JPH08277558A

JPH08277558A - 設備ユニット

Info

Publication number: JPH08277558A
Application number: JP8378895A
Authority: JP
Inventors: Hideki Kasai; 秀樹笠井; Kazunari Tsuda; 一成津田
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1995-04-10
Filing date: 1995-04-10
Publication date: 1996-10-22

Abstract

(57)【要約】【目的】出入口部と床部との段差を確実に少なくでき、
安全性が高く、しかも、清掃なども容易になる設備ユニ
ットを提供することを目的としている。【構成】防水パンにより床が構成され、壁，天井が組立
られてなる設備ユニットにおいて、防水パンは、その中
心軸を挟んで左右対称形状をしていて、防水パンの床部
が前記中心軸に直交する一側辺から他側辺に向かって下
り勾配になっているとともに、出入口部の壁の一部を構
成し前記床部の一側辺と略同じ高さの辺縁部が床部の前
記一側辺に対面して設けられており、かつ、この辺縁部
と前記床部の一側辺との間に排水溝が形成されている構
成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、設備ユニットに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】高齢になり、足腰や視力等が弱ってくる
と、家の中の少しの段差でも躓いて、転んだりする恐れ
がある。そこで、たとえば、浴室等の出入口の段差をで
きるだけなくし、このような事故を防止しようとして、
実開平６−３０２６７号公報のような設備ユニットが既
に提案されている。

【０００３】この設備ユニットでは、壁の一部をなす出
入口部を取り付け可能な防水パンの辺縁部の高さをでき
るだけ低くして、洗い場となる床部と出入口および隣室
の床面との段差をできるだけ無くすとともに、辺縁部に
沿って排水溝を設けてあって、この排水溝によって洗い
場から出入口方向に排水が流れ出ないようにしている。

【０００４】また、取り付けに際しては、排水溝を排水
用孔または隙間が設けられた蓋で覆うことで使用者が溝
に嵌まらないようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の設備ユ
ニットでは、防水パンの床部の３方に排水溝を設け、防
水パンの排水溝に沿う３方の何れにも出入口を設けるこ
とができるようにしているが、床部の一方向に下り勾配
が設けてあるため、出入口を勾配のある側に設けた場
合、出入口と防水パンの床部との間に勾配分の段差が生
じ、安全に出入りできなくなる恐れがある。

【０００６】また、３方の排水溝に蓋をしてあるが、排
水溝の清掃時には蓋を取り外さなければならならいとと
もに、蓋に設けられた排水孔または隙間にごみ等がひっ
かかるため、これらごみ等の清掃を行わなければなら
ず、浴室の清掃に非常に時間がかかると言う問題があ
る。本発明は、このような事情に鑑みて、出入口部と床
部との段差を確実に少なくでき、安全性が高く、しか
も、清掃なども容易になる設備ユニットを提供すること
を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項１の設備ユニットは、防水パ
ンにより床が構成され、壁，天井が組立られてなる設備
ユニットにおいて、防水パンは、その中心軸を挟んで左
右対称形状をしていて、防水パンの床部が前記中心軸に
直交する一側辺から他側辺に向かって下り勾配になって
いるとともに、出入口部の壁の一部を構成し前記床部の
一側辺と略同じ高さの辺縁部が床部の前記一側辺に対面
して設けられており、かつ、この辺縁部と前記床部の一
側辺との間に排水溝が形成されている構成とした。

【０００８】本発明の請求項２の設備ユニットは、上記
請求項１の設備ユニットの構成に加えて、壁を構成する
壁パネルのユニット室側の面をその下端から所望高さ位
置まで覆う耐水性部材からなるガード材を備えている構
成とした。本発明の請求項３の設備ユニットは、上記請
求項１の設備ユニットの構成に加えて、壁を構成する壁
パネルの下端が防水パンの辺縁部に沿って設けられた耐
水性材料からなる脚部材を介して所望高さに支持されて
いる構成とした。

【０００９】本発明の請求項４の設備ユニットは、上記
請求項１ないし請求項３の設備ユニットのいずれかの構
成に加えて、防水パンの床部に沿う排水溝と隔壁を介し
て分離され、上部に開口部を有するとともに、前記排水
溝と異なる排水孔を備えた側溝が、前記排水溝の外側に
設けられている構成とした。上記構成において、防水パ
ンの材質としては、特に限定されないが、一般的にガラ
ス繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）が挙げられる。

【００１０】ガード材および脚部材としては、特に限定
されないが、防水パンと同じ材質にすることが好まし
い。ガード材は、防水パンあるいは壁パネルに予め一体
化されていてもよい。

【００１１】

【作用】上記請求項１の設備ユニットの構成によれば、
出入口が床部の一側辺と、出入口部が設けられる辺縁部
の一縁部とが略同じ高さであるので、出入口と床部との
段差を殆どなくすことができる。そして、排水溝が床部
の一側辺に沿って設けられているので、防水パンの床部
に流れる洗い水等は、床部に設けられた勾配によって排
水溝とは逆側に設けられた排水孔へ流れ込む。また、排
水溝が出入口の前方に設けられているので、たとえ、洗
い水等が出入口側に飛び散ったりしても、洗い水がこの
排水溝に入り込み排水溝に設けられた排水孔を介して排
水される。

【００１２】上記請求項２の設備ユニットの構成によれ
ば、さらに、壁パネルの下端部がガード材によって、ユ
ニット室内の洗い水等からガードされる。上記請求項３
の設備ユニットの構成によれば、さらに、脚部材の長さ
を選ぶことで、壁パネルの下端位置を自由に調整するこ
とができる。上記請求項４の設備ユニットによれば、さ
らに、排水溝を越えて出入口側へ流れでた水が側溝に流
れ込んで排水される。また、排水溝と側溝とは、隔壁で
隔離されているとともに、排水孔も別に設けてあるた
め、排水溝に多量の水が流れ込んでも側溝側へは流れ込
むことがない。

【００１３】

【実施例】以下に、本発明を、その実施例をあらわす図
面を参照しつつ詳しく説明する。図１は本発明にかかる
設備ユニットの第１実施例をあらわしている。図１に示
すように、この設備ユニットＡは、防水パン１ａ、浴槽
２、ドア３および壁パネル４を備えている。

【００１４】防水パン１ａは、ＦＲＰで成形されてお
り、図２に示すように、中心軸Ｘを挟んで左右対称にな
っている。防水パン１ａの床部１２は、図３に示すよう
に、中心軸Ｘに直交する一側辺１３から他側辺１５に向
かって下り勾配になっている。床部１２の一側辺１３に
対面して、出入口部の壁の一部を構成する辺縁部１７が
設けられている。

【００１５】辺縁部１７は、床部１２の一側辺１３と略
同じ高さか少し高くなっている。また、床部１２の一側
辺１３と辺縁部１７との間には、排水溝１４が設けられ
ている。排水溝１４は、図４に示すように、中心軸Ｘ部
分に排水孔１４ａが設けられていて、底部１４ｂが両側
からこの排水孔１４ａに向かって下り勾配になってい
る。

【００１６】排水溝１４の両側は、床部１２の一側辺１
３および辺縁部１７より一段低くなっていて、図５に示
すように、段落部１４ｃ，１４ｄが形成されている。両
段落部１４ｃ，１４ｄは、着脱自在な目皿状の蓋５が受
けられるようになっているとともに、辺縁部１７側の段
落部１４ｄが、図５に示すように、ドア３の下枠３１の
裏面に設けられた脚部３２、あるいは、図６に示すよう
に、ドア３の側部の壁を構成する壁パネル４を支持する
支持部ともなっている。

【００１７】すなわち、ドア３は、辺縁部１７の所望位
置に取り付けられていて、図５に示すように、ドア３の
下枠３１が防水パン１ａの辺縁部１７から隣室の床６に
跨がるように配置されているとともに、下枠３１の裏面
に設けられた脚部３２が段落部１４ｄで支持されてい
る。また、壁パネル４は、図６に示すように、防水パン
１ａと同じ材質で形成された断面略Ｌ字形のガード材４
１を壁パネル４の下端面４ａからユニット室側の面４ｂ
にかけて沿わせるように設けた状態で、段落部１４ｄに
その下端が支持されている。

【００１８】すなわち、壁パネル４は、ユニット室側の
面４ｂがガード材４１によって下端から所望位置までガ
ードされている。また、図示していないが、ガード材４
１の上端部と壁パネル４の壁面、および、段落部１４ｄ
とガード材４１の下端の継ぎ目部分には、シール材が充
填されている。

【００１９】さらに、防水パン１ａは、図１および図２
に示すように、他側辺１５に沿って前記排水溝１４より
浅い排水溝１６が設けられているとともに、排水溝１６
の中心軸Ｘ部分に排水孔１６ａが設けられている。ま
た、図２〜図４に示すように、防水パン１ａの他側辺１
５に対面する立面壁１８ａ、中心軸Ｘに平行な立面壁１
８ｂ，１８ｃは、辺縁部１７より高く設けられていて、
その立面壁１８ａ，１８ｂ，１８ｃで構成される周壁の
上端部に設けられた受部１８ｄにユニット室の他の壁面
を構成する壁パネルが受けられるようになっている。

【００２０】この設備ユニットＡは、以上のようになっ
ており、床部１２に流れる洗い水等は、床部１２の下り
勾配に沿ってドア３とは反対側に流れ、排水溝１６を介
して排水孔１６ａから排水される。また、ドア３の下枠
３１と床部１２の一側辺１３とが略同じ高さで、かつ、
排水溝１４の上部に蓋５が設けられているので、隣室の
床６から浴室の床部１２にかけて殆ど段差がなくなり、
入浴者等が躓く事故を防止できる。しかも、床部１２の
一側辺１３に沿って深い排水溝１４が設けられているた
め、たとえ、浴槽２の水がオーバーフローしてドア３方
向へ流れ出ようとしても、目皿状の蓋５越しに排水溝１
４に流れ込み排水孔１４ａから排水され、ドア３越しに
隣室まで流れ出たりすることがない。

【００２１】さらに、壁パネル４のユニット室側の面４
ｂがその下端から所望高さ位置までガード材４１によっ
てガードされているため、壁パネル４の下端および裏面
への洗い水等の周り込みが極力抑えられて、補強フレー
ムなどが水濡れで腐食したりすることを防止できる。ま
た、防水パン１ａが左右対称になっているので、図７に
示すように、浴槽２と防水パン１ａの左右位置が異なる
配置でも、別の防水パンを別途用意する必要がなく、設
備コストも低減できる。

【００２２】また、蓋５が一か所にのみ設けられること
で、排水溝１４や蓋５の清掃を短時間で済ますことがで
き、浴室の清掃作業が楽になる。なお、ガード材４１
は、壁パネル４或いは防水パン１ａの製造時に壁パネル
４或いは防水パン１ａに一体に設けておくことも可能で
ある。図８は本発明にかかる設備ユニットの第２実施例
をあらわしている。

【００２３】図８に示すように、この設備ユニットＢ
は、段落部１４ｄに脚部材７が受けられ、この脚部材７
の上端面にドア３の側部の壁を構成する壁パネル４′を
支持させるようにした以外は、第１実施例の設備ユニッ
トＡと同様になっている。すなわち、この設備ユニット
Ｂでは、脚部材７の上端部の位置を立面壁１８ａ，１８
ｂ，１８ｃの上端部の受部と同じ高さにして、壁パネル
４′をユニット室の他の壁面を構成する壁パネルと共用
して製造コストを低減できるようにしているとともに、
床部１２より壁パネル４′の下端の位置が高くなり、壁
パネル４′の下端の水濡れを抑えることができるように
なっている。

【００２４】図９は本発明にかかる設備ユニットの第３
実施例をあらわしている。図９に示すように、この設備
ユニットＣは、防水パン１ｂが、排水溝１４の外側に沿
って隔壁１４ｅを介して排水溝１４と隔離された側溝１
９を備えていて、ドア３の下枠３３の一部に側溝１９の
上部開口部１９ａを臨むように透水孔３３ａが設けられ
ている以外は、第１実施例の設備ユニットＡと同様にな
っている。

【００２５】この設備ユニットＣによれば、床部１２で
の洗い水が万一排水孔１４の部分を越えて、ドア３′の
下枠３３越しに隣室の床６へ流れ出ようとしても、下枠
３３に設けた透水孔３３から側溝１９へ流れ落ち、側溝
１９に設けた排水孔１９ｂから排水され、隣室側へ浴室
側の水が漏れでないようになっている。また、側溝１９
が排水溝１４と隔壁１４ｅを介して完全に隔離されてい
るので、排水溝１４に多量の水が流れ込んでも、側溝１
９側から溢れ出るということがない。

【００２６】図１０は本発明にかかる設備ユニットの第
４実施例をあらわしている。図１０に示すように、この
設備ユニットＤは、防水パン１ｃが床部１２の浴槽２の
反対側の一側辺１３に沿って排水溝１４が設けられてい
る以外は、第１実施例の設備ユニットＡと同様になって
いる。この設備ユニットＤによれば、ドア３の位置を左
右いずれの位置にも設けることができる。

【００２７】本発明にかかる設備ユニットは、上記の実
施例に限定されない。たとえば、上記の実施例では、床
部の他側辺に沿っても浅い排水溝を設けていたが、排水
溝は設けず、排水孔のみでも構わない。上記の実施例で
は、ドアの下枠が全く平であったが、浴室側に若干の下
り勾配を設けても構わない。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されてお
り、請求項１の設備ユニットは、出入口と床部との段差
がなく、出入りする際に段差で躓いて転んだりする事故
が防止できる。また、浴室側の洗い水等が隣室に漏れ出
ることもない。しかも、排水溝の蓋が一か所のみでよ
く、浴室内の清掃が容易である。また、防水パンが左右
対称に設けられているため、１種類の防水パンでいろい
ろなパターンのユニット室を得ることができ、設備コス
トを低減することができる。

【００２９】請求項２の設備ユニットは、上記請求項１
の設備ユニットの効果に加えて、壁パネルの下端がユニ
ット室側の洗い水等に濡れることを極力防止し、壁パネ
ルの耐久性を向上させることができると言う効果を奏す
る。請求項３の設備ユニットは、上記請求項１の設備ユ
ニットの効果に加えて、壁パネルの下端がユニット室側
の洗い水等に濡れることを極力防止し、壁パネルの耐久
性を向上させることができるとともに、設備ユニット全
体の壁パネルを同一品とすることができ、設備コストを
低減できると言う効果を奏する。

【００３０】請求項４の設備ユニットは、上記請求項１
〜請求項３の設備ユニットのいずれかの効果に加えて、
隣室への水漏れをより確実に防止できると言う効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる設備ユニットの第１実施例をあ
らわす平面図である。

【図２】図１の設備ユニットの防水パンの平面図であ
る。

【図３】図２の中心軸Ｘで切断した断面図である。

【図４】図２のＹ−Ｙ線断面図である。

【図５】図１の設備ユニットのドア部の断面図である。

【図６】図１の設備ユニットの壁パネル部の断面図であ
る。

【図７】図１の設備ユニットの浴室と防水パンの位置を
左右逆にした態様の平面図である。

【図８】本発明にかかる設備ユニットの第２実施例をあ
らわし、その要部断面図である。

【図９】本発明にかかる設備ユニットの第３実施例をあ
らわし、その要部断面図である。

【図１０】本発明にかかる設備ユニットの第４実施例を
あらわす平面図である。

【符号の説明】

Ａ設備ユニットＢ設備ユニットＣ設備ユニットＤ設備ユニットＸ中心軸１ａ防水パン１ｂ防水パン１ｃ防水パン１２床部１３一側辺１４排水溝１４ａ排水孔１４ｅ隔壁１５他側辺１９側溝１９ａ開口部１９ｂ排水孔３ドア（出入口）４壁パネル４′ 壁パネル４ｂユニット室側の面４１ガード材５蓋７脚部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】防水パンにより床が構成され、壁，天井が
組立られてなる設備ユニットにおいて、防水パンは、そ
の中心軸を挟んで左右対称形状をしていて、防水パンの
床部が前記中心軸に直交する一側辺から他側辺に向かっ
て下り勾配になっているとともに、出入口部の壁の一部
を構成し前記床部の一側辺と略同じ高さの辺縁部が床部
の前記一側辺に対面して設けられており、かつ、この辺
縁部と前記床部の一側辺との間に排水溝が形成されてい
ることを特徴とする設備ユニット。
【請求項２】壁を構成する壁パネルのユニット室側の面
をその下端から所望高さ位置まで覆う耐水性部材からな
るガード材を備えている請求項１に記載の設備ユニッ
ト。
【請求項３】壁を構成する壁パネルの下端が防水パンの
辺縁部に沿って設けられた耐水性材料からなる脚部材を
介して所望高さに支持されている請求項１に記載の設備
ユニット。
【請求項４】防水パンの床部に沿う排水溝と隔壁を介し
て分離され、上部に開口部を有するとともに、前記排水
溝と異なる排水孔を備えた側溝が、前記排水溝の外側に
設けられている請求項１ないし請求項３のいずれかに記
載の設備ユニット。