JP2512815Y2 - 冷蔵庫の収納箱支持構造 - Google Patents

冷蔵庫の収納箱支持構造

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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、上下の関係で配設した複数の収納箱を備
える冷蔵庫において、多量の食品等を収納しても耐荷重
性に優れると共に、その組付け作業を簡単かつ容易にな
し得るようにした収納箱支持構造に関するものである。
従来技術 野菜や果実その他肉や魚等の生鮮食品(以下「食材」
という)を、冷蔵庫中で長期に亘り冷凍貯蔵したり、冷
凍した食材を徐々に解凍したりする場合は、一般に冷蔵
庫内の温度変化を少なく抑え、併せて食材からの水分蒸
発を抑制管理する必要がある。
この要請に応えるものとして、例えば特開昭61−6570
号に係る発明「貯蔵庫」が存在する。この貯蔵庫は、第
6図に概略図示する如く、外箱1と内箱2との間に断熱
材3を充填した断熱箱体として構成され、該内箱2の内
部に、所要の空間を介して食材貯蔵用の内装箱4が、該
内装箱4の開口縁部に形成したフランジ5を介して固定
されている。また、内装箱4の内部は仕切部分6,6を介
して上下3つの区画室4a,4b,4c(相互に連通しない)に
形成され、内箱2と内装箱4の間および仕切部分6,6内
に冷気通路7が画成される。そして、内箱2の背面側に
画成した冷却室8に冷却器9が配設され、この冷却器9
で冷却した冷気を前記冷気通路7内に循環させることに
より、前記内装箱4の冷却を行なうよう構成されてい
る。
考案が解決しようとする課題 前述のように、開口縁部に形成したフランジ5を介し
て、内装箱4を内箱2に固定するよう構成した貯蔵庫で
は、各区画室4a,4b,4cの間に冷気の通路7を構成する隙
間が画成されているので、各区画室4a,4b,4cに食材を貯
蔵した場合、これら食材の荷重は全てフランジ5に加わ
ることになる。このため、フランジ5に過大な負荷が加
わって変形したり、破損する欠点があった。また、フラ
ンジ5が変形することにより、前記冷気通路7を循環す
る冷気の一部が外部に逃出し、庫内の冷却効率が低下し
て生鮮食料品の保存に適さなくなる重大な問題を招来す
る。
更に、内装箱4を内箱2に組付けるに際し、該内装箱
4は相当の重量を有するので、これを内箱2との間に冷
気通路7を画成した状態で組付け作業を行なうのは困難
を伴なう等の難点も指摘される。
考案の目的 この考案は、前述した断熱箱体内に収納箱を内装した
2重構造に係る冷蔵庫に内在している前記欠点に鑑み、
これを好適に解決するべく提案されたものであって、食
品収納時における収納箱の耐荷重性を向上させると共
に、複数の収納箱の組付け作業の容易化を図り得る手段
を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成する
ため本考案は提案されたものであって、複数の開口部を
備え、各開口部に断熱扉を設けた断熱箱体と、この断熱
箱体の内部に所要の空間を保持して上下の関係で配設さ
れ、前記開口部の夫々に対応する開口部を有する複数の
収納箱とからなる冷蔵庫において、 前記断熱箱体の内部底面に突設されて奥行き方向に延
在し、前記下方の収納箱の下部に底部空間が画成された
状態で該収納箱の底面を支持する支持部材と、 前記断熱箱体の内部背面に左右方向に所要間隔離間し
て対向的に配設されて上下方向に延在し、前記収納箱の
背面側に背面通路が画成された状態で該収納箱の背面部
が嵌合される一対のガイドと、 前記断熱箱体における内部の左右両側面に対して夫々
所要間隔離間して配設されて奥行き方向に延在すると左
右方向に所要間隔離間して対向し、前記上下の関係で配
設される収納箱の対向する左右両側縁を支持する一対の
遮蔽部材とからなり、 前記一対の遮蔽部材で支持された上下の収納箱の間
に、該収納箱の両側両側に画成された側面通路に対して
は遮蔽されて前記背面通路とは連通する水平通路が画成
されるよう構成したことを特徴とする。
実施例 次に、本考案に係る冷蔵庫の収納箱支持構造につき、
好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説
明する。第1図は、本考案の好適な実施例に係る縦型冷
蔵庫の要部分解斜視図、第2図は、第1図に示す冷蔵庫
を組立てた状態で示す概略斜視図、第3図は、第2図に
示す冷蔵庫の縦断側面図である。
第3図に示す如く、冷蔵庫10は、上下に所定間隔離間
して前面側に大きく開放する矩形状開口部12a,12aを有
する外箱12と、この外箱12内に所要の間隙を保持して組
込まれ、同じく前面側に大きく開放する内箱14と、両箱
12,14間に充填した発泡ウレタン等の断熱材16とからな
る断熱箱体18を有している。この断熱箱体18における前
記内箱14の内部には、後述する支持部材19や収納箱ガイ
ド34,34および遮蔽部材38,38を介してその内壁との間に
所要の空間20を保持して収納箱22,24が配設されてい
る。この収納箱22,24は、ステンレス等の熱良導性金属
板を材質として箱状に形成されている。
なお、断熱箱体18の前面には、当該断熱箱体18に開設
した各開口部12aと対応して、該開口部12aを開閉自在に
閉塞する断熱扉26が配設されている。
前記両収納箱22,24は、断熱箱体18に形成される矩形
状開口部12a,12aに対応して、前方に開放する矩形状開
口部22a,24aを有している。また、両収納箱22,24は、上
下に所定間隔離間すると共に、その前面側において収納
箱の幅方向全長に亘り延在する連結板52を介して一体的
に連設されている。更に、上部収納箱22の底面と下部収
納箱24の天井面との間には、第4図に示す如く、コ字状
の遮蔽部材38,38が、当該収納箱22,24の左右両側縁に対
向的に位置している。
前記遮蔽部材38は、その長手方向先端部がスペーサ50
を介して前記内箱14の内部側面に固定されると共に、他
端部(背面側を指向する端部)は後述する収納箱ガイド
34に固定されている。この遮蔽部材38の長さ寸法は、収
納箱22の奥行き方向の全長に亘って延在するよう設定さ
れる。従って、第3図に示す如く、両収納箱22,24の対
向部に、連結板52および遮蔽部材38,38により、背面側
にのみ開放する水平通路40が画成される。更に遮蔽部材
38,38は、背面通路36から水平通路40に導入された冷気
が、側面通路46,46に逃出するのを防止する機能も兼ね
る。
なお、実施例では、上下の収納箱22,24が連結板52に
より一体的に連設されているが、個々の収納箱22,24が
分離可能に構成されていてもよいことは勿論である。
前記内箱14の内部底面には、第1図に示す如く、その
幅方向の中央部において所定高さの支持部材19が奥行き
方向に延在し、該支持部材19は複数のねじ53を介して内
箱14に固定されている。そして、この支持部材19に、下
部収納箱24が載置され、該下部収納箱24の底面と内箱14
の底面との間に底部空間44を画成している。また、上部
収納箱22は前記遮蔽部材38,38に載置されている。
前記内箱14の内部背面には、断面L型に形成した一対
の収納箱ガイド34,34が、複数のねじ54を介して対向的
に固定されている。各ガイド34,34は、何れも内箱14の
背面における両側から所定長さだけ内方に位置すると共
に、両ガイド34,34の離間寸法は、前記収納箱22(24)
の横幅寸法と略同一に設定されている。このガイド34,3
4は、内箱14における内部空間の上下方向の略全長に亘
って延在しており、両ガイド34,34の間に両収納箱22,24
の背面部が共通的に嵌合されるよう構成されている。
第5図に示す如く、前記収納箱22,24の背面と収納箱
ガイド34,34および内箱14の内壁との間に、後述する如
く、冷気を下降させつつ収納箱22,24を冷却する背面通
路36が画成される。また、収納箱22,24の幅寸法は、内
箱14の内部寸法よりも小さく設定されており、これによ
り第4図に示す如く、該収納箱22,24の両側面に、冷気
を上昇させつつ収納箱22,24を冷却するよう案内する側
面通路46,46が画成される。すなわち、前記内箱14に配
設した支持部材19および収納箱ガイド34,34を介して収
納箱22,24を収納支持することにより、内箱14の内壁と
両収納箱22,24の外壁との間に、背面通路36,底部空間4
4,側面通路46,46からなる空間20が画成される。
前記内箱14の内部天井面と上部収納箱22の天井面との
間に画成された空間は、第3図に示す如く、画壁30を介
して第1室37と第2室39とに画成されている。この第1
室37は、前記背面通路36と連通すると共に、その内部に
図示しない冷凍装置に連通し、該冷凍装置からの冷媒を
内蔵の蒸発器に循環させる冷却器28が配置されている。
また、第2室39は、前記側面通路46,46と連通し、この
室39には画壁30に開設した複数(実施例では2個)の開
口30aに対応する位置に、夫々送風ファン32が配設され
ている。この送風ファン32は、第1室37に向けて空気を
送風するよう配置されているので、該送風ファン32を駆
動することにより、側面通路46,46側から吸引した庫内
空気は、開口30aを介して冷却器28に接触して冷気とさ
れた後、前記背面通路36に吹き出される。
なお、符号33は、冷却器28の下方に配設された排水皿
を示し、冷却器28から滴下した水滴は排水皿33を介して
機外に排出される。
前記内箱14における両収納箱22,24の間に画成した水
平通路40と対向する位置には、第3図および第4図に示
す如く、水平通路40を上下に2分する中仕切り42が突設
されている。この中仕切り42の寸法は、前記遮蔽部材3
8,38に両側が当接すると共に、突出先端と前記連結板52
との間に、上部通路40aと下部通路40bとを連通する所要
寸法の隙間が設けられるよう設定される。従って、前記
冷却器28から背面通路36に吹き出された冷気は、中仕切
り42に衝突して水平通路40の上部通路40aに送り込ま
れ、該中仕切り42の先端から下部通路40bを通過した
後、再び背面通路36に流れ込む。
このように、背面通路36を流れる冷気を水平通路40に
流通させることにより、冷気を上部収納箱22の底面と下
部収納箱24の天井面とに接触させ得るので、両収納箱2
2,24の冷却を促進させることができる。なお、下部通路
40bを通過して再び背面通路36に流れ込んだ冷気は、該
背面通路36を流下した後、第4図に示す如く、下部収納
箱24の底面に画成した底部空間44に吹き出される。更に
冷気は、前記側面通路46,46を上昇して冷却器28に戻
る。
実施例の作用 この実施例に係る冷蔵庫の収納箱支持構造の組付けに
際しては、先ず、前記断熱箱体18における内箱14の内部
背面に収納箱ガイド34,34を固定すると共に、内部両側
面に遮蔽部材38,38を固定する。また、内箱14の内部底
面に支持部材19を固定する。次いで、下部収納箱24を支
持部材19に載置すると共に、上部収納箱22を遮蔽部材3
8,38に載置した状態で、両収納箱22,24を支持部材19お
よび遮蔽部材38,38に沿って奥行き方向に移動させれ
ば、第2図に示す如く、収納箱22,24は前記収納箱ガイ
ド34,34に嵌合して位置決めされる。
なお、上部収納箱22に加わる荷重は、収納箱22の下部
において奥行き方向に延在する遮蔽部材38,38で支持さ
れ、また、下部収納箱24に加わる荷重は、収納箱24の下
部において奥行き方向に延在する支持部材19に支持され
る。従って、該収納箱22,24の耐荷重性が向上し、多く
の食材を貯蔵することができる。
このとき、前記収納箱22,24の背面と内箱14の背面と
の間に、前記収納箱ガイド34,34を介して背面通路36が
画成されると共に、該背面通路36に水平通路40が連通す
る。また、収納箱22,24の両側面と内箱14の両側面との
間に、側面通路46,46が画成され、更に下部収納箱24の
底面と内箱14の底面との間に、前記支持部材19の高さ寸
法の底部空間44が画成される。なお、第3図に示す如
く、背面通路36は前記冷却器28を配置した第1室37に連
通すると共に、側面通路46,46は、前記送風ファン32を
配置した第2室39に連通する。
すなわち、収納箱22,24を、前記内箱14に配設した遮
蔽部材38,38、収納箱ガイド34,34および支持部材19を介
して内箱14の内部に固定するだけで、収納箱22,24の外
壁と内箱14の内壁との間に、冷気が循環する通路36,44,
46(空間20)が画成される。また、両収納箱22,24は、
遮蔽部材38,38、収納箱ガイド34,34および支持部材19を
介して位置決め支持されているだけなので、両収納箱2
2,24を手前側に引出すだけで、内箱14から容易に取外す
ことができる。
この構成に係る冷蔵庫の運転を開始すると、前記側面
通路46,46側の庫内空気は、送風ファン32により吸引さ
れて画壁30の開口30aを介して冷却器28に送り込まれ、
ここで熱交換により冷却された後、前記背面通路36に吹
き出される。この冷気は、第3図に示す如く、上部収納
箱22を冷却しつつ背面通路36を流下し、前記中仕切り42
に衝突して流れが偏向されるに到る。流れが偏向された
冷気は、中仕切り42に沿って水平通路40の上部通路40a
を流通した後、下部通路40bを流通して中仕切り42の下
方の背面通路36に流れ込む。このとき、冷気が上部収納
箱22の底面と、下部収納箱24の天井面とに接触して熱交
換を行ない、両収納箱22,24を冷却する。
再び背面通路36に流れ込んだ冷気は、前記下部収納箱
24の背面に接触して熱交換を行ないつつ流下した後、前
記底部空間44に吹き出され、ここで該収納箱24の底部に
接触する。更に、冷気は前記側面通路46,46を上昇する
際に、両収納箱22,24の両側面に接触して収納箱22,24を
冷却した後、再び冷却器28に戻るサイクルを反復する。
なお、底部空間44に吹き出された冷気は、上下の収納箱
22,24との間で熱交換されて暖められているので、断熱
箱体18の底部に冷気が滞留することがなく、冷気は効率
的に循環し、両収納箱22,24を均一に冷却する。
考案の効果 以上説明した如く、本考案に係る冷蔵庫の収納箱支持
構造によれば、上下の関係で配設した複数の収納箱を、
遮蔽部材を介して載置固定することにより、その対向部
に冷気を循環させ得る通路を画成することができる。し
かも収納箱に加わる荷重の全ては、各収納箱の下方で奥
行き方向に延在する遮蔽部材および支持部材により支持
されるので、多量の食材を収納しても、これにより収納
箱が変形したり、冷気逃出を生じたりすることはない。
また、一対の遮蔽部材により画成される水平通路は、収
納箱の両側両側に画成される側面通路に対しては遮蔽さ
れて背面通路とは連通するよう構成されているから、例
えば背面通路から水平通路に流入した冷気が直ぐに側面
通路に流出するのは防止される。更に、収納箱は遮蔽部
材および支持部材に着脱自在に支持されているので、収
納箱の組付けおよび取外しを容易に行ない得る有益な利
点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の好適な実施例に係る縦型冷蔵庫の要部
を縦断して示す分解斜視図、第2図は第1図に示す冷蔵
庫を組立てた状態で示す概略斜視図、第3図は第2図に
示す冷蔵庫の縦断側面図、第4図は第2図に示す冷蔵庫
の縦断正面図、第5図は第2図に示す冷蔵庫の横断平面
図、第6図は従来技術に係る貯蔵庫を示す縦断側面図で
ある。 12a……開口部、18……断熱箱体 19……支持部材、20……空間 22……上部収納箱、22a……開口部 24……下部収納箱、24a……開口部 26……断熱扉、34……ガイド 36……背面通路、38……遮蔽部材 40……水平通路、44……底部空間 46……側面通路

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の開口部(12a)を備え、各開口部(1
    2a)に断熱扉(26)を設けた断熱箱体(18)と、この断
    熱箱体(18)の内部に所要の空間(20)を保持して上下
    の関係で配設され、前記開口部(12a)の夫々に対応す
    る開口部(22a,24a)を有する複数の収納箱(22,24)と
    からなる冷蔵庫において、 前記断熱箱体(18)の内部底面に突設されて奥行き方向
    に延在し、前記下方の収納箱(24)の下部に底部空間
    (44)が画成された状態で該収納箱(24)の底面を支持
    する支持部材(19)と、 前記断熱箱体(18)の内部背面に左右方向に所要間隔離
    間して対向的に配設されて上下方向に延在し、前記収納
    箱(22,24)の背面側に背面通路(36)が画成された状
    態で該収納箱(22,24)の背面部が嵌合される一対のガ
    イド(34,34)と、 前記断熱箱体(18)における内部の左右両側面に対して
    夫々所要間隔離間して配設されて奥行き方向に延在する
    と共に左右方向に所要間隔離間して対向し、前記上下の
    関係で配設される収納箱(22,24)の対向する左右両側
    縁を支持する一対の遮蔽部材(38,38)とからなり、 前記一対の遮蔽部材(38,38)で支持された上下の収納
    箱(22,24)の間に、該収納箱(22,24)の両側面側に画
    成された側面通路(46,46)に対しては遮蔽されて前記
    背面通路(36)とは連通する水平通路(40)が画成され
    るよう構成した ことを特徴とする冷蔵庫の収納箱支持構造。
  2. 【請求項2】前記上方の収納箱(22)は遮蔽部材(38,3
    8)に着脱自在に支持され、また下方の収納箱(24)は
    支持部材(19)に着脱自在に支持されることを特徴とす
    る請求項1記載の冷蔵庫の収納箱支持構造。
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