JPH08280341A - 乳酸発酵液の製造法 - Google Patents
乳酸発酵液の製造法Info
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- JPH08280341A JPH08280341A JP7112388A JP11238895A JPH08280341A JP H08280341 A JPH08280341 A JP H08280341A JP 7112388 A JP7112388 A JP 7112388A JP 11238895 A JP11238895 A JP 11238895A JP H08280341 A JPH08280341 A JP H08280341A
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- rice
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 米糠及び/又は玄米粉を原料として、栄養分
が豊富で、糠臭の少ない、風味の良好な乳酸発酵液の製
造法を提供する。 【構成】 米糠及び/又は玄米粉に水を加えて栄養分を
抽出することにより調製された処理液に、乳酸菌を接種
して発酵させ、得られた発酵液にガス体を接触させる
か、超音波を当てるか、又は放射線を照射することによ
り、脱臭処理を施して乳酸発酵液を製造する。米糠及び
/又は玄米粉からの上記処理液は、例えば、米糠及び/
又は玄米粉に水を加えた後、液化型アミラーゼを加え加
熱処理して予め澱粉を液化し、この処理液にセルラー
ゼ、プロテアーゼ及び糖化型アミラーゼを加えて酵素処
理し、この処理液を遠心分離又は濾過して油脂部分を除
去することにより調製するのが好ましい。
が豊富で、糠臭の少ない、風味の良好な乳酸発酵液の製
造法を提供する。 【構成】 米糠及び/又は玄米粉に水を加えて栄養分を
抽出することにより調製された処理液に、乳酸菌を接種
して発酵させ、得られた発酵液にガス体を接触させる
か、超音波を当てるか、又は放射線を照射することによ
り、脱臭処理を施して乳酸発酵液を製造する。米糠及び
/又は玄米粉からの上記処理液は、例えば、米糠及び/
又は玄米粉に水を加えた後、液化型アミラーゼを加え加
熱処理して予め澱粉を液化し、この処理液にセルラー
ゼ、プロテアーゼ及び糖化型アミラーゼを加えて酵素処
理し、この処理液を遠心分離又は濾過して油脂部分を除
去することにより調製するのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米糠及び/又は玄米粉
を原料とする乳酸発酵液の製造法に関するものであり、
更に詳しくは、糠臭の問題を解決した有用性のある乳酸
発酵液の製造法に関する。
を原料とする乳酸発酵液の製造法に関するものであり、
更に詳しくは、糠臭の問題を解決した有用性のある乳酸
発酵液の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】米は、古くから、日本人、広くはアジア
人の主食として食されている。現在、一般的に食されて
いる白米は、玄米を精米して、8重量%内外の米糠を除
去したものである。この米糠は、果皮、種皮、糊粉層、
胚芽等からなり、表1に示すように非常に栄養豊富であ
るが、特有の色、臭気(不快臭)、味(苦味、えがらっ
ぽい味)を有し、難消化性であることから、その一部が
搾油されるか飼料として用いられているだけで、大半は
破棄されている。また、玄米は、専用の炊飯器が必要と
なり、得られたご飯の食感がボソボソとしているため、
あまり食されていないのが現状である。なお、表1は、
「日本食品成分表(四訂版)、科学技術庁資源調査編」
による、玄米、白米及び米糠の可食部100 g当たりの各
種成分の値を示す。
人の主食として食されている。現在、一般的に食されて
いる白米は、玄米を精米して、8重量%内外の米糠を除
去したものである。この米糠は、果皮、種皮、糊粉層、
胚芽等からなり、表1に示すように非常に栄養豊富であ
るが、特有の色、臭気(不快臭)、味(苦味、えがらっ
ぽい味)を有し、難消化性であることから、その一部が
搾油されるか飼料として用いられているだけで、大半は
破棄されている。また、玄米は、専用の炊飯器が必要と
なり、得られたご飯の食感がボソボソとしているため、
あまり食されていないのが現状である。なお、表1は、
「日本食品成分表(四訂版)、科学技術庁資源調査編」
による、玄米、白米及び米糠の可食部100 g当たりの各
種成分の値を示す。
【0003】
【表1】
【0004】このように栄養豊かな玄米や米糠を、汎用
性のある飲食物に利用しようとする試みもなされてい
る。例えば、特開昭60−94057号には、赤糠、中
白糠を水に混合し、液化酵素及び糖化酵素を用いて分解
し、その上澄液を用いて乳酸発酵させる米糠乳酸菌飲料
の製造法が開示されている。
性のある飲食物に利用しようとする試みもなされてい
る。例えば、特開昭60−94057号には、赤糠、中
白糠を水に混合し、液化酵素及び糖化酵素を用いて分解
し、その上澄液を用いて乳酸発酵させる米糠乳酸菌飲料
の製造法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、米糠に
は、特有の糠臭があって、乳酸発酵によってもその糠臭
味は、完全に除去することが困難であり、例えば特開昭
60−94057号に開示された方法によっても、糠臭
を十分に除去することはできなかった。このように、米
糠や米糠成分を含有する玄米を食品原料として用いる場
合、良好な風味の製品を得ることが困難であるというネ
ックがあった。
は、特有の糠臭があって、乳酸発酵によってもその糠臭
味は、完全に除去することが困難であり、例えば特開昭
60−94057号に開示された方法によっても、糠臭
を十分に除去することはできなかった。このように、米
糠や米糠成分を含有する玄米を食品原料として用いる場
合、良好な風味の製品を得ることが困難であるというネ
ックがあった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、米糠及び/又は玄米を原料として、
それらの有する栄養分が効果的に抽出されると共に、米
糠や玄米の悪臭や悪味が著しく軽減された乳酸発酵液の
製造法を提供することにある。
ので、その目的は、米糠及び/又は玄米を原料として、
それらの有する栄養分が効果的に抽出されると共に、米
糠や玄米の悪臭や悪味が著しく軽減された乳酸発酵液の
製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、米糠及び/又は玄米
粉に水を加えて所定の方法で調整された処理液を乳酸発
酵させた後、ガス体を接触させるか、超音波を当てる
か、又は放射線を照射することにより、米糠や玄米の栄
養分が効果的に抽出されると共に、悪臭や悪味が著しく
軽減されることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
を達成するため鋭意研究した結果、米糠及び/又は玄米
粉に水を加えて所定の方法で調整された処理液を乳酸発
酵させた後、ガス体を接触させるか、超音波を当てる
か、又は放射線を照射することにより、米糠や玄米の栄
養分が効果的に抽出されると共に、悪臭や悪味が著しく
軽減されることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の乳酸発酵液の製造法
は、米糠及び/又は玄米粉に水を加え、所定の処理を施
して調製された処理液に乳酸菌を接種して発酵させる工
程と、得られた発酵液にガス体を接触させるか、超音波
を当てるか、又は放射線を照射する工程とを含むことを
特徴とする。
は、米糠及び/又は玄米粉に水を加え、所定の処理を施
して調製された処理液に乳酸菌を接種して発酵させる工
程と、得られた発酵液にガス体を接触させるか、超音波
を当てるか、又は放射線を照射する工程とを含むことを
特徴とする。
【0009】以下、本発明について、好ましい態様を挙
げて詳細に説明する。本発明においては、米糠及び/又
は玄米粉を主原料として用いる。米糠としては、玄米を
白米に精米する課程で除去される、米の種皮、糊粉層、
胚芽等を含む通常の米糠をそのまま用いることができ
る。また、玄米粉としては、玄米を粉砕して粉状にした
ものを用いることができる。米糠及び/又は玄米粉は、
上記した表1に示されるような栄養素を含有している。
なお、米糠、玄米粉は、新鮮なものを用いるのが好まし
い。
げて詳細に説明する。本発明においては、米糠及び/又
は玄米粉を主原料として用いる。米糠としては、玄米を
白米に精米する課程で除去される、米の種皮、糊粉層、
胚芽等を含む通常の米糠をそのまま用いることができ
る。また、玄米粉としては、玄米を粉砕して粉状にした
ものを用いることができる。米糠及び/又は玄米粉は、
上記した表1に示されるような栄養素を含有している。
なお、米糠、玄米粉は、新鮮なものを用いるのが好まし
い。
【0010】本発明においては、主原料として米糠及び
/又は玄米粉を用いるが、更に、小麦ふすま、トウモロ
コシ外皮、オカラ等を副原料として添加することもでき
る。これらの副原料の配合割合は、原料全体に対して1
〜50重量%が好ましい。
/又は玄米粉を用いるが、更に、小麦ふすま、トウモロ
コシ外皮、オカラ等を副原料として添加することもでき
る。これらの副原料の配合割合は、原料全体に対して1
〜50重量%が好ましい。
【0011】本発明においては、まず、上記米糠及び/
又は玄米粉に水を加えて栄養分を抽出することにより処
理液を調製する。この処理液は、特に、以下に示す二つ
の方法により調製するのが好ましい。これらのうち、一
方を第一の方法、他方を第二の方法として説明する。
又は玄米粉に水を加えて栄養分を抽出することにより処
理液を調製する。この処理液は、特に、以下に示す二つ
の方法により調製するのが好ましい。これらのうち、一
方を第一の方法、他方を第二の方法として説明する。
【0012】処理液を調製する第一の方法は、米糠及び
/又は玄米粉に水を加えた後、液化型アミラーゼを加え
て加熱処理することにより、予め澱粉を液化する工程
と、この処理液にセルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型
アミラーゼを加えて酵素処理する工程と、この処理液を
遠心分離又は濾過して油脂部分を除去する工程とからな
る。
/又は玄米粉に水を加えた後、液化型アミラーゼを加え
て加熱処理することにより、予め澱粉を液化する工程
と、この処理液にセルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型
アミラーゼを加えて酵素処理する工程と、この処理液を
遠心分離又は濾過して油脂部分を除去する工程とからな
る。
【0013】この方法においては、まず、最初の工程に
おいて、米糠及び/又は玄米粉に、必要に応じて副原料
を配合した後、水を加え、次いで、液化型アミラーゼを
加えてよく混合し、加熱処理することにより、予め澱粉
をある程度まで分解して液化する。水の添加量は、原料
全体に対して0.5 〜100 重量倍が好ましい。加熱処理
は、始め10〜90℃までは、3〜60分間程度かけてゆっく
り加熱し、その後、2〜30分間沸騰を続けるのが好まし
い。このようにして加熱処理することにより、原料中の
澱粉がα化されると共にある程度まで分解して液化さ
れ、後の工程で糊化するのが防止される。なお、液化型
アミラーゼとしては、α−アミラーゼが好ましく用いら
れる。
おいて、米糠及び/又は玄米粉に、必要に応じて副原料
を配合した後、水を加え、次いで、液化型アミラーゼを
加えてよく混合し、加熱処理することにより、予め澱粉
をある程度まで分解して液化する。水の添加量は、原料
全体に対して0.5 〜100 重量倍が好ましい。加熱処理
は、始め10〜90℃までは、3〜60分間程度かけてゆっく
り加熱し、その後、2〜30分間沸騰を続けるのが好まし
い。このようにして加熱処理することにより、原料中の
澱粉がα化されると共にある程度まで分解して液化さ
れ、後の工程で糊化するのが防止される。なお、液化型
アミラーゼとしては、α−アミラーゼが好ましく用いら
れる。
【0014】このようにして最初の工程を終えた後、次
の工程において、セルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型
アミラーゼを加えて更に酵素処理する。セルラーゼによ
り糠の組織の細胞壁が分解され、プロテアーゼにより蛋
白質が分解される。更に、糖化型アミラーゼにより、上
記工程で液化された澱粉が、グルコースなどに糖化され
る。糖化型アミラーゼとしては、グルコアミラーゼが好
ましく用いられる。なお、この工程においても、液化型
アミラーゼと糖化型アミラーゼとを併用して分解しても
よい。なお、これらの酵素は、いずれも市販されている
ので、その中から適宜選択して用いることができる。
の工程において、セルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型
アミラーゼを加えて更に酵素処理する。セルラーゼによ
り糠の組織の細胞壁が分解され、プロテアーゼにより蛋
白質が分解される。更に、糖化型アミラーゼにより、上
記工程で液化された澱粉が、グルコースなどに糖化され
る。糖化型アミラーゼとしては、グルコアミラーゼが好
ましく用いられる。なお、この工程においても、液化型
アミラーゼと糖化型アミラーゼとを併用して分解しても
よい。なお、これらの酵素は、いずれも市販されている
ので、その中から適宜選択して用いることができる。
【0015】酵素処理は、それぞれの酵素に応じた添加
量、温度、pH、時間を選択して行えばよく、処理条件
が同じであれば同時に添加して処理することもでき、ま
た、一種又は二種以上を添加して、二回以上に分けて処
理することもできる。なお、この酵素処理により、各種
ビタミン量が増加する。
量、温度、pH、時間を選択して行えばよく、処理条件
が同じであれば同時に添加して処理することもでき、ま
た、一種又は二種以上を添加して、二回以上に分けて処
理することもできる。なお、この酵素処理により、各種
ビタミン量が増加する。
【0016】酵素処理を終えた処理液は、次の工程にお
いて、遠心分離又は濾過により、油脂部分を除去する。
例えば遠心分離すると、水不溶性の沈殿物からなる下層
と、水溶液からなる上層と、油脂部分からなる最上層と
に分れるので、油脂部分からなる最上層を除くことがで
きる。このようにして、油脂成分を除去しておくことに
より、次の工程で行う乳酸発酵の際に、油脂成分が分
解、酸化されて糠臭、腐敗臭となったり、有毒化するの
が防止される。なお、下層の沈殿物と、上層の水溶液と
は、混合した状態で次の乳酸発酵を行い、その後、沈殿
物を除去することもできるが、この段階で、沈殿物をも
除去し、茶褐色透明の水溶液のみを乳酸発酵させること
がより好ましい。なお、上記沈殿物は、食物繊維質から
なり、本発明の主旨とは異なるが、この部分も機能性食
品として利用可能である。
いて、遠心分離又は濾過により、油脂部分を除去する。
例えば遠心分離すると、水不溶性の沈殿物からなる下層
と、水溶液からなる上層と、油脂部分からなる最上層と
に分れるので、油脂部分からなる最上層を除くことがで
きる。このようにして、油脂成分を除去しておくことに
より、次の工程で行う乳酸発酵の際に、油脂成分が分
解、酸化されて糠臭、腐敗臭となったり、有毒化するの
が防止される。なお、下層の沈殿物と、上層の水溶液と
は、混合した状態で次の乳酸発酵を行い、その後、沈殿
物を除去することもできるが、この段階で、沈殿物をも
除去し、茶褐色透明の水溶液のみを乳酸発酵させること
がより好ましい。なお、上記沈殿物は、食物繊維質から
なり、本発明の主旨とは異なるが、この部分も機能性食
品として利用可能である。
【0017】こうして得られた酵素処理液を、次の乳酸
発酵の工程における本培養液として用いるが、酵素処理
を終了した段階、又は油脂部分を除去した段階におい
て、必要に応じて、糖類を添加することもできる。糖類
としては、例えば、6炭糖類、5炭糖類、2糖類等を用
いることができる。
発酵の工程における本培養液として用いるが、酵素処理
を終了した段階、又は油脂部分を除去した段階におい
て、必要に応じて、糖類を添加することもできる。糖類
としては、例えば、6炭糖類、5炭糖類、2糖類等を用
いることができる。
【0018】なお、処理液は、本培養液として乳酸発酵
に用いる前に、公知の手段により滅菌処理をしておくの
が好ましい。通常は、オートクレーブ等に入れ、120 〜
130℃で、5〜20分間程度処理することにより充分な滅
菌がなされる。
に用いる前に、公知の手段により滅菌処理をしておくの
が好ましい。通常は、オートクレーブ等に入れ、120 〜
130℃で、5〜20分間程度処理することにより充分な滅
菌がなされる。
【0019】また、処理液を調製する第二の方法は、米
糠及び/又は玄米粉に水を加えて撹拌した後、濾過又は
遠心分離して抽出液を得る工程と、この抽出液に糖類を
添加する工程と、この抽出液を滅菌処理する工程とから
なる。
糠及び/又は玄米粉に水を加えて撹拌した後、濾過又は
遠心分離して抽出液を得る工程と、この抽出液に糖類を
添加する工程と、この抽出液を滅菌処理する工程とから
なる。
【0020】この方法においては、まず、米糠及び/又
は玄米粉に水又は温水を加えて撹拌し、濾過又は遠心分
離して固形分を除去して抽出液を得る。温水を用いる場
合、その温度は50〜100 ℃が好ましく、沸騰水を用いる
ことが更に好ましい。水又は温水の添加量は、米糠及び
/又は玄米粉の量が1〜50重量%となるようにすること
が好ましい。撹拌浸漬時間は、温水を用いた場合、0.1
〜5分間程度が好ましく、水を用いた場合、0.5 〜3時
間程度が好ましい。なお、遠心分離は、5000rpm 以上で
行うことが好ましい。
は玄米粉に水又は温水を加えて撹拌し、濾過又は遠心分
離して固形分を除去して抽出液を得る。温水を用いる場
合、その温度は50〜100 ℃が好ましく、沸騰水を用いる
ことが更に好ましい。水又は温水の添加量は、米糠及び
/又は玄米粉の量が1〜50重量%となるようにすること
が好ましい。撹拌浸漬時間は、温水を用いた場合、0.1
〜5分間程度が好ましく、水を用いた場合、0.5 〜3時
間程度が好ましい。なお、遠心分離は、5000rpm 以上で
行うことが好ましい。
【0021】次に、こうして得られた抽出液に糖類を添
加する。糖類の添加量は、0.1 〜10.0重量%が好まし
く、0.5 〜6.0 重量%がより好ましい。糖類の添加量
が、0.1重量%未満の場合、乳酸発酵を行う際に乳酸菌
の発酵力が弱くなり、10.0重量%を超えると、糖類及び
その分解物による代謝阻害(カタボリックリプレッショ
ン)が生じるという問題がある。また、糖類としては、
特にブドウ糖が好ましく、ブドウ糖を用いることによ
り、他の糖類に比較してより発酵力を高めることができ
る。
加する。糖類の添加量は、0.1 〜10.0重量%が好まし
く、0.5 〜6.0 重量%がより好ましい。糖類の添加量
が、0.1重量%未満の場合、乳酸発酵を行う際に乳酸菌
の発酵力が弱くなり、10.0重量%を超えると、糖類及び
その分解物による代謝阻害(カタボリックリプレッショ
ン)が生じるという問題がある。また、糖類としては、
特にブドウ糖が好ましく、ブドウ糖を用いることによ
り、他の糖類に比較してより発酵力を高めることができ
る。
【0022】なお、上記抽出液には、糖類の他、必要に
応じてビタミン類、酵素などを添加してもよい。
応じてビタミン類、酵素などを添加してもよい。
【0023】また、抽出液に糖類を添加した後、抽出液
のpHを3.5 〜8.0 に調整することが好ましい。pHの
調整は、例えば酸又はアルカリを適量添加することによ
って行うことができる。抽出液のpHが上記範囲を外れ
ると、後に行う乳酸菌による発酵が十分になされなくな
る。
のpHを3.5 〜8.0 に調整することが好ましい。pHの
調整は、例えば酸又はアルカリを適量添加することによ
って行うことができる。抽出液のpHが上記範囲を外れ
ると、後に行う乳酸菌による発酵が十分になされなくな
る。
【0024】こうして培養液を調製した後、公知の手段
により滅菌処理を行う。通常は、オートクレーブ等に入
れ、120 〜130 ℃で、5〜15分間程度処理することによ
り必要十分な滅菌がなされる。
により滅菌処理を行う。通常は、オートクレーブ等に入
れ、120 〜130 ℃で、5〜15分間程度処理することによ
り必要十分な滅菌がなされる。
【0025】上記第一の方法、第二の方法等により得ら
れた処理液に、次の工程で、乳酸菌を接種して発酵させ
る。
れた処理液に、次の工程で、乳酸菌を接種して発酵させ
る。
【0026】本発明において用いられる乳酸菌として
は、ラクトバシルス・ビフィズス(Lactobacillus bifid
us) 、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobacillus
acidophilus) が最も好ましいが、その他、ストレプト
コッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、ラク
トバシルス・ブルガリカス (Lactobacillus bulgaricu
s) 、ラクトバシルス・サンフランシスコ (Lactobacill
us sanfrancisco) 、ラクトバシルス・カゼイ (Lactoba
cillus casei)、ストレプトマイセス・ラクチス(Strept
omyces lactis) 等を用いることもできる。これらは、
単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
これらの乳酸菌の選択によって、最終的な発酵液の味、
香り、栄養素等を変化させることができる。なお、これ
らの乳酸菌は、いずれも公知の菌で、容易に入手するこ
とができる。
は、ラクトバシルス・ビフィズス(Lactobacillus bifid
us) 、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobacillus
acidophilus) が最も好ましいが、その他、ストレプト
コッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)、ラク
トバシルス・ブルガリカス (Lactobacillus bulgaricu
s) 、ラクトバシルス・サンフランシスコ (Lactobacill
us sanfrancisco) 、ラクトバシルス・カゼイ (Lactoba
cillus casei)、ストレプトマイセス・ラクチス(Strept
omyces lactis) 等を用いることもできる。これらは、
単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。
これらの乳酸菌の選択によって、最終的な発酵液の味、
香り、栄養素等を変化させることができる。なお、これ
らの乳酸菌は、いずれも公知の菌で、容易に入手するこ
とができる。
【0027】これらの乳酸菌は、予め前培養した後に、
上記本培養液に添加することが好ましい。例えば、牛乳
培地等を用いて、30〜40℃で7日間程度培養した後、こ
れを更にグルコース0.8 重量%、酵母エキス0.8 重量
%、ラクトース0.7 重量%からなる培地に殖菌して、30
〜40℃で2日間培養して前培養液を得る。そして、この
前培養液を、本培養液に1〜20重量%添加することが好
ましい。
上記本培養液に添加することが好ましい。例えば、牛乳
培地等を用いて、30〜40℃で7日間程度培養した後、こ
れを更にグルコース0.8 重量%、酵母エキス0.8 重量
%、ラクトース0.7 重量%からなる培地に殖菌して、30
〜40℃で2日間培養して前培養液を得る。そして、この
前培養液を、本培養液に1〜20重量%添加することが好
ましい。
【0028】そして、上記処理液を本培養液として、乳
酸菌を添加した後、常法にしたがって発酵を行う。培地
は静置培養が好ましいが、その他、撹拌振とう培養、通
気培養なども可能である。培養条件は、30〜40℃で、3
〜10日間程度とするのが好ましい。
酸菌を添加した後、常法にしたがって発酵を行う。培地
は静置培養が好ましいが、その他、撹拌振とう培養、通
気培養なども可能である。培養条件は、30〜40℃で、3
〜10日間程度とするのが好ましい。
【0029】米糠及び/又は玄米粉から調製された処理
液は、乳酸発酵させることにより、各種ビタミンの量が
増加し、特に、第一の方法によると、ニコチン酸又はニ
コチンアミド、パントテン酸、ピリドキシン(ビタミン
B6 )、チアミン(ビタミンB1 )、リボフラビン(ビ
タミンB2 )が、顕著に増加する。
液は、乳酸発酵させることにより、各種ビタミンの量が
増加し、特に、第一の方法によると、ニコチン酸又はニ
コチンアミド、パントテン酸、ピリドキシン(ビタミン
B6 )、チアミン(ビタミンB1 )、リボフラビン(ビ
タミンB2 )が、顕著に増加する。
【0030】次に、上記のようにして得られた発酵液
に、ガス体を接触させるか、超音波を当てるか、又は放
射線を照射する。これらの処理を行うことにより米糠及
び/又は玄米粉の有する特有の悪臭であるいわゆる糠臭
が著しく低減される。なお、発酵液は、そのままこれら
の処理を行うこともできるが、遠心分離又は濾過等によ
り、菌体などの固形分を除いておいてもよい。
に、ガス体を接触させるか、超音波を当てるか、又は放
射線を照射する。これらの処理を行うことにより米糠及
び/又は玄米粉の有する特有の悪臭であるいわゆる糠臭
が著しく低減される。なお、発酵液は、そのままこれら
の処理を行うこともできるが、遠心分離又は濾過等によ
り、菌体などの固形分を除いておいてもよい。
【0031】本発明において、発酵液にガス体を接触さ
せる方法としては、曝気、脱気、攪拌振盪等の方法が採
用される。
せる方法としては、曝気、脱気、攪拌振盪等の方法が採
用される。
【0032】発酵液を曝気する方法としては、人体に安
全なガス体、例えば空気、窒素、酸素、アルゴン等のガ
ス体を、例えばガス噴出器、スプレードライ機等を用い
て接触させる方法が好ましく用いられる。ガス体として
は、特に空気が好ましい。曝気をガス噴出器を用いて行
なう場合は、発酵液100ml 当たり5〜3000ml/ 分のガス
流量で、0.01〜25時間行うのが好ましい。
全なガス体、例えば空気、窒素、酸素、アルゴン等のガ
ス体を、例えばガス噴出器、スプレードライ機等を用い
て接触させる方法が好ましく用いられる。ガス体として
は、特に空気が好ましい。曝気をガス噴出器を用いて行
なう場合は、発酵液100ml 当たり5〜3000ml/ 分のガス
流量で、0.01〜25時間行うのが好ましい。
【0033】また、発酵液を脱気する方法としては、例
えば、凍結乾燥器、真空乾燥器、加熱減圧乾燥器等を用
いて減圧する方法が好ましい。脱気は、0.1 〜700mmHg
柱程度の減圧度で、0.01〜25時間程度行うのが好まし
い。脱気すると、発酵液中に溶存しているガス体が放出
され、そのときにガス体が発酵液と接触する。
えば、凍結乾燥器、真空乾燥器、加熱減圧乾燥器等を用
いて減圧する方法が好ましい。脱気は、0.1 〜700mmHg
柱程度の減圧度で、0.01〜25時間程度行うのが好まし
い。脱気すると、発酵液中に溶存しているガス体が放出
され、そのときにガス体が発酵液と接触する。
【0034】更に、発酵液を攪拌振盪する方法として
は、各種の攪拌混合機や、振盪機を用いて、発酵液を攪
拌又は振盪する方法が採用される。振盪は、往復振盪、
回転振盪のいずれでもよいが、往復振盪が好ましい。振
盪条件は、10〜300 回/分で、10分間〜5時間行うのが
好ましい。攪拌振盪によって、周囲の空気が発酵液中に
混合して、発酵液と接触する。
は、各種の攪拌混合機や、振盪機を用いて、発酵液を攪
拌又は振盪する方法が採用される。振盪は、往復振盪、
回転振盪のいずれでもよいが、往復振盪が好ましい。振
盪条件は、10〜300 回/分で、10分間〜5時間行うのが
好ましい。攪拌振盪によって、周囲の空気が発酵液中に
混合して、発酵液と接触する。
【0035】本発明において、発酵液に超音波を当てる
方法としては、公知の超音波発生機を用い、発酵液の容
器や、発酵液中に浸漬した発振器等を介して、発酵液に
超音波を付与すればよい。超音波の振動数は2万サイク
ル/秒以上が好ましい。超音波発生機として、例えば
「Ultrasonic generator US300」(商品名、株式会社日
本精機製作所製)を用いた場合、処理条件は、1〜500
μAで、0.1 〜300 分間とするのが好ましい。
方法としては、公知の超音波発生機を用い、発酵液の容
器や、発酵液中に浸漬した発振器等を介して、発酵液に
超音波を付与すればよい。超音波の振動数は2万サイク
ル/秒以上が好ましい。超音波発生機として、例えば
「Ultrasonic generator US300」(商品名、株式会社日
本精機製作所製)を用いた場合、処理条件は、1〜500
μAで、0.1 〜300 分間とするのが好ましい。
【0036】また、発酵液に放射線を照射する方法とし
ては、人体に危険が少ないα線、β線を照射するのが好
ましく、公知の放射線照射装置を用いて照射すればよ
い。
ては、人体に危険が少ないα線、β線を照射するのが好
ましく、公知の放射線照射装置を用いて照射すればよ
い。
【0037】このようにして、発酵液に、ガス体を接触
させるか、超音波を当てるか、又は放射線を照射するこ
とにより、無色透明に近く、米糠及び/又は玄米粉に起
因する臭いが少ない乳酸発酵液を得ることができる。
させるか、超音波を当てるか、又は放射線を照射するこ
とにより、無色透明に近く、米糠及び/又は玄米粉に起
因する臭いが少ない乳酸発酵液を得ることができる。
【0038】本発明の方法により得られる乳酸発酵液
は、そのまま飲料として摂取することができ、その場
合、必要に応じて、希釈したり、糖類、各種香料、着色
料、呈味成分、ゲル化剤、各種果汁等を添加して摂取す
ることもできる。また、この米糠乳酸発酵液は、ごは
ん、パン等の他の食品や、食品素材等に添加して用いる
こともできる。
は、そのまま飲料として摂取することができ、その場
合、必要に応じて、希釈したり、糖類、各種香料、着色
料、呈味成分、ゲル化剤、各種果汁等を添加して摂取す
ることもできる。また、この米糠乳酸発酵液は、ごは
ん、パン等の他の食品や、食品素材等に添加して用いる
こともできる。
【0039】
【作用】本発明の乳酸発酵液の製造法によれば、米糠及
び/又は玄米粉に水を加え、所定の処理を施して調製さ
れた処理液に乳酸菌を接種して発酵させることにより、
悪臭、異臭が少なく、乳酸発酵による風味が付与され、
米糠又は玄米粉中に含まれる栄養成分以上にビタミン類
等の栄養成分が増加した発酵液を得ることができる。ま
た、発酵液中に乳酸菌を含んだまま摂取すれば、乳酸菌
による腸内菌そうの改善も期待できる。
び/又は玄米粉に水を加え、所定の処理を施して調製さ
れた処理液に乳酸菌を接種して発酵させることにより、
悪臭、異臭が少なく、乳酸発酵による風味が付与され、
米糠又は玄米粉中に含まれる栄養成分以上にビタミン類
等の栄養成分が増加した発酵液を得ることができる。ま
た、発酵液中に乳酸菌を含んだまま摂取すれば、乳酸菌
による腸内菌そうの改善も期待できる。
【0040】そして、本発明では、得られた発酵液に、
更にガス体を接触させるか、超音波を当てるか、又は放
射線を照射することにより、乳酸発酵までの工程におい
てわずかに残存する悪臭、異臭化合物を、直接又は酸化
分解等により小分子化して、揮発成分として逸散させる
ことができる。また、油脂成分や脂肪酸の酸化分解物等
に起因する、人体に有害であるとされる、各種アルデヒ
ド、過酸化物、原子状酸素付加物、ローンペアなどを持
つ各種ラジカルも、分解酸化して安定かつ小分子化し、
揮発成分に変換して逸散させることができる。こうし
て、糠臭の少ない風味の良好な乳酸発酵液を得ることが
できる。
更にガス体を接触させるか、超音波を当てるか、又は放
射線を照射することにより、乳酸発酵までの工程におい
てわずかに残存する悪臭、異臭化合物を、直接又は酸化
分解等により小分子化して、揮発成分として逸散させる
ことができる。また、油脂成分や脂肪酸の酸化分解物等
に起因する、人体に有害であるとされる、各種アルデヒ
ド、過酸化物、原子状酸素付加物、ローンペアなどを持
つ各種ラジカルも、分解酸化して安定かつ小分子化し、
揮発成分に変換して逸散させることができる。こうし
て、糠臭の少ない風味の良好な乳酸発酵液を得ることが
できる。
【0041】なお、発酵液にガス体を接触させる方法と
しては、曝気、脱気、攪拌振盪等の方法が採用される
が、曝気の場合は流入させるガス体、脱気の場合は溶存
しているガス体、攪拌振盪の場合は周囲の空気が、乳酸
発酵液と接触して、上記糠臭の除去作用がなされる。ま
た、超音波を当てる、又は放射線を照射する場合は、そ
れらの高エネルギー波により、上記糠臭の除去作用がな
される。
しては、曝気、脱気、攪拌振盪等の方法が採用される
が、曝気の場合は流入させるガス体、脱気の場合は溶存
しているガス体、攪拌振盪の場合は周囲の空気が、乳酸
発酵液と接触して、上記糠臭の除去作用がなされる。ま
た、超音波を当てる、又は放射線を照射する場合は、そ
れらの高エネルギー波により、上記糠臭の除去作用がな
される。
【0042】更にまた、本発明では、米糠及び/又は玄
米粉を原料として用いるので、有効利用されにくかった
米糠を利用することができ、また、通常の処理方法では
食しにくかった玄米を利用することができる。
米粉を原料として用いるので、有効利用されにくかった
米糠を利用することができ、また、通常の処理方法では
食しにくかった玄米を利用することができる。
【0043】
実施例1(曝気により糠臭を除去した乳酸発酵液の製
造) 前記第一の方法により乳酸発酵液を調製した。なお、液
化型アミラーゼとしては、α−アミラーゼである「ユニ
アーゼBM80」(商品名、株式会社ヤクルト本社製)を
用い、糖化型アミラーゼとしては、グルコアミラーゼで
ある「ユニアーゼ30」(商品名、株式会社ヤクルト本社
製)を用い、セルラーゼとしては、「セルラーゼオノズ
カ3S」(商品名、株式会社ヤクルト本社製)を用い、
プロテアーゼとしては、「パンチターゼNP−2」(商
品名、株式会社ヤクルト本社製)を用いた。
造) 前記第一の方法により乳酸発酵液を調製した。なお、液
化型アミラーゼとしては、α−アミラーゼである「ユニ
アーゼBM80」(商品名、株式会社ヤクルト本社製)を
用い、糖化型アミラーゼとしては、グルコアミラーゼで
ある「ユニアーゼ30」(商品名、株式会社ヤクルト本社
製)を用い、セルラーゼとしては、「セルラーゼオノズ
カ3S」(商品名、株式会社ヤクルト本社製)を用い、
プロテアーゼとしては、「パンチターゼNP−2」(商
品名、株式会社ヤクルト本社製)を用いた。
【0044】まず、新鮮米糠に、その重量の5倍量の水
を加えた後、米糠に対して0.1 重量%のα−アミラーゼ
(ユニアーゼBM80)を加えて撹拌し、20分かけて90℃
まで加熱し、その後沸騰させて、10分間保持した。
を加えた後、米糠に対して0.1 重量%のα−アミラーゼ
(ユニアーゼBM80)を加えて撹拌し、20分かけて90℃
まで加熱し、その後沸騰させて、10分間保持した。
【0045】加熱終了後、50℃まで冷却し、米糠に対し
てそれぞれ0.5 重量%の、α−アミラーゼ(ユニアーゼ
BM80)、グルコアミラーゼ(ユニアーゼ30)及びセル
ラーゼ(セルラーゼオノズカ3S)と、米糠に対して0.
4 重量%のプロテアーゼ(パンチターゼNP−2)とを
添加し、50℃の恒温器中で、撹拌下に、24時間酵素処理
を行った。
てそれぞれ0.5 重量%の、α−アミラーゼ(ユニアーゼ
BM80)、グルコアミラーゼ(ユニアーゼ30)及びセル
ラーゼ(セルラーゼオノズカ3S)と、米糠に対して0.
4 重量%のプロテアーゼ(パンチターゼNP−2)とを
添加し、50℃の恒温器中で、撹拌下に、24時間酵素処理
を行った。
【0046】次いで、得られた酵素処理液を、5℃以下
に冷却し、4℃、5000rpm の条件下に遠心分離し、最上
層の油脂部分と、下層の沈殿部分とを分別除去して、茶
褐色透明溶液を得た。
に冷却し、4℃、5000rpm の条件下に遠心分離し、最上
層の油脂部分と、下層の沈殿部分とを分別除去して、茶
褐色透明溶液を得た。
【0047】次に、得られた溶液を、1L(リットル)
容三角フラスコに200 mlの割合で分注し、綿栓をした
後、オートクレーブで、120 ℃の条件下に、15分間高圧
滅菌処理した。これを乳酸発酵本培養液とする。
容三角フラスコに200 mlの割合で分注し、綿栓をした
後、オートクレーブで、120 ℃の条件下に、15分間高圧
滅菌処理した。これを乳酸発酵本培養液とする。
【0048】一方、ラクトバシルス・アシドフィルス、
ラクトバシルス・ビフィズス、ストレプトコッカス・フ
ェカリスを、それぞれ牛乳培地等を用いて、35〜40℃で
7日間程度培養した後、この一白金耳を更にグルコース
0.8 重量%、酵母エキス0.8重量%、ラクトース0.7 重
量%からなる培地に殖菌して、35〜40℃で2日間培養し
て3種類の前培養液を得た。
ラクトバシルス・ビフィズス、ストレプトコッカス・フ
ェカリスを、それぞれ牛乳培地等を用いて、35〜40℃で
7日間程度培養した後、この一白金耳を更にグルコース
0.8 重量%、酵母エキス0.8重量%、ラクトース0.7 重
量%からなる培地に殖菌して、35〜40℃で2日間培養し
て3種類の前培養液を得た。
【0049】この3種類の前培養液を、それぞれ、上記
乳酸発酵本培養液に、5重量%の割合で添加し、34〜40
℃で、8日間発酵させて、3種類の発酵液を得た。
乳酸発酵本培養液に、5重量%の割合で添加し、34〜40
℃で、8日間発酵させて、3種類の発酵液を得た。
【0050】発酵の進行に伴ない、培養0時間、32時
間、80時間、144時間、192時間で培養液の一部
を採取して、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン
(ビタミンB6 )、チアミン(ビタミンB1 )、リボフ
ラビン(ビタミンB2 )の含量を分析した。
間、80時間、144時間、192時間で培養液の一部
を採取して、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン
(ビタミンB6 )、チアミン(ビタミンB1 )、リボフ
ラビン(ビタミンB2 )の含量を分析した。
【0051】分析定量は、液体クロマトグラフ装置(株
式会社島津製作所製、検知器:紫外線分光光度計SPD
−6A(210nm) 、カラム:シンパックCLC−ODS
[M](4.6×250nm 、40℃) を用い、溶媒として1.2mM
オクタスルフォン酸ナトリウムの0.1 M リン酸バッファ
ー(pH2.1) 溶液とアセトニトリルとの9:1混液(流速
1.5ml /分)を用いて行なった。この結果を表2に示
す。
式会社島津製作所製、検知器:紫外線分光光度計SPD
−6A(210nm) 、カラム:シンパックCLC−ODS
[M](4.6×250nm 、40℃) を用い、溶媒として1.2mM
オクタスルフォン酸ナトリウムの0.1 M リン酸バッファ
ー(pH2.1) 溶液とアセトニトリルとの9:1混液(流速
1.5ml /分)を用いて行なった。この結果を表2に示
す。
【0052】
【表2】
【0053】表2の結果から、乳酸発酵の進行に伴な
い、各種のビタミンが顕著に増大することがわかる。
い、各種のビタミンが顕著に増大することがわかる。
【0054】次に、乳酸菌としてラクトバチルス・ビフ
ィズスを用い、発酵時間を240 時間として、上記の方法
で得られた発酵液について、ガス噴出器を用いて、発酵
液100ml 当たり5〜3000ml/ 分の範囲で流量を変えて空
気を送入し、それぞれ0.01〜25時間曝気して、脱臭処理
を施した。こうして得られた各種発酵液について、6名
のパネラーに糠臭の有無を評価させたところ、流量600m
l/分の空気で、1〜5時間曝気したものが、最も糠臭が
少ないことがわかった。
ィズスを用い、発酵時間を240 時間として、上記の方法
で得られた発酵液について、ガス噴出器を用いて、発酵
液100ml 当たり5〜3000ml/ 分の範囲で流量を変えて空
気を送入し、それぞれ0.01〜25時間曝気して、脱臭処理
を施した。こうして得られた各種発酵液について、6名
のパネラーに糠臭の有無を評価させたところ、流量600m
l/分の空気で、1〜5時間曝気したものが、最も糠臭が
少ないことがわかった。
【0055】なお、曝気に用いるガス体を、窒素、酸
素、アルゴンに代えて、同様に曝気を行ったところ、い
ずれの場合も糠臭の除去効果が認められた。しかし、空
気が最も効果があることがわかった。
素、アルゴンに代えて、同様に曝気を行ったところ、い
ずれの場合も糠臭の除去効果が認められた。しかし、空
気が最も効果があることがわかった。
【0056】実施例2(脱気により糠臭を除去した乳酸
発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml を用い、0.1 〜700mmHg 柱の範囲で減圧度を変え
て、それぞれ0.01〜25時間脱気して、脱臭処理を施し
た。こうして得られた各種発酵液について、6名のパネ
ラーに糠臭の有無を評価させたところ、減圧度40mmHg柱
で、1〜5時間脱気したものが、最も糠臭が少ないこと
がわかった。
発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml を用い、0.1 〜700mmHg 柱の範囲で減圧度を変え
て、それぞれ0.01〜25時間脱気して、脱臭処理を施し
た。こうして得られた各種発酵液について、6名のパネ
ラーに糠臭の有無を評価させたところ、減圧度40mmHg柱
で、1〜5時間脱気したものが、最も糠臭が少ないこと
がわかった。
【0057】実験例1 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml に対して、ガス噴出器を用いて空気流量を600ml/
分とし、曝気時間を1、3、5時間として曝気処理した
乳酸発酵液を得た。また、上記と同じ発酵液100ml を用
い、減圧度を40mmHg柱とし、脱気時間を1、3、5時間
として脱気処理した乳酸発酵液を得た。これらの発酵液
を、それぞれ、白米1合当たり6、9、12mlの割合で、
白米の炊飯時に水中に添加して炊飯米を得た。
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml に対して、ガス噴出器を用いて空気流量を600ml/
分とし、曝気時間を1、3、5時間として曝気処理した
乳酸発酵液を得た。また、上記と同じ発酵液100ml を用
い、減圧度を40mmHg柱とし、脱気時間を1、3、5時間
として脱気処理した乳酸発酵液を得た。これらの発酵液
を、それぞれ、白米1合当たり6、9、12mlの割合で、
白米の炊飯時に水中に添加して炊飯米を得た。
【0058】また、比較のため、白米に、曝気又は脱気
処理しない上記発酵液を同じ割合で添加して、上記と同
様に炊飯米を得た。更に、対照として、乳酸発酵液を添
加しないで炊飯米を得た。
処理しない上記発酵液を同じ割合で添加して、上記と同
様に炊飯米を得た。更に、対照として、乳酸発酵液を添
加しないで炊飯米を得た。
【0059】これらの炊飯米の炊飯直後の明度、色差、
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を測
定した。なお、表2の結果から、上記発酵液4ml中に
は、ビタミンB1 、パントテン酸等のビタミン類が、大
人1日の必要量を満足するだけ含まれていることにな
る。
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を測
定した。なお、表2の結果から、上記発酵液4ml中に
は、ビタミンB1 、パントテン酸等のビタミン類が、大
人1日の必要量を満足するだけ含まれていることにな
る。
【0060】明度、色差は、色差計(日本電色株式会社
製)を用いて測定した。明度は、白色板を基準として測
定し、色差は、明度、色相(色合い)、彩度の総合結果
から求めた。
製)を用いて測定した。明度は、白色板を基準として測
定し、色差は、明度、色相(色合い)、彩度の総合結果
から求めた。
【0061】この結果を図1(明度の測定結果)、図2
(色差の測定結果)に示す。図1、2から、曝気又は脱
気処理しない発酵液、曝気処理した乳酸発酵液、脱気処
理した乳酸発酵液を添加した炊飯米は、対照の炊飯米
(乳酸発酵液無添加)と比較して、明度、色差ともほと
んど変わらないことがわかる。
(色差の測定結果)に示す。図1、2から、曝気又は脱
気処理しない発酵液、曝気処理した乳酸発酵液、脱気処
理した乳酸発酵液を添加した炊飯米は、対照の炊飯米
(乳酸発酵液無添加)と比較して、明度、色差ともほと
んど変わらないことがわかる。
【0062】次に、硬さ、弾力性、凝集性、そしゃく
性、ガム性、粘度は、常法によりテクスチュロメーター
(株式会社全研製)を用いて測定した。すなわち、炊飯
米20gを直径4cmの円柱形容器に入れ、炊飯米の層高が
2cmになるように調整して、表3に示す条件で、プラン
ジャーを2回押し込んで、そのときのプランジャーにか
かる負荷を記録紙上に記録し、その測定グラフから以下
の計算方法でそれぞれの値を算出し、対照(発酵液無添
加の炊飯米)の値を100 %とする相対値で表わした。
性、ガム性、粘度は、常法によりテクスチュロメーター
(株式会社全研製)を用いて測定した。すなわち、炊飯
米20gを直径4cmの円柱形容器に入れ、炊飯米の層高が
2cmになるように調整して、表3に示す条件で、プラン
ジャーを2回押し込んで、そのときのプランジャーにか
かる負荷を記録紙上に記録し、その測定グラフから以下
の計算方法でそれぞれの値を算出し、対照(発酵液無添
加の炊飯米)の値を100 %とする相対値で表わした。
【0063】
【表3】
【0064】図9は、テクスチュロメーターでの測定グ
ラフの一例を示し、プランジャーにかかる負荷の変化を
示す曲線11には、プランジャーを最初に押し込んだと
きのピーク12と、2回目に押し込んだときのピーク1
3とが記載されている。
ラフの一例を示し、プランジャーにかかる負荷の変化を
示す曲線11には、プランジャーを最初に押し込んだと
きのピーク12と、2回目に押し込んだときのピーク1
3とが記載されている。
【0065】硬さ:図9に示す最初のピーク12の高
さH(mm)を求めて硬さとし、対照の値を100 %とする相
対値で示した。 弾力性:図9に示す最初のピーク12の立ち上がり位
置xと2回目のピーク13の立ち上がり位置yとの距離
aと、最初のピーク12の立ち上がり位置xと2回目の
ピーク13の最高位置zとの距離bを測定し、それらの
差(b−a)の値を求めた。この値について、対照の値
を100 %とする相対値で示した。 凝集性:図9に示す最初のピーク12の内側の面積A
と、2回目のピーク13の内側の面積Bとを求め、B/
Aの値を算出した。この値について、対照の値を100 %
とする相対値で示した。 そしゃく性:硬さ×弾力性×凝集性×100 の値を算出
し、対照の値を100 %とする相対値で示した。 ガム性:硬さ×凝集性×100 の値を算出し、対照の値
を100 %とする相対値で示した。 粘度:図9に示すCの面積(最初のピーク12の後の
マイナス領域の面積)を求め、対照の値を100 %とする
相対値で示した。
さH(mm)を求めて硬さとし、対照の値を100 %とする相
対値で示した。 弾力性:図9に示す最初のピーク12の立ち上がり位
置xと2回目のピーク13の立ち上がり位置yとの距離
aと、最初のピーク12の立ち上がり位置xと2回目の
ピーク13の最高位置zとの距離bを測定し、それらの
差(b−a)の値を求めた。この値について、対照の値
を100 %とする相対値で示した。 凝集性:図9に示す最初のピーク12の内側の面積A
と、2回目のピーク13の内側の面積Bとを求め、B/
Aの値を算出した。この値について、対照の値を100 %
とする相対値で示した。 そしゃく性:硬さ×弾力性×凝集性×100 の値を算出
し、対照の値を100 %とする相対値で示した。 ガム性:硬さ×凝集性×100 の値を算出し、対照の値
を100 %とする相対値で示した。 粘度:図9に示すCの面積(最初のピーク12の後の
マイナス領域の面積)を求め、対照の値を100 %とする
相対値で示した。
【0066】以上の測定結果を図3〜8に示す。図3は
曝気時間を変えた乳酸発酵液を6ml添加して炊飯後、各
物性を測定した場合、図4は脱気時間を変えた乳酸発酵
液を6ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合、図5
は曝気時間を変えた乳酸発酵液を9ml添加して炊飯後、
各物性を測定した場合、図6は脱気時間を変えた乳酸発
酵液を9ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合、図
7は曝気時間を変えた乳酸発酵液を12ml添加して炊飯
後、各物性を測定した場合、図8は脱気時間を変えた乳
酸発酵液を12ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合
の結果を示している。
曝気時間を変えた乳酸発酵液を6ml添加して炊飯後、各
物性を測定した場合、図4は脱気時間を変えた乳酸発酵
液を6ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合、図5
は曝気時間を変えた乳酸発酵液を9ml添加して炊飯後、
各物性を測定した場合、図6は脱気時間を変えた乳酸発
酵液を9ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合、図
7は曝気時間を変えた乳酸発酵液を12ml添加して炊飯
後、各物性を測定した場合、図8は脱気時間を変えた乳
酸発酵液を12ml添加して炊飯後、各物性を測定した場合
の結果を示している。
【0067】図3〜8において、●はそしゃく性、○は
凝集性、×は弾力性、□はガム性、◇は硬さ、△は粘度
を表す。
凝集性、×は弾力性、□はガム性、◇は硬さ、△は粘度
を表す。
【0068】図3〜8の結果から、曝気又は脱気処理し
た乳酸発酵液を、白米1合当たり6、9、12ml添加した
炊飯米は、乳酸発酵液を添加しない炊飯米と比較して、
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度と
も、それほど変わらないことがわかる。
た乳酸発酵液を、白米1合当たり6、9、12ml添加した
炊飯米は、乳酸発酵液を添加しない炊飯米と比較して、
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度と
も、それほど変わらないことがわかる。
【0069】実験例2 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml に対して、ガス噴出器を用いて空気流量を600ml/
分とし、曝気時間を1、3、5時間として曝気処理した
乳酸発酵液を得た。また、上記と同じ発酵液100ml を用
い、減圧度を40mmHg柱とし、脱気時間を1、3、5時間
として脱気処理した乳酸発酵液を得た。これらの発酵液
を、それぞれ、白米1合当たり6.3 、9.4 、12.5mlの割
合で、白米の炊飯時に水中に添加して炊飯米を得た。ま
た、比較のため、白米に、曝気又は脱気処理しない上記
発酵液を同じ割合で添加して炊飯米を得た。
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
100ml に対して、ガス噴出器を用いて空気流量を600ml/
分とし、曝気時間を1、3、5時間として曝気処理した
乳酸発酵液を得た。また、上記と同じ発酵液100ml を用
い、減圧度を40mmHg柱とし、脱気時間を1、3、5時間
として脱気処理した乳酸発酵液を得た。これらの発酵液
を、それぞれ、白米1合当たり6.3 、9.4 、12.5mlの割
合で、白米の炊飯時に水中に添加して炊飯米を得た。ま
た、比較のため、白米に、曝気又は脱気処理しない上記
発酵液を同じ割合で添加して炊飯米を得た。
【0070】得られた炊飯米をそれぞれ6人の経験豊か
なパネラーに試食させ、色、味、臭いについて評価させ
た。なお、味については、総合、甘み、酸味、糠臭の4
点で評価した。また、評価は表4に示す5段階で行い、
その平均を求めた。これらの結果を表5に示す。
なパネラーに試食させ、色、味、臭いについて評価させ
た。なお、味については、総合、甘み、酸味、糠臭の4
点で評価した。また、評価は表4に示す5段階で行い、
その平均を求めた。これらの結果を表5に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】表5の結果から、色、味、臭いにおいて、
乳酸発酵液の添加量が12.5mlの場合、改良が見られない
ものもあるが、全体的には、無処理のものより、脱気又
は曝気処理したもののほうがよくなり、特に味について
は、おいしくなることがわかる。
乳酸発酵液の添加量が12.5mlの場合、改良が見られない
ものもあるが、全体的には、無処理のものより、脱気又
は曝気処理したもののほうがよくなり、特に味について
は、おいしくなることがわかる。
【0074】実施例3(振盪により糠臭を除去した乳酸
発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
を、60往復/分の条件で振盪した。こうして得られた発
酵液について、6名のパネラーに糠臭の有無を評価させ
たところ、かなり糠臭が除去されるが、曝気又は脱気処
理よりはその効果がやや劣ることがわかった。
発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
を、60往復/分の条件で振盪した。こうして得られた発
酵液について、6名のパネラーに糠臭の有無を評価させ
たところ、かなり糠臭が除去されるが、曝気又は脱気処
理よりはその効果がやや劣ることがわかった。
【0075】実施例4(超音波を当てて糠臭を除去した
乳酸発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
に、100 μA、30分間の条件で超音波を付与した。こう
して得られた発酵液について、6名のパネラーに糠臭の
有無を評価させたところ、かなり糠臭が除去されるが、
曝気又は脱気処理よりはその効果がやや劣ることがわか
った。
乳酸発酵液の製造) 実施例1において乳酸菌としてラクトバチルス・ビフィ
ズスを用い、発酵時間を240 時間として得られた発酵液
に、100 μA、30分間の条件で超音波を付与した。こう
して得られた発酵液について、6名のパネラーに糠臭の
有無を評価させたところ、かなり糠臭が除去されるが、
曝気又は脱気処理よりはその効果がやや劣ることがわか
った。
【0076】実施例5(曝気により糠臭を除去した乳酸
発酵液の製造) 新鮮米糠に、米糠6重量%となるように沸騰水を加え、
3分間撹拌した後、直ちに濾過を行い、米糠抽出液を得
た。この抽出液に対して1重量%のブドウ糖を添加し、
更にpHを6.8 に調整した後、2L(リットル)用の三
角フラスコに500ml の割合で分注した。これを綿栓し、
オートクレーブに入れ、1.2 気圧、120℃で1分間滅菌
処理を行い、オートクレーブから出して放冷した。一
方、ラクトバシルス・アシドフィルスを牛乳培地におい
て0〜40℃で7日間培養し、更にグルコース0.8 %、酵
母エキス0.8 %、ラクトース0.7 %からなる培地に殖菌
して30〜40℃で2日間程度培養し、この前培養液を上記
三角フラスコに5〜10%量で添加し、34〜37℃で3〜7
日間培養した。培養液は、培養終期において2.5 〜3.5
のpH値を示し、発酵が十分に進行したことを示した。
発酵液の製造) 新鮮米糠に、米糠6重量%となるように沸騰水を加え、
3分間撹拌した後、直ちに濾過を行い、米糠抽出液を得
た。この抽出液に対して1重量%のブドウ糖を添加し、
更にpHを6.8 に調整した後、2L(リットル)用の三
角フラスコに500ml の割合で分注した。これを綿栓し、
オートクレーブに入れ、1.2 気圧、120℃で1分間滅菌
処理を行い、オートクレーブから出して放冷した。一
方、ラクトバシルス・アシドフィルスを牛乳培地におい
て0〜40℃で7日間培養し、更にグルコース0.8 %、酵
母エキス0.8 %、ラクトース0.7 %からなる培地に殖菌
して30〜40℃で2日間程度培養し、この前培養液を上記
三角フラスコに5〜10%量で添加し、34〜37℃で3〜7
日間培養した。培養液は、培養終期において2.5 〜3.5
のpH値を示し、発酵が十分に進行したことを示した。
【0077】この発酵液を3000rpm で遠心分離し、その
上澄液を得た。この上澄液を、上澄液100ml 当たり600m
l/分の流量の空気で、5時間曝気して、乳酸発酵液を得
た。
上澄液を得た。この上澄液を、上澄液100ml 当たり600m
l/分の流量の空気で、5時間曝気して、乳酸発酵液を得
た。
【0078】こうして得られた乳酸発酵液は、無色透明
に近い色を呈し、口当たりのよい酸味を有し、米糠臭は
ほとんどなかった。
に近い色を呈し、口当たりのよい酸味を有し、米糠臭は
ほとんどなかった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
米糠及び/又は玄米粉を原料として、糠臭がほとんどな
く、風味の良好な乳酸発酵液を製造することができる。
また、この発酵液は、各種ビタミン類等を豊富に含有
し、乳酸菌による腸内菌そうの改善も期待できる。この
発酵液は、そのまま又は果汁等の他の成分を添加して飲
料としたり、炊飯米等の食品等に添加して、各種ビタミ
ン類の補強剤として利用することができる。
米糠及び/又は玄米粉を原料として、糠臭がほとんどな
く、風味の良好な乳酸発酵液を製造することができる。
また、この発酵液は、各種ビタミン類等を豊富に含有
し、乳酸菌による腸内菌そうの改善も期待できる。この
発酵液は、そのまま又は果汁等の他の成分を添加して飲
料としたり、炊飯米等の食品等に添加して、各種ビタミ
ン類の補強剤として利用することができる。
【図1】本発明の方法によって製造した乳酸発酵液を添
加して炊飯した炊飯米の明度を、乳酸発酵液を添加しな
いで炊飯した炊飯米、及び脱臭処理しない乳酸発酵液を
添加して炊飯した炊飯米と比較して示す図表である。
加して炊飯した炊飯米の明度を、乳酸発酵液を添加しな
いで炊飯した炊飯米、及び脱臭処理しない乳酸発酵液を
添加して炊飯した炊飯米と比較して示す図表である。
【図2】本発明の方法によって製造した乳酸発酵液を添
加して炊飯した炊飯米の色差を、乳酸発酵液を添加しな
いで炊飯した炊飯米、及び脱臭処理しない乳酸発酵液を
添加して炊飯した炊飯米と比較して示す図表である。
加して炊飯した炊飯米の色差を、乳酸発酵液を添加しな
いで炊飯した炊飯米、及び脱臭処理しない乳酸発酵液を
添加して炊飯した炊飯米と比較して示す図表である。
【図3】本発明の方法において処理時間を変えて曝気処
理した乳酸発酵液を6ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を6ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図4】本発明の方法において処理時間を変えて脱気処
理した乳酸発酵液を6ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を6ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図5】本発明の方法において処理時間を変えて曝気処
理した乳酸発酵液を9ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を9ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図6】本発明の方法において処理時間を変えて脱気処
理した乳酸発酵液を9ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を9ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図7】本発明の方法において処理時間を変えて曝気処
理した乳酸発酵液を12ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を12ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図8】本発明の方法において処理時間を変えて脱気処
理した乳酸発酵液を12ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
理した乳酸発酵液を12ml/ 合添加して炊飯した炊飯米の
そしゃく性、凝集性、弾力性、ガム性、硬さ、粘度を示
す図表である。
【図9】炊飯米のそしゃく性、凝集性、弾力性、ガム
性、硬さ、粘度を求めるために使用したテクスチュロメ
ーターの測定グラフの一例を示す説明図である。
性、硬さ、粘度を求めるために使用したテクスチュロメ
ーターの測定グラフの一例を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:225) (C12P 1/04 C12R 1:23) (C12P 1/04 C12R 1:46)
Claims (5)
- 【請求項1】 米糠及び/又は玄米粉に水を加え、所定
の処理を施して調製された処理液に乳酸菌を接種して発
酵させる工程と、得られた発酵液にガス体を接触させる
か、超音波を当てるか、又は放射線を照射する工程とを
含むことを特徴とする乳酸発酵液の製造法。 - 【請求項2】 前記処理液が、米糠及び/又は玄米粉に
水を加えた後、液化型アミラーゼを加えて加熱処理する
ことにより、予め澱粉を液化する工程と、この処理液に
セルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型アミラーゼを加え
て酵素処理する工程と、この処理液を遠心分離又は濾過
して油脂部分を除去する工程とにより調製されたもので
ある請求項1記載の乳酸発酵液の製造法。 - 【請求項3】 前記処理液が、米糠及び/又は玄米粉に
水を加えて撹拌した後、ろ過又は遠心分離して抽出液を
得る工程と、この抽出液に糖類を添加する工程と、この
抽出液を滅菌処理する工程とにより調製されたものであ
る請求項1記載の乳酸発酵液の製造法。 - 【請求項4】 前記ガス体を接触させる方法が、曝気、
脱気、攪拌振盪から選ばれた方法である請求項1〜3の
いずれか一つに記載の乳酸発酵液の製造法。 - 【請求項5】 前記乳酸菌として、ラクトバシルス・ビ
フィズス(Lactobacillus bifidus) 、ラクトバシルス・
アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus) 、ストレ
プトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)か
ら選ばれた少なくとも一種を用いる請求項1〜4のいず
れか一つに記載の乳酸発酵液の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7112388A JPH08280341A (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 乳酸発酵液の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7112388A JPH08280341A (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 乳酸発酵液の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08280341A true JPH08280341A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=14585435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7112388A Pending JPH08280341A (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 乳酸発酵液の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08280341A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000070972A1 (en) * | 1999-05-21 | 2000-11-30 | Probi Ab | New composition |
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JP2004147639A (ja) * | 2002-09-05 | 2004-05-27 | Odashima:Kk | 咀嚼・嚥下訓練食,その製造方法およびその提供方法 |
WO2007076633A1 (en) * | 2005-12-30 | 2007-07-12 | Fusheng Dong | Food for enhancing human body ‘s cell function prepared by utilizing microorganism metabolization and process thereof |
JP2010162006A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Akita Univ | 糠臭が取り除かれた米糠浸出物の製造方法、糠臭が取り除かれた米糠浸出物、及びγ−アミノ酪酸の製造方法 |
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-
1995
- 1995-04-13 JP JP7112388A patent/JPH08280341A/ja active Pending
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KR102614938B1 (ko) * | 2023-03-30 | 2023-12-19 | 농업회사법인(주) 에이치엘바이오팜 | 유산균으로 발효된 미강을 주성분으로 하는 조성물및 이의 제조방법 |
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