JPH08290407A - 携帯用回転工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転工具による切削屑が安全カバー後端から
飛散しないようにする。 【構成】 携帯用回転工具において、ロアガード４の外
周面４ａの後部に外向き突起６を設け、ロアガードの外
周面と安全カバー２の内周面２ａとの間の隙間を遮蔽し
切削屑の通過を阻止する。また、外向き突起には切削屑
を反ハウジング側に案内する案内面６ａを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、丸鋸刃を覆う安全カバ
ーの内側から切削屑を所定の向きに排出することができ
る携帯用回転工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、丸鋸刃を覆う安全カバーの内側か
ら切削屑を所定の向きに排出しようとした携帯用回転工
具としては、実開平１−７０５０５号、実開平５−３５
２０３号、実開平４−８３７０５号に記載されるような
ものがある。

【０００３】実開平１−７０５０５号の携帯用回転工具
は、安全カバーの内周面にリブを多数設け、これらのリ
ブに切削屑を衝突させて安全カバー外へと向かわせよう
とするものである。

【０００４】実開平５−３５２０３号の携帯用回転工具
は、安全カバーの内周面にその前部から中央部に掛けて
一条のリブを設け、該リブで切削屑を安全カバー外へと
案内しようとするものである。

【０００５】実開平４−８３７０５号の携帯用回転工具
は、安全カバーの後部に排出口を穿設し、安全カバーの
内周面に沿って流れて来た切削屑を該排出口から安全カ
バー外へと排出しようとするものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の切削屑
排出構造は、実開平１−７０５０５号のものにあって
は、一部の切削屑はリブに当たって安全カバーの側面か
ら外に出るが、安全カバーとロアガードとの間には比較
的大きな隙間があるので、他の切削屑がその隙間から安
全カバーの後方へと流れ作業者の方に排出されるという
不都合がある。

【０００７】実開平５−３５２０３号の携帯用回転工具
にあっては、切削屑を安全カバーの前部から中央部にか
けて排出することになるので、被加工材の切削当初より
墨線の上に切削屑が飛散し堆積し、切削位置、方向の確
認を困難にするという問題がある。

【０００８】実開平４−８３７０５号の携帯用回転工具
は、安全カバーの排出口から切削屑を排出することがで
きるが、安全カバーとロアガードとの間には比較的大き
な隙間が依然として介在するので一部の切削屑がその隙
間から安全カバーの後方へと流れ作業者の方に排出され
るという不都合がある。

【０００９】従って、本発明は、切削屑を安全カバー外
へ排出するに際し作業者の方に向かわないようにし、ま
た切削当初から加工箇所の上に切削屑が沢山堆積しない
ようにすることができる携帯用回転工具を提供すること
を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、丸鋸刃５を回転させる電動機が内蔵された
ハウジング１と、該ハウジング１に取り付けられた上記
丸鋸刃５の上部を覆うための安全カバー２と、被加工材
の切削に伴い上記安全カバー２内へと回動するように上
記ハウジング１に支承された上記丸鋸刃５の下部を覆う
ためのロアガード４と、上記ハウジング１又は上記安全
カバー２に取り付けられた被加工材に当てるためのベー
ス３とを具備した携帯用回転工具において、上記ロアガ
ード４の外周面４ａと上記安全カバー２の内周面２ａと
の間の隙間を遮蔽する外向き突起６が上記ロアガード４
の外周面４ａの後部に設けられ、かつ該外向き突起６に
は切削屑を反ハウジング側に案内する案内面６ａが形成
された構成を採用し、また、上記携帯用回転工具におい
て、上記安全カバー２の後端方向へ切削屑が流れるのを
阻止するためのリブ７が上記安全カバー２の内周面２ａ
に設けられた構成を採用し、また、上記携帯用回転工具
において、上記ロアガード４の内周面４ｂの後端に内向
き突起８が設けられ、該内向き突起８における切削屑の
案内面８ａが切削屑を反ハウジング側に案内すべく形成
された構成を採用している。

【００１１】

【作用】この携帯用回転工具により被加工材を切削する
については、電動機が起動され、そのベース３が被加工
材に当てられ、丸鋸刃５の前部が被加工材の例えば墨線
で示された切削箇所に当てられる。切削の進行に伴いロ
アガード４の前部は被加工材に押されつつ安全カバー２
内へと回動する。また、切削により発生する切削屑は、
安全カバー２の内周面に沿って流れ、ロアガード４の外
周面の後部に位置する外向き突起６に当たる。外向き突
起６は、ロアガード４の外周面４ａと安全カバー２の内
周面２ａとの間の隙間を遮蔽しているので、切削屑は安
全カバー２後方の作業者側には流出しなくなる。外向き
突起６に当たった切削屑は、その案内面６ａによりハウ
ジング１とは反対側に案内され安全カバー２の側面から
外に排出される。切削開始当初ロアガード４の後部は安
全カバー２内の後部寄りの位置にあり丸鋸刃５が被加工
材を切削する箇所から離れているので、切削屑は被加工
材の墨線上には堆積しない。従って、墨線を確認しつつ
適正な切削をすることができる。

【００１２】また、本発明において安全カバー２の内周
面２ａにリブ７が設けられる場合は、リブ７によって切
削屑の流れの勢いを殺ぎ外向き突起６と共に切削屑の流
れを安全カバー２の側面へと向けることができる。

【００１３】また、本発明において、上記外向き突起６
と共に、ロアガード４の内周面４ｂの後端に内向き突起
８が設けられ、該内向き突起８における切削屑の案内面
８ａが切削屑を反ハウジング側に案内すべく形成されて
いるので、案内面６ａ，８ａの面積が拡大され、切削屑
をより適正に安全カバー２の側面へと向けることができ
る。

【００１４】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。実施例１ この携帯用回転工具は、図１に例示されるように、具体
的には携帯用丸鋸であり、丸鋸刃５を回転させる電動機
が内蔵されたハウジング１と、該ハウジング１に取り付
けられた上記丸鋸刃５の上部を覆うための安全カバー２
と、被加工材の切削に伴い上記安全カバー２内へと回動
するように上記ハウジング１に支承された上記丸鋸刃５
の下部を覆うためのロアガード４と、上記ハウジング１
又は上記安全カバー２に取り付けられた被加工材に当て
るためのベース３とを具備している。

【００１５】この携帯用回転工具により被加工材を切削
するについては、電動機が起動され、丸鋸刃５が所定回
転数で回転させられ、ベース３が被加工材に当てられ
る。丸鋸刃５は被加工材の例えば墨線で示された切削箇
所に当てられ、ベース３が被加工材上を滑らされること
により丸鋸刃５による切削が進行する。また、切削の進
行に伴いロアガード４が被加工材に押されつつ安全カバ
ー２内へと回動する。

【００１６】この携帯用回転工具により生ずる切削屑は
安全カバー２の内周面に沿ってその前から後の方へと流
れるようになっているが、安全カバー２の後端から流出
してその後方に居る作業者の方に飛散しないよう、図２
乃至図４に示されるように、上記ロアガード４の外周面
４ａの後部には、上記ロアガード４の外周面と上記安全
カバー２の内周面との間の隙間を遮蔽する外向き突起６
が設けられている。また、該外向き突起６には切削屑を
反ハウジング側に案内する案内面６ａが形成されてい
る。なお、ロアガード４の後部とは、被加工材を切削し
ていない状態（図１）にあって、図２に示される如く安
全カバー２により覆われている部分を示す。

【００１７】外向き突起６は、具体的には安全カバー２
の内周面に接触しない程度の高さにロアガード４の半径
方向に突出しており、ロアガード４の外周面４ａ上にお
いてハウジング側からそれと反対側へ向かうに連れベー
ス３の方向に傾斜している。

【００１８】しかして、切削により発生する切削屑は、
安全カバー２の内周面に沿って矢印方向ｂに流れ、ロア
ガード４の外周面４ａの後部にある外向き突起６に当た
る。外向き突起６はロアガード４の外周面４ａと安全カ
バー２の内周面２ａとの間の隙間を遮蔽しているので、
切削屑は安全カバー２の後端への進行を阻止され、外向
き突起６の案内面６ａによりハウジング１と反対側に案
内され、安全カバー２の反ハウジング側の側面から安全
カバー２外に排出されることとなる。また、図２に示さ
れるように、切削開始当初ロアガード４の後部４ｂは安
全カバー２内の後部寄りの位置にあり丸鋸刃５が被加工
材を切削する箇所から離れているので、切削屑は被加工
材の切削位置の上には堆積しない。従って、墨線を確認
しつつ適正な切削をすることができる。

【００１９】実施例２ 図５及び図６に示されるように、この携帯用回転工具に
おいては、上記安全カバー２の後端方向へ切削屑が流れ
るのを阻止するためのリブ７が上記安全カバー２の内周
面２ａに設けられている。

【００２０】この安全カバー２の周壁はその後部寄りの
箇所において外方向に膨らんでおり、その膨らんだ箇所
の内側に多数のリブ７が半径方向に突設されている。こ
れらのリブ７は先端がロアガード４の外向き突起６に接
触しないように形成されている。なお、このリブ７は１
枚であってもよい。

【００２１】これにより、安全カバー２の内周面２ａに
沿って流れてきた切削屑はリブ７に衝突し、勢いを殺が
れる。そして、外向き突起により流れの向きｂを安全カ
バー２の側面へと変えられ、安全カバー２の側面からそ
の外側へ排出されることとなる。

【００２２】実施例３ 図７及び図８に示されるように、この携帯用回転工具に
おいては、上記ロアガード４の内周面４ｂの後端に内向
き突起８が設けられている。該内向き突起８はロアガー
ド４の後端に設けられた外向き突起６と同方向に傾斜
し、更に、該内向き突起８における切削屑の案内面８ａ
が上記外向き突起６の案内面６ａに連なり面一化されて
いる。

【００２３】内向き突起８は略コ字形の板であり、その
中央の切欠９内を丸鋸刃５の刃先が通るようになってい
る。なお、本実施例では外向き突起６の案内面６ａと内
向き突起８の案内面８ａが面一化されているが、外向き
突起６を上記ロアガード４の後端からベース３側に下が
った位置に設け、上記ロアガード４の内周面４ｂの後端
に設けた内向き突起８と面一に設けない構成としても良
い。

【００２４】しかして、切削屑の案内面６ａ，８ａの面
積が拡大されることとなり、切削屑の流れ方向ｂはより
適正に安全カバー２の側面へと変えられ、安全カバー２
の側面から外に排出されることとなる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、切削により発生する切
削屑の安全カバー後端への流れを外向き突起により遮断
し、外向き突起の案内面によりハウジングと反対側の安
全カバー側面の方にその流れの向きを変化させることが
できる。従って、切削屑の安全カバー後端からの流出を
確実に防止することができる。また、外向き突起はロア
ガードの後部にあることから切削開始当初は安全カバー
内の後部寄りの位置にあり、丸鋸刃による切削箇所から
離れている。従って、切削屑が切削位置の上に堆積する
のを防止し、墨線の位置及び向きを容易に確認して適正
な切削をすることができる。

【００２６】また、本発明において安全カバーの内周面
にリブが設けられる場合は、リブによって切削屑の流れ
の勢いを殺ぎ外向き突起と共に切削屑の流れを安全カバ
ーの側面へと向け安全カバー後端からの切削屑の飛散を
防止することができる。

【００２７】また、本発明において、上記外向き突起と
共にロアガードの内周面の後端に内向き突起が設けられ
ているので、案内面の面積を拡大し切削屑をより適正に
安全カバーの側面へと向け安全カバー後端からの飛散を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る携帯用回転工具の斜視図である。

【図２】上記携帯用回転工具の要部の部分切欠側面図で
ある。

【図３】図２中 III−III 線断面図である。

【図４】図２中ロアガードのIV線矢視図である。

【図５】本発明に係る携帯用回転工具の他の実施例の要
部を示す部分切欠側面図である。

【図６】図５中VI−VI線断面図である。

【図７】本発明に係る携帯用回転工具の他の実施例の要
部を示す部分切欠側面図である。

【図８】図７中ロアガードのVIII線矢視図である。

【符号の説明】

１…ハウジング ２…安全カバー ２ａ…安全カバーの内周面 ３…ベース ４…ロアガード ４ａ…ロアガードの外周面 ４ｂ…ロアガードの内周面 ５…丸鋸刃 ６…外向き突起 ６ａ…切削屑の案内面 ７…リブ ８…内向き突起 ８ａ…切削屑の案内面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 丸鋸刃を回転させる電動機が内蔵された
   ハウジングと、該ハウジングに取り付けられた上記丸鋸
   刃の上部を覆うための安全カバーと、被加工材の切削に
   伴い上記安全カバー内へと回動するように上記ハウジン
   グに支承された上記丸鋸刃の下部を覆うためのロアガー
   ドと、上記ハウジング又は上記安全カバーに取り付けら
   れた被加工材に当てるためのベースとを具備した携帯用
   回転工具において、上記ロアガードの外周面と上記安全
   カバーの内周面との間の隙間を遮蔽する外向き突起が上
   記ロアガードの外周面の後部に設けられ、かつ該外向き
   突起には切削屑を反ハウジング側に案内する案内面が形
   成されたことを特徴とする携帯用回転工具。
2. 【請求項２】 上記安全カバーの後端方向へ切削屑が流
   れるのを阻止するためのリブが上記安全カバーの内周面
   に設けられたことを特徴とする請求項１の携帯用回転工
   具。
3. 【請求項３】 上記ロアガードの内周面の後端に内向き
   突起が設けられ、該内向き突起における切削屑の案内面
   が切削屑を反ハウジング側に案内すべく形成されたこと
   を特徴とする請求項１又は２の携帯用回転工具。