JPH0828241A - エンジンのブローバイガス排出装置 - Google Patents

エンジンのブローバイガス排出装置

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JPH0828241A
JPH0828241A JP16209994A JP16209994A JPH0828241A JP H0828241 A JPH0828241 A JP H0828241A JP 16209994 A JP16209994 A JP 16209994A JP 16209994 A JP16209994 A JP 16209994A JP H0828241 A JPH0828241 A JP H0828241A
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air
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chamber
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健児 阿部
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Haruto Kamo
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B67/00Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
    • F02B67/04Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
    • F02B67/06Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0829Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means

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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動弁室内のオイルがエアクリーナへ流れるの
を防ぐに当たりコストアップを最小限に抑えかつエンジ
ン全高も低く維持できるようにする。 【構成】 ヘッドカバー5のチェーンダンパー23を仕
切りとしてヘッドカバー内に空気室40を設ける。空気
室40をチェーン室17cに空気流通口41を介して連
通させ、エアクリーナ10に連通させた。チェーンダン
パー23が空気室40の下壁としても機能するから、オ
イルの吸気系への流入を防ぐために新部品を追加せず済
む。このため、コストアップが小さく済み、従来のヘッ
ドカバー5の構造を何等変更する必要がないのでエンジ
ン全高が高くならない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのブローバイ
ガスを吸気系へ排出するエンジンのブローバイガス排出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのブローバイガスを吸気
系へ排出するに当たっては、クランクケース内およびシ
リンダヘッドの動弁室の両方をエアクリーナに連通させ
ることがある。前記動弁室をエアクリーナに連通させる
場合、高速で回転するカムチェーンや吸・排気弁用駆動
装置等によって巻き上げられたオイルがエアクリーナ側
へ流れないような構成を採ることが必要がある。
【0003】動弁室からエアクリーナ側へオイルが流れ
るのを防ぐ構造のブローバイガス排出装置としては、例
えば実公昭57−6728号公報に開示されたものがあ
る。このブローバイガス排出装置は、動弁室からエアク
リーナへの空気通路中にオイル分離室を複数直列に並べ
た構造になっていた。詳述すると、シリンダヘッドに取
付けられて動弁室を形成するヘッドカバーの上部の内方
にオイル分離室を上下に3つ並設し、これらを直列に連
通させるとともに、上流側のオイル分離室を動弁室に連
通させかつ下流側のオイル分離室をエアクリーナに連通
させて構成されていた。
【0004】このように3つのオイル分離室を上方へ向
けてブローバイガスが流れるときに、その中に混入して
いるオイルが分離されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うにヘッドカバー内に3つのオイル分離室を設けると、
ヘッドカバーの部品点数が多くなるとともに構造が複雑
になってしまい、コストがきわめて高くなってしまう。
しかも、オイル分離室の分だけエンジン全高が高くなっ
てしまうという問題もあった。
【0006】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、動弁室内のオイルがエアクリーナへ
流れるのを防ぐに当たってコストアップを最小限に抑え
るとともにエンジン全高も低く維持できるようにするこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るエンジ
ンのブローバイガス排出装置は、ヘッドカバーのカムチ
ェーン用チェーンダンパーを仕切りとしてヘッドカバー
内のチェーン室上方に空気室を設け、この空気室を前記
チェーン室に空気流通口を介して連通させるとともに、
吸気系に連通させたものである。
【0008】第2の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第1の発明に係るエンジンのブローバイ
ガス排出装置において、エンジンのシリンダをクランク
軸回りに傾斜させるとともに、空気流通口を空気室の最
も低くなる部分に配設したものである。
【0009】第3の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第1の発明または第2の発明に係るエン
ジンのブローバイガス排出装置において、空気流通口を
チェーンダンパーにおけるカムチェーンの移動方向後側
に配設したものである。
【0010】第4の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第3の発明に係るエンジンのブローバイ
ガス排出装置において、チェーンダンパーの上部に、ヘ
ッドカバーの内面に当接するクッションゴムをカムチェ
ーンの移動方向に間隔をおいて複数突設するとともに、
空気室における吸気系へ連通される部分と空気流通口と
の間に臨ませ、この空気室内に臨むクッションゴムを、
その側面とヘッドカバーとの間に隙間が開くように形成
してこの隙間を空気室の一部としたものである。
【0011】
【作用】第1の発明によれば、ヘッドカバーに取付けら
れるチェーンダンパーが空気室の下壁としても機能する
から、オイルが吸気系へ流れるのを防ぐに当たり新たな
部品を追加する必要がない。
【0012】第2の発明によれば、空気流通口からオイ
ルが空気室内に流入したとしても、このオイルは吸気系
への連通部分へは到達し難い。第3の発明によれば、カ
ムチェーンが高速で移動することよって飛散するオイル
は、主にカムチェーンの移動方向へ飛ばされるので、空
気流通口へは流入し難い。
【0013】第4の発明によれば、空気流通口から空気
室へ流入した動弁室内の空気は、チェーンダンパーのク
ッションゴムとヘッドカバーとの間の隙間を通ってから
吸気系へ導かれる。このため、前記クッションゴムが邪
魔となってオイルがこれに捕獲されるようになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図9に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係るブローバイ
ガス排出装置を採用した自動二輪車用エンジンの側面
図、図2はヘッドカバーをシリンダヘッに取付けた状態
を示す平面図、図3は本実施例で使用するエンジンのカ
ムチェーンや吸・排気弁用駆動装置の概略構成を示す断
面図、図4は図2におけるヘッドカバーのIV−IV線断面
図、図5は図4の要部を拡大して示す断面図、図6はチ
ェーンダンパーを示す図で、同図(a)は平面図、同図
(b)は側面図である。図7は図5におけるVII−VII線
断面図、図8は図5におけるVIII−VIII線断面図、図9
は図5におけるIX−IX線断面図、図10はチェーンダン
パーの斜視図である。
【0015】これらの図において、1は4サイクル4気
筒型の自動二輪車用エンジン、2はこのエンジン1のク
ランクケース、3は同じくシリンダボディ、4はシリン
ダヘッド、5はヘッドカバーである。このエンジン1
は、図1中に一点鎖線Aで示すシリンダ軸線をクランク
軸回りに不図示の車体の前方へ向けて傾斜させて形成さ
れている。クランク軸を図中符号1aで示す。
【0016】前記シリンダヘッド4の車体後方を向く後
面には吸気管6を介して気化器7が接続され、車体前方
を向く前面には排気管8が接続されている。前記気化器
7は吸気ダクト9およびエアクリーナ10を介して大気
に連通され、このエアクリーナ10のエアクリーナエレ
メント11によってろ過された空気が流入する構造にな
っている。エアクリーナエレメント11は略筒状に形成
され、空気が中空部から外周側のエアクリーナ10内空
間12へ流れることによって異物をろ過する従来周知の
構造になっている。
【0017】そして、このエアクリーナ10の底部に、
エアクリーナ10内空間12をクランクケース2の内方
空間と、ヘッドカバー5内の後述する動弁室にそれぞれ
連通するためのブリーザーパイプ13,14が接続され
ている。ブリーザーパイプ13の他端は、クランクケー
ス2の上部における車体左側となる部分に取付けられた
ニップル15に接続され、クランクケース2内のブロー
バイガスが流入するように構成されている。ブリーザー
パイプ14の他端は、ヘッドカバー5に取付けられたニ
ップル16に接続され、ヘッドカバー5内のブローバイ
ガスが流入するように構成されている。
【0018】ヘッドカバー5は、シリンダヘッド4の上
面にボルト止めされてシリンダヘッド4との間に図2に
示すように平面視略H字状の動弁室17を形成する構造
になっている。この動弁室17は、吸気カム軸18が収
容される吸気側カム室17aと、排気カム軸19が収容
される排気側カム室17bと、吸気・排気カム軸18,
19をクランク軸1aに連結するカムチェーン20が収
容されるチェーン室17cとを互いに連通させて形成さ
れている。前記ブリーザーパイプ14が接続されるニッ
プル16は、ヘッドカバー5におけるチェーン室17c
の上方となる部分に取付けられている。
【0019】前記吸気カム軸18および排気カム軸19
は長手方向中央部にカムチェーン用スプロケット18
a,19aがそれぞれ固着され、これらのスプロケット
18a,19aに図3に示すようにカムチェーン20が
巻掛けられている。なお、カムチェーン20は図3中に
矢印で示すように同図において左回りに回転される。ま
た、カムチェーン20は、シリンダボディ3に4つ並べ
て形成されたシリンダ孔3a〜3dのうち中央寄りのシ
リンダ孔3bとシリンダ孔3cとの間を通って上下に延
ばされている。すなわち、前記チェーン室17cは、こ
のカムチェーン20が延びる部分を介してクランクケー
ス2内に連通されることになる。なお、図3において符
号21はカムチェーン用ガイドを示し、22はカムチェ
ーン20に所定の張力をもたせるためのチェーンテンシ
ョナーを示す。
【0020】ヘッドカバー5におけるチェーン室17c
を形成する部分の上部には、カムチェーン20が上下に
振れるのを抑えてこれを吸気カム軸側スプロケット18
aから排気カム軸側スプロケット19aへ円滑に移動さ
せるためのチェーンダンパー23が固定ボルト24によ
って取付けられている。このチェーンダンパー23は、
金属板を断面略下向きコ字状に成形してなるベースプレ
ート25と、このベースプレート25の略全面にわたっ
て接着されてこれを覆うゴム体26とからカムチェーン
20の移動方向に沿って細長く形成されており、長手方
向中央部に固定ボルト24が貫通してヘッドカバー5に
固定されている。
【0021】前記ゴム体26は、ベースプレート25の
上面に接着される上部に、上方へ向けて突出するクッシ
ョンゴム27〜34がベースプレート25の長手方向に
間隔をおいて一体成形されている。また、このゴム体2
6におけるベースプレート25の左右両側面に接着され
てベースプレート25より下方へ延びるように形成され
た側部には、側方へ向けて突出するリップ35,35が
一体成形されている。前記8個のクッションゴム27〜
34は、それぞれ突出端部が図7および図9に示すよう
にヘッドカバー5におけるチェーン室17cの上壁36
に密着するように形成されている。この上壁36は図4
に示す側面視において上方へ向けて凸となるように湾曲
形成されているため、クッションゴム27〜34の高さ
寸法は、上壁36に対応して並設方向中央部に位置する
クッションゴム30,31が最も高く、並設方向両端側
へ向かうにしたがって次第に低くなっている。
【0022】また、これら8個のクッションゴム27〜
34のうち固定ボルト24より車体前方(図4において
左側)に位置するクッションゴム27〜30は、図7に
示すように、左右両側面とヘッドカバー5との間に隙間
Gが開くように形成されている。固定ボルト24より車
体後方(図4において右側)に位置するクッションゴム
31〜34は、図9に示すように突出端部に加えて左右
両側面もヘッドカバー5に密着するように形成されてい
る。言い換えれば、クッションゴム31〜34は、車体
左側の側部から突出端を通って車体右側の側部へ至る外
面の全域がヘッドカバー5の上壁36に密着している。
【0023】なお、前記固定ボルト24はベースプレー
ト25およびゴム体26の長手方向中央部に穿設された
ボルト穴37に下方から貫通され、ヘッドカバー5のボ
ルト受け部38に螺着されている。このボルト受け部3
8は、図4および図8に示すように、ヘッドカバー5の
上縁部からクッションゴム30,31の間となる部位を
下方へ向けて延在され、下面がチェーンダンパー23に
密着するよう平坦に形成されている。
【0024】前記リップ35は、図6(b)および図1
0に示すように、チェーンダンパー23の長手方向に沿
って延びる前後方向延在部35aと、この前後方向延在
部35aの吸気カム軸側(図4において右側)端部に連
なって上下方向へ延びる上下方向延在部35bとから側
面視略L字状に形成されている。そして、このリップ3
5の外側面(図4において紙面と平行な面)は、図7に
示すようにヘッドカバー5におけるチェーン室17cを
形成する側壁39に圧接されるように構成されている。
【0025】このように構成されたチェーンダンパー2
3をヘッドカバー5に取付けると、ヘッドカバー5内の
チェーン室17cの上方にこのチェーンダンパー23を
仕切りとして空気室40が形成されることになる。この
空気室40は、ヘッドカバー5のボルト受け部38より
車体前側に配設され、クッションゴム27〜30の間と
なる空間と、これらのクッションゴム27〜30の個々
とヘッドカバー5との間の隙間G等から構成されてお
り、チェーンダンパー23の前部とヘッドカバー5との
間に形成された隙間からなる空気流通口41を介してチ
ェーン室17cに連通されている。
【0026】この空気流通口41は、このエンジン1の
シリンダ軸線Aが図1に示すように前傾されている関係
から空気室40の最も低くなる部分に配設されている。
しかも、図3に示すように、空気流通口41はチェーン
ダンパー23におけるカムチェーン20の移動方向後側
に配設されることになる。
【0027】また、前記ブリーザーパイプ14が接続さ
れるニップル16は、この空気室40内をブリーザーパ
イプ14に連通するように、クッションゴム28,29
の間となる部分に配置されている。
【0028】次に、上述したように構成されたブローバ
イガス排出装置の動作について説明する。エンジン1が
運転されるときには既燃ガスや未燃ガスがピストンリン
グ(図示せず)とシリンダ孔壁面との間を通過してブロ
ーバイガスとなってクランクケース2内に流入する。一
方、エアクリーナ10には吸気負圧が作用して大気が吸
い込まれるようになり、これとともに2つのブリーザー
パイプ13,14にも吸気負圧が作用するようになる。
【0029】ブリーザーパイプ13に吸気負圧が作用す
ると、クランクケース2内に流入したブローバイガスの
一部がクランクケース2のニップル15からブリーザー
パイプ13を介してエアクリーナ10内におけるエアク
リーナエレメント11より下流側の空間12に吸入され
る。また、ブリーザーパイプ14に作用する吸気負圧
は、ブリーザーパイプ14のエンジン側端部に接続され
たニップル16を介して空気室40、空気流通口41、
動弁室17およびシリンダボディ3やシリンダヘッド4
内のカムチェーン収容空間を介してクランクケース2内
に伝播される。このため、ブリーザーパイプ13に吸い
込まれずにクランクケース2内に残ったブローバイガス
は、前記カムチェーン収容空間→動弁室17→空気流通
口41→空気室40→ニップル16→ブリーザーパイプ
14という経路を辿ってエアクリーナ10内の前記空間
12に吸入される。エアクリーナ10に導かれたブロー
バイガスは新気とともにエンジン1へ吸入されて燃焼さ
れることになる。
【0030】なお、エンジン1が運転されるときにカム
チェーン20が吸気カム軸18と排気カム軸19との間
で上下に振れると、この振れはチェーンダンパー23に
よって抑えられる。
【0031】したがって、ヘッドカバー5に取付けられ
るチェーンダンパー23が空気室40の下壁としても機
能するから、オイルがヘッドカバー5内からブリーザー
パイプ14を介してエアクリーナ10へ流れるのを防ぐ
に当たり新たな部品を追加する必要がない。このため、
オイルの流出を防ぐに当たって従来から使用されている
チェーンダンパーに一部改良を加えるだけで済むので、
コストアップを可及的に小さく抑えることができる。
【0032】また、エンジン1のシリンダ軸線Aを前傾
させ、空気流通口41を空気室40の最も低くなる部分
に配設したため、空気流通口41からオイルが空気室4
0内に流入したとしても、このオイルはニップル16の
空気入口(吸気系への連通部分)へは到達し難い。この
構成を採ることによりオイルが吸気系へ流入するのを可
及的に防ぐことができる。
【0033】さらに、空気流通口41をチェーンダンパ
ー23におけるカムチェーン20の移動方向後側に配設
したので、カムチェーン20が高速で移動することよっ
て飛散するオイルは、主にカムチェーン20の移動方向
へ飛ばされる関係から空気流通口41へは流入し難くな
る。この構成を採ることにより、オイルはより一層吸気
系に流入し難くなる。
【0034】さらにまた、チェーンダンパー23に設け
られるクッションゴム27〜30の左右両側面とヘッド
カバー5との間に隙間Gを設け、この隙間Gを空気室4
0の一部としたため、空気流通口41から空気室40へ
流入した動弁室17内の空気は、クッションゴム27,
28とヘッドカバー5との間の隙間Gを通ってからニッ
プル16に吸入される。このため、オイルが空気流に乗
って空気流通口41から空気室40に流入したとして
も、前記2つのクッションゴム27,28が邪魔となっ
てオイルはこれに捕獲されるようになる{図6(a)参
照}。この構成によってもオイルが吸気系に流入するの
を可及的に防ぐことができる。
【0035】加えて、本実施例ではチェーンダンパー2
3のゴム体26にリップ35を設けてこのリップ35を
ヘッドカバー5の側壁39に圧接させたため、空気室4
0の底部を確実にシールすることができるので、オイル
が側壁39を伝うようにして空気室40へ流入すること
がない。しかも、チェーンダンパー23にリップ35を
設けると、ヘッドカバー5とチェーンダンパー23に製
造上の公差があったとしても、チェーンダンパー23と
前記側壁39との間に隙間が開くのを確実に防ぐことが
できる。
【0036】その上、カムチェーン20をエンジン1の
クランク軸方向略中央に配設してチェーンダンパー23
および空気室40を車幅方向の略中央に位置づけたた
め、このエンジン1を搭載した自動二輪車がエンジン運
転状態で横倒しになったとしても、クランクケース2内
に溜められていたオイルがカムチェーン収容空間を通っ
てチェーン室17cを満たすようなことはないので、こ
の場合にもブローバイガスをエアクリーナ10へ排出す
ることができる。
【0037】さらに、本実施例ではチェーンダンパー2
3に設けられるクッションゴム27〜34のうちカムチ
ェーン20の移動方向前側となりカムチェーン20が当
たり易い部分に位置するクッションゴム31〜34を、
図9に示したように、左右方向一側から上側突出部を介
して左右方向他側へ至る外面の全域がヘッドカバー5に
密着するように構成したため、カムチェーン20から加
えられる力を緩衝する機能を充分に発揮することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るエ
ンジンのブローバイガス排出装置は、ヘッドカバーのカ
ムチェーン用チェーンダンパーを仕切りとしてヘッドカ
バー内のチェーン室上方に空気室を設け、この空気室を
前記チェーン室に空気流通口を介して連通させるととも
に、吸気系に連通させたため、ヘッドカバーに取付けら
れるチェーンダンパーが空気室の下壁としても機能する
から、オイルが吸気系へ流れるのを防ぐに当たり新たな
部品を追加する必要がない。
【0039】このため、オイルの流出を防ぐに当たって
従来から使用されているチェーンダンパーに一部改良を
加えるだけで済むので、コストアップを可及的に小さく
抑えることができる。その上、従来のヘッドカバーの構
造を何等変更する必要がないので、エンジン全高が高く
なることもない。
【0040】第2の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第1の発明に係るエンジンのブローバイ
ガス排出装置において、エンジンのシリンダをクランク
軸回りに傾斜させるとともに、空気流通口を空気室の最
も低くなる部分に配設したため、空気流通口からオイル
が空気室内に流入したとしても、このオイルは吸気系へ
の連通部分へは到達し難い。このため、オイルが吸気系
へ流入するのを可及的に防ぐことができる。
【0041】第3の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第1の発明または第2の発明に係るエン
ジンのブローバイガス排出装置において、空気流通口を
チェーンダンパーにおけるカムチェーンの移動方向後側
に配設したため、カムチェーンが高速で移動することよ
って飛散するオイルは、主にカムチェーンの移動方向へ
飛ばされるので、空気流通口へは流入し難くなる。この
ため、オイルはより一層吸気系に流入し難くなる。
【0042】第4の発明に係るエンジンのブローバイガ
ス排出装置は、第3の発明に係るエンジンのブローバイ
ガス排出装置において、チェーンダンパーの上部に、ヘ
ッドカバーの内面に当接するクッションゴムをカムチェ
ーンの移動方向に間隔をおいて複数突設するとともに、
空気室における吸気系へ連通される部分と空気流通口と
の間に臨ませ、この空気室内に臨むクッションゴムを、
その側面とヘッドカバーとの間に隙間が開くように形成
してこの隙間を空気室の一部としたため、空気流通口か
ら空気室へ流入した動弁室内の空気は、チェーンダンパ
ーのクッションゴムとヘッドカバーとの間の隙間を通っ
てから吸気系へ導かれる。
【0043】このため、前記クッションゴムが邪魔とな
ってオイルがこれに捕獲されるようになるので、オイル
が吸気系に流入するのを可及的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブローバイガス排出装置を採用
した自動二輪車用エンジンの側面図である。
【図2】 ヘッドカバーをシリンダヘッに取付けた状態
を示す平面図である。
【図3】 本実施例で使用するエンジンのカムチェーン
や吸・排気弁用駆動装置の概略構成を示す断面図であ
る。
【図4】 図2におけるヘッドカバーのIV−IV線断面図
である。
【図5】 図4の要部を拡大して示す断面図である。
【図6】 チェーンダンパーを示す図で、同図(a)は
平面図、同図(b)は側面図である。
【図7】 図5におけるVII−VII線断面図である。
【図8】 図5におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図5におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 チェーンダンパーの斜視図である。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…クランク軸、2…クランクケー
ス、3…シリンダボディ、4…シリンダヘッド、5…ヘ
ッドカバー、10…エアクリーナ、13,14…ブリー
ザーパイプ、17…動弁室、17c…チェーン室、20
…カムチェーン、23…チェーンダンパー、27〜34
…クッションゴム、35…リップ、40…空気室、41
…空気流通口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 67/06 G F16H 7/08 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドカバーのカムチェーン用チェーン
    ダンパーを仕切りとしてヘッドカバー内のチェーン室上
    方に空気室を設け、この空気室を前記チェーン室に空気
    流通口を介して連通させるとともに、吸気系に連通させ
    たことを特徴とするエンジンのブローバイガス排出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンのブローバイガ
    ス排出装置において、エンジンのシリンダをクランク軸
    回りに傾斜させるとともに、空気流通口を空気室の最も
    低くなる部分に配設したことを特徴とするエンジンのブ
    ローバイガス排出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のエンジン
    のブローバイガス排出装置において、空気流通口をチェ
    ーンダンパーにおけるカムチェーンの移動方向後側に配
    設したことを特徴とするエンジンのブローバイガス排出
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエンジンのブローバイガ
    ス排出装置において、チェーンダンパーの上部に、ヘッ
    ドカバーの内面に当接するクッションゴムをカムチェー
    ンの移動方向に間隔をおいて複数突設するとともに、空
    気室における吸気系へ連通される部分と空気流通口との
    間に臨ませてなり、この空気室内に臨むクッションゴム
    を、その側面とヘッドカバーとの間に隙間が開くように
    形成してこの隙間を空気室の一部としたことを特徴とす
    るエンジンのブローバイガス排出装置。
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