JPH08292145A - 蛍光による微生物の高速且つ高感度な検出及び計数のための装置及び方法 - Google Patents

蛍光による微生物の高速且つ高感度な検出及び計数のための装置及び方法

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JPH08292145A
JPH08292145A JP7323740A JP32374095A JPH08292145A JP H08292145 A JPH08292145 A JP H08292145A JP 7323740 A JP7323740 A JP 7323740A JP 32374095 A JP32374095 A JP 32374095A JP H08292145 A JPH08292145 A JP H08292145A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フィルター等の担体に固定化された蛍光性の
微生物の高速超高感度自動計測装置及び方法の提供。 【解決手段】 検出微生物より大きく4〜14μmの間
の寸法を有するレーザースポットを固体支持体上に形成
し、レーザ装置からの入射レーザビームを用いて蛍光性
の微生物を含む可能性のある試料を載置した固体支持体
を走査し;同時に少なくなくとも1の波長で得られる蛍
光を検出し;個々のフィーチャーのライン間相関づけに
より一組の相関フィーチャーを確立し;隣接する走査ラ
インからなる各走査ライン対上の前記相関フィーチャー
を少なくとも異なる波長λ1,λ2で同期、比較し;維持
されるイベントのサイズ認識を行い、検索された微生物
に対応する寸法を有するイベントを選択し;サイズ認識
後に維持されるイベントに対して、3次元のイベントエ
ネルギープロファイルが所定のガウス形状基準内にある
かを判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルターのよう
な固体支持体を用いて支持される微生物のような蛍光性
を有する生物学上の細胞を高速、高感度しかも自動的に
計数するための装置及び、該装置による前記微生物の高
速計数のための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物の存在を知るために、生物学的試
料、食物試料、飲料水試料及び薬学製造物を分析するこ
とは重要であり、且つ、安全、品質法規及び公衆の健康
のために重要な問題である。例えば、細菌で汚染された
チーズ及びその他の日常の生産物に関連した最近の食物
の急増に起因する病気は、高速の微生物分析方法の必要
性を強調している。
【0003】従来の技術では、分析される試料は培養さ
れ、これにより生じたコロニーが計数される。テストの
結果は、1日から多くとも7,8日に及ぶ成長期間の後
に得られる。この技術では、成長期間を経ることことに
より、生育できる有機体と生育できない有機体及び生育
できる有機体からの信号の大きさの判別を同時に可能に
し、低密度の有機体の検出を容易にする。
【0004】医学利用だけでなく工業利用のためにも、
より高速、より高感度で、しかもより自動化された方法
が必要である。
【0005】微生物の代謝運動の結果をインピーダンス
のような試料の集合全体での特性として測定することに
基づく高速の方法が開発されたきた。これらの方法の全
ては、間接方法と呼ばれ、汚濁の低レベルの検出が要求
される時に低感度に悩まされ、さらに培養を必要とし
た。
【0006】微生物の直接計数に基づく方法は、最近に
なって研究されてきている。これらの内で、直接蛍光外
フィルター技術(direct epiflourescent filter techn
iques ; DEFT)について言及する。この技術では、分析
する試料がフィルターを通過させられ、このフィルター
に微生物が残る。この微生物は、そこで蛍光体とされ、
蛍光外顕微鏡を用いて前記フィルター表面を目視分析す
ることによって計数される。この方法では、対象粒子
は、一般的にはアクリジンオレンジ或いはその他のより
特有の色素のような蛍光染液で標識化される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、目視分
析は、時間がかかる上、面倒である。なぜなら、先ず第
1に、、成長段階がないと、有機体は極めて小さく(こ
れらの有機体を検出するためには、高出力の拡大能を必
要とする。)、第2に、フィルターの全面積が非常に大
きいので実行不可能な程の数の高出力領域が、フィルタ
ー全体に亘って要求される。従って、一般的には前記フ
ィルターの狭い部分(10%以下)だけが、目視分析さ
れる。従って、この技術は、フィルターの全領域におい
てたった一つの微生物が検出されなければならない無菌
状態のテストには不向きである。
【0008】さらにこのDEFT技術の有する問題は、検出
された微生物と他の微粒子との認識力である。前記他の
微粒子とは、フィルター上に集められ得る自然の蛍光体
である。
【0009】これらの問題の結果として、前記DEFT方法
の再現性能及び精度は、一般的にプレート計数方法より
も劣る。前記DEFT方法の他の制約条件には、低い感度、
強度の減衰、顕微鏡を長時間使用することからくる試験
者の疲労が含まれる。
【0010】前記DEFT方法を改良する観点から、イメー
ジ分析に適した蛍光外顕微鏡の使用も報告されている。
しかしながら、これは、主観性を除去すること及び試験
者の疲労の点では効果があるが、有機体が小さくてカバ
ーする必要のある範囲が広いという基本的な問題が残っ
ている。
【0011】この問題をより理解するためには、電子撮
像装置において、結果として生じる画像が個々の画素
(ピクセル)で成り立っているということの認識が有用
である。電子撮像の分野での現常では、最も良いビデオ
カメラでさえも、100000乃至百万個程度のピクセ
ルの画像を形成するのみである。しかしながら、一つの
微生物の長さは、普通は1μm程度であるのに対し、前
記フィルターの通孔の長さは2500μmである。この
ように、もし我々が1つのピクセルを微生物の寸法であ
ると想定すると、全フィルターをカバーするのに6億2
500万個のピクセルを使用することになるだろう。
【0012】結果的に、1つの画素(ピクセル)が、1
つの微生物の長さよりもずっと大きくならざるを得ない
か、又は分析に多くの連続した画像を含まなければなら
ない。前者の場合、検出感度は全体として低く、後者の
場合、分析の時間及び複雑さが制限要素となる。
【0013】考え得るDEFT技術を改良するための他の方
法は、走査型共焦点形蛍光外顕微鏡を使用することであ
る。このための装置では、小さいレーザースポットが、
画像領域の各画素を連続的に照らすのに使用され、その
一方では、小さいピンホールの背後に配置された検出器
も同じ画素に照準される。その画像は、次に電子撮像装
置について上述された方法と同じ方法で検出信号から形
成される。このような装置の最適な構造は、照射スポッ
トの大きさが、検出される粒子で最も小さいものよりも
小さいか又は同等であって、前記ピンホールの大きさが
照射スポットの大きさと同等か又は小さい。
【0014】走査型共焦点形顕微鏡のこの公知の技術を
使用することも、少なくとも以下に掲げる理由のため
に、この発明にとって適切でない。
【0015】1)上述したように、フィルターの通孔の
寸法の微生物の大きさに対する比は、1億以上である。
従って、有機体よりもずっと大きいスポットが、(感度
の低下を伴わって)使用されなければならなか、又はそ
の走査時間が実現不可能なほど長くなければならない。
【0016】2)実際の工業に使用される試料では、膜
は厚く平らでない。したがって、微生物は、フィルター
膜の孔内で異なるレベルで捕らえられ得る。その結果、
検出する微生物が捕らえられるフィルターの領域は、十
分には良く画定されず、検出器の前方にあるピンホール
を侵入する結果生じる光学系の焦点位置に関するフィー
ルドの深さの制限は許容されない。
【0017】3)上記技術に基づく装置は、全フィルタ
ーに亘って高解像度を達成することが出来るが、非常に
複雑でしかも高価であり、通常の使用には実用的でな
い。
【0018】このように、総じて、ビデオカメラ、走査
装置、或いはこれらの技術の結合に関して電子撮像装置
の公知の方法は、何れもDEFT技術の自動化には基本的に
適さない。それは、フィルターの通孔の寸法と1つの微
生物の寸法との大きさの比のためである。
【0019】本発明は、上記問題を解決するために、高
速、高精度、しかも自動的に微生物を検出し且つ計数す
ることのできる方法及びその方法を実行するための装置
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、DEFT技術にお
いてフィルター上に捕らえられるような蛍光微生物を高
速しかも完全に計数することの出来る装置及び方法に関
する。フィルター膜のような固体支持体の全表面は、レ
ーザービームで走査され、放出された蛍光は1以上の波
長で測定される。本発明においては、上述の欠点は全フ
ィルターを走査する際に得られた広範囲の検出信号デー
タを処理する特定の方法を結合することで、異種の及び
特定の走査パターンを使用することにより克服される。
本発明では、高速走査を許容しつつ、より小さいスポッ
トを用いて典型的な感度を維持するために、より大きな
走査スポットが、重複する走査パターンと共に使用され
る。
【0021】更に、本発明は、偽ポジティブと偽ネガテ
ィブの結果の両方を避けることが出来る。このことは、
不要な信号から必要な信号を識別する手段を提供し、極
く少数であっても大きい寸法(典型的には25ミリの長
さ)の固定支持体上の微生物の正確且つ迅速な計数を提
供する。本発明は、フィルター上にある1の微生物の下
方へ向かって明確な検知を行うことができる。
【0022】本発明を理解するためには、目標に対する
N回の独立した走査当たりに検出される可能性は1回の
走査当たりに検出される可能性のN倍の平方根に比例す
ることを認識しておくことが有用である。そして1回の
走査で検出される可能性は、走査の速度に反比例する。
このように、大略的に言って、倍速で同じ領域を2回走
査することは、検出の可能性の点に於いて一度だけ走査
して検出される可能性にほぼ等しく、走査時間の純利得
は実現されない。しかし、もし同期させた状態で2本の
走査を行えば、もはやそれは独立した走査ではなく、
(該2本の走査の間に於いて相関関係のある)一つの信
号イベントが(相関関係のない)ノイズイベント対して
優位に取り扱われる。こうして検出の可能性を増加させ
走査時間を短縮することが可能となるのである。
【0023】本発明に於いては、例えば面積の大きいレ
ーザスポット(図1参照)により走査を行い、また走査
を重複させて、領域の各部分が少なくとも2回走査され
ることなるようにすることで走査速度の増加を図ってい
る。そして走査対のX方向への走査の結果が、検出可能
性を維持するために非相関信号を除去することにより同
期して比較される。このように各陽性イベントは、(蛍
光対称の大きさに依拠して)2以上の走査ライン間によ
り相関づけられる。
【0024】「定 義」:レーザスポットが(フィルタ
ー膜のような)固体支持体上の走査ラインに沿って移動
する時に、発生する蛍光(存在する場合)を1以上の検
出器が(種々の波長で)連続的に測定する。検出器から
のアナログ信号は、一定の周波数間隔で採取されること
によりデジタル化される。
【0025】「読みとり」:読みとりは測定時の信号値
である。
【0026】「サンプル」:サンプルは、ある特定の動
的閾値を越える検出器からの信号の読みとりとして定義
或いは認識される。
【0027】「フィーチャー」:1走査ライン上の隣接
する一連のサンプルは、フィーチャーと呼ばれる。
【0028】「ライン間相関づけ」:2つのサンプル
は、隣接する2つの走査ライン上で同期して現れる場合
に相関しているとされる。
【0029】「単一フィーチャー」:一つの走査ライン
上にのみ現れるフィーチャー、即ち相関づけられないフ
ィーチャーを、単一フィーチャーと呼ぶ。
【0030】「蛍光スポット」:レーザビームによって
励起された蛍光微粒子が発生する蛍光発光。該微粒子は
微生物であることもあるし、埃等の他の物質であること
もある。
【0031】これらの微粒子は、自発的な蛍光性を有す
るものであることもあるし、検出のために蛍光化された
もの(例えば微生物など)である場合もある。
【0032】「イベント」:イベントとは隣接する走査
ライン上で同期して相関づけられた少なくとも2つの一
組のフィーチャー をいう。1つのイベントは、測定工
程に於ける蛍光スポットの翻訳されたものである。
【0033】その後イベントは識別器によって陽性イベ
ント(即ち微生物等のイベントが検索された場合)又は
ノイズイベント(即ち、自発蛍光性微粒子等により発生
した蛍光であり拒絶されるべきイベント)として分類さ
れる。ノイズイベントは、最終のカウントに含まれる場
合には、偽陽性の結果を出してしまう。
【0034】「レーザスポット」:レーザビームによっ
て支持体上で形成された光スポットのことをいう。
【0035】「ライン間又はライン間隔Y」:2つの走
査ライン間の距離を指す。
【0036】上記定義は、図2に於いて示されており、
ここではサンプルは○によって表されている。またイベ
ント(一連の相関フィーチャー)の長さは、走査ライン
上で走査方向の最も初期に現れるフィーチャーの出発時
から走査ラインで最も遅く表れるフィーチャーの終部ま
での蓄積されたサンプル数に対応している。前記カウン
トは、異なる走査ラインにまたがって相関を示す全ての
サンプルを一サンプルとして扱い、1つのイベントの幅
は同じイベントが出現する隣接ラインの数によって定義
される。
【0037】本発明の1つの特徴に於いては、フィルタ
ー膜のような固体支持体上の蛍光標識化微生物をカウン
トするための方法が提供され、該方法は: −検出されるべき微生物より実質的に大きく4μm及び
14μmの間に含まれるサイズを有するレーザースポッ
トを固体支持体上に形成するようにして、レーザ装置か
らの入射レーザビームを用いて蛍光性の微生物を含む可
能性を有する試料を載置した固体支持体を走査し(ここ
で二つの走査ラインは、前記固体支持体の各部分(elem
ent)が、隣接する走査路を部分的に重複させることに
より少なくとも2回走査されるように間隔を設定す
る);同時に −ある閾値(例えば動的(dynamic)閾値)を越える検
出信号(=サンプル)だけを選択するようにして、少な
くなくとも1種の波長で、結果として得られる蛍光を検
出し(ここで一つの走査ライン上の隣接する一連の試料
はフィーチャーである); −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上のフィ
ーチャーを同期して比較し、相関フィーチャーの組が出
現する走査ラインの数をカウントし(各組の相関フィー
チャーはイベント(event)を形成する)、あらゆる非
相関フィーチャー(=単一フィーチャー)を除去するこ
とによって、個々のフィーチャーのライン間相関づけに
より相関フィーチャーの組を認識し;(相関は、対比さ
れる前記2つのフィーチャー内の1以上のサンプルが前
記ライン対上の同じ位置で検出されるときに存在すると
される。前記相関フィーチャーの組が出現するラインの
数がカウントされ、その後サイズ識別に使用される) −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上の前記
相関フィーチャーを少なくとも2つの異なる波長λ1
びλ2で同期して比較し、該2つの波長に於ける所定数
未満の発光強度比を有する相関フィーチャーを選択し、
前記相関サンプルにより前記波長で発生した前記発光比
が所定の値より大きいものである場合、前記イベント全
体が排除されるようにし; −維持されるイベントのサイズ認識を行い、検索された
微生物の種類に対応するサイズを有するイベントを選択
し; −サイズ認識後に維持されるイベントに対して、3次元
のイベントエネルギープロファイル(profile )が所定
のガウス形状基準内にあるか否かを判断し、該ガウス形
状基準にないイベントを排除し、;(このような分析は
例えば、ソフトウェアの曲線照合アルゴリズムによって
行われる。前記基準内の全てのイベントは、最終カウン
ト用の蛍光性の微生物として受け入れられ、前記基準外
のものはノイズ(即ち、前記支持体上の埃又はその他の
微粒子)として分類されることとなる) −前記固体支持体上に存在する蛍光性の微生物を決定し
それらのみをカウントするために前記残存イベントをカ
ウントすることを含む。
【0038】“サイズ認識”の表現は、関連付けられた
数個のフィーチャー及び数個の試料を有するイベントだ
けが最終計数に向けて保有されているということを意味
する。このような場合、本工程は、1つのイベント
(幅)によってカバーされる走査ラインの数値及びその
イベントの長さを形成するサンプルの数値を求める工程
を有する。後者の数値は、走査ラインに走査方向最先に
生じるフィーチャーの初めから走査ラインで最後に終わ
るフィーチャーの終点まで、2又はそれ以上の隣接する
ライン上の同じ位置に表れるサンプルを1として数え、
サンプルをカウントした総和から得る。もし、サンプル
全体に亘って予め決められた数A以上であり、いくつか
の走査ラインが予め決められた数B(図2参照)より大
きい場合は、イベントは無視される。
【0039】本発明の他の特徴に於いては本方法は: −フィルター膜のような固体支持体上の1のサンプルか
ら微生物を集め、; −生命体染料、生育可能なマーカー、抗体又はヌクレイ
ン接触体によって構成され又は酵素錯体接触機構、でき
れば刺激された時に、波長λ1 で蛍光発光を生み出すも
のによって作られた集団から選択された染料で前記微生
物を標識化し、 −検出されるべき微生物より実質的に大きく4μm及び
14μmの間に含まれるサイズを有するレーザースポッ
トを固体支持体上に形成するようにして、レーザ装置か
らの入射レーザビームを用いて固体支持体を走査し(こ
こで二つの走査ラインは、前記固体支持体の各部分(el
ement)が、隣接する走査路を部分的に重複させること
により少なくとも2回走査されるように間隔を設定され
る);同時に −ある閾値(例えば、動的(dynamic)閾値)を越える
検出信号(=サンプル)だけを選択するようにして、少
なくなくとも1種の波長で、結果として得られる蛍光を
検出し(ここで一つの走査ライン上の隣接する一連の試
料はフィーチャーである); −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上のフィ
ーチャーを同期して比較し、相関フィーチャーの組が出
現する走査ラインの数をカウントし(各組の相関フィー
チャーはイベント(event)を形成する)、あらゆる非
相関フィーチャー(=単一フィーチャー)を除去するこ
とによって、相関フィーチャーの組を認識し;(相関
は、対比される前記2つのフィーチャー内の1以上のサ
ンプルが前記ライン対上の同じ位置で検出されるときに
存在するとされる。前記相関フィーチャーの組が出現す
るラインの数がカウントされ、その後サイズ識別に使用
される) −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上の前記
相関フィーチャーを少なくとも2つの異なる波長λ1
びλ2で同期して比較し、該2つの波長に於ける所定数
未満の発光強度比を有する相関フィーチャーを選択し、
前記相関サンプルにより前記波長で発生した前記発光比
が所定の値より大きいものである場合、前記イベント全
体が排除されるようにし; −維持されるイベントのサイズ認識を行い、検索された
微生物の種類に対応するサイズを有するイベントを選択
し; −サイズ認識後に維持されるイベントに対して、3次元
のイベントエネルギープロファイル(profile )が所定
のガウス形状基準内にあるか否かを判断し、該ガウス形
状基準にないイベントを排除し、;(このような分析は
例えば、ソフトウェアの曲線照合アルゴリズムによって
行われる。前記基準内の全てのイベントは、最終カウン
ト用の蛍光性の微生物として受け入れられ、前記基準外
のものはノイズ(即ち、前記支持体上の埃又はその他の
微粒子)として分類されることとなる) −前記固体支持体上に存在する蛍光性の微生物を決定し
それらのみをカウントするために前記残存イベントをカ
ウントすることを含む。
【0040】“サイズ認識”の表現は、上記と同様の意
味である。
【0041】より正確には本発明の前記特徴に関する好
適な実施例に従えば、前記サイズ識別は: −前記イベントの内の最初に現れる如何なるフィーチャ
ーについても走査方向上で最初に現れるサンプルから出
発し、如何なるフィーチャーが最後に終るかに拘わら
ず、走査方向に最後に現れるサンプルを含むようにサン
プル数を続けてカウントし、このカウントでは異なる走
査ライン上の総ての相関サンプルを1サンプルとみなす −同じイベントがカバーする隣接ラインの数をカウント
することによりそのイベントの幅を決定し、 −前記カウントされたサンプルの数が所定数Aより大き
く、且つ/又は前記カバーする隣接走査ラインの数が所
定数Bより大きいイベントを除去することにより実行さ
れる。
【0042】上記したように、2つの走査ライン(ライ
ン間又はライン間隔y)間の距離は、レーザスポットサ
イズの寸法の半分未満であり、このことにより走査面の
重複が行われる。
【0043】好ましくは結果として得られる蛍光発光を
検出する工程は、デジタル信号処理装置(DSP)によ
って力学的閾値(=試料)を越える信号を測定すること
によって行われる。
【0044】前記DSPによれば(微生物に対応する)
所望の信号と(電子ノイズ等の)不要な信号とを区別す
ることが可能となる。
【0045】このような方法を用いることにより、偽ネ
ガティブ及び偽ポジティブの結果の双方を予想以上に避
けることが可能となる。
【0046】以下の表1は、偽ネガティブ又は偽ポジテ
ィブの結果となった考え得る原因と、これらの誤りを除
去する本方法の関連工程とを概略的に示すものである。
【0047】
【表1】
【0048】以下のことを明記しなければならない。即
ち本発明の望ましい形態である本方法は、蛍光スポット
のみを使用して実施され、走査レーザ装置に対する標識
の蛍光反応を分析することにより蛍光標識化されたバク
テリアを識別するものである。該分析方法は: −1つの走査ライン(=フィーチャー)上の試料数を評
価し; −ライン間相関を行い; −上述したように“サイズ認識”を行い、微生物の正確
な検出を行うために相関フィーチャーのナンバーを得る
ことからなる。
【0049】従って本分析技術は、検出すべき対称のサ
イズを以下の方法により利用する。即ち: −あらゆる信号走査ライン上の蛍光反応が所定のノイズ
閾値を越える程度に大きいものでなければならず; −フィーチャーは、少なくとも2つの連続するライン走
査上で所定の重なり度で検出されなければならないこ
と;によってサイズを利用する。
【0050】これらの要件は、フィーチャーの形状及び
サイズについて著しく多くの情報を必要とする画像形成
システムと本発明方法とが顕著に異なることを意味す
る。
【0051】これらの要件に相当するものを画像形成シ
ステムで得るには、レーザスポットを検出される対象よ
り小さいものとする必要があり、このことは小さなレー
ザスポットサイズを有するものとして設計させることと
なる。本発明方法におけるスポットサイズは、フィーチ
ャーに対して大きいものとすることができ、現在のとこ
ろフィーチャーサイズの10倍のオーダーにある。この
ことはサンプリング速度、光学的正確性の要件及び処理
能力(データ取り扱い速度及びメモリ仕様)の点で大き
く貢献する。
【0052】意外にも本方法は: −単一レベルの力学的閾値化:データ処理システムが、
連続的に背景ノイズレベルを監視し、フィーチャーが重
要とみなされる域を超える閾値を調節する。このことに
よりシステムは、膜(固体支持体)から膜への取り替え
時に発生する変動、また単一の膜の面積上の変動を許容
することができ; −信号のライン間相関付け:微生物として割り当てられ
るためにフィーチャーは少なくとも2つの走査ライン上
に存在しなければならない; −フィーチャー識別用緑色蛍光スペクトル形状の使用
(赤/緑信号レベル):該緑色帯域で検出されたフィー
チャーは、緑色蛍光マーカー発光スペクトルの形状から
予測されるように、対応する赤色帯域信号を少ししか、
又は全く有していてはならない。赤色帯域反応がより高
いレベルにあるとフィーチャーの拒絶が起こる。
【0053】信号識別:信号は、受け入れることができ
るためには所定数分だけ走査ポイントに存在していなけ
ればならない。短い信号はノイズとして拒絶される。
【0054】−(即ち特定の走査ラインに沿う又は幾つ
かの走査ラインをまたぐ)所定数以上の試料又は所定数
以上のラインを含む相関フィーチャーが拒絶される。
【0055】本発明の他の特徴に於いて固体支持体上の
微生物を蛍光によって検出及びカウントする装置が提供
される。
【0056】前記装置は: −寸法が検出及びカウントされるべき微生物より固体支
持体上で実質的に大きく4μm及び14μmの間に含ま
れるサイズを有するレーザスポットとなるようにレーザ
ービームを照準する手段と協働する、入射ビームを出射
するためのレーザ光源と; −前記光源からの光を前記固体支持体上に導いて、スポ
ット方向に前記微生物を照射し蛍光スポットを形成する
走査手段と(ここで、2つの走査ライン間の距離は、前
記支持体の各部分が隣接する走査路を部分的に重複させ
ることにより少なくとも2回走査され、好ましくは前記
レーザスポットの寸法未満である); −少なくとも2つの異なる波長λ1及びλ2で前記発光す
る蛍光を検出して光電子的に変換するための手段と; −デジタル信号処理装置及び少なくとも2つの発光蛍光
波長を選択する複数の光学路を備える、非微生物蛍光を
識別・除去するための手段と; −隣接するラインからなる各ライン対上のフィーチャー
を同期して比較し、該一連の相関フィーチャーが出現す
るラインの数をカウントし(ここで、各一連の相関フィ
ーチャーはイベントを形成している)、一つのライン上
だけに発生するあらゆる非相関フィーチャーを除去する
ことにより個々のフィーチャーのライン間相関付けをお
こない一連の相関づけられたフィーチャーを確立し;所
定数未満の2つの波長λ1及びλ2に於ける発光強度比を
有する相関フィーチャーを選択し、あらゆる相関フィー
チャーによって発生した前記波長での前記発光比があら
かじめ定義された値より大きい場合、前記イベントが完
全に除去されるように、少なくとも2つの異なる前記波
長に於いて隣接するラインからなる各ライン対上の相関
フィーチャーを同期して比較し;維持されるイベントの
サイズ識別を行い検索された微生物のタイプに対応する
サイズを有するイベントを選択し;サイズ識別後に維持
されるイベントに対して、3次元のイベントエネルギー
プロファイルが所定のガウス形状基準内にあるか否かを
判断し、該ガウス形状基準内にないイベントを排除し、
前記残存イベントをカウントして前記固体支持体上に存
在する蛍光性の微生物を決定しそれら微生物のみをカウ
ントする信号処理手段とを備える。
【0057】前記装置によれば固体支持体前面が走査さ
れることとなる。
【0058】前記装置の一つの特徴に従えば、前記走査
手段が第1振動ミラーと第2ミラーとを備えたことを特
徴とし、第1振動ミラーの振動軸はビームによりライン
を走査するために光ビーム軸に対して直角となってお
り、第2ミラーの軸は、前記第1ミラーの振動軸に対し
て直角となっており、該第2ミラーは前記第1ミラーの
走査動作に同期して走査動作を行う。
【0059】前記装置の他の特徴に従えば、前記検出装
置は、少なくとも2つの光電子増倍管を光電子変換用手
段として備える。
【0060】前記装置の他の特徴に従えば、前記レーザ
スポットは延きのばされた形状を有している。
【0061】前記装置の他の特徴に従えば、前記固体支
持体はフィルター膜である。
【0062】前記装置の他の特徴に従えば、前記試料保
持器は、ペルティエ効果を導く等の冷却手段と協働す
る。
【0063】さらにシリコン等の材料からなる薄膜を前
記試料保持器とフィルター膜との間に挟んでもよい。
【0064】前記薄膜は例えば、次のような利点を有す
る:自発蛍光発光が起こらず、励起波長に於いて反射が
低く、洗浄が容易である。
【0065】以下の図は、本発明を実施する手段を説明
するために使用することのできるものである。
【0066】
【発明の実施の形態】図3は本発明に係る装置の1例を
示している。該装置は、走査装置10と発光蛍光体を検
知するための手段とを備え、該手段は、二色性フィルタ
ー20、光学フィルター21、光電子増倍管 (PMT)3
0、信号処理システム40〜42、デジタル号処理装置
43、計測器のコンピュータ50、ユーザのコンピュー
タ60及び自動顕微鏡70を有する。
【0067】走査装置10は、固体支持体11を走査す
るためにコヒーレント光を使用する。前記固体支持体1
1としては、膜保持器8上に支持されたフィルター膜が
一般的である。好ましい実施形態では、走査装置10の
構成部品は、488ナノメートルのアルゴンイオン水冷
レーザ12、走査ミラー16、走査レンズ17及び安全
装置としてのビームダンパ18を有する。前記走査装置
は、前記レーザビームをビームエクスパンダ13で構成
するレーザスポットに照準するための装置と協働し、ビ
ームエクスパンダ13は、照射スポットの寸法を4〜1
4μm、好ましくは7μmに制御し、照射スポットを前
記走査ミラー16に向ける。
【0068】前記ビームエクスパンダ13は、2つのレ
ンズを有し、これらのレンズは、前記固体支持体上に4
〜14μmのレーザスポットを与えるように、例えば、
レーザスポットが7μm、第1レンズの焦点距離が50
mm、第2レンズの焦点距離が10mm、前記2つのレ
ンズの距離が35.7mmとなるように(焦点距離及び
前記2つのレンズ間の距離が)調整される。前記2つの
走査ミラーは、検知される微生物を含む試料が載置され
る固体支持体11に照射レーザスポットを走査するため
に使用される。このレーザスポットは、例えば毎秒1メ
ートルの速度でx方向に移動する。
【0069】前記走査ミラー16(スキャナ16)は、
例えば、3μmのライン間隔(y)(2つの走査ライン
間隔の距離)の形成を可能にする。
【0070】前記走査手段にレーザスポット(走査レン
ズ17)の正確な位置決めをするためには、高い光学的
精度が要求される。1m/sの速度で7μmのレーザス
ポット寸法を用いることで、25mmのフィルターを3
分以内に走査することが出来る。
【0071】分析されるべき試料が載せられた(フィル
ター膜のような)前記固定支持体11は、取り外し可能
な試料保持器に載置されており、この試料保持器は、試
料支持体を研究所或いは試料が集められる場所から運び
出すため、又は機械にかけるために使用されるものであ
る。
【0072】装填引出し装置(図示せず)は、ユーザが
容易に操作を及ぼし得るものとなっている。取り外し可
能な試料保持器は、例えば、円状の固体支持体を扱うこ
とができるよう設計されており、前記引出し装置上に載
置されている。次に前記装填引出し装置は、計測装置内
に押し込まれ、前記微生物を載せている試料の膜は、ス
キャナ16の直下となる。前記試料の膜保持器は、標識
化された微生物の安定性を守るために(例えば、ペルテ
ィエ効果によって)冷却される。
【0073】前記試料装填引出し装置は、該装置内で試
料保持器を誘導し、自動的に該保持器を走査レンズと正
確な距離を保って正確に運搬するための機構と協働す
る。前記試料装填引出し装置は図面では表されていな
い。
【0074】前記スキャナ16は、焦点を定められたレ
ーザビームをターゲット11に照射することにより、微
生物又は何らかの蛍光物質から蛍光を誘発する。
【0075】前記光電子増倍管30は、2つの波長で蛍
光を検知する(緑と赤の周波数帯と称される)(530
ナノメートルと615ナノメートルに中心波長を有す
る。)。該蛍光は、信号処理システム40によって更に
分析に掛けられる。
【0076】前記光電子増倍管からの信号は、スキャナ
16からの同期情報と共に、信号処理システム40に送
られる。
【0077】この信号処理システム40は、予備増幅器
41、信号サンプリング装置42、及びデジタル信号処
理装置43を具備する。
【0078】より詳しくは、前記光電子増倍管信号の各
々は、専用の予備増幅器41によって増幅される。増幅
されたアナログ信号は、8ビット分解能(256信号レ
ベル)を使用して2MHzでデジタル値としてサンプリ
ングされる。光電子増倍管の周波数帯毎に、専用のサン
プリング装置を有している。
【0079】サンプリングされた光電子増倍管の信号
は、デジタル信号処理装置(DSP )43に送られる。
【0080】そこでこれらの信号は分析され、結果とし
て得られる出力情報は、計測器のコンピュータ50を通
り、該コンピュータは、走査装置を制御し、デジタル信
号処理装置43のホストコンピュータとして機能し、固
体支持体を走査している間に於いてデータを蓄積し、走
査結果をユーザのコンピュータ60に送る。
【0081】前記ユーザのコンピュータ60は、現在の
ところ分析ツールとしてソフトウェア Matlb(商標名)
を用いて、走査の結果を処理し画像表示するために使用
される。
【0082】前記本発明に係る装置は、必要ならユーザ
のコンピュータ60から自動顕微鏡を駆動することによ
って、固体支持体上にあるあらゆる対象物を直接観察す
ることを可能とする能力を備えたものとすることができ
る。
【0083】図4〜8は、 − 背景ノイズ(動的閾値、図5) − 色彩の認識(図6) − 非相関フィーチャー(図6) − サイズ認識(図8) に関し必要な否定をするための本発明方法の種々の工程
を要約して示すものである。
【0084】設計パラメータの変化に伴う影響 以下の走査に関する物理的パラメータ:図9に示されて
いるように、レーザスポット寸法(d),走査ラインサ
ンプリング(x)及びライン間隔(y)は、本装置の検
出能力に影響を与える。これらのパラメータは、: .d:走査レーザスポットの寸法。このスポットの強度
分布は、ガウス分布であり、このスポットの寸法は通
常、レーザー強度が、ピーク値の1/e2(約13%)
に落ちているところでの大きさとして定義される。
【0085】.x:一つの走査ライン上の連続したデー
タサンプル間の距離。これは、サンプリング速度及び走
査ミラーの速度によって制御される。
【0086】.y:連続する走査ライン間の距離。これ
は、走査ミラーを移動際のステップのサイズによって制
御される。
【0087】これらのパラメータを変更させることによ
って生じる効果は、表2に於いて概略的に示されてい
る。各パラメータには最適の作動範囲があることが明ら
かである。この範囲の大きさは、: .偽ポジティブ又は偽ネガティブへの結果を得る可能性
を最小限にする。 .実機における技術上の制約(装置
の構成部品の設計誤差、操作鏡の位置の精度等) .処
理及びデータ分析装置のコスト(処理速度、データ蓄積
メモリ)からなる3つの基本的制約因子によって決定さ
れる。
【0088】
【表2】
【0089】これらのパラメータの役割は、図1及び1
0においても示されている。
【0090】ターゲット11は、図1に示されるように
して走査される。図1を参照すると、レーザスポットの
寸法及び信号対ノイズ比(SNR)の観点から走査時間を
以下のようにして評価することができる。; − 走査される全面積は、X・Yである。 − 走査速度はvである。 − 引き返し時間は、無視する。 − スポットの直径は、ax及びayである。 − スキャンのY方向への進行度(スキャンライン間
隔)は、Δyである。 全面積を走査するための時間
は、1本のラインを走査する時間に走査ラインの数を乗
算した時間に等しい。
【0091】走査ライン1本当たりの時間=X/v 走査ラインの数=Y/Δy y=ay/n,ここでnは、各スポットが走査される回
数である。
【0092】こうして、走査時間は、下記の式で与えら
れる: 走査時間=(X・Yn)/(v・ay) もし、全ての値が等しければ、走査を完了する時間は走
査された面積及び各要素が走査される回数に比例する。
走査時間は、走査速度及びスポットのy方向の寸法に反
比例している。しかしながら、これら全ての値は等しい
わけでなはく、また、スポットの寸法又は速度の何れか
を単に増加させるということによって走査時間が短縮さ
れる場合、信号対ノイズ比の点は妥協せざるを得ない。
【0093】信号強度は、照射強度(W/cm2 )及び
各スポットが照射される時間に比例する。ノイズは、照
射された面積の平方根に比例し、走査速度に反比例す
る。このことから、以下のことを考察する。
【0094】− ターゲットの微生物は、照射スポット
よりも小さい。; − レーザースポットの総出力は、一定(Io )であ
り、照射スポット上に照射される。; − 上述のように走査は重複される。ここで、nは各ス
ポットが走査される回数を意味する。
【0095】信号対ノイズは、以下のように良く知られ
た量で表現することができる。 S/N =〔Io/(ax・ay)〕・〔n/(ay
v)〕1/2 これにより、走査速度又はレーザースポットの寸法のい
ずれかが増加する時に、検出信号対ノイズが、どのよう
にして減少するかが明瞭に分かる。しかしこの方程式
は、隣接する走査ライン(図1参照)の相関付けによっ
て得られる信号対ノイズの再生については考慮されてい
ない。
【0096】図10は、2つの種類の条件下においての
上記で展開された2つの方程式の結果の比較を示してい
る。各場合において、初期条件はレーザースポットが直
径aの円形であるとされた。この条件に於いてはSNR
は、100%であって、走査時間も100%であった。
【0097】条件1: スポットを円形状態に維持しつ
つ走査が重複しないようにして一定の割合でレーザース
ポットの寸法を増加する。 n=1、及びax=ay 条件2: スポット面積を一定となるようにスポットの
y方向の寸法を増加させスポットのx方向の寸法を減少
させてスポットを引き延ばし、各スポットが2度走査さ
れるように重複させる。: n=2、及びax=1/ay
【0098】
【実施例】
実験例1:水の中に存在する生育可能な全微生物の検
出。 水の一部分標識は、蛍光標識(フルオレセインスクシン
イミジルエステル)を含む標識緩衝液で希釈される。室
温で5分放置後、試料は、0.22μmの孔寸法の膜上
で濾過され、本発明を用いて以下の条件で分析される。
【0099】d=14μm(レーザースポットの径) x=2μm(試料走査の間隔) y=5μm(走査ライン間隔) 前記本分析方法は、微粒子上に当たるエネルギーが、ガ
ウスビームの(正規)分布線上の任意の地点で計算され
得るという点に基礎をおいている。従って、以下に続く
全パラメータが特定され得る。
【0100】 ・走査速度 :v=1(m/s) ・レーザー出力(レーザー装置での):L=60(mW) ・光学的効率 :ζo =0.66 ・集束率(collection efficiency):ζ=0.01 ・固体支持体上での出力 :p=ζo・L ・サンプル時間 :t=2(μs) ・蛍光性の転化 :η=2・10-3 ・背景の蛍光性の転化 :ηb=10-6 ・光の波長 :λ=0.53 ・量子効率(quantum efficiency) :q=0.15 ・バンドのパーセント :B=0.89 ・光電子増倍管電圧 :Z=600 ・ダイノード定数 :κ=0.75 この条件では、下記の表3及び図11,12に示されて
いる結果が得られる。ここでは、19個の蛍光スポット
(即ち、19の微生物)が検知された。
【0101】
【表3】
【0102】実験例2:蛍光成長可能な蛍光微生物の検
知及び計数。 異種の微生物を培養した部分標識は、塩性の緩衝溶液内
で希釈され、0.2μmの孔寸法を持つ膜を通して濾過
される。残った微生物は、標識溶液(生存率標識)1ミ
リリットルを添加し、続いて室温で15分間培養するこ
とにより標識化される。
【0103】蛍光性により標識化された微生物は、下記
の表4に示されたパラメータで本分析方法を実行するこ
とによって検知され、計数される。前記パラメータは、
検出されるべき微生物の種類によって変えられる。
【0104】
【表4】
【0105】上記表4において、“比率* ”は、緑の帯
域における蛍光強度から分離された赤の帯域における蛍
光強度を意味する。“●●”でマークされたコラムは、
実際には、本明細書内で定義されたようなイベントと関
連付けされていないフィーチャー(シングルフィーチャ
ーとも呼ばれる)の数の総和を含んでいることが指摘さ
れなければならない。
【0106】フィーチャーとイベントとが、赤の帯域で
の発見される場、その逆に他の場合、及びこの表には示
されていない他の基準の適用の場合にガウス分布による
識別インパクトを行って発見される場合もある。
【0107】この表4は、問題とされる微生物以上に蛍
光微粒子が、発光させられていることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビーム形状、走査パターン、方向及び相対的な
大きさを示す重複している走査パターンの説明図であ
る。
【図2】イベントの明確さ及び大きさを示す説明図であ
る。
【図3】レーザー、光学系、走査ミラー、試料支持体、
試料支持体支持部、検出器、及び次の電気工学的検出器
のためのブラックボックスを示す装置の概略を示すブロ
ック図である。
【図4】高水準の制御アルゴリズムを示すフローチャー
トである。
【図5】フィーチャー検出を示すフローチャートであ
る。
【図6】ラインの相関を示すフローチャートである。
【図7】色の比率を認識する工程を示すフローチャート
である。
【図8】イベント寸法を認識する工程を示すフローチャ
ートである。
【図9】主要な走査パラメータd,x,yを示す説明図
である。
【図10】レーザースポットが、円形(#1)であるか
伸張形(#2)の場合に信号対ノイズが減少する様子を
示すグラフである。
【図11】微生物の成長を許容するマーカーを含んだ水
から本発明方法の1実施例により得られた検出結果を示
し、計測器の設定と、検知され報告されたイベントの数
(この例では19個)が表示されたCRTディスプレイ
の表示形態を示す図である。
【図12】図11に関して述べた結果において、微生物
の位置を示す顕微鏡による観察視野の図である。
【符号の説明】
10 走査手段 11 固体支持体 12 レーザ 13 ビームエクスパンダ 16 走査ミラー 17 走査レンズ 18 ビームダンパ 20 二色フィルター 21 光学フィルター 30 光電子増倍管(PMT) 42 デジタル信号処理装置(DSP) 50 計測器のコンピュータ 60 ユーザーのコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャスパル サンゲラ イギリス カムブリッジ シービー2 6 エスピー フォクストン ハイ ストリー ト 5

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体支持体上で蛍光微生物を検出及び計
    数するための方法であって、: −検出されるべき微生物より実質的に大きく15μm及
    び30μmの間に含まれるサイズを有するレーザースポ
    ットを固体支持体上に形成するようにして、レーザ装置
    からの入射レーザビームを用いて蛍光性の微生物を含む
    可能性を有する試料を載置した固体支持体を走査し(こ
    こで二つの走査ラインは、前記固体支持体の各部分(el
    ement)が、隣接する走査路を部分的に重複させること
    により少なくとも2回走査されるように間隔を設定され
    る);同時に −ある閾値(例えば動的(dynamic)閾値)を越える検
    出信号(=サンプル)だけを選択するようにして、少な
    くなくとも1種の波長で、結果として得られる蛍光を検
    出し(ここで一つの走査ライン上の隣接する一連の試料
    はフィーチャーである); −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上のフィ
    ーチャーを同期して比較し、相関フィーチャーの組が出
    現する走査ラインの数をカウントし(各組の相関フィー
    チャーはイベント(event)を形成する)、あらゆる非
    相関フィーチャー(=単一フィーチャー)を除去するこ
    とによって、個々のフィーチャーのライン間相関づけに
    より相関フィーチャーの組を認識し; −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上の前記
    相関フィーチャーを少なくとも2つの異なる波長λ1
    びλ2で同期して比較し、該2つの波長に於ける所定数
    未満の発光強度比を有する相関フィーチャーを選択し、
    前記相関サンプルにより前記波長で発生した前記発光比
    が所定の値より大きいものである場合、前記イベント全
    体が排除されるようにし; −維持されるイベントのサイズ認識を行い、検索された
    微生物の種類に対応するサイズを有するイベントを選択
    し; −サイズ認識後に維持されるイベントに対して、3次元
    のイベントエネルギープロファイル(the events energ
    y profile)が所定のガウス形状基準内にあるか否かを
    判断し、該ガウス形状基準にないイベントを排除し; −前記固体支持体上に存在する蛍光性の微生物を決定し
    それらのみをカウントするために前記残存イベントをカ
    ウントすることを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記サイズ識別工程は: −前記イベントの内の最初に現れる如何なるフィーチャ
    ーについても走査方向上で最初に現れるサンプルから出
    発し、如何なるフィーチャーが最後に終るかに拘わらず
    走査方向に最後に現れるサンプルを含むようにサンプル
    数を続けてカウントし(このカウントでは異なる走査ラ
    イン上の総ての相関サンプルを1サンプルとみなす)、 −同じイベントがカバーする隣接ラインの数をカウント
    することによりそのイベントの幅を決定し、 −前記カウントされたサンプルの数が所定数Aより大き
    く、且つ/又は前記カバーする隣接走査ラインの数が所
    定数Bより大きいイベントを除去することにより実行さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 −フィルター膜のような固体支持体上の
    1のサンプルから微生物を集め、; −生体染料剤、成長可能なマーカー、抗体又は核酸プロ
    ーブによって運ばれる蛍光材料のグループから選ばれた
    染料によって、或いは刺激された時に波長λ1の蛍光を
    発することのできる酵素結合プローブシステムによっ
    て、前記微生物を標識化し、 −検出されるべき微生物より実質的に大きく15μm及
    び30μmの間に含まれるサイズを有するレーザースポ
    ットを固体支持体上に形成するようにして、レーザ装置
    からの入射レーザビームを用いて蛍光性の微生物を含む
    可能性を有する試料を載置した固体支持体を走査し(こ
    こで二つの走査ラインは、前記固体支持体の各部分(el
    ement)が、隣接する走査路を部分的に重複させること
    により少なくとも2回走査されるように間隔を設定され
    る);同時に −ある閾値(例えば動的(dynamic)閾値)を越える検
    出信号(=サンプル)だけを選択するようにして、少な
    くなくとも1種の波長で、結果として得られる蛍光を検
    出し(ここで一つの走査ライン上の隣接する一連の試料
    はフィーチャーである); −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上のフィ
    ーチャーを同期して比較し、相関フィーチャーの組が出
    現する走査ラインの数をカウントし(各組の相関フィー
    チャーはイベント(event)を形成する)、あらゆる非
    相関フィーチャー(=単一フィーチャー)を除去するこ
    とによって、個々のフィーチャーのライン間相関づけに
    より相関フィーチャーの組を認識し; −隣接する走査ラインからなる各走査ライン対上の前記
    相関フィーチャーを少なくとも2つの異なる波長λ1
    びλ2で同期して比較し、該2つの波長に於ける所定数
    未満の発光強度比を有する相関フィーチャーを選択し、
    前記相関サンプルにより前記波長で発生した前記発光比
    が所定の値より大きいものである場合、前記イベント全
    体が排除されるようにし; −維持されるイベントのサイズ認識を行い、検索された
    微生物の種類に対応するサイズを有するイベントを選択
    し; −サイズ認識後に維持されるイベントに対して、3次元
    のイベントエネルギープロファイル(the events energ
    y profile)が所定のガウス形状基準内にあるか否かを
    判断し、該ガウス形状基準にないイベントを排除し; −前記固体支持体上に存在する蛍光性の微生物を決定し
    それらのみをカウントするために前記残存イベントをカ
    ウントすることを含む方法。
  4. 【請求項4】 前記サイズ識別は: −前記イベントの内の最初に現れる如何なるフィーチャ
    ーについても走査方向上で最初に現れるサンプルから出
    発し、如何なるフィーチャーが最後に終るかに拘わらず
    走査方向に最後に現れるサンプルを含むようにサンプル
    数を続けてカウントし(このカウントでは異なる走査ラ
    イン上の総ての相関サンプルを1サンプルとみなす)、 −同じイベントがカバーする隣接ラインの数をカウント
    することによりそのイベントの幅を決定し、 −前記カウントされたサンプルの数が所定数Aより大き
    く、且つ/又は前記カバーする隣接走査ラインの数が所
    定数Bより大きいイベントを除去することにより実行さ
    れることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 蛍光によって微生物を検出及びカウント
    するための装置であって: −寸法の検出及びカウントをされるべき微生物より固体
    支持体上で実質的に大きく15μm及び30μmの間に
    含まれるサイズを有するレーザスポットとなるようにレ
    ーザービームを照準する手段と協働する、入射ビームを
    出射するためのレーザ光源と; −前記光源からの光を前記固体支持体上に導いて、スポ
    ット状に前記微生物を照射し蛍光スポットを形成する走
    査手段と(ここで、2つの走査ライン間の距離は、前記
    支持体の各部分が隣接する走査路を部分的に重複させる
    ことにより少なくとも2回走査され、好ましくは前記レ
    ーザスポットの寸法より小さい); −少なくとも2つの異なる波長λ1及びλ2で前記発光す
    る蛍光を検出して光電子的に変換するための手段と; −デジタル信号処理装置及び少なくとも2つの発光蛍光
    波長を選択する複数の光学路を備える、非微生物蛍光を
    識別・除去するための手段と; −隣接するラインからなる各ライン対上のフィーチャー
    を同期して比較し、該相関フィーチャーの組が出現する
    ラインの数をカウントし(ここで、各組の相関フィーチ
    ャーはイベントを形成している)、一つのライン上だけ
    に発生するあらゆる非相関フィーチャーを排除すること
    により個々のフィーチャーのライン間相関付けをおこな
    い一連の相関づけられたフィーチャーを判別し;所定数
    未満の2つの波長λ1及びλ2に於ける発光強度比を有す
    る相関フィーチャーを選択するために、少なくとも2つ
    の異なる前記波長に於いて隣接するラインからなる各ラ
    イン対上の相関フィーチャーを同期して比較し、相関フ
    ィーチャーによる前記波長での前記発光比があらかじめ
    定義された値より大きい場合、そのイベント全体が排除
    し;維持されるイベントのサイズ認識を行い、検索され
    た微生物に対応するサイズを有するイベントを選択し;
    サイズ認識後に維持されるイベントに対して、3次元の
    イベントエネルギープロファイル(the events energy
    profile)が所定のガウス形状基準内にあるか否かを判
    断し害ガウス形状基準にないイベントを排除し;前記残
    存イベントをカウントして前記固定支持体上に存在する
    蛍光性の微生物を決定しそれらのみをカウントする信号
    処理手段とを;備えたことを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 前記走査手段が第1振動ミラーと第2ミ
    ラーとを備えたことを特徴とし、第1振動ミラーの振動
    軸はビームによりラインを走査するために光ビーム軸に
    対して直角となっており、第2ミラーの軸は、前記第1
    ミラーの振動軸に対して直角となっており、該第2ミラ
    ーは前記第1ミラーの走査動作に同期して走査動作を行
    う請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段は、少なくとも2つの光電
    子増倍管を光電子変換手段として備えていることを特徴
    とする請求項5に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記レーザスポットは引き延ばされた形
    状を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記固体支持体はフィルター膜であるこ
    とを特徴とする請求項5ニキ債の装置。
  10. 【請求項10】 前記固体支持体は試料保持器に載せら
    れ、該試料保持器は、冷却手段と、選択的に該試料保持
    器と前記固体支持体との間に挟まれたシリコン材料性の
    薄膜と協働することを特徴とする請求項5に記載の装
    置。
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