JPH0827051A - 3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法 - Google Patents
3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
そのアシル化誘導体を、水性媒体中で、塩基及びパラジ
ウム触媒の存在下に、還元剤としてヒドロキシルアミン
又はその塩を使用して脱ハロゲン化二量化して、3,
3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル
を製造する。 【効果】 各種の工業薬品、医薬、農薬等の中間体とし
て、特に高耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れたエンジニ
アリングプラスチックや光学用プラスチック用原料とし
て有用な3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキ
シビフェニルを高収率で工業的に有利に製造し得る。
Description
4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法に関する。構
造式(1)で表される化合物は各種工業原料、特に高耐
熱性、耐油性、耐薬品性に優れたエンジニアリングプラ
スチック、光学用プラスチック、合成ゴム改質剤等の原
料としてその有用性が大きく期待されている。
製造方法としては、次ぎの方法が提案されている: 1) ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(The Jour. of Org.Chem. ),第34巻、第4号、1
160〜1161頁には、o−フェニルフェノール・ア
ルミニウム塩の存在下で、o−フェニルフェノール(O
PP)をイソ−ブチレンと反応させて2−第3級ブチル
−6−フェニルフェノール(2,6−置換フェノール)
を合成し、該2,6−置換フェノールをエタノール溶媒
中で塩化第一銅及びN,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミンの存在下に酸素ガスで酸化して3,
3’−ジ−第3級ブチル−5,5’−ジフェニルジフェ
ノキノン(テトラ置換ジフェノキノン)を合成し、該テ
トラ置換ジフェノキノンをピリジンの存在下で2,6−
置換フェノールと酸化還元反応を行なわせて2,2’−
ジ−第3級ブチル−6,6’−ジフェニル−4,4’−
ビフェノール(テトラ置換ビフェノール)を合成し、次
いで該テトラ置換ビフェノールにアルミニウム及びp−
第3級ブチルフェノールを加えて脱ブチル化反応を行な
って3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニルを得ている。該方法は工程が複雑で、反応条件
が厳しく、特殊な薬品類を必要とし、しかもOPPから
目的物までの通算収率は約48%程度と不十分であり、
工業的には更に検討を要する。
は、2−フェニル−4−クロロフェノールをメタノール
溶媒中で、塩基及びパラジウム触媒の存在下で脱ハロゲ
ン化二量化させて3,3’−ジフェニル−4,4’−ジ
ヒドロキシビフェニルを製造する方法が記載されている
が、この方法においては原料ハロゲン化フェノールの反
応率は86.4%、目的物の収率は32.5%程度であ
り、反応率、収率ともに満足できるものではない。
かかる問題点を解決するためになされたものであり,特
殊な薬品類や装置、操作を必要とせず、穏和な条件で、
しかも安全、衛生及び公害防止の観点からも特に問題が
なく、かつ高品質の目的物を高収率で製造し得る方法を
提供することを目的とする。
のかかる問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2
−フェニル−4−ハロゲノフェノール又はその誘導体を
特定の反応剤、反応条件下で脱ハロゲン化二量化するこ
とにより、上記の目的を達成し得ることを見出し,本発
明を完成した。。
し、Xはハロゲン原子を表す。]で表される2−フェニ
ル−4−ハロゲノフェノール又はその誘導体を、水性媒
体中で、塩基及びパラジウム触媒の存在下に、還元剤と
してヒドロキシルアミン又はその塩を使用して脱ハロゲ
ン化二量化することを特徴とする、構造式(1)
4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法が提供され
る。本発明についてさらに詳細に説明する。本発明の製
造方法で用いる一般式(2)で表される化合物の具体例
としては、2−フェニル−4−ヨードフェノール、2−
フェニル−4−クロロフェノール、2−フェニル−4−
ブロモフェノール及びこれらのヒドロキシル基のアセチ
ル化誘導体、ベンゾイル化誘導体等が挙げられる。工業
的にはその製造時における安全、衛生上の問題や収率、
品質などの点から、2−フェニル−4−ブロモフェノー
ルが好ましく、この2−フェニル−4−ブロモフェノー
ルの製造は2−フェニルフェノールと臭素との反応によ
り、ほとんど定量的に可能である。
有機系及び無機系の塩基が挙げられるが、好ましくはア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩あ
るいは重炭酸塩であり、さらに好ましくは水酸化ナトリ
ウム又は水酸化カリウムである。こららは水溶液として
1〜50%(重量基準、以下特に記載しない限りは同じ
である)、好ましくは5〜20%の濃度で使用される。
としては、公知の方法により金属パラジウムを活性炭、
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、珪藻土、ゼオラ
イト、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、硫酸バリ
ウム等に担持させたものが使用されるが、特に活性炭に
担持させたものが好適である。担体に担持させるパラジ
ウム金属の量は0.1〜20%、好ましくは0.5〜1
0%である。パラジウム触媒の使用量は一般式(2)で
表される化合物1モルに対してパラジウム金属原子換算
で0.01〜100ミリモル、好ましくは1〜50ミリ
モル相当量である。触媒は反応終了後分離回収して、脱
ハロゲン化二量化反応に反復使用可能であるが、触媒活
性が低下した場合には、常法により触媒を(担体と共
に)焼成して還元賦活すればほとんど初使用時の活性に
復活させることができる。従って触媒は取り扱い損失を
極力防止すればコスト的に大きな負担となることはな
い。
は、ヒドロキシルアミンまたはその塩,例えば、その硫
酸塩又は塩酸塩が使用される。その使用量は一般式
(2)で表される化合物の5〜80%、好ましくは15
〜30%である。実際上は硫酸ヒドロキシルアミン又は
塩酸ヒドロキシルアミンを5〜35%、好ましくは10
〜30%水溶液として使用するのが便利である。また、
これらのヒドロキシルアミン又はその塩は必要量を反応
系に一度に添加して脱ハロゲン化二量化を実施してもよ
いが、これらのヒドロキシルアミン又はその塩を水溶液
として滴下しながら脱ハロゲン化二量化を実施すること
が好ましい。
は、水が使用される。水単独で用いても、あるいは必要
に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン等のグリコール類又はそれ
らの低級アルキルエーテル類等と併用してもよい。反応
媒体の使用量は一般式(2)で表される化合物の1〜2
0倍量(重量基準、以下特に記載しない限りは同じであ
る)、好ましくは3〜10倍量である。
件に依存して適当に選択されるが、通常は反応温度は5
0〜200℃、好ましくは80〜120℃であり、反応
時間は0.5〜12時間、通常は1〜5時間である。反
応は反応温度に依存して常圧又は加圧下で実施される。
反応雰囲気は空気中でも、不活性ガス中でもよい。
濾別する。生成物含有濾液を20℃以下に冷却し、酸析
する。酸析物は目的物と2−フェニルフェノール(及び
2−フェニル−4−ブロモフェノール)との混合物であ
るので、濾別後適当な溶媒、例えばアルコールや、アル
コール:水混合液等で再結晶するか、減圧蒸留により2
−フェニルフェノール(及び2−フェニル−4−ブロモ
フェノール)を分離除去し、残留物を再結晶して目的物
を得る。あるいは酸析後に適当な溶剤、例えばトルエン
等で抽出し、溶剤トッピングし、減圧蒸留し、再結晶し
て目的物を得ることもできる。再結晶法の代替法,ある
いは再結晶法との併用法として、減圧蒸留残留物をアル
カリ水に溶解し、必要ならば脱色、濾過操作を行なった
後、酸析して精製品を回収することも簡便で効率のよい
手段である。
である場合は、反応に使用する塩基や反応温度等に依存
して、脱ハロゲン化二量化反応とともに脱アシル化反応
が起こり、反応終了混合物中の構造式(1)で表される
化合物はジヒドロキシ体(ジ塩)として得られる。
−ブロモビフェニル60.0g、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液380g及び5%パラジウム/カーボン触媒
0.3gを仕込み、攪拌しながら95℃付近に昇温し、
同温度に保ちながら、水58gに溶解した硫酸ヒドロキ
シルアミン19.2gの水溶液を3時間にわたって滴下
した。滴下終了後、同温度で1時間熟成反応を行なった
後、熱濾過して触媒を濾別し、濾液(反応混合液)を室
温に冷却した。反応混合液の一部を取り、液体クロマト
グラフィーにより分析を行なったところ、3,3’−ジ
フェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下D
OQ−Oと略記)74.5%、2−フェニル−4−ブロ
モフェノール(以下BOPPと略記)0.0%、2−フ
ェニルフェノール(以下OPPと略記)22.9%及び
未確認物質(以下UKと略記)2.6%であるとの結果
を得た。即ち、転化率は100%、選択率は74.5%
であった。反応混合液を10%硫酸水溶液でpH3まで
中和し、トルエン100gを加えて70〜80℃で抽出
し、トルエン層からトルエンを留去した後減圧蒸留して
OPPを除去し、その後、残留物に10%水酸化ナトリ
ウム水溶液150gを加えて加温溶解し、脱色炭1gを
添加混合した後濾過し、濾液を15℃付近に冷却して3
0%硫酸水溶液でpH3まで酸析し、析出物を濾過、水
洗、乾燥して、白色結晶性粉末26.6gを得た。収率
は65.4%(2−フェニル−4−ブロモフェノールか
らの理論値基準)であり、融点は138℃(文献値13
8〜139℃)であった。
60.0gの代りに2−アセトキシ−5−ブロモビフェ
ニル75.0gを用い、10%水酸化ナトリウム水溶液
380gの代りに15%水酸化ナトリウム水溶液400
gを用いた以外は実施例1と同様に操作して、DOQ−
Oの微黄色結晶性粉末25.8gを得た。収率は63.
6%であり、融点は138℃であった。
媒を再使用して、実施例1と同様に操作し、さらに回収
した触媒を反復使用して反復合成を行なった。各回にお
ける反応終了混合液を液体クロマトグラフィーにより分
析を行なった結果は表1に示す通りであった。
代りに塩酸ヒドロキシアミン16.4gを使用した以外
は実施例1と同様に操作して、反応終了混合液を液体ク
ロマトグラフィーにより分析を行なったところ、2−フ
ェニル−4−ブロモフェノールの転化率は97.0%、
DOQ−Oへの選択率は66.5%であった。
品、医薬、農薬等の中間体として、特に高耐熱性、耐油
性、耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックや
光学用プラスチック用原料として有用な3,3’−ジフ
ェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルを、特殊な
薬品類や装置、操作を必要とせず、穏和な条件で、しか
も安全、衛生及び公害防止の観点からも特に問題がな
く、かつ高品質の目的物を高収率で製造し得る。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 [式中、Rは水素原子又はアシル基を表し、Xはハロゲ
ン原子を表す。]で表される2−フェニル−4−ハロゲ
ノフェノール又はその誘導体を、水性媒体中で、塩基及
びパラジウム触媒の存在下に、還元剤としてヒドロキシ
ルアミン又はその塩を使用して脱ハロゲン化二量化する
ことを特徴とする、構造式(1) 【化2】 で表される3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロ
キシビフェニルの製造方法。 - 【請求項2】 ヒドロキシルアミン又はその塩を水溶液
として滴下しながら脱ハロゲン化二量化を実施すること
を特徴とする、請求項1記載の3,3’−ジフェニル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16102394A JP3545807B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | 3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP16102394A JP3545807B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | 3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法 |
Publications (2)
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---|---|
JPH0827051A true JPH0827051A (ja) | 1996-01-30 |
JP3545807B2 JP3545807B2 (ja) | 2004-07-21 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16102394A Expired - Fee Related JP3545807B2 (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | 3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3545807B2 (ja) |
-
1994
- 1994-07-13 JP JP16102394A patent/JP3545807B2/ja not_active Expired - Fee Related
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