JPH08274237A - セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

セラミック基板およびその製造方法

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JPH08274237A
JPH08274237A JP10115896A JP10115896A JPH08274237A JP H08274237 A JPH08274237 A JP H08274237A JP 10115896 A JP10115896 A JP 10115896A JP 10115896 A JP10115896 A JP 10115896A JP H08274237 A JPH08274237 A JP H08274237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイグレーションを完全に防止することはで
きる端子接続構造およびその接続方法を提供すること。 【解決手段】 端子4,銀ロー6及びニッケル層5の周
縁部5aをもう一つのニッケル層7が被い、更にその上
に金層8がメッキされている。つまり、リード接続部3
上のニッケル層5の周縁部5aまで銀ロー6が被ってい
ず、周縁部5aは完全に二つのニッケル層5,7が結合
し、銀ロー6のマイグレーションを防止している。ま
た、同じ材料からなるニッケル層5,7が、周縁部5a
で接合して一体化している。特に、銀ロー6が被ってい
ない周縁部5aの幅は、接合性の向上のためや、マイグ
レーション防止効果を発揮させるために、0.05mm
以上とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の端子接続
構造およびその接続方法に関し、特にマイグレーション
対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層型のICパッケージ等のリー
ド接続部は、銀ローや金銅ローにて、表面にニッケルメ
ッキの施されたパッド上に、リード部材を固着して形成
していた。
【0003】ところが、用いられるロー材の成分の内、
銀や銅はマイグレーションを発生し易いという問題があ
った。即ち、銀や銅がイオン化して移動し針状結晶等を
生じ、それによって、周囲の電気的な絶縁性を劣化させ
る危険があった。そこで、通常、メッキによってロー材
の表面をニッケル層で覆い、必要に応じて更に金メッキ
等を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パッド上の
ロー材は、ニッケルに対して濡れ性が極めて良いので、
ロー付の際にパッドの縁まで完全にロー材が覆ってしま
う。そのため、その上からメッキをした場合、第14図
に示すごとく、その周縁部はメッキ層がほとんど乗らな
い。ここで、31はタングステン等からなるパッドとし
てのメタライズ層、31aはニッケルメッキ層、32は
Kovar(コバール)あるいは42アロイ材の端子ピ
ン、33はロー材、34はニッケルメッキ層、35は金
メッキ層、35は基板内部配線へ接続する導電部であ
る。
【0005】このため、ロー材上にメッキを施しても、
マイグレーションを完全に防止することはできなかっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、次な
る手段を採用することにより上記課題を解決した。ま
ず、請求項1の発明は基板上に設けられ、表面にニッケ
ル層を有するリード接続部と、銀又は銅を含有するロー
材にて上記リード接続部にロー付固定され電気的に接続
されるリード部材と、上記ロー付されたロー材の全表面
を被うニッケル層と、からなる端子接続構造において、
上記リード接続部の全周縁部がロー材から幅0.05m
m以上露出し、上記ロー材の全表面を被うニッケル層が
上記リード接続部の全周縁部も被うとともに、上記ロー
材を被うニッケル層上に金層が存在することを特徴とす
る端子接続構造を要旨とする。
【0007】また、請求項2の発明は、表面にニッケル
層を有するリード接続部に、銀又は銅を含有するロー材
にてリード部材をロー付固定した後、該ロー材をニッケ
ル層で被う端子の接続方法において、ロー付固定の後、
該ロー材をエッチング処理することにより、上記リード
接続部の全周縁部をロー材から幅0.05mm以上露出
させ、次いでニッケルメッキ処理することにより上記ロ
ー材をニッケル層で被い、更に金メッキ処理を行なうこ
とにより、上記ロー材を被うニッケル層を金層で被うこ
とを特徴とする端子の接続方法を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、リード接続
部の全周縁部が、ロー材を介さずにロー材を覆うニッケ
ル層と幅0.05mm以上で結合しているため、ロー材
が完全にニッケル層で被われ、マイグレーションを生ず
る余地がない。
【0009】また、ロー材の表面に形成されたニッケル
層が、大気と接する状態で露出している場合には、大気
によってニッケル層が酸化されて溶出するので、ロー材
のマイグレーションを防止することができないが、本発
明では、ニッケル層の上に金層を設けているので、ニッ
ケル層の酸化を防止し、それによってロー材のマイグレ
ーションを防止することができる。
【0010】請求項2の発明では、ロー材にてリード接
続部にリード部材を固定した後、ロー材をエッチングす
ることにより、ロー材の表面部分を除去する。この除去
量は、ロー材に被われていたリード接続部の周縁部分が
全周にわたり幅0.05mm以上露出するような除去量
とされる。こうして、次にニッケルメッキを行なえば、
露出しているリード接続部の周縁部分に直接ニッケル層
が結合し、ロー材が完全にニッケル層にて被われた接続
構造が実現できる。
【0011】更に、上記ニッケル層を形成した後に、金
層を形成することによって、ニッケル層の酸化を防止し
て、好適にニッケル層のマイグレーションを防止するこ
とができる。
【0012】
【実施例】まず、請求項1の発明の実施例について説明
する。図1はその第1実施例の斜視図、図2はそのA−
A断面図である。ここで1は端子接続部を表わし、セラ
ミック基板2上に設けられたICパターンのリード接続
部3とリード部材としての端子4との接続構造を表わし
ている。
【0013】リード接続部3はタングステン等のペース
トを印刷し焼付けたメタライズ層であり、その上には電
解メッキによりニッケル層5が重層している。リード接
続部3は基板2の内部配線に接続する導電部2aに接続
している。上記ニッケル層5上には銀ロー6により端子
4が固定されている。銀ロー6はニッケル層5の周縁部
5aまでは被っていない。更に、端子4,銀ロー6及び
ニッケル層5の周縁部5aをもう一つのニッケル層7が
被い、更にその上に耐酸化性,耐薬品性のために金層8
がシアン化金溶液にて電解メッキされている。
【0014】本実施例はこのように構成されていること
により、リード接続部3上のニッケル層5の周縁部5a
まで銀ロー6が被っていず、周縁部5aは完全に二つの
ニッケル層5,7が結合し、銀ロー6のマイグレーショ
ンを防止している。また、本実施例では、同じ材料から
なるニッケル層5,7が、周縁部5aで接合して一体化
しているので、外界から力が加わった場合でも隙間が全
く生ずることなく、完全に一体となった層として機能す
る。それによって、例えば腐食性のガス等が周囲に接触
した場合でも銀ロー6まで侵入することがなく、極めて
耐腐食性及び耐久性が高い。
【0015】尚、上記銀ロー6が被っていない周縁部5
aの幅は、接合性の向上のためや、マイグレーション防
止効果を発揮させるためには0.05mm以上が必要で
あり、通常0.1〜0.2mmが製造上好ましい。ま
た、本実施例では、ニッケル層7を被って金層8が形成
されているので、このニッケル層7が大気中の各種の成
分によって酸化されず、よってマイグレーションが発生
することを効果的に防止できる。
【0016】次に、図3乃至図5に本発明の第2実施例
について説明する。図3はその正面図、図4はその底面
図、図5は図3のB−B断面図である。ここで11は端
子接続部を表わし、セラミック基板12の側面図12a
に設けられたICパターンのリード接続部13とリード
部材としてのKovar(コバール)もしくは42アロ
イ製等の導体片14との接続構造を表わしている。リー
ド接続部13はタングステン等のペーストをセラミック
基板12の側面12aから裏面12bにかけて印刷し焼
付けたメタライズ層であり、その上には電解メッキによ
りニッケル層15が重層している。
【0017】上記リード接続部13には基板12の内部
配線に接続する導電部12cが接続している。上記ニッ
ケル層15には導体片14がその一面をニッケル層15
上に、銀ロー16により固定されている。銀ロー16は
ニッケル層15の周縁部15aまでは被っていない。こ
の銀ロー16には被われていない部分の幅は0.05m
m以上に設計してある。
【0018】更に、導体片14、銀ロー16及びニッケ
ル層15の周縁部15aをもう一つのニッケル層17が
被い、更にその上に金層18が電解メッキされている。
本実施例はこのように構成されていることにより、導体
片14を用いた場合においても、第1実施例と同様に銀
ロー16がニッケル層15の周縁部15aまで被ってい
ず、二つのニッケル層15,17によって銀ロー16の
マイグレーションが防止されている。
【0019】次に、上記請求項1の発明の第1,第2実
施例の接続構造を実現するための請求項2の発明の実施
例を説明する。本実施例は、下記の(1)〜(7)の工
程からなる。 (1)グリーンシートにICパターンを印刷加工する。 (2)非酸化雰囲気下1500〜1600℃で上記グリ
ーンシート(必要に応じた積層構造としたもの)を焼成
し、セラミック基板を得る。 (3)上記セラミック基板をワット浴又はスルファミン
酸ニッケルメッキ浴にて2.0μm厚のニッケルメッキ
を行なう。 (4)銀ローを非酸化雰囲気で溶融し、上記ニッケルメ
ッキ後のセラミックス基板上にKovar(コバー
ル)、42アロイ等のリード部材をロー付する。 (5)シアン化ナトリウム,シアン化カリウム等のシア
ン系化合物にて銀ロー部分を選択的に高速にエッチング
する。エッチングはケミカルエッチング又は電解エッチ
ングで行なう。 (6)ワット浴又はスルファミン酸ニッケルメッキ浴に
て2.0μm厚のニッケルメッキを行なう。 (7)通常用いられる金メッキ液にて、純金メッキを
1.5μm厚にメッキする。
【0020】以上の工程を、図1〜図2に示した請求項
1の発明の第1実施例の製造工程に適用した場合を説明
する。(1)〜(3)工程は上述のとうり実施し、表面
にニッケルメッキ5がなされたリード接続部3を有する
セラミック基板2を製造する。
【0021】次に図6の断面図に示すごとく、銀ロー6
を、非酸化性雰囲気で溶融し、端子4をリード接続部3
にほぼ垂直にロー付する。銀ロー6はほぼ円錐形状とな
る。この時、銀ロー6はニッケル層5に濡れ性がよいた
め、ニッケル層5の周縁部5aまで全部を被う。
【0022】次に図7の断面図に示すごとく、銀ロー6
のエッチングを行なう。銀ロー6は表面あるいは端部か
ら取り去られるため、リード接続部3のニッケル層5の
周縁部5aは全周露出することになる。この露出幅はマ
イグレーション防止効果も発揮させるためには0.05
mm以上であることが必要であり、その点でも0.1〜
0.2mmが製造上とマイグレーション対策上との両組
立てから好ましく、通常数十秒〜数分間のエッチングで
達成される。
【0023】次に図8の断面図に示すごとく、リード接
続部3のニッケル層5の周縁部5a,銀ロー6及び端子
4の表面にニッケルメッキ7がなされる。次に、金メッ
キ8をニッケルメッキ7上に重ねて行ない、図1,図2
に示す端子接続構造を完成する。
【0024】更に、同様に上記工程を第3〜5図に示し
た請求項1の発明の第2実施例の製造工程に適用した場
合を図9(イ)〜図13(ロ)にて説明する。まず
(1)〜(3)工程は前述のとうりに実施し、図9
(イ)の正面図及び(ロ)のC−C断面図に示すように
側面12aから裏面12bにかけてニッケルメッキ15
がなされたリード接続部13を有するセラミック基板1
2を製造する。
【0025】次に図10(イ)の正面図、図10(ロ)
のD−D断面図に示すように、リード部材としての導体
片14をあてがい、図11(イ)の正面図、図11
(ロ)のE−E断面図に示すように、銀ロー16を非酸
化性雰囲気で溶融し、導体片14をリード接続部13に
ロー付する。銀ロー16はニッケル層15全面に広が
る。
【0026】次に図12(イ)の正面図、図12(ロ)
のF−F断面図に示すように、銀ロー16のエッチング
を行なう。こうして、リード接続部13のニッケル層1
5の周縁部15aは全周露出される。この露出幅は前記
したごとく、0.05mm以上が必要であり、その内で
も0.1〜0.2mmが好ましく、通常数十秒〜数分間
のエッチングで達成される。エッチングは周縁部15a
のみ露出すればよいので、他の部分を覆ってエッチング
処理してもよい。
【0027】次に図13(イ)の正面図、図13(ロ)
のG−G断面図に示すごとく、リード接続部13のニッ
ケル層15の周縁部15a、銀ロー16及び導体片14
の表面にニッケルメッキ17がなされる。次に金メッキ
18をニッケルメッキ17上に重ねて行ない、図3〜図
5に示す端子接続構造を完成する。
【0028】本実施例によれば、エッチングにより、他
の部分(ニッケルメッキや42アロイ,コバール等の金
具)に影響を与えず、銀ロー16のみを削り取り、下層
のニッケルメッキ15を露出し銀ロー16を被うニッケ
ルメッキ17と直接積層させるため、銀ロー16のマイ
グレーションが防止できるものである。
【0029】上記請求項2の発明の接続方法により接続
した請求項1の発明の第1実施例及び第2実施例の端子
接続構造の耐久絶縁試験を行なった結果を表1に示す。
端子間の間隔は0.9mmとした。85℃×85%R.
H.の雰囲気下に放置し、12VDCのバイヤス電圧を
かけて絶縁抵抗を測定した。108μm以下の抵抗値の
ものを不良とした。
【0030】
【表1】
【0031】以上の実験から明かな様に、エッチングし
ていない比較例のものは1000時間以上で不良品を生
じ、また、露出幅が0.03mm以下の比較例のもの
も、同様に1000時間以上で不良品を生ずるので好ま
しくない。一方、本発明の実施例による露出幅が0.0
5mm以上のものは、2000時間後も全く不良品を生
じないという顕著な特長を有する。
【0032】次に、他の実験例について説明する。本実
験例では、上記実験例より厳しい実験条件で第1実施例
の実験を行った。図15にその実験装置を示すが、絶縁
性の基板上に、端子間隔を2.54mmとして端子を1
0本配置し、隣合った端子にDC5Vの印加電圧がかか
る様に交互に十,一を配線して、並列に接続した。
【0033】そして、各端子間に、イオン交換水(10
MΩ・cm)を滴下し、イオン交換水が各端子間に存在
する状態で、銀マイグレーションによるショートが発生
するまでの時間を測定した。実験は上記表1に示す6種
の露出幅で行ない、各露出幅にて5個づつ実験を行っ
た。その結果を図16に示す。
【0034】この図16から明かな様に、露出幅が0.
03mm以下の比較例のものは、約1万secにてショ
ートが発生するので好ましくない。一方、本発明の第1
実施例による露出幅が0.05mm以上のものは、10
万sec後も全くショートを生じないという顕著な特長
を有する。
【0035】つまり、本発明においては、露出幅を0.
05mm以上と設定することによって、長時間使用して
もショートによる不良品が発生しないという特長を有す
るが、これは表1及び図16から明かな様に、露出幅を
0.05mm以上と設定することによって顕著な効果を
奏するのであるから、この限定は単なる数値限定や設計
変更ではなく、実験によって確かめられた境界値的な意
味をもつものである。
【0036】上記耐久絶縁試験に供された第2実施例と
同一の端子のリード接続強度を測定した結果を表2に示
す。リード部材を基板面に対し、20°傾けた方向に引
張って強度を測定した。
【0037】
【表2】
【0038】このように本発明の実施例は、ロー材をエ
ッチングしているにもかかわらず、比較例とくらべてほ
とんど強度的に差は見られない。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明の端子接続構造は、ロー
材が完全にニッケル層に被われ、かつニッケル層同士が
0.05mm以上の幅で接合しているので、その接合部
分が緻密で隙間がなく、接合力も高い。よって、耐腐食
性が大きく耐久性に富む。しかもニッケル層の上に金層
が形成されているため、マイグレーションを防止でき、
ICパッケージ等の異常動作を防ぐことができる。
【0040】又、請求項2の発明の接続方法は、ロー材
にて接続した後に、一旦、ロー材をエッチングして、次
いでニッケルメッキを実施し、更に金メッキを行なうた
め、他の部分に影響することなく、請求項1の発明の構
造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の第1実施例の斜視図であ
る。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 第2実施例の正面図である。
【図4】 図3の底面図である。
【図5】 図3のB−B断面図である。
【図6】 請求項2の発明の実施例としての接続工程を
示す断面図である。
【図7】 請求項2の発明の実施例としての接続工程を
示す断面図である。
【図8】 請求項2の発明の実施例としての接続工程を
示す断面図である。
【図9】 請求項2の発明の実施例としての接続工程を
示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのC−C断面図
である。
【図10】 請求項2の発明の実施例としての接続工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのD−D断面
図である。
【図11】 請求項2の発明の実施例としての接続工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのE−E断面
図である。
【図12】 請求項2の発明の実施例としての接続工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのF−F断面
図である。
【図13】 請求項2の発明の実施例としての接続工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのG−G断面
図である。
【図14】従来例の断面図である。
【図15】 実験装置を示す説明図である。
【図16】 図15の実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11……端子接続部 2,12……セラミックス基板 3,13……リード接続部 4……端子 14……導体片 5,15……ニッケル層 7,17……ニッケル層 8,18……金層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 セラミック基板およびその製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等を載置する
セラミック基板およびその製造方法に関し、特にマイグ
レーション対策に関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、次な
る手段を採用することにより上記課題を解決した。ま
ず、請求項1の発明は基板上に所定間隔で設けられ、表
面に配設された第1ニッケル層を有する複数のリード接
続部と、該複数のリード接続部に各々ロー付け固定され
電気的に接続される複数のリード部材と、少なくとも上
記リード接続部と上記リード部材との間に介在して、該
リード部を該リード接続部にロー付固定しつつ、該リー
ド接続部の周縁端部から全周にわたって幅0.05mm
以上引き下がって配設された銀ロー材と、少なくとも該
銀ロー材の全表面を被い、かつ上記リード接続部の全周
縁部で上記第1ニッケル層を直接被い、幅0.05mm
以上の幅で一体化してなる第2ニッケル層と、該第2ニ
ッケル層を被う金層と、を有するセラミック基板を要旨
とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、請求項2の発明は、基板上に所定間
隔で設けられ、表面に配設された第1ニッケル層を有す
る複数のリード接続部の各々に、銀ロー材にてリード部
材を各々ロー付固定し、その後、上記銀ロー材のうち少
なくとも上記リード接続部の周縁部上に拡がった該銀ロ
ー材をエッチング処理して、全周縁部において幅0.0
5mm以上にわたって上記リード接続部を露出させ、次
いで、ニッケルメッキ処理を行なうことにより、上記エ
ッチング処理により露出した上記リード接続部の全周縁
部の第1ニッケル層上及び上記銀ロー材上に第2ニッケ
ル層を形成し、さらに、金メッキ処理を行なうことによ
り、上記第2ニッケル層を金層で被うセラミック基板の
製造方法を要旨とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1の発明では、リード接続
部の全周縁部にて、第1ニッケル層が、銀ロー材を介さ
ずにロー材を覆う第2ニッケル層と幅0.05mm以
上で結合し一体化しているため、ロー材が完全に第2
ニッケル層で被われ、マイグレーションを生ずる余地が
ない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、ロー材の表面に形成された第2
ッケル層が、大気と接する状態で露出している場合に
は、大気によって第2ニッケル層が酸化されて溶出する
ので、ロー材のマイグレーションを防止することがで
きないが、本発明では、第2ニッケル層を金層で被って
いるので、第2ニッケル層の酸化を防止し、それによっ
ロー材のマイグレーションを防止することができ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項2の発明では、ロー材にてリード
接続部にリード部材を固定した後、ロー材をエッチン
グすることにより、ロー材の表面部分を除去する。こ
の除去量は、ロー材に被われていたリード接続部の周
縁部分が全周にわたり幅0.05mm以上露出するよう
な除去量とされる。こうして、次にニッケルメッキを行
なえば、露出しているリード接続部の周縁部分の第1ニ
ッケル層と直接第2ニッケル層が結合し、ロー材が完
全に第2ニッケル層にて被われたセラミック基板が実現
できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】更に、上記第2ニッケル層を形成した後
に、金層で被うことによって、第2ニッケル層の酸化を
防止して、好適に第2ニッケル層のマイグレーションを
防止することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】リード接続部3はタングステン等のペース
トを印刷し焼付けたメタライズ層であり、その上には電
解メッキによりニッケル層(第1ニッケル層)5が重層
している。リード接続部3は基板2の内部配線に接続す
る導電部2aに接続している。上記ニッケル層5上には
銀ロー6により端子4が固定されている。銀ロー6はニ
ッケル層5の周縁部5aまでは被っていない。更に、端
子4,銀ロー6及びニッケル層5の周縁部5aをもう一
つのニッケル層(第2ニッケル層)7が被い、更にその
上に耐酸化性,耐薬品性のために金層8がシアン化金溶
液にて電解メッキされている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】次に、図3乃至図5に本発明の第2実施例
について説明する。図3はその正面図、図4はその底面
図、図5は図3のB−B断面図である。ここで11は端
子接続部を表わし、セラミック基板12の側面図12a
に設けられたICパターンのリード接続部13とリード
部材としてのKovar(コバール)もしくは42アロ
イ製等の導体片14との接続構造を表わしている。リー
ド接続部13はタングステン等のペーストをセラミック
基板12の側面12aから裏面12bにかけて印刷し焼
付けたメタライズ層であり、その上には電解メッキによ
りニッケル層(第1ニッケル層)15が重層している。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】更に、導体片14、銀ロー16及びニッケ
ル層15の周縁部15aをもう一つのニッケル層(第2
のニッケル層)17が被い、更にその上に金層18が電
解メッキされている。本実施例はこのように構成されて
いることにより、導体片14を用いた場合においても、
第1実施例と同様に銀ロー16がニッケル層15の周縁
部15aまで被っていず、二つのニッケル層15,17
によって銀ロー16のマイグレーションが防止されてい
る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】次に、上記請求項1の発明の第1,第2実
施例のセラミック基板を実現するための請求項2の発明
の実施例を説明する。本実施例は、下記の(1)〜
(7)の工程からなる。 (1)グリーンシートにICパターンを印刷加工する。 (2)非酸化雰囲気下1500〜1600℃で上記グリ
ーンシート(必要に応じた積層構造としたもの)を焼成
し、セラミック基板を得る。 (3)上記セラミック基板ワット浴又はスルファミン
酸ニッケルメッキ浴にて2.0μm厚の第1のニッケル
メッキを行なう。 (4)銀ローを非酸化雰囲気で溶融し、上記ニッケルメ
ッキ後のセラミックス基板上にKovar(コバー
ル)、42アロイ等のリード部材をロー付する。 (5)シアン化ナトリウム,シアン化カリウム等のシア
ン系化合物にて銀ロー部分を選択的に高速にエッチング
する。エッチングはケミカルエッチング又は電解エッチ
ングで行なう。 (6)ワット浴又はスルファミン酸ニッケルメッキ浴に
て2.0μm厚の第2のニッケルメッキを行なう。 (7)通常用いられる金メッキ液にて、純金メッキを
1.5μm厚にメッキする。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】次に図8の断面図に示すごとく、リード接
続部3のニッケル層5の周縁部5a,銀ロー6及び端子
4の表面にニッケルメッキ7がなされる。次に、金メッ
キ8をニッケルメッキ7上に重ねて行ない、図1,図2
に示す端子接続構造を備えたセラミック基板を完成す
る。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に図13(イ)の正面図、図13(ロ)
のG−G断面図に示すごとく、リード接続部13のニッ
ケル層15の周縁部15a、銀ロー16及び導体片14
の表面にニッケルメッキ17がなされる。次に金メッキ
18をニッケルメッキ17上に重ねて行ない、図3〜図
5に示す端子接続構造を備えたセラミック基板を完成す
る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】上記請求項2の発明により製造した請求項
1の発明の第1実施例及び第2実施例のセラミック基板
の端子部分における耐久絶縁試験を行なった結果を表1
に示す。端子間の間隔は0.9mmとした。85℃×8
5%R.H.の雰囲気下に放置し、12VDCのバイヤ
ス電圧をかけて絶縁抵抗を測定した。10 8Ω以下の抵
抗値のものを不良とした。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明のセラミック基板は、
ロー材が完全に第2ニッケル層に被われ、かつ第1,第
ニッケル層同士が0.05mm以上の幅で接合してい
るので、その接合部分が緻密で隙間がなく、接合力も高
い。よって、耐腐食性が大きく耐久性に富む。しかも
ニッケル層を金層で被っているため、マイグレーショ
ンを防止でき、ICパッケージ等の異常動作を防ぐこと
ができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】又、請求項2の発明のセラミック基板の製
造方法は、ロー材にて接続した後に、一旦、ロー材
をエッチングして、次いでニッケルメッキを実施し、更
に金メッキを行なうため、他の部分に影響することな
く、請求項1の発明のセラミック基板を実現することが
できる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の第1実施例の斜視図であ
る。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 第2実施例の正面図である。
【図4】 図3の底面図である。
【図5】 図3のB−B断面図である。
【図6】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
示す断面図である。
【図7】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
示す断面図である。
【図8】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
示す断面図である。
【図9】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのC−C断面図
である。
【図10】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのD−D断面
図である。
【図11】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのE−E断面
図である。
【図12】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのF−F断面
図である。
【図13】 請求項2の発明の実施例としての製造工程
を示し、(イ)はその正面図、(ロ)はそのG−G断面
図である。
【図14】従来例の断面図である。
【図15】 実験装置を示す説明図である。
【図16】 図15の実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】 1,11……端子接続部 2,12……セラミック基板 3,13……リード接続部 4……端子 14……導体片 5,15……ニッケル層 7,17……ニッケル層 8,18……金層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられ、表面にニッケル層を
    有するリード接続部と、 銀又は銅を含有するロー材にて上記リード接続部にロー
    付固定され電気的に接続されるリード部材と、 上記ロー付されたロー材の全表面を被うニッケル層と、 からなる端子接続構造において、 上記リード接続部の全周縁部がロー材から幅0.05m
    m以上露出し、上記ロー材の全表面を被うニッケル層が
    上記リード接続部の全周縁部も被うとともに、上記ロー
    材を被うニッケル層上に金層が存在することを特徴とす
    る端子接続構造。
  2. 【請求項2】 表面にニッケル層を有するリード接続部
    に、銀又は銅を含有するロー材にてリード部材をロー付
    固定した後、該ロー材をニッケル層で被う端子の接続方
    法において、 ロー付固定の後、該ロー材をエッチング処理することに
    より、上記リード接続部の全周縁部をロー材から幅0.
    05mm以上露出させ、次いでニッケルメッキ処理する
    ことにより上記ロー材をニッケル層で被い、更に金メッ
    キ処理を行なうことにより、上記ロー材を被うニッケル
    層を金層で被うことを特徴とする端子の接続方法。
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