JPH08290377A - マイクロマニピュレーション装置及びそれを用いた細胞操作方法 - Google Patents
マイクロマニピュレーション装置及びそれを用いた細胞操作方法Info
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Abstract
ともに、細胞操作を円滑に行い得る動作流体を、直接的
に駆動するマイクロマニピュレーション装置及びそれを
用いた細胞操作方法を提供する。 【構成】 マイクロマニピュレーション装置において、
配管内に流体が充填されるマイクロピペット21と、前
記流体に接触するダイヤフラム27を介して配置される
圧電素子28と、この圧電素子28を駆動する駆動電源
29とを備え、前記圧電素子28の駆動により前記マイ
クロピペット21内の流体を駆動するようにしたもので
ある。
Description
ション装置及びそれを用いた細胞操作方法に関する。
以下に示すようなものがあった。図9は従来のマイクロ
マニピュレーションシステムの全体構成図である。図
中、1はベース、2はベース1上に配置された顕微鏡、
3は位置検出器、4は微動部、5は粗動部、6はTVカ
メラ、7はマイクロインジェクタ、8は左操作ボック
ス、9は右操作ボックス、10はカメラ制御ユニット、
11はビデオモニタ、12は主制御ユニットである。
8,9では、左右の微動部4、粗動部5を操作する一方
で、注入液量測定など各種の機能の制御も行う。また、
顕微鏡2にはTVカメラ6が設けられており、細胞の状
態や微細操作の様子がビデオモニタ11に写し出され、
観察される。ここで、マイクロインジェクタ7はノブを
有し、マイクロマニピュレーション操作は、専ら操作者
の手によって行われている。
るマイクロピペットは、通常ガラス製であり、熱加工さ
れる。このマイクロピペットを細胞に対して挿入し、細
胞の内容物を吸引したり、あるいは、外部から薬液、D
NA溶液、精子、細胞の核等の物質を注入させるため
に、マイクロピペットの先端は穴のあいた針のようにな
っている。
ピペットの先端の径、先端の形状により挿入のし易さは
異なるが、一般に容易ではなく、針先を砥石で研磨し鋭
利にする。または、マイクロピペットの先端を更に熱加
工し、細いスパイクを作る。あるいは針先を軸線方向に
振動させるなど工夫を強いられている。
イクロマニピュレータによれば、細胞の操作には不十分
であり、満足のいくものではなかった。特に、細胞の外
皮を貫通する場合には、内部に大きなダメージを与え、
その細胞の操作における成功率は低く、信頼性の面で問
題があった。
す工程図である。 (1)まず、図10(a)に示すように、吸着孔を有す
る保持ピペット13で細胞14を保持する。 (2)次に、図10(b)に示すように、細胞14の透
明帯15にマイクロピペット18の先端を押し当てて透
明帯15を貫通する。しかし、透明帯15は結構厚いの
で、細胞14の卵細胞質16にダメージを与えることに
なる。この透明帯15を貫通し易いように、マイクロピ
ペット18自体を圧電素子の駆動により振動させるよう
にしたものが提案されている(例えば、特開平6−90
770号公報参照)が、それでも、卵細胞質16にダメ
ージを与えることは避けられない。また、マイクロピペ
ット18の針先は卵細胞質16の奥深くまで挿入されて
しまい、不用意に細胞を傷つける結果になる。
マイクロピペット18が卵細胞膜17を貫通して、卵細
胞質16へ刺入されて、薬液の注入が行われる。また、
上記したマイクロピペットによる透明体の貫通時の卵細
胞質のダメージをやわらげるために、圧電素子によるマ
イクロピペットの微小移動を行わせるようにしたもの
が、本願出願人等によって提案されている(特公平6−
98582号公報、特公平6−98583号公報、特公
平6−98584号公報等参照)。
ピペットの微小移動に加えて、更に、マイクロピペット
内の流体を、ダイヤフラムを介して別の圧電素子の駆動
により、直接的に駆動し、細胞の操作を行うようにして
いる。本発明は、上記した従来のマイクロピペットのよ
うに、砥石での研磨や先端のスパイク加工などを必要と
せず、細胞に対して的確に挿入することができるととも
に、細胞操作を円滑に行い得る動作流体を、直接的に駆
動するマイクロマニピュレーション装置及びそれを用い
た細胞操作方法を提供することを目的とする。
成するために、 (1)マイクロマニピュレーション装置において、配管
内に流体が充填されるマイクロピペットと、前記流体に
接触するダイヤフラムを介して配置される圧電素子と、
この圧電素子を駆動する駆動電源とを備え、前記圧電素
子の駆動により前記マイクロピペット内の流体を駆動す
るようにしたものである。
用いた細胞操作方法において、固定された卵細胞にマイ
クロピペットを接触させる工程と、前記マイクロピペッ
トに連通する流体に接触するダイヤフラムを介して配置
される圧電素子の駆動により前記マイクロピペット内の
流体の吸引を行い、前記卵細胞の透明帯の微小部分を弱
体化又は開孔する工程と、この弱体化又は開孔された卵
細胞の透明帯の微小部分に前記マイクロピペットを挿入
する工程とを施すようにしたものである。
レーション装置を用いた細胞操作方法において、前記挿
入されたマイクロピペットを前記圧電素子の駆動により
卵細胞の細胞膜の微小部分を弱体化又は開孔し、この卵
細胞の細胞質を前記マイクロピペットで吸引するように
したものである。 (4)上記(2)記載のマイクロマニピュレーション装
置による細胞操作方法において、前記挿入されたマイク
ロピペットを前記圧電素子の駆動により卵細胞の細胞膜
の微小部分を弱体化又は開孔し、この卵細胞の細胞質内
に前記マイクロピペットで薬液、DNA溶液、精子、細
胞の核などの物質を注入するようにしたものである。
レーション装置による細胞操作方法において、前記挿入
されたマイクロピペットを卵細胞の細胞膜の手前に位置
決めし、精子を注入するようにしたものである。 (6)マイクロマニピュレーション装置を用いた細胞操
作方法において、固定された動物細胞にマイクロピペッ
トを接触させる工程と、前記マイクロピペットに連通す
る流体に接触するダイヤフラムを介して配置される圧電
素子の駆動により前記マイクロピペット内の流体の吸引
を行い、前記動物細胞の細胞膜の微小部分を弱体化又は
開孔する工程と、この弱体化又は開孔された動物細胞の
細胞膜の微小部分に前記マイクロピペットを挿入する工
程とを施すようにしたものである。
用いた細胞操作方法において、固定された植物細胞にマ
イクロピペットを接触させる工程と、前記マイクロピペ
ットに連通する流体に接触するダイヤフラムを介して配
置される圧電素子の駆動により前記マイクロピペット内
の流体の吸引を行い、前記植物細胞の細胞膜の微小部分
を弱体化又は開孔する工程と、この弱体化又は開孔され
た植物細胞の細胞膜の微小部分に前記マイクロピペット
を挿入する工程とを施すようにしたものである。
ヤフラムを介してマイクロピペット内の流体を駆動させ
ることができる。卵細胞に対しては、まず、マイクロピ
ペットを卵細胞の透明帯に接触させ、圧電素子を駆動さ
せて、マイクロピペット内を負圧にすると、透明帯がマ
イクロピペットの先端に吸着されて、その吸着された透
明帯の微小部分が弱体化又は穿通される。
卵細胞内に微小移動させる。更に、卵細胞の細胞膜に対
しても圧電素子の駆動により、その微小部分を弱体化又
は穿通することができる。そして、圧電素子を駆動させ
て、マイクロピペット内を負圧にして、マイクロピペッ
トの先端から細胞質を吸入したり、圧電素子を駆動させ
て、マイクロピペット内を正圧にして、マイクロピペッ
ト内の精子を細胞質に注入することができる。
ロピペットを動物細胞の細胞膜に接触させ、圧電素子を
駆動させて、マイクロピペット内を負圧にすると、細胞
膜がマイクロピペットの先端に吸着されて、その吸着さ
れた細胞膜の微小部分が弱体化又は穿通される。そこ
で、マイクロピペットをその部分から細胞膜に微小移動
させる。
ピペット内を負圧にして、マイクロピペットの先端から
細胞質を吸入したり、圧電素子を駆動させて、マイクロ
ピペット内を正圧にして、マイクロピペット内へ薬液、
DNA溶液、精子、細胞の核などの物質を注入すること
ができる。このような操作により、動物細胞内の細胞質
に何らダメージを与えることなく、細胞の操作を行うこ
とができる。
ロピペットを植物細胞の細胞壁に接触させ、圧電素子を
駆動させて、マイクロピペット内を負圧にすると、細胞
壁がマイクロピペットの先端に吸着されて、その吸着さ
れた細胞壁の微小部分が弱体化又は穿通される。そこ
で、マイクロピペットをその部分から細胞壁内に微小移
動させる。
ピペット内を負圧にして、マイクロピペットの先端から
細胞質を吸入したり、圧電素子を駆動させて、マイクロ
ピペット内を正圧にして、マイクロピペット内へ薬液や
細胞の核などの物質を注入することができる。上記した
機構は、換言すれば、マイクロピペットの近傍に配置さ
れた圧電素子によるマイクロピストン機構であると言え
る。
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例を示
すマイクロマニピュレーション装置の概略図であり、図
1(a)はそのマイクロマニピュレーション装置の全体
構成図、図1(b)はそのA部(微小移動機構)の拡大
図でる。
1をマイクロシリンジ22に取り付け、このマイクロシ
リンジ22はスクリュ付き注射器の構造をしており、マ
イクロインジェクタ30(例えば、本願出願人の提案に
係る特開平3−119989号公報参照)によって、正
・負の圧力を加えることができるが、また、マイクロシ
リンジ22は微小移動機構25により、直線方向へ移動
可能にする。
22の一部にチャンバー26を設け、マイクロシリンジ
22内の流体に接触するようにダイヤフラム27を設
け、このダイヤフラム27とチャンバー26間に圧電素
子28を配置して、この圧電素子28を圧電素子駆動電
源29からの印加電圧によって駆動して、マイクロシリ
ンジ22内の流体を駆動することができる。なお、24
はマイクロシリンジホルダであり、係合部24aにおい
て摩擦係合させるようにしている。23はプランジャで
ある。
マイクロシリンジ22内の流体は負圧となり、マイクロ
ピペット21により試料の吸入を行うことができ、圧電
素子28の伸長により、マイクロシリンジ22内の流体
は正圧となり、マイクロピペット21から流体を試料へ
注入することができる。また、図1(b)に示すよう
に、微小移動機構25は、図1(b)に示すように、マ
イクロシリンジ22に固定される鍔25aと、この鍔2
5aに固定される圧電素子25bと、この圧電素子25
bに取り付けられる慣性体25cとを有し、圧電素子2
5bにはリード線25dにより、パルスが加えられる。
また、25eはカバーである。
マニピュレーション装置の構成図であり、図2(a)は
そのマイクロマニピュレーション装置の全体構成図、図
2(b)はそのマイクロマニピュレーション装置のマイ
クロシリンジ部の要部断面図、図2(c)はそのマイク
ロマニピュレーション装置の直線方向への微小移動機構
である。
はステージ、33はマイクロシリンジホルダ、35は微
小移動機構であり、図2(c)に示すように、鍔35a
に固着される圧電素子35bと、この圧電素子35bの
後端に固着される慣性体35cを具備する直線方向への
微小移動機構35であり、圧電素子35bにはリード線
35dが接続されて、駆動パルスPが印加される(詳細
は、特公平6−98582号公報参照)。
のマイクロシリンジ40の後端部には上記した微小移動
機構35が配置されている。このマイクロシリンジ40
はマイクロシリンジホルダ33の係合部34で摩擦係合
するようになっている。また、マイクロシリンジ40の
先端にはマイクロピペット41が装着されている。50
はこのマイクロインジェクション装置のマイクロピペッ
ト41の駆動を行うための微小移動機構35を駆動する
ための制御ボックス、51は位置検出器、52は顕微鏡
である。
に示すように、マイクロシリンジ40に、凸状のフレー
ム53を設けて、チャンバー54を形成し、マイクロシ
リンジ40内の流体57に接触するようにダイヤフラム
55をチャンバー54の底部に張設し、そのダイヤフラ
ム55と凸状のフレーム53間に圧電素子56を配置す
る。この圧電素子56は、圧電素子駆動電源58からの
直流印加電圧Vによって、縮小・伸長駆動可能である。
した制御ボックス50に統合し、総合的に制御するよう
にしてもよいことは言うまでもない。図3は本発明の第
3実施例を示すマイクロマニピュレーション装置のマイ
クロピペットによる細胞操作状態を示す図である。図3
に示すように、吸着孔62を有する保持ピペット61に
よって卵細胞63を固定する。その卵細胞63の透明帯
64にマイクロピペット71の先端を接触させる。ここ
で、マイクロピペット71の先端の部分には、培養液、
DNA液や精子を有する浮遊液72などが入っている。
その液体の後方には動作流体73が充填されている。さ
らには、ダイヤフラムの後方に電磁弁を設けることによ
り、動作流体73の容量を少なくしてピストン効果を高
めることができる。
電素子(図示なし)の駆動により、マイクロピペット7
1の内部を負圧にして、卵細胞63の微小部分を吸着し
て、その微小部分を弱体化乃至穿通する。なお、65は
細胞質、66は細胞質を包む細胞膜である。そこで、制
御ボックス50(図2参照)からのパルスによる圧電素
子の駆動により、マイクロピペット71を前方へ微小移
動機構35を駆動することにより、前記した弱体化乃至
穿通された卵細胞63の微小部分にマイクロピペット7
1を挿入し、卵細胞63の内部にマイクロピペット71
を進める(図示なし)。
ン装置を用いた細胞操作について説明する。図4は本発
明のマイクロマニピュレーション装置を用いた第1の細
胞操作工程図である。ここでは、卵細胞の操作(顕微授
精)について説明する。 (1)まず、図4(a)に示すように、吸着孔62を有
する保持ピペット61で卵細胞63を保持した後、その
卵細胞63の透明帯64に、マイクロピペット81の先
端を接触させる。
磁弁85を閉じて、圧電素子84が縮小するように駆動
して、液体86を負圧にして透明帯64の微小部分を吸
着して、その微小部分を弱体化乃至穿通する。 (3)次いで、図4(c)に示すように、電磁弁85は
閉じたままで、透明帯64の弱体化乃至穿通した微小部
分にマイクロピペット81を微小移動して、細胞膜66
の微小部分を圧電素子84が縮小するように駆動して、
液体86を負圧にして細胞膜66の微小部分を吸着し
て、その微小部分を弱体化乃至穿通してマイクロピペッ
ト81を細胞質65内に挿入する。
ロピペット81内の液体86を駆動して細胞質65内に
注入する。ここで、液体86としては、例えば、薬液、
DNA溶液、精子、細胞の核などの物質である。なお、
82は凸状のフレーム、83はダイヤフラムである。図
5は本発明のマイクロマニピュレーション装置を用いた
第2の細胞操作工程図である。ここでは、マイクロピペ
ット81の先端部には精子浮遊液とともに、精子が存在
する液体87を入れておく。
着孔62を有する保持ピペット61で卵細胞63aを保
持した後、その卵細胞63aの透明帯64に先端内径約
5μmのマイクロピペット81の先端を接触させる。 (2)次に、図5(b)に示すように、電磁弁85を閉
じて、凸状のフレーム82とダイヤフラム83間に設け
られる圧電素子84が縮小するように駆動して、液体8
7を負圧にして透明帯64の微小部分を吸着して、その
微小部分を弱体化乃至穿通する。
電磁弁85は閉じたままで、透明帯64の弱体化乃至穿
通した微小部分に、マイクロピペット81を微小移動し
て、透明帯64にマイクロピペット81の先端を通過さ
せ、細胞質65aの手前に位置決めし、そこで、電磁弁
85を閉じたままで、圧電素子84を伸長して、マイク
ロピペット81から精子浮遊液とともに、精子が存在す
る液体87を注入する。
い液体87内の精子も細胞膜66aは薄いので、自力で
細胞質65a内に進入することができる。その後、圧電
素子84を縮小して、マイクロピペット81を負圧にし
て、注入された精子浮遊液を吸引、回収する。最後に、
マイクロピペット81を抜去する。
ン装置を用いた第3の細胞操作工程図である。ここで
も、卵細胞の操作について説明する。 (1)まず、図6(a)に示すように、吸着孔62を有
する保持ピペット61で卵細胞63を保持した後、その
卵細胞63の透明帯64にマイクロピペット81の先端
を接触させる。
磁弁85を閉じて、凸状のフレーム82とダイヤフラム
83間に設けられる圧電素子84が縮小するように駆動
して、液体88を負圧にして透明帯64の微小部分を吸
着して、その微小部分を弱体化乃至穿通する。 (3)次いで、図6(c)に示すように、電磁弁85は
閉じたままで、透明帯64の弱体化乃至穿通した微小部
分にマイクロピペット81を微小移動する。そこで、圧
電素子84が縮小するように駆動して、液体88を負圧
にして細胞膜66の微小部分を吸着して、その微小部分
を弱体化乃至穿通してマイクロピペット81を細胞質6
5内に挿入する。
ロピペット81内の液体88を駆動して負圧にし、細胞
質65内から細胞質をマイクロピペット81に吸入す
る。このように、上記実施例によれば、透明帯の局所に
のみ応力がかかり、また、マイクロピペットは挿入され
た時点でも、細胞の中に必要以上に挿入されることがな
く、細胞へのダメージが小さい。
加されるパルスの高さ、パルス幅等を調整することによ
り、注入・吸入圧力や、注入・吸入量を変化させること
ができ、被対象細胞に対して最適な設定が可能であり、
この点からも細胞へのダメージを小さくすることができ
る。更に、細胞への挿入以外に微量の吸引と注入を行う
マイクロインジェクタとしても利用できることは第1実
施例からも明らかである。
あるいは注入を行うマイクロマニピュレータ用微小器具
として構成できることも明らかである。このように、従
来の手動式マイクロインジェクタに比べ、自動で操作で
きるという利点以外に、上記したマイクロピストン機構
をマイクロピペットに極めて近い位置に設置することが
できるため、配管による応答遅れがなく、応答性の高い
操作ができる。
ン装置を用いた第4の細胞操作工程図である。ここで
は、動物細胞の操作について説明する。 (1)まず、図7(a)に示すように、吸着孔62を有
する保持ピペット61で動物細胞91を保持した後、動
物細胞91の細胞膜92に、マイクロピペット81の先
端を接触させる。93は核である。
磁弁85を閉じて、圧電素子84が縮小するように駆動
して、液体86を負圧にして細胞膜92の微小部分を吸
着して、その微小部分を弱体化乃至穿通する。 (3)次いで、図7(c)に示すように、電磁弁85は
閉じたままで、細胞膜92の弱体化乃至穿通した微小部
分にマイクロピペット81を微小移動して、圧電素子8
4を伸長して、マイクロピペット81内の液体86を駆
動して動物細胞91の核93内に注入する。ここで、液
体86としては、例えば、薬液、DNA溶液などの物質
である。なお、82は凸状のフレーム、83はダイヤフ
ラムである。
ン装置を用いた第5の細胞操作工程図である。ここで
は、植物細胞の操作について説明する。 (1)まず、図8(a)に示すように、吸着孔62を有
する保持ピペット61で植物細胞101を保持した後、
その植物細胞101の細胞壁102にマイクロピペット
81の先端を接触させる。103は細胞膜、104は核
である。
磁弁85を閉じて、凸状のフレーム82とダイヤフラム
83間に設けられる圧電素子84が縮小するように駆動
して、液体88を負圧にして植物細胞101の細胞壁1
02の微小部分を吸着して、その微小部分を弱体化乃至
穿通する。 (3)次いで、図8(c)に示すように、電磁弁85は
閉じたままで、細胞壁102の弱体化乃至穿通した微小
部分にマイクロピペット81を微小移動して、圧電素子
84を縮小して、マイクロピペット81内の液体88を
駆動して液体88を負圧にして植物細胞101から細胞
質等をマイクロピペット81に吸入する。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、卵細胞、動物細胞や植物細胞等の細胞内の細胞
質に何らダメージを与えることなく、細胞の操作を行う
ことができる。上記した機構は、換言すれば、マイクロ
ピペットの近傍に配置された圧電素子によるマイクロピ
ストン機構であると言える。
に比べ、自動で操作できるという利点以外に、上記した
マイクロピストン機構をマイクロピペットに極めて近い
位置に設置することができるため、配管による応答遅れ
がなく、応答性の高い操作ができる。
ーション装置の概略図である。
ーション装置の構成図である。
ーション装置のマイクロピペットによる細胞操作状態を
示す図である。
いた第1の細胞操作工程図である。
いた第2の細胞操作工程図である。
いた第3の細胞操作工程図である。
いた第4の細胞操作工程図である。
いた第5の細胞操作工程図である。
全体構成図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 マイクロマニピュレーション装置におい
て、(a)配管内に流体が充填されるマイクロピペット
と、(b)前記流体に接触するダイヤフラムを介して配
置される圧電素子と、(c)該圧電素子を駆動する駆動
電源とを備え、(d)前記圧電素子の駆動により前記マ
イクロピペット内の流体を駆動することを特徴とするマ
イクロマニピュレーション装置。 - 【請求項2】 マイクロマニピュレーション装置を用い
た細胞操作方法において、(a)固定された卵細胞にマ
イクロピペットを接触させる工程と、(b)前記マイク
ロピペットに連通する流体に接触するダイヤフラムを介
して配置される圧電素子の駆動により前記マイクロピペ
ット内の流体の吸引を行い、前記細胞の透明帯の微小部
分を弱体化又は開孔する工程と、(c)該弱体化又は開
孔された卵細胞の透明帯の微小部分に前記マイクロピペ
ットを挿入する工程とを施すことを特徴とするマイクロ
マニピュレーション装置を用いた細胞操作方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のマイクロマニピュレーシ
ョン装置を用いた細胞操作方法において、 前記(c)工程における挿入されたマイクロピペットを
前記圧電素子の駆動により卵細胞の細胞膜の微小部分を
弱体化又は開孔し、該卵細胞の細胞質を前記マイクロピ
ペットで吸引することを特徴とするマイクロマニピュレ
ーション装置を用いた細胞操作方法。 - 【請求項4】 請求項2記載のマイクロマニピュレーシ
ョン装置による細胞操作方法において、 前記(c)工程における挿入されたマイクロピペットを
前記圧電素子の駆動により卵細胞の細胞膜の微小部分を
弱体化又は開孔し、該卵細胞の細胞質内に前記マイクロ
ピペットで薬液、DNA溶液、精子、細胞の核などの物
質を注入することを特徴とするマイクロマニピュレーシ
ョン装置を用いた細胞操作方法。 - 【請求項5】 請求項2記載のマイクロマニピュレーシ
ョン装置による細胞操作方法において、前記(c)工程
における挿入されたマイクロピペットを卵細胞の細胞膜
の手前に位置決めし、精子を注入することを特徴とする
マイクロマニピュレーション装置を用いた細胞操作方
法。 - 【請求項6】 マイクロマニピュレーション装置を用い
た細胞操作方法において、(a)固定された動物細胞に
マイクロピペットを接触させる工程と、(b)前記マイ
クロピペットに連通する流体に接触するダイヤフラムを
介して配置される圧電素子の駆動により前記マイクロピ
ペット内の流体の吸引を行い、前記動物細胞の細胞膜の
微小部分を弱体化又は開孔する工程と、(c)該弱体化
又は開孔された動物細胞の細胞膜の微小部分に前記マイ
クロピペットを挿入する工程とを施すことを特徴とする
マイクロマニピュレーション装置を用いた細胞操作方
法。 - 【請求項7】 マイクロマニピュレーション装置を用い
た細胞操作方法において、(a)固定された植物細胞に
マイクロピペットを接触させる工程と、(b)前記マイ
クロピペットに連通する流体に接触するダイヤフラムを
介して配置される圧電素子の駆動により前記マイクロピ
ペット内の流体の吸引を行い、前記植物細胞の細胞膜の
微小部分を弱体化又は開孔する工程と、(c)該弱体化
又は開孔された植物細胞の細胞膜の微小部分に前記マイ
クロピペットを挿入する工程とを施すことを特徴とする
マイクロマニピュレーション装置を用いた細胞操作方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9714395A JP2783984B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | マイクロマニピュレーション装置及びそれを用いた細胞操作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9714395A JP2783984B2 (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | マイクロマニピュレーション装置及びそれを用いた細胞操作方法 |
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