JPH0827125B2

JPH0827125B2 - 冷蔵庫

Info

Publication number: JPH0827125B2
Application number: JP1161098A
Authority: JP
Inventors: 勇二若槻; 滋計近藤; 光幸高岡; 信也鈴木
Original assignee: Hoshizaki Electric Co Ltd
Current assignee: Hoshizaki Electric Co Ltd
Priority date: 1989-06-23
Filing date: 1989-06-23
Publication date: 1996-03-21
Anticipated expiration: 2011-03-21
Also published as: US5048306A; JPH0325274A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、断熱箱体内に所要の空間を介在させて上
下の関係で複数の収納箱を配設した冷蔵庫において、各
収納箱の庫内温度を個別に制御し得る冷蔵庫に関するも
のである。

従来技術野菜や果実その他肉や魚等の生鮮食品（以下「食材」
という）を、冷蔵庫中で長期に亘り冷凍貯蔵したり、冷
凍した食材を徐々に解凍したりする場合は、一般に冷蔵
庫内の温度変化を少なく抑え、併せて食材からの水分蒸
発を抑制管理する必要がある。

この要請に応えるものとして、冷蔵室を形成する断熱
箱体の内部に所要空間を介して食材貯蔵用の収納箱を形
成し、この断熱箱体と収納箱との間に画成される前記空
間に、冷却器からの冷気を循環させて収納箱を冷却する
よう構成した二重構造に係る冷蔵庫が好適に実施されて
いる。

発明が解決しようとする課題ここで、前述した食材、例えば野菜，果実，肉や魚等
は、その種類により最適な冷蔵温度が異なっている。す
なわち、各食材を鮮度低下を来すことなく長期に亘り貯
蔵するためには、各食材に最適な冷蔵温度で貯蔵するこ
とが必要である。そこで、前記二重構造に係る冷蔵庫の
断熱箱体内に複数の収納箱を配設し、各収納箱を夫々対
応の冷凍装置を介して異なる庫内温度に冷却することに
よって、種類の異なる（最適な冷蔵温度が異なる）食材
を単一の冷蔵庫で好適に貯蔵することができる。

しかしこの場合、冷凍装置は収納箱の数だけ必要とな
り、冷蔵庫が大型化すると共に、部品点数が多くなって
製造コストが高騰する欠点が指摘される。しかも、複数
の冷凍装置を稼働させるために、消費電力量が嵩む難点
もある。

発明の目的この発明は、前述した断熱箱体内に複数の収納箱を内
装した２重構造に係る冷蔵庫に内在している前記欠点に
鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであっ
て、各収納箱の温度制御を個別に行ない得る低コストの
冷蔵庫を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成する
ため本発明は、複数の開口部および各開口部に設けた断
熱扉を備える断熱箱体と、前記断熱箱体の内部に所要の
空間を介して上下の関係で配設され、前記開口部に対応
して開放する開口部を有する複数の収納箱と、前記断熱
箱体における上部収納箱の上方に設けた冷却器とからな
る冷蔵庫において、前記断熱箱体の内部空間に画成され、前記冷却器から
吹き出された冷気が下降するのを案内する第１通路およ
び該第１通路を下降した冷気が上昇して再び冷却器に戻
るのを案内する第２通路と、前記第１通路内に配設した区画板により画成されて、
上部収納箱と下部収納箱との間で前記第２通路と連通し
て冷気を前記上部収納箱に接触させつつ流通させる上箱
用通路および下部収納箱の下方で第２通路と連通して冷
気を上部収納箱に接触させることなく流通させる下箱用
通路と、前記区画板における上部収納箱の天井面から上方に突
出する上端部と冷却器との間に配設され、冷却器から吹
き出された冷気の前記下箱用通路への流入を規制する規
制板と、前記下箱用通路内に配設されたファンモータとからな
り、前記ファンモータを駆動することにより、冷却器から
吹き出された冷気の一部を、前記規制板を迂回させて下
箱用通路に吸込むよう構成したことを特徴とする。

また所期の目的を好適に達成するため本願の別の発明
は、複数の開口部および各開口部に設けた断熱扉を備え
る断熱箱体と、前記断熱箱体の内部に所要の空間を介し
て上下の関係で配設され、前記開口部に対応して開放す
る開口部を有する複数の収納箱と、前記断熱箱体におけ
る上部収納箱の上方に設けた冷却器とからなる冷蔵庫に
おいて、前記断熱箱体の内部空間に画成され、前記冷却器から
吹き出された冷気が下降するのを案内する第１通路およ
び該第１通路を下降した冷気が上昇して再び冷却器に戻
るのを案内する第２通路と、前記第１通路内に配設した区画板により画成されて、
上部収納箱と下部収納箱との間で前記第２通路と連通し
て冷気を前記上部収納箱に接触させつつ流通させる上箱
用通路および下部収納箱の下方で第２通路と連通して冷
気を上部収納箱に接触させることなく流通させる下箱用
通路と、前記下箱用通路内に配設され、該下箱用通路内の冷気
の流通を遮断する遮断板と、前記遮断板に開設した開口を開閉自在に閉塞可能なダ
ンパとからなり、前記ダンパを適宜の駆動手段により開放することによ
り、前記冷却器から吹き出された冷気の一部を下箱用通
路に流通させるよう構成したことを特徴とする。

実施例次に、本発明に係る冷蔵庫につき、好適な実施例を挙
げて、添付図面を参照しながら以下説明する。第１図
は、本発明の好適な実施例に係る縦型冷蔵庫を一部縦断
して示す斜視図、第２図は第１図に示す冷蔵庫の縦断側
面図、第３図は第１図に示す冷蔵庫の縦断正面図であ
る。

図面に示す如く、冷蔵庫10は、上下に所定間隔離間し
て前面側に大きく開放する矩形状開口部12a,12aを有す
る外箱12と、この外箱12内に所要の間隙を保持して組込
まれ、同じく前面側に大きく開放する内箱14と、両箱1
2,14間に充填した発泡ウレタン等の断熱材16とからなる
断熱箱体18を有している。この断熱箱体18における前記
内箱14の内部には、その内壁と所要の空間20を保持し
て、後述する遮蔽部材38,38を介して積層した上部収納
箱22と下部収納箱24とが配設されている。

前記両収納箱22,24は、断熱箱体18に形成される矩形
状開口部12a,12aに対応して、前方に開放する矩形状開
口部22a,24aを有している。また、断熱箱体18の前面に
は、第２図に示す如く、当該断熱箱体18に開設した各開
口部12aと対応して、該開口部12aを開閉自在に閉塞する
断熱扉26が配設されている。なお、収納箱22,24は、ス
テンレス等の熱良導性金属板を材質として形成される。

前記内箱14の内部底面には、第３図に示す如く、その
幅方向の中央部に底面から所定高さだけ突出する支持部
材19が配設され、この支持部材19に下部収納箱24が載置
され、該下部収納箱24と内箱14の底面との間に底部空間
44を画成している。また、内箱14の内部背面には、第４
図に示す如く、断面Ｌ型に形成した一対の収納箱ガイド
34,34が、前記収納箱22の横幅寸法だけ離間して対向的
に配設されている。このガイド34,34は、内箱14におけ
る内部空間の上下方向の略全長に亘って延在し、両ガイ
ド34,34の間に両収納箱22,24の背面部が共通的に嵌合さ
れている。

前記収納箱22,24の背面と収納箱ガイド34,34および内
箱14の内壁との間に、後述する如く、冷気を下降させつ
つ収納箱22,24を冷却するよう案内する第１通路を構成
する背面通路36が画成される。なお、背面通路36は、後
述する中仕切り42により、上部収納箱22の背面に位置す
る上部背面通路36aと、下部収納箱24の背面に位置する
下部背面通路36bとに画成されている。更に、収納箱22,
24の幅寸法は、内箱14の内部寸法よりも小さく設定され
ており、これにより第４図に示す如く、該収納箱22,24
の両側面に、冷気を上昇させつつ収納箱22,24を冷却す
るよう案内する第２通路を構成する側面通路46,46が画
成される。すなわち、前記内箱14の内壁と両収納箱22,2
4の外壁との間に画成した空間20は、背面通路36,底部空
間44,側面通路46,46とから構成される。

前記内箱14の内部天井面と上部収納箱22の天井面との
間に画成された空間は、第２図に示す如く、画壁30を介
して２つの室37,39に画成され、前記背面通路36と連通
する第１室37に、図示しない冷凍装置に連通し、該冷凍
装置からの冷媒を内蔵の蒸発器に循環させる冷却器28が
配設されている。なお、この冷凍装置は、前記上部収納
箱22の内部に配設した温度センサ62の検知温度に基づい
て運転制御がなされるよう設定されている。

また、第２室39は前記側面通路46,46と連通し、この
室39には画壁30に開設した複数（実施例では２個）の開
口30aに対応する位置に送風ファン32が配設されてい
る。この送風ファン32は、第１室37の方向に空気を送風
するよう配置されているので、該送風ファン32を駆動す
ることにより、側面通路46,46側から吸引した庫内空気
は、開口30aを介して冷却器28に接触して冷気とされた
後、前記背面通路36に吹き出される。

前記第１室37に配設した冷却器28の底面には、第２図
に示す如く、冷却器28から滴下した水滴を機外に排出す
るべく機能する排水皿33が配設されている。この排水皿
33の底面と、前記上部収納箱22の天井面との間には、冷
気通路51が画成され、冷却器28から吹き出された冷気の
一部は冷気通路51を循環する、いわゆるショートサイク
ルを行なう。また、前記画壁30における冷気通路51と対
向する部位に、複数の通孔30bが穿設され、該通孔30bを
介して冷気通路51を循環している冷気の一部を第２室39
に導入し得るよう構成されている。

前記上部収納箱22と下部収納箱24との上下対向面にお
ける左右両側縁には、第１図および第３図に示す如く、
収納箱22（24）の奥行き方向の略全長に亘って延在する
遮蔽部材38,38が対向的に介挿され、該遮蔽部材38,38に
より両収納箱22,24の上下対向面の間に所要寸法の水平
通路40が画成される。この水平通路40は、第２図に示す
如く、前面および両側面が閉塞されて背面側において前
記背面通路36にのみ連通し、背面通路36を流下する冷気
を導入し得るよう構成してある。すなわち、該水平通路
40は、背面通路36と共に冷気を流下させる第１通路を構
成する。

前記遮蔽部材38は、図面に示す如く、コ字状に形成し
た第１遮蔽板38aと第２遮蔽板38bとから構成され、両遮
蔽板38a,38bは後述する区画板50を挟んで積層されてい
る。また、第１遮蔽板38aには、側面通路46と連通する
通孔60が穿設され、後述する如く、水平通路40に画成し
た上部通路56に流れ込んだ冷気を、側面通路46に流出さ
せ得るよう構成されている。

前記上部収納箱22の背面側に臨む前記上部背面通路36
aおよび水平通路40の内部には、第２図に示す如く、断
面逆Ｌ字状の区画板50が共通的に介挿され、該通路36a,
40は二重に仕切られている。すなわち、区画板50の垂直
部50aが上部背面通路36a内に位置し、この上部背面通路
36aは垂直部50aにより冷気を上部収納箱22の背面に接触
させつつ案内する第１冷気通路52と、冷気を上部収納箱
22に接触させることなく案内する第２冷気通路54とに画
成される。また、区画板50の水平部50bは、その左右両
端部が前記第１遮蔽板38aと第２遮蔽板38bとに挟持され
た状態で、水平通路40の前面端まで延在し、該水平通路
40を第１冷気通路52と連通する上部通路56と、第２冷気
通路54と連通する下部通路58とに画成している。そし
て、前記第１冷気通路52と上部通路56とにより、冷気を
上部収納箱22に接触させつつ流通させる上箱用通路が構
成されるようになっている。また第２冷気通路54と下部
通路58および前記下部背面通路36bにより、冷気を下部
収納箱24に接触させつつ流通させる下箱用通路が構成さ
れるようになっている。

なお、前記区画板50を熱伝導率の低い材料により形成
し、両収納箱22,24が相互に熱影響を受けないようにす
ることが推奨される。また、両収納箱22,24間の熱影響
を防止する手段として、区画板50に断熱材を貼付けるよ
うにしてもよい。

前記区画板50における垂直部50aの上端は、第５図に
示す如く、上部収納箱22の天井面よりも所要長さだけ上
方に突出し、前記第１室37中に臨んでいる。また、前記
冷却器28と垂直部50aとの間には、前記内箱14の天井面
から所定長さだけ垂下して内箱14の幅方向略全長に亘っ
て延在する規制板64が、前記垂直部50aと平行に配設さ
れている。この規制板64の垂下端部は、垂直部50aの上
端よりも下方に位置するよう寸法設定され、前記冷却器
28から吹き出した冷気が、後述するファンモータ66の駆
動時以外は第２冷気通路54に流入しないよう構成してあ
る。

従って、前記冷却器28から背面通路36に向けて吹き出
された冷気は、第１冷気通路52にのみ流入する。そして
第１冷気通路52を流下しつつ上部収納箱22の背面を冷却
した冷気は、前記上部通路56に流入し、ここで上部収納
箱22の底面を冷却する。また上部通路56に流入した冷気
は、前記第１遮蔽板38a,38aに穿設した通孔60,60を介し
て側面通路46,46に流出した後、該側面通路46,46を上昇
しつつ上部収納箱22の両側面を冷却して冷却器28に戻る
サイクルを反復して、上部収納箱22のみを冷却する。な
お、上部収納箱22の温度制御は、前述した如く、前記温
度センサ62が予め設定した温度を検知したときに、前記
冷凍装置の運転を停止させることによりなされる。

前記内箱14における水平通路40の下部通路58と対向す
る内部背面壁には、第２図および第６図に示す如く、下
部通路58を上部循環路58aと下部循環路58bとに２分する
中仕切り42が、前記区画板50の水平部50bと平行に突設
されている。また、前記背面通路36も、該中仕切り42に
より上部背面通路36aと下部背面通路36bとに２分され、
後述する如く、前記第２冷気通路54を流下する冷気の流
れは、該中仕切り42で下部通路58方向に偏向されるよう
構成されている。この中仕切り42の外径寸法は、第３図
に示す如く、前記第２遮蔽板38b,38bに両側が当接する
と共に、突出先端側において上部循環路58aと下部循環
路58bとを連通する所要寸法の隙間が設けられるよう設
定される。

従って、前記第２冷気通路54を流下する冷気を、後述
する如く、中仕切り42を介して下部収納箱24の天井面の
全体に亘って行き渡らせることができるので、収納箱24
の冷却効率を向上させる得る。なお、前記中仕切り42を
配設することは、本発明の必須の要件ではなく、該中仕
切り42を設けなくても、本発明の目的は好適に達成され
る。

前記中仕切り42の下方に位置する下部背面通路36b内
には、第６図に示す如く、取付け板68を介してファンモ
ータ66が配設されている。このファンモータ66は、下部
循環路58b側から吸込んだ空気を、下部背面通路36b側に
吹き出すよう設定されている。すなわち、ファンモータ
66を駆動することにより、下部通路58および第２冷気通
路54に負圧が形成され、これにより前記冷却器28から吹
き出された冷気の一部は、前記規制板64の下方を迂回し
て区画板50の垂直部50aの上端を乗り越えて第２冷気通
路54に吸引される。

なお、前記第２冷気通路54を流下する冷気は、中仕切
り42に衝突して下部通路58の上部循環路58aに送り込ま
れ、該中仕切り42の先端から下部循環路58bを通過した
後、ファンモータ66を介して下部背面通路36bに吹き出
される。また、下部背面通路36bに流れ込んで下部収納
箱24の背面に接触しつつ流下した冷気は、第３図に示す
如く、下部収納箱24の底面に画成した底部空間44に吹き
出された後、該底部空間44に連通する前記側面通路46,4
6を上昇しつつ、各収納箱22,24を冷却して、再び冷却器
28に戻るサイクルを反復する。

すなわち、下部収納箱24は、前記ファンモータ166を
駆動したときにのみ冷却されるので、上部収納箱22およ
び下部収納箱24を、夫々個別に冷却することができる。
なお、ファンモータ66は、下部収納箱24の内部に配設し
た温度センサ70の検知温度に基づいて運転が制御され、
該収納箱24の庫内温度を一定に保持し得るよう構成して
ある。

次に、第７図および第８図は、本発明に係る冷蔵庫の
別実施例を示すものであって、下部収納箱24の庫内温度
制御を行なう手段として、ダンパ72を使用している。

第７図に示す如く、前記区画板50における垂直部50a
の上端は、前記上部収納箱22の天井面と略同一レベルに
位置するよう設定され、前記冷却器28から吹き出された
冷気が、前記第１冷気通路52と第２冷気通路54とに分岐
して流入し得るよう設定されている。また、前記中仕切
り42の下方に位置する下部背面通路36b内には、該下部
背面通路36bと前記下部循環路58bとの冷気の流通を遮断
し得る遮断板74が、下部収納箱24の外壁と内箱14の内壁
との間に配設されている。この遮断板74の適宜位置に
は、第８図に示す如く、所要寸法の開口74aが開設され
ると共に、この開口74aを開閉自在に閉塞するダンパ72
が配設されている。

更に、ダンパ72の下方には、該ダンパ72の開閉および
開度の調節を行なうアクチュエータ（駆動手段）76が配
設され、このアクチュエータ76は、下部収納箱24の内部
に配設した温度センサ70の検知温度に基づいて駆動制御
されるよう構成してある。従って、前記温度センサ70の
検知温度に基づいて該アクチュエータ76を駆動し、ダン
パ72を開放すれば、前記下部循環路58bと下部背面通路3
6bとが開口74aを介して連通し、下部収納箱24の周囲に
冷気を流通させることができる。

実施例の作用次に、実施例に係る冷蔵庫の作用につき説明する。先
ず、第１図に示す実施例に係る冷蔵庫により、上部収納
箱22のみを冷却する場合は、前記ファンモータ66の運転
を停止させた状態で、冷蔵庫の運転を行なう。前記側面
通路46,46側の庫内空気は、送風ファン32により吸引さ
れて画壁30の開口30aを介して冷却器28に送り込まれ、
ここで熱交換により冷却された後、前記背面通路36に吹
き出される。なお、冷却器28から吹き出された冷気の一
部は、前記排水皿33と上部収納箱22の天井面との間に画
成した前記冷気通路51を循環し、該収納箱22の天井面を
冷却する、いわゆるショートサイクルが達成される。

前記背面通路36に吹き出された冷気は、第５図に示す
如く、前記規制板64および区画板50の垂直部50aにより
規制されて、全て前記第１冷気通路52に流入する。第１
冷気通路52に流入した冷気は、上部収納箱22の背面に接
触して熱交換を行ないつつ下降し、前記区画板50の水平
部50bに衝突して流れが偏向されて、前記上部通路56に
流入する。この上部通路56に流入した冷気は、上部収納
箱22の底面に接触して熱交換を行なった後、第１遮蔽板
38a,38aに穿設した通孔60,60から側面通路46,46に流出
する。

側面通路46,46に流出した冷気は、上部収納箱22との
間で熱交換されて暖められている（冷却器28から吹き出
されたときに比べて）ので、この冷気は側面通路46,46
を上部収納箱22の両側面と接触して熱交換を行ないつつ
上昇し、再び冷却器28に戻るサイクルを反復する。

冷気の循環が反復される内に、上部収納箱22の庫内温
度が次第に低下し、この温度が前記温度センサ62に予め
設定した温度まで達すると、これを温度センサ62が検知
し、前記冷凍装置の運動を停止させ、庫内が設定温度以
下に冷却されないように制御される。また、冷気の循環
が停止して庫内温度が所要の温度域まで上昇すると、こ
の温度上昇を温度センサ62が検知し、再び冷凍装置を始
動させ、上部収納箱22を冷却して庫内温度は一定に保持
される。

次に、両収納箱22,24を冷却する場合は、前記中仕切
り42の下方に配設したファンモータ66を駆動し、前記第
２冷気通路54および下部通路58に負圧を形成する。これ
により、前記冷却器28から吹き出された冷気の一部は、
第２冷気通路54に負圧が形成されたことによって、前記
規制板64の下方を迂回して前記区画板50における垂直部
50aの上端を乗り越えて、第２冷気通路54に流入する。
なお、冷気の一部は第１冷気通路52にも流入するので、
前述したと同様に、上部収納箱22の周囲を冷気が循環し
て、該収納箱22の冷却がなされる。

前記第２冷気通路54に分岐流入した冷気は、上部収納
箱22との間で熱交換を行なうことなく前記中仕切り42の
配設位置まで流下し、該中仕切り42に衝突して流れが偏
向されるに到る。この冷気は、中仕切り42に沿って下部
通路58の上部循環路58aおよび下部循環路58bを流通した
後、前記ファンモータ66を介して中仕切り42の下方に位
置する下部背面通路36bに吹き出される。このとき、冷
気は上部収納箱22の底面に接触することなく、下部収納
箱24の天井面にのみ接触して熱交換を行なうので、下部
収納箱24を効率的に冷却し得る。

前記背面通路36の下部背面通路36bに流れ込んだ冷気
は、前記下部収納箱24の背面に接触して熱交換を行ない
つつ流下した後、前記底部空間44に吹き出され、ここで
該収納箱24の底部に接触する。更に、冷気は前記側面通
路46,46を上昇する際に、両収納箱22,24の両側面に接触
して収納箱22,24を冷却した後、再び冷却器28に戻るサ
イクルを反復する。なお、底部空間44に吹き出された冷
気は、下部収納箱24との間で熱交換されて暖められてい
るので、断熱箱体18の底部に冷気が滞留することがな
く、冷気は効率的に循環する。

前記下部収納箱24の周囲への冷気の循環が反復され、
収納箱24の庫内が設定温度まで冷却されると、これを前
記温度センサ70が検知して、前記ファンモータ66を停止
させる。これにより、前記第２冷気通路54および下部通
路58に負圧が形成されなくなり、冷却器28から吹き出さ
れた冷気は第１冷気通路52にのみ流入し、下部収納箱24
の冷却はなされなくなる。また、下部収納箱24の周囲へ
の冷気の循環が停止し、該収納箱24の庫内温度が所要の
温度域まで上昇すると、この温度上昇を温度センサ70が
検知し、再びファンモータ66を始動させることにより、
下部収納箱24の周囲への冷気の循環を再開させて庫内温
度を一定に保持することができる。

なお、実施例では、上部収納箱22が設定温度まで冷却
される冷凍装置を停止するよう設定してあるので、両収
納箱22,24を冷却する場合は、上部収納箱22の内部に配
設した温度センサ62の設定温度を、下部収納箱24の内部
に配設した温度センサ70の設定温度よりも低く設定する
必要がある。

このように、前記ファンモータ66の運転を制御するこ
とにより、上部収納箱22と下部収納箱24とを夫々個別に
冷却し得るので、両収納箱22,24の庫内温度を個別に制
御することができる。また、上部収納箱22の底面と下部
収納箱24の天井面とに、冷気を隈なく接触させ得るの
で、上下の収納箱22,24の冷却効率を向上させ、該収納
箱22,24を設定温度まで冷却するのに要する時間を短縮
することができ、ランニングコストを低減し得る利点も
ある。

次に、第６図に示す実施例に係る冷蔵庫により、上部
収納箱22のみを冷却する場合は、前記ダンパ27を全閉し
た状態で、冷蔵庫の運転を行なう。ダンパ72を全閉する
と、前記下部循環路58bと中仕切り42の下方の下部背面
通路36bとの間の空気の流れが阻止されるので、冷却器2
8から吹き出された冷気は、第２冷気通路54に流れ込む
ことなく前記第１冷気通路52に流れ込む。第１冷気通路
52に流入した冷気は、第１図に示す実施例と同様に、上
部収納箱22を冷却する循環を反復し、該収納箱22を設定
温度まで冷却する。

次に、下部収納箱24の冷却を行なう場合は、第８図に
示す如く、前記アクチュエータ76を作動させて前記ダン
パ72を開放すれば、下部循環路58bと下部背面通路36bと
は、前記遮断板74の開口74aを介して連通するので、前
記冷却器28から吹き出された冷気は、第１および第２冷
気通路52,54に分岐して流入する。そして、該第２冷気
通路54に流入した冷気が下部収納箱24の周囲を循環し、
該収納箱24を設定温度まで冷却する。なお、下部収納箱
24が設定温度まで冷却された後は、前記温度センサ70に
よりアクチュエータ76が制御されて、ダンパ72の開度の
調節がなされ、循環する冷気の流量を調節して庫内温度
を一定に保持する。

発明の効果以上説明した如く、本発明に係る冷蔵庫によれば、上
部収納箱を冷却する冷気を流通させる上箱用通路と、下
部収納箱を冷却する冷気を流通させる下箱用通路とを画
成すると共に、下部収納箱を冷却する冷気の下箱用通路
への流入はファンモータやダンパの作動により行なうよ
う構成したので、該ファンモータやダンパの作動を制御
することにより、両収納箱を別々に冷却することができ
る。すなわち、両収納箱の庫内温度を個別に制御するこ
とができ、単一の冷蔵庫で最適冷蔵温度の異なる複数の
食材を好適に貯蔵し得る。また、冷凍装置は１基で足り
るので、製造コストを低廉になし得ると共に、消費電力
量を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好適な実施例に係る縦型冷蔵庫を一部
縦断して示す斜視図、第２図は第１図に示す冷蔵庫の縦
断側面図、第３図は第１図に示す冷蔵庫の縦断正面図、
第４図は第１図に示す冷蔵庫の横断平面図、第５図は冷
蔵庫の上部を拡大して示す要部縦断側面図、第６図は両
収納箱の上下対向部を示す要部縦断側面図、第７図は本
発明の別実施例に係る冷蔵庫の縦断側面図、第８図は第
７図に示すダンパの配設部位を拡大して示す要部縦断側
面図である。 12a……開口部、18……断熱箱体 20……空間、22……上部収納箱 22a……開口部、24……下部収納箱 24a……開口部、26……断熱扉 28……冷却器、36……背面通路（第１通路） 36b……下部背面通路（下箱用通路）、40……水平通路
（第１通路） 46……側面通路（第２通路）、52……第１冷気通路（上
箱用通路） 54……第２冷気通路（下箱用通路）、56……上部通路
（上箱用通路） 58……下部通路（下箱用通路）、64……規制板 66……ファンモータ、72……ダンパ 74……遮断板

フロントページの続き (72)発明者鈴木信也愛知県豊明市栄町南館３番の16 星崎電機株式会社内 (56)参考文献特開平２−279971（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−6571（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の開口部（12a）および各開口部（12
a）に設けた断熱扉（26）を備える断熱箱体（18）と、
前記断熱箱体（18）の内部に所要の空間（20）を介して
上下の関係で配設され、前記開口部（12a）に対応して
開放する開口部（22a,24a）を有する複数の収納箱（22,
24）と、前記断熱箱体（18）における上部収納箱（22）
の上方に設けた冷却器（28）とからなる冷蔵庫におい
て、前記断熱箱体（18）の内部空間（20）に画成され、前記
冷却器（28）から吹き出された冷気が下降するのを案内
する第１通路（36,40）および該第１通路（36,40）を下
降した冷気が上昇して再び冷却器（28）に戻るのを案内
する第２通路（46,46）と、前記第１通路（36,40）内に配設した区画板（50）によ
り画成されて、上部収納箱（22）と下部収納箱（24）と
の間で前記第２通路（46,46）と連通して冷気を前記上
部収納箱（22）に接触させつつ流通させる上箱用通路
（52,56）および下部収納箱（24）の下方で第２通路（4
6,46）と連通して冷気を上部収納箱（22）に接触させる
ことなく流通させる下箱用通路（54,58,36b）と、前記区画板（50）における上部収納箱（22）の天井面か
ら上方に突出する上端部と冷却器（28）との間に配設さ
れ、冷却器（28）から吹き出された冷気の前記下箱用通
路（54,58,36b）への流入を規制する規制板（64）と、前記下箱用通路（54,58,36b）内に配設されたファンモ
ータ（66）とからなり、前記ファンモータ（66）を駆動することにより、冷却器
（28）から吹き出された冷気の一部を、前記規制板（6
4）を迂回させて下箱用通路（54,58,36a）に吸込むよう
構成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項２】複数の開口部（12a）および各開口部（12
a）に設けた断熱扉（26）を備える断熱箱体（18）と、
前記断熱箱体（18）の内部に所要の空間（20）を介して
上下の関係で配設され、前記開口部（12a）に対応して
開放する開口部（22a,24a）を有する複数の収納箱（22,
24）と、前記断熱箱体（18）における上部収納箱（22）
の上方に設けた冷却器（28）とからなる冷蔵庫におい
て、前記断熱箱体（18）の内部空間（20）に画成され、前記
冷却器（28）から吹き出された冷気が下降するのを案内
する第１通路（36,40）および該第１通路（36,40）を下
降した冷気が上昇して再び冷却器（28）に戻るのを案内
する第２通路（46,46）と、前記第１通路（36,40）内に配設した区画板（50）によ
り画成されて、上部収納箱（22）と下部収納箱（24）と
の間で前記第２通路（46,46）と連通して冷気を前記上
部収納箱（22）に接触させつつ流通させる上箱用通路
（52,56）および下部収納箱（24）の下方で第２通路（4
6,46）と連通して冷気を上部収納箱（22）に接触させる
ことなく流通させる下箱用通路（54,58,36b）と、前記下箱用通路（54,58,36b）内に配設され、該下箱用
通路（54,58,36a）内の冷気の流通を遮断する遮断板（7
4）と、前記遮断板（74）に開設した開口（74a）を開閉自在に
閉塞可能なダンパ（72）とからなり、前記ダンパ（72）を適宜の駆動手段（76）により開放す
ることにより、前記冷却器（28）から吹き出された冷気
の一部を下箱用通路（54,58,36b）に流通させるよう構
成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項３】前記区画板（50）を熱伝導率の低い材料で
構成した請求項１または２記載の冷蔵庫。