘電体率をε2、液晶層17の比誘電体率をε1、液晶
層17の膜厚をd1、低誘電体材料16aの膜厚をd2と
し、対向電極15とソース信号線21間に印加される電
圧をVとすると、液晶層17のd1に印加される電圧V
は、以下の(式1)で表される。
【0131】 E=(ε2d1V)/(ε1d2+ε2d1) −−−−−−(式1) 液晶層17のd1に印加される電圧Eが、液晶の立ち上
がり電圧(液晶が電圧により配向し、液晶層の透過率が
変化しはじめる電圧)以下となるように、低誘電体材料
16aの膜厚を設定すれば光漏れが生じることはなくな
り最も好ましい。しかし、実用上は多少液晶が配向して
も差し支えない場合が多い。一般的に液晶層17が完全
に透過状態となったときを100%をして30%の透過
量であれば許容できる。つまり、液晶層17に印加され
る電圧Eが透過率30%以下となるように低誘電体材料
16aの膜厚を規定する。
【0132】(式1)に関する事項は、後に説明する
(図6)(図13)の薄膜16aの膜厚、(図8)(図
14)に示す信号線上に形成されたカラーフィルタ71
の膜厚、(図39(b))に示す低誘電体柱(391a
+391b)の高さの設定にも適用できる。
【0133】誘電体多層膜16はBMとして機能させる
ことにより画素電極15周辺からの光抜けを防止すると
いう技術的効果がある。この効果は、低誘電体材料でソ
ース信号線21などをシールドすることでも達成でき
る。つまり、誘電体多層膜16はBMとして機能させる
のと、低誘電体材料でソース信号線21などをシールド
するのとは、液晶表示パネルという技術分野が同一で、
かつ、解決する技術的課題が同一である。
【0134】前記低誘電体材料の内、有機材料を用いる
ことが好ましく、中でも、ポリマー332などに用いる
感光性の樹脂を用いることが好ましい。たとえば、紫外
線硬化性アクリル樹脂が例示される。これらの樹脂は、
液晶層17との密着性を良好にするため、液晶層とアレ
イ基板12との剥離などが発生しにくくする効果があ
る。また、比較的厚く構成できる。樹脂の感光、現像プ
ロセスにより低誘電体膜を短時間かつ低コストで容易に
形成できるからである。当然のことながら、低誘電体膜
の膜厚16aが厚いほどシールド効果、横電界防止の効
果は高くなる。
【0135】なお、低誘電体膜16aに限定するもので
はない。たとえば、(図38)(図39)に示すように
低誘電体柱391としてもよい。(図38)は透過型の
表示パネルに適用した例、(図39(a))は反射型の
表示パネルに適用した例である。
【0136】前記低誘電体柱391は対向基板11側に
形成することが好ましい。対向基板11側は対向電極1
3以外は形成されておらず、基板面に平滑性があり、か
つ、TFT14などの静電気による破壊などが生じるお
それがないからである。
【0137】なお、低誘電体柱391は、柱状に形成す
ることに限定されない。たとえば、(図39(b))に
示すように、アレイ基板12に低誘電体柱391bを形
成し、対向電極基板11に低誘電体柱391aを形成し
てもよい。
【0138】低誘電体柱391のように柱状の形成すれ
ば、前記柱で液晶層17の膜厚を一定に保つことができ
る。したがって、黒ビーズ19の散布が必要でない。そ
のため、表示パネルの製造工程が簡略化される。また、
画素電極15上に黒ビーズ19などの障害物がなくなる
ため、良好な画像表示を実現できる。
【0139】このように低誘電体柱391、低誘電体膜
16aを容易に形成できるのは、PD表示パネルは、T
N表示パネルのようにラビングという配向処理が不要な
ためてある。低誘電体柱391、低誘電体膜16aが形
成されていればラビングという配向処理は不可能であ
る。低誘電体柱391または低誘電体膜にラビング布が
引っかかってうまく基板11、12面をこすれないため
である。
【0140】(図38)等に示すように、ソース信号線
21から発生する電気力線をシールドすれば、画素電極
15周辺部の光抜けを低減できる。ソース信号線21と
画素電極15間の電磁結合を防止できるからである。
【0141】低誘電体膜および低誘電体柱391は、着
色してもよい。着色すれば、液晶層17内で乱反射する
光を吸収でき画像品位は向上する。遮光膜18でも説明
したように、例えば、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中
に分散したものを用いても良いし、カラーフィルターの
様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色して
もよい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフル
オラン系色素を発色させて用いることもし、緑色系色素
と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることも
できる。
【0142】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の表示パネルを投写型表示装置のライトバルブと
して用いる場合はこれに限定されるものではなく、R光
を変調する表示パネルの低誘電体柱391としてはR光
を吸収させれば良い。したがって、色素を用いて天然樹
脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散した材料を用
いることができる。たとえば、アゾ染料、アントラキノ
ン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料
などから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上
を組み合わせればよい。
【0143】また、低誘電体柱391上にBM381を
形成する構成も考えられる。この場合、(図38)に示
すように、低誘電体柱391と対向電極13間にBM3
81を形成する。このように構成することにより、画素
電極15周辺からの光抜けは全くなくなる。
【0144】(図1)および(図2)の表示パネルは画
素電極15がITOで形成された光透過型の表示パネル
を想定しているが、これに限るものではなく、たとえば
画素電極15が金属で形成された反射型の表示パネルに
も適用できる。誘電体多層薄膜23の設計は(表1)
(表2)(表3)の場合と異なる。なぜならばITO1
3がないからである。しかし、設計手法は誘電体多層膜
16と同様に行えばよく、その実現性に困難性はない。
【0145】画素電極周辺部の光もれをさらに防止する
には、(図5(b))に示すように画素電極15の周辺
部に遮光膜51を形成すればよい。なお、(図5
(a))は対向基板11等をとりのぞいたときのアレイ
基板12の平面図、(図5(b))は表示パネルの断面
図である。遮光膜の一例としてCrからなる金属薄膜が
例示され、また、アクリル樹脂にカーボン等を分散させ
たものが例示される。また遮光膜18と同様の材料を用
いてもよい。(図2)の電気力線22bにより液晶分子
26が配向し液晶層17が透過しても、遮光膜24によ
り遮光するから画素周辺部の光ぬけはなくなる。
【0146】遮光膜24はソース信号線24と画素電極
15とが近接する位置に形成することが好ましく、さら
に好ましくは(図5(a))に示すように、ゲート信号
線52と画素電極15とが近接する位置にも形成するこ
とが好ましい。これはゲート信号線52と画素電極15
間にも電気力線が発生するためである。他の構成および
効果等は(図1)と同様であり説明を省略する。
【0147】なお、(図6)に示すようにアレイ基板1
1に誘電体多層膜16aを、対向基板11に誘電体多層
膜16bを形成してもよい。その際、誘電体多層膜16
aはR光反射、誘電体多層膜16bはG光反射というふ
うにしてもよい。両基板11、12に誘電体多層膜16
a、16bの凹凸を形成することにより、両基板11、
12と液晶層17との密着性が良好となり、剥離等が低
減する。また、誘電体多層膜16が反射する光の帯域が
広くなりBMとしての機能も高くすることができる。ま
た、(図6)において、16aは樹脂などで形成した低
誘電体膜と置き換えてもよい。
【0148】1枚の表示パネルでカラー表示を行うに
は、(図7)に示すように画素電極15aもしくは対向
電極13上にカラーフィルタ71を形成すればよい。カ
ラーフィルタの色配置としてはデルタ配置、正方配置等
があるがいずれでもよい。
【0149】(図8)カラーフィルタ71を画素電極1
5上に形成し、かつソース信号線21等の信号線上にも
形成すると、(図4)に示すようにシールドの効果が発
揮される。なぜならば、カラーフィルタ71は通常樹脂
で形成されているため、比誘電率εは液晶層17の比誘
電率より小さい。また、カラーフィルタの膜厚は比較的
厚い。そのためソース信号線21等にカラーフィルタを
形成すれば電界シールドの効果が発揮されるからであ
る。(図8)に示すようにカラーフィルタは信号線上に
重ねる。たとえばR色のカラーフィルタ71cに緑色の
カラーフィルタ71aを信号線21a上に重ねる。好ま
しくは、さらに青色、黒色のカラーフィルタを重ねる。
そうすれば、(図9)に示すように電気力線22a、2
2bは非常に弱くなり、前記電気力線に沿って液晶分子
は配向しなくなる。ゆえに、画素電極15の周辺部から
の光もれは発生しにくくなる。以上の構成を選択すれ
ば、良好な表示コントラストを実現できる。
【0150】各カラーフィルタが重なった部分は光を吸
収することからも、画素電極15周辺部(というよりは
少なくとも2色のカラーフィルタが重なった部分)から
は光もれが発生しなくなる。
【0151】カラーフィルタの色はR、G、Bの3色も
しくはR、G、Bおよび黒等の4色を用いる。しかし、
これに限定するものではなく、イエロー、シアン、マゼ
ンダの3色もしくはイエロー、シアン、マゼンダおよび
黒の4色等でもよい。
【0152】また、光変調層はラビング処理が必要でな
い等の観点から、高分子分散液晶を用いることが好まし
いが、これに限定するものではない。たとえば、ゲスト
ホスト(ゲスト=色素、ホスト=液晶)液晶を用いても
よい。好ましくは、前記ゲストホスト液晶に黒色の色素
を含有させる。ゲストホスト液晶には相転移型等、いろ
いろなモードのものがある。これらのいずれをもちいて
もよい。一般的にゲストホスト液晶層が透過状態の時、
反射電極等に形成されたカラーフィルタの色が見え、不
透過状態の時、黒色表示となる。
【0153】(図8)は透過型の表示パネルであるが、
先のカラーフィルタを重ねるという技術的思想は(図1
2)等に示すような反射型の表示パネルにも適用でき
る。つまり、反射電極121aおよび121bにカラー
フィルタを形成し、反射電極121間で前記カラーフィ
ルタを重ねる。この場合ソース信号線21はないからソ
ース信号線からの電界をシールドするという効果はな
い。しかし、反射電極121aと121b間で生じる電
界(以後、横電界と呼ぶ)に液晶分子が配向し、液晶層
17が透過状態(透過状態となると、画素電極間に映像
表示と関係のない表示が表示される)となることを防止
できる。
【0154】以上のようにカラーフィルタを画素電極等
間に形成すれば、画素電極等周辺部の光もれ等を防止で
きる。反射電極121間には、少なくとも二色のカラー
フィルタが重ねられる。好ましくは3色または4色のカ
ラーフィルタを重ねる。重ねられた箇所は光を透過しに
くく、もしくは透過しなくなる。したがって、重ねられ
た箇所は遮光膜として機能する。つまり、反射電極12
1aと121b間から光が絶縁層123に侵入すること
を防止できる。侵入した光が、TFT14の半導体層に
入射すると、TFT14にホトコンダクタ現象をひきお
こさせる。カラーフィルタを重ねて遮光膜とすれば前記
ホトコンダクタ現象の発生を防止でき、良好な画素表示
を行なえる。また、カラーフィルタを重ねるだけである
から、コスト増もない。
【0155】なお、前述の説明において、反射電極12
1間あるいは画素電極15間に2色以上のカラーフィル
タを重ねて遮光膜とするとしたが、これに限定するもの
ではない。たとえば、2色のカラーフィルタの色素をあ
らかじめ混合したカラーフィルタを作製し、前記混合し
たカラーフィルタを前記電極間に形成してもよい。した
がって、2色以上のカラーフィルタを積層するとは、2
色以上の色素を含有するカラーフィルタを一層以上形成
するという方式または構成をも包含する。
【0156】カラーフィルタによる光もれ等の防止とい
う事項は、誘電体多層膜16により光もれ等という課題
の解決の手段として同一である。もちろん(図8)示す
ように対向電極13上に誘電体多層膜16を形成してお
いてもよいが、前記多層薄膜16がなくとも、“カラー
フィルタを重ねる”という構成により光もれ等を防止で
きることはいうまでもない。
【0157】つまり、誘電体多層膜16はBMとして機
能させるのと、カラーフィルタでソース信号線21など
をシールドするのとは、液晶表示パネルという技術分野
が同一で、かつ、解決する技術的課題が同一である。
【0158】なお、ITO薄膜13は(図10)に示す
ように誘電体多層膜16上に形成してもよいことは言う
までもないであろう。
【0159】本発明の表示パネルに共通して言えること
であるが、(図11)に示すように画素電極15と対向
電極13のうち少なくとも一方に絶縁膜11を形成する
ことは有効である。絶縁膜としてはTN液晶表示パネル
等に用いられるポリイミド等の配向膜、ポリビニールア
ルコール(PVA)等の有機物、SiO2等の無機物が
例示される。好ましくは、密着性等の観点からポリイミ
ド等の有機物がよい。
【0160】高分子分散液晶17は比較的、比抵抗が低
い。そのため画素電極15に印加された電荷を1フィー
ルド(1/30または1/60秒)の時間のあいだ完全
に保持できない場合がある。保持できないと液晶層17
が完全に透明状態とならず、表示輝度が低下する。ポリ
イミド等の有機物からなる薄膜は比抵抗が非常に高い。
したがって、有機物からなる薄膜を電極上に形成するこ
とにより電荷の保持率を向上できる。絶縁膜111は液
晶層17を電極とが剥離するのを防止する効果もある。
それは液晶層17を構成する材料の約半分近くは樹脂か
らなる有機物であるからである。
【0161】また、有機物からなる絶縁膜111を形成
すれば、液晶層17のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。対向電極13上に有機残留物がのこっていても絶
縁膜111で被覆するためと考えられる。その効果はポ
リイミドよりもPVAの方が良好である。これはポリイ
ミドよりもPVAの方がぬれ性が高いためと考えられ
る。しかし、パネルに各種の絶縁膜111を作製し、お
こなった信頼性(耐光性、耐熱性など)試験の結果で
は、TN液晶の配向膜等に用いるポリイミドが、経時変
化がほとんど発生せず良好である。そのため、ポリイミ
ドを絶縁膜111として用いることが好ましい。
【0162】なお、有機物で絶縁膜を形成する際、その
膜厚は0.02μm以上の0.1μmの範囲が好まし
く、さらには0.03μm以上0.08μm以下が好ま
しい。また、カラーフィルタ71を形成する場合は、
(図11(b))に示すように画素電極15上形成す
る。当然のことながらカラーフィルタ71は対向電極上
に形成してもよい。また、カラーフィルタ71が絶縁膜
111として機能する場合は、カラーフィルタ71が形
成されていない電極上にのみ絶縁膜111を形成すれば
よい。
【0163】なお、以上の(図38)(図39)に示す
低誘電体柱391もしくは低誘電体膜16aに関する構
成、(図8)(図14)のカラーフィルタに関する構
成、(図1)の黒ビーズ19および誘電体多層膜16に
関する構成、(図5)の遮光膜51に関する構成、(図
11)の絶縁膜111に関する構成などは本発明の表示
パネルおよび表示装置において任意に組み合わせて用い
られる。この事項は、アクティブマトリックス型表示パ
ネル(反射、透過型パネル)、単純マトリックス型表示
パネルあるいは(図21)に示すキャラクタ表示パネル
のいずれにも適用される。
【0164】表示パネルが反射型の場合は、(図12)
に示すように反射電極121間に誘電体多層膜16を形
成すればよい。この場合の誘電体多層膜16も(図1)
に示す場合と同様に紫外線光の透過し、変調する光を反
射するBMとしての機能を具備すればよい。誘電体多層
膜16の構成および効果等は(図1)と同様であるので
説明を省略する。
【0165】以下、本発明の反射型の表示パネルについ
て少し詳しく説明しておく。ガラス基板(対向基板)1
1の片面には反射防止膜124が形成されている。反射
防止膜124は(図13)に示すように3層の構成ある
いは(図12)に示すように2層構成がある。なお、3
層の場合は広い可視光の波長帯域での反射を防止するた
めに用いられ、これをマルチコートと呼ぶものとする。
2層の場合は特定の可視光の波長帯域での反射を防止す
るために用いられ、これをVコートと呼ぶものとする。
マルチコートとVコートは表示パネルの用途に応じて使
い分ける。通常Vコートは投写型表示装置のライトバル
ブとして表示パネルを用いる場合に採用され、マルチコ
ートは表示パネルを直視型パネルとして用いる時に採用
される。
【0166】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al23)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd=λ/4積層して形成する。通常、
λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は
形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y23)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd
=λ/4積層して形成する。なお、SiOは青色側に吸
収帯域があるため青色光を変調する場合はY23を用い
た方がよい。また、物質の安定性からもY23の方が安
定しているため好ましい。
【0167】TFT14上には絶縁膜123を介して反
射電極31が形成されている。反射電極121とTFT
14とは接続部122で電気的に接続されている。絶縁
膜123の材料としてはポリイミド等を代表とする有機
材料あるいはSiO2,SiNxなどの無機材料が用い
られる。反射電極123は表面をAlの薄膜で形成され
る。Cr等を用いて形成してもよいが、反射率がAlよ
り低く、また硬質のため反射電極31周辺部の破れなど
が生じやすい。
【0168】(図12)等に示す本発明の表示パネルで
は、反射電極121の下層にTFT14を形成してい
る。つまり、反射電極121は高分子分散液晶層17で
散乱した入射光がTFT14の半導体層に入射すること
を防止する遮光膜(BM)の機能と、液晶層17に電圧
を印加する電極としての機能とを合わせもっている。反
射電極121は金属材料で形成され、遮光効果も十分で
あり、また、構造も簡単であるため、低コスト化を実現
できる。
【0169】アレイ基板12にはソース信号線等(図示
せず)が形成されている。反射電極121は、前記信号
線から放射される電気力線が液晶層17に達するのをシ
ールドするという機能もある。したがって、前記ソース
信号線からの電気力線による画像ノイズが発生しない。
【0170】反射電極121とTFT14とは接続部1
22で電気的に接続をとる。接続をとるためには絶縁膜
123の膜厚以上に金属薄膜(反射電極)121を蒸着
する必要がある。絶縁膜123の膜厚は1μm程度であ
る。そのため、接続部122に1μmの段差が生じる。
また、反射電極121の膜厚も1μmとなるため、隣接
した反射電極間には1μmの谷間が生じる。本発明の表
示パネルは高分子分散液晶を用いているため、ラビング
が必要でないため、前記段差があってもなんら障害はな
く、高い製造歩留で液晶表示パネルを製造できる。
【0171】接続端子部122には1μmの段差が生じ
る。また、TFT14の形状が反射電極121にパター
ニングされ、1μm程度の凹凸が生じる。本発明の表示
パネルは高分子分散液晶を用いているため、散乱状態の
変化として光変調を行う。したがって、前記段差および
TFT14の凹凸による液晶膜厚の1μm程度変化は、
ほとんど光変調に影響を与えない。TN液晶等のように
旋光特性を光変調に応用する表示パネルでは前記凹凸は
光変調に致命傷となるであろう。また、本発明の表示膜
厚は8μm以上と厚いことも液晶層17の膜厚むらに対
して、よい方向の作用する。
【0172】(図12)でも明らかなように、(図4
6)に示す従来のTN表示パネルのように対向電極13
にはBM381を形成していない。本発明の表示パネル
は、基本的には対向電極13上にはパターニングして形
成した構成物はない。そのため、対向基板11とアレイ
基板12とのとを貼り合わせる工程において、対向基板
11とアレイ基板12との位置合わせが不要となり製造
が容易となる。もし、BM381等が形成されておれば
前記BM381を画素電極15と対向するようにμmオ
ーダーの位置合わせが必要となる。
【0173】また、BM381が形成されておれば、液
晶層17に紫外線光を照射して液晶層の樹脂成分と液晶
成分との相分離させる際、前記BMが紫外線光を遮光
し、BM下の樹脂が未硬化で残るという問題が発生す
る。前記未硬化の樹脂は表示パネルの安定性を阻害し、
経時変化が大きくなる。このような表示パネルは実用上
採用できない。
【0174】さらに、従来の表示パネルの1つであるT
N表示パネルでは、偏光板を用いて、入射光を直線偏光
にする必要がある。したがって、光の半分以上は利用で
きないことになり、光利用率は非常に低い。本発明の表
示パネルは高分子分散液晶を用いているため、偏光板を
用いる必要がないため、光利用率は非常に高くなる。
【0175】対向電極125は、対向基板11側から順
に第1の誘電体薄膜、ITO薄膜、第2の誘電体薄膜で
構成される3層構成であり、ITO薄膜の光学的膜厚は
λ/2、第1の薄膜、および第2の薄膜の光学的膜厚は
それぞれλ/4である。なお、ITO薄膜は対向電極と
しても機能する。
【0176】第1の薄膜および第2の薄膜の屈折率は
1.60以上1.80以下が望ましい。一例としてSi
O、Al23、Y23、MgO、CeF3、WO3、Pb
2が例示される。また、中でも、第1の薄膜をSiO
に、第2の薄膜をY23にした場合、可視光領域全般に
わたり0.1%以下の極めてすぐれた反射防止効果を実
現できる。
【0177】なお、対向電極125は、第1および第2
の誘電体薄膜の光学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学
的膜厚をλ/2としたが、第1および第2の誘電体薄膜
の光学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学的膜厚をλ/
4としてもよい。
【0178】さらに、反射防止膜の理論で述べれば、N
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4、
ITO薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4であればよ
い。もしくは、第1および第2の誘電体薄膜の光学的膜
厚は(N・λ)/4、ITO薄膜の光学的膜厚は(M・
λ)/2であればよい。
【0179】さらには、第1および第2の誘電体薄膜の
うち一方は省略することができる。その場合は、多少反
射防止としての性能は低下するが、実用上は十分である
ことが多い。この場合も、さきの反射防止の理論を適用
する事ができる。
【0180】対向電極125の形成により液晶層17に
入射せずに、反射する光を防止できるから、表示コント
ラストを大幅に向上できる。
【0181】なお、誘電体多層薄膜16は(図13)の
16aに示すように反射電極間に形成してもよい。さら
には、誘電体多層薄膜は低誘電体膜16aと置き換えて
もよい。また、(図14)に示すように反射電極121
上にカラーフィルタを形成することにより一枚の表示パ
ネルでカラー画像を表示できる。
【0182】高分子分散液晶分散液晶を用いた表示パネ
ルでは液晶層および対向アレイ基板間で光の乱反射が生
じ、表示コントラストが低いという課題がある。この課
題に対しては(図29)のように本発明の表示パネル2
81に厚い透明基板283または凹レンズ284を取り
つけることにより対処できる。厚い透明基板283また
は凹レンズ284は対向基板11またはアレイ基板12
の屈折率と略一致する透明接続剤ではりつける。液晶層
17で散乱した光は光出射面で反射し、無効面に塗布さ
れた光吸収膜285で吸収される。そのため、前記光が
再び液晶層17にもどり散乱(2次散乱)することがな
い。したがって表示コントラストが向上する。以上の記
述は特願平4−145297号にてさらに詳しく説明さ
れているので参照されたい。
【0183】以上に説明した誘電体多層薄膜を用いて、
(図15)の遮光パターン164を形成すれば、遮光パ
ターン下のUV樹脂も硬化できるし、本来の遮光の機能
をもたせることができる。(図16)はその実施例であ
る。同図において、(図16(a))は表示パネルにお
いてソース信号線21の方向(K−K’)に平行な断面
図、(図16(b))は表示パネルにおいてソース信号
線21の方向とは直交する方向(J−J’)の断面図で
あり、表示領域の外側に誘電体多層薄膜で遮光パターン
151が形成されている。
【0184】表示パネルの製造時において、対向基板1
1とアレイ基板12間に注入した混合溶液は対向基板1
1側から紫外線光を照射し、紫外線光は誘電体多層薄膜
41を透過してUV樹脂を硬化させる。また、表示パネ
ル完成後、表示パネルを使用時においては、表示パネル
が変調する光が誘電体多層薄膜151に入射すると反射
される。したがって、アレイ基板12側には前記光は出
射されない。誘電体多層薄膜151の構成は(表1)か
ら(表3)で、効果等は(図1)等で説明したので説明
を省略する。
【0185】先の本発明の表示パネルの実施例は、各画
素電極にTFT等を配置したアクティブマトリックス型
表示パネルに関するものであった。紫外線を透過させ、
可能光を反射させてBMとして機能させる誘電体多層薄
膜16を、表示パネルに形成するという技術的思想は単
純マトリックス型表示パネルにも適用できる。
【0186】(図18)は本発明の技術的思想を単純マ
トリックス型表示パネルに適用した実施例である。電極
基板174にはITOからなるストライプ状電極171
が形成されており、一方電極基板175には同じくIT
Oからなるストライプ状電極176か形成されている。
ストライプ状電極171と176とは直交する様に配置
されている。
【0187】(図18)に示す実施例では誘電体多層薄
膜172は電極基板174側のみに形成されている。
(図17(a))に示すように前記誘電体多層薄膜17
2は矩形の開口部(画素)173以外に部分に形成され
ている。(図17(a))のC−C’における断面図で
(図17(b))に、D−D’における断面図を(図1
7(c))に示す。なお、誘電体多層薄膜172の機能
については(表1)から(表3)に示すものと同じもの
を用いる。また、効果、機能についても(図1)等で説
明をしたのであらためて説明する必要はないであろう。
【0188】単純マトリックス型表示パネルにおいて
も、ストライプ状電極171aと171b間に異なった
信号が印加されることから、両電極間に横電界が発生す
る。前記横電界に液晶分子が配向すれば、両電極間が光
透過状態等になる。誘電体多層薄膜172が形成されて
おれば光透過状態等が発生しても、前記誘電体多層薄膜
172はBMとして機能するから光もれが発生すること
がない。したがって、良好な画像表示が行なえる。ま
た、誘電体多層薄膜172の比誘電率εは液晶の比誘電
率に比較して小さい。したがって、(図4)等の電界シ
ールドの効果も有する。つまり、誘電体多層薄膜172
により横電界の強度を低減できるものである。
【0189】(図18)は電極基板174側にのみ誘電
体多層薄膜を形成した構成であったが、(図20)に示
すように、電極基板175側にも誘電体多層薄膜を形成
を形成してもよい。その際、(図17(a))のように
マトリックス状に形成してもよいが、(図19)に示す
ようにストライプ状に形成してもよい。(図20)は
(図19)に示すように誘電体多層薄膜172aをスト
ライプ状に形成した電極基板を用いて構成した図面であ
る。なおストライプ状に形成するとはストライプ状電極
171aと171bとの間にストライプ状に誘電体多層
薄膜172を形成することを言う。
【0190】(図20)は(図19(a))の電極基板
を2枚用い、2枚の電極基板を直交させたものである。
電極基板175にはストライプ状電極176が形成さ
れ、前記ストライプ状電極間に誘電体多層膜172bが
形成される。前記誘電体多層膜172bはストライプ状
電極176aと176b間の横電界を防止するととも
に、ストライプ状電極間から光もれを防止するBMとし
て機能する。一方、電極基板174にもストライプ状電
極171が形成され、前記ストライプ状電極間に誘電体
多層薄膜172aが形成される。なお、カラーフィルタ
はストライプ状電極171と176のいずれか一方に形
成すればよい。また(図8)と同様に前記カラーフィル
タをストライプ状電極間に形成し、かつ、各カラーフィ
ルタを重ねることにより、カラーフィルタを遮光膜とし
て機能させることができることは明らかである。
【0191】以上は、テレビ画像等を表示させる表示パ
ネルに関するものであった。その他、固定した図形、数
字等を表示する表示パネル等(以後、図形表示パネルと
呼ぶ)にも本発明の技術的思想を適用できる。
【0192】(図21)は図形表示パネルの平面図およ
び断面図である。(図21)では“8”という数字を表
示する例を示しているがこれに限定するものではない。
たとえば“ON”、“OFF”の文字等や、”○×”な
どの図形であってもよい。(図21(b))は(図21
(a))のG−G’線での断面図である。電極基板21
5には金属薄膜等で形成された反射電極217が形成さ
れ、その上にカラーフィルタ213が形成されている。
一方、電極基板214にはITOからなる対向電極21
6が形成され、その上に誘電体多層膜212が形成され
ている。両電極基板間に高分子分散液晶層17が狭持さ
れている。ただし、電極基板215において、217を
カラーフィルタとして、213をITOとしてもよい。
【0193】カラーフィルタ213は開口部211より
も少なくとも広範囲に電極217上に形成されている。
また、カラーフィルタ213が反射する色は誘電体多層
膜212が反射する光色と一致させることが好ましい。
つまり、液晶層17が透明状態(電極216と217間
に電圧が印加された時)の時、“8”という文字はみえ
なくなる。逆に液晶層17が散乱状態(電極216と2
17間に電圧が印加されていない状態)の時は液晶層1
7は白濁状態となるから、“8”という文字は白色に浮
かびあがってみえる。
【0194】なお、誘電体多層薄膜212の構成は(表
1)から(表3)にあげるものが例示され、その効果、
機能等は(図1)で説明したのと同様であるから、説明
を省略する。また、誘電体多層膜212は(図22
(b))に示すように電極基板214が空気と接する面
に形成してもよい。
【0195】(図23)は(図21)に示す表示パネル
218を用いた表示装置の構成図である。表示パネル2
18上にはスイッチ236が配置されている。前記スイ
ッチ236は透明導電シート231aと231bから構
成され、透明導電シート231aと231bとが接触す
ることにより両シート間に導通がとれる。導通がとれた
か否かは検出手段237で検出される。前記検出手段2
37はインバータ235とT型フリップフロップ234
で構成され、両シート間に導通がとれることにC出力の
論理レベルは反転をする。つまり、使用者がシート23
1aをおさえるごとにC出力の論理レベルが反転するよ
うに構成されている。アナログスイッチ232はC出力
によりスイッチSをON、OFFさせる。C出力がHレ
ベルの時スイッチSはON状態となりLレベルの時OF
F状態となる。スイッチSがON状態の時、交流信号源
232からの矩形信号が表示パネル218の電極216
に印加され、液晶層17は透明状態となる。液晶層17
が透明状態となれば表示パネル218の文字はみえなく
なる。逆に液晶層17が白濁状態であれば文字はみえ
る。
【0196】以上のことから使用者は透明導電シート2
31aを押さえることにより表示パネル218の文字等
をみえなくしたり、みえる状態にしたり切りかえること
ができる。応用展開としては家電機器の電源のON、O
FF表示、電子手帳などのタッチパネル等に用いること
ができる。
【0197】その他本発明の技術的思想は高分子分散液
晶を用いた光書き込み型液晶表示パネル(たとえば、特
開平2−93519号公報)等にも用いることができ
る。さらには、高分子分散液晶を用いる液晶表示パネル
に限定することはない。たとえば、特定波長の可視光を
反射してBMとして機能させる効果はTN表示パネル、
STN表示パネル等にも応用展開できる。たとえば、
(図46)においてBM381を誘電体多層膜16とす
ればよい。
【0198】以上の説明より明らかなように、本発明の
表示パネルは、第1の基板上または第2の基板上に、誘
電体多層膜16を形成する。この誘電体多層膜16は特
定波長の可視光を反射、紫外線を透過できるように構成
することにより、第1の基板と第2の基板間に混合溶液
を狭持後、紫外線光を照射して薄膜16下のUV樹脂も
硬化できる。したがって、狭持させたすべての混合溶液
中のUV樹脂を硬化できるため、経時変化がなく、安定
な表示パネルを得ることができる。
【0199】また、誘電体多層膜16は表示パネルに入
射する光を反射するため、従来のTN表示パネルのブラ
ックマトリクスと同じく、遮光機能を合わせもつ。
【0200】さらに誘電体多層膜16は液晶に比較して
比誘電率が低いため、信号線と対向電極間等に発生する
電気力線数を少なくすることができ、画素周辺部の光も
れ等を抑制できる。画素電極の周辺部に遮光膜51を形
成すれば、さらにその効果は大きくなる。また、カラー
フィルタなどを画素間に重ねて形成することにより、カ
ラーフィルタを遮光膜として作用させることができる。
【0201】(図38)に示すように、低誘電体柱39
1でソース信号線21から発生する電気力線をシールド
すれば、画素電極15周辺部の光抜けを低減できる。ソ
ース信号線21と画素電極15間の電磁結合を防止でき
るからである。
【0202】また、画素電極15と対向電極13のうち
少なくとも一方に絶縁膜11を形成することは有効であ
る。有機物からなる薄膜111を電極上に形成すること
により電荷の保持率を向上できる。絶縁膜111は液晶
層17を電極とが剥離するのを防止する効果もある。そ
れは液晶層17を構成する材料の約半分近くは樹脂から
なる有機物であるからである。
【0203】また、有機物からなる絶縁膜111を形成
すれば、液晶層17のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。 また、高分子分散液晶を用いることにより、偏
光板が不要となり、TN表示パネルに比較して2倍以上
の高輝度表示が実現できる。これは光利用効率を向上で
きることのみならず、光が熱に変換されることを大幅に
減少でき、加熱によるパネルの性能劣化をひきおこすこ
とがなくなる。これは投写型表示装置のように一枚の表
示パネルに入射する光の強さが数万ルクスと大きい場
合、非常に有効である。
【0204】以下、図面を参照しながら本発明の投写型
表示装置について説明する。まず、本発明の投写型表示
装置に共通する仕様について記載する。なお、以下の値
あるいは値の範囲は、特に高分子分散液晶を光変調層と
する表示パネルをライトバルブとして用いる投写型表示
装置として重要な事項である。
【0205】本発明の投写型表示装置において、光利用
率の向上の観点から、パネル有効表示サイズ(パネルの
表示領域)を小さくなれば、照明光のFナンバーは大き
くする必要がある。パネル有効表示サイズdを大きくす
れば、照明光のFナンバーは小さくでき、結果として明
るい大画面表示を実現できる。しかし、パネル有効表示
サイズが大きくなると投写型表示装置のシステムサイズ
は大きくなり好ましくない。また、パネル有効表示サイ
ズが小さくなればパネルの表示領域に入射する単位面積
あたりの光束が増大し、パネルを加熱して好ましくな
い。
【0206】また、発光体輝度をランプ寿命を考慮して
1.2×108(nt)と一定とすると、アーク長とラ
ンプの消費電力はおよそ比例すると考えられる。一例と
してアーク長3(mm)のランプは50(W)、アーク
長4(mm)のランプは100(W)、アーク長5(m
m)のランプは150(W)程度となる。メタルハライ
ドランプの効率は80(lm/W)である。50(W)
のランプの全光束は4000(lm)、100(W)の
ランプの全光束は8000(lm)、150(W)のラ
ンプの全光束は12000(lm)となる。ランプのア
ーク長とランプ消費電力には相関があり、アーク長とF
ナンバーとは相関がある。
【0207】投写型表示装置において投写画像の画面サ
イズが40インチ以上で、かつ実用域の視角および画像
の明るさを得るためには300〜400(lm)以上の
光束が必要である。したがって、ランプの光利用率が4
%程度とすると、100(W)以上のランプを用いなけ
ればならない。このことから、表示コントラスト(C
R)を良好に得るためだけであればアーク長3(mm)
のランプを用いることができるが、十分な投写画像の輝
度を得るためには100(W)以上のメタルハライドラ
ンプが必要である。
【0208】また、パネル有効表示サイズも小さいと十
分な表示輝度を得ることができない。パネル有効表示サ
イズはアーク長が5(mm)、照明光の有効F値を7と
すると、3.5インチ前後の大きさが必要である。アー
ク長が5(mm)程度、パネル有効表示サイズが2イン
チ強であれば、照明光の有効F値は5弱となる。この場
合、表示輝度は実用域となるが、良好な表示コントラス
ト(CR)は望めない。
【0209】各種の実験と検討の結果、照明光の有効F
値が5以上であれば実用域の表示輝度が得られる。しか
し、良好な表示輝度と表示コントラストおよび適正な消
費電力かつランプ寿命を得るためには照明光の有効F値
(=投写光の有効F値)は7前後、ランプのアーク長は
5(mm)前後、ランプのWは150W前後を用いなけ
ればならないという結果を得た。
【0210】投写レンズのFナンバーを低下させるとス
クリーンに到達するスクリーン光束は高くなる。それに
ともない、ランプの消費電力も大きくしなければならな
い。また、ランプの長寿命化の観点からランプの消費電
力が大きくなると、アーク輝度を一定と考えると長アー
クになる。当然、表示コントラスト(CR)はFナンバ
ーが小さくなると表示コントラストは悪くなる。逆に投
写光学系のFナンバーを大きくすると表示コントラスト
は高くなるが、スクリーン光束は小さくなる。
【0211】各種の実験と検討の結果、ランプに関して
はアーク長は良好な表示コントラストを得るために3
(mm)以上6(mm)以下でなければならない。ま
た、消費電力の点から250(W)以下でなければなら
ない。かつ、スクリーン輝度を得るために100(W)
以上のメタルハラドランプを用いなければならない。さ
らに好ましくは、スクリーン輝度および表示コントラス
トを考慮するとアーク長は3(mm)以上6(mm)以
下でなければならない。
【0212】パネルの有効表示領域の対角長はシステム
サイズの点から4.5インチ以下でなければならない。
また、光利用効率の点から2インチ以上でなければなら
ない。中でも十分な光集光効率を得、かつコンパクトに
するためには好ましくは3インチ以上4インチ以下にし
なければならない。
【0213】投写レンズのFナンバー、広義には投写光
学系のFナンバーは、良好なコントラスト(CR)を得
るために5以上でなければならない。また、十分なスク
リーン輝度を得るために9以下でなければならない。さ
らに前述のランプのアーク長を考慮すればFナンバーは
6以上8以下でなければならない。
【0214】また、照明光の光の広がり角(Fナンバ
ー)を投写レンズの集光角(Fナンバー)は略一致させ
なければ光利用率は低下する。これは、Fナンバーが大
きい方に制約を受けるからである。本発明の投写型表示
装置の照明光のFナンバーと投写レンズのFナンバーは
一致させている。
【0215】なお、以上の記載において、たとえばラン
プのアーク長が5mmとは、”実質的に5mm”である
ことを意味する。実質的に5mmとは、アーク長が8m
mであっても、前記アークから放射された光の内、投写
レンズが、アークの中央部の5mm付近から放射した光
しか集光できなければ、実質的にアーク長は5mmとな
る。同様にFナンバーとは有効Fナンバーを意味する。
たとえ物理的なFナンバーが4でも、光が投写レンズの
瞳の中央付近しか通過していなければ、当然Fナンバー
は4以上である。
【0216】(図24)は第1の実施例における本発明
の投写型表示装置の構成図である。ただし、説明に不要
な構成要素は省略している。光源241は内部に凹面鏡
241bおよび光発生手段241aとしてのメタルハラ
イドランプあるいはキセノンランプを配置している。ま
た、光の出射側には紫外線(UV)および赤外線(I
R)をカットするUVIRカットフィルタ241cが配
置されている。凹面鏡241bはランプ241aのアー
ク長にあわせて適正値に設計する。凹面鏡241bは楕
円面鏡あるいは放物面鏡を用いる。また、243aはB
光を反射させるダイクロイックミラー(BDM)、24
3bはG光を反射させるダイクロイックミラー(GD
M)、243cはR光を反射させるダイクロイックミラ
ー(RDM)である。なお、BDM242aからRDM
243cの配置は同図の順序に限定するものではない。
また、最後のRDM243cは全反射ミラーにおきかえ
てもよいことは言うまでもない。
【0217】243は本発明の表示パネルである。たと
えば、(図1)(図3)(図5)(図11)(図16)
(図17)(図38)の表示パネルなどが該当する。た
だし、R光を変調する表示パネル243cの液晶層の膜
厚17を他のGおよびB光を変調する表示パネルの液晶
層の膜厚17に比較して厚めにして構成する。また、変
調する光の波長に応じて、液晶の水滴状液晶の平均粒子
径またはポリマーネットワークの平均孔径を変化させて
いる。変調の光の波長が長くなるほど前記平均粒子径ま
たは平均孔径は大きくする。これは光が長波長になるほ
ど散乱特性が低下しコントラストが低くなる傾向がある
からである。また、表示パネルに誘電体多層膜16が形
成されて表示パネルは、誘電体多層膜16で入射光を反
射し、BMとして機能するように構成している。244
はレンズ、246は投写レンズ、245はしぼりとして
のアパーチャである。なお、244、245および24
6で投写光学系を構成している。なお、アパーチャ24
5は、投写型表示装置の動作の説明上図示したものであ
る。アパーチャ245は投写光学系の集光角を規定する
ものであるから、投写光学系の機能に含まれるものとし
て考えればよい。つまり投写光学系のF値が大きければ
アパーチャ245の穴径は小さいと考えることができ
る。高コントラスト表示を得るためには投写光学系のF
値は大きいほどよい。しかし、大きくなると白表示の輝
度は低下する。具体的にはアパーチャは用いず、投写光
学系の機能にアパーチャの機能は含まれる。なお、24
7はリレーレンズである。
【0218】(図40)は(図24)をより具体的に表
すために斜視図で図示したものである。ただし、リレー
レンズ247などの説明に不要な部品は省略している。
また、(図40)に示した投写器421を用いた投写型
表示装置のキャビネッ425の構成を(図41)に示
す。キャビネット425の前側上部に透過型のスクリー
ン424を配置し、下部後方に投写器421を配置し、
下部前方に平面ミラー422を配置し、スクリーン42
4の後方に平面ミラー423を配置している。投写距離
(投写レンズからスクリーン中心までの光路長)を短く
し、投写器421を小型にすることにより、キャビネッ
ト425をコンパクトにすることができる。
【0219】以下、本発明の投写型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。
【0220】光源241から白色光が照射され、この白
色光のB光成分はBDM242aにより反射される。こ
のB光は表示パネル243aに入射する。表示パネル2
43aは、(図34(a)(b))に示すように画素電
極に印加された信号により入射した光の散乱と透過状態
とを制御し光を変調する。
【0221】散乱した光はアパーチャ245aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ24
5aを通過する。変調された光は投写レンズ246aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様に表示パネル243bはG光成分の光を変調
し、また、表示パネル243cはR光成分の光を変調し
て、スクリーン上にはカラー画像が表示される。
【0222】(図24)は3つの投写レンズ246によ
りスクリーンに拡大投映する方式であるが、一つの投写
レンズで拡大投映する方式もある。その構成図を(図2
5)に示す。表示パネル254は前述の本発明の表示パ
ネルを用いる。
【0223】ここでは説明を容易にするため、254G
をG光の映像を表示する表示パネル、254RをR光の
映像を表示する表示パネル、254BをB光の映像を表
示する表示パネルとする。したがって、各ダイクロイッ
クミラーを透過および反射する波長は、ダイクロイック
ミラー252aはR光を反射し、G光とB光を透過す
る。ダイクロイックミラー252cはG光を反射し、R
光を透過させる。ダイクロイックミラー252bはB光
を透過し、G光を反射させ、また、ダイクロイックミラ
ー252dはB光を反射させ、G光およびR光を透過す
る。
【0224】メタルハライドランプ241aから出射さ
れた光は全反射ミラー251aにより反射され、光の方
向を変化させられる。次に前記光はUVIRカットフィ
ルタ241cにより紫外線領域および赤外線領域の波長
の光がカットされる。紫外線および赤外線をカットされ
た光はダイクロイックミラー252a、252bにより
R・G・B光の3原色の光路に分離され、R光はフィー
ルドレンズ253Rに、G光はフィールドレンズ253
Gに、B光はフィールドレンズ253Bに入射する。各
フィールドレンズ253は各光を集光し、表示パネル2
54はそれぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化さ
せ、光を変調する。このように変調されたR・G・B光
はダイクロイックミラー252c、252dにより合成
され、投写レンズ255によりスクリーン(図示せず)
に拡大投映される。
【0225】なお、(図24)(図25)に示す投写型
表示装置において(図18)(図20)で説明した単純
マトリックス型表示パネルも、ライトバルブとして採用
できることは言うまでもない。また、(図25)に示す
構成を投写器421としてキャビネット425に配置す
れば(図41)に示すリア型の投写型表示装置を構成で
きる。
【0226】以下、(図12)などに示す反射型の表示
パネルをライトバルブとして用いる本発明の投写型表示
装置の構成について説明する。(図26)は(図12)
等に示した本発明の反射型の表示パネル264をライト
バルブとして用いた投写型表示装置の一実施例の構成図
である。光源241はランプ241a、凹面鏡241
b、UVIRカットフィルタ241cで構成される。ラ
ンプ241aはメタルハライドランプであり、R、G、
Bの3原色の色成分を含む光を出射する。凹面鏡241
bはガラス製で、反射面に可視光を反射し赤外光を透過
させる多層膜を蒸着したものである。フィルタ241c
はガラス基板の上に可視光を透過し赤外光と紫外光を反
射する多層膜を蒸着したものである。ランプ241aか
らの放射光に含まれる可視光は、凹面鏡241bの反射
面により反射する。凹面鏡241bから出射する反射光
は、フィルタ241cにより赤外線と紫外線とが除去さ
れて出射する。
【0227】投写レンズ261は表示パネル側の第1レ
ンズ群261bとスクリーン側の第2レンズ群261a
とで構成され、第1レンズ群261aと第2レンズ群2
61bとの間には平面ミラー262が配置されている。
表示パネル264の画面中心にある画素から出射する散
乱光は、第1レンズ群261bを透過した後、約半分が
平面ミラー262に入射し、残りが平面ミラー262に
入射せずに第2レンズ群261aに入射する。平面ミラ
ー262の反射面の法線は投写レンズ261の光軸26
5に対して45°傾いている。光源241からの光は平
面ミラー262で反射されて第1レンズ群261bを透
過し、表示パネル264に入射する。表示パネル264
からの反射光は、第1レンズ群261b、第2レンズ群
261aの順に透過してスクリーンに到達する。投写レ
ンズ261の絞りの中心から出て表示パネル264に向
かう光線は、液晶層17にほぼ垂直に入射するように、
つまりテレセントリックとしている。
【0228】ここでは説明を容易にするために、264
aをR光を変調する表示パネル、264cをB光を変調
する表示パネル、264bをG光を変調する表示パネル
であるとして説明する。
【0229】(図26)において263はダイクロイッ
クミラーであるが、これは色合成系と色分離系を兼用し
ている。光源からの出射された白色光は平面ミラー26
2によりおりまげられ、投写レンズ261の第1群26
1bに入射する。この際フィルタ241cにより不要な
B光およびR光はカットされる。フィルタ241cの帯
域は半値の値で430nm〜690nmである。以後、
光の帯域を記述する際は半値で表現する。ダイクロイッ
クミラー263aはG光を反射し、R光およびB光を透
過させる。G光はダイクロイックミラー263cで帯域
制限され表示パネル264bに入射する。G光の帯域は
510〜570nmとする。一方、ダイクロイックミラ
ー263bはB光を反射し、R光を透過させる。B光は
表示パネル264cに、R光は表示パネル264aに入
射する。入射するB光の帯域は430nm〜490n
m、R光の帯域は600nm〜690nmである。これ
らの光の帯域は本発明の他の投写型表示装置についても
同様である。各表示パネルはそれぞれの映像信号に応じ
て散乱状態の変化として光学像が形成する。各表示パネ
ルで形成された光学系はダイクロイックミラー263で
色合成され、投写レンズ261に入射し、スクリーン2
66上に拡大投写される。
【0230】(図26)に示すように、色分離光学系は
ダイクロイックミラーを用いて構成され、前記ダイクロ
イックミラーは、色分離機能と、液晶表示パネルで変調
された光を合成する色合成機能を有する。
【0231】表示パネルを反射構造にすることにより、
(図27)に示すようにアレイ基板または対向基板の裏
面に直接、放熱板271等を配置することができる。放
熱板271はシリコーン系の接着剤でパネル264には
りつける。このように構成すれば表示パネルの冷却が容
易になる。
【0232】また、表示パネルに入射する光は、対向電
極125から反射電極121(入射経路)、反射電極1
21から対向電極125(出射経路)と、2回にわた
り、液晶層17を通過することになる。したがって、見
かけ上、透過型の表示パネルに比較して液晶膜厚が2倍
に形成したのと同等になる。そのため、透過型の表示パ
ネルに比較して、散乱性能が向上し、高コントラスト表
示を実現できる。
【0233】ダイクロイックミラー263は、特定の波
長の光を反射(透過)させるフィルタとして機能する。
たとえば、ダイクロイックミラー263aは、光源24
1からの光が、表示パネル264bに入射する際に、特
定の波長の光を反射する。また、液晶表示パネル264
bで反射した光が、投写手段261に入射する際に、特
定の波長の光を反射する。
【0234】1つのダイクロイックミラー263は、表
示パネルに入射する際と、出射する際の2回光を反射す
る。(図13)の構成では、1つのダイクロイックミラ
ーで、2回、光の波長の帯域制限をする。つまり、ダイ
クロイックミラーは2次のフィルタとして機能してい
る。(図24)のダイクロイックミラー242に比較し
て、帯域制限をするカットオフ特性が急峻となる。その
ため、各表示パネルに入射する光の帯域にオーバーラッ
プが生じない。したがって、色再現性が良好となり、高
品位の画像表示を実現できる。
【0235】また、ダイクロイックミラー263を色分
離機能と色合成機能とを、兼用することにより、投写型
表示装置のシステムサイズの小型化を実現している。
【0236】さらに、ダイクロイックミラーを用いて色
分離および色合成光学系をコンパクトにするためには
(図42)のように構成すればよい。なお、(図42)
において426は補助レンズである。3枚のダイクロイ
ックミラー263d、263eおよび263fはX字状
に組み合わされて配置される。入射光267aは前記3
枚のダイクロイックミラー263d、263eおよび2
63fによりR、GおよびBの3原色の光に分離され
る。たとえば、ダイクロイックミラー263aはR光を
反射し、ダイクロイックミラー263eおよび263f
はB光を反射する。G光は3枚のダイクロイックミラー
を透過して、表示パネル264eに到達する。各分離さ
れた光は本発明の表示パネル264d、264eおよび
264fによって変調される。変調された光は出射光2
67bとなり、ダイクロイックミラー263で色合成さ
れて投写レンズ261により投写される。
【0237】なお、(図24)(図25)(図26)お
よび(図42)においてダイクロイックミラーによって
R光、G光およびB光の3原色の光に分離するとした
が、これに限定するものではなく、たとえばダイクロイ
ックフィルタ、ダイクロイックプリズム等を用いてもよ
い。
【0238】(図44)はダイクロイックプリズム44
1を用いて色分離色合成を行こなう投写型表示装置の構
成図である。ダイクロイックプリズム441には2つの
光分離面442a、442bを有しており、前記光分離
面442で白色光267aをR・GおよびBの3原色光
に分離する。各表示パネル264は光波長制限フィルタ
433を介してダイクロイックプリズム441に取りつ
けられている。つまり、ダイクロイックプリズム441
に光波長制限フィルタ433が光結合剤282でオプテ
ィカティカルカップリングされ、また、前記光波長制限
フィルタ433に表示パネル264が光結合剤282で
オプティカルカップリングされて貼り付けられている。
【0239】光結合剤282としては、アクリル樹脂な
どの接着剤、シリコン樹脂を成分をするゲル、エチレン
グリコールなどの液体などが例示される。これらの光結
合剤は屈折率が表示パネルの基板の屈折率に近いものが
多く実用上充分である。
【0240】ダイクロイックプリズム441は、すべて
がガラスもしくは樹脂で形成されたものが例示される。
その他、ガラスなどで枠(容器)を作製し、前記枠内
に、光分離面442を形成した板などを挿入し、前記枠
の空間内をエチレングリコール等の枠の材質の屈折率と
略一致する液体などを充填したものでもよい。エチレン
グリコールの他に、シリコン樹脂などのゲルでもよい。
枠と、前記液体もしくはゲルとの屈折率との差は0.1
5以内し、また、屈折率の範囲は1.40以上1.55
以下にすることが望ましい。
【0241】ダイクロイックプリズム441の無効領域
(光入出射面435および表示パネル264がとりつけ
られた面以外の領域)には、(図45)に示すように光
吸収膜(黒色塗料など)432が塗布されている。材料
としては(図29)等に示す光吸収膜285と同様のも
のが用いられる。前記光吸収膜432は表示パネル26
4で散乱した光を吸収する機能を有する。つまり、表示
パネル264で散乱した光を吸収する機能を有すればよ
く、黒色に限定するものではない。たとえば、光変調層
17で変調する光色にたいして補色の塗料でもよい。
【0242】さらには、光吸収膜という語は他の光吸収
手段をも含むと解するべきである。たとえば、蒸着技術
により薄膜をプリズム441の無効領域に形成して光吸
収膜432とする構成、光吸収する板またはフィルムを
プリズム441の無効領域に張り付ける構成、プリズム
441の無効領域を研磨し散乱状態にした構成が例示さ
れる。
【0243】光波長制限フィルタ433とはダイクロイ
ックミラー、ダイクロイックフィルタが例示され、ま
た、ガラスもしくは樹脂中に光吸収する色素を含有させ
たフィルタが例示される。本発明の投写型表示装置には
このうちいずれをもちいてもよいが、光帯域を狭帯域に
できるダイクロイックフィルタを用いることが最も好ま
しい。
【0244】(図44)において光波長制限フィルタ4
42を表示パネル264と光分離面442間に配置する
のは以下の理由からである。
【0245】ダイクロイックミラーまたはダイクロイッ
クプリズムの光分離面442には、屈折率の異なる透明
誘電体膜が光の波長程度の膜厚で透明板またはプリズム
面に積層されている。前記積層された透明誘電体薄膜に
より、ほとんど光吸収損失を受けることなく、光の多重
干渉現象により任意の波長で透過波長域と反射波長域と
に分光する機能を有する。このような光学多層膜は、光
分離面に入射する入射光の入射角がゼロから増加するに
従い、P偏光とS偏光に対応した分光特性の相違が顕著
となることが知られている。
【0246】ここで、P偏光とS偏光等を定義してお
く。P偏光とは、ダイクロイックプリズムなどの光分離
面442と入射光線の進行方向を含む面上で振動する光
を言う。また、S偏光とは前記P偏光の振動方向と垂直
な方向に振動する光を言う。
【0247】TN型表示パネルを用いた投写型表示装置
の場合、偏光板を用いているため、その偏光軸をP偏光
とS偏光のいずれかのみを利用するように配置し、一方
の偏光のみが利用される。このため、ダイクロイックミ
ラーまたはダイクロイックプリズムの分光特性の偏光依
存性が生じても、先鋭な色分離特性が得られることにな
り、投写画像の色相はよいものが得られる。
【0248】一方、PD表示パネルなどを用いた場合に
は、ランダム光(P偏光およびS偏光の両方)が入射光
となる。したがって、ダイクロイックミラーおよびダイ
クロイックプリズムは分光特性において、P偏光とS偏
光との平均値に対応する分光作用を示す。つまり、シャ
ープな波長カットができない。このことは1つの表示パ
ネルに入射する光の色純度が低下することを意味する。
そのため、色合成された投写画像の色相は、TN型表示
パネルを用いた投写型表示装置に比して劣ることにな
る。
【0249】ダイクロイックプリズムーなどの光分離面
442で反射した光はS偏光の方がP偏光より帯域が広
くなることが知られている。逆にダイクロイックプリズ
ムの光分離面442を透過する光はP偏光の方がS偏光
の帯域より広くなる。
【0250】たとえば、前記ダイクロイックプリズム4
41の光分離面442aがR光を反射するのであれば、
前記R光のS偏光成分は広い帯域の波長の光が反射さ
れ、R光のP偏光成分は広い帯域の波長の光が透過す
る。したがって、S偏光のR光はG光の帯域に近い光も
反射し、P偏光のR光はG光の帯域に近い光も透過す
る。
【0251】つまり、ダイクロイックプリズム441の
光分離面442aでR光の分離が良好に行なえないこと
を意味する。これが色相を劣化させる要因である。色相
の劣化とは色再現性の低下とおきかえることができる。
たとえば、本来R光のみを変調する表示パネル264d
に、そのパネルに入射する光にG光がまざっているため
G光もR光として変調してしまい、原画像の色を再現で
きなくなることをいう。
【0252】本発明の投写型表示装置では光波長制限フ
ィルタ433aにより、P偏光とS偏光のうち狭帯域の
偏光の帯域に透過光の帯域を制限する。つまり、表示パ
ネル264dに入射する光において、S偏光の方がP偏
光より帯域が広帯域であるから、光波長制限フィルタ4
33aの透過光の帯域はP偏光の帯域に制限する。特に
ダイクロイックプリズムを用いる場合、P偏光とS偏光
の帯域のズレは大きくなる傾向にあるので、光波長制限
フィルタ433を用いる効果は大きい。
【0253】同様に、表示パネル264fに入射する光
において、S偏光の方がP偏光より帯域が広帯域である
から、光波長制限フィルタ433cの透過光の帯域はP
偏光の帯域に制限する。また、表示パネル264eに入
射する光において、P偏光の方がS偏光より帯域が広帯
域であるから、光波長制限フィルタ433bの透過光の
帯域はS偏光の帯域に制限する。
【0254】以上のことから、(図42)の構成におい
ても表示パネル264とダイクロイックミラー263間
に光波長制限フィルタ433を配置することは効果があ
る。したがって、光分離面442と表示パネル264間
に光波長制限フィルタ433を配置するという技術的思
想は(図44)のダイクロイックプリズム441と組み
合わせて用いることに限定されるものではない。たとえ
ば、(図24)、(図25)、(図26)の構成におい
ても適用することができる。
【0255】また、光波長制限フィルタ433a,43
3bおよび433cは必ずすべてを各光路に配置しなけ
ればならないものではない。たとえば光波長制限フィル
タ433aと433cを用い、433bを除去した構成
でもよい。特に色純度が悪い光路のみに光波長制限フィ
ルタを挿入すれば、色再現性の改善をいう目的は達成で
きるからである。
【0256】(図26)では光波長制限フィルタ433
は点線で図示している。しかし、表示パネル264に光
波長制限フィルタを光結合剤でオプティカルカップリン
グした構成でもよい。また、光波長制限フィルタで反射
する光が投写レンズ261に入射する事を防止するた
め、光波長制限フィルタが空気と接する面には反射防止
膜を形成することが好ましい。また、光軸265に対し
て、光波長制限フィルタを傾けて配置する事が好まし
い。
【0257】表示パネル264はダイクロイックプリズ
ム441に貼りつけられ、前記ダイクロイックプリズム
441の無効領域に光吸収膜432が塗布されている。
この構成は(図29)等に示したように、表示パネル2
64に透明基板283がオプティカルカップリングさ
れ、前記透明基板283の無効領域に光吸収膜285が
塗布されていることと機能的に類似する。つまり、透明
基板283をダイクロイックプリズム441とおきかえ
て考えればよい。
【0258】たとえば、表示パネル264aを中心に考
え、かつ、表示パネル264aはR光を変調すると考え
れば、入射光267aはダイクロイックプリズム441
の光入出射面435より入射し、光分離面442bでR
光が反射される。表示パネル264aは反射電極121
に印加された電圧の大きさに応じて光変調層17の散乱
度合を変化させる。そのうち透過光の成分は再び光分離
面442aで反射し、光入出射面435より出射され
る。散乱した光はそのほとんどが光吸収膜432に入射
して吸収され、光変調層17に再びもどり、2次散乱を
発生させることはない。
【0259】以上のことから、(図44)においてダイ
クロイックプリズム441は色分離色合成の機能を有す
るほか、2次散乱光の発生を防止する機能を有すること
が理解できるであろう。(図44)の本発明の構成は色
分離色合成系が非常に簡単で小型である。かつ、2次散
乱の防止機能をも有している。
【0260】また、(図43)の構成も考えられるであ
ろう。立方体状の容器431中にダイクロイックミラー
(ガラス板などに誘電体多層膜が形成され、光干渉現象
により、光の波長を選択して光を反射するハーフミラ
ー)263、光波長制限フィルタ433および表示パネ
ル264が配置されている。容器431の内面もしくは
外面に光吸収手段としての光吸収膜432aが形成され
ている。容器431の空間部にはエチレングリコールな
どの液体もしくはゲル434が充填されている。
【0261】以上のように構成すれば光波長制限フィル
タ433と表示パネル264とはオプティカルカップリ
ングをとる必要はなくなる。光吸収膜432aが、(図
45)に示す光吸収膜432として機能する。また、液
体もしくはゲル434が表示パネル264を液体冷却す
る機能を有することから、表示パネル264の冷却が容
易である。
【0262】光波長制限フィルタ433を反射方式の投
写型表示装置(たとえば、(図26)、(図44)な
ど)に用いる場合、前記光波長制限フィルタ433には
光は光変調手段264に入射する際と、光は光変調手段
264から出射する際の2度通過する。したがって、光
波長制限フィルタ433は見かけ上、2次のバンドパス
フィルタをして機能する。そのため、カットオフ帯域が
急峻で波長の選択性に優れるという特徴を有する。
【0263】なお、表示パネル264は、本発明の表示
パネルを用いることが好ましいが、その他のランダム光
を変調する表示パネルに置き換えてもよい。たとえば、
米国登録特許USP5148298に開示された光書き
込み型表示パネル、USP4566935に開示された
微小なミラーの傾きにより光変調を行う表示パネル、あ
るいは特開昭62ー237424号公報に開示された回
折現象により光変調を行う表示パネルが例示される。
【0264】以上のことから、(図43)、(図44)
等に示した投写型表示装置は、2つの技術的な発明と効
果がある。1つはプリズムに表示パネルを光学的に結合
し、前記プリズムにより、2次散乱光を防止することで
ある。2つめは、光波長制限フィルタにより色相を改善
することである。
【0265】以上の装置は、光散乱状態の変化として光
学像を形成する表示パネルをライトバルブ(光変調手
段)として用いて投写型表示装置である。しかし、本発
明の位相板でP偏光とS偏光とを変換し、色分離色合成
系での光の帯域幅を狭め、投写型表示装置の色相を改善
するという技術的思想は、他のランダム光を変調する表
示パネルを用いる投写型表示装置にも適用される。
【0266】投写型表示装置はスクリーンと投写装置と
が1つのキャビネット内に収容されたリア型投写型表示
装置(図41参照、通常プロジェクションテレビと呼ば
れる)と、スクリーンと投写装置が分離されたフロント
型投写型表示装置(シャープ(株)制)がある。本発明
の投写型表示装置はリア型、フロント型の双方に適用で
きるものである。たとえば、(図24)または(図2
6)または(図44)などの投写型表示装置と、スクリ
ーンとを一体化して(図41)のように構成すればリア
型投写型表示装置となる。
【0267】また、一枚の本発明の表示パネルを用いて
カラー表示を実現するためには、(図28)のように構
成すればよい。その他、一枚の反射型パネルを用いてカ
ラー表示を実現するには、(図28)のRGBのうち一
色の光を変調する光学系を取りだし、かつライトバルブ
として(図14)に示す本発明の反射型の表示パネルを
用いればよいことは言うまでもないであろう。
【0268】本発明の表示パネルは投写型表示装置のラ
イトバルブとしてのみでなく、たとえばビデオカメラに
用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採用で
きる。以下、本発明の表示パネルをビューファインダに
採用した実施例を説明する。なお、ビューファインダに
本発明の表示パネルを用いる場合は誘電体多層膜16は
白色光を反射するように形成する。その他、表示パネル
としては(図38)(図8)(図20)(図10)(図
7)などに示す本発明の表示パネルを採用することがで
きる。
【0269】(図30)は本発明のビューファインダの
外観図であり、(図31)および(図32)は(図3
0)の断面図である。ボデー291の内部には、集光レ
ンズ304および本発明の表示パネル243を取り付け
た取り付けホルダー307が配置されている。また、取
り付けホルダー308の内部には拡大レンズ305を有
する接眼リング306が配置されている。301は蛍光
発光管であり、蛍光発光管301が放射する光は遮光板
302の中央部の穴303から出射される。ボデー29
1、取り付けホルダー308、309等は不要光を吸収
するために、内面を黒色あるいは暗色に塗装している。
なお。蛍光発光管301は発光ダイオード(LED)に
置き換えてもよい。
【0270】取り付けホルダー308を観察者側に引っ
ぱることにより、取り付けホルダー307が引っぱら
れ、(図32)の配置となる。(図31)はビューファ
インダを用いない時、つまり収納した状態を示してい
る。なお、取り付けホルダー307、308は一体とし
て形成してもよい。(図32)はビューファインダを用
いて液晶表示パネルの画像を観察するときの状態を示し
ている。(図32)の状態のときに、集光レンズ304
の焦点が発光素子301の発光面となるようにしてい
る。取り付けホルダー307等を移動することにより、
収納時にビューファインダの体積を小さくでき、また全
長を短くすることができる。
【0271】一例として、表示パネル243の表示領域
の対角長は28mmであり、集光レンズ304は有効直
径が30mm、焦点距離が15mmとする。集光レンズ
304は平凸レンズであり、平面を発光素子301側に
向けている。なお、集光レンズ304、拡大レンズ30
5はフレネルレンズに置き換えてもよい。フレネルレン
ズにすればビューファインダの体積を小さくでき、ま
た、軽量化できる。
【0272】302は中央部に円形の穴303のあいた
遮光板である。発光素子301から光が放射される領域
を小領域にする機能を有している。穴303の面積が大
きくなると表示パネルの表示画像は明るくなるが、コン
トラストは低下する。これは集光レンズで304に入射
する光量は多くなるが、入射光の指向性が悪くなるため
である。
【0273】発光素子301から広い立体角に放射され
た光は、集光レンズ304により平行に近く、指向性の
狭い光に変換され、表示パネル243の対向電極(図示
せず)側から入射する。観察者は接眼カバー292に眼
を密着させて、表示パネル243の表示画像を見ること
になる。つまり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されてい
る。表示パネル243の全画素が光を直進させる場合を
仮定した時、集光レンズ304は発光素子301から放
射され、集光レンズ304の有効領域に入射する光が拡
大レンズ305を透過した後にすべて観察者の瞳に入射
するようにしている。このようにして観察者は、表示パ
ネル243の小さな表示画像を拡大して見ることができ
る。つまり、拡大した虚像を見ることができる。
【0274】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー292によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として蛍光
管を用いたライトボックスを用いる従来のビューファイ
ンダでは、表示パネルの表示領域とほぼ同じ大きさの領
域から、ある方向の微小立体角内に進む光だけが利用さ
れ、他の方向に進む光は利用されない。つまり、光利用
効率が非常に悪い。
【0275】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
304により平行に近い光に変換する。こうすると、集
光レンズ304からの出射光は指向性が狭くなる。観察
者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光でも
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよう
に、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定し
て表示画像を見ることを利用している。通常の直視表示
パネルでは一定の視野角が必要であるが、ビューファイ
ンダは所定方向から表示画像を良好に観察できれば用途
として十分である。
【0276】なお、本発明のビューファインダとビデオ
カメラとも取り付け金具293でビデオカメラに固定さ
れる。
【0277】表示パネル243には(図8)(図10)
に示すようにモザイク状のカラーフィルタが取り付けら
れている。画素配置はいわゆるデルタ配置である。カラ
ーフィルタは赤、緑、青のいずれかの色を透過させる。
カラーフィルタの構成物により各色の膜厚を制御しても
よい。カラーフィルタの膜厚は、カラーフィルタの作製
時に調整して形成する。つまり、カラーフィルタの膜厚
を赤、緑、青で変化させる。カラーフィルタの膜厚によ
り、各画素上の液晶の膜厚17はそれぞれのカラーフィ
ルタ色に応じて調整する事ができる。
【0278】また、(図8)に示すようにカラーフィル
タを用いて信号線上を被覆した表示パネルを用いれば画
素周辺部の光もれも防止できる。集光レンズ304は平
面、つまり曲率半径の大きい面を発光素子301側に向
けている。これは、正弦条件を満足しやすくして、表示
パネル243の表示画像の輝度均一性を良好にするため
である。
【0279】接眼リング305のボデー291への挿入
度合を調整することにより、観察者の視力に合わせてピ
ント調整を行なうことができる。なお、接眼カバー29
2により観察者の眼の位置が固定されるので、ビューフ
ァインダの使用中に視点位置がずれることはほとんどな
い。視点が固定されておれば、表示パネル243への光
の指向性が狭くても観察者は良好な画像を見ることがで
きる。さらに良好に見えるようにするには、発光素子3
01からの光の放射方向を最適な方向に移動させればよ
い。
【0280】(図33)は本発明のビューファインダに
用いる蛍光発光管の断面図である。(図33)に示すよ
うに、蛍光発光管は外観としては豆電球状の形状であ
る。321はガラスからなるケースであり、直径は5m
m〜20mmである。323はフィラメントであり、直
流4V〜8V程度の電圧を印加することによりフィラメ
ント323を加熱する。324はアノードであり、印加
電圧は直流15〜25V程度である。アノード電圧によ
り、フィラメント323の加熱により放出された電子は
加速される。ケース321内には水銀分子(図示せず)
が封入されており、前記加速された電子は水銀分子と衝
突する事により紫外線を放出する。この紫外線が蛍光体
622を励起し可視光が発生する。このような発光素子
としてミニパイロ電機社製の蛍光発光管(ルナライト0
7シリーズ)がある。発光管の直径は7mmであり、ヒ
ーター電圧5V、アノード電圧23Vの直流を印加して
用いる。
【0281】駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周期は30ヘルツ以上
とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノードに印
加する電圧をパルス信号とすることにより、パルス幅に
比例して放射光量を可変できる。
【0282】なお、(図33(b))で示すように、ケ
ース321上に遮光膜325を形成し、発光素子からで
る光の放射面積を小さくすれば、(図31)に示すよう
な遮光板302は必要でなくなる。
【0283】以上のように、本発明のビューファインダ
は発光素子301の小さな発光体から広い立体角に放射
される光を、集光レンズ304により効率良く集光する
ので、蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場
合に比較して、光源の消費電力を大幅に低減することが
できる。
【0284】なお、本発明の表示パネルを用いた表示装
置として(図23)等に示すタッチパネル、(図24)
等に示す投写型表示装置、(図30)等に示すビューフ
ァインダを例示したがこれに限定するものではない。た
とえば、電子手帳などの表示パネル、ポケットテレビな
どの表示パネル、携帯端末の表示パネル、ラップトップ
パーソナルコンピュータなどの表示パネル、反射型のカ
ラー表示モニター、液晶表示パネル付きビデオカメラ
(たとえば、シャープ(株)が発売している液晶ビュー
カム)の表示モニター、テレビ電話の画像表示パネル、
ヘッドマウントディスプレイの表示パネルなどにも採用
できることは言うまでもない。
【0285】
【発明の効果】第1の本発明の表示パネルは、誘電体多
層膜212は可視光を反射するが、紫外線光を透過する
ように構成している。そのため、表示パネルの製造時、
誘電体多層膜212上から紫外線を照射することによ
り、前記誘電体多層膜212下の樹脂成分を硬化するこ
とができる。そのため、未硬化の樹脂成分が発生せず表
示パネルに経時変化がおこらず安定である。
【0286】第2の本発明の表示パネルにおいても、誘
電体多層膜16は特定の可視光を反射し、紫外線を透過
する。表示パネル製造時、誘電体多層膜16が形成され
た対向基板11側から紫外線光を照射することにより、
誘電体多層膜16の下の光硬化性樹脂成分を硬化させる
ことができる。そのため、液晶層17に未硬化の樹脂が
残ることがなく、表示パネルに経時変化が発生しない。
誘電体多層膜16は可視光の吸収はなく、すべて反射す
る。
【0287】したがって、従来のBMのように可視光を
吸収し、加熱されるということが発生しない。誘電体多
層膜16は可視光を反射することから、BMとしての遮
光機能もある。そのため、高品位の画像表示を行なえ
る。
【0288】また、TFT14上に形成した樹脂からな
る遮光膜18は光変調層17で散乱した光が、前記TF
T14の半導体層に入射し、TFTにホトコンダクタ現
象を発生するのを防止する。また、遮光膜18は樹脂で
形成されているため、光変調層17の樹脂成分との密着
性が良好で、光変調層17とアレイ基板12との剥離等
の発生を防止できる。
【0289】第3の本発明の表示パネルも第2の本発明
の表示パネルと同様に、誘電体多層膜172は紫外線を
透過する。したがって、製造時、誘電体多層膜172を
透過させて紫外線を照射でき、前記誘電体多層膜172
下の樹脂成分を硬化できる。そのため、未硬化の樹脂成
分が残らず、表示パネルに劣化が生じることがない。
【0290】第4の本発明の表示パネルは、対向基板1
1およびアレイ基板12上に絶縁膜11を形成し、前記
絶縁膜11で電圧を保持できるようにしている。そのた
め、液晶層17の比抵抗が低くても、前記絶縁膜11の
比抵抗が十分高ければ、1フィールドの時間は十分に電
荷をチャージできる。また、高分子分散液晶層17と対
向電極13とは密着性が悪く、ヒートショック等で、高
分子分散液晶層17と電極13との剥離が生じやすい。
しかし、本発明の表示パネルは、絶縁膜111を形成し
ている。前記絶縁膜111は高分子分散液晶層17と電
極13との緩衝膜として機能するので、前記剥離は発生
しない。
【0291】第5の本発明の表示パネルは、信号線上2
1をカラーフィルタ71で被覆している。カラーフィル
タ71は電気力線をシールドする効果がある。したがっ
て、液晶層21に電気力線が通過することを防止でき
る。また、画素電極間に2色以上のカラーフィルタを積
層することで遮光膜として機能する。したがって、(図
14)のように構成すれば反射電極121間から光が絶
縁層123に進入することがなく、TFT14のホトコ
ンダクタ現象の発生を防止できる。
【0292】第5の本発明の表示パネルは、信号線上2
1または反射電極間を低誘電体材料で被覆している。低
誘電体材料は電気力線をシールドする効果がある。した
がって、液晶層21に電気力線が通過すること、および
反射電極間の横電界を防止できる。
【0293】第6の本発明の表示パネルは、BMとして
機能する誘電体多層膜16を形成しているため、前記画
像ノイズが発生しても、視覚的に見えることはない。ま
た、前記誘電体多層膜16は紫外線を透過するため、製
造時に全ての液晶層の樹脂成分を硬化させることができ
る。
【0294】本発明のビューファインダでは、光発生手
段301の発光部は非常に小さくて良いため、光発生手
段301の消費電力は極めて少なくなる。また、集光手
段304で、光発生手段301から放射された光を平行
光に変換して、光変調手段243を照明するため、照明
光の光強度分布が表示パネル243の中央部を最大とし
て同心円状となり、光源像が表示されず、良好な表示を
実現できる。
【0295】また、集光レンズ304と発光素子との距
離を可変可能に構成しているため、ビューファインダを
用いる時には、ビューファインダの体積および全長を短
くすることができる。ビデオカメラはコンパクトさが望
まれており、本発明のビューファインダを用いれば、低
消費電力およびコンパクト化の両方を実現できる。
【0296】発明の投写型表示装置は、本発明の表示パ
ネルをライトバルブとして用いる。前記ライトバルブは
光変調を行なうのに偏光板を用いる必要がない。したが
って、本発明の投写型表示装置は高輝度表示を実現でき
る。また、各表示パネル243の誘電体多層膜16は各
表示パネル243に入射する光を反射し、BMとして機
能するため、画素電極15周辺部に光ぬけが発生しな
い。そのため、高画質表示を実現できる。
【0297】また、本発明の投写型表示装置に、光波長
制限フィルタ433を用いることにより、P偏光とS偏
光のうち狭帯域の偏光の帯域に透過光の帯域を制限でき
る。したがって、表示画像の色純度(色再現性)が向上
させることができる。
【0298】また、表示パネル264をダイクロイック
プリズム441に貼りつけ、前記ダイクロイックプリズ
ム441の無効領域に光吸収膜432が塗布する。この
構成は(図29)等に示したように、表示パネル264
に透明基板283がオプティカルカップリングされ、前
記透明基板283の無効領域に光吸収膜285が塗布さ
れていることと機能的に類似する。したがって、表示パ
ネル264で散乱された光はそのほとんどが光吸収膜4
32に入射して吸収されるため、光変調層17に再びも
どり、2次散乱を発生させることはない。このため、表
示コントラストは向上する。
【0299】(図43)のように投写型表示装置を構成
すれば、光波長制限フィルタ433と光変調手段264
とはオプティカルカップリングをとる必要はない。光吸
収膜432aが、(図45)に示す光吸収膜432とし
て機能する。また、液体もしくはゲル434が光変調手
段264を液体冷却する機能を有することから、光変調
手段264の冷却が容易になるという効果を有する。
【0300】本発明の投写型表示装置では、反射型もし
くは透過型の高分子分散表示パネルを採用しているた
め、高輝度表示を実現でき、また、200インチ以上の
大画面化にも対応できる。また、R・G・B光の波長に
応じてそれぞれの誘電体多層薄膜の光学的膜厚を変化さ
せ、良好なブラックマトリクス機能をもたせている。ま
た、光調する光の波長に応じて液晶膜厚を厚くまたは/
および水滴状液晶の半径粒子径を大きくしているため、
ホワイトバランスおよび表示コントラストが良好な画像
表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図2】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図3】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図4】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図5】本発明の一実施例における表示パネルの平面図
および断面図
【図6】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図7】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図8】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図9】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図10】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図11】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図12】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図13】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図14】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図15】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図16】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図17】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図(b)本発明の一実施例における表示パネルの
断面図
【図18】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図19】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図20】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図21】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図22】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図23】本発明の一実施例における表示装置の構成図
【図24】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図25】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図26】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図27】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図28】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図29】本発明の一実施例における表示パネルの説明
【図30】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の外観図
【図31】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の断面図
【図32】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の断面図
【図33】本発明の表示装置(ビューファインダ)に用
いる発光素子の断面図
【図34】高分子分散液晶の動作の説明図
【図35】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の一例を示す特性図
【図36】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の他の例を示す特性図
【図37】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の他の例を示す特性図
【図38】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図39】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図40】本発明の一実施例における投写型表示装置の
光学系の斜視面図
【図41】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図42】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図43】本発明の一実施例における投写型表示装置の
説明図
【図44】本発明の一実施例における投写型表示装置の
構成図
【図45】本発明の一実施例における投写型表示装置の
説明図
【図46】従来の表示パネルの断面図
【図47】従来の表示パネルの断面図
【符号の説明】
11 対向基板 12 アレイ基板 13 対向電極 14 TFT 15 画素電極 16 誘電体多層膜 17 液晶層 18、51 遮光膜 19 黒ビーズ 21 ソース信号線 22 電気力線 23 液晶分子 52 ゲート信号線 71 カラーフィルタ 111 絶縁膜 121 反射電極 122 接続部 123 絶縁膜 124 反射防止膜 125 対向電極 161 シャーシ 162 プリント基板 163 コネクタ 164、151 遮光パターン 171、176 ストライプ状電極 172、212 誘電体多層膜 173、211 開口部 174、175、214、215 電極基板 213 カラーフィルタ 216 透明電極 217 反射電極 218 液晶表示パネル 231 透明導電シート 232 アナログスイッチ 234 T−FF 235 インバータ 236 スイッチ 237 検出手段 241 光源 241a ランプ 241b 凹面鏡 241c UVIRカットフィルター 242、252、263 ダイクロイックミラ 244、246 レンズ 245 アパーチャ 247 リレーレンズ 251、262 ミラー 254、264、281 表示パネル 255、261 投写レンズ 265 光軸 266 スクリーン 267a 入射光 267b 出射光 271 放熱板 272 接着剤 273 ドライブIC 282 光結合層 283 透明基板 284 凹レンズ 285 光吸収膜 286 光出射面 291 ボデー 292 接眼カバー 293 取り付け金具 301 蛍光発光管 302 遮光板 303 穴 304 集光レンズ 305 拡大レンズ 307、308 取り付けホルダー 321 ケース 322 蛍光体 323 フィラメント 324 アノード 325 遮光膜 331 水滴状液晶 332 ポリマー 381 BM 382 配向膜 383 TN液晶 384 偏光板 391 低誘電体柱 411、422、423 ミラー 412 投写レンズ 421 光学系 424 スクリーン 425 キャビネット 426 補助レンズ 431 容器 432 光吸収膜 433 光波長制限フィルタ 434 エチレングリコール液 435 入出射面 441 ダイクロイックプリズム 442 光分離面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G02F 1/13 505 G02F 1/1334 G02F 1/1343 G09F 9/00 - 9/46

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素電極がマトリックス状に形成された
    第1の基板と、 ブラックマトリックスが形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層とを
    具備し、 前記ブラックマトリックスは誘電体多層膜から構成され
    ていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 第1の基板と第2の基板間に、樹脂と液
    晶からなる光変調層が狭持され、かつ、マトリックス状
    に画素が配置された液晶表示パネルにあって、 前記第1の基板にブラックマトリックスが形成され、か
    つ、前記ブラックマトリックスは誘電体多層膜から構成
    されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 画素電極がマトリックス状に形成された
    第1の基板と、 ブラックマトリックスが形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された樹脂と液晶
    からなる光変調層とを具備し、 前記ブラックマトリックスは誘電体多層膜から構成さ
    れ、 前記ブラックマトリックスは紫外線領域の光を透過し、
    かつ、特定波長の可視領域の光を反射することを特徴と
    する液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 第1の複数の略ストライプ状電極が形成
    された第1の基板と、第2の複数の略ストライプ状電極
    が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層隣接した前記略ストライプ状電極間に誘電体多層膜から
    なる遮光膜が形成されていること を特徴とする液晶表示
    パネル。
  5. 【請求項5】 第1の基板と第2の基板間に、液晶層が
    狭持され、かつ、マトリックス状に画素が配置された液
    晶表示パネルにあって、 前記第1の基板にブラックマ
    トリックスが形成され、かつ、前記ブラックマトリック
    スは誘電体多層膜から構成されていることを特徴とする
    液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 第1の基板と第2の基板間に、樹脂と液
    晶からなる光変調層が狭持され、かつ、マトリックス状
    に画素が配置された液晶表示パネルにあって、前記第1の基板にブラックマトリックスが形成され、か
    つ、前記ブラックマト リックスは誘電体多層膜から構成
    されており、 前記第1の基板が前記光変調層に接する面と、前記第2
    の基板が前記光変調層に接する面に、前記光変調層より
    も比抵抗が高い薄膜が形成され、 前記液晶の常光屈折率n0が1.50以上1.53以下
    であり、かつ、屈折率差△nが0.15以上であり、 前記樹脂は、フッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂で
    あることを特徴とする液晶表示パネル。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項のいずれか1項に
    記載の液晶表示パネルと、 アーク放電ランプと、 前記アーク放電ランプが放射した光を前記液晶表示パネ
    ルに導く光学系と、 前記液晶表示パネルで変調した光と拡大投影する投写レ
    ンズとを具備することを特徴とする投写型表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項のいずれか1項に
    記載の液晶表示パネルと、 光発生手段と、 前記光発生手段が放射した光を略平行光に変換し、前記
    液晶表示パネルを照明する第1のレンズと、 前記液晶表示パネルで変調した光と拡大して観察者に見
    えるようにする拡大レンズとを具備することを特徴とす
    るビューファインダ。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項6のいずれか1項に
    記載の液晶表示パネルと、 光発生手段と、 前記光発生手段が放射した光を略平行光に変換し、前記
    液晶表示パネルを照明する第1の集光手段と、 前記液晶表示パネルで変調した光と拡大して観察者に見
    えるようにする拡大手段とを具備し、 前記光発生手段と、前記集光手段または前記液晶表示パ
    ネル間距離を可変できることを特徴とするビューファイ
    ンダ。
  10. 【請求項10】 白色光を発生するアーク放電ランプ
    と、 前記アーク放電ランプが放射した光を複数の色の光路に
    分離する機能と、複数の色の光路を1つの光路に合成す
    る機能のうち少なくとも一方の機能を有するプリズム
    と、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の 液晶表示
    パネルと、 前記液晶表示パネルと前記プリズム間をオプティカルカ
    ップリングする光結合材とを具備することを特徴とする
    投写型表示装置。
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