JPH08275727A - 油脂組成物及びそれを含む水中油型乳化物 - Google Patents

油脂組成物及びそれを含む水中油型乳化物

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JPH08275727A
JPH08275727A JP7081041A JP8104195A JPH08275727A JP H08275727 A JPH08275727 A JP H08275727A JP 7081041 A JP7081041 A JP 7081041A JP 8104195 A JP8104195 A JP 8104195A JP H08275727 A JPH08275727 A JP H08275727A
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弘之 郡司
Masahiro Nishitani
昌弘 西谷
Hamayo Nishikawa
浜代 西川
Masayuki Yamaguchi
正之 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ココナッツミルクの持つココナッツ芳香風味と
コク味のある乳味感を有するが、嫌われる苦味やエグ味
が少なく物性的欠点のない、使い勝手良好なココナッツ
素材を提供すること。 【構成】ココナッツミルク由来の未精製油10〜90重量%
と粉乳90〜10重量%および砂糖0〜50重量%を含んで成
る油脂組成物、および当該油脂組成物5〜80重量%と水
95〜20重量%とを含む水中油型乳化物。 【効果】本発明により、刺激的な苦味やエグ味が極めて
少なく乳味的コク味を呈したココナッツ風味を有し、各
種の洋菓子、和菓子、焼菓子、アイスクリーム等の菓子
類や調理、飲料等、あらゆる食品製造に好適な油脂組成
物および当該油脂組成物を使用した水中油型乳化物を提
供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油脂組成物およびそれを
含む水中油型乳化物に関し、特に洋菓子、和菓子、焼菓
子、アイスクリーム等の菓子類や調理、飲料等、あらゆ
る食品製造に好適な油脂組成物および当該油脂組成物を
含む水中油型乳化物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、南方系植物のココナッツ(ここや
し)を原料とし、果実の胚乳(果肉)からココナッツミ
ルクを、胚乳液(果汁)からはココナッツウォーター
を、そしてココナッツウォーターからは、これを発酵し
てナタデココを、など各種のココナッツ素材を使用した
飲食品が多くみられるようになってきた。この中で菓
子、調理、デザートを問わず広範囲に使用できるのがコ
コナッツミルクである。
【0003】ココナッツミルクは適度に成熟したココナ
ッツ果実の胚乳部分(果肉部)をすりおろし、圧搾する
ことによって得ることができ、組成的には油脂分約10
%〜30%、固形分数%〜10%程度で残余が水分であ
り、基本的には水中油型の白色液体である。特に、油脂
分、固形分の多いココナッツミルクをココナッツクリー
ムと呼ぶことがある。また、ココナッツミルクをスプレ
ードライすることによって粉体状のココナッツミルクパ
ウダーを得ることもできる。
【0004】これらのココナッツミルクは、乳味的芳香
感のあるコク味がある反面、刺激的な苦味、エグ味があ
り、このためココナッツミルクに対する評価が別れ、必
ずしも広範に好まれるものではない。ココナッツミルク
を菓子類、あるいは調理等の食品素材に使用する際、牛
乳、粉乳等でマイルドな風味にマスキング、修正される
ことが多くみられる。
【0005】さらに、ココナッツミルク自体は、液状で
あるため物性的には流通保管中しばしば分離現象がみら
れ、使用時にはその都度攪拌混合しなければならないこ
と、粉体品はこれを水系に利用する場合に加熱なしには
容易に溶解しないこと等、使用に際し問題点があった。
【0006】一方、ココナッツミルク濃縮物(ココナッ
ツクリーム)から油脂分を分離することにより、ココナ
ッツ芳香風味を有するココナッツミルク由来の未精製油
を得ることができる。ココナッツミルクから油脂分を分
離するには数工程を要し、またココナッツクリームに含
まれる油脂分の含有量が少ないため、生産量は少なく、
比較的高価な製品である。このため、当該未精製油は従
来より高価格が期待出来る化粧品に使用され、食用とし
ては未開発素材であった。
【0007】また、このような未精製油は、風味的には
ココナッツ芳香風味を有する反面、固形分を除去してい
るため苦味と同時にコク味も除去されていてアッサリし
ており、このまま食用素材にするにはココナッツ風味の
薄いものである。
【0008】ところで、原料由来の香りや風味を有する
バージンオイル20〜80重量%と水相80〜20重量%とを、
該水相に対し馬鈴薯でんぷん酵素分解物10〜60重量%を
使用して製造した油中水型乳化物が特開平4-36393 号と
して提案されている。
【0009】また、特開平4-11838 号には各種未精製油
に酸化安定化油、例えば硬化油を特定量配合することに
よって風味安定、且つ酸化安定な油脂組成物を得ること
が開示されている。ここにココナッツミルクより得られ
る未精製油を使用すればココナッツ素材になるが、他の
油脂を配合したり、馬鈴薯でんぷんを使用しても、乳味
感のあるコク味に欠け、食用素材としてはやはり満足す
るものが得られていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はココナッツミ
ルクの持つココナッツ芳香風味とコク味のある乳味感を
有するが、嫌われる苦味やエグ味が少なく日本人に好ま
れるココナッツ素材、また、従来のココナッツミルクに
みられる物性的欠点のない、使い勝手良好なココナッツ
素材を得ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ココナッ
ツミルク由来の未精製油に粉乳や砂糖を含有させること
によって、従来の欠点を克服したココナッツ素材が得ら
れるとの知見を得、本発明を完成した。
【0012】即ち、本発明は、ココナッツミルク由来の
未精製油10〜90重量%と粉乳(脱脂粉乳または全脂粉
乳)90〜10重量%および砂糖0〜50重量%を含んで成る
油脂組成物、および当該油脂組成物5〜80重量%と水95
〜20重量%とを含む水中油型乳化物、である。
【0013】本発明によれば、ココナッツミルクより分
離した未精製油は従来化粧品用途であったが、成分およ
び組成的には食用素材としても問題ない品質を有する。
当該未精製油はココナッツミルクの固形分がなく、刺激
的な苦味やエグ味が減少しているが同時に乳味的コク味
も減少しているので、これに粉乳(脱脂粉乳や全脂粉
乳)を加え混合することによって、ココナッツミルク由
来のココナッツ芳香風味と乳味的コク味感を付与し、苦
味やエグ味の除去された、理想的なココナッツ素材とな
し得る。
【0014】本発明においては、粉乳を配合することに
より洋菓子等菓子類や調理でしばしば併用される牛乳風
味をあらためて使用する必要もないという効果も有す
る。さらに、砂糖を使用することで甘味も付与され、コ
コナッツ芳香風味、コク味、甘味、の三拍子揃った素材
とすることができる。
【0015】本発明における油脂組成物は、ココナッツ
ミルク由来の未精製油を組成物全量に対し10〜90重量
%、粉乳を90〜10重量%、砂糖を0〜50重量%含むもの
である。未精製油の含量が少ないとココナッツ芳香風味
が弱く、また粉乳の含量が多いと乳味感が強すぎ、ココ
ナッツ風味を阻害するようになる。
【0016】また、粉乳が少ないとコクのある乳味が出
ない。砂糖は多すぎると甘すぎココナッツ風味を阻害す
るようになり、本発明の目的とする美味しさを損なうも
のになるため、好ましくない。
【0017】この油脂組成物を基本として 5〜80重量
%、残余を水とし、レシチン等の乳化剤を使用して、ホ
モゲナイザー等でミキシングすることにより水中油型乳
化物を得る。これは従来のココナッツミルクの持つ物性
的な欠点、即ち固形分分離による使い勝手の悪さと風味
的な欠点、即ち苦味・エグ味をカットした、いわば日本
向け改良ココナッツミルクといえる。水中油型乳化物で
あるので、水を多量に配合する食品、例えばゼリー、ム
ース等のデザート・洋菓子等向けの素材となり得る。
【0018】以上の油脂組成物および水中油型乳化物に
関し、望ましい物性や風味を得るために他の素材、例え
ばココナッツフレーバー、小麦粉、卵素材、スターチ類
および他の植物/動物性油脂を併用してもよい。さらに
所望によりココナッツミルク類、すなわちココナッツミ
ルクそのもの、またはココナッツミルクから副生する各
種成分類を併用することもできる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をより
詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定
されるものではない。なお例中の%及び部はいずれも重
量基準を意味する。
【0020】実施例1〜4、比較例1〜3 以下の配合で油脂組成物を調製し風味確認を行った。 ──────────────────────────────────── 実験番号 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── 〔配合〕 ココナッツ 5 % 15 % 50 % 85 % 95 % 50 % 20 % 未精製油 脱脂粉乳 95 85 50 15 5 20 15 砂糖 0 0 0 0 0 30 60 ──────────────────────────────────── 〔風味〕 ココナッツ 風味 × ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 乳味感 ◎ ◎ ◎ ◎ × ○ ○ 甘味の − − − − − ○ × バランス ──────────────────────────────────── 〔総合判定〕 不可 合 合 合 不可 合 不可 ──────────────────────────────────── 風味評価:◎ 風味強く出る,○ 風味出る、× 風味出ない
【0021】風味のバランスから実験番号 2、 3、 4、
6が良好な範囲、 1、 5、 7は風味的バランスに欠いて
いる。実験番号 2、 3、 4、 6が各々実施例1,2,
3,4であり、実験番号 1、 5、 7が各々比較例1,
2,3である。
【0022】実施例5、比較例4、5 実験番号 1、 3、 5の油脂組成物をベースに水中油型乳
化物を試作した。○乳化物配合 油脂組成物 25 % 水 75 レシチン 0.04 シュガーエステル 0.04
【0023】○製法 予備乳化 → 均質化 → 低温殺菌 → 均質化 → 冷却 これらを使用し、ソフトアイテムとしてゼリーを試作、
風味評価した。
【0024】○ゼリー配合 乳化物 60 部 水 40 ライトトッピングSV* 60 砂糖 12 板ゼラチン 2 ─────────────────────────
── *ライトトッピングSV:不二製油(株)製の植物性ク
リーム
【0025】○製法 1)乳化物と水、砂糖、ライトトッピングSVを混ぜて沸
騰させ、裏ごしする。 2)これに予め水でふやかした板ゼラチンを溶かし込む。 3)とろみがつくまで冷却し、型入れ後冷蔵庫で固化させ
る。
【0026】 ○評価 ───────────────────────────── 実験番号 11 12 13 ───────────────────────────── 〔風味〕 ココナッツ 風味 × ○ ○ 乳味感 ○ ○ × ───────────────────────────── 〔総合判定〕 不可 合 不可 ───────────────────────────── 風味評価: ○ 風味出る,× 風味出ない
【0027】以上の評価からも明らかなように、乳化物
の風味も同じ傾向を示した。なお、実験番号11、13はそ
れぞれ比較例4および5、実験番号12は実施例5であ
る。
【0028】
【発明の効果】以上の如く、本発明における油脂組成物
および当該油脂組成物を使用した水中油型乳化物は、刺
激的な苦味やエグ味が極めて少なく乳味的コク味を呈し
たココナッツ風味を有しており、各種の洋菓子、和菓
子、焼菓子、アイスクリーム等の菓子類や調理、飲料
等、あらゆる食品製造に好適な素材である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ココナッツミルク由来の未精製油10〜90重
    量%と粉乳90〜10重量%および砂糖0〜50重量%を含ん
    で成る油脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油脂組成物5〜80重量%と
    水95〜20重量%とを含む水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】さらに、ココナッツミルク類を含む、請求
    項2記載の水中油型乳化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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