JPH08287484A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JPH08287484A
JPH08287484A JP7094875A JP9487595A JPH08287484A JP H08287484 A JPH08287484 A JP H08287484A JP 7094875 A JP7094875 A JP 7094875A JP 9487595 A JP9487595 A JP 9487595A JP H08287484 A JPH08287484 A JP H08287484A
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JP
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light receiving
light
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JP7094875A
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Hiroshi Goto
博志 後藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デフォーカスによるトラック信号の変動が少
なくかつプレーヤビリティが安定した光ピックアップを
提供することを目的とする。 【構成】 レーザモジュール1とアンプ9及びアンプユ
ニット14によりフォーカシングおよびトラッキングを
行う光ピックアップにおいて、アンプユニット14は、
レーザモジュール1内のフロント受光素子5からのフロ
ントトラック信号をGA倍する増幅器15と、リア受光
素子6からのリアトラック信号をGB倍する増幅器16
を備え、GA>GBに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CD−ROMや、光磁
気、相変化等を利用した光ディスクからデータの再生も
しくはデータ記録/再生を行う光ピックアップに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ピックアップの製造コストを低
コストにするため、半導体レーザと、この半導体レーザ
から光ディスクに照射される照射光と光ディスクからの
反射光を分離するためのプリズムと、この反射光を受光
するための複数の受光素子が一体となったレーザモジュ
ールが実用化されている。また、このレーザモジュール
と立ち上げミラーと対物レンズの3つの構成要素により
光ピックアップ光学系を構成することが可能になり、組
立工数の低減やコストダウンが達成された。
【0003】以下にレーザモジュールを用いた従来の光
ピックアップについて説明する。図6は従来の光ピック
アップの構成を示した図面である。図に示すように、こ
の光ピックアップは、レーザモジュール1と、対物レン
ズ7と、アンプユニット10と、駆動回路12と、アク
チュエータ13を備えて構成されている。
【0004】また、レーザモジュール1は、ベース2
と、半導体レーザ3と、マイクロプリズム4と、フロン
ト受光素子5と、リア受光素子6と、アンプ9を備えて
構成されている。上記のベース2上に半導体レーザ3が
マウントされている。マイクロプリズム4は角度45度
の斜面4aを有するほぼ台形断面形状のプリズムであ
り、この斜面4aが半導体レーザ3に対向設置されてい
る。半導体レーザ3から出射した光はマイクロプリズム
4の斜面4aで反射されて上記の対物レンズ7の方向へ
進み、対物レンズ7により集光されて光ディスク8に光
スポットを形成するように配置されている。
【0005】マイクロプリズム4の下面4cにはフロン
ト受光素子5とリア受光素子6が配置されており、光デ
ィスク8により反射された反射光は再び対物レンズ7を
通過しマイクロプリズム4の斜面4a内に入射するよう
に構成されている。光ディスク8からの反射光は、最初
にフロント受光素子5に到達し、到達した光の一部がフ
ロント受光素子5で受光され、その一部の光がフロント
受光素子5の面で再度反射されるように構成されてい
る。また、フロント受光素子5での反射光は、マイクロ
プリズム4の上面4bで反射されてリア受光素子6に入
射し、そのうちの一部の光がリア受光素子6で受光され
るように構成されている。これらのフロント受光素子5
またはリア受光素子6は、それぞれ受光した光の強度に
応じて光電変換を行い電気信号を出力する。
【0006】上記のフロント受光素子5及びリア受光素
子6の出力はレーザモジュール1内のアンプ9に入力さ
れるように構成されている。また、アンプ9の出力はレ
ーザモジュール1外のアンプユニット10に入力される
ように構成されている。アンプユニット10の出力は駆
動回路12に入力されるように構成されている。そし
て、駆動回路12の出力はアクチュエータ13に出力さ
れるように構成されている。アクチュエータ13は対物
レンズ7をレンズの光軸方向(フォーカシング方向)又
はレンズの光軸に垂直な方向(トラッキング方向)に移
動させる。
【0007】上記のアンプ9は、電流−電圧変換アンプ
および演算アンプを含み、フロント受光素子5又はリア
受光素子6からの出力電気信号は、このアンプ9及びレ
ーザモジュール1外のアンプユニット10によって処理
され、その結果が駆動回路12に出力される。駆動回路
12は入力信号からフォーカスエラー信号(以下「フォ
ーカス信号」という。)及びトラッキングエラー信号
(以下「トラック信号」という。)を抽出し、対物レン
ズ7のフォーカシング及びトラッキング用の制御出力を
アクチュエータ13に出力する。アクチュエータ13は
この制御出力により駆動され、対物レンズ7のフォーカ
シング(光スポットの焦点合せ)およびトラッキング
(光スポットがトラックから逸脱することに対する修
正)が行われる。
【0008】次に、上記のレーザモジュール1における
フォーカス信号、トラック信号の検出原理について説明
する。まず、フォーカス信号の検出には、公知の「光ス
ポットサイズ検出法」が用いられる。この方法について
図7を参照しつつ説明する。図7(A)は、対物レンズ
7が光ディスク8から遠ざかった時のフロント受光素子
5上の光スポットとリア受光素子6上の光スポットの状
態を示した図である。フロント受光素子5とリア受光素
子6は、ともに平行な3本の分割線により4分割された
受光素子であり、対物レンズ7が光ディスク8から遠ざ
かった場合には光ディスク8からの反射光の集光位置が
リア受光素子6側に近づくため、フロント受光素子5上
の光スポット59Aはリア受光素子6上の光スポット5
9Bよりも大きくなる。
【0009】一方、図7(B)は、対物レンズ7が光デ
ィスク8に近づいた時のフロント受光素子5上の光スポ
ットとリア受光素子6上の光スポットの状態を示した図
である。この場合には、光ディスク8からの反射光の集
光位置がフロント受光素子5側に近づくため、フロント
受光素子5上の光スポット59Aはリア受光素子6上の
光スポット59Bよりも小さくなる。
【0010】従って、フォーカス信号FES′を下式 FES′={(A1+A2)−(A3+A4)}−{(B1+B2)−(B3+B4)}…(1) により算出すればフォーカスが合焦か否かを検出するこ
とができる。すなわち、合焦の場合には上式(1)の値
は零となり、合焦ではない場合には焦点の位置により上
式(1)の値は正又は負の値となる。
【0011】トラック信号の検出には、公知の「ファー
フィールド法」が用いられる。この方法について図8を
参照しつつ説明する。図8(A)は、トラックが右にず
れた時のフロント受光素子5上の光スポットとリア受光
素子6上の光スポットの状態を示した図である。この場
合には、光ディスク8からの反射光の集光位置がフロン
ト受光素子5とリア受光素子6の中間にあるため、フロ
ント受光素子5上の光スポット59Aは右半分の光量が
少なくなるので右半部が暗くなり、リア受光素子6上の
光スポット59Bは左半分の光量が少なくなるので左半
部が暗くなる。
【0012】一方、図8(B)は、トラックが左にずれ
た時のフロント受光素子5上の光スポットとリア受光素
子6上の光スポットの状態を示した図である。この場合
には、図8(A)の場合とは逆に、フロント受光素子5
上の光スポット59Aは左半分の光量が少なくなるので
左半部が暗くなり、リア受光素子6上の光スポット59
Bは右半分の光量が少なくなるので右半部が暗くなる。
【0013】従って、トラック信号TES′を下式 TES′={(A1+A3)−(A2+A4)}−{(B1+B3)−(B2+B4)}…(2) により算出すればトラックはずれを検出することができ
る。すなわち、光スポットがトラック上にある場合には
上式(2)の値は零となり、トラックはずれをおこして
いる場合にはトラックはずれの方向により上式(2)の
値は正又は負の値となる。
【0014】図9は、フォーカス信号あるいはトラック
信号を生成するアンプ9内の演算回路の構成図である。
上記したような光ディスク8からの反射光の経路から、
一般に、フロント受光素子5に入射する光の光量La は
リア受光素子6に入射する光の光量Lb よりも大きい
(La >Lb )ため、電流−電圧変換アンプ9a,9b
のゲインα、βを、α<βとして実質的に出力電圧が等
しくなるようにする。この場合、光ディスクから読み取
ったデータ内容を示す情報信号(RF信号)DS′は下
式 DS′=A1+A2+A3+A4+B1+B2+B3+B4 …(3) により算出される。これはフロント受光素子5及びリア
受光素子6の全ての受光面からの出力の和をとったもの
である。
【0015】次に、図10を参照しつつ、半導体レーザ
の非点隔差による影響について説明する。レーザモジュ
ール1に搭載されている半導体レーザ3は、その非点隔
差が数10μmと大きく、図10に示すように、光ディ
スク8上の光スポットにアスが生じる。合焦時では図1
0(B)に示すように円形の光スポット51Bが形成さ
れる。しかし、非合焦時のうちマイナスデフォーカス時
(図10(A))には縦長の光スポット51Aが、プラ
スデフォーカス時(図10(C))には横長の光スポッ
ト51Cが形成される。トラック50に対して横長の光
スポット51Cがある時は情報信号(RF信号)は大き
いがトラック信号が低下し、逆にトラック50に対して
縦長の光スポット51Aがある時は情報信号(RF信
号)が低下しトラック信号が大きくなるという問題があ
る。
【0016】上記の問題を回避するため、従来は、レー
ザモジュール1を45度回転して設置し、光ディスク8
上の光スポットを45度回転させる方法がとられてい
た。この場合の非点隔差による影響について図11を参
照しつつ説明する。図11に示すように、マイナスデフ
ォーカス時(図11(A))とプラスデフォーカス時
(図11(C))には、トラック50に対し平行方向の
光スポットの径d1 とトラック垂直方向の光スポットの
径d2 は等しくなるため、情報信号(RF信号)とトラ
ック信号が最大となるデフォーカスは一致することにな
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光ピックアップでは、光ディスク8からの反射光が
マイクロプリズム4の中に入射する際に、45度斜面4
aで大きな非点収差が発生し、情報信号(RF信号)と
トラック信号が最大となるデフォーカスが一致しないと
いう問題が生じることが判明した。その理由について以
下に説明する。
【0018】図12はマイクロプリズム4内の光線の進
み方を示す斜視図であり、図13はマイクロプリズム4
内での光線の進み方を示す断面図である。図13(A)
はYZ面となる断面を示す図であり、図13(B)はX
Y面となる断面を示す図である。図に示すように、光デ
ィスク8からの反射光は45度斜面4aで入射し屈折し
た後マイクロプリズム4内を進み、マイクロプリズム下
面4cで反射した後マイクロプリズム4内を進み、マイ
クロプリズム上面4bの点P1 に集光する。その後、光
はマイクロプリズム上面4bで反射し、再びマイクロプ
リズム下面4cに到達する。この場合、光がディスクに
対し合焦のときは、フロント受光素子5、リア受光素子
6上のZ方向の光スポット径は等しくなる。しかし、光
がディスクに対し合焦のときには、図13(B)に示す
ように、集光点P2 はリア受光素子6の外側にできるた
め、フロント受光素子5上のX方向の光スポット径D1
と、リア受光素子6上のX方向の光スポット径D2 は等
しくはならない。
【0019】光線追跡法によりプラスデフォーカス時、
マイナスデフォーカス時および合焦時のフロント受光素
子5とリア受光素子6上の光スポットの状態をマイクロ
プリズム4の厚みを1mm、屈折率を1.5としてシミ
ュレーションした。その結果を図14に示す。図に示す
ように、合焦時においては、フロント受光素子5、リア
受光素子6上の光スポットのZ方向の径は相等しいが、
その形状は全く異なっている。また、フロント受光素子
5上の光スポットがプラスデフォーカスあるいはマイナ
スデフォーカスした場合には形状が相似形で変化するの
に比べ、リア受光素子6上の光スポットがプラスデフォ
ーカスあるいはマイナスデフォーカスした場合には形状
が著しく変化することがわかる。さらに、リア受光素子
6上の光スポットは、フロント受光素子5上の光スポッ
トに比べ、合焦時の光スポット形状が著しくいびつであ
る。
【0020】レーザモジュール1は上述したように45
度回転して設置されているため、マイクロプリズム4に
よる大きな非点収差が発生しなければ、光ディスク8の
トラックを受光素子上に投影した線は45度方向になる
はずである。図15はマイクロプリズム4による大きな
非点収差の発生がないと仮定した場合のリア受光素子上
の光スポットのファーフィールドパターンを示した図で
ある。リア受光素子6の分割線に対し45度方向にトラ
ックの投影線17があり、トラックずれの方向に応じ、
図15(A)及び図15(B)に示すように、明部1
8、暗部19が前記トラックの投影線17を挟んで反対
側に生じることになる。しかし、実際は、マイクロプリ
ズム4による大きな非点収差が発生するため、トラック
の投影線は図15に示したような45度方向の直線には
ならない。
【0021】図16は非点収差がある実際の場合のリア
受光素子6上の光スポットの状態を示した図である。図
16(B)は合焦時のリア受光素子6上の光スポットで
あり、図に示すように、トラックの投影線22Bは曲線
となり、しかも受光素子の分割線20とほぼ直交してい
ることから、図15に示す場合に比べトラック信号は小
さくなる。図16(A)はプラス2μmデフォーカス時
のリア受光素子6上の光スポットであり、トラックの投
影線22Aは図16(B)に示す場合よりもさらに受光
素子の分割線20と直交するようになるため、トラック
信号はさらに小さくなる。図16(C)はマイナス2μ
mデフォーカス時のリア受光素子6上の光スポットであ
り、光スポットは縦に大きくなり、あわせてトラックの
投影線22Cは受光素子の分割線20と45度の角度を
なすようになる。そのためトラック信号は大きくなる。
ここで21A〜21Cはファーフィールドパターンの明
部を示し、23A〜23Cは暗部を示す。これらの明部
又は暗部はトラックずれの方向により入れ替わる。
【0022】以上の理由により、図17に示すように、
情報信号(RF信号)が最大になるデフォーカスとトラ
ック信号が最大になるデフォーカスがずれる。通常フォ
ーカスサーボはRF信号が最大になる位置を基準に調整
されるため、フォーカスが+側にずれた時(図17にお
ける横軸右側方向)にトラック信号が大幅に低下してプ
レーヤビリティが劣化するという問題が生じる。また、
デフォーカスによりトラック信号が変動するためトラッ
クサーボが不安定になるという問題もある。
【0023】本発明はデフォーカスによるトラック信号
の変動が少なくかつプレーヤビリティが安定した光ピッ
クアップを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の発明に係る光ピックアップは、レー
ザ光を生成して射出する半導体レーザと、前記半導体レ
ーザからのレーザ光と光ディスクからの反射された反射
光とを分離するためのプリズムと、前記光ディスクから
の反射光を初めに受光するフロント受光素子および前記
フロント受光素子により反射された光を受光するリア受
光素子とが一体となったレーザモジュールと、前記フロ
ント受光素子及びリア受光素子から各信号を演算処理す
る演算手段とを備え、前記演算手段の演算結果に基づい
てフォーカシングおよびトラッキングを行う光ピックア
ップであって、前記演算手段は、前記フロント受光素子
から得られるフロントトラック信号を第1の増幅率で増
幅する第1増幅手段と、前記リア受光素子から得られる
リアトラック信号を第2の増幅率で増幅する第2増幅手
段を備え、前記第1の増幅率は前記第2の増幅率よりも
大なるように構成される。
【0025】また、本発明の第2の発明は、レーザ光を
生成して射出する半導体レーザと、前記半導体レーザか
らのレーザ光と光ディスクからの反射された反射光とを
分離するためのプリズムと、前記光ディスクからの反射
光を初めに受光するフロント受光素子および前記フロン
ト受光素子により反射された光を受光するリア受光素子
とが一体となったレーザモジュールと、前記フロント受
光素子及びリア受光素子から各信号を演算処理する演算
手段とを備え、前記演算手段の演算結果に基づいてフォ
ーカシングおよびトラッキングを行う光ピックアップで
あって、前記フロント受光素子は、平行な複数の分割線
とそれらと鋭角に交わる分割線とにより少なくとも6分
割された受光面を有するように構成される。
【0026】また、本発明の第3の発明は、レーザ光を
生成して射出する半導体レーザと、前記半導体レーザか
らのレーザ光と光ディスクからの反射された光を分離す
るためのプリズムと、前記光ディスクからの反射光を初
めに受光するフロント受光素子および前記フロント受光
素子により反射された光を受光するリア受光素子とが一
体となったレーザモジュールと、前記フロント受光素子
及びリア受光素子から各信号を演算処理する演算手段と
を備え、前記演算手段の演算結果に基づいてフォーカシ
ングおよびトラッキングを行う光ピックアップであっ
て、前記フロント受光素子は、平行な複数の分割線とそ
れらと鋭角に交わる分割線とにより少なくとも6分割さ
れた受光面を有するとともに、前記リア受光素子は3分
割された受光面を有し、かつ、トラック信号を前記フロ
ント受光素子からの信号のみにより生成するように構成
される。
【0027】
【作用】上記構成を有する本発明の第1の発明によれ
ば、デフォーカスによる受光素子上の光スポット形状の
変化が少ないフロント受光素子から生成されるトラック
信号の比率を増大させることにより、デフォーカスによ
るトラック信号の変動が少なくなり、光ピックアップの
プレーヤビリティが安定する。
【0028】また、本発明の第2、第3の発明によれ
ば、フロント受光素子の分割線を光ディスクのトラック
の投影線と一致させることにより、フロント受光素子か
ら生成されるトラック信号を大きくでき、光ピックアッ
プのプレーヤビリティが安定する。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0030】図1に本発明の第1実施例である光ピック
アップの構成を示す。以下、上記の従来例と同一の符号
で示す部分は従来例と同一の構成及び作用効果を有す
る。図に示すように、この光ピックアップは、レーザモ
ジュール1と、対物レンズ7と、演算アンプユニット1
4と、アンプユニット10と、駆動回路12と、アクチ
ュエータ13を備えて構成されている。
【0031】また、レーザモジュール1は、ベース2
と、半導体レーザ3と、マイクロプリズム4と、フロン
ト受光素子5と、リア受光素子6と、アンプ9を備えて
構成されている。上記のベース2上に半導体レーザ3が
マウントされている。マイクロプリズム4は角度45度
の斜面4aを有するほぼ台形断面形状のプリズムであ
り、この斜面4aが半導体レーザ3に対向設置されてい
る。半導体レーザ3から出射した光はマイクロプリズム
4の斜面4aで反射されて上記の対物レンズ7の方向へ
進み、対物レンズ7により集光されて光ディスク8に光
スポットを形成するように配置されている。
【0032】マイクロプリズム4の下面4cにはフロン
ト受光素子5とリア受光素子6が配置されており、光デ
ィスク8により反射された反射光は再び対物レンズ7を
通過しマイクロプリズム4の斜面4a内に入射するよう
に構成されている。光ディスク8からの反射光は、最初
にフロント受光素子5に到達し、到達した光の一部がフ
ロント受光素子5で受光され、その一部の光がフロント
受光素子5の面で再度反射されるように構成されてい
る。また、フロント受光素子5での反射光は、マイクロ
プリズム4の上面4bで反射されてリア受光素子6に入
射し、そのうちの一部の光がリア受光素子6で受光され
るように構成されている。これらのフロント受光素子5
またはリア受光素子6は、それぞれ受光した光の強度に
応じて光電変換を行い電気信号を出力する。
【0033】上記のフロント受光素子5及びリア受光素
子6の出力はレーザモジュール1内のアンプ9に入力さ
れるように構成されている。また、アンプ9の出力はレ
ーザモジュール1外のアンプユニット14に入力される
ように構成されている。アンプユニット14の出力はア
ンプユニット10に出力されるように構成されている。
このアンプユニット10の出力は駆動回路12に入力さ
れるように構成されている。そして、駆動回路12の出
力はアクチュエータ13に出力されるように構成されて
いる。アクチュエータ13は対物レンズ7をレンズの光
軸方向(フォーカシング方向)又はレンズの光軸に垂直
な方向(トラッキング方向)に移動させる。
【0034】上記のアンプ9は、電流−電圧変換アンプ
および演算アンプを含み、フロント受光素子5又はリア
受光素子6からの出力電気信号は、このアンプ9及びレ
ーザモジュール1外のアンプユニット14及び10によ
って処理され、その結果が駆動回路12に出力される。
駆動回路12は入力信号からフォーカスエラー信号(以
下「フォーカス信号」という。)及びトラッキングエラ
ー信号(以下「トラック信号」という。)を抽出し、対
物レンズ7のフォーカシング及びトラッキング用の制御
出力をアクチュエータ13に出力する。アクチュエータ
13はこの制御出力により駆動され、対物レンズ7のフ
ォーカシングおよびトラッキングが行われる。
【0035】ディスクが合焦の場合は、図13(A)に
示すように、光ディスク8からの反射光はZ方向ではマ
イクロプリズム上面4bの点P1 に集光する。また、図
13(B)に示すように、光ディスク8からの反射光は
X方向ではリア受光素子6よりも遠くの点P2 に集光す
る。フロント受光素子5は集光点近傍に位置していない
ため、フロント受光素子5上の光スポットの形状は、図
14に示すようにデフォーカスしても相似形であり、ト
ラックの投影線はほぼ一定方向になる。従って、フロン
ト受光素子5から生成されるトラック信号はリア受光素
子6から生成されるトラック信号よりもデフォーカスに
よる変動がない。
【0036】図2は第1実施例の光ピックアップにおけ
る信号処理回路を示したものである。各受光素子5,6
からの電流はアンプ9内の電流−電圧アンプ9a、9b
において電流−電圧変換され、次にアンプ9内の演算ア
ンプにより、上式(1)、(2)、(3)の演算がなさ
れる。フロント受光素子5から得られるトラック信号
{(A1 +A3 )−(A2 +A4 )}はレーザモジュー
ル1の外部にあるアンプユニット14内にある増幅器1
5によりGA倍される。また、リア受光素子6から得ら
れるトラッック信号{(B1 +B3 )−(B2 +B4
)}はレーザモジュール1の外部にあるアンプユニッ
ト14内にある増幅器16によりGB倍される。ここ
に、トラック信号{(A1 +A3 )−(A2 +A4 )}
はフロントトラック信号に相当し、トラック信号{(B
1 +B3 )−(B2 +B4 )}はリアトラック信号に相
当する。これら増幅器15及び16からの出力信号は、
アンプユニット10内の差動アンプ(図示せず)により
演算され、駆動回路12に出力され、アクチュエータ1
3を駆動するトラック信号となる。ここで、アンプユニ
ット14内の増幅器15の増幅率(アンプゲイン)GA
と、アンプユニット14内の増幅器16の増幅率(アン
プゲイン)GBの関係がGA>GBとなるように設定す
ることにより、アクチュエータ13を駆動するトラック
信号全体に対しフロント受光素子5からのトラック信号
が寄与する割合を高めることができる。従って、上記の
ようにデフォーカスによる変動が大きいリア受光素子6
からのトラック信号の比率を小さくし、デフォーカスに
よるトラック信号の変動を少なくすることができる。こ
こに、増幅器15は第1増幅手段に、また増幅器16は
第2増幅手段に、GAは第1の増幅率に、GBは第2の
増幅率に、それぞれ相当している。また、アンプ9とア
ンプユニット10および14は演算手段に相当してい
る。
【0037】次に、本発明の第2実施例である光ピック
アップの構成を図3に示す。図3は第2実施例の光ピッ
クアップにおけるフロント受光素子25及びリア受光素
子6の構成を示す図である。第2実施例の光ピックアッ
プ全体としては、図6に示す光ピックアップにおいて、
フロント受光素子5のかわりにフロント受光素子25を
設けた構成と同じ構成を有している。ただし、後述する
ように、第2実施例の光ピックアップにおけるアンプ9
内の演算アンプの構成は図9に示す構成とは異なる。フ
ロント受光素子25(図3(A)参照)は、上記の図1
2中に示したX方向と略一致する平行な二つの分割線2
7及び28と、それらと鋭角に交わる分割線29により
6つの受光面A12〜A62に6分割されており、鋭角に交
わる分割線29はトラックの投影線と略一致するように
配置されている。また、リア受光素子6(図3(B)参
照)は従来のものとまったく同じであり、平行な3本の
分割線30,31,32により4分割された受光素子で
ある。
【0038】図4に、第2実施例のフロント受光素子2
5上の光スポット39Aのファーフィールドパターンを
示す。図に示すように、分割線29を挟んで明部37と
暗部38が現れるため、従来例に比較してトラック信号
が大きくなる。
【0039】すなわち、上記の第2実施例の光ピックア
ップにおけるトラック信号TES1は下式 TES2 ={(A12+A22+A32)−(A42+A52+A62)} −{(B1 +B3 )−(B2 +B4 )} …(4) により算出される。図4に示すように、この第2実施例
の場合は、分割線29を挟んで明部37と暗部38が現
れるから、上式(2)に示す従来例のトラック信号の値
と比較すると、その値を大きくすることができる。
【0040】また、第1実施例における増幅器15の場
合と同様に、第2実施例の光ピックアップにおけるフロ
ント受光素子25から生成されるトラック信号を増幅す
る増幅器の増幅率(ゲイン)を、リア受光素子から生成
されるトラック信号を増幅する増幅器の増幅率よりも大
きく設定するようにしてもよい。このように構成すれ
ば、トラック信号の値が大きくなるとともに、デフォー
カスによるトラック信号値の変動が少なくなる。
【0041】上記の第2実施例の光ピックアップにおけ
るフォーカス信号FES2 は下式 FES2 ={(A12+A32+A42+A62)−(A22+A52)} −{(B1 +B2 )−(B3 +B4 )} …(5) により算出できる。
【0042】次に、本発明の第3実施例である光ピック
アップの構成を図5に示す。図5は第3実施例の光ピッ
クアップにおけるフロント受光素子25及びリア受光素
子36の構成を示す図である。第3実施例の光ピックア
ップ全体としては、図6に示す光ピックアップにおい
て、フロント受光素子5及びリア受光素子6のかわりに
フロント受光素子25及びリア受光素子36を設けた構
成と同じ構成を有している。ただし、後述するように、
第3実施例の光ピックアップにおけるアンプ9内の演算
アンプの構成は図9に示す構成とは異なる。フロント受
光素子25(図5(A))は第2実施例のものと同じで
あるが、リア受光素子36(図5(B))は図12中に
示したX方向と略一致する平行な二つの分割線40及び
41により3つの受光面B13〜B33に3分割されてい
る。
【0043】上記の第3実施例の光ピックアップにおけ
るトラック信号TES3 は下式 TES3 ={(A12+A22+A32)−(A42+A52+A62)} …(6) により算出され、フロント受光素子25からの信号のみ
から生成される。このように構成することにより、この
第3実施例の場合は、上式(4)に示す第2実施例のト
ラック信号の値よりもさらにその値を大きくすることが
でき、かつデフォーカスによるトラック信号値の変動を
少なくすることができる。
【0044】また、第3実施例の光ピックアップにおけ
るフォーカス信号FES3 は下式 FES3 ={(A1 +A3 +A4 +A6 )−(A2 +A5 )} −{(B13+B23)−B33} …(7) により算出される。
【0045】なお、上記の第1実施例と第2実施例にお
いては、リア受光素子から生成されるトラック信号を増
幅する増幅器(第1実施例における増幅器16)を省略
し、フロント受光素子から生成されるトラック信号を増
幅する増幅器(第1実施例における増幅器15)の増幅
率(第1実施例におけるGA)を1より大きく設定して
もよい。このように構成すれば、デフォーカスによるト
ラック信号値の変動をさらに少なくすることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の発
明によれば、デフォーカスによる受光素子上の光スポッ
ト形状の変化が少ないフロント受光素子から生成される
トラック信号の比率を増大させることにより、デフォー
カスによるトラック信号の変動が少なくなり、光ピック
アップのプレーヤビリティが安定する、という利点があ
る。
【0047】また、本発明の第2、第3の発明によれ
ば、フロント受光素子の分割線を光ディスクのトラック
の投影線と一致させることにより、フロント受光素子か
ら生成されるトラック信号を大きくでき、光ピックアッ
プのプレーヤビリティが安定する、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である光ピックアップの構
成を示すブロック図
【図2】図1に示す光ピックアップにおけるフォーカス
信号あるいはトラック信号を生成する回路の構成を示す
【図3】本発明の第2実施例である光ピックアップにお
けるフロント受光素子及びリア受光素子の構成を示す図
【図4】本発明の第2実施例又は第3実施例の光ピック
アップにおけるフロント受光素子上のファーフィールド
パターンを説明する図
【図5】本発明の第3実施例である光ピックアップにお
けるフロント受光素子及びリア受光素子の構成を示す図
【図6】従来例の光ピックアップの構成を示すブロック
【図7】図6に示す光ピックアップにおけるフォーカス
信号の検出法を説明する図
【図8】図6に示す光ピックアップにおけるトラック信
号の検出法を説明する図
【図9】図6に示す光ピックアップにおけるフォーカス
信号あるいはトラック信号を生成する回路の構成を示す
【図10】半導体レーザの非点隔差による影響を説明す
る図
【図11】従来例の光ピックアップにおける半導体レー
ザの非点隔差による影響を説明する図
【図12】従来の光ピックアップにおけるマイクロプリ
ズム内の光の進み方を示す斜視図
【図13】従来の光ピックアップにおけるマイクロプリ
ズム内の光の進み方を示す断面図
【図14】プラスデフォーカス時、マイナスデフォーカ
ス時および合焦時のフロント受光素子とリア受光素子上
の光スポットの状態をシミュレーションした結果を示す
【図15】非点収差がないと仮定した場合のリア受光素
子上の光スポットのファーフィールドパターンを説明す
る図
【図16】実際の場合のリア受光素子上の光スポットの
ファーフィールドパターンを説明する図
【図17】従来例の光ピックアップにおける情報信号と
トラック信号の特性を示す図
【符号の説明】
1 レーザモジュール 2 ベース 3 半導体レ−ザ 4 マイクロプリズム 4a マイクロプリズム斜面 4b マイクロプリズム上面 4c マイクロプリズム下面 5 フロント受光素子 6 リア受光素子 7 対物レンズ 8 光ディスク 9 アンプ 9a,9b 電流−電圧変換アンプ 10,14 アンプユニット 12 駆動回路 13 アクチュエータ 15,16 増幅器 25 フロント受光素子 27〜29 分割線 A1 〜A4 ,A12〜A62 受光面 B1 〜B4 ,B13〜B33 受光面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を生成して射出する半導体レーザ
    と、前記半導体レーザからのレーザ光と光ディスクから
    の反射された反射光とを分離するためのプリズムと、前
    記光ディスクからの反射光を初めに受光するフロント受
    光素子および前記フロント受光素子により反射された光
    を受光するリア受光素子とが一体となったレーザモジュ
    ールと、前記フロント受光素子及びリア受光素子から各
    信号を演算処理する演算手段とを備え、前記演算手段の
    演算結果に基づいてフォーカシングおよびトラッキング
    を行う光ピックアップであって、前記演算手段は、前記
    フロント受光素子から得られるフロントトラック信号を
    第1の増幅率で増幅する第1増幅手段と、前記リア受光
    素子から得られるリアトラック信号を第2の増幅率で増
    幅する第2増幅手段を備え、前記第1の増幅率は前記第
    2の増幅率よりも大なることを特徴とする光ピックアッ
    プ。
  2. 【請求項2】レーザ光を生成して射出する半導体レーザ
    と、前記半導体レーザからのレーザ光と光ディスクから
    の反射された反射光とを分離するためのプリズムと、前
    記光ディスクからの反射光を初めに受光するフロント受
    光素子および前記フロント受光素子により反射された光
    を受光するリア受光素子とが一体となったレーザモジュ
    ールと、前記フロント受光素子及びリア受光素子から各
    信号を演算処理する演算手段とを備え、前記演算手段の
    演算結果に基づいてフォーカシングおよびトラッキング
    を行う光ピックアップであって、前記フロント受光素子
    は、平行な複数の分割線とそれらと鋭角に交わる分割線
    とにより少なくとも6分割された受光面を有することを
    特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】レーザ光を生成して射出する半導体レーザ
    と、前記半導体レーザからのレーザ光と光ディスクから
    の反射された光を分離するためのプリズムと、前記光デ
    ィスクからの反射光を初めに受光するフロント受光素子
    および前記フロント受光素子により反射された光を受光
    するリア受光素子とが一体となったレーザモジュール
    と、前記フロント受光素子及びリア受光素子から各信号
    を演算処理する演算手段とを備え、前記演算手段の演算
    結果に基づいてフォーカシングおよびトラッキングを行
    う光ピックアップであって、前記フロント受光素子は、
    平行な複数の分割線とそれらと鋭角に交わる分割線とに
    より少なくとも6分割された受光面を有するとともに、
    前記リア受光素子は3分割された受光面を有し、かつ、
    トラック信号を前記フロント受光素子からの信号のみに
    より生成することを特徴とする光ピックアップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002092932A (ja) * 1999-12-27 2002-03-29 Sony Corp 光ヘッド、受発光素子、及び光記録媒体記録再生装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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