JPH0827417A - 接着性と接着耐久性に優れた塗料用樹脂組成物及び塗装鋼板 - Google Patents

接着性と接着耐久性に優れた塗料用樹脂組成物及び塗装鋼板

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JPH0827417A
JPH0827417A JP16400494A JP16400494A JPH0827417A JP H0827417 A JPH0827417 A JP H0827417A JP 16400494 A JP16400494 A JP 16400494A JP 16400494 A JP16400494 A JP 16400494A JP H0827417 A JPH0827417 A JP H0827417A
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Katsuji Kawanishi
勝次 川西
Kenji Ikishima
健司 壱岐島
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メチロール基型メチル化メラミン樹脂とイ
ミノ基型メチル化メラミン樹脂とから選んだメラミン樹
脂を20〜50重量%、残部が数平均分子量 5,000〜15,00
0、水酸基価10〜40 KOH mg/g のポリエステル樹脂から
なる塗料用樹脂組成物。鋼板の少なくとも片面に、下
から順に、亜鉛系めっき層、化成処理層、および上記樹
脂組成物からなる塗膜を有する塗装鋼板。 【効果】 多様な接着剤を用いて接着でき、初期接着性
および湿潤雰囲気下での接着耐久性に優れている。塗膜
硬度も加工性、耐疵付性が良好な範囲内。特に、塗装鋼
板の裏面側の塗装に適用して、他材との接着に利用する
のに最適。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着性と接着耐久性に
優れた塗料用樹脂組成物と、それを用いた塗装鋼板およ
びその接着方法に関する。本発明の塗料用樹脂組成物を
樹脂成分とする塗料は、特に塗装鋼板の裏面側の塗装に
好適であり、それにより塗装鋼板の裏面側を補強材など
の相手材と接着剤で接合した場合に長期的に高い接着性
能を確保することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、家電製品等の鋼板塗装方式におい
て、公害防止、作業環境の改善等の対策として、鋼板の
成形と組立を行った後、塗装を施すポストコート塗装方
式に代わって、鋼板を塗装した後、成形・組立を行うプ
レコート塗装方式が採用されつつある。このプレコート
塗装方式に用いる塗装された鋼板を、プレコート鋼板あ
るいは塗装鋼板と呼ぶ(本明細書では塗装鋼板とい
う)。
【0003】鋼板の組立時の接合においては、溶接ある
いはかしめ等の機械的接合が用いられることが多い。し
かし、塗装鋼板の接合においては、両面に絶縁物である
塗装被膜(塗膜)があるため溶接が採用できず、また、
かしめ等の機械的接合では塗膜が破壊され、塗装鋼板の
持つその美麗な外観が損なわれてしまう。従って、塗装
鋼板の接合では接着剤による接着接合が有利である。
【0004】しかし、塗装鋼板の塗膜は、耐汚染性や耐
疵付性を考慮して撥水性が良いように設計されているこ
とが多く、その場合には塗膜表面の接着剤による濡れ性
がよくないため、接着性が非常に悪くなる傾向がある。
そのため、従来の塗装鋼板の多くは接着による接合が困
難であり、接着性に優れた塗装鋼板がなお求められてい
る。
【0005】塗装鋼板の接着性を改善する技術として、
特開昭55−116774号公報には、ポリエステルとビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂との混合物を樹脂成分とする塗
料を塗布し、焼付を行って塗装鋼板とした後、この塗装
鋼板をエポキシ系構造用接着剤により接着することが開
示されている。しかし、この塗装鋼板は、エポキシ樹脂
系構造用接着剤という非常に限られた種類の接着剤にだ
け適用されるものであり、ウレタン系、アクリル系等の
他の種類の構造用接着剤には適用することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、塗装鋼
板の接着性の改善について検討を重ねた。上に示唆した
ように、塗装鋼板の耐汚染性や耐疵付性と、接着性との
両立は困難である。耐汚染性や耐疵付性を改善するには
塗膜の撥水性を高くする必要があるが、高い撥水性は必
然的に接着性を悪化させるからである。従って、塗装鋼
板の表面と裏面とに異なる塗膜(具体的には表面側には
耐汚染性や耐疵付性に優れた塗膜、裏面側には接着性に
優れた塗膜)を形成することで、汚れや疵がつきにく
く、しかも接着接合が可能な塗装鋼板を得ることに着目
した。
【0007】本発明の目的は、このように塗装鋼板の裏
面側の塗装に特に適した、接着性と接着耐久性に優れた
塗料用樹脂組成物を提供することである。具体的には、
接着剤の種類によらず(例えば、エポキシ系、ウレタン
系、アクリル系のいずれの接着剤を用いた場合でも)優
れた接着性を示し、かつ接着強度の湿潤環境下での劣化
が少ない(即ち、接着耐久性に優れた)塗膜を形成する
ことができる塗料用樹脂組成物と、これを用いて得た接
着性および接着耐久性に優れた塗装鋼板を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的が、メチロール基型メチル化メラミン樹脂およびイミ
ノ基型メチル化メラミン樹脂よりなる群から選ばれたメ
ラミン樹脂を20〜50重量%含有し、残部が数平均分子量
5,000〜15,000、水酸基価10〜40 KOH mg/g のポリエス
テル樹脂からなる塗料用樹脂組成物により達成される。
即ち、主成分はポリエステル樹脂であって、これに上記
のメチル化メラミン樹脂を20〜50重量%配合したもので
ある。
【0009】本発明はまた、鋼板の少なくとも片面に、
下から順に、亜鉛系めっき層、化成処理層、および樹脂
成分が上記樹脂組成物からなる塗料の塗布・焼付けによ
り形成した塗膜層、を有する塗装鋼板、ならびに鋼板の
裏面側にこのような3層を有する塗装鋼板を、この裏面
側で接着剤によって相手材と接着することからなる、塗
装鋼板の接着方法にも関する。
【0010】塗料用樹脂組成物 本発明の塗料用樹脂組成物は、特定のメチル化メラミン
樹脂20〜50重量%と、残部のポリエステル樹脂とからな
る2成分系の樹脂組成物である。メラミン樹脂は熱硬化
性樹脂であって、それ自身が熱硬化により皮膜形成性を
有すると同時に、焼付け時にポリエステル樹脂中の水酸
基と反応することによってポリエステル樹脂の架橋剤と
しての機能も果たす。このメラミン樹脂およびポリエス
テル樹脂の架橋によって、適度の硬度を確保することが
できる。
【0011】メチル化メラミン樹脂とは、メラミン (2,
4,6 −トリアミノ−1,3,5 −トリアジン) とホルムアル
デヒドとの付加縮合により得られるメラミン樹脂 (即
ち、メラミンのアミノ基中に存在する6個の水素原子が
一部または全部メチロール化したメチロールメラミンお
よび/またはその部分架橋物) をさらにメタノールと反
応させた樹脂のことである。このメタノールとの反応に
より、メラミン樹脂中のメチロール基 (-CH2OH) がメチ
ル化され、メトキシメチル基 (-CH2OCH3) に変換され
る。
【0012】メチル化メラミン樹脂は、上記のメチロー
ル化とメチル化の反応程度に応じて、完全アルキル型、
メチロール基型、およびイミノ基型の3種類に区分され
る。完全アルキル型メチル化メラミン樹脂は、メラミン
の6個の水素原子をほぼ完全にメチロール化したメチロ
ールメラミンを高度にメチル化した樹脂であり、下記の
の官能基を主に有している。メチロール基型メチル化
メラミン樹脂は、メラミンの6個の水素原子をほぼ完全
にメチロール化したメチロールメラミンを部分的にメチ
ル化した樹脂であり、下記のの官能基を主に有してい
る。イミノ基型メチル化メラミン樹脂は、メラミンの6
個の水素原子を部分的にメチロール化したメチロールメ
ラミンを高度にメチル化した樹脂であり、下記のの官
能基を主に有している。
【0013】
【化1】
【0014】なお、メチル化メラミン樹脂は、上記の3
種に区分されて市販されている。例えば、三井サイアナ
ミッド社よりサイメル300 シリーズとして市販されてい
るメチル化メラミン樹脂のうち、サイメル300, 301, 30
3, 350は完全アルキル型であり、サイメル370, 771はメ
チロール基型であり、サイメル325, 327, 701, 703,712
はイミノ基型である。
【0015】本発明においては、メラミン樹脂として、
メチロール基型メチル化メラミン樹脂とイミノ基型メチ
ル化メラミン樹脂の一方または両方を使用する。これら
は、完全にメトキシメチル化されておらず、メチロール
基またはイミノ基が残っているため、塗膜の接着性が良
好となる。これに対して、ブチル化メラミン樹脂や完全
アルキル型メチル化メラミン樹脂を使用すると、塗膜の
接着性が低下する。
【0016】本発明の樹脂組成物の主成分であるポリエ
ステル樹脂としては、数平均分子量が 5,000〜15,000、
水酸基価が10〜40 KOH mg/g のものを使用する。このポ
リエステル樹脂は、一般に、エチレングリコールを主と
する多価アルコール成分と、テレフタル酸、イソフタル
酸、脂肪族ジカルボン酸の1種もしくは2種以上からな
る多価カルボン酸成分とから誘導される飽和ポリエステ
ル樹脂である。
【0017】ポリエステル樹脂の数平均分子量が5,000
より小さいと、塗膜が硬くなりすぎて接着性が乏しくな
り、15,000より大きくなると、塗膜の架橋密度が小さく
なって湿潤環境下での接着強度の低下 (接着耐久性の劣
化) が大きくなる。ポリエステル樹脂の数平均分子量
は、好ましくは 6,000〜10,000の範囲内である。
【0018】ポリエステル樹脂の水酸基価は、架橋点の
数を意味し、硬化後の架橋密度の指標となる。水酸基価
が10 KOH mg/g より小さいと、架橋密度が低すぎて、湿
潤環境下での接着強度の低下が大きくなり、水酸基価が
40 KOH mg/g より大きくなると、塗膜が硬くなりすぎ、
接着性に乏しくなる。水酸基価の好ましい範囲は15〜30
KOH mg/g である。
【0019】ポリエステル樹脂とメチル化メラミン樹脂
との配合比は、重量比で50/50〜80/20である。即ち、
前記メチル化メラミン樹脂が20〜50重量%で、残部 (50
〜80重量%) がポリエステル樹脂である。メチル化メラ
ミン樹脂が20重量%未満では、塗膜の架橋密度が小さ
く、湿潤環境下での接着強度の低下が大きくなり、これ
が50重量%を越えると、塗膜が硬くなりすぎて、接着性
に乏しくなる。上記の重量比は、好ましくは55/45〜75
/25、より好ましくは60/40〜70/30である。
【0020】本発明のポリエステル/メラミン2成分系
の塗料樹脂組成物は、これを適当な有機溶剤に溶解させ
ることにより塗料化される。それにより、樹脂成分がこ
の塗料組成物からなる塗料が得られる。ポリエステル樹
脂とメチル化メラミン樹脂のいずれについても、2種以
上の混合物を使用することもできる。その場合には、混
合物の各特性の加重平均値が前述した各樹脂に対する要
件を満たせばよい。
【0021】塗料化に用いる有機溶剤は、使用する樹脂
成分をすべて溶解できるものであればよい。適当な有機
溶剤としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン
などのケトン系溶剤、ソルベッソ類、セロソルブ類、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤などが挙げられ、
これから選ばれた1種もしくは2種以上を使用すること
ができる。
【0022】得られた塗料は、樹脂成分に加えて、本発
明の目的を損なわない範囲で、慣用の塗料用添加剤を1
種もしくは2種以上含有することができる。例えば、意
匠性・隠蔽性の点から、酸化チタンを加えて白色化する
ことができ、また他の着色顔料を添加することにより自
由に色調整を行うこともできる。さらに、必要に応じ
て、メラミン樹脂の架橋反応を促進させるドデシルベン
ゼンスルホン酸やパラトルエンスルホン酸等の酸触媒を
少量添加しても差し支えない。その他、レベリング剤、
消泡剤、破泡剤、滑剤等を適宜添加することもできる。
【0023】塗装鋼板 本発明の塗装鋼板の母材としては、耐食性に優れた亜鉛
系めっき鋼板を用いる。即ち、本発明の塗装鋼板では、
素地の鋼板の表面に、第1層として、亜鉛系めっき層を
有する。亜鉛系めっきの種類としては、純Zn、ならびに
Zn−Ni、Zn−Fe、Zn−Mn、Zn−Cr、Zn−Co、Zn−Al、Zn
−Ni−Co等の亜鉛合金めっきがある。亜鉛系めっきは、
電気めっき、溶融めっきのいずれでもよい。また、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板を母材に使用することもできる。
亜鉛系めっき層の付着量は、耐食性と加工性の兼ね合い
から、20〜90 g/m2 の範囲内が好ましい。
【0024】この亜鉛系めっき層の上に、耐食性および
塗膜との密着性を向上させる目的で、化成処理層を設け
る。化成処理層は、慣用のクロメート処理またはリン酸
亜鉛処理により形成することができる。
【0025】クロメート処理は公知の塗布型、電解型、
反応型のいずれかのクロメート処理液を用いて常法によ
り実施すればよい。クロム付着量は、金属Cr換算で10〜
200mg/m2 の範囲が好ましく、10 mg/m2未満では耐食性
の劣化を生じる場合があり、200 mg/m2 超では塗膜密着
性が低下することがある。
【0026】リン酸塩処理を施す場合は、付着量は 0.2
〜1.5 g/m2の範囲が好ましく、0.2g/m2 未満では耐食
性、塗膜密着性が不十分となり、1.5 g/m2超では加工性
が低下することがある。
【0027】この化成処理層の上に、上記の塗料 (即
ち、本発明の樹脂組成物を樹脂成分とする塗料) を塗布
し、焼付けにより被膜を硬化させて、最上層の塗膜を形
成する。塗布方法としては、ロールコート法、カーテン
フローコーター法等、公知のいずれの方法も使用でき
る。焼付けのための加熱条件は、最高到達板温度で 180
〜250 ℃×30〜90秒間が適当である。この塗膜の膜厚
(焼付け後の厚み) については、特に限定されるもので
はないが、通常は 0.1〜100 μm の範囲内である。耐食
性・コスト等を考え合わせれば、2〜12μm の範囲内が
望ましい。
【0028】この塗膜と化成処理層との間に、塗膜の密
着性を改善するためにプライマー層を介在させてもよ
い。即ち、上記塗料の塗布前に、まずプライマーの塗布
・焼付けを行ってもよい。プライマー層を形成する場
合、耐食性の改善のために防錆顔料を含有するプライマ
ーを用いることが好ましい。プライマー層の樹脂系は、
特に限定されるものではないが、ポリエステル系、エポ
キシ系、ウレタン系等が挙げられる。防錆顔料として
は、クロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウムなど
がある。プライマー層の厚みは3 〜8 μm程度で十分で
ある。
【0029】以上のようにして、鋼板の片面または両面
に、亜鉛系めっき層、化成処理層、上記樹脂組成物を樹
脂成分とする硬化塗膜をこの順に形成して表面被覆し
た、本発明の塗装鋼板が得られる。この塗装鋼板の表面
被覆は、耐食性と加工性に優れ、しかも各種の接着剤と
のなじみがよく、初期接着強度が高く、接着耐久性にも
優れていて、高湿度雰囲気でも長期にわたって高い接着
強度を保持する。
【0030】本発明の塗装鋼板の好適態様にあっては、
上記の3層からなる表面被覆を、塗装鋼板の裏面側とな
る片面のみに設ける。その場合、表面側には、その塗装
鋼板の用途および使用環境に応じた性能、例えば硬度
(耐疵付性) 、加工性、耐汚染性を満たす塗装を施す。
この表面側も、塗装下地に亜鉛系めっき層、化成処理
層、および必要であればプライマー層を有することが好
ましい。表面側の塗装には、溶剤型塗料、粉体塗料など
の任意の塗料を用いることができ、塗料のベース樹脂系
も特に制限されず、ポリエステル系、エポキシ系、アク
リル系、フッ素樹脂系、ポリ塩化ビニル系など、用途に
応じて選択すればよい。
【0031】接着方法 本発明にかかる塗装鋼板の接着においては、本発明に従
って表面被覆を設けた側 (上記のように、好ましくは裏
面側) を、接着剤を用いて相手材に接着させる。相手材
は特に制限されないが、やはり接着性が高いものが好ま
しいのは当然である。例えば、本発明の塗装鋼板 (同じ
表面被覆) 、裸鋼材、亜鉛系などのめっき鋼材、さらに
化成処理を施した化成処理鋼材、別の樹脂塗装を施した
塗装鋼材、他の金属材、合成樹脂材などが例示される。
このような接着の具体例としては、例えば、裏面側に本
発明にかかる表面被覆を施した塗装鋼板を用いて、裏面
側を補強材と接着する場合が挙げられる。
【0032】本発明の塗装鋼板の接着接合に用いる接着
剤は特に限定されない。例えば、酢酸ビニル系、ウレタ
ン系、マスチック系、クロロプレンゴム系、ニトリルゴ
ム系、エチレン酢酸ビニル系、アクリル系、フェノール
系、エポキシ系、シアノアクリレート系、シリコーン系
等の各種接着剤を使用することができる。
【0033】本発明によれば、このように多様な接着剤
を用いて、高い接着強度と接着耐久性を確保することが
できるので、相手材や用途、使用環境に合わせて適当な
接着剤を選択することが可能となる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。実施例において数平均分子量は、ゲルパーミッシ
ョンクロマトグラフィーによって、標準ポリスチレンの
検量線を用いて測定したものである。
【0035】実施例で用いた樹脂材料は次の通りであっ
た。ポリエステル樹脂 A:数平均分子量7,000 、水酸基価22 KOH mg/g B:数平均分子量18,000、水酸基価5KOH mg/g C:数平均分子量25,000、水酸基価5KOH mg/gメラミン樹脂 A:イミノ基型メチル化メラミン樹脂 (三井サイアナミッド製、サイメル 325) B:メチロール基型メチル化メラミン樹脂 (三井サイアナミッド製、サイメル 370) C:完全アルキル型メチル化メラミン樹脂 (三井サイアナミッド製、サイメル 303) D:ブチル化メラミン樹脂 (大日本インキ製、スーパーベッカミンJ-820)エポキシ樹脂 A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ社製、エピコート1007) 。
【0036】上記の樹脂材料を用いて、表1に示すよう
に、ポリエステル樹脂に1種または2種以上のメラミン
樹脂および/またはエポキシ樹脂を組合わせた樹脂組成
物の配合で、塗料を調製した。使用した有機溶剤はソル
ベッソ 150/シクロヘキサノン=1/1混合溶剤であ
り、この溶剤中に樹脂成分を溶解させ、白色顔料として
酸化チタン (石原産業社製、タイベークR930) を樹脂合
計量と同重量添加し、ディスパーにより顔料を分散させ
て、不揮発成分45重量%の塗料を得た。上記メラミン樹
脂C (サイメル 303) を使用した場合のみ、触媒として
p−トルエンスルホン酸を樹脂合計量100 重量部に対し
て1重量部添加した。
【0037】0.4 mm厚の両面電気亜鉛めっき鋼板 (片面
あたりめっき付着量30 g/m2)からなる母材の片面に、塗
布型クロメート処理液を用いてCr換算付着量で40 mg/m2
のクロメート層を形成した (塗布後の乾燥は100 ℃×60
秒間) 。このクロメート層の上に、バーコーターにより
上記塗料を塗布し、最高到達板温度230 ℃で1分間の熱
風加熱により焼付けして、乾燥膜厚7μmの樹脂塗膜を
形成した。
【0038】こうして得た塗装鋼板の初期接着強度、接
着耐久性、鉛筆硬度について、下記の試験法により評価
した。 [初期接着性]試験用の接着剤として、2液常温硬化型変
性アクリレート系接着剤と、2液型ウレタン系接着剤の
2種類を用いた。試験する塗装鋼板の試験片を2枚用意
し、接着剤を100 μmの厚さとなるように一方の試験片
の塗装面に塗布し、他方の試験片の塗装面と重ね合わせ
て接着した。
【0039】2液常温硬化変性アクリレート系接着剤を
用いた場合は、接着1日後に剥離強度を測定した (引張
スピード50 mm/min)。2液型ウレタン系接着剤を用いた
場合は、150 ℃×5分の加熱後に剥離強度を測定した
(引張スピード50 mm/min)。初期接着性は、どちらの接
着剤でも剥離が凝集破壊になった場合を○、どちらの接
着剤でも凝集破壊にならなかった場合を×、一方のみが
凝集破壊になった場合を△として評価する。
【0040】[接着耐久性]上記の試験で2種類の接着剤
のいずれもが凝集破壊になった塗装鋼板を、接着耐久性
試験に供した。接着耐久性試験は、接着した試験片を60
℃、RH 90 %の雰囲気下に90日間暴露することにより行
った。この暴露後に剥離強度を上記と同様に測定して、
剥離強度保持率{ (暴露後の剥離強度/初期の剥離強
度) ×100 }を算出し、下記の基準で接着耐久性を評価
した。
【0041】 ◎:剥離強度保持率80%以上 ○:剥離強度保持率70%以上、80%未満 △:剥離強度保持率60%以上、70%未満 ×:剥離強度保持率60%未満 評価が◎と○であれば良好である。
【0042】[鉛筆硬度]三菱ユニ (登録商標) 鉛筆を用
い、JIS K5400 の方法に準じて、塗膜表面疵を評価し、
傷のつかない硬度限界を表示した。結果を表1に併せて
示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すように、本発明にかかる実施例
1〜4の塗装鋼板は、初期接着性、接着耐久性、硬度の
いずれも優れていた。2H〜3Hの硬度は、加工性を損
なうほど硬くなく、かつ耐疵付性が悪化するほど柔らか
くなく、加工用塗膜に適切な硬度である。
【0045】一方、比較例1では、メラミン樹脂として
完全アルキル型メチル化メラミン樹脂を用いたため、初
期接着性が悪くなった。比較例2、3は、実施例3と同
様の樹脂組成物に、第三成分としてブチル化メラミン樹
脂やエポキシ樹脂をさらに添加した例であるが、初期接
着性が明らかに低下した。比較例4は、メチル化メラミ
ン樹脂の配合量が多すぎ、接着耐久性が低下した。比較
例5、6は、ポリエステル樹脂の数平均分子量が15,000
より高く、水酸基価が10 KOH mg/g より小さい例であっ
て、接着耐久性と硬度が低下した。
【0046】
【発明の効果】樹脂成分が本発明で規定するメラミン/
ポリエステル樹脂組成物からなる塗料から形成した塗膜
を有する、本発明の塗装鋼板は、実施例に例示したよう
に、ウレタン系、アクリレート系などをはじめとする各
種の接着剤で接着することができ、初期接着性および高
湿度雰囲気下での接着耐久性はともに良好である。その
結果、例えば、洗濯機のように高湿度下で使用する家電
製品等にも、本発明の塗装鋼板を適用することができ
る。また、硬度も加工性、耐疵付性が確保できる適度な
範囲内にある。従って、本発明により、接着剤の種類を
限定することなく、相手材や用途に合わせて多様なもの
から選択した接着剤を用いて、塗装鋼板を接着により組
立てることが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチロール基型メチル化メラミン樹脂お
    よびイミノ基型メチル化メラミン樹脂よりなる群から選
    ばれたメラミン樹脂を20〜50重量%含有し、残部が数平
    均分子量 5,000〜15,000、水酸基価10〜40 KOH mg/g の
    ポリエステル樹脂からなる塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 鋼板の少なくとも片面に、下から順に、
    亜鉛系めっき層、化成処理層、および樹脂成分が請求項
    1記載の樹脂組成物からなる塗料の塗布・焼付けにより
    形成した塗膜層、を有する塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼板の裏面側に、下から順に、亜鉛系め
    っき層、化成処理層、および前記塗膜層を有する請求項
    2記載の塗装鋼板を、この裏面側で接着剤によって相手
    材と接着することからなる、塗装鋼板の接着方法。
JP16400494A 1994-07-15 1994-07-15 接着用塗装鋼板 Expired - Lifetime JP3486962B2 (ja)

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